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発明の名称 無線通信端末、無線通信方法、およびプログラム
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2003−259434(P2003−259434A)
公開日 平成15年9月12日(2003.9.12)
出願番号 特願2002−53541(P2002−53541)
出願日 平成14年2月28日(2002.2.28)
代理人 【識別番号】100100022
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 洋二 (外2名)
【テーマコード(参考)】
5K022
5K033
5K067
【Fターム(参考)】
5K022 DD01 DD13 
5K033 AA02 AA05 CB06 DA01 DA19 EA02
5K067 AA23 CC01 CC10 EE02 EE10 JJ03 JJ12
発明者 澤田 学 / 原田 博司 / 藤瀬 雅行
要約 課題
複数周波数帯域から条件に合った周波数帯域を選択して通信する。

解決手段
無線通信端末が、使用する周波数帯域を切り替えて通信可能なRF/IF部と、複数周波数帯域中の周波数帯域の空き状況を検知する処理(ステップ505)と、複数周波数帯域中の周波数帯域の伝搬路の状況を検知する端末変復調部と、複数周波数帯域中で、空き状況と伝搬路の状況とに基づいて使用する周波数帯域を選択する処理(ステップ510〜530)と、を備える。
特許請求の範囲
【請求項1】 使用する周波数帯域を切り替えて通信可能な通信周波数切替手段と、複数周波数帯域中の周波数帯域の空き状況を検知する空き状況検知手段と、前記複数周波数帯域中の周波数帯域の伝搬路の状況を検知する伝搬路状況検知手段と、前記複数周波数帯域中で、前記空き状況と前記伝搬路の状況とに基づいて前記使用する周波数帯域を選択する適合周波数選択手段と、を備えた無線通信端末。
【請求項2】 前記通信周波数切替手段は、異なる周波数帯域を同一時間帯に使用することが可能であることを特徴とする請求項1に記載の無線通信端末。
【請求項3】 前記伝搬路状況検知手段は、前記複数周波数帯域中の周波数帯域において送出されている信号から前記周波数帯域の伝搬路のSN比を導き、このSN比に基づいて前記伝搬路の状況を検知することを特徴とする請求項1または2に記載の無線通信端末。
【請求項4】 前記伝搬路状況検知手段は、前記複数周波数帯域中の周波数帯域において送出されている既知信号から前記周波数帯域の伝搬路推定値を導き、この伝搬路推定値に基づいて前記伝搬路の状況を検知することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の無線通信端末。
【請求項5】 前記伝搬路状況検知手段は、前記複数周波数帯域中の周波数帯域において間欠的に送出されているビーコン信号から前記伝搬路の状況を検知することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の無線通信端末。
【請求項6】 前記複数周波数帯通信手段は、前記複数周波数帯域中の各周波数帯域においてそれぞれOFDMによって複数のサブキャリア周波数を使用することを特徴とする請求項4または5に記載の無線通信端末。
【請求項7】 前記適合周波数選択手段は、前記複数のサブキャリア周波数の中から選んだ所定の個数のサブキャリア周波数の伝搬路推定値のうち、所望値からのずれが第1の閾値以下であるものの前記所定の個数に対する割合が第2の閾値以上であるか否かと、前記空き状況とに基づいて使用する周波数帯域を選択することを特徴とする請求項6に記載の無線通信端末。
【請求項8】 前記複数周波数帯域中の各周波数帯域は分割されることにより複数の通信によって共有されて使用されるものであり、前記空き状況は前記各周波数帯域において前記分割された部分のうちで使用されていない前記部分の割合の推定値であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の無線通信端末。
【請求項9】 前記分割は、CSMA/CA方式によって行われることを特徴とする請求項8に記載の無線通信端末。
