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個性的要素継承システム、及びその生成方法と装置、並びにそれに用いる動的メディア - 独立行政法人通信総合研究所
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発明の名称 個性的要素継承システム、及びその生成方法と装置、並びにそれに用いる動的メディア
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2003−281463(P2003−281463A)
公開日 平成15年10月3日(2003.10.3)
出願番号 特願2002−82559(P2002−82559)
出願日 平成14年3月25日(2002.3.25)
代理人 【識別番号】100090893
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 敏
発明者 加藤 宗子 / 中川 晋一
要約 課題
各行為者の思考・行動が依拠する個性的要素を保存し継承するシステム、及びその生成方法と装置、並びにそれに用いる動的メディアを提供すること。

解決手段
行為者の対象となる行為に対し、その行為を構成する要素を分析する行為要素分析手段と、それら行為要素から行為がどのように構成されているか行為の構造を解析する行為構造解析手段とを少なくとも備えた行為定義手段、並びに、行為要素または行為構造が与えられればそれを利用して行為を生成する行為生成手段、行為者の行為を検知して、行為要素と行為構造のうち少なくとも一方を得る行為検知手段、少なくとも行為検知手段で得た情報から、その行為者に固有な個性的要素を抽出して記録する個性的要素抽出手段、少なくとも行為生成手段と個性的要素抽出手段を備えた動的メディア、少なくとも行為者と動的メディアとの間で情報を授受する情報授受手段とを設ける。
特許請求の範囲
【請求項1】行為者の個性的要素を継承するシステムであって、行為者の対象となる行為に対し、その行為を構成する要素を分析する行為要素分析手段と、それら行為要素から行為がどのように構成されているか行為の構造を解析する行為構造解析手段とを少なくとも備えた行為定義手段、並びに、行為要素または行為構造が与えられればそれを利用して行為を生成する行為生成手段、行為者の行為を検知して、行為要素と行為構造のうち少なくとも一方を得る行為検知手段、少なくとも行為検知手段で得た情報から、その行為者に固有な個性的要素を抽出して記録する個性的要素抽出手段、少なくとも行為生成手段と個性的要素抽出手段を備えた動的メディア、少なくとも行為者と動的メディアとの間で情報を授受する情報授受手段、とを有することを特徴とする個性的要素継承システム。
【請求項2】行為者の行為に影響を及ぼす環境的要素を検知する環境検知手段と、その環境と動的メディアとの間で情報を授受する情報授受手段とを備えた請求項1に記載の個性的要素継承システム。
【請求項3】個性的要素抽出手段が、行為者と動的メディアとの間の対話型インタラクションによる工程を含む請求項1または2に記載の個性的要素継承システム。
【請求項4】個性的要素抽出手段が、環境と動的メディアとの間の対話型インタラクションによる工程を含む請求項2または3に記載の個性的要素継承システム。
【請求項5】個性的要素抽出手段が、進化的計算による工程を含む請求項1ないし4に記載の個性的要素継承システム。
【請求項6】個別の環境的要素を個性的要素から捨象する個性的要素標準化手段を備えた請求項2または5に記載の個性的要素継承システム。
【請求項7】与えられた環境的要素を利用して行為を生成する行為生成手段を備えた請求項2ないし6に記載の個性的要素継承システム。
【請求項8】システムの利用者と動的メディアとの間で情報を授受する情報授受手段を備え、利用者からの入力を利用して行為を生成する行為生成手段を備えた請求項1ないし7に記載の個性的要素継承システム。
【請求項9】複数の動的メディアの間で情報を授受する情報授受手段と、複数の動的メディアを組み合わせて新たな動的メディアを生成する動的メディア交配手段とを備えた請求項1ないし8に記載の個性的要素継承システム。
【請求項10】動的メディア交配手段が、進化的計算による工程を含む請求項9に記載の個性的要素継承システム。
【請求項11】対象となる行為が、描画行為である請求項1ないし10に記載の個性的要素継承システム。
