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発明の名称 映像信号処理装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2003−189125(P2003−189125A)
公開日 平成15年7月4日(2003.7.4)
出願番号 特願2001−387161(P2001−387161)
出願日 平成13年12月20日(2001.12.20)
代理人
発明者 清水 彰
要約 課題
映像信号処理装置において、入力映像信号に対し白側レベルに影響を与えることなく黒側レベルを調整する。

解決手段
RGBの入力映像信号について、設定した範囲の黒側レベルのみを可変し、同設定した範囲外の白側レベルについては不変として出力する黒レベル調整部1、2、3をRGB各信号ごとに設ける。また、前記黒レベル調整部1等における前記設定範囲を、映像信号100%白に対し略25%以下の黒側レベルの範囲とする。また、前記黒レベル調整部1等を、複数種類の入出力変換特性を予め記憶してなるLUTで構成する。上記入出力変換特性を特性設定用の制御信号S1により選択する。
特許請求の範囲
【請求項1】 入力映像信号について、黒側レベルとして設定した範囲の映像信号のみを対象としてレベルを可変し、前記設定した範囲外の白側レベルについては不変として出力する黒レベル調整部を備えてなることを特徴とする映像信号処理装置。
【請求項2】 前記黒レベル調整部における前記設定した範囲が、映像信号100%白に対し略25%以下の黒側レベルの範囲としたことを特徴とする請求項1記載の映像信号処理装置。
【請求項3】 前記黒レベル調整部における前記可変する黒側レベルの範囲の設定が、映像信号100%白に対し略25%以下の黒側レベルの範囲において設定した複数の範囲の中から任意に選択して設定可能としたことを特徴とする請求項1記載の映像信号処理装置。
【請求項4】 前記黒レベル調整部が、予め備えてなる複数種類の入出力変換特性を制御信号により選択設定することからなることを特徴とする請求項1乃至請求項3いずれかに記載の映像信号処理装置。
【請求項5】 前記黒レベル調整部が、複数種類の入出力変換特性を予め記憶してなるLUT(Look Up Table )からなることを特徴とする請求項4記載の映像信号処理装置。
【請求項6】 前記黒レベル調整部をガンマ補正又は白バランス補正の前段階に設けたことを特徴とする請求項1記載の映像信号処理装置。
【請求項7】 前記複数種類の入出力変換特性が、それぞれリニア特性からなることを特徴とする請求項4又は請求項5記載の映像信号処理装置。
【請求項8】 前記複数種類の入出力変換特性が、ノンリニア特性又はリニア特性とノンリニア特性との組み合わせからなることを特徴とする請求項4又は請求項5記載の映像信号処理装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は映像信号処理装置に係り、より詳細には、入力映像信号について、白側レベルに影響を与えることなく黒側レベルを調整するものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、映像信号の黒側レベルを補正又は調整する機能として輝度調整やコントラスト調整等がある。しかし、これら機能はいずれも黒側レベルを調整すると白ピークを含む白側のレベルも変動するという欠点があった。例えば、輝度を下げた場合には白ピークレベルも下がり、逆に輝度を上げれば白ピークレベルも上がる。一方、PDP(プラズマディスプレイパネル)又はLCD(液晶素子)を搭載した近年の映像表示機器の映像信号処理は通常、ディジタル処理であるが、このディジタル処理に使用するデバイスのダイナミックレンジが狭い場合、前記機能により輝度を上げたときには白ピークが潰れるという問題が生じる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記欠点又は問題に鑑み、映像信号について、白側レベルに影響を与えることなく黒側レベルを調整可能にした映像信号処理装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記目的達成のため本発明は、入力映像信号について、黒側レベルとして設定した範囲の映像信号のみを対象としてレベルを可変し、前記設定した範囲外の白側レベルについては不変として出力する黒レベル調整部を備えてなる映像信号処理装置を提供するものである。
