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発明の名称 デジタル放送配信方法及びデジタル放送配信システム、それを用いた課金方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2003−199061(P2003−199061A)
公開日 平成15年7月11日(2003.7.11)
出願番号 特願2001−400003(P2001−400003)
出願日 平成13年12月28日(2001.12.28)
代理人 【識別番号】100090893
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 敏
【テーマコード(参考)】
5C059
5C063
5C064
【Fターム(参考)】
5C059 KK36 LC03 MA00 MA24 MA32 MA35 MC11 MC38 ME11 PP04 SS02 SS03 SS05 SS06 SS21 TA12 TB01 TC45 TC47 UA02 UA05 
5C063 AB03 AB05 AC01 CA23 DA01 DA13
5C064 BA01 BB01 BC01 BC16 BC23 BD02 BD08
発明者 田中 健二
要約 課題
デジタルコンテンツの特性を効果的に利用し、1つのデジタルコンテンツから多様な放送方式に対応したデジタル放送の配信方法を提供すること。

解決手段
従来の放送方式の解像度を超える超高精細映像20を本発明によるデジタルコンテンツ編集装置21に入力し、超高精細映像20の中の映像範囲20aや20bを受信端末に向けて配信する。受信端末では従来の放送方式に準拠した放送方式で、それぞれ異なる映像を視聴することができる。
特許請求の範囲
【請求項1】送信側から受信側に向けてデジタルコンテンツの伝送を行うデジタル放送配信方法において、デジタルコンテンツを所定のブロックに分割し、該ブロックの組み合わせを自在に変化させることによって、該デジタルコンテンツの少なくとも一部の随意な範囲を再生させることを特徴とするデジタル放送配信方法。
【請求項2】前記デジタル放送配信方法において、前記デジタルコンテンツのうち、映像に係るデジタル映像コンテンツを、映像の原データよりも小容量に圧縮して伝送する過程で、該映像を複数に分割して符号化するタイリング処理を行い、送信側又は受信側の少なくとも一方において、該タイリングの少なくとも一部を組み合わせて再構成し、受信側において随時適当な表示範囲を表示できるようにすることを特徴とする請求項1に記載のデジタル放送配信方法。
【請求項3】前記デジタル放送配信方法の送信側において、前記デジタルコンテンツの少なくとも一部の範囲から構成された第1範囲のデジタルコンテンツと、該第1範囲のデジタルコンテンツとは異なる範囲から構成された第2範囲のデジタルコンテンツとの少なくとも2通りの範囲を同時に配信し、受信側において所望の範囲を選択して再生する請求項1又は2に記載のデジタル放送配信方法。
【請求項4】前記デジタル放送配信方法であって、デジタルコンテンツのうち、音声に係るデジタル音声コンテンツを伴うデジタル映像コンテンツを用い、該デジタル映像コンテンツの少なくとも一部の表示範囲を表示させる構成において、該デジタル音声コンテンツを、該表示範囲に応じた音声に変換して再生させることを特徴とする請求項1ないし3に記載のデジタル放送配信方法。
【請求項5】デジタルコンテンツを配信局からデジタル放送受信端末に向けて配信するデジタル放送配信システムであって、配信局が、コンテンツ作成装置と、コンテンツ分割装置と、コンテンツ編集装置と、配信装置とを備える一方、デジタル放送受信端末が、受信装置と、表示装置とを備える構成において、該コンテンツ分割装置が、該コンテンツ生成装置で生成された高い解像度の映像情報を含むデジタルコンテンツのうち、映像に係るデジタル映像コンテンツを、一定の大きさの映像領域に分割及びブロック化し、第1デジタルコンテンツを作成すると共に、該コンテンツ編集装置が、該第1デジタルコンテンツを、装置内に入力するコンテンツ入力手段と、第1デジタルコンテンツのうち、映像に係る第1デジタル映像コンテンツ中で出力する映像範囲を指定する出力範囲指定手段と、該出力範囲指定手段の指定に基づき、少なくとも1個以上の映像領域を集成してより低い解像度の第2デジタル映像コンテンツを作成する第2デジタルコンテンツ作成手段と、該第2デジタルコンテンツを出力するコンテンツ出力手段とを有することを特徴とするデジタル放送配信システム。
