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発明の名称 音楽情報提供方法及び装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2003−108563(P2003−108563A)
公開日 平成15年4月11日(2003.4.11)
出願番号 特願2001−302272(P2001−302272)
出願日 平成13年9月28日(2001.9.28)
代理人 【識別番号】100090893
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 敏
【テーマコード(参考)】
5B075
【Fターム(参考)】
5B075 ND14 NK06 NK32 PP24 PQ75 
発明者 内元 公子 / 井佐原 均
要約 課題
印象語である形容詞により印象評価付けされた音楽データベースから、利用者の所望する印象語によって印象評価付けされた音楽を検索し、該音楽の音楽情報を提供すること。

解決手段
利用者が所望する印象語、音楽要素等の条件を入力する条件入力ステップ、音楽を、予め印象語によって印象評価付けされた音楽データベースから該入力条件に基づいて検索する音楽検索ステップ、該音楽に関する音楽情報を、文字、音声、音楽演奏の少なくともいずれかによって提供する音楽情報提供ステップの各ステップを有する。
特許請求の範囲
【請求項1】印象語によって印象評価付けされた音楽に関する音楽情報を、印象語に従い利用者に提供する音楽情報提供方法であって、利用者が所望する印象語、音楽要素等の条件を入力する条件入力ステップ、音楽を、予め印象語によって印象評価付けされた音楽データベースから該入力条件に基づいて検索する音楽検索ステップ、該音楽に関する音楽情報を、文字、音声、音楽演奏の少なくともいずれかによって提供する音楽情報提供ステップの各ステップを有することを特徴とする音楽情報提供方法。
【請求項2】前記音楽検索ステップにおいて、印象語を、前記条件入力ステップにより入力された印象語と偏相関係数に基づいて選定する印象語選定ステップを含み、音楽検索ステップが、前記音楽データベースから該印象語に基づいて検索する請求項1に記載の音楽情報提供方法。
【請求項3】印象語によって印象評価付けされた音楽に関する音楽情報を、印象語に従い利用者に提供する音楽情報提供装置であって、該装置が、利用者が所望する印象語、音楽要素等の条件を入力する条件入力手段と、音楽を、予め印象語によって印象評価付けされた音楽データベースから該入力条件に基づいて検索する音楽検索手段と、該音楽に関する音楽情報を、文字、音声、音楽演奏の少なくともいずれかによって提供する音楽情報提供手段とを備えることを特徴とする音楽情報提供装置。
【請求項4】前記音楽検索手段において、印象語を、前記条件入力手段により入力された印象語と偏相関係数に基づいて選定する印象語選定手段を備え、前記音楽検索手段が、音楽を、前記音楽データベースから該印象語に基づいて検索する請求項3に記載の音楽情報提供装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、利用者の所望する印象語によって印象評価付けされた音楽に関する音楽情報を提供する方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】音楽を聴取し、感動を表現するとき、一般的に対象となる音楽演奏を形容するのにふさわしい言葉を用いる。例えば、「心地よいレガート」「迫力のあるフォルテ」「金属的な響き」等演奏上の技術的な側面に対して形容詞を用いて心理的に評価したり、「主題の歌の上の空にかかった虹のように美しく」「新しい緊張をもった詩情」等演奏から受けるイメージを情緒豊かに表現し、演奏を聴かずとも言葉だけで情景を思い描くことができるような評論的記述をする。一般に、演奏から受ける印象を表現する手段は、形容詞を用いることが多い。それは、音楽教育において演奏などを教授する際に形容詞が多用されることや、奏者は譜面上のgrazioso(優美に)やdolce(愛らしく)といった形容詞で表現された発想記号を参考にして演奏を行うなど、形容詞と演奏表現を関連付ける機会が多いからであると考えられる。