【0005】また、前記黒レベル調整部における前記設定した範囲が、映像信号100%白に対し略25%以下の黒側レベルの範囲とする。
【0006】または、前記黒レベル調整部における前記可変する黒側レベルの範囲の設定が、映像信号100%白に対し略25%以下の黒側レベルの範囲において設定した複数の範囲の中から任意に選択して設定可能としてもよい。
【0007】また、前記黒レベル調整部は、予め備えてなる複数種類の入出力変換特性を制御信号により選択設定するようにする。
【0008】また、前記黒レベル調整部を、複数種類の入出力変換特性を予め記憶してなるLUT(Look Up Table )で構成する。
【0009】また、前記黒レベル調整部をガンマ補正又は白バランス補正の前段階に設ける。
【0010】また、前記複数種類の入出力変換特性を、それぞれリニア特性とする。または、ノンリニア特性、更にはリニア特性とノンリニア特性との組み合わせとしてもよい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、発明の実施の形態を実施例にもとづき図面を参照して説明する。図1は本発明による映像信号処理装置の一実施例を示す要部ブロック図であり、入力映像信号の形態をR(赤)、G(緑)、B(青)の各信号からなるものとしたものである。図2は本発明による映像信号処理装置の他の実施例を示す要部ブロック図である。図3は黒レベル調整部の要部ブロック図であり、(A)は図1に対応するもの、(B)は図2に対応するものである。また、図4は図1又は図2それぞれの黒レベル調整部を説明するための映像信号入出力変換特性図の一例である。図1において、1〜3はRGB各信号ごとの黒レベル調整部、4〜6は同・ガンマ補正部、7 〜9 は同・白バランス補正部である。また、図2において、図1と同等のものには同一符号を付してあり、11〜13はRGB各信号ごとの黒レベル調整部である。
【0012】次に、本発明の動作について説明する。最初に、図1について説明する。RGBの各入力映像信号はそれぞれの黒レベル調整部1、同2及び同3に入力し、同入力映像信号について、予め黒側レベルとして設定した範囲の映像信号のみを対象としてレベルを調整し、同設定した範囲外の白側レベルについては不変として出力する。上記調整は入力される特性設定用の制御信号S1に従って処理される。各黒レベル調整部1、2、3それぞれで黒レベル調整されたRGBの各映像信号はそれぞれのガンマ補正部4、同5及び同6に入力し、PDP又はLCD等の表示素子の発光特性に適合するようにRGBの各映像信号についてレベル補正する。ガンマ補正部4、5、6それぞれでガンマ補正されたRGBの各映像信号はそれぞれの白バランス補正部7、同8及び同9に入力し、PDP又はLCD等の表示素子で適正な白表示となるようにレベル補正する。上述のように、黒レベル調整部1、2、3はガンマ補正及び白バランス補正の処理前に設けているが、これにより黒レベル調整に影響されることなく適正なガンマ補正及び白バランス補正が行われる。
【0013】次に、図2について説明する。前記図1の構成は、調整する黒側レベルの範囲を予め設定しておくものであり、同設定後にはこの範囲は固定となる。これに対し図2の構成は、調整する黒側レベルの範囲についても可変設定可能としたものである。例えば、100%白に対し、略25%以下の黒側レベル又は略20%以下の黒側レベル又は略15%以下の黒側レベル等から選択して設定可能とすることである。この場合、設定した範囲外の白側レベルについては不変で出力することは図1と同様である。上記範囲の設定は入力される範囲設定用の制御信号S11に従って処理され、同設定後のRGB各映像信号それぞれに対する黒側レベルの調整は入力される特性設定用の制御信号S12に従って処理される。黒レベル調整後のガンマ補正及び白バランス補正については前記図1と同様である。