【請求項6】前記コンテンツ分割装置が、デジタル映像コンテンツを、映像の原データよりも小容量に圧縮して伝送する過程で、該映像を複数に分割して符号化するタイリング処理を行う構成であって、前記第2デジタルコンテンツ作成手段が、該タイリングの少なくとも一部を組み合わせて再構成する請求項5に記載のデジタル放送配信システム。
【請求項7】前記デジタル放送受信端末が、前記表示装置における所望の表示範囲を受信者が指定する表示範囲指定手段と、該表示範囲の情報を前記配信局に通知する表示範囲通知手段とを備えると共に、前記第2デジタルコンテンツ作成手段が、該表示範囲通知手段からの情報を受信して第1デジタルコンテンツの少なくとも一部の随意な範囲で構成される第2デジタルコンテンツを作成することを特徴とする請求項5又は6に記載のデジタル放送配信システム。
【請求項8】前記デジタル放送配信システムにおいて、前記第2デジタルコンテンツ作成手段が、配信する前記デジタル放送受信端末に応じて符号化の方式を変換可能な符号化変換を行う請求項5ないし7に記載のデジタル放送配信システム。
【請求項9】前記デジタル放送配信システムにおいて、前記第2デジタルコンテンツ作成手段によって、第1デジタル映像コンテンツの少なくとも一部の随意な範囲で構成される第2デジタル映像コンテンツが作成されたときに、音声に係る第1デジタル音声コンテンツを該第2デジタル映像コンテンツに応じた音声に変換する、連動音声変換手段を備える請求項5ないし8に記載のデジタル放送配信システム。
【請求項10】前記第1デジタルコンテンツが、長辺が3000画素以上で構成される高解像度デジタル映像コンテンツを含む構成において、前記デジタル放送受信端末が、長辺2000画素以下のテレビ放送方式に準拠したテレビジョンである請求項5ないし9に記載のデジタル放送配信システム。
【請求項11】前記デジタル放送配信システムを用いた情報料金の課金方法であって、前記配信局において、課金情報記録手段を備え、配信するデジタルコンテンツに応じて情報料金を該課金情報記録手段に記録し、該情報料金を前記デジタル放送受信端末の使用者に向けて請求することを特徴とする請求項5ないし9に記載のデジタル放送配信システムを用いた課金方法。
【請求項12】デジタルコンテンツを編集するデジタルコンテンツ編集装置であって、高い解像度の映像情報を含む第1デジタルコンテンツを、装置内に入力するコンテンツ入力手段と、該第1デジタルコンテンツのうち、映像に係る第1デジタル映像コンテンツ中で出力する映像範囲を指定する出力範囲指定手段と、該出力範囲指定手段の指定に基づき、少なくとも1個以上の映像領域を集成してより低い解像度の第2デジタル映像コンテンツを作成する第2デジタルコンテンツ作成手段と、該第2デジタルコンテンツを出力するコンテンツ出力手段とを備えたことを特徴とするデジタルコンテンツ編集装置。
【請求項13】前記第1デジタル映像コンテンツが、映像の原データよりも小容量に圧縮され、該映像を複数に分割して符号化するタイリング処理を施されたデータである構成において、第2デジタルコンテンツ作成手段が該タイリングの少なくとも一部を再構成する請求項12に記載のデジタルコンテンツ編集装置。
【請求項14】前記デジタルコンテンツ編集装置において、前記第2デジタルコンテンツ作成手段が、配信する前記デジタル放送受信端末に応じて符号化の方式を変換可能な符号化変換を行う請求項12又は13に記載のデジタルコンテンツ編集装置。
【請求項15】前記デジタルコンテンツ編集装置において、前記第2デジタルコンテンツ作成手段が、第1デジタルコンテンツのうち、音声に係る第1デジタル音声コンテンツを、前記第2デジタル映像コンテンツに応じた第2デジタル音声コンテンツに変換する、請求項12ないし14に記載のデジタルコンテンツ編集装置。
【請求項16】配信局から配信されるデジタルコンテンツを受信するデジタル放送受信端末であって、高い解像度の映像情報を含む第1デジタルコンテンツのうち、映像に係る第1デジタル映像コンテンツが、一定の大きさの映像領域に分割されて配信される構成において、該デジタル放送受信端末が、第1デジタル映像コンテンツの解像度よりも低い解像度の表示手段と、該表示手段における所望の表示範囲を指定する表示範囲指定手段と、該表示範囲を配信局側に向けて通知する表示範囲通知手段と、第1デジタルコンテンツから指定された表示範囲に基づいて作成される第2デジタルコンテンツを受信する、第2デジタルコンテンツ受信手段とを備えたことを特徴とするデジタル放送受信端末。
