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構成部材要素の仕様明示方法 - 日産自動車株式会社
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発明の名称 構成部材要素の仕様明示方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2003−108605(P2003−108605A)
公開日 平成15年4月11日(2003.4.11)
出願番号 特願2001−300032(P2001−300032)
出願日 平成13年9月28日(2001.9.28)
代理人 【識別番号】100102141
【弁理士】
【氏名又は名称】的場 基憲
【テーマコード(参考)】
5B046
【Fターム(参考)】
5B046 AA04 GA04 
発明者 高橋 秀和 / 田畑 洋 / 藤井 博之
要約 課題
手間隙のかかる側光・側色などの実測系を用いることなく、計算およびそれに基づくデータファイル化によって、色相変化とそれに伴う材質感の変化の表示や、適正表示画面による構成材料・構造仕様の表示を可能にする。

解決手段
ステップ1で商品の表面特性要因を構成する部材の諸物性を算出し、この結果に基づき、ステップ2で各種照明光源に伴う分光特性などの全ての諸特性を自動的に算出して計算ファイルを作成するのに続いて、ステップ3でこの計算ファイルに基づき、商品表面の画像を生成して計算ファイルを用いた場合の商品表面の見栄え状況をユーザに出力して、ステップ4で目的とする見栄えの到達度の判断を行い、目的とする商品表面の見栄えに到達するまでステップ1に戻って計算ファイルの作成を繰り返すことによって、ステップ5で目的とする商品の見栄えを得るための商品の構成部材の仕様を明示する構成とする。
特許請求の範囲
【請求項1】 商品の構成部材の質感を表現する構成部材要素の仕様明示方法であって、商品の表面特性要因を構成する部材の諸物性および各種照明光源に伴う分光特性などの全ての諸特性を自動的に算出する計算ファイルを用い、この計算ファイルに基づいて商品表面の画像を出力して、目的とする見栄えの到達度の判断を行い、目的とする商品表面の見栄えに到達させるべく、計算ファイルの作成を繰り返して行うことを特徴とする構成部材要素の仕様明示方法。
【請求項2】 商品は、塗装,発色材や着色材を含む透明体および織物のうちの少なくともいずれか一つを含んでいる請求項1に記載の構成部材要素の仕様明示方法。
【請求項3】 商品は塗装で被覆され、表面特性要因を構成する部材のうちの塗装部材は、1層以上の膜を有している請求項1または2に記載の構成部材要素の仕様明示方法。
【請求項4】 全ての諸特性は、商品の表面部材の変角分光特性である請求項1ないし3のいずれかに記載の構成部材要素の仕様明示方法。
【請求項5】 商品の表面特性要因を構成する部材の諸物性は、商品の表面部材の組成,表面部材の断面形状寸法,表面部材の構成ならびに断面形状を構成する部材の反射率および透過率のうちの少なくともいずれか一つである請求項1ないし4のいずれかに記載の構成部材要素の仕様明示方法。
【請求項6】 計算ファイルは、表面特性要因を構成する部材のミクロレベルの分光特性を求め、この分光特性からマクロな表面部材の分光特性を算出して得たものである請求項1ないし5のいずれかに記載の構成部材要素の仕様明示方法。
【請求項7】 表面特性要因を構成する部材のミクロレベルの分光特性は、分子の電子状態が求められる分子軌道法,結晶の電子状態が求められるバンド計算法および部材の電磁波の反射スペクトルあるいは透過スペクトルが求められるマックスウエルの電磁波計算法のうちの少なくともいずれか一つの手段を用いて算出する請求項6に記載の構成部材要素の仕様明示方法。
【請求項8】 マクロな表面部材の分光特性は、表面部材間の光の反射,透過,屈折および吸収を用いて算出する請求項6または7に記載の構成部材要素の仕様明示方法。
