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発明の名称 移動体通信システム
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2003−189368(P2003−189368A)
公開日 平成15年7月4日(2003.7.4)
出願番号 特願2001−388928(P2001−388928)
出願日 平成13年12月21日(2001.12.21)
代理人 【識別番号】100084250
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 隆夫
【テーマコード(参考)】
5K014
5K030
5K033
5K034
5K067
【Fターム(参考)】
5K014 AA01 DA02 EA08 FA05 FA11 GA02 HA10 
5K030 HC09 JL01 JT09 KA02 LA01 LB03 MB04
5K033 CB04 DA19 EA02 EA07
5K034 EE03 LL01 LL02 MM03
5K067 AA13 AA23 DD26 EE02 EE10 EE16 GG22 HH28 KK11 LL01 LL11 LL14
発明者 冨島 博之 / 塩月 博文
要約 課題
定常的な再送発生による無線伝送品質低下状態を早期に検出して呼切断へと導くことにより、サービス品質を確保し、エンドユーザへの過剰な時間課金を防止し、無線資源を有効利用する。

解決手段
呼単位で、移動体端末装置との間の無線リンクでのPDU送信状態を監視して把握し、無線伝送品質の評価値として再送発生率を計算し、該再送発生率が所定の閾値以上になった場合に無線伝送品質を劣化状態と判定して該当呼を切断する処理を行う。
特許請求の範囲
【請求項1】 基地局制御装置が移動体端末装置との間で応答確認型無線リンク制御プロトコルを処理する移動体通信システムにおいて、前記基地局制御装置は、呼単位で、前記移動体端末装置との間の無線リンクでのPDU送信状態を監視して把握し、無線伝送品質の評価値として再送発生率を計算し、該再送発生率が所定の閾値以上になった場合に無線伝送品質を劣化状態と判定して該当呼を切断する処理を行うことを特徴とする移動体通信システム。
【請求項2】 前記基地局制御装置は、前記移動体端末装置との間の無線リンクで応答確認型無線リンク制御プロトコルの終端処理を行うプロトコル終端機能手段と、呼単位で、前記無線リンクでのPDU送信状態の監視を行い、無線伝送品質の評価値として再送発生率を算出し、該再送発生率が所定の閾値以上になった場合に無線伝送品質を劣化状態と判定して報告する障害検出手段と、前記劣化状態判定に基づき、呼切断処理を行う呼制御手段と、を有することを特徴とする請求項1記載の移動体通信システム。
【請求項3】 前記再送発生率を、[再送状態数合計(管理PDUのうち再送状態にあるPDU数)]/[管理PDU数合計]により計算することを特徴とする請求項1または2に記載の移動体通信システム。
【請求項4】 前記再送発生率を、[再送状態数合計(管理PDUのうち再送状態にあるPDU数)]/[PDU送信ウィンドウサイズ]により計算することを特徴とする請求項1または2に記載の移動体通信システム。
【請求項5】 前記基地局制御装置と接続され、前記再送発生率閾値の設定を行い、また、前記無線伝送品質劣化状態の報告を受ける保守端末装置をさらに有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の移動体通信システム。
【請求項6】 基地局制御装置が移動体端末装置との間で応答確認型無線リンク制御プロトコルを処理する移動体通信システムにおいて、前記基地局制御装置は、収容する基地局ごとに、該基地局のカバーする全呼を単位として、無線リンクでのPDU送信状態を監視して把握し、各呼について無線伝送品質の評価値として再送状態合計数を算出し、該合計数が所定の閾値以上になったとき準劣化状態の呼と判定し、前記基地局収容全呼における準劣化状態呼率を計算し、該呼率が所定の閾値以上となったとき、基地局収容全呼単位で準劣化状態であると判定して報告処理を行うことを特徴とする移動体通信システム。