【0014】次に、上記図1における黒レベル調整部1、2、3及び図2における黒レベル調整部11、12、13について図3及び図4をもとに説明する。図3(A)は図1の黒レベル調整部1としたものであり、同(B)は図2の黒レベル調整部11としたものである。なお、RGBそれぞれの黒レベル調整部の構成自体は同じである。最初に、図3(A)について説明する。同図において、メモリ部1aは複数種類の入出力変換特性を予め記憶させておくものであり、いわゆるLUT(Look Up Table )となるものである。上記複数種類の入出力変換特性例を図示したものが図4(A)であり、同図は100%白に対し略25%以下の黒側レベルの入出力変換特性を複数種類備えたものである。この入出力変換特性の種類としては、入出力変換が1対1の特性(これを基準特性と記す)の他に、同基準特性に対し入力レベルを上げて出力する変換特性及び入力レベルを下げて出力する変換特性をそれぞれ複数種類設けておく。
【0015】図4(A)は上記の入力レベルを上げて出力する変換特性をm種類とし、入力レベルを下げて出力する変換特性をn種類としたものである。図4(A)中の入力軸のaと出力軸のaとを結ぶ範囲が入出力変換の範囲であり、黒レベル調整範囲となる。同図から理解できるように、上記調整範囲外の白側レベルに対しては入出力変換は固定であり、上記調整をしても白側のレベルは変動しない。また、上記複数種類の入出力変換特性の中からの選択は入力される特性設定用の制御信号S1に従う。このため、メモリ部1aには同制御信号S1と上記複数種類の入出力変換特性それぞれとを対応付けて記憶させておく。従って、上記制御信号S1の入力があった場合、制御部1bは同制御信号S1に対応する入出力変換特性をメモリ部1aより読み出し、同変換特性に従い入力映像信号(本図ではR信号)を変換部1cでレベル変換し、出力する。以上により、所定の範囲で白側レベルに影響を与えることなく黒側レベルを調整できることとなる。なお、他の黒レベル調整部2、3についても同様の動作である。
【0016】次に、図3(B)について説明する。図3(B)の黒レベル調整部11は前述のように、調整する黒側レベルの範囲を可変設定可能としたものである。このため、メモリ部11aには、前記図3(A)のメモリ部1aの記憶データと同類の複数種類からなる入出力変換特性を黒側レベルの範囲を変えて複数種類予め記憶させておく。この範囲を変えた一例を図4(B)に示す。前記図4(A)が100%白に対し略25%以下の黒側レベルを調整範囲としたものに対し、図4(B)は100%白に対し略20%以下の黒側レベルを調整範囲としたものである。この範囲に入出力変換特性を複数種類備える点については図4(A)の場合と同様であり、図4(B)中の入力軸のbと出力軸のbとを結ぶ黒レベル調整範囲となる。また、図4(B)は入力レベルを上げて出力する変換特性をm種類とし、入力レベルを下げて出力する変換特性をn種類としたものである。
【0017】図4(B)は一例であり、この他に比率の異なる調整範囲を複数種類について設定し、これら調整範囲を範囲設定用の制御信号S11と対応付けてメモリ部11aに予め記憶させておく。メモリ部11aにはこの他に、特性設定用の制御信号S12と対応付けた複数種類の入出力変換特性を記憶させておく点については図4(A)の場合と同様である。以降の動作については基本的に図3(A)の場合と同様であり、制御信号S11、S12の入力があった場合、制御部11bは同制御信号S11、S12に対応する範囲の入出力変換特性をメモリ部11aより読み出し、同変換特性に従い入力映像信号(本図ではR信号)を変換部11cでレベル変換し、出力する。以上により、設定した範囲で白側レベルに影響を与えることなく黒側レベルを調整できることとなる。なお、他の黒レベル調整部12、13についても同様の動作である。また、前記図4(A)(B)では入出力変換特性それぞれを比例的に変換するリニア(直線)特性として描いたが、これとは別にノンリニア(非直線)特性としてもよく、又は両者を適宜組み合わせた変換特性としてもよい。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、白側レベルに影響を与えることなく黒側レベルの調整が可能となり、従来に比し黒レベル調整が容易となる。また、白側レベルに影響を与えないことから、PDP等のディジタル映像処理に使用するデバイスのダイナミックレンジが狭い場合にも黒レベル調整により白ピークが潰れるという問題が生じない。また、黒レベル調整部をガンマ補正及び白バランス補正の処理前に設けているので、黒レベル調整に影響されることなく適正なガンマ補正及び白バランス補正の処理ができる。




 

 


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