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発明の名称 ホーム監視システム
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2003−224844(P2003−224844A)
公開日 平成15年8月8日(2003.8.8)
出願番号 特願2002−23281(P2002−23281)
出願日 平成14年1月31日(2002.1.31)
代理人 【識別番号】100092978
【弁理士】
【氏名又は名称】真田 有
【テーマコード(参考)】
5C054
5C086
【Fターム(参考)】
5C054 AA01 CA04 CD03 CF06 CG02 CG07 CH04 EA01 EA05 ED07 FC12 FE26 FF02 FF06 GB11 HA18 
5C086 AA22 BA21 BA30 CA08 CA28 CA30 CB19 CB36 CB40 DA08 DA14 DA33 EA41 EA45 FA06 FA18
発明者 山下 博 / 渡辺 茂幸 / 山田 昌弘
要約 課題
ホーム監視システムに関し、危険を的確に検知して信頼性の高い警報を発することを可能にする。

解決手段
駅の改札口4に設けられた識別手段14、15により改札口4内への進入者の中から所定の監視対象条件を満たす監視対象者1を識別し、識別された監視対象者1のホーム2内での動きを追跡手段16、17、18によって追跡し、その追跡情報から監視対象者1の危険を検知して警報手段19により警報信号を出力する
特許請求の範囲
【請求項1】 駅の改札口に設けられ上記改札口内への進入者の中から所定の監視対象条件を満たす監視対象者を識別する識別手段と、上記監視対象者のホーム内での動きを追跡する追跡手段と、上記追跡手段による追跡情報から上記監視対象者の危険を検知して警報信号を出力する警報手段とを備えたことを特徴とする、ホーム監視システム。
【請求項2】 上記警報手段は上記監視対象者が上記ホーム内の危険領域に進入した場合に上記警報信号を出力するように構成されていることを特徴とする、請求項1記載のホーム監視システム。
【請求項3】 上記警報手段は上記監視対象者の上記ホーム内での動きが注意すべき所定の動きであり、且つ上記監視対象者が上記ホーム内の危険領域に進入した場合に上記警報信号を出力するように構成されていることを特徴とする、請求項1記載のホーム監視システム。
【請求項4】 上記監視対象者の危険レベルに応じて上記危険領域を設定する危険領域設定手段を備えたことを特徴とする、請求項2又は3記載のホーム監視システム。
【請求項5】 上記ホーム内の状況又は列車の運行状況に応じて上記危険領域を設定する危険領域設定手段を備えたことを特徴とする、請求項2又は3記載のホーム監視システム。
【請求項6】 上記追跡手段は、上記改札口に設けられた入口カメラと、上記入口カメラで撮影された画像から上記監視対象者の視覚的特長量を検出する特徴量検出手段と、上記ホーム内に設置された複数の追跡カメラと、上記追跡カメラで撮影された画像を上記視覚的特長量に基づくパターンマッチング処理により解析することによって上記監視対象者の上記ホーム内での動きを追跡する画像解析手段とから構成されていることを特徴とする、請求項1〜5の何れかの項に記載のホーム監視システム。
【請求項7】 上記追跡カメラの一つが上記改札口から上記ホームへ続く階段部の上方に設けられていることを特徴とする、請求項6記載のホーム監視システム。
【請求項8】 上記監視対象条件に上記進入者が泥酔状態であることを含み、上記識別手段として泥酔者から発散されるアルコールを検知するアルコール検知センサを備えたことを特徴とする、請求項1〜7の何れかの項に記載のホーム監視システム。
【請求項9】 上記監視対象条件に上記進入者が視覚障害を有することを含み、上記識別手段として視覚障害者の杖に貼られた磁気テープを検知する磁気センサを備えたことを特徴とする、請求項1〜7の何れかの項に記載のホーム監視システム。