【請求項9】 商品表面の画像は、計算ファイルに基づいて、光源系の商品表面の3次元レンダリングにより生成される請求項1ないし8のいずれかに記載の構成部材要素の仕様明示方法。
【請求項10】 商品の表面部材の組成,表面部材の断面形状寸法および表面部材の構成を構成部材要素の仕様とした請求項1ないし9のいずれかに記載の構成部材要素の仕様明示方法。
【請求項11】 物体色および物理発色のうちの少なくともいずれか一方の発色による材質感を商品の構成部材の質感とした請求項1ないし10のいずれかに記載の構成部材要素の仕様明示方法。
【請求項12】 目的とする商品表面の見栄えに到達させるべく、計算ファイルの作成を繰り返して行う際に、必要に応じて表面を構成する部材の構造および物性値の再設定を行い、この構造および物性値を用いて光学特性を算出すると共に、この光学特性を利用して商品表面の画像を作成し、この画像を目標とする色見や質感と比較して、目標に達するまで上記処理フローを繰り返して行う請求項1ないし11のいずれかに記載の構成部材要素の仕様明示方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、自動車の見栄え設計に用いられて、画像により車体塗装の色および質感を得るのに利用される構成部材要素の仕様明示方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来において、自動車や建築物や衣服などの商品の見栄え設計、すなわち、色を含む材質の質感設計では、デザイナーが実写の写真や外観写真などを見て、色見本を参考にしつつ全体的な配色や各パーツの色を決めていくといった作業、あるいは、専業メーカーによるデザイナーのコンセプトに応じた多数の作成素材からの選択作業が行われている。
【0003】また、これまでの各種商品の色彩を含めた質感の画像表示において、レートレース法を基本として、実際の測色光源系における反射光学特性側光データ群がファイル化して用いられる。
【0004】近年、コンピュータグラフィックス(CG)分野の急速な進歩により、商品のCAD設計方法が提案されているが、例えば、自動車の車体塗装設計などでは、特開平11−66119号に記載されているように、ソリッド系塗色やメタリック系塗色からなる自動車外板塗色の見本色から、被支援者が自動車外板塗色を車体に塗装された状態で視覚的に選定することができ、かつ、選定された見本色の塗料配合を直ちに知ることができるパーソナルコンピュータを利用した自動車外板塗色の選定支援方法が提供されている。
【0005】この場合、パーソナルコンピュータの記憶装置に、被支援者による選択に供するための見本色をあらかじめ格納しておき、被支援者による自動車外板塗色の選定のために、表示装置に前記見本色を表示し、被支援者が指定した見本色を有する自動車車体の3次元CG画像を自動車車体の3次元形状データおよび前記見本色の分光反射率データを用いてパーソナルコンピュータで作成・表示して被支援者に提示するとともに、選定された自動車外板塗色の塗料配合を知るために、その選定された見本色の塗料配合の情報をデータベースから抽出するようにしている。
【0006】また、特開平7−262413号に記載された3次元カラーグラフィック表示方法および装置では、基礎形状CADデータや色彩データ・材料種類データなどをそれぞれデータベース化し、これらのデータベースから各種データを引っ張り出して自由に組み合わせて、画像化するようにしている。
【0007】上記特開平11−66119号では、表示対象の表面形状や、表示対象表面の変角反射特性や、光源と表示対象表面と視点との位置関係や光源の輝度に関するデータに基づいてカラー画像を作成・表示するコンピュータグラフィックス装置を用い、前記表示対象表面の変角反射特性および光源の輝度に関するデータに基づいて表示対象表面の明度,色相および彩度についての光の入射方向および反射方向に関する角度特性を計算し、表示対象表面の明度,色相および彩度についての角度特性を各々独立に変更する色の調節を行い、明度,色相および彩度についての角度特性を各色成分に関する角度特性に変換することによって、各色成分に関する角度特性,表示対象の表面形状および光源と表示対象表面と視点との位置関係に関するデータに基づいて表示対象の画像データを作成するようにしており、衣服などのデザインの色設計においても、色見本に基づくデータベースが市販のシステムとして提供されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来にあっては、膨大な側定によるファイルを必要としたり、それをベースの手動による画像チューニングによって再データファイル化したりするため、その分だけ、手間隙が多くかかってしまう。