【請求項10】 使用する周波数帯域を切り替えて行う無線通信において、複数周波数帯域中の周波数帯域の空き状況を検知し、前記複数周波数帯域中の周波数帯域の伝搬路の状況を検知し、前記複数周波数帯域中で、前記空き状況と前記伝搬路の状況とに基づいて前記使用する周波数帯域を選択する無線通信方法。
【請求項11】 使用する周波数帯域を切り替えて通信可能な通信周波数切替手段と、複数周波数帯域中の周波数帯域の空き状況を検知する空き状況検知手段と、前記複数周波数帯域中の周波数帯域の伝搬路の状況を検知する伝搬路状況検知手段と、前記複数周波数帯域中で、前記空き状況と前記伝搬路の状況とに基づいて前記使用する周波数帯域を選択する適合周波数選択手段、としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数周波数帯域を選択して通信する無線通信端末に関するもので、移動体通信に用いて好適である。
【0002】
【従来の技術】従来、端末が用意されている複数の周波数帯域のうち1つまたはいくつかを選択して通信を行うという通信技術がある。この場合、複数の周波数帯域から使用する帯域を選択する方法としては、あらかじめ割り当てられた周波数帯を固定で使用する方法、または各周波数帯の信号レベルを調べることによって他の端末がその帯域を使用しているか否かを判定し、これによって空いていると判定した帯域を使用するという方法がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、固定で使用する方法では、端末は複数の周波数帯域中に他に空いている帯域があるにもかかわらず空いていない帯域の使用を試みるという状況が発生してしまうという問題がある。
【0004】また、各周波数帯域の信号レベルを調べることで空き帯域を見つけて使用するという方法では、端末は空いている周波数帯域があれば常にそれを使用することができるが、空き帯域のうちどれがより通信に適している周波数帯域かを知る方法がないという問題がある。
【0005】本発明は上記点に鑑みて、複数周波数帯域から条件に合った周波数帯域を選択して通信することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、請求項1に記載の無線通信端末では、使用する周波数帯域を切り替えて通信可能な通信周波数切替手段と、複数周波数帯域中の周波数帯域の空き状況を検知する空き状況検知手段と、複数周波数帯域中の周波数帯域の伝搬路の状況を検知する伝搬路状況検知手段と、複数周波数帯域中で、空き状況と伝搬路の状況とに基づいて使用する周波数帯域を選択する適合周波数選択手段と、を備えたことを特徴としている。
【0007】これにより、無線通信端末は空き状況検知手段と伝搬路状況検知手段とによって検知した空き状況と伝搬路の状況に基づいて適合周波数選択手段が使用する周波数周波数帯域を選択し、通信周波数切替手段によってその選択した周波数帯域に切り替えて通信することができるので、複数周波数帯域から条件に合った周波数帯域を選択して通信することが可能となる。
【0008】また請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の無線通信端末において、通信周波数切替手段は、異なる周波数帯域を同一時間帯に使用することが可能であることを特徴としている。
【0009】これによって1つの無線通信端末が複数の周波数帯域を同一時間帯に利用して通信をおこなうことが可能になる。
【0010】なお本明細書においては、異なる周波数帯域を同一時間帯に使用するとは、短時間で使用する周波数を切り替えることにより異なる周波数帯域で並行的に通信を続けることも含んだ概念である。
【0011】また請求項3に記載の発明では、請求項1または2に記載の無線通信端末において、伝搬路状況検知手段は、複数周波数帯域中の周波数帯域において送出されている信号から周波数帯域の伝搬路のSN比を導き、このSN比に基づいて伝搬路の状況を検知することを特徴としている。
【0012】また請求項4に記載の発明では、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の無線通信端末において、伝搬路状況検知手段は、複数周波数帯域中の周波数帯域において送出されている既知信号から周波数帯域の伝搬路推定値を導き、この伝搬路推定値に基づいて伝搬路の状況を検知することを特徴としている。