【請求項7】 前記基地局制御装置と接続され、前記各閾値の設定を行い、また、前記無線伝送品質準劣化状態の報告を受ける保守端末装置をさらに有することを特徴とする請求項6記載の移動体通信システム。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、応答確認型無線リンク制御プロトコルを処理して無線リンク制御を行う移動体通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来技術として、応答確認型無線リンク制御プロトコルを処理する移動体通信方式について説明する。図11は、移動体通信システムの基本構成を示している。本明細書では特にCDMA(Code Division Multiple Access )方式による移動体通信システムを例に説明する。システムは、移動体端末装置1と、無線ゾーン内の複数の移動体端末装置1と接続を行う基地局2と、複数の基地局2を収容する基地局制御装置3と、を含んで構成される。基地局制御装置3と基地局2との間は有線リンクにより接続され、基地局2と移動体端末装置1との間は無線リンクにより接続される。
【0003】基地局制御装置3は、移動体端末装置1との間で、応答確認型無線リンク制御プロトコルを処理して無線リンク制御を行う。ここで応答確認型(Acknoledgedmode)とは、無線リンク上の送信信号単位(PDU:Protocol Data Unit)について応答確認機能付きの信号フォーマットにすることにより送達確認処理を行い、信号欠落などの伝送エラーが生じた場合に再送制御を行うことを指している。
【0004】基地局制御装置3は、応答確認型無線リンク制御プロトコルの終端処理を行うプロトコル終端機能部301と、プロトコル終端機能部301での無線リンク制御に関して所定の障害検出処理を行う障害検出部302と、呼接続/呼切断を制御する呼制御部303と、を備える。
【0005】また、CDMA方式の場合、移動体端末装置1は、基地局制御装置3に収容される複数の基地局2との間で複数の無線伝送路(無線リンク)を同時に有することが可能である。CDMA方式では、例えば、複数の無線伝送路のうちある無線伝送路で無線伝送品質が低下すると、その無線伝送路とは別の、品質の良好な無線伝送路が選択されて接続確立される処理(=ソフトハンドオーバー)が行われる。これにより、常に最適な無線伝送路を提供する呼接続サービスを行っている。
【0006】図12は、任意のPDUについての一般的な再送動作のシーケンスについて示したものである。まず、動作a1で、基地局制御装置3から移動体端末装置1に対して初回(オリジナル、送信回数1)のPDU送信を行ったが、これが無線リンクにおいて欠落したことを示している。これに対し、移動体端末装置1からの再送要求(否定応答)a2を基地局制御装置3が受信する、あるいは基地局制御装置3における再送タイマのタイムアウトa3といった契機によって、先のPDUの再送a4(再送回数1、送信回数2)が行われる。
【0007】基地局制御装置3では、上記PDUの状態(送信状態)として、初回の送信a1のスタートから上記再送a4のスタートの時点までを「新規送信状態」と認識する。また、再送a4スタートの時点からは「再送状態」と認識する。次に、PDUについて引き続き伝送エラーに基づき再送が繰り返し行われたものとし、n回目の再送a5(再送回数n、送信回数(n+1))で初めて移動体端末装置1側に到達したものとする。これに対し移動体端末装置1は基地局制御装置3に対してPDU受信応答(肯定応答)a6を送信する。基地局制御装置3は、PDU受信応答a6を受信することによって、当該PDUの移動体端末装置1側への到達成功を認識し、「再送状態」が終了したと判断する。基地局制御装置3は、この受信応答a6の受信の時点以後は「応答確認状態」と認識する。整理すると、基地局制御装置3における任意のPDUについての状態として、「新規送信状態」、「再送状態」、「応答確認状態」をとり得る。
【0008】基地局制御装置3のプロトコル終端機能部301と移動体端末装置1との間の無線リンクの無線伝搬状態が悪い場合、信号欠落などの伝送エラーが発生する。一般に、応答確認型無線リンク制御プロトコルにおいては、伝送エラーにより未到達のPDUが発生した場合、再送処理が実行され、PDUの送達確認を得るまで繰り返される。再送が繰り返される場合、システムにおいて予め定められた最大再送数に達してもPDUの送達確認が行えない場合に限っては呼切断処理が行われる。
【0009】しかし、実際のシステム運用においては、無線サービスエリア(無線ゾーン、セル)と移動体端末装置1の位置関係によって、いずれの基地局2との無線伝送路においても無線伝搬状態が良好でない移動体端末装置1が存在する。そのような呼について、基地局制御装置3−移動体端末装置1間の応答確認型無線リンク制御においてPDU再送が定常的に発生するものの、1つのPDUの再送数については上記最大再送数には至らないままという状態が発生する。この状態は、定常的な再送発生によりエンド・ツー・エンドのスループットが低下(サービス品質の低下)したままであるにも関わらず、最大再送数には達していないので呼切断はなされず呼接続が継続する状態である。