【請求項10】 上記監視対象条件に上記進入者が視覚障害を有することを含み、上記識別手段として視覚障害者に配布されたICタグを検知するICセンサを備えたことを特徴とする、請求項1〜7の何れかの項に記載のホーム監視システム。
【請求項11】 上記警報手段は、上記ICタグに記憶された個人名情報を用いて上記視覚障害者の個人名による音声で上記視覚障害者に警報を発するように構成されていることを特徴とする、請求項10記載のホーム監視システム。
【請求項12】 上記改札口にICカードによって開閉する改札機が設けられ、上記識別手段は上記改札機により読み取られた上記ICカードの記憶情報を用いて上記監視対象者を識別するように構成されていることを特徴とする、請求項1〜7の何れかの項に記載のホーム監視システム。
【請求項13】 上記識別手段は上記ICカードに記憶された年齢情報に基づき高齢の進入者を上記監視対象者として識別するように構成されていることを特徴とする、請求項12記載のホーム監視システム。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、駅ホーム内での危険をいち早く察知してホーム内の安全を確保するためのホーム監視システムに関する。
【0002】
【従来の技術】駅ホーム内での安全を確保する手段としては主に二つの方式がある。一つはホーム下への転落者をいち早く見つけて身柄を確保する方式である。この方式では、ホーム下に重量物を検知するマットを敷設しておき、誤って人がマット上に転落した場合には、マットから出力される信号を受けて駅員が救出のために駆けつけるようになっている。もう一つの方式は、ホーム内の人の動きを監視して人が転落しそうになった場合やその虞がある場合には音声等によって警報を発する方式である。転落の危険の予防と転落後の迅速な対応とを可能にするためには、これら二つの方式を併用することが望ましい。
【0003】ホーム内を監視するシステムとしては、ホーム内にカメラを設置してその画像を駅員室内のモニタに表示するシステムが一般的である。しかしながら、このシステムでは駅員が絶えずモニタを監視していなければならず駅員の負担は大きい。そこで、近年では、カメラで撮影した画像を画像処理装置で処理し、基準画像と検査画像との差分画像から危険領域と設定した場所での異物や人の存在を検知して警報を発するシステムが提案されている(特開昭61−146085号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ホーム内での危険度は常に一定ではなく状況によって異なってくる。例えば、注意力がある人とそうでない人とではホーム内の同じ場所を歩いている場合でも危険度は異なるし、ホーム内の込み具合や列車の運行状況によっても危険度は異なる。このため、上記従来技術のように、予め設定された危険領域内への進入があるたびに警報を発すると、人々に対する警報の信頼性が低下し、本当に危険な状態に近づいた場合に警報が有効に機能しない虞がある。
【0005】本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、危険を的確に検知して信頼性の高い警報を発することを可能にした、ホーム監視システムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明のホーム監視システムは、駅の改札口に設けられた識別手段により改札口内への進入者の中から所定の監視対象条件を満たす監視対象者を識別し、識別された監視対象者のホーム内での動きを追跡手段によって追跡し、その追跡情報から監視対象者の危険を検知して警報手段により警報信号を出力することを特徴としている。このように駅ホームへの進入者の全てを監視するのではなく、監視対象を危険度の高い特定の者に絞りこみ、その特定の監視対象者を重点的に監視することで、危険を的確に検知することができ、信頼性の高い警報を発することが可能となる。監視対象者とすべき人は、転落する可能性の高い人や、万が一ホーム下に転落した場合に自力で脱出することが困難な人のことであり、例えば、泥酔者や視覚障害者や高齢者等が含まれる。