【0013】また請求項5に記載の発明では、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の無線通信端末において、伝搬路状況検知手段は、複数周波数帯域中の周波数帯域において間欠的に送出されているビーコン信号から伝搬路の状況を検知することを特徴としている。
【0014】また請求項6に記載の発明では、請求項4または5に記載の無線通信端末において、複数周波数帯通信手段は、複数周波数帯域中の各周波数帯域においてそれぞれOFDMによって複数のサブキャリア周波数を使用することを特徴としている。
【0015】また請求項7に記載の発明では、請求項6に記載の無線通信端末において、適合周波数選択手段は、複数のサブキャリア周波数の中から選んだ所定の個数のサブキャリア周波数の伝搬路推定値のうち、所望値からのずれが第1の閾値以下であるものの所定の個数に対する割合が第2の閾値以上であるか否かと、空き状況とに基づいて使用する周波数帯域を選択することを特徴としている。
【0016】また請求項8に記載の発明では、請求項1ないし7のいずれか1つに記載の無線通信端末において、複数周波数帯域中の各周波数帯域は分割されることにより複数の通信によって共有されて使用されるものであり、空き状況は各周波数帯域において分割された部分のうちで使用されていない部分の割合の推定値であることを特徴としている。
【0017】また請求項9に記載の発明では、請求項8に記載の無線通信端末において、分割は、CSMA/CA方式によって行われることを特徴としている。
【0018】また請求項10に記載の無線通信方法は、使用する周波数帯域を切り替えて行う無線通信において、複数周波数帯域中の周波数帯域の空き状況を検知し、複数周波数帯域中の周波数帯域の伝搬路の状況を検知し、複数周波数帯域中で、空き状況と伝搬路の状況とに基づいて使用する周波数帯域を選択することを特徴としている。
【0019】このような無線通信方法によって、請求項1に記載の無線通信端末を使用する場合と同等の効果を得ることが可能となる。
【0020】また請求項11に記載のプログラムは、使用する周波数帯域を切り替えて通信可能な通信周波数切替手段と、複数周波数帯域中の周波数帯域の空き状況を検知する空き状況検知手段と、複数周波数帯域中の周波数帯域の伝搬路の状況を検知する伝搬路状況検知手段と、複数周波数帯域中で、空き状況と伝搬路の状況とに基づいて使用する周波数帯域を選択する適合周波数選択手段、としてコンピュータを機能させることを特徴としている。
【0021】このようなプログラムがコンピュータを機能させることで、請求項1に記載の無線通信端末を使用する場合と同等の効果を得ることが可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)図1に、本実施形態において説明する無線通信システムの概略図を示す。無線通信を行う基地局1は通信のために複数周波数帯域を使用し、それぞれの周波数帯域を1チャンネルとしている。また基地局1はこの通信のための装置として通信装置100を有している(図1中には図示せず)。本実施形態においては周波数帯域f1、f2、f3、f4をそれぞれ1つのチャンネルとして計4チャンネルを使用することができるようになっている。車両2に搭載された無線通信端末3はこれらの周波数のうちの2チャンネルまたは1チャンネルを選択して基地局1と通信を行うことができるようになっている。
【0023】図2に、基地局1の有する通信装置100の構成を示す。通信装置100は基地局ネットワークインターフェース101、基地局無線アクセス制御部111〜114、基地局変復調部121〜124、基地局RF/IF部130、基地局アンテナ140によって構成されている。
【0024】基地局アンテナ140によって受信された無線信号は基地局RF/IF部130で基地局変復調部121〜124が復調可能な信号へRF/IF変換され、基地局変復調部121〜124のいずれかに出力される。それぞれの基地局変復調部121〜124で受信した信号は復調され、それぞれに対応する基地局無線アクセス制御部111〜114に受信データとして出力される。基地局無線アクセス制御部111〜114はそれぞれのチャンネルにおける通信のためのデータ送受信の制御、通信データの生成、処理等を行う。この基地局無線アクセス制御部111〜114によって生成された送信データは受信データと逆の経路を辿って基地局変復調部121〜124で変調され、基地局RF/IF部130でf1〜f4のうちの所望の周波数にRF/IF変換され、基地局アンテナ140で無線信号として送信される。