【0003】音楽と形容詞の関係を検討することは、音楽の表現や感情価を分析する上で重要である。旋律や和音、リズムが感情価に及ぼす実験において、happyやgracefulなどを代表形容詞とした8群の計67の形容詞を用いた実験にはじまり、その後それらの形容詞群は、快活、喜び、思慕、悲嘆、静けさ、確言、優しさの7群に絞られた。これらの実験から示唆されたことは、聴取された音楽演奏の印象は、7つの形容詞で代表される形容詞群によってそれぞれ決定付けることができるというものである。初期の研究では、幾つかの異なる曲が用いられていたが、20世紀後半に入り、音楽演奏様式にも様々な変化がみられるようになると、同一曲の異なる奏者による演奏評価が行われるようになり、聴取者が奏者に感じるより豊富で緻密な感情表現を分析する試みが多くなった。
【0004】その結果、それまで使用されてきた感情的側面を表現する形容詞、「美しい」「悲しい」「情緒的な」等のほかに、「重い」「厚い」「柔らかい」等の、音の大きさや高さといった物理的側面を表現するものが増え、演奏全体の印象を担う個々の音まで注目するようになった。
【0005】この様に、音や音楽は抽象的かつ、イメージの喚起が多様であるけれどもそれらを表現する固有の形容詞が少ないため、聴覚以外の感覚の現象記述に用いられている形容詞を借用している場合が多い。従って、「冷たい音色」「しっとりしたテンポ」等といった一見困惑するような記述が実は音楽を評価する上では一般に受け入れられているのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】これまで音楽演奏評価として使用されてきた形容詞を用いて印象評価実験を行い、選択された形容詞の頻度に基づいて、類似性の高い形容詞間の関係、感情的側面を表現する形容詞と物理的側面を表現する形容詞との関係、形容詞の選択か過程における階層構造について分析し、多くの形容詞の中で演奏評価を表現するにふさわしい形容詞がどのような過程で選択されたのか、形容詞間の関係はどのような構造となっているのかといった、音楽演奏評価と形容詞の関係について分析した。
【0007】そこで、上述の分析結果をもとに、本発明は、印象語である形容詞により印象評価付けされた音楽データベースから、利用者の所望する印象語によって印象評価付けされた音楽を検索し、該音楽の音楽情報を提供することを課題とする。
【0008】
【問題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、本発明の音楽情報提供方法は、以下の特徴を備える。すなわち、本発明は印象語によって印象評価付けされた音楽に関する音楽情報を、印象語に従い利用者に提供する音楽情報提供方法である。そして、次の各ステップを有する。
(1) 利用者が所望する印象語、音楽要素等の条件を入力する条件入力ステップ(2) 音楽を、予め印象語によって印象評価付けされた音楽データベースから該入力条件に基づいて検索する音楽検索ステップ(3) 該音楽に関する音楽情報を、文字、音声、音楽演奏の少なくともいずれかによって提供する音楽情報提供ステップ【0009】また、前記音楽情報提供方法が、前記音楽検索ステップにおいて、印象語を、前記条件入力ステップにより入力された印象語と偏相関係数に基づいて選定する印象語選定ステップ、音楽を、前記音楽データベースから該印象語に基づいて検索する音楽検索ステップを含む方法であってもよい。
【0010】本発明は次のような音楽情報提供装置として提供することもできる。すなわち、印象語によって印象評価付けされた音楽に関する音楽情報を、印象語に従い利用者に提供する音楽情報提供装置である。本装置は、次の各手段を備える。
(1) 利用者が所望する印象語、音楽要素等の条件を入力する条件入力手段(2) 音楽を、予め印象語によって印象評価付けされた音楽データベースから該入力条件に基づいて検索する音楽検索手段(3) 該音楽に関する音楽情報を、文字、音声、音楽演奏の少なくともいずれかによって提供する音楽情報提供手段である。
【0011】音楽情報提供装置が、前記音楽検索手段において、印象語を、前記条件入力手段により入力された印象語と偏相関係数に基づいて選定する印象語選定手段と、音楽を、前記音楽データベースから該印象語に基づいて検索する音楽検索手段とを備えてもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】音楽演奏の印象を評価するため以下の実験を行った。20世紀に活躍した著名な10名の指揮者による同一曲による演奏を用い、被験者は各指揮者による演奏を繰り返し3回聴取する間に、与えられた75個の形容詞リスト(表1)から聴取した演奏を表現するにふさわしいと思われる形容詞を選択することとした。形容詞が選択された頻度を算出した結果、「雄大な」「堂々とした」「迫力のある」の選択頻度が高かった。用いた演奏曲が「元気に生き生きと」演奏することを要求した曲であることから、各演奏者の演奏にそのような表情を示す共通した要素が含まれていたと考えられる。
