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発明の名称 道路白線認識装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2003−168104(P2003−168104A)
公開日 平成15年6月13日(2003.6.13)
出願番号 特願2001−367542(P2001−367542)
出願日 平成13年11月30日(2001.11.30)
代理人 【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也 (外2名)
【テーマコード(参考)】
2F065
5B057
5H180
5L096
【Fターム(参考)】
2F065 BB12 CC40 DD04 DD09 FF04 HH08 HH12 JJ03 JJ26 QQ04 QQ08 QQ17 QQ18 QQ24 QQ29 QQ31 QQ42 
5B057 AA16 BA30 CA08 CA12 CA16 CB12 CD06 CF05 CH01 DA07 DB09 DC22
5H180 AA01 CC04 CC24 LL01 LL02 LL04
5L096 AA06 BA04 CA02 EA12 EA33 FA14 FA32 FA69 GA51
発明者 島影 正康
要約 課題
水溜まり等により路面輝度に偏りがある場合であっても、的確に道路白線を検出する。

解決手段
白線候補点検出領域の輝度情報を路面本来の輝度情報と水溜まり等による偏向輝度情報とで表したときの偏向輝度情報の近似関数を、輝度情報をX軸方向に近似して検出し、これに基づいて、入力した画像情報の偏向輝度情報を得る(ステップS21〜23)。撮像画像の輝度情報から偏向輝度情報を除去して正規化輝度情報を検出し(ステップS24)、この正規化輝度情報に基づいてX軸方向のライン毎に輝度の平均値及び最高値を検出し(ステップS25、S26)、これらに基づいて輝度しきい値を算出する(ステップS27)。この輝度しきい値に基づいて正規化輝度情報を2値化し、これに基づいて白線候補点を検出する(ステップS28、S29)。
特許請求の範囲
【請求項1】 車両前方の道路を撮像する撮像手段と、前記撮像手段で撮像した撮像画像の輝度情報を路面本来の輝度情報と当該路面本来の輝度情報を除く偏向輝度情報とで表したときの前記偏向輝度情報を、前記輝度情報を前記撮像画像の水平方向に近似して得た近似関数に基づいて検出する偏向輝度検出手段と、前記輝度情報から前記偏向輝度情報を除去して正規化輝度情報を検出する正規化輝度情報検出手段と、当該正規化輝度情報検出手段で検出した正規化輝度情報に基づいて道路白線の検出を行う道路白線検出手段と、を備えることを特徴とする道路白線認識装置。
【請求項2】 車両前方の道路を撮像する撮像手段と、前記撮像手段で撮像した撮像画像の輝度情報を路面本来の輝度情報と当該路面本来の輝度情報を除く偏向輝度情報とで表したときの前記偏向輝度情報を、前記輝度情報を前記撮像画像の水平方向に近似して得た近似関数に基づいて検出する偏向輝度検出手段と、前記輝度情報から前記偏向輝度情報を除去して正規化輝度情報を検出する正規化輝度情報検出手段と、当該正規化輝度情報検出手段で検出した正規化輝度情報に基づいて道路白線を検出するためのしきい値を設定し、当該しきい値と前記正規化輝度情報とに基づいて道路白線の白線候補点を検出する白線候補点検出手段と、当該白線候補点検出手段で検出した白線候補点に基づいて道路白線を検出する道路白線検出手段と、を備えることを特徴とする道路白線認識装置。
【請求項3】 前記偏向輝度検出手段は、前記撮像画像の水平方向のラインのうちの隣接しない複数のラインを代表ラインとして当該代表ライン毎に前記近似関数を検出し、当該代表ライン間のラインにおける近似関数を、前記代表ラインの近似関数を特定するパラメータ間を補間して検出するようになっていることを特徴とする請求項1又は2記載の道路白線認識装置。
【請求項4】 前記偏向輝度検出手段は、前記撮像画像の水平方向のラインのうちの隣接しない複数のラインを検索ラインとし、当該検索ライン毎に前記近似関数に基づき前記偏向輝度を検出し、前記検索ライン間のラインにおける偏向輝度を、前記検索ラインの偏向輝度間を補間して検出するようになっていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の道路白線認識装置。
【請求項5】 前記偏向輝度検出手段は、前記撮像画像において、右側の道路白線を検出するための領域と左側の道路白線とを検出するための領域とを設定し、当該領域毎に前記近似関数を検出し、前記撮像画像の水平右方向にその位置座標が大きくなるものとしたとき右側の道路白線を検出するための領域では、前記近似関数として単調減少関数を設定し、左側の道路白線を検出するための領域では、前記近似関数として単調増加関数を設定することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の道路白線認識装置。
【請求項6】 前記近似関数は、一次関数であることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の道路白線認識装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、道路上の通行区分帯表示用の道路白線を認識するための道路白線認識装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、画像によって白線を認識し、自車両と白線との関係を、車両の自動制御又は一部自動制御に用いる技術が提案されている。例えば、特開平5−347000号公報においては、撮像画像から道路白線を構成する白線候補点を検出し、撮像画像における白線候補点の位置座標に基づき道路形状、或いは撮像画像を得るためのカメラ等といった撮像手段の姿勢を推定するようにしている。そして、このとき、白線候補点を抽出するために用いる撮像画像の輝度(濃度)しきい値を算出する処理領域(以後、しきい値処理算出領域という。)を、しきい値算出領域設定手段によって設定し、しきい値算出領域の位置及びその範囲を動的に変化させると共に、白線を抽出するために用いる撮像画像の輝度のしきい値を、しきい値算出領域における、輝度の最大値と平均値とを組み合わせて算出することにより、撮像画像のコントラストが変化した場合においても、確実に白線抽出を行うようにしている。