【0009】また、見る方向により、色相変化とそれに伴う材質感の変化を一気に表示したり、逆に適正表示画面による材料構成および各種の要求物性、すなわち、構成材料・構造仕様を明示したりすることは極めて困難である。
【0010】近年、デザイン素材として、従来の物体色系に限らず、光原色に近い物理的発色素材の使用が増加しつつあるが、前述の問題を解決する手法はないといっていい状況にあり、これを解決することが従来の課題となっていた。
【0011】
【発明の目的】本発明は、上記した従来の課題に着目してなされたもので、手間隙のかかる側光・側色などの実測系を用いることなく、計算およびそれに基づくデータファイル化によって、色相変化とそれに伴う材質感の変化の表示や、適正表示画面による構成材料・構造仕様の表示を可能にする構成部材要素の仕様明示方法を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係わる構成部材要素の仕様明示方法は、図1に示すように、ステップ1において、商品(商品を構成する部材を含む)の表面特性要因を構成する部材の諸物性を算出し、この結果に基づいて、ステップ2において、各種照明光源に伴う分光特性などの全ての諸特性を自動的に算出して計算ファイルを作成するのに続いて、ステップ3において、この計算ファイルに基づいて、商品表面の画像を生成して計算ファイルを用いた場合の商品表面の見栄え状況をユーザに出力して、ステップ4において、目的とする見栄えの到達度の判断を行い、目的とする商品表面の見栄えに到達するまでステップ1に戻って計算ファイルの作成を繰り返すことによって、ステップ5において、目的とする商品表面の見栄えを得るための商品の構成部材要素の仕様を明示する構成としており、この構成部材要素の仕様明示方法の構成を前述した従来の課題を解決するための手段としている。
【0013】本発明の請求項2に係わる構成部材要素の仕様明示方法において、商品は、塗装,発色材や着色材を含む透明体および織物のうちの少なくともいずれか一つを含んでいる構成としており、例えば、これらをすべて含む可能性のある自動車や建築物も当然含まれる。
【0014】本発明の請求項3に係わる構成部材要素の仕様明示方法において、商品は塗装で被覆され、表面特性要因を構成する部材のうちの塗装部材は、1層以上の膜を有している構成としている。
【0015】本発明の請求項4に係わる構成部材要素の仕様明示方法において、全ての諸特性は、商品の表面部材の変角分光特性であって、分光反射スペクトルおよび分光透過スペクトルで表される光学特性である構成としている。
【0016】本発明の請求項5に係わる構成部材要素の仕様明示方法において、商品の表面特性要因を構成する部材の諸物性は、商品の表面部材の組成,表面部材の断面形状寸法,表面部材の構成ならびに断面形状を構成する部材の反射率および透過率のうちの少なくともいずれか一つであり、材料の光学特性を得るうえで、必要な基礎的情報データである。
【0017】本発明の請求項6に係わる構成部材要素の仕様明示方法において、計算ファイルは、表面特性要因を構成する部材のミクロレベルの分光特性を求め、この分光特性からマクロな表面部材の分光特性を算出して得たものである構成としている。
【0018】本発明の請求項7に係わる構成部材要素の仕様明示方法において、表面特性要因を構成する部材のミクロレベルの分光特性は、分子の電子状態が求められる分子軌道法,結晶の電子状態が求められるバンド計算法および部材の電磁波の反射スペクトルあるいは透過スペクトルが求められるマックスウエルの電磁波計算法のうちの少なくともいずれか一つの手段を用いて算出する構成としている。