【請求項17】前記デジタル放送受信端末が、第1デジタルコンテンツのうち、音声に係る第1デジタル音声コンテンツを受信する一方、前記第2デジタルコンテンツ受信手段によって、映像に係る第2デジタル映像コンテンツを受信し、該第2デジタル映像コンテンツに応じて該第1デジタル音声コンテンツを変換し、再生する請求項16に記載のデジタル放送受信端末。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、映像や音声等のデジタルコンテンツを配信するデジタル放送配信方法及びシステムに関わるものである。特に、複数の放送方式に応用が可能であって、その配信方法の多様化を図るものである。
【0002】
【従来の技術】近年のインターネットをはじめとする通信技術の進歩、衛星放送などによるテレビ放送の多チャンネル化など、デジタルコンテンツの制作、配信は大手の放送事業者のみならず、中小の配信企業、個人に至るまで、その機会が飛躍的に増加している。
【0003】例えば我が国でもテレビ放送においては従来からのNTSC方式から、HDTV方式の高解像度化が進められており、放送業者は様々な受信者側の受信機器に対応する必要が生じている。さらに、デジタルコンテンツの受信にはテレビだけでなく、インターネット等を介して受信が可能なデスクトップ型・ノートブック型のパーソナルコンピュータも急速に普及しており、近年のブロードバンド化に従い、これらコンピュータを用いたコンテンツの受信も増えている。また、携帯端末、例えばPDAと呼ばれる情報端末や携帯電話でも、高機能化に従い、デジタルコンテンツを受信し、再生する能力を備えてきており、これからの受信機器として注目される。
【0004】しかし、従来の手法によれば、テレビ放送を行う多くのソースがデジタルコンテンツで制作されているにも関わらず、例えばNTSC方式による放送用、HDTV方式による放送用、というようにあらかじめそれぞれの放送方式用に分けて制作される必要があり、上記のような複数の受信機器に対応できる配信方法が提供されていなかった。特に、従来の構成ではテレビ放送用とインターネットを介したコンテンツの配信用で1つのシステムによって配信を実現することは不可能であった。
【0005】そのため、例えば複数の放送方式に対応する映像を撮影するためには、複数のカメラ等の撮影機器、スタッフが必要であって、コスト面での負担が大きくなるばかりでなく、放送されるコンテンツの質的向上にも障害となっていた。
【0006】さらに、配信する側で放送する映像範囲を決めてしまうため、視聴者はカメラマン・編集者の決めた1つの映像のみを受動的に視聴することになり、自己の嗜好にあわせた映像を選択することができない問題がある。従来の解決法として、同時に複数のカメラ映像を別のチャンネルで放送する事例はあるが、あくまでも選択の幅が広がるだけにとどまり、視聴者の完全に自由な選択を実現するものではなかった。また、この方法ではさらに多くの撮影機器・スタッフ・チャンネル割り当てが必要であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技術の有する問題点に鑑みて創出されたものであり、その目的は、デジタルコンテンツの特性を効果的に利用し、1つのデジタルコンテンツから多様な放送方式に対応したデジタル放送の配信方法を提供することであり、同時に、多様な視聴者のニーズにも応えることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題の解決を図るため、本発明では次のようなデジタルコンテンツ配信方法を提供する。すなわち、送信側から受信側に向けてデジタルコンテンツの伝送を行うデジタル放送配信方法において、デジタルコンテンツを所定のブロックに分割し、該ブロックの組み合わせを自在に変化させることによって、該デジタルコンテンツの少なくとも一部の随意な範囲を再生させることを特徴とするデジタル放送配信方法を創出する。
【0009】これにより、特に非常に高解像度な撮影機器を用いて制作されたデジタルコンテンツを用い、画質の劣化を招くことなく複数の放送方式に対応したデジタルコンテンツ配信が可能となり、コストの抑制と共に、コンテンツの質的向上を図ることができる。
【0010】また、上記デジタルコンテンツのうち、映像に係るデジタル映像コンテンツを、映像の原データよりも小容量に圧縮して伝送する過程で、該映像を複数に分割して符号化するタイリング処理を行う場合に、本発明による方法を採用すると、特に効果的である。