【0003】つまり、このようにすることによって、撮像画像が入力されるたびに、白線を抽出するために用いる撮像画像の輝度しきい値を算出するため、白線を抽出するために用いる撮像画像の輝度のしきい値が動的に更新される。よって、道路画像のコントラストの変化に対して、撮像画像から白線を抽出する能力が最適化されるため、昼間と夜間との差に見られる周囲の光量が変化すること等によって、白線と路面のコントラストが変化した場合であっても、白線検出能力の変動を小さくすることができるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の方法によれば、道路画像のコントラストが変化した場合に、輝度の閾値が動的に補正されるため、例えば、走行車両による磨耗のために白線のペイントの厚さが薄くなった道路へ進入した場合に発生する白線と舗装路面とのコントラスト変動や、晴天から曇天に変化する等して撮像装置に入力される光量が減少した場合に発生する白線と舗装路面とのコントラスト変動等に対しては、白線を検出する性能の劣化を小さくすることが可能である。すなわち、晴天時又は曇天時の通常の路面は、その撮像画像の輝度値(濃度値)が全体的にほぼ一様であり、白線部分の画素濃度(輝度)のみが突出した値である。このため、白線部分と白線以外の部分とでは、画素の濃度(輝度)に明確な差が生じるため、精度良く白線を検出することができる。
【0005】しかしながら、特に雨天時等においては、車体正面部ほど、また、遠方ほど、水の膜による反射光が強いため、白線を抽出するために用いる輝度(濃度)しきい値を算出するしきい値処理算出領域内における撮像画像の輝度の偏りは無視できない。つまり、図16(a)〜(c)に示すように、水の膜のある部分と白線部分とで輝度がほぼ同等となったり、或いは水の膜のある部分の方が輝度が高くなったりする場合がある。なお、図16において、(a)は撮像画像の一例を示したものであって、(b)及び(c)は、(a)のyj 及びyj+1 位置におけるX軸方向の輝度の変化状況を表したものであり、横軸はX座標、縦軸は輝度を表す。
【0006】このため、しきい値処理算出領域内における輝度の最大値が水の膜のある部分であったり、しきい値処理算出領域内の平均輝度値と白線の輝度値や最大輝度値とが接近してしまうため、適切な輝度のしきい値を設定することが難しい。さらに、このような現象は雨天時だけでなく、トンネル出口、トンネル内等においても発生する。すなわち、光学的な現象に支配され、光を反射し易い路面や、光源が複数ある場合等、光が光源から直接撮像装置に進入する場合に発生し易い。
【0007】また、白線の誤検出は、システムの作動停止につながるため、時間的なコントラスト変化だけでなく、空間的な輝度の偏りによってしきい値が適切に設定されなくなるという問題も解決する必要がある。そこで、この発明は、上記従来の未解決の問題に着目してなされたものであり、空間的な輝度の偏りに関わらず、的確に道路白線を検出することの可能な道路白線認識装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る道路白線認識装置は、車両前方の道路を撮像する撮像手段と、前記撮像手段で撮像した撮像画像の輝度情報を路面本来の輝度情報と当該路面本来の輝度情報を除く偏向輝度情報とで表したときの前記偏向輝度情報を、前記輝度情報を前記撮像画像の水平方向に近似して得た近似関数に基づいて検出する偏向輝度検出手段と、前記輝度情報から前記偏向輝度情報を除去して正規化輝度情報を検出する正規化輝度情報検出手段と、当該正規化輝度情報検出手段で検出した正規化輝度情報に基づいて道路白線の検出を行う道路白線検出手段と、を備えることを特徴としている。
【0009】この請求項1に係る発明では、撮像画像の輝度情報が、路面本来の輝度情報と、この路面本来の輝度情報を除く偏向輝度情報、つまり水溜まり等の反射光による輝度のかたより成分等といった偏向輝度情報とで表され、この偏向輝度情報が、輝度情報を撮像画像の水平方向に近似して得た近似関数に基づいて検出される。そして、輝度情報から、この偏向輝度情報が除去されて正規化輝度情報が検出される。この正規化輝度情報は、撮像画像の輝度情報から偏向輝度情報を除去したものであり、すなわち、路面本来の輝度情報と同等とみなすことができるから、この正規化輝度情報に基づいて道路白線の検出を行うことによって、路面本来の輝度情報と同等の輝度情報に基づいて道路白線の検出が行われることになる。
【0010】また、請求項2に係る道路白線認識装置は、車両前方の道路を撮像する撮像手段と、前記撮像手段で撮像した撮像画像の輝度情報を路面本来の輝度情報と当該路面本来の輝度情報を除く偏向輝度情報とで表したときの前記偏向輝度情報を、前記輝度情報を前記撮像画像の水平方向に近似して得た近似関数に基づいて検出する偏向輝度検出手段と、前記輝度情報から前記偏向輝度情報を除去して正規化輝度情報を検出する正規化輝度情報検出手段と、当該正規化輝度情報検出手段で検出した正規化輝度情報に基づいて道路白線を検出するためのしきい値を設定し、当該しきい値と前記正規化輝度情報とに基づいて道路白線の白線候補点を検出する白線候補点検出手段と、当該白線候補点検出手段で検出した白線候補点に基づいて道路白線を検出する道路白線検出手段と、を備えることを特徴としている。
【0011】この請求項2に係る発明では、撮像画像の輝度情報が、路面本来の輝度情報と、この路面本来の輝度情報を除く偏向輝度情報、つまり水溜まり等の反射光による輝度のかたより成分等といった偏向輝度情報とで表され、この偏向輝度情報が、輝度情報を撮像画像の水平方向に近似して得た近似関数に基づいて検出される。そして、輝度情報から、この偏向輝度情報が除去されて正規化輝度情報が検出される。この正規化輝度情報は、撮像画像の輝度情報から偏向輝度情報を除去したものであり、すなわち、路面本来の輝度情報と同等とみなすことができるから、この正規化輝度情報に基づいてしきい値を設定し、このしきい値と正規化輝度情報とに基づいて道路白線の白線候補点を検出することによって、路面本来の輝度情報と同等の輝度情報に基づいて白線候補点が検出され、道路白線の認識が行われることになる。
【0012】また、請求項3に係る道路白線認識装置は、前記偏向輝度検出手段は、前記撮像画像の水平方向のラインのうちの隣接しない複数のラインを代表ラインとして当該代表ライン毎に前記近似関数を検出し、当該代表ライン間のラインにおける近似関数を、前記代表ラインの近似関数を特定するパラメータ間を補間して検出するようになっていることを特徴としている。また、請求項4に係る道路白線認識装置は、前記偏向輝度検出手段は、前記撮像画像の水平方向のラインのうちの隣接しない複数のラインを検索ラインとし、当該検索ライン毎に前記近似関数に基づき前記偏向輝度を検出し、前記検索ライン間のラインにおける偏向輝度を、前記検索ラインの偏向輝度間を補間して検出するようになっていることを特徴としている。