【0019】本発明の請求項8に係わる構成部材要素の仕様明示方法において、マクロな表面部材の分光特性は、表面部材間の光の反射,透過,屈折および吸収を用いて算出する構成としている。
【0020】本発明の請求項9に係わる構成部材要素の仕様明示方法において、商品表面の画像は、計算ファイルに基づいて、レートレース法,ラジオシティ法などを用いた光源系での商品表面の3次元レンダリングにより生成される構成としている。
【0021】本発明の請求項10に係わる構成部材要素の仕様明示方法における構成部材要素の仕様は、ユーザの目的とする見栄えが得られるまで、何度も商品の表面部材の組成,表面部材の断面形状寸法および構造や光学特性を設定し直して、その都度、各種照明光源に伴う分光特性を算出することによって、目的とする商品見栄えを得るために特に重要な商品の表面部材の組成,表面部材の断面形状寸法および表面部材の構成仕様である。
【0022】本発明の請求項11に係わる構成部材要素の仕様明示方法において、顔料などの物体色および材料構造や材料屈折率による光の反射・透過を利用した物理発色のうちの少なくともいずれか一方の発色による材質感を商品の構成部材の質感とした構成としている。
【0023】本発明の請求項12に係わる構成部材要素の仕様明示方法において、目的とする商品表面の見栄えに到達させるべく、計算ファイルの作成を繰り返して行う際に、必要に応じて表面を構成する部材の構造,組成および物性値の再設定を行い、この構造および物性値を用いて光学特性を算出すると共に、この光学特性を利用して商品表面の画像を作成し、この画像を目標とする色見や質感と比較して、目標に達するまで上記処理フローを繰り返して行う構成としている。
【0024】
【発明の実施形態】以下、本発明に係わる構成部材要素の仕様明示方法、すなわち、塗装膜を含む商品および商品を構成する部材の色を含む材質感設計用の仕様明示方法の実施形態を説明する。
【0025】図2は、本発明に係わる構成部材要素の仕様明示方法を車体塗装の色および質感設計用に採用した場合の処理フローを示している。
【0026】図2に示すように、ステップ11において、塗装膜内に含まれるマイカなどの物理発色材を構成する物質レベルの結晶構造,分子構造,断面形状寸法,屈折率などの光学物性データを入力する。
【0027】ステップ12において、発色材の反射スペクトルおよび透過スペクトルを求めるために、結晶レベルでの吸収スペクトルを計算可能にするバンド計算や、有機分子系や錯体などの吸収スペクトルを計算可能にする分子軌道法計算や、発色材を誘導体と見なした場合のマックスウエルの電磁波方程式に基づいて計算を実施し、反射スペクトルおよび透過スペクトルを求め、発色材の反射スペクトルおよび透過スペクトルのデータベース化を行う。
【0028】ステップ13において、自動車の外装を構成するパーツに用いられているベースカラー,クリヤ層,被覆フィルムなどから構成される塗装構造データを参照する。
【0029】ステップ14において、ステップ13で得られたベースカラーの反射スペクトルデータの設定または参照を行い、クリヤ層や被覆フィルムの光透過率などの情報の設定を行う。
【0030】ステップ15において、上記ステップによって得られた塗装膜の構成材料の光学特性情報に基づいて、発色材の塗装膜内での被覆率などを設定し、塗装外部への反射スペクトル計算を実施し、これをデータベース化する。
【0031】ステップ16において、CADシステムを用いて車体構造の設計に用いられる車体形状データや部品の種類や形状を設定する。
【0032】ステップ17において、上記車体形状データ,パーツの構造データおよびこれらに対応する塗装膜の光学的反射スペクトルデータを参照して、自然光や点光源などの各種光源系におけるレートレース法によって、各自動車外装部における視線方向の反射スペクトル計算を行い、色彩工学で用いられる三刺激値を用いて色に変換する。これによって、車両外観の画像を作成する。
