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発明の名称 印刷機における色調制御方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2003−169223(P2003−169223A)
公開日 平成15年6月13日(2003.6.13)
出願番号 特願2001−367476(P2001−367476)
出願日 平成13年11月30日(2001.11.30)
代理人 【識別番号】100083024
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 昌久 (外1名)
【テーマコード(参考)】
2C250
2G020
5C074
5C077
5C079
【Fターム(参考)】
2C250 DB04 EA23 EB32 EB40 
2G020 AA08 DA02 DA03 DA04 DA05 DA12 DA34 DA43
5C074 AA11 BB16 DD01 DD16 DD26 FF07 FF15 HH04
5C077 MM27 MP08 PP34 PP36 PP37 TT08
5C079 HB03 HB08 HB12 LA02 LB02 NA03 NA27 PA07
発明者 中元 淳 / 永井 秀明
要約 課題
目標分光反射率の入力やOKシートの計測をすることなく、商業印刷物の色調を印刷機プロファイル作成時と同等にするインキ濃度差を簡単、容易に算出し、それによって色調制御を簡単に行えるようにする方法の提供。

解決手段
プロファイル作成用絵柄印刷物と商業印刷物とにおける制御対象色の色座標値差と商業印刷物におけるインキ濃度とを入力とし、プロファイル作成用絵柄印刷物と商業印刷物とにおける制御対象色の色座標を略一致させるインキ濃度差を算出する関数fを定義し、該関数fで算出したインキ濃度差で印刷機のインキキーを制御して色調を制御するようにした。
特許請求の範囲
【請求項1】 印刷機の網点面積率と発色との対応関係を記述したプロファイル(発色特性データ)に基づいて刷版を作成し、該刷版による商業印刷物の制御対象色を計測して色調を制御する印刷機における色調制御方法において、前記プロファイルの作成用絵柄印刷物と前記商業印刷物との制御対象色における色の差と、前記商業印刷物のインキ濃度とから、前記商業印刷物と前記プロファイル作成用絵柄印刷物における制御対象色の色調を略一致させるインキ濃度差を算出し、該インキ濃度差で印刷機のインキキーを制御して色調を制御することを特徴とする印刷機における色調制御方法。
【請求項2】 前記プロファイル作成用絵柄印刷物と前記商業印刷物とにおける制御対象色の色調を略一致させるインキ濃度差は、前記プロファイル作成時とは異なる複数の色再現状態において印刷された複数の比較用印刷物と前記プロファイル作成用絵柄印刷物との制御対象色における色の差と、前記各比較用印刷物におけるインキ濃度と、前記各比較用印刷物と前記プロファイル作成用絵柄印刷物とにおける制御対象色の色調を略一致させるインキ濃度差とをデータとして蓄積し、該蓄積したデータに基づき、前記プロファイル作成用絵柄印刷物と前記商業印刷物とにおける制御対象色の色の差と、前記商業印刷物のインキ濃度とを入力とし、前記商業印刷物と前記プロファイル作成用絵柄印刷物とにおける制御対象色の色調を略一致させるインキ濃度差を出力とするよう定義した関数によって算出することを特徴とする請求項1に記載した印刷機における色調制御方法。
【請求項3】 前記関数の定義と商業印刷物における色調制御のためのインキ濃度差算出に際し、前記プロファイル作成用絵柄印刷物と前記比較用印刷物と前記商業印刷物のそれぞれにおけるドットゲインとトラッピング量、またはインキ濃度−ドットゲイン特性とインキ濃度−トラッピング特性を加味することを特徴とする請求項2に記載した印刷機における色調制御方法。
【請求項4】 前記関数の定義と商業印刷物における色調制御のためのインキ濃度差算出に際し、前記プロファイル作成用絵柄印刷物と前記比較用印刷物と前記商業印刷物のそれぞれにおけるインキ濃度に代えて、インキ濃度−ドットゲイン特性とインキ濃度−トラッピング特性を使用することを特徴とする請求項2に記載した印刷機における色調制御方法。
【請求項5】 前記制御対象色がグレイであることを特徴とする請求項1に記載した印刷機における色調制御方法。