【0011】デジタルコンテンツは、画質の向上に連れてデータ量が多くなり、配信が難しくなる。そこで、近年急速に進歩している圧縮技術を用いると同時に、圧縮の際にタイリング処理を行う規格を用い、該タイリングの少なくとも一部を組み合わせて再構成する。送信側で再構成すると、例えば視聴者側で所望した映像範囲の映像を、少ないデータ容量で配信することが可能となる。また、タイリング処理されたデジタルコンテンツを配信し、受信側において所望の映像範囲を選択する構成をとってもよい。本手法によれば、例えば番組放送の演出上必要な映像情報を一度に撮影して、視聴者が希望する一部の映像を、あるいは視聴者の受信機器の条件に伴う制約などに応じて、ニーズに応じた配信方法を実現することも可能となる。
【0012】さらに、デジタル放送配信方法の送信側において、前記デジタルコンテンツの少なくとも一部の範囲から構成された第1範囲のデジタルコンテンツと、該第1範囲のデジタルコンテンツとは異なる範囲から構成された第2範囲のデジタルコンテンツとの少なくとも2通りの範囲を同時に配信し、受信側において所望の範囲を選択して再生してもよい。
【0013】本発明では、デジタルコンテンツのうち、映像だけでなく音声についても映像に連係した配信を行うことで、より臨場感のあるリアルなコンテンツ配信を実現することもできる。そのために、音声に係るデジタル音声コンテンツを伴うデジタル映像コンテンツを用い、該デジタル映像コンテンツの少なくとも一部の表示範囲を表示させる構成において、該デジタル音声コンテンツを、該表示範囲に応じた音声に変換して再生させる。
【0014】さらに、本発明は次のような、デジタルコンテンツを配信局からデジタル放送受信端末に向けて配信するデジタル放送配信システムを提供することもできる。デジタル放送配信システムにおいては、配信局が、コンテンツ作成装置と、コンテンツ分割装置と、コンテンツ編集装置と、配信装置とを備える一方、デジタル放送受信端末が、受信装置と、表示装置とを備える。
【0015】コンテンツ分割装置は、コンテンツ生成装置で生成された高い解像度の映像情報を含むデジタルコンテンツのうち、映像に係るデジタル映像コンテンツを、一定の大きさの映像領域に分割及びブロック化し、第1デジタルコンテンツを作成する。
【0016】一方、コンテンツ編集装置は、該第1デジタルコンテンツを、装置内に入力するコンテンツ入力手段と、第1デジタルコンテンツのうち、映像に係る第1デジタル映像コンテンツ中で出力する映像範囲を指定する出力範囲指定手段と、該出力範囲指定手段の指定に基づき、少なくとも1個以上の映像領域を集成してより低い解像度の第2デジタル映像コンテンツを作成する第2デジタルコンテンツ作成手段と、該第2デジタルコンテンツを出力するコンテンツ出力手段とを有する。
【0017】前記コンテンツ分割装置が、デジタル映像コンテンツを、映像の原データよりも小容量に圧縮して伝送する過程で、該映像を複数に分割して符号化するタイリング処理を行う構成であって、第2デジタルコンテンツ作成手段が、該タイリングの少なくとも一部を組み合わせて再構成してもよい。
【0018】さらに、本システムでは次のように受信者が表示範囲を選択できる構成をとってもよい。すなわち、デジタル放送受信端末が、表示装置における所望の表示範囲を受信者が指定する表示範囲指定手段と、該表示範囲の情報を前記配信局に通知する表示範囲通知手段とを備える。そして、第2デジタルコンテンツ作成手段が、該表示範囲通知手段からの情報を受信して第1デジタルコンテンツの少なくとも一部の随意な範囲で構成される第2デジタルコンテンツを作成する。第2デジタルコンテンツ作成手段では、配信する相手のデジタル放送受信端末に応じて符号化の方式を変換可能な符号化変換を行うこともできる。これにより、多様な符号化方式に対応できるシステムが提供できる。
【0019】第2デジタルコンテンツ作成手段によって、第1デジタル映像コンテンツの少なくとも一部の随意な範囲で構成される第2デジタル映像コンテンツが作成されたときに、音声に係る第1デジタル音声コンテンツを該第2デジタル映像コンテンツに応じた音声に変換する、連動音声変換手段を備えてもよい。これにより、音声が映像に連係する好適なデジタルコンテンツを配信することができる。
【0020】本発明のデジタルコンテンツ配信システムでは、第1デジタルコンテンツが、長辺が3000画素以上で構成される高解像度デジタル映像コンテンツを含む構成であり、かつ、デジタル放送受信端末が、長辺2000画素以下のテレビ放送方式に準拠したテレビジョンである構成に用いると、既存の放送方式に対応でき、汎用性に優れて特に効果的である。
【0021】ここで、本発明においては、上記デジタル放送配信システムを用いた情報料金の課金方法を提供することもできる。その場合、配信局において、課金情報記録手段を備え、配信するデジタルコンテンツに応じて情報料金を該課金情報記録手段に記録する。そして、情報料金をデジタル放送受信端末の使用者に向けて請求する。