【0033】ステップ18において、設計者がCRT上で目標とする色見や質感が得られたかを判断し、目標が達成された場合には、ステップ19において、材料スペックを決めて設計を完了する。
【0034】一方、目標が達成されない場合には、ステップ11に戻って、必要に応じて物理発色材の構造および物性の再設定を行い、この構造および物性値を用いて反射スペクトルデータおよび透過スペクトルデータを算出し、このデータを利用して、必要に応じて各パーツの塗装膜構造を再構成し、さらに、ベースカラー,クリヤ層および被覆フィルムの光学特性を変化させ、これを利用して、各パーツの塗装の反射スペクトルを再データベース化する。
【0035】そして、このデータを利用して、車体外観の画像を作成し、これを目標とする色見や質感と比較して、目標に達するまで、上記処理フローを繰り返し、目標に達すると終了してステップ19において材料仕様を決め、設計を完了する。
【0036】
【実施例】[実施例1]色相hue:5B,明度V=5,彩度C=6のベースカラーおよび色相hue:10G,明度V=2,彩度C=1のベースカラーの2種類のベースカラーを用いた。また、発色材として、緑色に発色する物理発色材を用い、入射角度および受光角度を変化させ、発色材の断面構造と屈折率とを指定して、電磁波計算による発色材の光の入射角度および受光角度を振って反射スペクトルおよび透過スペクトルを求めた。そして、発色材の塗装膜面に対する被覆割合Sを0.0,0.2,0.4,0.6,1.0と仮定し、クリア層の厚さや屈折率を指定して、ベースカラーと発色材の光の反射とを考慮した図3に示すようなクリア層21と下地のベースカラー22とクリア層21の中に含まれる発色材23からなる塗装膜モデルを用い、光の入射角度や反射角度を変化させて、反射スペクトルを計算した。具体的に、以下のように計算した。
【0037】入射光24がクリア層21の空気層Aとの境界で反射光25とクリア層21内の透過光26となり、この透過光26は、一部ベースカラー22において反射されて拡散光27となる。この拡散光27は、クリア層21内を透過して空気層Aへ反射光28になって射出していく場合と、発色材23に当たって反射光29と発色材23内の透過光30とに分かれ、反射光29は再度ベースカラー22において反射されて拡散光27となり、一方の透過光30はクリア層21に出て行き、そのまま空気層Aへ射出していく場合とが有る。
【0038】また、入射光24がクリア層21を通過し、発色材23に当たって反射光31と発色材23内の透過光32とに分かれ、反射光31は空気層Aへ射出し、透過光32は、再びクリア層21への射出光33となってベースカラー22において反射されて拡散光27となり、発色材23には当たらずクリア層21を通過して空気層Aへ射出される場合と、発色材23に当たり、反射光29と発色材23内の透過光30とに分かれ、この透過光30は再びクリア層21を通って空気層Aへ射出されていく場合とが有る。
【0039】上記の場合以外にも、多くの入射,反射,透過の光線の経路があるが、丹念に光線追跡計算を行って、光の入射角度と、受光角度を振って反射スペクトル計算を実施した。
【0040】この計算結果をファイル化して、その結果に基づいて車両外観の画像を作成するために、レートレース法で計算を実行し、出力画像をカラー印刷機にプリントさせた。
【0041】その結果、ベースカラー22が深緑色の場合は、ベースカラー22が青色のものに比べて僅かに緑色の発色材23が塗装膜内にあるだけで、鮮やかな緑色の塗装となる。この際、ベースカラー22が黒色であると、塗装膜を透過した光は、ベースカラー22でその多くが吸収され、発色材23の色が引き立つ。また、ベースカラー22が青色のものは、少量の発色材23が入っても、僅かに緑色ぽい塗装になるだけで、青くするためにはかなり大量の発色材23が必要である。さらに、作成された画像を塗装として発色材23を用いた試作品と比較しても、発色材23の緻密感やきらきらした感じを除けば、見る角度によって色が変化する傾向は似ており、これによって、発色材23とベースカラー22の最適な選択ができた。