【0013】また、請求項5に係る道路白線認識装置は、前記偏向輝度検出手段は、前記撮像画像において、右側の道路白線を検出するための領域と左側の道路白線とを検出するための領域とを設定し、当該領域毎に前記近似関数を検出し、前記撮像画像の水平右方向にその位置座標が大きくなるものとしたとき右側の道路白線を検出するための領域では、前記近似関数として単調減少関数を設定し、左側の道路白線を検出するための領域では、前記近似関数として単調増加関数を設定することを特徴としている。
【0014】さらに、請求項6に係る道路白線認識装置は、前記近似関数は、一次関数であることを特徴としている。
【0015】
【発明の効果】本発明の請求項1に係る道路白線認識装置によれば、撮像手段で撮像した撮像画像の輝度情報に基づいて、路面本来の輝度情報を除く偏向輝度情報を検出し、輝度情報から前記偏向輝度情報を除去して正規化輝度情報を算出し、この正規化輝度情報、すなわち、路面本来の輝度情報と同等の正規化輝度情報に基づいて道路白線を検出するようにしているから、水溜まりのある路面等、輝度に偏りがあるような路面においても、その影響を受けることなく、的確に道路白線を検出することができる。
【0016】また、請求項2に係る道路白線認識装置によれば、撮像手段で撮像した撮像画像の輝度情報に基づいて、路面本来の輝度情報を除く偏向輝度情報を検出し、輝度情報から前記偏向輝度情報を除去して正規化輝度情報を算出し、この正規化輝度情報、すなわち、路面本来の輝度情報と同等の正規化輝度情報に基づいて道路白線を検出するためのしきい値を設定し、これに基づいて白線候補点を検出するようにしているから、水溜まりのある路面等、輝度に偏りがあるような路面においても、その影響を受けることなく的確に道路白線の白線候補点を検出することができ、道路白線をより高精度に検出することができる。
【0017】また、請求項3に係る道路白線認識装置によれば、偏向輝度検出手段は、撮像画像の水平方向のラインのうち、隣接しない複数のラインを代表ラインとし、この代表ライン毎に近似関数を検出し、代表ライン間のラインにおける近似関数は、代表ラインの近似関数を特定するパラメータ間を補間して検出し、この検出した近似関数に基づいて代表ライン間のラインの偏向輝度を検出するようにしたから、撮像画像の水平方向のライン全てについて近似関数を検出する必要はなく、撮像画像全体の偏向輝度情報を得るための演算時間の短縮を図ることができる。また、水平方向のラインについてその偏向輝度を記憶しておく必要はなく、近似関数を特定するためのパラメータのみを記憶しておけば、偏向輝度を得ることができるから、記憶領域の削減を図ることができると共に、例えば、ライン毎の偏向輝度に基づく演算を行うような場合であっても近似関数から容易に演算処理を行うことができ、その処理時間の短縮を図ることができる。
【0018】また、請求項4に係る道路白線認識装置によれば、偏向輝度検出手段は、撮像手段で撮像した撮像画像の水平方向のラインのうち、隣接しない複数のラインを検索ラインとし、この検索ライン毎に検出された近似関数に基づいて偏向輝度を検出し、検索ライン間のラインにおける偏向輝度は、検索ラインの偏向輝度間を補間して検出するようにしたから、撮像画像の水平方向のライン全てについて近似関数を検出する必要はなく、撮像画像全体の偏向輝度情報を得るための演算時間の短縮を図ることができる。
【0019】また、請求項5に係る道路白線認識装置によれば、偏向輝度検出手段は、右側の道路白線を検出するための領域と左側の道路白線とを検出するための領域とを設定してこの領域毎に近似関数を検出するようにした際に、撮像画像の水平右方向にその位置座標が大きくなるものとしたとき右側の道路白線を検出するための領域では、近似関数として単調減少関数を設定し、左側の道路白線を検出するための領域では、近似関数として単調増加関数を設定するようにしている。ここで、水の膜等が路面に存在する場合には、一般に車体正面部ほど、反射光が強い、すなわち輝度が大きいから、道路白線側に近づくほどその輝度は小さくなる。よって、右側の道路白線を検出するための領域では、近似関数として単調減少関数を設定し、左側の道路白線を検出するための領域では、近似関数として単調増加関数を設定することによって、近似関数の誤検出を的確に防止することができる。
【0020】さらに、請求項6に係る道路白線認識装置によれば、近似関数として、一次関数を設定するようにしたから、偏向輝度算出に要する所要時間の短縮を図ることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明を適用した道路白線認識装置の一実施形態を示す構成図である。図1において、CCDカメラ等で構成される撮像装置1は、例えば、図2に示すように、車幅方向中央の、車室内のフロントウィンドウ上部に取り付けられている。そして、レンズの光軸と車両中心線とのヨー角φが零、また、ピッチ角ηがαrad となるように取り付けられ、車両前部の道路を含む車両の周囲環境を撮像する。
【0022】前記撮像装置1で撮像された撮像情報は、処理装置10に入力され、処理装置10は、前記撮像情報をもとに、道路白線検出部11において白線候補点の検出を行い、白線候補点の検出結果に基づいて道路パラメータ演算部12において道路パラメータを推定する。図3は、処理装置10の機能構成を示す機能ブロック図、図4及び図5は、処理装置10で実行される、道路白線を検出するための道路白線検出処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0023】図3に示すように、処理装置10は、1サンプリング時間前の道路パラメータの推定値に基づいて白線検出領域を設定する白線検出領域設定手段21、撮像装置1からの画像情報に基づいて後述の偏向輝度画像を生成する偏向輝度画像生成手段22、偏向輝度画像生成手段22で生成した偏向輝度画像と撮像装置1からの画像情報に基づいて後述の正規化輝度画像を生成する正規化輝度画像生成手段23、正規化輝度画像生成手段23で検出した正規化画像に基づいて白線候補点検出のためのしきい値を設定するしきい値設定手段24、前記正規化輝度画像と前記しきい値設定手段24で設定したしきい値とをもとに白線候補点を検出する白線候補点検出手段25と、を備えている。