【0022】また、デジタルコンテンツを編集するコンテンツ編集装置のみを提供することもできる。該装置では、高い解像度の映像情報を含む第1デジタルコンテンツを、装置内に入力するコンテンツ入力手段と、該第1デジタルコンテンツのうち、映像に係る第1デジタル映像コンテンツ中で出力する映像範囲を指定する出力範囲指定手段と、該出力範囲指定手段の指定に基づき、少なくとも1個以上の映像領域を集成してより低い解像度の第2デジタル映像コンテンツを作成する第2デジタルコンテンツ作成手段と、該第2デジタルコンテンツを出力するコンテンツ出力手段とを備える。
【0023】配信局から配信されるデジタルコンテンツを受信するデジタル放送受信端末を提供することもできる。該デジタル放送受信端末は、第1デジタル映像コンテンツの解像度よりも低い解像度の表示手段と、該表示手段における所望の表示範囲を指定する表示範囲指定手段と、該表示範囲を配信局側に向けて通知する表示範囲通知手段と、第1デジタルコンテンツから指定された表示範囲に基づいて作成される第2デジタルコンテンツを受信する、第2デジタルコンテンツ受信手段とを備える。
【0024】前記デジタル放送受信端末が、第1デジタルコンテンツのうち、音声に係る第1デジタル音声コンテンツを受信する一方、前記第2デジタルコンテンツ受信手段によって、映像に係る第2デジタル映像コンテンツを受信し、該第2デジタル映像コンテンツに応じて該第1デジタル音声コンテンツを変換し、再生する構成でもよい。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施方法を図面に示した実施例に基づいて説明する。なお、本発明の実施形態は以下に限定されず、適宜変更可能である。ここではデジタルコンテンツの配信の一例としてテレビ放送を取り上げるが、本発明の実施にはテレビ放送に限らず、デジタルコンテンツを配信するインターネットを用いた映像・音声配信などいかなる配信方法にも用いることができる。
【0026】従来のテレビ放送番組制作の手法では、放送局が複数のカメラの映像を選択して放送する。例えば、図1に示すように、被写体(1)に対して3台のカメラ(2)(3)(4)を構える。各カメラ(2)(3)(4)がそれぞれ別の映像(5)(6)(7)を撮影して、編集装置(8)によって任意の1つ、例えば映像(7)を選択して放送する。
【0027】あるいは、CSデジタル放送では、同時に複数の放送チャンネルに複数のカメラ映像を放送して、視聴者がチャンネルを選択する方式はあった。図2において、各カメラ(2)(3)(4)の映像(5)(6)(7)をそれぞれ、100チャンネル(9)(10)(11)で放送し、視聴者が任意のチャンネルを選択する方法である。
【0028】しかし、いずれの場合でも、放送局において、カメラマンが撮影した各映像(5)(6)(7)は、カメラマンが多くの視聴者にとって一般的に最適と考える映像範囲を撮影したものであり、視聴者の細かな選択嗜好には、応じられなかった。また、3台のカメラで撮影するには、それぞれ別々に撮影機材や撮影スタッフが必要であり、コストの上昇を招いていた。
【0029】そこで、本発明では次のような放送配信方法を提案する。図3に示すようにNTSC方式やHDTV方式など従来のTVフォーマットを超える多画素映像を撮影することができる超高精細カメラ(10)を用いて、被写体(1)全体を撮影して超高精細映像(11)を得る。この映像の任意の場所からNTSC方式やHDTV方式に準じた映像部位を選択し、各映像(5)(6)(7)を出力する。
【0030】例えば、本件発明者らが参考文献1で示した高精細映像伝送システムでは横3840画素、縦1028画素の映像フォーマットを提供している。これは通常のHDTV映像フォーマットの横方向2画面分に相当する超高精細映像を得られるシステムである。
【0031】
【参考文献1】田中健二、鈴木健治、佐藤正人、荒川佳樹、”高精細映像(WHD:Wide/Double HD)伝送システム”、信学論、D-II、Vol.J84-DII,No.6,pp.1094-1101,June.2001.【0032】また、この高精細映像伝送システムからさらに発展した、HDTV方式の縦横それぞれ2倍に相当する映像フォーマットとなるQHD(Quadruple HD、横3840画素、縦2048画素)を開発し、そのカメラ(参考文献2)、表示プロジェクタ(参考文献3)も実現している。
【0033】
【参考文献2】田中英史、田中健二、鈴木健治、磯貝光雄、荒川佳樹、佐藤正人、”3板式4k*2kCMOSカラーカメラの開発”、信学総大、D-II-69,Mar.2001.【0034】
