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発明の名称 CDMA移動通信システム、及びその呼切断防止方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2003−18640(P2003−18640A)
公開日 平成15年1月17日(2003.1.17)
出願番号 特願2001−195483(P2001−195483)
出願日 平成13年6月27日(2001.6.27)
代理人 【識別番号】100082935
【弁理士】
【氏名又は名称】京本 直樹 (外2名)
【テーマコード(参考)】
5K022
5K067
【Fターム(参考)】
5K022 EE01 EE21 EE31 
5K067 AA03 AA23 BB02 CC10 DD25 DD44 DD45 DD48 EE02 EE10 EE16 EE24 EE46 EE56 GG01 GG11 JJ17 JJ38 JJ39
発明者 齊藤 厚
要約 課題
移動端末が必要以上の数の基地局/セクタからの送信信号が届くような環境(セクタ密集地域)に置かれている場合に、安定した通信を可能とする。

解決手段
異なるキャリア周波数F1,F2の各々を、基地局、または同一基地局内セクタの配置が異なるように割当てる。基地局A20,B21を用いて周波数F1で通信中の端末30で、基地局C22からのパイロット信号の信号強度が所定値を超えると、基地局制御装置10に対し、通信中の基地局を経由して、パイロット強度報告を行う。また、その他の契機によりハンドオーバー中のパイロット強度報告も行う。基地局制御装置は、その報告から、ハンドオーバーの対象とすることができるセクタの数を検出し、セクタ数が所定値を超える場合、あるいは、全セクタのパイロット強度が所定値以下の場合、端末を基地局またはセクタの配置が異なる他の周波数F2にハードハンドオーバーさせる。
特許請求の範囲
【請求項1】 複数のキャリア周波数の各々に対応した無線エリアを複数のセクタに分割し、それぞれ並行してパイロット信号を送信しながら移動端末との無線送受信を制御する基地局を、同一サービスエリア内において各無線エリアが互いに一部重複するように複数局配置し、移動端末に対し1つのキャリア周波数を用いて複数の基地局の複数のセクタと同時に接続可能としたCDMA移動通信システムにおいて、前記各基地局が、少なくとも2つの異なるキャリア周波数で互いに異なるセクタの配置構成を有し、あるキャリア周波数を用いていずれかの基地局と接続中の前記移動端末が、同時に所定のしきい値を超える数のセクタからそれぞれハンドオーバーの対象とすることが可能な信号強度のパイロット信号を受信すると、当該移動端末に対しセクタの配置が異なる他のキャリア周波数へのハードハンドオーバーを行うことを特徴とするCDMA移動通信システム。
【請求項2】 複数のキャリア周波数の各々に対応した無線エリアを複数のセクタに分割し、それぞれ並行してパイロット信号を送信しながら移動端末との無線送受信を制御する基地局を、同一サービスエリア内において各無線エリアが互いに一部重複するように複数局配置し、移動端末に対し1つのキャリア周波数を用いて複数の基地局の複数のセクタと同時に接続可能としたCDMA移動通信システムにおいて、前記各基地局が、少なくとも2つの異なるキャリア周波数で互いに異なるセクタの配置構成を有し、あるキャリア周波数を用いていずれかの基地局と接続中の前記移動端末が受信したハンドオーバー中のすべてのセクタからのパイロット信号の信号強度が、ハンドオーバーの対象とすることが可能な信号強度の範囲内で任意に設定されたしきい値を下まわると、当該移動端末に対しセクタの配置が異なる他のキャリア周波数へのハードハンドオーバーを行うことを特徴とするCDMA移動通信システム。