【0007】追跡情報から危険を検知する方法としては、例えば、ホーム内の危険領域を予め設定しておき、監視対象者への危険領域への進入を追跡情報から検知して監視対象者が危険領域に進入した場合に警報信号を出力すればよい。より好ましくは、監視対象者のホーム内での動きが注意すべき所定の動きであるか追跡情報から判定し、監視対象者が注意すべき所定の動きをしている場合には、その監視対象者がホーム内の危険領域に進入したときに警報信号を出力する。このように監視対象者の動きも危険度の判断要素に加えることで、より的確な危険の検知が可能になる。
【0008】なお、上記の危険領域は固定でもよいが、好ましくは危険領域設定手段によって監視対象者の危険レベルに応じて設定する。危険レベルは例えば監視対象条件に対応させてもよく、例えば泥酔者、視覚障害者、高齢者等が監視対象である場合には、各監視対象に応じた危険レベルを設定してもよい。さらに泥酔者であれば酔いの程度によって、高齢者であれば年齢によってさらに細かく危険レベルを設定してそれに応じた危険領域を設定してもよい。また、監視対象者自身ではなく監視対象者の周囲の状況に応じて危険領域を設定するのも好ましい。すなわち、危険度はホーム内の状況、例えば混み具合によっても異なるし、列車の運行状況、例えば列車の到着までの時間や通過列車の有無等によっても異なってくるからである。
【0009】追跡手段の具体的な構成としては、ホーム内の人が少ない場合には熱感知センサや超音波センサ等を用いることができるが、好ましくは視覚的に追跡することができるカメラを用いる。すなわち、改札口に入口カメラを設け、入口カメラで撮影された画像から特徴量検出手段によって監視対象者の視覚的特長量(服や帽子の色、形、大きさ等)を検出し、ホーム内に設置された複数の追跡カメラで撮影された画像を視覚的特長量に基づくパターンマッチング処理により画像解析手段で解析することによって監視対象者のホーム内での動きを追跡する。なお、複数の追跡カメラのうち少なくとも一つは改札口からホームへ続く階段部の上方に設けられているのが好ましい。監視は改札口からではなくホーム入口から行えばよく、また、階段では人の進む方向が略一方向であり、且つ、混雑時の密度もホーム上よりは少ないため監視対象者を特定しやすいからである。
【0010】監視対象条件に進入者が泥酔状態であることを含む場合には、識別手段として泥酔者から発散されるアルコールを検知するアルコール検知センサを備えればよい。この場合、アルコール濃度も検知して酔いの程度に応じて危険レベルを設定するのも好ましい。監視対象条件に進入者が視覚障害を有することを含む場合には、予め各視覚障害に磁気センサを配布しておき、識別手段として視覚障害者の杖に貼られた磁気テープを検知する磁気センサを備えればよい。或いは、予め各視覚障害にICタグを配布しておき、識別手段として視覚障害者が携帯しているICタグを検知するセンサを備えればよい。特にこの場合は、視覚障害者の危険を検知したときには、ICタグに記憶された個人名情報を用いて視覚障害者の個人名による音声で警報を発するようにすることもできる。
【0011】また、改札口にICカードによって開閉する改札機が設けられている場合には改札機により読み取られたICカードの記憶情報を用いて監視対象者を識別するように識別手段を構成してもよい。ICカードには様々な情報を記憶することができるが、少なくとも年齢情報が記憶されていれば、記憶された年齢情報に基づき高齢の進入者を監視対象者として識別することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の一実施形態にかかるホーム監視システムの全体構成を示す模式図である。このホーム監視システムは、泥酔者と視覚障害者とを監視対象者とするべく構成されている。