【請求項12】行為者の個性的要素を継承するシステムを生成する方法であって、行為者の対象となる行為に対し、その行為を構成する要素を分析すると共に、それら行為要素から行為がどのように構成されているか行為の構造を解析することで、行為を定義し、与えられた行為要素または行為構造を利用して行為を生成し、他方、行為者の行為を検知して、行為要素と行為構造のうち少なくとも一方を得て、少なくともそれから、その行為者に固有な個性的要素を抽出して記録し、少なくとも個性的要素を抽出して記録する機能と行為を生成する機能とを動的メディアに備えさせ、少なくとも行為者と動的メディアとの間で情報を授受して、行為者の個性的要素を動的メディアに継承するシステムを生成することを特徴とする個性的要素継承システムの生成方法。
【請求項13】行為者の個性的要素を継承するシステムを生成する装置であって、行為者の対象となる行為に対し、その行為を構成する要素を分析すると共に、それら行為要素から行為がどのように構成されているか行為の構造を解析することで行為を定義する行為定義手段、並びに、与えられた行為要素または行為構造を利用して行為を生成する行為生成手段、行為者の行為を検知して、行為要素と行為構造のうち少なくとも一方を得る行為検知手段、少なくとも行為検知手段で得た情報から、その行為者に固有な個性的要素を抽出して記録する個性的要素抽出手段、少なくとも行為生成手段と個性的要素抽出手段を備えた動的メディア、少なくとも行為者と動的メディアとの間で情報を授受する情報授受手段、とを有して、行為者の個性的要素を動的メディアに継承するシステムを生成することを特徴とする個性的要素継承システムの生成装置。
【請求項14】行為者の個性的要素を継承するシステムに用いられる動的メディアであって、行為者の対象となる行為に対し、その行為を構成する要素を分析すると共に、それら行為要素から行為がどのように構成されているか行為の構造を解析することで行為を定義し、与えられた行為要素または行為構造を利用して行為を生成する他方、行為者の行為を検知して、行為要素と行為構造のうち少なくとも一方を得て、少なくともそれから、その行為者に固有な個性的要素を抽出して記録する構成において、少なくとも個性的要素を抽出して記録すると共に行為を生成し、少なくとも行為者との間で情報授受が可能であることを特徴とする個性的要素継承システムに用いられる動的メディア。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人間などの行為者に備わる個性的要素を継承するシステム、及び、その生成方法と装置、並びにそれに用いる動的メディアに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の情報通信技術は、利便性や精度の向上が重視されてきた。しかし最近は、豊かな人間性を確保することを主眼とした技術展開が求められつつある。時代を超えて自己を残すことができれば、時代の継続性や生きがいの創出に貢献するところが大きい。例えば、ある一人の漫画家の個性的要素を保存し何らかのメディアに継承することができれば、その漫画家の死後も継続して、その漫画家固有の新たな漫画を提供することが可能である。
【0003】これまでのメディアは、印刷物や、フィルム、磁気ディスクなど各種情報伝達媒体を介して、各人が表現した結果を単に出力した静的な保存物品であった。例えば、漫画は、その漫画家の思想や表現技術を端的に示してはいるが、変化しない物品に過ぎない。そのため、漫画という静的なメディアから、その漫画家の思想を理解したり、表現技術を模倣するには限界がある。すなわち、従来の静的メディアでは、ある一人の人間の動的な個性的要素を保存し継承することは不可能であった。
【0004】漫画家という一人の人間を、生物学的に未来永劫保存することも無理である。クローン技術等により、生物学的に同一と見なされる人間をつくったとしても、経験とそれに伴う記憶が異なるので、実質的に別人である。すなわち、従来の生物学的手段によっても、ある一人の人間の個性的要素を保存し継承することは不可能であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、各行為者の思考・行動が依拠する個性的要素を保存し継承して、その行為者の新たな行為を生成できるシステム、及び、その生成方法と装置、並びにそれに用いる動的メディアを提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明は次の構成を備える。