【0042】[実施例2]図4は、上記実施例の塗装膜において、クリア層21の外側にホログラムシートまたは保護フィルムがあり、クリア層21の下地にベースカラーがある場合を示しており、この実施例では、クリア層41,ベースカラー42,クリア層41内の発色材43およびクリア層41の外側を覆うホログラムシート44からなる塗装膜の場合の計算を実施した。
【0043】この塗装膜への入射光45と、クリア層41,発色材43およびベースカラー42での光反射と、透過光46と、空気層Aへ射出された反射光47とを考慮して、上記実施例と同様の計算を行い、車両の外観画像を作成した。
【0044】その結果、従来の車体塗装とは異なる、見る角度によって色がカメレオンのように変化することを画面で確認することができた。これを利用して、目標とする見栄えを再現できるように、上記フィルムの素材の設計を行った。
【0045】[実施例3]塗装膜内にある発色材に顔料を含むものを扱った。この顔料は、有機材料または無機材料からなり、この有機材料または無機材料からなる顔料の電子構造を単位セルが無限に同じように繰り返されて構成される周期系材料の物性予測(シミュレーション)に用いるバンド計算または分子の電子構造計算に用いる分子軌道法により、発色材を主に構成する材料との相互作用を考慮して、図5に示す電子構造を求めた。
【0046】次に、電子が既に詰まっている状態(価電子バンド)51のエネルギーの最も高い準位(フェルミ準位)54および電子が詰まっていない状態(伝導バンド)52への電子励起を考え、この励起に必要なエネルギー53と状態密度とにより、吸収スペクトルを算出した。この結果を考慮して算出した発色材の反射スペクトルおよび透過スペクトルを用いて上記実施例と同様の計算を行うことで、車体外塗装の見栄え設計を実施可能とした。これによって、どのような組成を持った顔料が最適であるかが判り、開発の効率が上昇した。
【0047】[実施例4]図6は、本発明を発色材を含む透明体の色および材質感設計に用いた場合を示す。
【0048】図6に示すように、この実施例では、ポリマーやガラスからなる透明層61,この透明層61を包む被覆層62および透明層61内の発色材63からなる透明体モデルの場合の計算を実施した。
【0049】この透明体モデルへの入射光64および透過光66、透明層61の中の透過光65が発色材63で反射されて空気層Aへ射出された反射光67を考慮して、上記実施例1と同様の計算を行い、透明体モデルの画像作成を実施した。
【0050】その結果、見る角度によって色がカメレオンのように変化することを画面で確認することができた。これを利用して、目標とする見栄えを再現できるように、発色材63と各層の厚みの最適化ができた。
【0051】[実施例5]図7は、本発明を織物を含む商品の色および材質感設計に用いた場合を示す。
【0052】この実施例では、シートの見栄え設計の場合の計算を実施し、図7に示すように、このシート地を構成する繊維には、染色した縦糸71および青色の物理発色材からなる横糸72が用いられ、入射角度および受光角度を変化させ、単糸の断面構造と屈折率とを指定して、電磁波計算により単糸の反射スペクトルおよび透過スペクトルを求めた。
【0053】次に、複数の単糸から構成された撚糸を用いた数種類のシート繊維の反射スペクトル計算を行った。CADシステムを使って、シート構造データや繊維の織り方や形状を設定し、自然光や点光源などの各種光源系を考慮したレートレース法により、シートの色を計算してシートの画像を作成した。これによって、極めて鮮やかな色彩を有する自動車用シートが設計できた。
【0054】
【発明の効果】したがって、本発明によれば、目的とする商品の見栄えを可能にする商品の構成部材要素の仕様を明示することができるので、商品の表面部材を実際に製作する必要がなくなり、その結果、効率的に商品の見栄え設計を行うことが可能になるという非常に優れた効果がもたらされる。




 

 


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