【0010】上記のような定常的な再送発生により無線区間の伝送品質が低いまま存続する呼について、応答確認型無線リンク制御プロトコルにおける再送処理が頻繁に行われることにより、上位レイヤのデータに関するスループットが低下したままの状態となってしまうという問題がある。また、このような状態によりエンドユーザが期待している、もしくはシステムが提供すべきサービス品質が損なわれてしまう。エンドユーザが一定量のデータを伝送する場合に、上記要因によって所要通信時間または通信データ量が増加してしまうことにより、該当呼を利用しているエンドユーザに対する時間課金量が増加してしまうという問題を引き起こす。
【0011】図13に、無線リンクの無線伝送品質が良好な場合と、定常的な再送の発生により低下している場合とについて示す。移動体端末装置1と基地局制御装置3との間の無線リンクにおいて、送信信号であるPDUが基地局制御装置3側から移動体端末装置1側へ送信されている。異なるPDUについて番号を付けて区別している。なお、移動体端末装置1側からの応答信号は省略している。最初は伝送品質良好時のシーケンスであり、PDU1〜PDU5について、伝送エラーによる再送が行われることなく到達している。
【0012】次が、定常的な再送発生により伝送品質が低下している時のシーケンスであり、PDUについて定常的に再送が行われている様子を示している。例えば、PDU1について説明すると、初回(オリジナル)の送信が失敗してしまい、再送(リトライ)が実施され、2回再送が失敗し、3回目の再送で到達が成功したことを示している。2回再送失敗が起こっているが、これが最大再送数(ここでは2より大きい値とする)に達しないので、呼切断はなされない。
【0013】図13からも判るように、無線伝送品質が良好である場合と、定常的な再送発生により低下している場合とでは、単位データ量当たりのデータ到達所要時間は、後者の方が長くなる。エンド・ツー・エンドにおけるデータは、PDU内のペイロード部に搭載されて伝送されるため、再送の発生頻度に比例してスループットが低下することになる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、上述した問題を軽減するために、その要因となる定常的な再送発生による無線伝送品質低下状態を早期に検出して呼切断へと導くことにより、サービス品質を確保し、所要通信時間あるいは通信データ量の増加によるエンドユーザへの過剰な時間課金を防止し、無線資源を有効利用する方式を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するために、請求項1記載の発明は、基地局制御装置が移動体端末装置との間で応答確認型無線リンク制御プロトコルを処理する移動体通信システムにおいて、基地局制御装置は、呼単位で、移動体端末装置との間の無線リンクでのPDU送信状態を監視して把握し、無線伝送品質の評価値として再送発生率を計算し、再送発生率が所定の閾値以上になった場合に無線伝送品質を劣化状態と判定して該当呼を切断する処理を行うことを特徴としている。
【0016】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、基地局制御装置は、移動体端末装置との間の無線リンクで応答確認型無線リンク制御プロトコルの終端処理を行うプロトコル終端機能手段と、呼単位で、無線リンクでのPDU送信状態の監視を行い、無線伝送品質の評価値として再送発生率を算出し、再送発生率が所定の閾値以上になった場合に無線伝送品質を劣化状態と判定して報告する障害検出手段と、劣化状態判定に基づき、呼切断処理を行う呼制御手段と、を有することを特徴としている。
【0017】請求項3記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、再送発生率を、[再送状態数合計(管理PDUのうち再送状態にあるPDU数)]/[管理PDU数合計]により計算することを特徴としている。
【0018】請求項4記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、再送発生率を、[再送状態数合計(管理PDUのうち再送状態にあるPDU数)]/[PDU送信ウィンドウサイズ]により計算することを特徴としている。