【0025】また、基地局RF/IF部130は基地局無線アクセス制御部111〜114からの制御信号を受信することにより、RF/IF変換の周波数を切り替えることができる。これにより複数のチャンネルを使用して通信する機能が実現される。
【0026】このように、基地局1が複数の周波数帯域に対応するように複数の基地局変復調部121〜124を持つことで、基地局1は複数の周波数帯域を使用して通信を行うことができる。
【0027】また、基地局無線アクセス制御部111〜114は基地局ネットワークインターフェース101を介してネットワーク、例えば広域ネットワークに接続され、そのネットワーク上の機器と通信を行うものである。
【0028】このような構成の通信装置100はf1〜f4の各チャンネルのそれぞれにおいて定期的にビーコン信号と呼ばれる信号を送出している。図3に各チャンネルにおいて送信されているビーコン信号の送信タイミングを模式的に示す。図3中の矢印線は時間の向きを示している。基地局1は、各チャンネルf1〜f4においてビーコン信号5をそれぞれのタイミングで一定時間間隔で送出する。このビーコン信号5は先頭にある既知の信号からなるプリアンブル信号と、それに続く基地局1の識別信号やチャンネルの識別信号等の情報を持ったデータパケットとを有している。
【0029】また、f1〜f4の各チャンネルはOFDM(Orthogonal Frequency DivisionMultiplexing)の複数のサブキャリア周波数に分かれている。本実施形態においては1つのチャンネルは8つのサブキャリア周波数を使用している。しかし、これは必ずしも8つである必要はなく、任意の数であってよい。また1チャンネルはCSMA/CA(Carrier Sence Multiple Access with Collision Avoidance)方式によって時間的に分割されており、これによって1つのチャンネルを複数の無線通信端末3が共有して使用することができるようになっている。
【0030】図4は基地局1の通信端末100と通信を行う無線通信端末3の構成を示すブロック図である。無線通信端末3は端末ネットワークインターフェース301、端末無線アクセス制御部311、312、端末変復調部321、322、端末RF/IF部330、端末アンテナ340によって構成されている。
【0031】端末アンテナ340によって受信された無線信号は端末RF/IF部330で端末変復調部321、322が復調可能な信号へRF/IF変換され、端末変復調部321、322のいずれかに出力される。それぞれの端末変復調部321、322で受信した信号は復調され、それぞれに対応する端末無線アクセス制御部311、312に受信データとして出力される。端末無線アクセス制御部311、312はそれぞれのチャンネルにおける通信のためのデータ送受信の制御、通信データの生成、処理等を行う。この端末無線アクセス制御部311、312によって生成された送信データは受信データと逆の経路を辿って端末変復調部322、322で変調され、端末RF/IF部330でf1〜f4のうちの所望の周波数にRF/IF変換され、端末アンテナ340で無線信号として送信される。
【0032】また、端末RF/IF部330は端末無線アクセス制御部311、312からの制御信号を受信することにより、RF/IF変換の周波数を短時間で切り替えることができる。これにより同一時間帯に2つのチャンネルを使用する機能が実現される。
【0033】このように、無線通信端末3は複数のf1〜f4の周波数帯域のうち2つを同時に使用して通信を行うことができる。
【0034】なお、端末変復調部321、322は、復調した各サブキャリア周波数の信号のプリアンブル信号を、あらかじめ正しいプリアンブル信号であると記憶している既知信号で除算して伝搬路推定値を算出し、それを端末無線アクセス制御部311、312に出力する機能も有している。
【0035】また端末無線アクセス制御部111〜114は端末ネットワークインターフェース301を介してネットワーク上の機器と通信を行っている。具体的な例を挙げれば車内LAN上のパーソナルコンピュータ(PC)と通信を行っている。