【参考文献3】田中健二、磯貝光雄、荒川佳樹、佐藤正人、”Q-HDTV用プロジェクタ”、映情年次大会、10-7,Aug.2001.【0035】このように、すでにHDTV方式の解像度を大きく上回る解像度の撮影機器は現実のものとなっており、その進歩は引き続き進むと考えられる。一方で受信者側ではようやくHDTV方式のテレビジョンが普及しつつある段階で、これらの最新の撮影機器によるコンテンツをそのまま再生する目途はたっていない。また、将来的にも放送事業者が導入する撮影機器の解像度は、常に受信者側の設備を上回ると考えられ、配信者側からは多様な受信者に対応する要求、受信者側からは配信者側の優れた設備の利点を生かせるシステムの要求がある。
【0036】そこで、本発明を用いると、超高精細カメラ(10)で撮影した例えば3840×2048画素のデジタル映像コンテンツ(11)を編集装置(12)に入力し、該編集装置(12)で、各映像(5)(6)(7)を出力する。出力される映像はNTSC方式、HDTV方式など任意の放送フォーマットにすることができる。この方法の詳細については後述する。
【0037】以上の方法によると、ズーム・チルト・パンなどのカメラ操作をすることなく必要な映像情報が撮影できるため、カメラの台数削減やカメラ操作者の削減などの効率化が図れることになる。
【0038】また、本発明では、選択した映像部位の位置に応じて音声のバランス調整を行うこともできる。例えば、超高精細映像(11)の撮影時に、該映像(11)内の範囲に応じて音声を録音し、各映像(5)(6)(7)の再生時には、各映像が映し出した範囲に近い音声のバランスを大きく、映し出した範囲から遠い範囲の音声は小さく又は消して再生する。これによって、映像に応じた音声の再生が可能となり、視聴者は違和感がなく、リアルな映像を視聴することができる。
【0039】図4には、超高精細映像(20)を複数のブロックに分割すると共に、NTSC方式やHDTV方式など従来のテレビ放送方式の映像を複数配信するデジタルコンテンツ編集装置(21)の概要を示す。まず被写体全体を撮影して超高精細映像(20)を得る。そして、本装置(21)に入力し、この映像(20)の任意の場所からNTSC方式やHDTV方式に準じた映像範囲を選択し、映像(22)(23)(24)を出力する。これらの映像をそれぞれ同時に放送して、視聴者が任意のチャンネルを選択する。
【0040】このとき、超高精細映像(20)は例えば横10個、縦8個のブロックに分割され、映像(22)では左下の映像範囲(20a)を、映像(23)では映像範囲全体(20)を、映像(24)では右下(24)の映像範囲(20b)を映し出している。いずれも同一の放送方式で放送してもよいし、例えば映像(22)(24)はNTSC方式、映像(23)はHDTV方式と別の放送方式で放送してもよい。この手法により、従来放送方式毎に別個な撮影機器や編集装置が必要であったが、本発明によって1個の設備で実現できるため、コストの抑制、コンテンツの質的向上を望むことができる。
【0041】さらに、本発明では視聴者からの要求に応じて配信する映像範囲を変化させる構成を提供することもできる。このようなデジタルコンテンツ配信システムの構成を図5に示す。超高精細カメラ(30)により撮影された超高精細映像(20)を伝送する時、細かな部位に分割して符号化処理を行う。ここで、デジタルコンテンツ編集装置(31)により、視聴者からの要求に応じて当該部分を選択して提供する。
【0042】視聴者はそれぞれが使うテレビジョンなどの受信端末(32)(33)(34)から、自己の所望する映像範囲を指定し、デジタルコンテンツ編集装置(31)に向けて要求する。例えば映像(22)のような左下隅の映像を希望する視聴者に対しては、符号化されたデータ中の映像範囲(20a)に相当するデータのみを提供する。映像(23)のように全体を要求する場合には、当該視聴者に対して符号化データ全体(20)を提供する。映像(24)のように右下隅の映像を希望する視聴者に対しては符号化されたデータ中の映像範囲(20b)に相当するデータを提供する。選択部位に応じた音声のバランス調整を行う。
【0043】本発明に係るコンテンツ受信端末の一構成例を図6に示す。該受信端末(40)には、例えばケーブルテレビ会社からの放送を受信する受信ターミナル部(41)と、表示部(42)と、該表示装置の操作部(43)と、映像範囲の指定情報を送信する送信部(44)とを備える。送信部(44)は受信ターミナル部(41)に付設される。