【0019】請求項5記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載の発明において、基地局制御装置と接続され、再送発生率閾値の設定を行い、また、無線伝送品質劣化状態の報告を受ける保守端末装置をさらに有することを特徴としている。
【0020】請求項6記載の発明は、基地局制御装置が移動体端末装置との間で応答確認型無線リンク制御プロトコルを処理する移動体通信システムにおいて、基地局制御装置は、収容する基地局ごとに、基地局のカバーする全呼を単位として、無線リンクでのPDU送信状態を監視して把握し、各呼について無線伝送品質の評価値として再送状態合計数を算出し、この合計数が所定の閾値以上になったとき準劣化状態の呼と判定し、基地局収容全呼における準劣化状態呼率を計算し、この呼率が所定の閾値以上となったとき、基地局収容全呼単位で準劣化状態であると判定して報告処理を行うことを特徴としている。
【0021】請求項7記載の発明は、請求項6記載の発明において、基地局制御装置と接続され、各閾値の設定を行い、また、無線伝送品質準劣化状態の報告を受ける保守端末装置をさらに有することを特徴としている。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照しながら詳細に説明する。本発明の動体通信システムは、移動体端末装置との間で応答確認型無線リンク制御プロトコルを処理する基地局制御装置において、移動体端末装置−基地局制御装置間の無線リンクの無線伝送品質を再送発生率などにより評価し、該評価値に応じて無線伝送品質の劣化判定を行い、劣化と判定した場合に該当呼を呼切断(解放)へと導く処理を行うものである。
【0023】これにより、最適な無線基地局との接続を提供しても良好な無線伝送品質を確保できない呼において、エンド・ツー・エンドのスループットが低下(サービス品質が低下)した状態を存続させず、過剰な時間課金を防止する。また、無線伝送区間において、無線伝送品質の劣化した呼を排除することによって、無線資源の有効利用(CDMA方式の場合は多重度アップ)を実現する。
【0024】図1は、本発明の第1の実施の形態における移動体通信システムの構成を示す図である。第1の実施例におけるシステムは、移動体端末装置1、基地局2、及び、基地局制御装置3を含んで構成される。なお、他網とは非図示の交換機などにより接続可能である。移動体端末装置1と基地局2との間は無線リンクにより接続される。基地局2と基地局制御装置3との間は有線リンクにより接続される。基地局制御装置3は、移動体端末装置1との間で応答確認型無線リンク制御プロトコルを処理して無線リンク制御を行う。
【0025】基地局制御装置3は、プロトコル終端機能部31と、障害検出部32と、呼制御部33とを有する。プロトコル終端機能部31は、上記応答確認型無線リンク制御プロトコルの終端処理を行う。障害検出部32は、プロトコル終端機能部31における無線リンク制御処理について、PDUの送信状態を監視し、無線伝送品質の劣化を検出する処理を行う。ここで「伝送品質の劣化」状態とは、従来技術で説明したように、無線リンクにおいて定常的な再送発生によりエンド・ツー・エンドのスループットが低下している状態のことを指す。障害検出部32は、無線リンクの無線伝送品質について本発明の方法で評価を行って評価値を計算し、それに基づき「無線伝送品質劣化」かどうかの判定を行う。監視や評価の方法については以下詳述してゆく。呼制御部33は、基地局制御装置3全体での呼制御を行う部分であり、障害検出部32における無線伝送品質劣化の検出に基づき、該当呼についての呼切断(解放)処理を制御する。
【0026】ここで、プロトコル終端機能部31、障害検出部32、及び呼制御部33は、CPU及びCPUによって動作するソフトウェア、ソフトウェアを格納するメモリ、あるいはプロトコル制御専用ハードウェアなどを用いて構成される。
【0027】第1の実施例における障害検出部32は、さらなる構成モジュールとして、プロトコル状態検出部321、PDU管理テーブル部322、無線伝送品質評価部323、無線伝送品質劣化判定部324などを有する。
【0028】プロトコル状態検出部は321、プロトコル終端機能部31からプロトコル状態情報を取得する処理を行う。プロトコル状態情報には、PDUについての送信状態情報が含まれる。PDU管理テーブル部322は、PDU管理テーブル(Tとする)を管理する。障害検出部32は、このためのメモリ領域を持つ。PDU管理テーブルTは、呼についての送信PDU情報を管理するテーブルであり、呼ごとに用意される。無線伝送品質評価部323は、ある呼の無線リンクについて伝送品質の評価処理を行う。無線伝送品質劣化判定部は324、上記評価処理により算出される評価値に基づき、無線伝送品質が劣化状態であるかどうかの判定を行い、劣化状態を呼制御部に報告する処理を行う。