【0036】このような構成の無線通信端末3が基地局1と通信を行うときは、f1〜f4の複数のチャンネルから使用するチャンネルを最大2つ選択することになる。図5に、通信要求が発生して通信を開始するまでの端末無線アクセス制御部311が行う処理のフローチャートを示す。以下このフローチャートに従ってチャンネルの選択の詳細について説明する。なお、この処理は端末無線アクセス制御部312も独立して同様に行っている。
【0037】まず、ステップ500で端末無線アクセス制御部311が通信要求があると判定すると処理はステップ505に移る。この通信要求は、例えば端末ネットワークインターフェース301を介したネットワーク上の機器からのリクエストなどにより発生するものである。ステップ505では、端末無線アクセス制御部311は1つ目のチャンネルの空き状況を確認する。この空き状況はこのチャンネルにおいて分割されている時間区間のうち一定区間について端末変復調部321、端末RF/IF部330、端末アンテナ340を使用して信号レベルを検知し、それによってこの一定区間中で使用されている区間の割合、すなわち空き状況を検知する。なおこの空き状況は、このチャンネルにおいて分割された部分のうちで使用されていない部分の割合の推定値である。
【0038】次に処理はステップ510に移り、ステップ505で検知した推定値が規定値以上であるか否かを判定する。既定値以下であれば、この周波数帯での通信は行わないとして選択の判断を行う対象を次のチャンネルに移し(ステップ512)、このチャンネルの空き状況を確認する(ステップ505)。既定値以上であれば、そのチャンネルにおいて十分空きがあるとして、ステップ515でこのチャンネルにおいて定期的に送信されているビーコン信号5を利用した伝搬路推定を行う。この伝搬路推定の詳細については後述する。
【0039】次にステップ520においてこの伝搬路推定の結果として当該チャンネルが良好であるか否かを判定する。良好でないと判定すれば、この周波数帯での通信は行わないとして次の周波数帯域において空き状況の確認を行う(ステップ512、505)。良好であると判定すれば、ステップ530で当該のチャンネルで通信を開始する。
【0040】このような処理によって、空きが既定値以上で伝搬路の状況が良好なチャンネルを順次探し、見つかったものを選択してそのチャンネルで通信を行う。
【0041】図6に、上記したステップ515におけるビーコン信号5による伝搬路推定の詳細な処理のフローチャートを示す。図5のステップ515の端末無線アクセス制御部311の処理において、まず端末無線アクセス制御部311は、ステップ600で当該チャンネルにおいて送出されているビーコン信号5のSN比をこの伝搬路における信号のSN比であると推定し、これが既定のSN比以上であるか否かを判定する。
【0042】この判定は、受信するビーコン信号5のスペクトルにおいて、当該チャンネルのサブキャリアの周波数における信号のスペクトル強度の平均Saveと、その他の使用されていない周波数における信号のスペクトル強度の平均Naveとの比Save/Naveを求め、これをビーコン信号のSN比とすることによって判定を行う。
【0043】図7はSaveおよびNaveとビーコン信号5のスペクトルとの関係を表すグラフである。横軸は周波数、縦軸は信号強度である。周波数の中央付近に垂直に立っている8本の長い線分の高さがビーコン信号5の各サブキャリア周波数における強度を表している。これを平均化したものがSaveである。またサブキャリア周波数の左右の部分に垂直に立っている短い線分の高さが使用されていない周波数における信号強度を表している。これを平均化したものがNaveである。
【0044】このようにして求めたSave/Naveが既定値以上でないと判定された場合、すなわち伝搬路のSN比が規定値よりも悪いと判定された場合、伝搬路の状況は不良であるということを検出する。
【0045】Save/Naveが既定値以上であると判定された場合、すなわち伝搬路のSN比が規定値よりも良いと判定された場合、処理はステップ605に移り、端末無線アクセス制御部311によって検出された当該チャンネルにおける各サブキャリア周波数の伝搬路推定値を取得する。この伝搬路推定値が所望の値Prothより大きく離れているサブキャリア周波数は伝搬状況が不良なサブキャリア周波数である。