【0013】
【表1】

【0014】次に、因子分析を行い、選択頻度の低い形容詞に対しても選択頻度の高い形容詞と同様に重みをつける。そこで、形容詞選択個数の被験者間分散と刺激間分散を求め、F検定を行い、有意水準1%として、各分散が有意に小さいものは取り除くこととした。棄却された形容詞は、「あわれな」「ゆううつな」「暗い」「陰気な」「悲しい」「寂しい」「遅い」の7つである。
【0015】その後、残された形容詞の刺激ごとに選択された選択頻度数を変量として、主因子法による因子分析を行い、バリマックス回転を施した。1以上の固有値をもつ因子が8つ得られ、それらはすべて意味のある因子と言えるが、ここでは累積寄与率が80%までの因子、第4因子までを扱うこととした。
【0016】表2に因子負荷量、図1に第1、第2因子負荷量の関係図を示す。第1因子に多くの形容詞が集中し、ほとんどの形容詞が双方向性を示した。これは、形容詞を選出するとき、それらの偏りについて敢て補正しなかったためと考えられる。第2因子は沈鬱的な要素ある形容詞が、第3因子は重さに関する形容詞がまとまって抽出された。
【0017】
【表2】

【0018】また、バリマックス回転後の因子負荷量行列をもとに、因子得点を求め、10名の指揮者の特徴を図2に示す。横軸は第1因子得点、縦軸は第2因子得点とした。図2で示されるように、同一曲でも指揮者によって印象が異なることが分かる。図1と図2から、例えば、指揮者Aによる演奏は、正の第1因子負荷を示す形容詞、指揮者Bによる演奏は、負の第1因子負荷を示す形容詞でそれぞれ表現されていることが分かる。
【0019】実験結果を分析する手法として、因子分析を用いたが、被験者に与えた形容詞の数が多く、類似性の高い形容詞が重複して提示されたために、第1因子に多くの形容詞が集中してしまう結果となった。第1因子は、明らかに双方向性を示しており、正方向は美的因子、負方向は元気因子と解釈することができる。図1で示されるように、正方向、負方向にそれぞれ集中する形容詞群は非常に多く、因子負荷量だけでは、それらの関係を説明することは困難である。第3因子は重さを表現した形容詞がほとんどであるが、これらは、本来、音楽演奏上の微妙なニュアンスを表現するためにそれぞれ異なった解釈において用いられることがある。
【0020】次に、因子分析によって得られた結果に基づき、共分散選択モデルを用いて、各因子に集中した形容詞間の因果関係を検討する。これは、あるデータに多変量正規分布を仮定したとき、いくつかの変数間に条件付き独立関係を仮定したモデルである。分析データには、選択された形容詞の頻度数を用いた。
【0021】10演奏×棄却された形容詞を除く68形容詞の選択頻度数の行列から、検査対象の形容詞を選択する。ここでは、第1因子の正方向である美的因子に含まれる形容詞9個について検証するので、68×9の相関係数行列を作る。更に、偏相関係数行列を求めて独立グラフを作る。これを、初期段階として共分散選択を始める。偏相関係数行列の絶対値が最小の変数対の偏相関係数を0とし、縮約モデルを作る。得られた縮約モデルのデータに対する適合度の評価(dev)は、dev=nlog|Π’|/|R|として求められる(Rは相関係数行列、Π’は縮約モデルで母相関係数行列Πの推定値)。
【0022】縮約モデルがデータによく適合しているなら、devの値は小さくなる。値が小さいかどうかを判断するには、p=Pr(x2?dev)に従う。これは、偏相関係数を0とおいた回数を自由度としたx2分布に従う確率分布をx2として計算したもので、p値が十分大きければ、devは小さく、適合しているといえる。
【0023】図3に美的因子内の形容詞(dev=2.83、p=0.73)の関係図、図4に元気因子内の形容詞(dev=1.05、p=0.82)の関係図、図5に第3因子内の形容詞(dev=1.0、p=0.6)の関係図、図6に選択頻度の高い形容詞(dev=2.6、p=0.6)の関係図を示し、数値は偏相関係数を表す。美的因子内の関係の仮説として、因子負荷量の大きい「落ち着いた」は他の形容詞と強い因果関係をもつと考えられる。しかし、図3で示すように「優美な」「心地よい」「美しい」は他の形容詞との関係が強く、中でも「優美な」は「心地よい」「美しい」との関係が強いだけでなく「ゆったりとした」とも濃い関係を示している。図4で示すように「元気な」は他の形容詞と高い係数値で結ばれており、元気因子を代表する形容詞でることが示唆される。