【0013】図1に示すように、本実施形態のホーム監視システムは複数のカメラ(CCDカメラ)11,12,13,16,17,18,センサ14,15、スピーカ19、モニタ20、及び監視制御装置(コンピュータ)10を備えている。このうち改札口4には、改札機21にアルコール検知センサ14が取り付けられ、改札機21の通路には磁気センサ15が埋め込まれている。アルコール検知センサ14は、空気中のアルコールを検知するセンサである。ここでは、改札機21を通る客(進入者)1の息に含まれるアルコールを検知し、所定値を超えるアルコール濃度を検知した場合に監視制御装置10に信号を出力する。磁気センサ15は、磁気を検知するセンサであるが、ここでは磁気シール23の磁気に対して反応するように調整されており、磁気を検知した場合に監視制御装置10に信号を出力する。なお、本システムでは、磁気シール23は予め視覚障害者の杖22の先端部に貼り付けられていることを前提としている。
【0014】また、改札口4には、改札機21の通路を臨むように3つのカメラ11、12、13が配置されている。一つのカメラ11は改札機21を通る客1を上方から撮影するように配置されている。別のカメラ12は改札機21を通る客1を側方から撮影するように配置されている。また別のカメラ13は改札機21を通る客1を前方から撮影するように配置されている。これらカメラ11、12、13は、監視制御装置10からのトリガ信号によって同期して作動し、撮影した画像はそれぞれ監視制御装置10へ送信するようになっている。
【0015】改札口4からホーム2にいたる階段3の天井には、ホーム入口カメラ16が取り付けられている。このカメラ16は、ホーム2内に進入する客1を頭上から撮影して、撮影した画像を監視制御装置10へ送信するようになっている。ホーム2内には、その天井に複数のホーム内カメラ17、18が取り付けられている。これらのカメラ17、18は、ホーム2内の客1を頭上から撮影して、撮影した画像を監視制御装置10へ送信するようになっている。また、ホーム2の天井には、ホーム2内の客1にアナウンスするためのスピーカ19も取り付けられている。なお、ホーム2上の網点で示した領域5A、5Bが危険領域であり、ホーム2の端を基準にして所定範囲が危険領域5A、5Bに設定されている。
【0016】駅員室6内には、監視制御装置10と監視モニタ20とが配置されている。監視制御装置10は、各センサ14、15からの信号や各カメラ11、12、13、16、17、18からの画像を処理してホーム2内での危険を検知し、スピーカ19や監視モニタ20等の手段を介して警報を行う機能を有している。監視制御装置10の機能の詳細については後述する。監視モニタ20には各カメラ11、12、13、16、17、18で撮影される画像が表示されるとともに、後述する監視制御装置10によってホーム2内での危険が検知された場合には、危険を知らせる内容が表示される。
【0017】図2は監視制御装置10の機能を詳細に示すブロック図である。図2に示すように、監視制御装置10は、監視対象者識別部101、改札口カメラ制御部102、特徴量抽出部103、追跡用カメラ制御部104、画像解析部105、危険判定部106、及び警報出力部107を備えている。なお、これら各部101、102、103、104、105、106、107は、ハードであるコンピュータと該コンピュータを動かすプログラムとの協働によって、該コンピュータの一機能として実現されるものである。
【0018】監視対象者識別部101は、改札機21を通過する客1の中から所定の監視対象条件を満たす監視対象者を識別する機能を有している。ここでの監視対象条件とは、泥酔状態であること或いは視覚障害を有することであり、前者についてはアルコール検知センサ14からの信号により、後者については磁気センサ15からの信号により判定している。何れかのセンサ14、15からオン信号が入力されると、監視対象者識別部101は改札口カメラ制御部102にトリガ信号を出力するとともに、識別した監視対象者の種別(ここでは泥酔者或いは視覚障害者)を危険判定部106に出力する。
【0019】改札口カメラ制御部102は、監視対象者識別部101からトリガ信号が入力されると、各カメラ11、12、13にトリガ信号を出力して改札機21を通る客(監視対象者)1を撮影させる。そして、各カメラ11、12、13が撮影した画像を受信して、特徴量抽出部103に出力する。ここで、図3(a)、図3(b)、図3(c)は、それぞれ各カメラ11、13、12の撮影画像30、32、34を模式的にあらわしている。