【請求項6】 前記制御対象色が肌色、空の青、木々の緑などの特定色であることを特徴とする請求項1に記載した印刷機における色調制御方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印刷機における色調制御方法に関し、特に、印刷機における発色特性データ(以下プロファイルと略称する)を用いて刷版を作成し、プロファイル作成時と同様な条件で印刷したにもかかわらず印刷機の色再現状態の変化によって色調が変化した場合、迅速、容易に、かつ、自動的に色調を調整できるようにした印刷機における色調制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】印刷界においては、印刷機や製版システムなどの個々のデバイスにおける色再現特性を一致させるため、印刷機における網点面積率と色(例えば国際照明委員会で定義された色座標値、CIE−L*、a*、b*)との対応を記述した例えばICC(International Color Consortium)プロファイルなどの発色特性データを作成し、それを元に上流側で印刷物の測色値が希望する色に近似するようデジタルデータを変換して刷版を作成することで、異なるデバイス間の色再現性を一致させるようにしたカラーマネジメントシステムが用いられている。
【0003】しかしながら、上流側でこのようなプロファイルを用いてデジタルデータを変換し、刷版を作成しても、印刷物上で希望通りの色を得るためには、プロファイルを作成したときの印刷機における各種条件が実際の印刷までキープされていることが必要であるが、プロファイルを作成した条件と実際に印刷をおこなう条件が異なる場合があり、また、印刷機における色再現状態は種々の原因によって変化することがあった。
【0004】すなわち、インキや印刷紙などの資材条件やインキ濃度などをプロファイル作成時と同じにしても、印刷機におけるインキローラへインキを均一に行き渡らせるための揺動ローラ、水着けローラなどの動き、ゴム胴の印圧などの微少な変動が色再現状態に微妙に影響し、また、機械間の誤差、湿度、気温、印刷を開始してからの時間などによっても色再現状態が異なって、ハーフトーン部の色が合わないといった現象が生じる。
【0005】そのため、プロファイル作成時の色再現状態と実際の印刷時の色再現状態が異なる現象が生じるわけであるが、このような場合は商業印刷物の印刷結果を見て手動コントロールする必要があり、さらに場合によっては現在の印刷機のプロファイルを作成し直して上流側にフィードバックし、刷版を作り直すなどのことが必要になる。しかもこのように、手動コントロールで色調制御するということはオペレータのスキルを必要とし、希望の色になるまで時間を要すると共に多量の損紙を出すことになり、またプロファイルを作り直して刷版を作成する方法は、当然多大な時間と費用を要し、時間的、コスト的に好ましくない。
【0006】こういったことに対処するため例えば特開平7−205412号公報、特開平11−99629号公報、特開平11−216847号公報、特開2001−277473号公報などには、入力された目標分光反射率や、OKシート(校正刷り、または仮校正刷りなどの基準となる印刷物)におけるカラーチャートなどの計測結果と商業印刷物(お客用印刷物)におけるカラーチャートなどの計測結果との差を算出し、それによってインキキーを制御して、こういった色調制御を或る程度自動化できるようにした方法や装置が示されている。
【0007】すなわちまず特開平7−205412号公報には、OKシートの画像箇所、および印刷物の画像箇所のインキ濃度スペクトルから差−インキ濃度スペクトルを検出し、この差−インキ濃度スペクトルを、重ね刷りに使用される個々の印刷インキにおけるインキ濃度スペクトルの線形結合関数として表し、インキ供給機構に対する調整命令を線形結合関数の比例係数から検出して色調を制御するようにする方法が示されている。
【0008】つぎに特開平11−99629号公報には、印刷物に印刷されているカラースケールの分光反射率を計測し、あらかじめ入力してある目標分光反射率との偏差を求めると共に、この偏差を等色関数と観測光源の分光分布でフィルタリングして積分し、この積分値から前記目標分光反射率との偏差が最小となるインキベタ濃度偏差を演算してインキ量を制御するようにしたものが示されている。