【請求項3】 複数のキャリア周波数の各々に対応した無線エリアを複数のセクタに分割し、それぞれ並行してパイロット信号を送信しながら移動端末との無線送受信を制御する基地局を、同一サービスエリア内において各無線エリアが互いに一部重複するように複数局配置し、移動端末に対し1つのキャリア周波数を用いて複数の基地局の複数のセクタと同時に接続可能としたCDMA移動通信システムにおいて、前記各基地局が、少なくとも2つの異なるキャリア周波数で互いに異なるセクタの配置構成を有し、あるキャリア周波数を用いていずれかの基地局と接続中の前記移動端末が、同時に所定のしきい値を超える数のセクタからそれぞれハンドオーバーの対象とすることが可能な信号強度のパイロット信号を受信し、かつ、当該移動端末が受信したハンドオーバー中のすべてのセクタからのパイロット信号の信号強度が、前記ハンドオーバーの対象とすることが可能な信号強度の範囲内で任意に設定されたしきい値を下まわると、当該移動端末に対しセクタの配置が異なる他のキャリア周波数へのハードハンドオーバーを行うことを特徴とするCDMA移動通信システム。
【請求項4】 複数のキャリア周波数の各々に対応した無線エリアを複数のセクタに分割し、それぞれ並行してパイロット信号を送信しながら移動端末との無線送受信を制御する基地局を、同一サービスエリア内において各無線エリアが互いに一部重複するように複数局配置し、移動端末に対し1つのキャリア周波数を用いて複数の基地局の複数のセクタと同時に接続可能としたCDMA移動通信システムにおいて、前記各基地局が、少なくとも2つの異なるキャリア周波数で互いに異なるセクタの配置構成を有し、前記移動端末が、あるキャリア周波数を用いていずれかの基地局と接続する手段と、受信したパイロット信号の信号強度として信号対干渉波電力比を測定する手段と、前記測定結果を判定し新たに所定の強度以上のパイロット信号を受信したことを検出すると前記測定結果を含む該当セクタのハンドオーバー追加要求を接続中の基地局に送信する手段と、あらかじめ設定された契機に従いハンドオーバー中のすべてのセクタからのパイロット信号の信号強度報告を接続中の基地局に送信する手段とを有し、前記複数の基地局を統括して前記移動端末との接続を制御し、前記基地局を介した前記移動端末からの前記ハンドオーバー追加要求及び前記パイロット信号の信号強度報告を受信すると、あらかじめ設定されたハードハンドオーバーを行うための条件である、前記移動端末で同時に所定のしきい値を超える数のセクタからそれぞれハンドオーバーの対象とすることが可能な信号強度のパイロット信号を受信したか、及び前記移動端末で受信したハンドオーバー中のすべてのセクタからのパイロット信号の信号強度が前記ハンドオーバーの対象とすることが可能な信号強度の範囲内で任意に設定されたしきい値を下まわったかのいずれか一方、または両方の条件が成立するか判定し、前記条件が成立すると前記移動端末に対しセクタの配置が異なる他のキャリア周波数にハードハンドオーバーさせる基地局制御装置を備えることを特徴とするCDMA移動通信システム。
【請求項5】 少なくとも2つの異なるキャリア周波数で互いに異なるセクタの配置構成を有する前記各基地局の代りに、少なくとも2つの異なるキャリア周波数のうち任意のいずれか1つのみをそれぞれ割り当てられた互いに配置場所の異なる各基地局を備え、前記移動端末に対するハードハンドオーバーを行う際、基地局の配置が異なる他のキャリア周波数へのハードハンドオーバーを行うことを特徴とする請求項1、2、3、及び4記載のCDMA移動通信システム。
【請求項6】 前記各基地局が、アダプティブアレイアンテナを用いて、同一のアンテナを用いながら、異なるキャリア周波数で異なるセクタ配置構成としたことを特徴とする請求項1、2、3、及び4記載のCDMA移動通信システム。