【0024】そして、処理装置10では次の手順で処理を行う。まず、図4のステップS1で、道路形状や車両挙動を表すパラメータ(以下、道路パラメータという。)を、初期設定する。つまり、図6に示すような画面座標系O−XY上において、道路白線の白線モデルを、道路パラメータを用いて次式(1)のように表す。
X= {yr +(i-1/2)*w}*(Y+fη)/h−f2 hρ/{2(Y+fη) }+fφr ……(1)
なお、式(1)中の、iは、車線左側白線の場合にはi=0に設定され、車線右側白線の場合にはi=1に設定される。また、式(1)において、yr 、ρ、φr 、η、wは、道路パラメータであり、路面からの撮像装置1の高さhを一定とすると、それぞれの道路パラメータは次のような道路及び白線の形状又は車両挙動を表す。すなわち、yr は車線内の自車両の横変位量、ρは道路の曲率(曲率半径の逆数)、φr は自車両(撮像装置1の光軸)の道路に対するヨー角、ηは自車両(撮像装置1の光軸)の道路に対するピッチ角、wは道路の車線幅をそれぞれ表す。
【0025】なお、初期状態においては、道路及び白線の形状や車両挙動が不明であるから、各道路パラメータには、例えば、中央値に相当する値を初期値として設定する。すなわち、例えば、車線内の自車両の横変位量yr として車線中央を設定し(yr =0)、道路曲率ρとして直線を設定し(ρ=0)、車線に対するヨー角φr として零を設定し(φr =0)、車線に対するピッチ角ηとして停止状態を設定し(η=αrad )、車線幅wとして道路構造令に示される高速道路の車線幅を設定する。
【0026】次いで、ステップS2に移行し、図7に示すように、白線候補点検出領域の大きさの初期化を行う。図7に示す例では、左右の道路白線に対し、6個ずつ計12個の白線候補点検出領域を設定している。なお、初期状態においては、道路パラメータに初期値を設定した白線モデルと、画面上の実際の道路白線との間には大きな差がある可能性があるため、できる限り白線候補点検出領域を大きく設定することが好ましい。
【0027】また、既に道路白線が検出されている場合には画面上の実際の道路白線と白線モデルとの差は小さくなっていると考えられるので、図8に示すように、なるべく白線候補点検出領域を小さく設定するようにすれば、処理速度の向上を図ることができる。この場合、前記白線候補点検出領域は、例えば、既に検出されている道路パラメータを用いて公知の手順で設定するようにすればよい。次いで、ステップS3に移行し、前回処理時に撮像装置1から入力した画像情報に基づく撮像画像に対し、白線候補点検出領域を設定する。なお、初期状態時には、例えば、道路パラメータに初期値を設定した白線モデルに対し、白線候補点検出領域を設定する。つまり、ステップS2で算出した白線候補点検出領域の大きさと、ステップS1で初期設定した道路パラメータ又は後述のステップS9で補正された道路パラメータに基づく白線モデルとに基づいて、図9に示すように、道路パラメータに基づく白線モデルが領域の中心となるように、白線候補点検出領域を設定する。なお、図9は、左右の道路白線6個ずつ計12個の白線候補点検出領域を設定している。
【0028】次いで、ステップS4に移行し、撮像装置1によって撮像した画像情報を入力し、ステップS6に移行し、ステップS4で入力した撮像装置1からの画像情報に対し、ステップS3で設定した白線候補点検出領域において、白線候補点の検出処理を行う。この白線候補点の検出処理は、図5のフローチャートに示す手順で行う。なお、撮像画像において、例えば、その左上座標を基点とし、水平右方向をX軸の正方向、垂直下方向をY軸の正方向とする。
【0029】まず、ステップS21で代表検索ラインを設定する。この代表検索ラインとしては、例えば、各白線候補点検出領域の上辺と最下部の白線候補点検出領域の下辺とを代表検索ラインとして設定する。例えば図9の場合には、白線候補点検出領域を左右各6個ずつ設定しているため、代表検索ラインは、左右それぞれ7本ずつ設定される。なお、代表検索ラインの選定方法は、これに限るものではなく、後述のステップS22で行われる補間又は補外処理を行うことによって、全ての白線候補点検出領域に関するパラメータを算出することができるラインであればよく、例えば、白線候補点検出領域のY軸方向中央位置におけるX軸方向のラインを代表検索ラインとして設定してもよい。
【0030】次いでステップS22に移行し、偏向輝度画像生成用のパラメータを算出する。ここで、前記偏向輝度は、撮像画像の輝度値に対して変動成分を取り除いた最も低次の成分として定義される。つまり、例えば撮像画像の座標(X,Yi)における輝度値P(X,Yi)を、次式(2)で表すものとする。
P(X,Yi)=A0 (Yi)+A1 (Yi)X+f(X,Yi)
……(2)
そして、次式(3)としたとき、偏向輝度Ptend(X,Yi)を0次の偏向輝度と定義する。また、次式(4)としたとき、偏向輝度Ptend(X,Yi)を一次の偏向輝度と定義する。
【0031】
tend(X,Yi)=A0 (Yi) ……(3)
tend(X,Yi)=A0 (Yi)+A1 (Yi)X (A0 (Yi)≠0) ……(4)
ただし、式(2)中の関数f(X,Yi)は、路面上に存在する水の膜等の影響による輝度情報の偏り成分のない、道路白線本来の輝度値を表す任意関数である。また、係数A1 (Yi)は、輝度の偏りが少ない場合には小さな値となる。また、X座標の正方向に向かって画像が明るくなる場合、つまり輝度値が大きくなるような場合には、A1 は正の値となる。逆に、X座標の正方向に向かって画像が暗くなる場合、つまり輝度値が小さくなるような場合にはA1 は負の値となる。
【0032】前記(2)式を、一般的に記載すると、画像上の任意の点(X,Y)における輝度値P(X,Y)は、次式(5)で表すことができる。
【0033】
【数1】

【0034】前記(5)式は、画像上の点(X0 ,Y0 )を中心にテイラー展開したものであり、X0 =0、Y=Y0 =Yiとすると、次式(6)を得ることができる。すなわち、前記(2)式は、一般的な輝度値を記述する(5)式において、次式(7)とした場合を表している。
【0035】
【数2】

【0036】次に、偏向輝度画像生成用のパラメータの算出方法を説明する。各代表検索ラインにおける画素の偏向輝度の輝度値は、次式(8)で表すことができる。なお、式中のiは代表検索ラインを識別するための添え字である。また、X及びYiは注目画素の座標を表す変数であり、iは代表検索ラインiのY座標であることを表す。
* (X,Yi)=a(Yi)X+b(Yi)=aiX+bi……(8)