【0009】さらに、特開平11−216847号公報には、印刷物の画像箇所を可視光領域から墨に対して定格値の吸収がある近赤外線領域までの光で走査し、この値と目標色値とのCIEで定義された色空間座標値L*、a*、b*を計算して、その差を少なくするようにインキ量を制御する装置が示されている。
【0010】また特開2001−277473号公報には、OKシートと商業用印刷物の測定結果からノイゲバゥアの式における網点の太り量と重ね刷り部の濃度低下分を修正する係数を算出すると共に、分光濃度、ベタ濃度を算出し、これらの値から分光反射率の微小変化算出用の比例定数を算出することでノイゲバゥアの式からインキ濃度偏差を計算し、インキ供給量を制御するようにした方法が示されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこれらの従来技術は、いずれも入力された目標分光反射率やOKシートの計測結果などと商業印刷物の測定結果を比較し、その偏差によってインキ供給量を制御しようとするもので、せっかく印刷機プロファイルを上流側にフィードバックしてそれに基づいて刷版を作成しても、OKシートの測定や目標分光反射率の入力が必要となり、作成した印刷機プロファイルを有効利用する方法とは言い難い。
【0012】そのため本発明においては、目標分光反射率の入力やOKシートの計測をすることなく、商業印刷物の色調を印刷機プロファイル作成時と同等にするインキ濃度差を簡単、容易に算出し、それによって色調制御を簡単に行えるようにする方法を提供することが課題である。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため本発明においては、請求項1に記載したように、印刷機の網点面積率と発色との対応関係を記述したプロファイル(発色特性データ)に基づいて刷版を作成し、該刷版による商業印刷物の制御対象色を計測して色調を制御する印刷機における色調制御方法において、前記プロファイルの作成用絵柄印刷物と前記商業印刷物との制御対象色における色の差と、前記商業印刷物のインキ濃度とから、前記商業印刷物と前記プロファイル作成用絵柄印刷物における制御対象色の色調を略一致させるインキ濃度差を算出し、該インキ濃度差で印刷機のインキキーを制御して色調を制御することを特徴とする。
【0014】このように、プロファイルの作成用絵柄印刷物と商業印刷物における制御対象色における色の差と、商業印刷物のインキ濃度とから、前記商業印刷物とプロファイル作成用絵柄印刷物における制御対象色の色調を略一致させるインキ濃度差を算出できるようにすることで、容易にプロファイル作成時の色再現状態に近似した色再現状態を再現することができ、目標分光反射率の入力やOKシートの計測をすることなく、簡単、容易に色調制御を行うことができる。
【0015】そして色調をプロファイル作成時と同等にするこのインキ濃度差の算出は、請求項2に記載したように、前記プロファイル作成用絵柄印刷物と前記商業印刷物とにおける制御対象色の色調を略一致させるインキ濃度差は、前記プロファイル作成時とは異なる複数の色再現状態において印刷された複数の比較用印刷物と前記プロファイル作成用絵柄印刷物との制御対象色における色の差と、前記各比較用印刷物におけるインキ濃度と、前記各比較用印刷物と前記プロファイル作成用絵柄印刷物とにおける制御対象色の色調を略一致させるインキ濃度差とをデータとして蓄積し、該蓄積したデータに基づき、前記プロファイル作成用絵柄印刷物と前記商業印刷物とにおける制御対象色の色の差と、前記商業印刷物のインキ濃度とを入力とし、前記商業印刷物と前記プロファイル作成用絵柄印刷物とにおける制御対象色の色調を略一致させるインキ濃度差を出力とするよう定義した関数によって算出することを特徴とする。
【0016】このようにして予め関数を定義しておけば、前記商業印刷物とプロファイル作成用絵柄印刷物との制御対象色における色の差と、商業印刷物におけるインキ濃度とをこの関数に入力することで、商業印刷物とプロファイル作成用絵柄印刷物との色調を略一致させるインキ濃度差を出力として得ることができ、目標分光反射率の入力やOKシートの計測をすることなく、簡単、容易に前記濃度差を算出して色調制御を行うことができる。