【0020】特徴量抽出部103は、改札口カメラ制御部102から入力された撮影画像30、32、34から、監視対象者1の特徴(身体的特長や服装の特徴)をあらわす特徴量を抽出する機能を有している。具体的には、予め画像30、32、34中の監視対象者1が存在する範囲にウインドウ31、33、35を設定しておき、ウインドウ31、33、35で囲まれた範囲の画像を元画像30、32、34から切り出す。そして、切り出した画像と基準画像(人が写っていない背景画像)との差から、色、形状、大きさ等の特徴量を抽出する。特徴量の抽出は公知の画像解析技術であり、また、特徴量の抽出方法自体は本発明の要旨ではないので、ここでは詳しい説明は省略する。特徴量抽出部103で抽出された特徴量は、画像解析部105に出力される。
【0021】画像解析部105は、ホーム入口階段3及びホーム2内に配置されたカメラ16、17、18で撮影された画像を解析して、ホーム2内での監視対象者1の動きを追跡する機能を有している。カメラ16、17、18の撮影画像は、追跡用カメラ制御部104を介して画像解析部105に入力される。追跡用カメラ制御部104は一定の周期でカメラ16、17、18を作動させ、ホーム2内の様子をコマ送りで撮影して画像解析部105に出力している。ここで、図4(a)、図4(b)は、それぞれホーム入口カメラ16、ホーム内カメラ17の撮影画像40、42を模式的にあらわしている。
【0022】画像解析部105は、まず、ホーム入口カメラ16の撮像画像40から特徴量抽出部103で抽出された特徴量を有する領域の検出を行う。そして、特徴量を有する領域41が存在した場合には、その領域41内に監視対象者1が存在するものと認定する。画像解析部105は、ホーム入口カメラ16の撮像画像40内に監視対象者1が検知された場合に、ホーム入口カメラ16及びホーム内カメラ17、18による監視対象者1の追跡を開始する。監視対象者1の追跡はパターンマッチング処理により行う。パターンマッチング処理は公知の画像解析技術であり、また、パターンマッチング処理自体は本発明の要旨ではない。したがって、ここでは詳しい説明は省略するが、基本的には図4(c)中に示すように撮影コマ毎に上記特徴量を有する領域43'、43を特定することで、監視対象者1の画像42内での位置と移動方向(符号1'から符号1で示す位置への移動)を検出する。なお、監視対象者1の移動により画像42内から特徴量領域43が消失した場合には、監視対象者1が移動した方向の別のカメラ18による画像を用いて監視対象者1の追跡を行う。
【0023】画像解析部105で得られる監視対象者1の追跡情報は、随時、危険判定部106に送られる。危険判定部106は、画像解析部105で得られた追跡情報から、より具体的には、監視対象者1の画像内での位置と動きとにより監視対象者1の危険を判定する。ここで、図5(a)、図5(b)はホーム内カメラ17により撮影された画像42内での監視対象者1の現在位置(実線で示す位置)と過去の動き(二点鎖線で示す過去の位置を結んだ線)とを示した模式図である。
【0024】まず、監視対象者1が泥酔者である場合の危険判定について説明する。監視対象者1が泥酔者であるか否かは、一次的にはアルコール検知センサ14によるアルコール濃度の検知によって判定することができる。ところが、監視対象者1が吐く息に含まれるアルコールの濃度と、監視対象者1の意識レベルとは必ずしも対応していない。このため、それほど酔ってもおらず意識もしっかりしているにもかかわらず高いアルコール濃度が検出される可能性もある。このような場合、フェールセーフを優先し、泥酔の可能性があるものとして、監視対象者1が危険領域5A、5B内に進入したら危険と判定しても勿論よいが、その分、危険検知の的確さは低下してしまう。