この(8)式を用い、撮像装置1から入力された画像情報をもとに各画素の輝度値をP(X,Y)として最小自乗法等により次式(9)で示す評価関数Jを最小にするパラメータai及びbiを、全ての代表検索ラインについて算出する。なお、式(9)中の、X0(i)及びX1(i)は、X0(i)<X1(i)を満足する値であって、各代表検索ラインの左右の両端位置におけるX座標を表す。つまり、前記(9)式は、代表検索ラインにおける偏向輝度と実際の輝度との差の二乗和を表している。
【0037】
【数3】

【0038】そして、前記(9)式の評価関数Jを最小にするP* (X,Yi)で表される画像を、代表検索ラインiにおける偏向輝度画像と定義する。また、同様の処理を全ての白線候補点検出領域で実施した結果得られるP* (X,Y)を、白線候補点検出領域における偏向輝度画像と定義する。ただし、後述するステップS23の処理においては、偏向輝度画像の空間における連続性の確保及び計算時間の短縮を図るために、ステップS22と同様の処理を全ての白線候補点領域で実施せず、パラメータai及びbiは、Y座標方向に関して補間処理を行い、補間処理されたパラメータを用いて前記式(7)の演算を行う。このようにして算出された輝度画像も偏向輝度画像と定義する。
【0039】前記(9)式を満足するパラメータai及びbiは次のようにして算出する。つまり、関数f(x)をf(x)=ax+bとした場合、N組のデータ(a、b)によるf(x)を取得したとき、次式(10)で表される評価関数Jを最小にする係数a及びbは、次式(11)が成り立つことから、次式(12)で算出することができる。
【0040】
【数4】

【0041】したがって、この処理を前記(7)の近似式にあてはめて計算することによって、全ての代表検索ラインにおける偏向輝度画像生成用のパラメータai及びbiを算出する。このようにして、偏向輝度画像生成用のパラメータai及びbiを算出すると、次に、ステップS23に移行し、白線候補点検出領域における偏向輝度画像を算出する。つまり、次式(13)を用いて、上下に隣接する代表検索ラインの係数ai及びbiについて、道路の右側白線に相当する代表検索ラインと左側白線に相当する代表検索ラインとのそれぞれについて、画像のY座標に関する線形補間を個別に行い、右側及び左側の全ての白線候補点検出領域における、係数AR(Y) 及びBR (Y) 、係数AL (Y) 及びBL (Y) を算出する。
【0042】
【数5】

【0043】図10は、代表検索ラインの係数を用いて線形補間を行った場合の一例を示したものであって、横軸は代表検索ラインを表し、縦軸は係数ai及びbiを表している。また、iは、0〜13であって、i=0〜6が左側白線に相当し、i=7〜13が右側白線に相当している。図10に示すように、右側の白線候補点検出領域に相当する係数AR (Y) は正であるから、右側の白線候補点検出領域における輝度は、X座標が大きくなるほどその輝度が大きくなることを表している。一方、左側の白線候補点検出領域における係数AL (Y) は負値であるから、X座標が大きくなるほどその輝度が小さくなることを表している。
【0044】そして、このようにして算出した、撮像画像のY座標に関する係数AR (Y) 及びBR (Y) 及びAL (Y) 及びBL (Y) を用いて、全ての白線候補点検出領域における偏向輝度Ptend(X,Y)を算出する。これは次式(14)により算出することができ、これによって算出した偏向輝度で表される画像を、偏向輝度画像と定義する。
tend(X,Y)=A(Y)X+B(Y) ……(14)
次いで、ステップS24に移行し、白線候補点検出領域における正規化輝度画像の算出を行う。この正規化輝度画像は、次式(15)に基づいて算出する。式(15)に示すように、ステップS23で算出した偏向輝度画像の輝度値を撮像装置1から入力された撮像画像の輝度値から差し引いて輝度値Pnom を算出し、この輝度値Pnom で表される画像を正規化輝度画像とする。
【0045】
nom (X,Y)=P(X,Y)−Ptend(X,Y) ……(15)
ここで、前記偏向輝度画像Ptendは、撮像装置1による撮像画像の輝度値を、撮像画像のX方向に関して一次関数で近似し、さらに、撮像画像のY方向に関して各代表検索ラインにおけるX方向の偏向輝度画像を線形補間したものとなっているため、空間的な輝度変化に関してその高周波成分が除去された画像となる。ここで偏向輝度画像Ptendを、空間的な単なるローパスフィルタを用いて算出した場合、前記(15)式の演算を行うと、正規化輝度画像Pnom は撮像画像を単にハイパスフィルタ処理したいわゆる微分画像となり、輝度のエッジ成分が、抽出されまた強調されただけの画像になってしまう。すなわち、輝度の情報は全て失われて輝度変化の大きい点のみ抽出されることになる。
【0046】これに対し、ステップS23では、前記偏向起動画像を、単なるローパスフィルタではなく、一次関数等の低次の関数を用いて空間的な低周波成分を抽出しているため、空間的な輝度の偏りを輝度のドリフト成分として抽出した画像となる。よって、前記(14)式から算出される正規化輝度画像Pnom は、撮像装置1から入力される一枚の輝度画像情報に対して、輝度の偏りを補正した画像として得ることができる。
【0047】なお、このステップS24の処理は、撮像画像全体に対して行う必要はなく、ステップS3で予め設定した白線候補点検出領域内でのみ行うことによって、演算量を削減することができる。次いで、ステップS25に移行し、ステップS24で算出した正規化輝度画像Pnom に対し、白線候補点検出領域毎に、平均輝度Pmean(i) を算出する。この平均輝度Pmean(i) は、例えば、前記ステップS3で設定した白線候補点検出領域内の輝度情報(濃度情報)を全て使用して算出してもよいし、代表検索ラインにおける平均輝度をその代表検索ラインが属する白線候補点検出領域の平均輝度Pmean(i) としてもよい。また、白線候補点検出領域の上下の代表検索ラインの平均輝度の平均値を、この白線候補点検出領域の平均輝度Pmean(i) としてもよい。このように、演算に使用する画素数を削減することによって演算時間の短縮を図ることが可能となる。
【0048】次いで、ステップS26に移行し、白線候補点検出領域における最高輝度Pmax (i) を算出する。この最高輝度Pmax (i) は、白線候補点検出領域内の輝度情報(濃度情報)を全て使用して算出するようにてもよく、また、代表検索ラインにおける最高輝度を、その代表検索ラインが属する白線候補点検出領域の最高輝度Pmax (i) としてもよい。また、白線候補点検出領域の上下の代表検索ラインの最大輝度(最大濃度)の平均値を、最高輝度Pmax (i) としてもよく、また、平均値ではなく大きい方を最高輝度Pmax (i) として設定してもよい。このように、演算に使用する画素数を削減することによって演算時間の短縮を図ることが可能となる。