【0017】そして、関数の定義と商業印刷物における色調制御のためのインキ濃度差算出に際しては、商業印刷物のインキ濃度だけでなく、請求項3及び4に記載したように、前記関数の定義と商業印刷物における色調制御のためのインキ濃度差算出に際し、前記プロファイル作成用絵柄印刷物と前記比較用印刷物と前記商業印刷物のそれぞれにおけるドットゲインとトラッピング量、またはインキ濃度−ドットゲイン特性とインキ濃度−トラッピング特性を加味することを特徴とする。前記関数の定義と商業印刷物における色調制御のためのインキ濃度差算出に際し、前記プロファイル作成用絵柄印刷物と前記比較用印刷物と前記商業印刷物のそれぞれにおけるインキ濃度に代えて、インキ濃度−ドットゲイン特性とインキ濃度−トラッピング特性を使用することを特徴とする。
【0018】元来インキ濃度とドットゲイン、トラッピング量は相関関係があるから、インキ濃度が分かれば商業印刷物と前記プロファイル作成用絵柄印刷物とにおける制御対象色の色調を略一致させるインキ濃度差を出力する関数は定義できるが、このようにドットゲインとトラッピング量、またはインキ濃度−ドットゲイン特性とインキ濃度−トラッピング特性を加味または使用することにより、関数の定義と商業印刷物における色調制御のためのインキ濃度差算出がより正確に、また容易に行えるようになる。
【0019】そして前記制御対象色は、請求項5に記載したように、前記制御対象色がグレイであることを特徴とする。
【0020】このように制御対象色をグレイとし、前記関数をグレイについて定義することにより、グレイは色空間の中央に位置していると共に、イエロー、マゼンタ、シアンの三色を使っているから、グレイ以外の色の色合わせも合わせておこなうことができ、容易かつ効率的に色合わせが可能となる。
【0021】また同じく前記制御対象色は、請求項6に記載したように、前記制御対象色が肌色、空の青、木々の緑などの特定色であることを特徴とする。
【0022】すなわち商業印刷時、その色調を微妙に調節する必要がある例えば肌色、空の青、木々の緑などの特定色について関数を定義しておくことにより、これらの特定色の色調が変化した場合でも容易にプロファイル作成時の色調を得ることができ、効率的な印刷前準備が可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を例示的に詳しく説明する。但し、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りはこの発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
【0024】図1は本発明になる印刷機における色調制御方法の原理を説明するための図、図2は本発明になる印刷機における色調制御方法に使用する関数を定義するためのデータを作成する方法を説明するための図、図3は本発明になる印刷機における色調制御方法に使用する関数を説明するための図、図4は本発明になる印刷機における色調制御方法を説明するための図、図5はインキ濃度とドットゲインの相関関係を示したグラフ、図6はインキ濃度とトラッピングの相関関係を示したグラフ、図7、図8は、本発明になる印刷機における色調制御方法に使用する関数の他の実施例を説明するための図である。
【0025】図中1はプロファイル作成用絵柄の印刷物であり、本発明においてはこのプロファイル作成用絵柄印刷物1を、例えば図2に示したように420色の絵柄を有するプロファイル作成用カラーチャート2と余白部に印刷したカラーバー3で構成する。図2における4は、このプロファイル作成用絵柄印刷物1におけるカラーバーの分光反射率を図示していない色調計測装置で計測し、その値から算出した基準色座標値G(L*、a*、b*)で、通常色を表すためには、前記したように国際照明委員会で定義されたL*a*b*表色系(CIELAB)、同じく国際照明委員会CIEのXYZ表色系、L*u*v*表色系(CIELUV)などの色座標値、分光反射率、波長帯をシアン、マゼンタ、イエローの各インキの主吸収波長帯で3分割し、各波長帯毎に分光反射率の積分値を求めた値等が用いられるが、以下の説明では一例としてL*a*b*表色系の色座標値を用いて説明してゆく。しかしこれは一例であり、どのような表色系や測定値を用いても良いことは自明である。