すなわち、行為者の個性的要素を継承するシステムであって、行為者の対象となる行為に対し、その行為を構成する要素を分析する行為要素分析手段と、それら行為要素から行為がどのように構成されているか行為の構造を解析する行為構造解析手段とを少なくとも備えた行為定義手段、並びに、行為要素または行為構造が与えられればそれを利用して行為を生成する行為生成手段、行為者の行為を検知して、行為要素と行為構造のうち少なくとも一方を得る行為検知手段、少なくとも行為検知手段で得た情報から、その行為者に固有な個性的要素を抽出して記録する個性的要素抽出手段、少なくとも行為生成手段と個性的要素抽出手段を備えた動的メディア、少なくとも行為者と動的メディアとの間で情報を授受する情報授受手段とを有することを特徴とする。
【0007】ここで、行為者の行為に影響を及ぼす環境的要素を検知する環境検知手段と、その環境と動的メディアとの間で情報を授受する情報授受手段とを設けて、環境に応じて行為を適宜生成できるようにしてもよい。
【0008】個性的要素抽出手段に、行為者と動的メディアとの間の対話型インタラクションによる工程を含めて、個性的要素の積極的な抽出に寄与させてもよい。
【0009】個性的要素抽出手段に、環境と動的メディアとの間の対話型インタラクションによる工程を含めて、個性的要素の十全な抽出に寄与させてもよい。
【0010】個性的要素抽出手段に、進化的計算による工程を含めて、個性的要素の抽出精度向上に寄与させてもよい。
【0011】個別の環境的要素を個性的要素から捨象する個性的要素標準化手段を設けて、個性的要素の管理及び利用の利便性に寄与させてもよい。
【0012】与えられた環境的要素を利用して行為を生成する行為生成手段を設けて、行為の多様化や、環境に適合した行為の生成に寄与させてもよい。
【0013】システムの利用者と動的メディアとの間で情報を授受する情報授受手段を設け、利用者からの入力を利用して行為を生成することで、利用者の意図を反映させた行為の生成に寄与させてもよい。
【0014】複数の動的メディアの間で情報を授受する情報授受手段と、複数の動的メディアを組み合わせて新たな動的メディアを生成する動的メディア交配手段とを設けて、行為の進化的な多様化に寄与させてもよい。
【0015】動的メディア交配手段に、進化的計算による工程を含めて、人工的な進化の効率化に寄与させてもよい。
【0016】対象となる行為として描画行為を選定して、人間の知覚と感性の尊重や、新たなコンテンツの提供に寄与させてもよい。
【0017】このようなシステムを生成する方法は、行為者の対象となる行為に対し、その行為を構成する要素を分析すると共に、それら行為要素から行為がどのように構成されているか行為の構造を解析することで、行為を定義し、与えられた行為要素または行為構造を利用して行為を生成し、他方、行為者の行為を検知して、行為要素と行為構造のうち少なくとも一方を得て、少なくともそれから、その行為者に固有な個性的要素を抽出して記録し、少なくとも個性的要素を抽出して記録する機能と行為を生成する機能とを動的メディアに備えさせ、少なくとも行為者と動的メディアとの間で情報を授受して、行為者の個性的要素を動的メディアに継承するシステムを生成することを特徴とする。
【0018】また、このようなシステムを生成する装置は、行為者の個性的要素を継承するシステムを生成する装置であって、行為者の対象となる行為に対し、その行為を構成する要素を分析すると共に、それら行為要素から行為がどのように構成されているか行為の構造を解析することで行為を定義する行為定義手段、並びに、与えられた行為要素または行為構造を利用して行為を生成する行為生成手段、行為者の行為を検知して、行為要素と行為構造のうち少なくとも一方を得る行為検知手段、少なくとも行為検知手段で得た情報から、その行為者に固有な個性的要素を抽出して記録する個性的要素抽出手段、少なくとも行為生成手段と個性的要素抽出手段を備えた動的メディア、少なくとも行為者と動的メディアとの間で情報を授受する情報授受手段、とを有して、行為者の個性的要素を動的メディアに継承するシステムを生成することを特徴とする。