【0029】図7は、基地局制御装置3の障害検出部32における無線伝送品質監視及び劣化検出処理に関するフローチャートである。以下、このフローを参照しながら、本発明の処理の流れを説明する。まず、ステップS71で、障害検出部32は、プロトコル終端機能部31からプロトコル状態情報を取得する。プロトコル状態情報には、PDUについての送信状態情報が含まれる。障害検出部32は、プロトコル状態情報をもとに、PDU個々についての送信状態の変化を認識する。プロトコル状態情報の取得は、障害検出部32がプロトコル終端機能部31をチェックして情報を取得する形でも良いし、また、プロトコル終端機能部31側が障害検出部32に対し情報を通知する形でも良い。障害検出部32は、PDUの送信状態情報として、「新規送信状態」、「再送状態」、「応答確認状態」などを得る。
【0030】障害検出部32は、プロトコル終端機能部31から取得するプロトコル状態情報に基づき、各PDUの送信状態を認識し、各呼について、図3に示すようなPDU管理テーブルTを作成・更新する。PDU管理テーブルTは、障害検出部32に備えるメモリなどに格納されるものとする。
【0031】PDU管理テーブルTは、送信処理中の状態にあるPDUについてのレコードを持ち、1つのPDUレコードは、PDU識別子a、送信状態b、送信回数cなどの属性からなる。また、PDU管理テーブルTは、管理PDU数合計d、再送状態合計eなどの属性を持つ。PDU識別子aは、個々のPDUに対して割り当てられる識別子である。PDU識別子aとしては、PDUに付与されるシーケンス番号や、プロトコル終端機能部31内で管理しPDU個々に対して割り当てる番号などを用いて良い。送信状態bは、プロトコル終端機能部31におけるPDUの送信状態であり、その値として従来技術で説明したような、「新規送信状態」、「再送状態」、「応答確認状態」などの値をとる。送信回数cは、各PDUについてのトータルの送信回数であり、例えば新規送信状態で1、1回目の再送で2をとる。管理PDU数合計dは、1つの呼についての現在送信処理中のPDUの数を示す。再送状態合計eは、該当呼についての管理PDUのうち、「再送状態」にあるPDUの数を示す。いずれの要素も、プロトコル終端機能部31における処理状態の変化に伴い随時更新される。
【0032】ステップS72で、障害検出部32は、プロトコル状態情報に基づきPDUの送信状態の変化を認識する。PDUの送信状態変化として「新規送信状態」を得た場合、ステップS76で、PDU管理テーブルTに、新規送信状態となったPDUについてのレコードを追加登録し、そのPDU識別子を設定し、送信状態bを「新規送信状態」に設定し、送信回数cを1(回)に設定する。また、それに伴い、管理PDU数合計dを1増加させる。本処理により、PDU管理テーブルTは、図3から図4の状態へと更新される。図4中のPDU識別子が”p+1”のレコードが、新規に登録されたPDUに相当する。
【0033】また、障害検出部32は、ステップS72において、PDU送信状態の変化として「応答確認状態」を得た場合、ステップS76で、PDU管理テーブルT内の該当PDUのレコードを削除する。同時に、管理PDU数合計dを1減算し、さらにそのPDUが応答確認前に「再送状態」にあった場合は、再送状態合計eも1減算する。本処理は、図4から図3への状態の変化であり、図4のPDU識別子が”p+1”のレコードが、削除されたPDUに相当する。
【0034】これに対し、ステップS72において、障害検出部32が、PDU送信状態変化として再送発生(「再送状態」検出)を得た場合、次にステップS73で、該当PDUが、新規に再送が発生したPDU、つまり再送1回目のPDUであるかどうかを判断する。即ち、PDU管理テーブルTを参照し(ここでは図4の状態とする)、該当PDUについての送信状態bのフィールドが「新規送信状態」であった場合、新規の再送PDUであると判断でき(ステップS73・YES)、既に送信状態bが「再送状態」であった場合、2回目以降の再送PDUであると判断できる(ステップS73・NO)。
【0035】なお、送信状態b情報を中心に判断するのではなく、送信回数c情報を中心に判断しても良い。また、プロトコル状態情報として送信回数cを含む形でも良い。また、送信状態の値として「新規再送状態」(送信回数は2)を設ける形でも良い。いずれにしても、障害検出部32(のプロトコル状態取得部321とPDU管理テーブル部322)は、PDUについて、少なくとも送信状態と送信回数の情報を把握する。