【0026】5はプロファイル作成時の色再現状態とは異なる色再現状態の時、印刷機のインキ膜厚をプロファイル作成時と同じ標準膜厚として印刷した色合わせ前の比較用印刷物で、この色合わせ前の比較用印刷物5にも図2に示したようにその余白部にプロファイル作成用絵柄印刷物1におけるカラーバー3と同様なカラーバー6を印刷する。なおこの比較用印刷物5は、説明の都合上比較用印刷物と称したが、通常の商業印刷物(お客用の印刷物)でもよい。7はこの色合わせ前の比較用印刷物5におけるカラーバー6の分光反射率を計測し、その値から算出した比較用色座標値G(L*、a*、b*)、8はこの比較用色座標値G(L*、a*、b*)と基準色座標値G(L*、a*、b*)を差分処理して算出した色の差であり、ここでは前記したようにL*a*b*表色系(CIELAB)を用いて説明しているから色座標値差(ΔL*、Δa*、Δb*)である。9は色合わせ前の比較用印刷物5のカラーバー6とプロファイル作成用絵柄印刷物1のカラーバー3とにおける制御対象色の色調を色合わせした後の比較用印刷物で、10はそのカラーバー、11はこの色合わせ後の比較用印刷物9におけるカラーバー10の分光反射率を計測し、その値から算出した色合わせ後の色座標値G’(L*、a*、b*)、12はこの色合わせ後の色座標値G’(L*、a*、b*)と基準色座標値G(L*、a*、b*)とが略一致していることを表したものである。
【0027】図3における31は、色合わせ前の比較用印刷物5におけるカラーバー6のシアン(D)、マゼンタ(D)、イエロー(D)、ブラック(D)のインキ濃度で、このインキ濃度は、色合わせ前の比較用印刷物5が印刷機のインキ膜厚を標準膜厚として印刷したものなので基本的に標準濃度である。32は同じくシアン(DG)、マゼンタ(DG)、イエロー(DG)、ブラック(DG)のドットゲイン、33は同じくシアン・マゼンタ間(TR)、シアン・イエロー間(TR)、マゼンタ・イエロー間(TR)のトラッピング、34、35、36、37は、色合わせ前の比較用印刷物5におけるカラーバー6の色調をプロファイル作成用絵柄印刷物1におけるカラーバー3の色調に色合わせしたときのシアン(ΔD)、マゼンタ(ΔD)、イエロー(ΔD)、ブラック(ΔD)におけるインキ濃度の変化分(インキ濃度差)、38はこれら色の差(色座標値差ΔL*、Δa*、Δb*)8、インキ濃度(D、D、D、D)31、ドットゲイン(DG、DG、DG、DG)32、トラッピング(TR、TR、TR)33を入力とし、インキ濃度の変化分(ΔD、ΔD、ΔD、ΔD)34、35、36、37を出力する関数fである。
【0028】図4における40は色合わせ前の比較用印刷物5における制御対象色の色座標値、41はプロファイル作成用絵柄印刷物1における制御対象色の色座標値で、色合わせ前の比較用印刷物5における制御対象色は、このプロファイル作成用絵柄印刷物1における制御対象色の色座標値41を目標として色合わせされる。42、44、46は色合わせ前の比較用印刷物5における評価色の色座標値、43、45、47はプロファイル作成用絵柄印刷物1における評価色の色座標値、図7、図8における50、53は本発明になる印刷機における色調制御方法に使用する関数の他の実施例、51は図5に示したようなインキ濃度とドットゲイン間の特性、52は図6に示したようなインキ濃度とトラッピング間の特性である。
【0029】まず最初に本発明の原理について図1に従って簡単に説明すると、本発明では、プロファイル作成用絵柄印刷物1における制御対象色の基準色座標値をGとし、このプロファイル作成用絵柄印刷物1によるプロファイルに基づいて作成した刷版を用い、プロファイル作成時とは色再現状態が異なる状態で印刷した色合わせ前の比較用印刷物5における制御対象色の比較用色座標値をGとした場合、両者の色の差、すなわち色座標値差(ΔL*、Δa*、Δb*)8を算出し、この色座標値差(ΔL*、Δa*、Δb*)8と比較用印刷物5におけるインキ濃度を入力として前記色座標値差(ΔL*、Δa*、Δb*)8をゼロとするようなインキ濃度差ΔD34、ΔD35、ΔD36、ΔD37を算出できるようにし、それによって色合わせ後の比較用印刷物9を得られるようにしたものである。
【0030】このようにすることにより、色合わせ後の比較用印刷物9における制御対象色の色座標値G’は、基準色座標値Gと略等しくすることができ、たとえプロファイル作成時とは色再現状態が変化しても、プロファイル作成時の色調が容易に得られることになる。