【0046】そして処理はステップ610に移り、取得した各サブキャリア周波数の伝搬路推定値のうち、規定の値Prothからのずれが値d以下であるものが規定の割合x、例えば8サブキャリア中6サブキャリア以上あるか否かを判定する。
【0047】図8は各サブキャリア周波数における伝搬路伝達関数の値すなわち伝搬路推定値と、規定の値Prothとの関係を表すグラフである。横軸は周波数、縦軸は伝搬路推定値である。図中垂直に立っている8本の実線または点線の高さが各サブキャリア周波数における伝搬路推定値である。このうち実線で示されているものは所望値であるProthからd以内のずれの値を有しており、点線で示されているものはProthからのずれがdより大きい値を有している。この図では8サブキャリア中5サブキャリアがProthからd以内となっている。このProthとdの関係としては、例えばd/Proth=0.1程度が考えられる。
【0048】図9はこのように伝搬路推定値のProthからのずれがd以内であるものが8サブキャリア中5サブキャリアである場合において、これが一例としての規定の割合である6/8未満であるステップ610の判定が否定となる場合の過程を示した図である。
【0049】なお、ここでは伝搬路推定値の大きさのみで既定値とのずれの大小を判定しているが、これは伝搬路推定値の位相成分も考慮して既定値とのずれの大小を判定することにしてもよい。
【0050】このステップ610の判定が否定の場合、処理はステップ620に移り、端末無線アクセス制御部311は伝搬路の状況は不良であることを検出する。また肯定の場合、処理はステップ615に移り、端末無線アクセス制御部311は伝搬路の状況は良好であることを検出する。
【0051】このように図5に記載したステップ515の処理の詳細であるステップ600〜620の処理によって検出された伝搬路の良、不良に基づき、ステップ520の判定処理が行われることになる。
【0052】なお、図6のフローチャートにおいては、ステップ610のような伝搬路推定値がProth±dの範囲内であるものの割合が既定値x以上であるか否かの判定処理の代わりに、Prothから別の既定値y(>x)以上離れている伝搬路推定値を持つサブキャリア周波数の数がゼロか否かの判定処理を用いてもよい。
【0053】あるいはこの判定処理をステップ610の前段に配し、判定が肯定ならステップ610に進み、否定ならステップ620に進むようにしてもよい。
【0054】また、図5のステップ505における空き状況確認の処理は、一定区間の確認を1度行うだけでなく、複数回行ってその平均に基づいて空き状況を決定してもよい。また図6のステップ605における伝搬路推定値の取得も一度だけでなく複数回行い、その平均値に基づいて伝搬路推定値を決定してもよい。またSN比の測定も複数回行った平均に基づいてSN比を推定することにしてもよい。
【0055】以上の様に、図5および図6に示すような処理を行うことにより、空きが既定値以上で伝搬路の状況が良好なチャンネルを順次探し、見つかったものを選択してそのチャンネルで通信を行うことにより、複数周波数帯域から条件に合った周波数帯域を選択して通信することが可能となる。
【0056】(第2実施形態)本発明の第2実施形態として、第1実施形態の無線通信システムにおいて、無線通信端末3の構成を変更したものについて説明する。本実施形態においては、基地局1の構成および作動、また通信のチャンネル、サブキャリア周波数、ビーコン信号5の構成については第1実施形態と同等であるので、それらの説明は省略する。
【0057】図10は本実施形態における無線通信端末3の構成をブロック図で示したものである。この無線通信端末3が第1実施形態で示したものと構成において異なっている点は、第1実施形態の無線通信端末3に端末無線アクセス制御部313、端末変復調部323、Ch制御部360、伝搬路状況判定部370が追加されており、無線通信端末3が3つのチャンネルで同時間帯に通信を行うことができることである。
【0058】また本実施形態においては、端末無線アクセス制御部311、312、313はCh制御部360によって制御されて受信データの処理、送信データの作成等の通信制御処理を行うようになっており、第1実施形態で示した端末無線アクセス制御部311、312のように空き状況を検知したり使用するチャンネルの選択の処理を行うようにはなっていない。