【0036】ステップS73において、該当PDUが新規の再送ではない(つまり2回目以降の再送)と判断した場合は、ステップS75において図3の状態にあるPDU管理テーブルT内の該当PDUレコードの送信回数cを1増加する(図5のPDU識別子”p”のレコードへの変化)。新規の再送(1回目の再送)であると判断した場合は、ステップS74においてPDU管理テーブルT内の該当PDUレコードの送信状態bを「新規送信状態」から「再送状態」に更新し、送信回数cを1増加(この時、送信回数は1から2となる)させる。同時に、再送状態合計eを1増加させる(図6のPDU識別子”p+1”のレコード、及び再送状態合計”q+1”への変化)。
【0037】ステップS74またはステップS75後、再送状態合計eが1増加しているので、ステップS77で、該当呼についての無線伝送品質の評価処理を行う。そして、ステップS78で、算出された評価値に基づき、無線伝送品質が劣化状態であるかどうかの判定を行う。
【0038】第1の実施例では、無線伝送品質の評価方法として、下記の評価式(1)により無線伝送品質の評価を行う。
[再送発生率r]=[再送状態合計数q]/[管理PDU数合計p]
・・・式(1)
再送発生率rは、ある呼についての管理PDUのうち、「再送状態」にあるPDUの比率を示している。
【0039】障害検出部32の無線伝送品質評価部323は、PDU管理テーブルTを参照しつつ無線伝送品質の評価値として再送発生率rを計算する。そして、無線伝送品質劣化判定部324は、ステップS78で、再送発生率rを予め定められた閾値(再送発生率閾値rtとする)と比較する。rが閾値rt以上になった場合([再送発生率r]≧[再送発生率閾値rt])、無線伝送品質を「劣化状態」と判定する(ステップS78・YES)。
【0040】ステップS79で、障害検出部32は、呼制御部33に対して、無線伝送品質の劣化状態を報告する。呼制御部33は、プロトコル終端機能部31に収容されている該当呼の切断を指示し、呼切断(解放)処理を行う。ステップS78で、rが閾値rt未満の場合は、呼を継続させる(ステップS78・NO)。
【0041】また、他の実施例として、前述の無線伝送品質の評価式(1)は、無線リンク制御プロトコルがPDUの送信ウィンドウサイズを意識しているような場合には、次に示す式、 [再送発生率r]=[再送状態合計q]/[PDU送信ウィンドウサイズ]
・・・式(2)
により評価を行っても良い。
【0042】以上で説明した再送発生率rは、障害検出部32に装備されるCPU及びCPUによって動作するソフトウェアによって計算され、無線伝送品質劣化の検出のための判定条件となる再送発生率閾値rtについては、障害検出部32に装備されるソフトウェア内に設定され、メモリに格納される。
【0043】また、再送発生率閾値rtは固定値とは限らず、例えばシステム管理者が基地局制御装置3の外部から保守用の端末などによって、自由に書き換えることができる。その構成を図8に示す。呼制御部33と保守端末装置4が所定の通信手段により接続される。本発明の制御の様子は保守端末装置4に出力が可能である。システム管理者は、保守端末装置4から上記再送発生率閾値rt他の各種設定を行うことができる。
【0044】次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。第1の実施例では、PDUの送信状態監視の範囲として呼ごとに監視を行い、無線伝送品質の劣化状態の検出を行って呼切断処理を行わせたが、呼ごとではなく、基地局2のカバーする呼全てを単位として監視及び評価を行っても良い。第1の実施例のような方法で各呼を監視及び評価し、無線伝送品質劣化状態の検出に応じて呼切断処理へと導くまでには至らないまでも、基地局2の呼全てについての再送状態合計数を監視することにより、基地局2のカバーするエリアにおける無線伝送品質が全体的に劣化しつつあることを検出することが可能となる。
【0045】第2の実施例の移動体通信システムでは、基地局2のカバーする全呼を単位として、「無線伝送品質の準劣化状態」の検出を行う。「無線伝送品質の準劣化状態」とは、第1の実施例における「劣化状態」には至らないまでも、基地局2のカバーするエリア内の呼が全体的に劣化しつつある状態のことを指す。障害検出部34は、このような状態を検出し、報告する処理を行う。
【0046】第2の実施例の障害検出部34の構成を図9に示す。障害検出部34は、プロトコル状態取得部341、PDU管理テーブル部342、無線伝送品質評価部343、及び、無線伝送品質準劣化状態判定部344などを有する。