【0044】視聴者は操作部(43)のチャンネルボタン(45)で放送局を選択し、希望するコンテンツを表示させる。そして、表示範囲を表示範囲指定ボタン(46a)(46b)(46c)(46d)で動かす。例えば、現在の表示範囲よりも右側が見たいときにはボタン(46b)を押下して表示範囲を右方向に動かすことができる。また、画面全体を見渡したいときには全体表示ボタン(47)を、表示範囲の拡大、縮小にはそれぞれズームボタン(48)、ワイドボタン(49)を押下することで自己の嗜好にあった映像表示を実現できる。
【0045】このとき、各ボタン(46a〜46d)(47)(48)(49)の押下情報は映像範囲指定情報として送信部(44)からケーブルテレビ回線(45)を通じてデジタルコンテンツ編集装置(21)に通知される。デジタルコンテンツ編集装置(21)では、次に示す符号化処理を行うことにより、映像範囲指定情報に応じたデジタルコンテンツの配信を行う。
【0046】デジタルコンテンツ編集装置(21)の構成を図7に示す。本発明では、一例として近時標準化の進められるJPEG2000を用いたデジタルコンテンツ(50)を入力部(51)から入力する。コンテンツ受信端末(52)からの映像範囲指定情報(53)は指定受理部(54)で受信し、デジタルコンテンツ(50)の再構築を圧縮符号化部(55)で行い、配信部(56)から配信する。
【0047】JPEG2000方式では、ウェイブレット変換・ブロックベースエントロピー符号化・算術符号化が行われ、1/10程度の圧縮率では視覚的に画質の劣化がほとんど見られない。さらに、高い圧縮率でも、従来のJPEG方式などDCT変換を用いる符号化方式に比べて視覚的に劣化が少ない特徴を有している。また、1つの映像を複数に分割して複合化処理を行うタイリング機能の選択が可能である。n個に分割した場合のコードストリームは図8のようになる。
【0048】前述の横3840画素、縦1028画素の映像フォーマットにおいて、サッカー場に適用した場合を考える。図9のように1つの固定アングルで競技場内や両チームのベンチ、さらに観客席までもが鮮明に撮影できる映像(60)が得られる。そこで、3人の視聴者が図9中の3カ所の映像範囲(60a)(60b)(60c)で示したNTSC方式のサイズに相当する映像範囲を見たいとした場合に、予めJPEG2000のタイリング機能を用いてデジタルコンテンツ(50)を符号化しておく。
【0049】そして、圧縮符号化部(55)において、各視聴者の要求にそれぞれ必要な部位のタイリング情報を用いてコードストリームを再構築する。該コードストリームは配信部(56)から配信される。このとき、タイルサイズ及び圧縮率の選定が重要であるが、本発明では横3840画素、縦2048画素、容量にして23Mバイトのデータをタイリング・圧縮した時のPSNR関係を調べ、概ねタイリングのサイズは64画素×64画素(タイリング数1920)から960画素×512画素(タイリング数16)とし、圧縮率は1/10よりも低い圧縮率とすることを提案する。
【0050】ところで、本発明では上記圧縮符号化部(55)において、デジタルコンテンツ(50)の符号化方式から、任意の符号化方式に変換することも可能である。例えば、デジタルコンテンツ(50)がJPEG2000方式で符号化されている場合に、コンテンツ受信端末(52)からの通知(53)に従って、MPEG2やJPEG、MPEG4などの別方式のデジタルコンテンツに変換して配信することもできる。例えば入力するデジタルコンテンツが独自方式の場合などには、通知(53)によらずに、一律に別方式に変換する構成でもよい。
【0051】図10に示す該映像のタイルサイズを変更した場合の圧縮率とPSNRとの関係から、タイルの分割数を多くすると各タイルのオーバヘッドデータが多くなり、PSNRが低下することが分かる。このため、いたずらに細かく分割することは適さない。逆に、タイルサイズが大きいと視聴者が必要としない部位のデータを多く伝送することになり、配信の遅延や欠落が発生する可能性がある。
【0052】そこで、図10において概ね良好な結果を得られ、かつ別に実施した被験者による映像評価でも高い評価の得られた上記範囲を最適な範囲として採用する。ただし、これらは現在最適と考え得るJPEG2000の規格に基づく試験であり、将来的な圧縮・タイリング処理技術の向上に伴って、より細分化したタイリングや高圧縮率化が図られると考えられ、本発明は上記範囲に限定するものではない。