【0031】以下、図2、図3、図4に従って更に詳細に本発明を説明すると、まず図2に示した標準のインキ膜厚で印刷したプロファイル作成用絵柄印刷物1のカラーチャート2と、カラーバー3上の制御対象色のパッチとを図示していない色調計測装置で計測し、分光反射率を求める。そして制御対象色について、図4(A)におけるプロファイル作成時41として示した基準色座標値G(L*、a*、b*)4を算出すると共に、カラーチャート2の計測結果に基づいてプロファイルを作成し、さらにこのプロファイルに基づいて色合わせ前の比較用印刷物5の刷版を作成する。そしてその刷版を用い、プロファイルを作成したときと同様標準膜厚で図2における色合わせ前の比較用印刷物5を印刷する。
【0032】そしてこの印刷の際、印刷機の色再現状態が変化していて、前記制御対象色の色調がプロファイル作成時とは異なって色座標値が図4(A)における膜厚制御前40として示した位置となった場合、この比較用印刷物5におけるカラーバー6の制御対象色を図示していない色調計測装置で計測し、分光反射率を求めて図4(A)における膜厚制御前40として示した比較用色座標値G(L*、a*、b*)7を算出すると共に、この色合わせ前の比較用印刷物5におけるインキ濃度D、D、D、D31、ドットゲインDG、DG、DG、DG32、トラッピングTR、TR、TR33を算出し、合わせてこの比較用色座標値G(L*、a*、b*)7と前記基準色座標値G(L*、a*、b*)4を差分処理して色の差、すなわち色座標値差(ΔL*、Δa*、Δb*)8を求める。
【0033】そしてその後、印刷機のインキキーを調整してインキ膜厚を変化させ、制御対象色の図4(A)における膜厚制御前40として示した色座標値が、プロファイル作成時41の色座標値に略一致するよう色合わせする。そして、色合わせ後の印刷物9におけるカラーバー10上の制御対象色の色座標値G’(L*、a*、b*)11を算出し、この色合わせ後の色座標値G’(L*、a*、b*)11と基準色座標値G(L*、a*、b*)4が12で示したように略一致することを確認し、色合わせ前の比較用印刷物5におけるインキ濃度D、D、D、D31と、色合わせ後の比較用印刷物9におけるインキ濃度D’、D’、D’、D’とのインキ濃度差、ΔD34、ΔD35、ΔD36、ΔD37を算出する。
【0034】そしてこれらのデータ、すなわち比較用色座標値G(L*、a*、b*)7と基準色座標値G(L*、a*、b*)4との色座標値差(ΔL*、Δa*、Δb*)8、色合わせ前の比較用印刷物5におけるインキ濃度D、D、D、D31、ドットゲインDG、DG、DG、DG32、トラッピングTR、TR、TR33、色合わせ前と色合わせ後のインキ濃度差ΔD34、ΔD35、ΔD36、ΔD37を、プロファイル作成時と異なる色再現状態の度に算出し、蓄積しておく。そしてこの蓄積した複数のデータを基に、前記色の差、すなわち色座標値差(ΔL*、Δa*、Δb*)8と、色合わせ前のインキ濃度D、D、D、D31、ドットゲインDG、DG、DG、DG32、トラッピングTR、TR、TR33を入力することで、制御対象色のインキ濃度差ΔD34、ΔD35、ΔD36、ΔD37を算出するための図3に示した関数f38を定義する。この関数は、例えばインキ濃度D、トラッピングTR、ドットゲインDGを入力とし、制御対象色の分光波長R(λ)、または色座標値L*、a*、b*を出力する下記(1)式のようなものでも良い。
f{D、TR、DG、etc}→Color{R(λ)、L*、a*、b*}…(1)
なおこの関数は、分光波長やLab表色系での色座標値だけでなく、前記したようにXYZ表色系、Luv表色系などの色座標値、波長帯をシアン、マゼンタ、イエローの各インキの主吸収波長帯で3分割し、各波長帯毎に分光反射率の積分値を求めた値等を求める関数としても良いことはもちろんである。
【0035】このようにして関数fを定義しておけば、商業印刷物における色調がプロファイル作成時と異なる場合、図3に示したように制御対象色の色座標値差8、商業印刷物におけるインキ濃度31、ドットゲイン32、トラッピング33を入力することで、プロファイル作成時における色調を再現するためのインキ濃度差ΔD34、ΔD35、ΔD36、ΔD37が得られ、このインキ濃度差を基に印刷機のインキキーを制御すれば、容易に、かつ自動的にプロファイル作成時の色調を得ることが可能となる。
【0036】また、日々の商業運転において、プロファイル作成時と異なる色再現状態の度に前記色座標値差8、インキ濃度31、ドットゲイン32、トラッピング33、インキ濃度差ΔD34、ΔD35、ΔD36、ΔD37などのデータを蓄積していき、前記関数fを更新していけば、より正確にインキ濃度差ΔD34、ΔD35、ΔD36、ΔD37が得られるようになり、刷れば刷るほど賢くなるインテリジェント印刷機とすることができる。