【0019】このような行為者の個性的要素を継承するシステムに用いられる動的メディアは、行為者の対象となる行為に対し、その行為を構成する要素を分析すると共に、それら行為要素から行為がどのように構成されているか行為の構造を解析することで行為を定義し、与えられた行為要素または行為構造を利用して行為を生成する他方、行為者の行為を検知して、行為要素と行為構造のうち少なくとも一方を得て、少なくともそれから、その行為者に固有な個性的要素を抽出して記録する構成において、少なくとも個性的要素を抽出して記録すると共に行為を生成し、少なくとも行為者との間で情報授受が可能であることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を基に本発明の実施形態を説明する。なお、ここでは、個性的要素を備える行為者として、人間を挙げて説明する。しかし、本発明が対象とする行為者は、人間に限らず、猿などの動物や、人工知能を備えたロボットなどの無生物にも適用可能である。
【0021】また、対象となる行為として、描画行為を挙げて説明する。描画行為は、人間の知覚を鍛え、外界や他者、更には、自己に対しても深い洞察と尊重を誘起させる感性を養うものとして適するからである。しかし、本発明が対象とする行為は、描画行為に限らず、執筆、対話、演奏、工作、運動など、熟練技術から日常の所作まで、人間の行為一般に適用可能である。
【0022】図1は、描画行為において、行為者の個性的要素を保存し継承するシステム概要を示す説明図である。ここでは、動的メディアを植物の種子と模して、種子を生成する発生フェーズと、種子を形成する学習・継承フェーズ、種子を発芽・成長・共生させる行為創発フェーズに分けている。これまでのメディアは、人間の表現結果を単に出力した静的なものであり、ある一人の人間の思考・行動が依拠する個性的要素を十分保存したものではなかった。そのため、各人に固有な感受性や応答性を継承することができず、「もし、彼・彼女だったら、この状況でどんな行為をするだろうか」という問いに、時間空間を超えて答えることはできなかった。そこで、人間をもいわば動的なメディアとして扱い、各人の行為特性を出力可能な形態で記録することで、各人の個性的要素を保存し継承するシステムを生成する。
【0023】個性的要素継承システムの生成に当たっては、人間の意識的及び無意識的な行為を検知入力し、逆に、その情報を出力して実世界で創造行為を行うことから次の構成要素が必要である。すなわち、対象行為の基盤部分の構成機構、並びに、人間の行為及び行為環境を検知する機構、人間の個性の教育・学習・継承機構、実世界での行為媒体と動的メディアとのインタフェース及びインタラクション機構、行為環境・人間・動的メディア・実世界での行為媒体の連携機構及び行為創発機構、動的メディアの管理機構である。なお、実世界でのインターフェースには、人間が行為に使用する道具や、GUI、観測機器などが挙げられる。例えば、描画行為ならば、筆や絵の具、カンバスなどが行為媒体である。
【0024】対象行為の基盤部分の構成機構には、行為を定義する手段を設ける。一演算である行為定義手段は、描画行為に対して、その行為を構成する要素を分析する行為要素分析手段と、それら行為要素から行為がどのように構成されているかという行為の構造を解析する行為構造解析手段とを備える。例えば、「川」という文字を描く行為の場合、文字を構成する3本の線の形状、各線の間のバランス、各線と空白部分とのバランス、文字全体から受ける印象などの静的要素の他に、筆順、筆圧の変化、筆運びの速度変化、所要時間などの動的要素が挙げられる。また、このように動的要素を分解すると、逆にそれら動的要素をどのように組み合わせて総合すると、静的要素の集合体である「川」という文字が得られるかという行為の構造を解析することができる。
【0025】行為定義手段によって得られた行為の構造に基づいて逆演算すると、行為要素と行為構造から行為を生成する一演算である行為生成手段が得られる。行為生成手段は、予め蓄積されている情報に対して、新たに特定の行為要素または行為構造を入力すると、新たな行為を生成する演算を少なくとも備える。例えば、「川」という文字を描く既知の行為に対して、文字を構成する3本の線の始点位置と筆運び方向に関する異なる入力を行うと、「三」という文字を描く行為を生成することが可能である。なお、後述の個性的要素の抽出に当たっては、類似の行為、例えば、「川」に対しては「三」という文字を描く行為についての解析結果と比較照合することが有用である。
【0026】人間の行為を検知する機構には、人間の行為を検知して、行為要素と行為構造のうち少なくとも一方を得る一演算である行為検知手段を設ける。例えば、「川」という文字を描く行為の場合なら、上記の静的要素は、OCRなど図形情報を2値化する装置で検知され、動的要素は、ビデオカメラ、時計、圧力センサーなどの計測器で検知される。