【0049】次いで、ステップS27に移行し、白線を検出するための輝度しきい値T(i)を白線候補点検出領域毎に算出する。この輝度しきい値T(i) は、前記ステップS25で算出した平均輝度Pmean(i) とステップS26で算出した最高輝度Pmax (i) とから、次式(16)に基づいて算出する。
T(i) =ζPmax (i) +(1−ζ)Pmean(i) ……(16)
0<ζ<1次いで、ステップS28に移行し、このようにして設定した輝度しきい値T(i) に基づいて、正規化輝度画像Pnom に対し、2値化処理を行う。そして、2値化処理後の正規化輝度画像に対し、白線候補点検出領域において、白線候補線分の抽出処理を行う。具体的には、白線候補点検出領域の上辺の一点と下辺の一点とを結んでできる全ての線分を検索する。次に、検索した全ての線分に対し、図11に示すように、その線分上の画素のうち、その濃度が、前記ステップS27で算出したしきい値T(i) 以上である画素の個数を計測する。そして、全ての線分について、前記条件を満足する個数を計測した後、全ての線分の中で、濃度がしきい値T(i) 以上である画素数が最も多い線分を、白線候補線分として選択する。
【0050】次いで、ステップS29に移行し、白線候補線分の始点と終点とを検出し、これを、この白線候補点検出領域における白線候補点とする。このとき、前記線分上の、濃度がしきい値T(i) 以上である画素数が、規定数よりも少ない場合には、白線候補点は検出されなかったものとみなす。前記規定数は、例えば、濃度がしきい値T(i) 以上である画素が、白線候補点検出領域の垂直方向の長さに対する任意に設定した割合に基づいて設定される。なお、この割合は、全ての白線候補点検出領域において同一であってもよいし、白線候補点検出領域毎に異なるようにしてもよい。
【0051】つまり、撮像画像において、その左上座標を基準とし、水平右方向をX軸の正方向、垂直下方向をY軸の正方向としたとき、例えば、検出領域のY軸方向が15画素であり、濃度がしきい値T(i) 以上である画素数がその1/2つまり、8画素以上が検出されたときに白線候補点が検出されたと判定するようにした場合には、濃度がしきい値T(i) 以上である画素数が最も多い線分上における画素数が、8画素未満の場合には、この白線候補点検出領域においては、白線候補点が検出されなかったものと判定する。一方、濃度がしきい値T(i) 以上である画素数が最も多い線分上における画素数が8画素以上の場合には、白線候補点が検出されたものとみなし、この線分の始点及び終点を白線候補点とする。そして、これら始点又は終点の何れか一方の位置座標(X、Y)を白線候補点とする。
【0052】以上の処理を全ての白線候補点検出領域に対して実行する。このようにして、白線候補点を検出すると、図4に戻ってステップS7に移行し、全ての白線候補点検出領域で検出された白線候補点の総数が、規定値以上かどうかを確認する。そして、白線候補点数が規定値よりも少ない場合には白線候補点検出領域内に道路白線が含まれていなかったと判断し、ステップS2に戻る。このとき、ステップS2では、上記と同様にして白線候補点検出領域の大きさの初期設定を再度行うが、例えば、白線候補点検出領域の大きさをより大きく設定する等の処理を行う。
【0053】一方、白線候補点の数が規定値以上検出された場合には、ステップS8に移行し、図12に示すように、今回検出された白線候補点と、前回の処理実行時に算出した白線モデル上の点とのX軸方向におけるずれ量を、各白線候補点毎に算出する。そして、ステップS9に移行し、各点のずれ量に基づいて、道路パラメータに関連づけた複数のパラメータa〜eの変動量Δa〜Δeを算出する。この変動量は、例えば、特開平8−5388号公報に示されるように最小二乗法を用いて算出すればよい。
【0054】なお、前記パラメータa〜eは、次式(17)に示すように、関連付けられている。なお、fは、撮像装置1の焦点距離である。
a=−yr /h b=−ρhf2 c=φr f d=−ηf e=w/h ……(17)
そして、このようにしてパラメータの変動量Δa〜Δeを算出すると、ステップS10に移行し、パラメータの変動量Δa〜Δeをもとに次式(18)にしたがって、パラメータa〜eを補正する。
【0055】
a=a+Δa b=b+Δb c=c+Δc d=d+Δd e=e+Δe ……(18)
そして、このようにして補正したパラメータa〜eを、新たな白線モデルの道路パラメータに応じたパラメータa〜eとして所定の記憶領域に記憶した後ステップS3に戻る。次に、上記実施の形態の動作を説明する。
【0056】道路白線検出処理が起動されると、まず、ステップS1で、道路パラメータの初期設定を行って、例えば、自車両が車線中央位置に位置する場合に相当する値を初期値として設定し、ステップS2に移行して、白線候補点検出領域の大きさの初期化を行い、例えば、図7に示すように、左右の道路白線に対し、6個ずつ計12個の白線候補点検出領域を設定する。そして、ステップS1で初期設定した道路パラメータに基づく白線モデルが、白線候補点検出領域の中央に位置するように、ステップS2で設定した白線候補点検出領域を設定した後(ステップS3)、撮像装置1から画像情報を入力する(ステップS4)。
【0057】そして、この入力した画像情報に対し、ステップS3で設定した白線候補点検出領域において、白線候補点の検出処理を行う(ステップS6)。まず、代表検索ラインの設定を行い、例えば、図7に示すように、各白線候補点検出領域の上辺と最下部の白線候補点検出領域の下辺とを代表検索ラインとして設定する(ステップS21)。図7の場合には、白線候補点検出領域を左右各6個ずつ設定しているため、代表検索ラインは、左右それぞれ7本ずつ設定されることになる。