【0037】なお以上の説明では、関数fを制御対象色について定義するとだけ述べてきたが、このようにすると図4における(B)のように制御対象色以外の色、例えば複数の評価色43、45、47がプロファイル作成時の色座標42、44、46からずれていた場合、膜厚制御(インキ濃度制御)によってどのように変化するかがわからなくなる。そのため、複数の評価色について同様に関数fを定義しておき、制御対象色を色合わせしたとき、これらの評価色がどのように変化するかを算出できるようにしておけば、事前に各色の色調変化の様子を知ることができる。
【0038】また、以上の説明では具体的な制御対象色については言及しなかったが、例えば灰色(グレイ)を制御対象色とすると、グレイは色空間の中央に位置しており、またイエロー、マゼンタ、シアンの三色を使っているから、グレイ以外の色の色合わせも合わせておこなうことができ、容易に、効率的に色合わせが可能となる。また商業印刷においては、一般的に肌色、空の青、木々の緑などの特定色はその色調を微妙に調節する必要があり、これらの色について関数を定義しておけば、これらの特定色の色調が変化した場合でも容易にプロファイル作成時の色調を得ることができ、効率的な印刷前準備が可能となる。
【0039】更に以上の説明では、関数fの定義に際してドットゲインDG、トラッピングTRを含めるように説明してきたが、これらの値は図5、図6に示したようにインキ濃度Dと相関があり、インキ濃度Dと一定の関係を持って変化してゆく。すなわち図5において、(A)はシアンのインキ濃度DとドットゲインDGの関係を示したグラフ、(B)はマゼンタのインキ濃度DとドットゲインDGの関係を示したグラフ、(C)はイエローのインキ濃度DとドットゲインDGの関係を示したグラフ、(D)はブラックのインキ濃度DとドットゲインDGの関係を示したグラフであり、図6において、(A)はシアンのインキ濃度Dと、シアンCの上にマゼンタMを重ね刷りしたブルーのトラッピングTRとの関係を示したグラフ、(B)はシアンのインキ濃度Dと、シアンCの上にイエローYを重ね刷りしたグリーンのトラッピングTRとの関係を示したグラフ、(C)はマゼンタのインキ濃度Dと、マゼンタMの上にイエローYを重ね刷りしたレッドのトラッピングTRとの関係を示したグラフである。
【0040】これらのグラフから分かるとおり、印刷条件が一定の場合、印刷物上のインキ濃度とドットゲイン、またはインキ濃度とトラッピング量はほぼ一定の傾きで変化してゆく傾向がある。そのため、前記図1に基づく本発明の原理の説明において記したように、色座標値差(ΔL*、Δa*、Δb*)8とインキ濃度D、D、D、Dだけを入力としてインキ濃度差ΔD34、ΔD35、ΔD36、ΔD37を得ることが可能であり、また更に、このインキ濃度差ΔD34、ΔD35、ΔD36、ΔD37を正確に得るため、これらインキ濃度−ドットゲイン特性(D−DG特性)、インキ濃度−トラッピング特性(D−TR特性)をパラメータに加えて前記関数fを定義してもよい。
【0041】図7、図8は、このような考えに従って本発明になる印刷機における色調制御方法に使用する関数fを定義した他の実施例である。この図7、図8において、51はインキ濃度−ドットゲイン特性(D−DG特性)、52はインキ濃度−トラッピング特性(D−TR特性)であり、図7の実施例ではこれら色座標値差(ΔL*、Δa*、Δb*)8とインキ濃度−ドットゲイン特性(D−DG特性)51、インキ濃度−トラッピング特性(D−TR特性)52を入力することで、インキ濃度差ΔD34、ΔD35、ΔD36、ΔD37を得る関数f50を定義したもので、図8の実施例では、これら色座標値差(ΔL*、Δa*、Δb*)8とインキ濃度−ドットゲイン特性(D−DG特性)51、インキ濃度−トラッピング特性(D−TR特性)52に加え、色合わせ前の比較用印刷物における各色のインキ濃度D、D、D、D31をを入力することで、インキ濃度差ΔD34、ΔD35、ΔD36、ΔD37を得る関数f53を定義したものである。