【0059】なお、端末ネットワークインターフェース301、端末変復調部321、322、端末RF/IF部330、端末アンテナ340の作動は第1実施形態と同様である。また端末変復調部323も端末変復調部321、322と同様の作動を行う。
【0060】伝搬路状況判定部370は、端末RF/IF部330によってRF/IF変換されたビーコン信号5のプリアンブル信号をサブキャリア周波数毎に復調し、それをあらかじめ正しいプリアンブル信号であると記憶している既知信号で除算して伝搬路推定値を算出し、それをCh制御部360に出力するものである。
【0061】Ch制御部360は、伝搬路状況判定部370から受信信号や各サブキャリア周波数の伝搬路推定値等を受信し、それに基づき無線通信端末3が使用するチャンネルの選択の処理を行い。それに基づいて端末無線アクセス制御部311、312、313を制御して通信制御処理を行わせるものである。
【0062】図11に、このような構成の無線通信端末3がf1〜f4の複数のチャンネルから使用するチャンネルを選択して基地局1と通信するときにCh制御部360が行う処理のフローチャートを示す。
【0063】このフローチャートのステップ500〜530までの処理は、図5に示した第1実施形態における端末無線アクセス制御部311、312の処理のステップ500〜530までの処理とほぼ同等である。ただし、第1実施形態における端末無線アクセス制御部311、312はそれぞれ自らが制御する1チャンネルの通信のみにおける周波数帯域の選択を行っているだけであるのに対し、Ch制御部360は無線通信端末3が行う全ての通信におけるチャンネルの選択を行っている点が異っている。Ch制御部360は端末無線アクセス制御部311、312、313のそれぞれの使用するチャンネルを順次選択してゆく。
【0064】すなわち、ステップ505〜530までの処理によって端末無線アクセス制御部311、312、313のうちの1つが使用するチャンネルを選択し、それが終了するとステップ535において他にチャンネル選択をするべき端末無線アクセス制御部があるか否かを判定する。そして、その判定が肯定であればその端末無線アクセス制御部においてチャンネルを選択するためにステップ545で次の周波数すなわちチャンネルに移行してステップ505〜530の処理を行う。もしステップ535の判定が否定ならば、Ch制御部360はステップ540において通信の終了を待ち、終了したらステップ500に処理を戻す。
【0065】なお、図11におけるステップ515の処理の詳細は、第1実施形態において説明した図6のステップ600〜620の処理と同等である。
【0066】このようにすることで、Ch制御部360は端末無線アクセス制御部311、312、313が使用するチャンネルを選択し、端末無線アクセス制御部311、312、313はそれに従って通信制御処理を行う。
【0067】以上の様に、図11に示すような処理を行うことにより、空きが既定値以上で伝搬路の状況が良好なチャンネルを順次探し、見つかったものを選択してそのチャンネルで通信を行うことにより、複数周波数帯域から条件に合った周波数帯域を選択して通信することが可能となる。
【0068】なお、第1および第2実施形態においては、サブキャリア周波数における伝搬路推定値の規定の値Prothが所望値に相当するものである。また値dが第1の閾値に相当する。また規定の値Prothからのずれが値d以下であるものの割合の既定値xが第2の閾値に相当する。また各チャンネルにおいて基地局1が送信するプリアンブル信号は既知信号に相当する。
【0069】(他の実施形態)なお、第1および第2実施形態において、端末RF/IF部330は使用する周波数帯域を切り替えて通信可能であり、かつ異なる周波数帯域を同一時間帯に使用することが可能な通信周波数切替手段の一例を示すものであるが、これは使用する周波数帯域を切り替えて通信可能であるという要件を満たすものであればよい。すなわち、端末RF/IF部330は同一時間帯に1つの周波数帯域のみを使用するものであってもよい。また、端末RF/IF部330は短時間に使用する周波数を切り替えることで異なる周波数帯域を同一時間帯に使用することが可能となっているが、通信周波数切替手段は例えば使用するチャンネルが異なる複数のRF/IF部によって構成されていてもよい。