【0058】そして、各代表検索ラインについて、前記(8)式を満足するパラメータai及びbiを算出し、左側道路白線に相当する代表検索ラインY(i)i=0〜6に基づいて、i=0の代表検索ラインとi=1の代表検索ラインとのパラメータai及びbiに基づいてY軸方向に補間処理が行われて、Y座標に応じたパラメータA(Y)及びB(Y)が算出され、i=0の代表検索ラインとi=1の代表検索ラインとを上辺及び下辺とする白線候補点検出領域内の任意のラインのパラメータai及びbiが算出され、このパラメータai及びbiと前記(8)式とから、白線候補点検出領域内の任意のラインに属する画素の偏向輝度Ptendが得られ、白線候補点検出領域について、偏向輝度Ptendからなる画像情報が得られることになる。同様に、i=1及びi=2の代表検索ライン間でY軸方向に補間処理を行うことにより、i=1及びi=2の代表検索ラインを上辺及び下辺とする白線候補点検出領域内の画素の偏向輝度Ptendからなる画像情報を得ることができ、この処理を同様に行うことによって、左側の道路白線に相当する白線候補点検出領域の偏向輝度Ptendからなる画像情報が得られることになる。同様に、右側の道路白線に相当する白線候補点検出領域についても処理を行い、i=7〜13の各代表検索ライン間において補間処理を行うことによって、右側の道路白線に相当する白線候補点検出領域の偏向輝度Ptendからなる画像情報が得られることになる(ステップS24)。
【0059】そして、各白線候補点検出領域毎に、撮像装置1から入力した画像情報の各画素の輝度値から、対応する各画素の、ステップS24で得られた偏向輝度Ptendを減算し、正規化輝度Pnom を算出する。これによって、正規化画像が得られる(ステップS25)。そして、各白線候補点検出領域毎に、正規化画像に対して最高輝度及び平均輝度を算出し(ステップS26)、これに基づいて前記(16)式から、輝度しきい値T(i) を算出し(ステップS27)、正規化画像において輝度が輝度しきい値T(i) 以上の画素が規定数以上の線分であり且つその輝度がしきい値T(i) を超える画素数が最大の線分を白線候補線分とする(ステップS28)。そして、この白線候補線分の白線候補点検出領域における上辺及び下辺位置における画素を白線候補点として選択する(ステップS29)。
【0060】そして、各白線候補点検出領域で検出した白線候補点の総数が、規定値以上でないときには、道路白線は検出されなかったとして再度白線候補点検出領域の大きさの設定が行われ、これに基づいて再度白線候補点の検出が行われる。そして、規定値以上の白線候補点を検出することができたとき、この白線候補点と道路パラメータで規定される白線モデル上の点とのずれ量が検出され、これに基づいて、道路パラメータに関連づけられたパラメータの変動量Δa〜Δeが算出され、これに基づいてパラメータが補正されこれに基づいて、新たな道路パラメータが得られることになる(ステップS8〜S10)。
【0061】そして、ステップS3に戻って、このようにして得られた道路パラメータに基づいて、この道路パラメータで特定される白線モデルが領域の中心に位置するように、白線候補点検出領域の設定が行われ、新たな画像情報が読み込まれ、以後、上記と同様にして道路パラメータの補正が行われる。今、自車両が図13(a)に示すように水溜まり等のない光学的条件が良好な路面を走行している場合には、光学的影響を受けないため、撮像画像において、道路白線部分と道路白線以外の部分とに輝度値が分かれることになる。
【0062】したがって、撮像画像における輝度値に偏りがないため、算出される偏向輝度Ptendは比較的小さな値となり、入力した撮像画像の輝度情報から、偏向輝度Ptendを減算して得られる正規化画像は、図13(b)、(c)に示すように、ほぼ入力した撮像画像と同等となり、このとき、道路白線部分と道路白線以外の部分とでは明確に輝度値に差があるから、各白線候補点検出領域毎に算出される、輝度の最大値は道路白線の輝度に応じた値となり、また、輝度の平均値Pmeanは、道路白線以外の部分の輝度値よりの値となる。よって、これらに基づいて算出されるしきい値T(i) は、道路白線の輝度に比較して小さめの値に設定される。したがって、このしきい値T(i) を基準として二値化処理を行うことによって、道路白線部分と、道路白線以外の部分とが明確に二値に分離されることになり、これに基づいて白線候補点を検出することによって、白線候補点を的確に検出することができる。
【0063】なお、図13において、(b)及び(c)は、(a)のyj 及びyj+1 位置におけるX軸方向の輝度の変化状況を表したものであり、横軸はX座標、縦軸は輝度を表す。一方、雨天時等水溜まりがある道路を走行している場合には、自車両正面部や遠方ほど水の膜による反射光が強いため、撮像画像の輝度部分布は、例えば図14の(a)及び(b)に示すようになり、白線部分と水膜部分とで輝度値が同等となり分離されにくい。
【0064】ここで、偏向輝度Ptendは、撮像画像の輝度値を、X座標方向に関して一次関数を用いて近似しているため、偏向輝度画像は、空間的な輝度変化に対してその高周波成分が除去されると共に、空間的な輝度の偏りを輝度のドリフト成分として抽出した画像となる。したがって、入力した撮像画像から偏向輝度画像を減算することによって得られる正規化輝度画像は、図14の(c)に示すように、入力される画像情報に対し、輝度の偏りを補正した画像として得られることになる。
【0065】したがって、正規化輝度画像に基づいて、白線候補点検出領域毎に輝度の最大値及び平均値を求め、これに基づいてしきい値T(i) を設定すると、輝度の平均値Pmeanは、水たまり等による輝度の偏りによるドリフト成分の影響を受けない。つまり、入力画像におけるX軸方向の輝度値は水溜まりの影響を受けるために、図14(b)に示すように、道路白線部分と道路白線以外の部分とを輝度値の変化から認識することは困難である。
【0066】しかしながら、X軸方向の輝度変化を一次関数で近似し近似した一次関数から得られるドリフト分を除去し、図14(c)に示すように、水たまり等による輝度の偏りによるドリフト成分の影響を受けない正規化画像に基づいて、しきい値を設定している。このとき、水溜まりのエッジ位置における輝度値変化は、道路白線のエッジ位置における輝度値の変化に比較して緩やかであるため、X軸方向における輝度は、図14(c)に示すように、道路白線部分では大きく、道路白線以外の部分では比較的小さい。よって、輝度の平均値Pmeanは、輝度の最大値つまり道路白線部分に相当する輝度に比較して小さい値となることから、道路白線以外の部分における輝度よりの値となり、これに基づきしきい値T(i) を算出すれば、しきい値T(i) は、輝度の最大値よりも小さな値となる。
【0067】したがって、このようにして設定したしきい値T(i) を用いて、正規化輝度画像に基づいて白線候補点を検出することによって、水溜まり等の影響を受けることなく、的確に道路白線に相当する白線候補点を検出することができる。このため、白線候補点の検出精度を向上させることができ、白線候補点に基づいて算出される道路パラメータの検出精度も向上させることができる。また、このとき、偏向輝度画像を一次関数に近似するようにしているから、近似する際に必要となる未知のパラメータは、a(i) とb(i) とだけでよい。このため、演算負荷の増大を最大限抑制することができる。