【0027】行為検知手段で得た情報からは、一演算である個性的要素抽出手段によって、その行為者に固有な個性的要素が抽出され記録される。この個性的要素抽出手段は、従来公知の演算によってもよいが、人間との間の対話型インタラクションによる工程を含めて、積極的に個性的要素を選定すると効率的である。対話型インタラクションには、画像検索において各人の主観を反映する手法として用いる遺伝的アルゴリズムを活用することができる。画像検索においては、各人の主観すなわち個性的要素をいかに検知して、いかにシステムに反映するかが重要である。各人の主観は多様であり、システムに入力する情報はその主観の一断片に過ぎないので、その入力情報を行為の行われる後述の環境的要素と見なせる。すると、システム内部で自律的に多様な特徴選択を行いながら画像検索を進行させる手法を利用して、人間との間の対話型インタラクションを通して、その人の個性的要素を抽出することができる。
【0028】得られた個性的要素は、人間の個性の教育・学習・継承機構に連携する。これには、少なくとも行為生成手段と個性的要素抽出手段とを備えた動的メディアを設ける。個性的要素を記録する動的メディアは、磁気ディスク等の物品で構成されるが、その人とのインタラクションや環境的要素によって、随時学習等によって更新され変容し得り、また動的メディア自身が行為を生成するので、静的メディアと区別される。動的メディアは、後述のように、環境に応じて行為を生成できる点に特徴がある。動的メディアは、いわば植物の種子に相当すると言える。植物は、種子に自己形成するための情報を含み、環境とのインタラクションで環境に適応した種子を長い進化の過程を経て形成する。そして種子は、保存という形態をとることによって、自己形成された個性のもとに発芽・成長することができる。このそれぞれの環境適応が、行為者の個性的要素の学習課程、及び、利用者の呼び出しによる行為の創発過程とすると、植物の種子と動的メディアは類似したメカニズムをもつ。
【0029】学習・継承フェーズでは、個性を継承するために種子の進化過程を凝縮し、自己が環境に適応した種子になるための過程を繰り返す。種子化は、行為者の入力によって行われる。動的メディアが種子化されデータベースに登録されるタイミングには、次の例が挙げられる。すなわち、学習・継承フェーズにおいて、行為者の入力が行われる任意のタイミング、行為創発フェーズにおいて、後述のように、システム利用者が動的メディアを交配させて新たな動的メディアを生成したタイミング、更には、学習・継承フェーズにおいて学習に自己矛盾が生じた場合、その仮種子が自己分裂する形で待機状態になり行為者の入力を待つタイミングである。
【0030】行為環境を検知する機構には、人間の行為に影響を及ぼす環境的要素を検知する一演算である環境検知手段を設ける。環境的要素としては、例えば、温度や、湿度、音など行為する人間を取り巻く物理的要因のある閾値からのずれや、地域性や流行などの社会的要因が挙げられる。物理的要因は各物理量を計測する測定器を用いて検知し、社会的要因は統計処理等の演算によって検知する。
【0031】例えば、描画者が対象のどんな特徴に注目して描くかは、各人の個性に大きく依存する。そのため、行為者による環境的要素の観測も個性的要素の抽出に有効である。すなわち、個性的要素抽出手段には、行為者と環境との間のインタラクションを含めることが望ましい。このインタラクションにも対話型インタラクションによる工程を含めて、積極的に個性的要素を選定すると効率的である。また、このような個性的要素抽出手段も、進化的計算による工程を含むように構成すると、繰り返し学習することで個性的要素を正確に抽出することができるようになる。
【0032】環境的要素を検知すると、それを個性的要素から捨象することが可能になる。一演算である個性的要素標準化手段によって、個性的要素から環境的要素を減算すると、時間空間的に限定された環境とは独立した個性的要素が得られる。しかし、個性的要素は環境的要素に依存して出現する傾向が強いので、両者は対にして処理することが有益である。
【0033】他方、新たな環境的要素を人為的に入力すると、行為を変容させることが可能になる。一演算である行為生成手段によって何らかの環境的要素を入力すれば、行為が必ず変わるとは限らない。これから、どのような行為には、どのような環境的要素が影響するかを検索することが可能である。そのため、上記のように個性的要素を標準化しておくと、環境の行為に及ぼす影響を正確に得ることができる。