【0024】因子分析の結果、第3因子は重さを表す形容詞が集中した。分類語彙表によると、図5で示す6つの形容詞のうち、「重い」「どっしりとした」とその他4つの形容詞の分類区分が異なっている。共分散選択の結果、図5で示すように、「どっしりとした」がほとんどの形容詞と結ばれていることがわかる。
【0025】「優雅な」「堂々とした」「迫力のある」「雄大な」「力強い」「優美な」の6つの形容詞は、選択度数の高い形容詞で、6つとも異なる因子内の形容詞である。図6の連鎖独立グラフで示すように、「迫力のある」「力強い」は音の物理量である質感を表現した形容詞であり、その物理量をイメージとして表現したものが「堂々とした」となり、それらを全体評価するものとして「雄大な」「優雅な」がとなり、階層的構造を形成している。
【0026】上述の因子分析及びその結果に基づいて行われた共分散選択による縮約モデルから、例えば「どっしりとした」という形容詞のように、類似性の高い形容詞間で、それらの関係を考慮しつつ最も重要な形容詞を選択することができた。また、例えば「なめらかな」と「優美な」という形容詞に代表されるように、物理的側面を表現する形容詞と感情的側面を表現する形容詞との関係が密接であることが示された。更に、形容詞の選択過程において、物理的質感を表す形容詞、そのイメージを表す形容詞、総合的な評価を担う形容詞の3つの階層構造に従っていることが示された。
【0027】以上の分析結果より、各指揮者の演奏評価を形容詞により印象評価付けすることができ、該形容詞は指揮者を表現する印象語としての意味を持つこととなる。
【0028】以下、本発明による音楽情報提供方法の実施形態を説明する。なお、実施形態は、本発明の主旨から逸脱しない限り適宜設計変更可能なものである。印象語としての形容詞は指揮者だけでなく、例えば「明るい元気な曲」「優美な演奏をする演奏者」等曲、演奏者、作曲者、作詞者等の音楽要素に対しても印象評価付けすることができる。曲、演奏者、指揮者、作曲者、作詞者等の音楽要素は少なくとも1つの印象語によって印象評価付けされているが、複数の印象語を組合せることでより柔軟で、的確な印象評価付けをすることができる。
【0029】利用者は予めシステム側からリスト提示されている印象語の少なくとも1つと音楽要素を選択入力する。予め印象語によって印象評価付けされた音楽データベースから、入力された印象語と音楽要素に基づいて音楽を検索し、該当する音楽がある場合には、該音楽に関する音楽情報を文字、音声、或いは音楽演奏として提供する。該当する音楽がない場合には、共分散選択による分析結果により、入力された印象語と高い偏相関係数によって結ばれている印象語を選定し、該印象語によって印象評価付けされた音楽を検索し、該音楽に関する音楽情報を文字、音声、或いは音楽演奏として提供する。音楽情報とは、曲名、演奏者、指揮者、歌手、作曲者、作詞者、楽譜、演奏時間、収録媒体名等の情報である。
【0030】検索された音楽が多数ある場合には、クラッシック音楽やポピュラー音楽等の幾つかの音楽ジャンル別に分類され提供することとしてもよい。また、予め利用者の所望する音楽ジャンルを入力することで、所望する音楽ジャンルの音楽情報のみを提供することとしてもよい。
【0031】また、例えば「明るい楽しい曲が収録されているCD」「迫力のある演奏をする演奏者の演奏曲が収録されているレコード」等複数の音楽が収録されているCDやレコード等の音楽収録媒体に対しても、印象語による印象評価付けをすることができるので、本装置は音楽収録媒体を提供することとしてもよい。
【0032】なお、本実施例では印象語の例として形容詞である語句を用いたが、本発明の実施においてはこれに限定することなく、任意の品詞を構成する語句(例えば形容表現の文章など。)を用いることができる。従って、擬態語、擬音語等でもよい。さらに、演奏家や作曲者の曲風・メロディーを示して「ワルツ風」といった表現を用いてもよい。
【0033】
【発明の効果】本発明の音楽情報提供方法及び装置は、上述の構成を備えるので、以下の効果を奏する。本発明の音楽情報提供方法によれば、利用者が所望する印象語を入力することで、該印象語に印象評価付けされた音楽を検索し、該音楽に関する音楽情報を提供する構成をとるので、無数にある音楽の中から利用者が求めているイメージの音楽を簡単に得ることができ、音楽教育や音楽関連施設での音楽選定が簡易となる。また、音楽演奏としても提供することができるため、利用者は音楽を聴取することで、印象評価を即座に確認することができる。




 

 


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