【0053】例えば、JPEG2000の規格に基づくと、タイリング処理を用いているが、従来からのJPEG、MPEG1、MPEG2といった規格によるデジタルコンテンツの配信にも本発明を用いることができる。すなわち、これらの規格によって作成された1つのデジタル映像コンテンツを、領域別に複数のブロックに分割し、それぞれを圧縮処理する。そして、これら圧縮処理された複数のブロックを同時に配信する一方、受信端末ではブロックのうちから再生したいブロックのみを再生することができる。
【0054】勿論、配信側において受信端末の特性に応じて配信するブロックを選択する構成でもよく、これらの手法によっても、本発明の効果、すなわちデータ配信量を抑制しながら、1個のコンテンツで複数の受信端末に対応することが可能となる。
【0055】上記実施例では、既存のNTSC方式・HDTV方式よりもさらに高精細なデジタルコンテンツを用いる例を示したが、本発明の実施においては任意の第1デジタルコンテンツ及び第2デジタルコンテンツを用いることができる。
【0056】例えば、第1デジタルコンテンツとしてHDTV方式で撮影したコンテンツを用い、携帯端末に向けて配信することもできる。携帯端末は、小型化を図るために高い解像度を有する表示装置を備えるものは少ないが、その種類は極めて多様であって、それら全てに対応することは困難であった。
【0057】本発明では、複数の解像度にも簡便に対応することができ、特にHDTV方式など比較的余裕を持つデジタルコンテンツを第1デジタルコンテンツとして用いることで、ほぼ全ての携帯端末に対応できると考えられる。この場合、第1デジタルコンテンツを圧縮する方式は、各携帯端末で再生可能な方式に変換する機能を設けてもよい。
【0058】上記のデジタル放送配信システムを用いて、情報料金を徴収するシステムを提供することもできる。すなわち、デジタルコンテンツで映画や有用な情報を配信する場合に、視聴料などの名目で情報料金を課金する事例が近年増加しており、本システムにおいても、情報料金の課金を可能にすることができる。
【0059】その場合、配信局にデジタル放送受信端末毎の課金情報を記録しておき、配信毎や、1月などの一定期間毎に視聴者に請求する。請求は予め視聴者から登録された銀行口座からの自動引き落としなどで徴収することができる。従って、課金情報は、配信局に備えた課金情報記録手段に記録されるが、この際に前記のブロック数(タイリング数)や、実際に配信したデータ量、映像のフレーム数、参照時間に基づいて記録することも可能である。
【0060】このように、本発明におけるデジタル放送配信システムにおける課金方法では、情報の伝送量や参照時間に応じて課金額を変動させることもできるので、例えば高い解像度で配信を受けた場合には高額に、携帯端末などで小さなデータを受けた場合には低額にするなどの差別化も可能である。
【0061】本構成は、端末側からの配信の要求を契機に課金することもできるし、逆に配信側において圧縮時にスクランブルをかけ、該スクランブルの解除信号の送信に伴って課金することもできる。また、端末側からの配信要求がなければ配信しないようにするか、上記のようにスクランブルをかけることにより、不正利用の防止を図ることもできる。
【0062】
【発明の効果】本発明は、以上の構成を備えるので、次の効果を奏する。すなわち、本発明のデジタルコンテンツ配信方法によれば、従来の手法と異なり、例えば1つのHDTVカメラで撮影された画像から、NTSC方式用の配信コンテンツと、HDTV方式用の配信コンテンツを作成し、しかも少なくともNTSC方式においてはHDTVカメラで撮影された映像から、画質の劣化を招くことなく複数の映像範囲のコンテンツを制作することができる。さらに高解像度のカメラを用いれば、HDTV方式の配信においても複数の映像範囲を制作することもできる。
【0063】また、デジタルコンテンツを圧縮すると共に符号化してタイリング処理を行うことによって、配信するデータ量を抑制でき、受信側からの映像範囲の指定にも同時に多くの要求に対応することができる。
【0064】さらに、本発明では音声を映像情報にあわせてバランス調整することによって、視聴する映像と音声が連係するために違和感がなく、より臨場感にあふれた、効果的なデジタルコンテンツを配信することができる。
【0065】以上より、本発明によるデジタルコンテンツ配信方法は、コンテンツ製作時の省力化を図り、多チャンネル化・放送方式の多様化にも低コストで対応できる方法を実現する。同時に、映像範囲の選択を配信者・受信者の少なくともいずれかが自由に行え、配信者側では複数の撮影機器・スタッフを要さず、受信者は自己の嗜好にあわせたコンテンツを享受することができる。




 

 


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