【0042】すなわち、図7のように色座標値差(ΔL*、Δa*、Δb*)8とインキ濃度−ドットゲイン特性(D−DG特性)51、インキ濃度−トラッピング特性(D−TR特性)52を入力とする関数f50の場合は、これらインキ濃度−ドットゲイン特性(D−DG特性)51、インキ濃度−トラッピング特性(D−TR特性)52によって、インキ濃度を変化させたとき、すなわちインキ濃度差ΔD34、ΔD35、ΔD36、ΔD37を与えたときに、ドットゲイン、及びトラッピングがどのように動くか予測できるから、それによって色座標値がどの程度動くか予測でき、それによって色調調整をより正確に行うことができる。また図8のように、インキ濃度−ドットゲイン特性(D−DG特性)51、インキ濃度−トラッピング特性(D−TR特性)52に加えてインキ濃度D、D、D、D31も入力した場合は、これらインキ濃度−ドットゲイン特性(D−DG特性)51、インキ濃度−トラッピング特性(D−TR特性)52におけるインキ濃度31に対応した点を指定できるから、色調調整をより正確に行うことができる。
【0043】なお、以上の説明では、トラッピングとしてシアン・マゼンタ間(TR)、シアン・イエロー間(TR)、マゼンタ・イエロー間(TR)のトラッピングを使ったが、トラッピングにはこの他にブラック・シアン間、ブラック・マゼンタ間、ブラック・イエロー間があり、これらについては必要に応じて用いればよい。また、以上の説明では、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色を前提として関数fを定義する場合を説明してきたが、シアン、マゼンタ、イエローの3色のみを使ってブラックを使わない場合も同様に構成でき、この場合は色合わせ前の比較用印刷物における各色のインキ濃度D、D、D、D31、同じくドットゲインDG、DG、DG、DG32、出力であるインキ濃度差ΔD34、ΔD35、ΔD36、ΔD37などにおけるブラック成分、すなわちインキ濃度D、ドットゲインDG、インキ濃度差ΔD37を除いて関数fを定義すればよい。
【0044】
【発明の効果】以上記載の如く請求項1に記載した本発明によれば、プロファイルの作成用絵柄印刷物と商業印刷物における制御対象色における色の差と、商業印刷物のインキ濃度とから、前記商業印刷物とプロファイル作成用絵柄印刷物における制御対象色の色調を略一致させるインキ濃度差を算出できるようにすることで、容易にプロファイル作成時の色再現状態に近似した色再現状態を再現することができ、目標分光反射率の入力やOKシートの計測をすることなく、簡単、容易に色調制御を行うことができる。
【0045】そして請求項2に記載した本発明によれば、予めプロファイル作成用絵柄印刷物とプロファイル作成時とは異なる色再現状態において印刷された比較用印刷物とにおける制御対象色の色の差と、比較用印刷物におけるインキ濃度と、前記比較用印刷物の制御対象色を前記プロファイルの作成用絵柄印刷物における制御対象色と略一致させるインキ濃度差とから関数を定義することにより、商業印刷物におけるインキ濃度とプロファイル作成用絵柄印刷物の制御対象色との色の差をこの関数に入力すれば、商業印刷物とプロファイル作成用絵柄印刷物との色調をを略一致させるインキ濃度差を出力として得ることができ、目標分光反射率の入力やOKシートの計測をすることなく、容易に前記濃度差を算出して色調制御を行うことができる。
【0046】そして請求項3及び4に記載した本発明によれば、元来インキ濃度とドットゲイン、トラッピング量は相関関係があるから、インキ濃度が分かれば商業印刷物と前記プロファイル作成用絵柄印刷物とにおける制御対象色の色調を略一致させるインキ濃度差を出力する関数は定義できるが、このようにドットゲインとトラッピング量、またはインキ濃度−ドットゲイン特性とインキ濃度−トラッピング特性を加味または使用することにより、関数の定義と商業印刷物における色調制御のためのインキ濃度差算出がより正確に、また容易に行えるようになる。
【0047】そして請求項5に記載した本発明によれば、関数をグレイパッチについて定義することにより、グレイは色空間の中央に位置していると共に、イエロー、マゼンタ、シアンの三色を使っているから、グレイ以外の色の色合わせも合わせておこなうことができ、容易かつ効率的に色合わせが可能となる。
【0048】さらに請求項6に記載した本発明によれば、商業印刷においてその色調を微妙に調節する必要がある、例えば肌色、空の青、木々の緑などの特定色について関数を定義しておくことにより、これらの特定色の色調が変化した場合でも容易にプロファイル作成時の色調を得ることができ、効率的な印刷前準備が可能となる。




 

 


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