【0068】また、偏向輝度の近似関数である前記(8)式を特定するパラメータai及びbiを全てのラインについて検出するのではなく、代表検索ラインについてのみパラメータai及びbiを検出し、これら代表検索ライン間のラインについては、代表検索ラインのパラメータai及びbi間を補間することによって検出するようにしているから、その分、演算時間の短縮を図ることができると共に、連続性を確保することができる。
【0069】また、各ラインについて、パラメータai及びbiのみを記憶しておけば、任意の画素における正規化輝度を容易に検出することができるから、偏向輝度画像及び正規化輝度画像は、道路白線検出処理を行う際にその処理過程で容易に算出することができる。よって、処理を簡略化することができ、演算時間の短縮を図ることができると共に、記憶領域の節約を図ることができる。なお、上記実施の形態において、車両前方に水溜まり等がある場合には、車両正面部ほどその反射光が強いことから、車線中央部よりも車線よりの部分の方が輝度が小さくなるとみなすことができ、すなわち、左側道路白線の検出領域においては、その輝度はX座標が正方向に大きくなるほど増加し、逆に右側道路白線の検出領域においては、その輝度はX座標が負方向に大きくなるほど輝度は小さくなるとみなすことができる。したがって、前記(8)式のパラメータai及びbiは、前記図10に示すように、左側の道路白線検出領域においては、正値となり逆に右側の道路白線検出領域においては、負値となる。
【0070】したがって、左側道路白線に相当する代表検索ラインの場合には、前記(8)式を満足すると共に、前記(8)式が単調増加関数となるように前記パラメータai及びbiを設定し、逆に、右側道路白線に相当する代表検索ラインの場合には、前記(8)式を満足すると共に、前記(8)式が単調減少関数となるように前記パラメータai及びbiを設定するようにしてもよい。このようにすることによって、例えば、撮像画像輝度のX軸方向の輝度の分布に極値がある場合に、この極値の影響によって、誤ったパラメータai及びbiが設定されることを防止することができる。
【0071】また、上記実施の形態においては、代表検索ラインについてパラメータai及びbiを検出して近似関数を検出し、これら代表検索ライン間のラインについては、代表検索ラインのパラメータai及びbi間を補間することによって近似関数を検出し、この近似関数に基づいて各ライン毎に偏向輝度を算出するようにした場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、代表検索ラインについて近似関数を検出しこれに基づいて代表検索ラインの偏向輝度を算出し、各代表検索ラインの偏向輝度間を補間することによって、代表検索ライン間の偏向輝度を検出するようにしてもよい。
【0072】また、代表検索ラインについてのみ近似関数を検出して、近似関数のパラメータを補間して代表検索ライン間の複数のラインについて近似関数を検出し、代表検索ラインの近似関数と、代表検索ラインの近似関数を補間して得た、代表検索ライン間のラインの近似関数と、をもとに、これら各ラインについて偏向輝度を算出し、算出した偏向輝度間を補間することによって、白線候補点検出領域内の各ラインの偏向輝度を検出するようにしてもよい。
【0073】また、上記実施の形態において、近似関数の傾きが十分小さい場合、つまり、偏向輝度画像の輝度の変化が小さい場合には、光学的な条件が良好と判断し、正規化輝度画像を算出せずに、入力された画像情報に基づいてしきい値を設定するようにしてもよい。このようにすることによって、平均輝度値と輝度最大値とが接近しすぎることを回避することができ、光学的条件が良好なときの白線候補点の検出精度の低下を防止することができる。
【0074】また、上記実施の形態においては、偏向輝度画像の近似関数を一次関数すなわち直線とした場合について説明したが、これに限るものではなく、単調な関数、すなわち、極値を持たない関数に近似することも可能である。このような極値を持たない、単調な関数として、例えば、次式(19)で表される図15に示すような関数を用いることも可能である。
P(X)=b×(1−e-X/a)+c ……(19)
なお、前記(19)式を用いて偏向輝度画像の近似を行う場合、算出しなければならない未知のパラメータが、a,b,cの3個となるため、演算負荷は直線近似を行う場合に比較して多少増加する。しかしながら、近似関数として曲線を用いることが可能なため、より精度の高い近似を行うことができる。よって、輝度の偏り傾向がX軸方向に曲線的に遷移するような場合に有効である。
【0075】また、上記実施の形態においては、ステップS27の処理で算出した輝度しきい値をもとに、ステップS28の処理で、正規化輝度画像に対して2値化処理を行い、この2値化処理した正規化輝度画像に対して白線候補線分の抽出を行うようにした場合について説明したが、これに限るものではなく、正規化輝度画像に対し2値化処理を行わずに白線候補線分の抽出を行うようにしてもよい。また、上記実施の形態において、撮像装置1からの画像情報に対し、ソーベルフィルタ処理を行うこと等によって微分演算を行って、道路白線の境界付近が強調された微分画像を生成し、ステップS28での白線候補線分抽出処理において、正規化画像を用いて白線の境界位置を検出する前に、原画像の空間的な輝度変化に相当する微分画像の濃度値の大小に基づいて、白線と思われる部分をより精密に限定した後に、白線候補線分の抽出処理を行うようにしてもよい。このようにすることによって、白線検出領域内の線分抽出処理に必要な演算量を削減し、演算時間の短縮を図ることができる。
【0076】また、上記実施の形態においては、正規化画像において設定された検出領域における最大輝度と平均輝度とに基づいてしきい値を決定し、このしきい値に基づいて白線候補点を検出するようにした場合について説明したが、これに限るものではなく、輝度情報に基づいて道路白線を認識するようにした方法であれば、どのような方法であっても適用することができる。ここで、上記実施の形態において、撮像装置1が撮像手段に対応し、図5のステップS21〜S23の処理が偏向輝度検出手段に対応し、ステップS24の処理が正規化輝度情報検出手段に対応し、ステップS25〜S29及び図4の7〜ステップS10の処理が道路白線検出手段に対応し、ステップS27〜S29の処理が白線候補点検出手段に対応している。




 

 


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