【0047】プロトコル状態取得部341は、第1の実施例と同様、プロトコル状態情報をプロトコル終端機能部31から取得する。PDU管理テーブル部342は、基地局2がカバーする全呼を単位とするPDU管理テーブルT’を管理する。PDU管理テーブルT’は、障害検出部34内に装備されるメモリなどに確保され、基地局2がカバーする全呼の各呼についてのPDU管理テーブルTを含む。無線伝送品質評価部343は、呼を単位として、PDU管理テーブルTを参照しつつ、該当呼が「劣化状態」へと至る状態にある呼かどうかを判断する処理を行う。無線伝送品質準劣化判定部344は、基地局2のカバーする各呼についての上記判断結果に基づき、基地局2の全呼を単位として、「準劣化状態」にあるかどうかの判定を行い、準劣化状態を検出した場合は、それを報告する処理を行う。
【0048】図10は、第2の実施例における移動体通信システムでの無線伝送品質準劣化状態の検出処理のフローチャートである。まず、ステップS101において、呼ごとのPDU管理テーブルTを読み出すことにより、呼の再送状態合計数eを確認する。
【0049】次に、ステップS102で、無線伝送品質評価部343は、上記再送状態合計数eを予め定めておいた閾値(再送状態合計数閾値etとする)と比較し、該閾値et以上となった場合、該当呼について、「無線伝送品質が劣化しつつある状態」=「準劣化状態」と判定し、ステップS103で、変数「準劣化呼数」fをカウントアップする。また、閾値et未満となった、あるいは、未満である場合、正常呼と判定し、ステップS104で、それに応じて準劣化呼数fを1減算するなどし、次呼の処理に移る。
【0050】なお、「準劣化状態」とは、呼切断される「劣化状態」に至る前の品質劣化状態なので、当然この再送状態合計数閾値etとしては、該etを第1の実施例における無線伝送品質評価式(1)または(2)に適用したときに求まる再送発生率rが再送発生率閾値rtより低くなるような値に設定する。
【0051】「準劣化呼数」fが増加した場合、ステップS105で、無線伝送品質準劣化判定部344は、基地局2の収容する全呼を単位とした「準劣化状態判定」を行う。下記式により、準劣化状態呼率hを求める。
[準劣化状態呼率h]=[準劣化状態呼数f]/[基地局収容全呼数g]
・・・式(3)
【0052】そして、計算された準劣化状態呼率hを、予め定められた所定の閾値(準劣化状態呼率閾値htとする)と比較し、該閾値ht以上である場合、「基地局収容全呼について準劣化状態」であると判定し、ステップS106で、保守端末装置4などに対して「基地局収容全呼についての準劣化状態」の報告処理を行う。システム及び保守端末装置4では、該当の基地局カバーエリア(全収容呼)について、「準劣化状態」つまり全体的に無線伝送品質が劣化しつつあるということを認識することができる。また、この準劣化状態報告に基づき、移動体端末装置1へ、呼切断への可能性を示唆する(受信感度情報を用いる)などの処理を行うことも考えられる。
【0053】以上により本発明の実施の形態について説明した。なお、上述した実施形態は、本発明の好適な実施形態の一例を示すものであり、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、種々変形実施が可能である。
【0054】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明によれば、応答確認型無線リンク制御プロトコルを処理移動体通信システムにおいて、定常的な再送の発生により無線伝送品質が低い呼が存在する場合、上記プロトコルにおける再送制御が頻繁に行われることによって上位レイヤのデータに関するスループットが低下したまま呼が継続するような状態を早期に検出して呼切断へと導くことが可能となることによって以下の効果が得られる。
【0055】第1の効果として、一定量のデータを伝送する場合に前述の要因により該当呼のサービス品質が低下し、所要通信時間または通信データ量が増加してしまうことにより、該当呼を利用しているエンドユーザに対する時間課金量が増加してしまうことを早期に防止することが可能となる。
【0056】第2の効果として、無線伝送区間のPDU再送によって、無線資源(CDMA方式ではコード多重度)を圧迫している呼を排除することによって無線資源を有効利用し、より伝送品質の良好な多くの移動体端末装置への呼接続サービスが可能となる。




 

 


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