【0025】そこで、本実施形態では、危険のより的確な検知を可能にするために、監視対象者1が泥酔の可能性の高い動きをしている状態において、危険領域5A、5B内に進入した場合に危険と判定するようにしている。泥酔の可能性の高い動きとは、例えば、図5(a)に示すように左右にふらついた動きや、前後に行ったり来たりする動きや、同じ場所をぐるぐると回る動きや、移動速度が急激に変化するような動きや、これらを組み合わせたような動き等である。これら動きのパターンは図示しないデータベースに記憶されており、検知された監視対象者1の動きがデータベースに記憶されたパターンに当てはまる場合に、監視対象者1を泥酔者として確定するようにしている。なお、列車がホーム2に到着している場合には、列車が壁になるためにホーム2下への転落の可能性は低い。したがって、列車が到着している側の危険領域への進入は危険判定から除くものとする。
【0026】監視対象者1が視覚障害者である場合には次のようにして危険判定を行う。視覚障害者がホーム下に誤って転落するケースとして最も多いのが、列車の到着番線の誤認によるものである。列車7の到着時には放送により到着番線が知らされるが、その際、視覚障害者が到着番線を誤認して、図5(b)に示すように列車7の到着していない側のホーム端へ急いで移動しようとする場合がある。この場合、上述のように列車7が到着しているホーム端への移動であれば列車7が壁になるために転落の可能性は低いが、列車7の到着していない側では壁になるものがないために転落の可能性は高い。
【0027】そこで、本実施形態では、監視対象者1が図5(b)に示すように列車7の到着した側と反対のホーム端へ急いで移動し、その結果、危険領域5B内に進入した場合に危険と判定するようにしている。なお、視覚障害者の場合も、フェールセーフを優先して、監視対象者1の動きにかかわらず単に危険領域5A、5B内に進入しただけで危険と判定しても勿論よい(ただし、列車がホームに到着している場合には、その側の危険領域への進入は危険判定から除く)。
【0028】危険判定部106で危険が判定された場合には、警報出力部107からホーム内スピーカ19や駅員室内モニタ20に警報信号が出力される。ホーム内スピーカ19からは、監視対象者1に注意を促すメッセージが音声でアナウンスされ、駅員室内モニタ20には危険を知らせる内容が表示される。また、図示しないスピーカにより駅員室6内にも危険を知らせるメッセージが音声でアナウンスされるようになっている。
【0029】以上のような機能を有する監視制御装置10における処理の流れをフローチャートで示したのが図6である。以下、このフローチャートに沿って処理の流れを説明する。まず、ステップS10では、アルコール検出センサ14や磁気センサ15からの信号に基づき監視対象者1を改札機21への進入者の中から識別する。そして、監視対象者1が識別された場合には、ステップS20で改札口カメラ11、12、13により監視対象者1を撮影する。ステップS30では、撮影した画像から監視対象者1の視覚的特長を示す特徴量を抽出する。
【0030】ステップS40では、ホーム入口カメラ16によって監視対象者1のホーム2への進入をステップS30で抽出された特徴量を用いて検知する。この場合、監視対象者1がホーム入口カメラ16で検知されるまでには、改札口4からホーム2までの距離に応じた時間がかかるが、この時間があまりにも短い場合には誤検知の可能性が高い。一方、あまりにも時間がかかりすぎる場合には、検知ミスの可能性が高い。したがって、監視対象者1が改札口4を通過してからの時間に下限時間と上限時間とを設定しておき、下限時間を超えてからホーム入口カメラ16での検知を開始し、上限時間を超えた場合にはその監視対象者1に対する監視処理をリセットするようにしてもよい。
【0031】ステップS50では、ホーム内カメラ17、18によって監視対象者1の追跡を行う。この追跡は、監視対象者1が列車に乗り込んだ場合のように監視対象者1がホーム2から退出した時点で終了する。ステップS60では、監視対象者1のホーム2からの退出を判定し、監視対象者1がホーム2から退出するまでの間、注意すべき所定の動きがないかステップS70で判定する。監視対象者1の動きが注意すべき所定の動きのパターンに該当する場合には、さらに監視対象者1が危険領域5A、5Bに進入していないかステップS80で判定する。そして、監視対象者1が何れかの危険領域5A、5Bに進入した場合には、ステップS90で警報信号を出力し、スピーカ19やモニタ20を通じて監視対象者1や駅員や他の乗客に危険を知らせる。