【0034】環境と動的メディアとの間にも、情報を授受する情報授受手段が設けられる。動的メディアに環境的要素を適宜入力すると、環境に応じた行為を新たに生成することができる。システムの利用者は第三者的立場なので、利用者の意図を環境的要素と見なすことができる。そこで、利用者と動的メディアとの間に情報授受手段を設けると、利用者からの入力を利用して行為を生成することで、利用者の意図を反映させた行為を生成することができるようになる。
【0035】これは、行為創発フェーズにおいて協調的描画として典型的に現れる。行為創発フェーズでの動的メディアは、行為者の個性が継承された形で、しかも行為を生成できる形で保存されているので、利用者に選ばれた後、その時点の環境を観測してその環境に適合した行為を創発する。行為創発フェーズにおいては、利用者が、何を描かせるという動機付けに応じて、どの動的メディアを選ぶかの意図も行為創発のための重要な要素である。図1では、行為環境と行為者との積集合部分が、意図に相当する。行為環境と交わらない行為者及び利用者の部分は、経験や知識に基づく思想や信念など行為者及び利用者に独自の個性的要素である。このように動的メディアは、実世界インターフェースを介してインタラクションし、自己形成及び行為創発を行う。
【0036】実世界での人間と動的メディアとの間のインタフェース及びインタラクション機構には、行為する人間と動的メディアとの間、複数の動的メディアの間で情報を授受する情報授受手段とを設ける。一演算である動的メディア交配手段によって、複数の動的メディアを組み合わせて個性的要素を適宜置換すると、別個の個性的要素を有した新たな動的メディアを生成することが可能になる。この動的メディアの交配には、進化的計算による工程を活用すると、人工的な進化の効率化に寄与する。
【0037】
【発明の効果】本発明の個性的要素継承システム、及びその生成方法と装置、並びにそれに用いる動的メディアは、上述の構成を備えることによって、次の効果を奏する。すなわち、請求項1に記載の個性的要素継承システム、並びに、請求項12に記載の個性的要素継承システムの生成方法、請求項13に記載の個性的要素継承システムの生成装置、請求項14に記載の個性的要素継承システムに用いられる動的メディアによると、行為者に固有な個性的要素を動的メディアで抽出・記録し、新たな行為を生成できるので、行為者の思考・行動が依拠する個性的要素を保存し継承することができる。
【0038】請求項2に記載の個性的要素継承システムによると、環境的要素を適宜入力して、環境に応じた行為を新たに生成することができる。
【0039】請求項3に記載の個性的要素継承システムによると、個性的要素を抽出する際に、行為者との間の対話型インタラクションによる工程を利用するので、個性的要素を積極的に抽出することができる。
【0040】請求項4に記載の個性的要素継承システムによると、個性的要素を抽出する際に、環境との間の対話型インタラクションによる工程を利用するので、個性的要素を十全に抽出することができる。
【0041】請求項5に記載の個性的要素継承システムによると、個性的要素の抽出に進化的計算による工程を利用するので、個性的要素の抽出精度を向上させることができる。
【0042】請求項6に記載の個性的要素継承システムによると、個別の環境的要素が個性的要素から捨象されるので、個性的要素の管理及び利用の利便性が向上する。
【0043】請求項7に記載の個性的要素継承システムによると、環境的要素を利用して、多様な行為を生成したり環境に適合した行為を生成することができる。
【0044】請求項8に記載の個性的要素継承システムによると、システムの利用者と動的メディアとの間で情報が授受され、利用者からの入力によって行為が生成されるので、利用者の意図を反映させた行為を新たに生成することができる。
【0045】請求項9に記載の個性的要素継承システムによると、複数の動的メディアを交配させて新たな動的メディアを生成するので、行為を進化的に多様化させることができる。
【0046】請求項10に記載の個性的要素継承システムによると、動的メディアの交配に進化的計算による工程を利用するので、進化の効率化が図れる。
【0047】請求項11に記載の個性的要素継承システムによると、描画行為を対象とするので、人間の知覚と感性を尊重した動的メディアが得られ、また、新たなコンテンツを提供することができる。




 

 


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