【0070】また、第1実施形態においては、端末無線アクセス制御部311、312のステップ505の一定区間空き状況を検知する処理が空き状況検知手段の一例を示すものである。また、第2実施形態においては、Ch制御部360のステップ505の処理が空き状況検知手段の一例を示すものである。これらのステップ505の処理の詳細としては、各チャンネルにおいてCSMA/CA方式によって分割された部分のうちで使用されていない部分の割合の推定値を確認することで空き状況を検知するとしている。しかし、各チャンネルは必ずしもこのようにCSMA/CA方式によって分割されている必要はなく、例えばTDMAによって分割されていてもよい。また、必ずしも各チャンネルは分割されている必要もなく、単にチャンネルが使用されているかいないかの二者択一によって空き状況を検知するとしてもよい。
【0071】また、第1実施形態においては、端末無線アクセス制御部311、312が図6のステップ600においてビーコン信号5のSN比を求める処理と、通信のための信号の変復調を行い、かつ伝搬路推定値を検出する端末変復調部321、322とが伝搬路状況検知手段の一例を示すものであるが、伝搬路状況検知手段は複数チャンネル中のチャンネルの伝搬路の状況を検知すればよいのであって、必ずしも後者のように変復調を行う必要はない。また、前者のみ、あるいは後者のみが伝搬路状況検知手段となるような実施形態があってもよい。
【0072】また、第2実施形態においては、Ch制御部360が図6のステップ600においてビーコン信号5のSN比を求める処理と、伝搬路推定値を検出する伝搬路状況判定部370が伝搬路状況検知手段の一例を示すものである。だがこれらは、前者のみ、あるいは後者のみが伝搬路状況検知手段となるような実施形態があってもよい。
【0073】また、第1実施形態においては、端末無線アクセス制御部311、312のステップ510〜530の処理のように、チャンネルの空きが既定値以上であるか否かと、伝搬路状況が良好であるか否かとに基づいて、そのチャンネルを選択して使用するか否かを判定する処理が適合周波数選択手段の一例を示すものである。しかし、適合周波数選択手段は空き状況と伝搬路の状況に基づいて使用するチャンネルを選択すればよいのであって、このようにソフトウェア的に実現されている必要はなく、ハードウェア的に実現されていてもよい。
【0074】また、第2実施形態においては、Ch制御部360がステップ510〜530において端末無線アクセス制御部311〜313の通信するチャンネルを選択する処理が適合周波数選択手段の一例を示すものである。このように、1つの適合周波数選択が複数のチャンネルの選択をまとめて行うようにしてもよい。
【0075】また本発明の第1および第2実施形態では、基地局1の使用するチャンネル数は4つであるが、これは任意のチャンネル数であってもよい。また、通信端末3の使用可能なチャンネル数は第1実施形態においては2つ、第2実施形態においては3つであるが、これも任意のチャンネル数であってよい。
【0076】また第1および第2実施形態では、ビーコン信号5中の既知信号を用いて伝搬路の状況を検知するが、これは必ずしもビーコン信号5である必要はない。例えば、他の無線通信端末3と基地局1との通信データ中に含まれる信号のプリアンブル信号を既知信号とし、これを用いて伝搬路の状況を検知してもよい。
【0077】また第1および第2実施形態では、伝搬路の状況をSN比と伝搬路推定値に基づいて検知しているが、この検知はSN比だけに基づいて検知してもよいし、また伝搬路推定値だけに基づいて検知してもよい。
【0078】また第1および第2実施形態では、サブキャリア周波数の伝搬路推定値を全て使用して伝搬路の状況を検知するが、必ずしも全てを使用する必要はなく、それらの一部を使用してその範囲内で良好なものの割合を検出してもよい。
【0079】また第1および第2実施形態では、1つのチャンネルがOFDMによって複数のサブキャリア周波数に分かれているが、必ずしもこのように分かれている必要はなく、1つのチャンネルに単一の周波数のみが割り当てられていてもよい。
【0080】また、通信端末3の通信は各チャンネルで独立したデータの通信を行っても、同じものに属するデータの通信を並行して行ってもよい。
【0081】また第1および第2実施形態の通信端末3は車両に搭載されているが、必ずしも車両に搭載される必要はなく、人によって携行されていてもよいし、固定されていてもよい。




 

 


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