【0032】このように、本実施形態にかかるホーム監視システムでは、ホーム2への進入者の全てを監視するのではなく、監視対象を危険度の高い特定の者に絞りこみ、その特定の監視対象者1を重点的に監視しているので、全ての進入者を対象にする場合に比較して危険を的確に検知することができる。特にここでは、危険領域5A、5Bへの進入の有無のみならず、監視対象者1の動きも危険度の判断要素に加えているので、より的確に危険を検知することができる。したがって、本実施形態にかかるホーム監視システムによれば、信頼性の高い警報を発することができ、当人である監視対象者1のみならず他の乗客にも注意を促すことができるので、事故を未然に防ぐことができるとともに、万が一、ホーム2下へ転落した場合でも迅速な対応が可能になる。
【0033】以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、上述の実施形態では危険領域5A、5Bの範囲は固定であるが、図7に二点鎖線で示すように危険領域5A、5Bの範囲を段階的に或いは連続的に調整できるようにしてもよい。具体的には、監視制御装置10に危険領域設定部を新たに設けて、監視対象者1の危険レベルや、監視対象者1の周囲の状況(込み具合や列車の運行状況等)に応じて危険領域5A、5Bの範囲を設定する。監視対象者1の危険レベルとしては、例えば泥酔者の場合には、アルコール濃度で判断してもよい。すなわち、アルコール検知センサ14としてアルコール濃度をリニアに検知できるセンサを用いて、検知したアルコール濃度から監視対象者1の危険レベルを判定すればよい。このように危険領域5A、5Bを可変設定することで、より的確な危険の検知が可能になる。
【0034】また、視覚障害者を識別する手段としては、実施形態のような磁気テープ23の他にICタグを用いてもよい。すなわち、駅を利用する視覚障害者に予めICタグを配布して杖22に貼っておいてもらうとともに、改札機21にICタグを検知するセンサを取り付けておく。ICタグであれば、情報として視覚障害者の個人名を記憶させることができるので、センサ(データ読取装置)によって個人名情報をICタグから読み取っておくことで、スピーカ19から注意を促す際には視覚障害者の個人名で呼ぶこともでき、より確実に危険を知らせることができる。
【0035】さらに、図8に示すように、近年、定期券等に用いられているICカード45を監視対象者1を識別するための手段として用いることもできる。ICカード45には、個人名の他に様々な情報を記憶させることができるが、少なくとも年齢情報が記憶されていれば、記憶された年齢情報に基づき高齢の進入者を監視対象者1として識別することができる。この場合は、改札機21のデータ読取装置21aで改札に必要な情報をICカード45から読み取る際に、個人名情報や年齢情報も一緒に読み取って監視制御装置10に送信すればよい。危険領域5A、5Bの範囲を設定する危険領域設定部が監視制御装置10に設けられている場合には、年齢によって細かく危険レベルを設定してそれに応じた危険領域5A、5Bを設定することもできる。また、ICカード45の記憶容量に余裕がある場合には、視覚障害者であることを示す情報も記憶させておき、ICカード45を用いて視覚障害者であることを識別するようにしてもよい。
【0036】
【発明の効果】以上詳述したように本発明のホーム監視システムによれば、駅ホームへの進入者の全てを監視するのではなく、監視対象を危険度の高い特定の者に絞りこみ、その特定の監視対象者を重点的に監視しているので、全ての進入者を対象にする場合に比較して危険を的確に検知することができ、信頼性の高い警報を発することができる。そして、その結果、当人である監視対象者のみならず他の乗客にも注意を促すことができ、事故を未然に防ぐことができるとともに、万が一、ホーム下へ転落した場合でも迅速な対応が可能になる。




 

 


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