【請求項7】 複数のキャリア周波数の各々に対応した無線エリアを複数のセクタに分割し、それぞれ並行してパイロット信号を送信しながら移動端末との無線送受信を制御する基地局を、同一サービスエリア内において各無線エリアが互いに一部重複するように複数局配置し、移動端末に対し1つのキャリア周波数を用いて複数の基地局の複数のセクタと同時に接続可能としたCDMA移動通信システムのセクタ密集地域での呼切断防止方法において、少なくとも2つの異なるキャリア周波数の各々を、互いに配置場所の異なる前記各基地局にそれぞれ割り当てるか、同一基地局の互いに異なる配置のセクタにそれぞれ割り当てておき、あるキャリア周波数を用いていずれかの基地局と接続中の前記移動端末で、同時に所定のしきい値を超える数のセクタからそれぞれハンドオーバーの対象とすることが可能な信号強度のパイロット信号を受信すると、当該移動端末に対し基地局またはセクタの配置が異なる他のキャリア周波数へのハードハンドオーバーを行うことを特徴とする呼切断防止方法。
【請求項8】 複数のキャリア周波数の各々に対応した無線エリアを複数のセクタに分割し、それぞれ並行してパイロット信号を送信しながら移動端末との無線送受信を制御する基地局を、同一サービスエリア内において各無線エリアが互いに一部重複するように複数局配置し、移動端末に対し1つのキャリア周波数を用いて複数の基地局の複数のセクタと同時に接続可能としたCDMA移動通信システムのセクタ密集地域での呼切断防止方法において、少なくとも2つの異なるキャリア周波数の各々を、互いに配置場所の異なる前記各基地局にそれぞれ割り当てるか、同一基地局の互いに異なる配置のセクタにそれぞれ割り当てておき、あるキャリア周波数を用いていずれかの基地局と接続中の前記移動端末で受信したハンドオーバー中のすべてのセクタからのパイロット信号の信号強度が、ハンドオーバーの対象とすることが可能な信号強度の範囲内で任意に設定されたしきい値を下まわると、当該移動端末に対し基地局またはセクタの配置が異なる他のキャリア周波数へのハードハンドオーバーを行うことを特徴とする呼切断防止方法。
【請求項9】 複数のキャリア周波数の各々に対応した無線エリアを複数のセクタに分割し、それぞれ並行してパイロット信号を送信しながら移動端末との無線送受信を制御する基地局を、同一サービスエリア内において各無線エリアが互いに一部重複するように複数局配置し、移動端末に対し1つのキャリア周波数を用いて複数の基地局の複数のセクタと同時に接続可能としたCDMA移動通信システムのセクタ密集地域での呼切断防止方法において、少なくとも2つの異なるキャリア周波数の各々を、互いに配置場所の異なる前記各基地局にそれぞれ割り当てるか、同一基地局の互いに異なる配置のセクタにそれぞれ割り当てておき、あるキャリア周波数を用いていずれかの基地局と接続中の前記移動端末で同時に所定のしきい値を超える数のセクタからそれぞれハンドオーバーの対象とすることが可能な信号強度のパイロット信号を受信し、かつ、当該移動端末で受信したハンドオーバー中のすべてのセクタからのパイロット信号の信号強度が、前記ハンドオーバーの対象とすることが可能な信号強度の範囲内で任意に設定されたしきい値を下まわると、当該移動端末に対し基地局またはセクタの配置が異なる他のキャリア周波数へのハードハンドオーバーを行うことを特徴とする呼切断防止方法。
【請求項10】 複数のキャリア周波数の各々に対応した無線エリアを複数のセクタに分割し、それぞれ並行してパイロット信号を送信しながら移動端末との無線送受信を制御する基地局を、同一サービスエリア内において各無線エリアが互いに一部重複するように複数局配置し、移動端末に対し1つのキャリア周波数を用いて複数の基地局の複数のセクタと同時に接続可能としたCDMA移動通信システムのセクタ密集地域での呼切断防止方法において、少なくとも2つの異なるキャリア周波数の各々を、互いに配置場所の異なる前記各基地局にそれぞれ割り当てるか、同一基地局の互いに異なる配置のセクタにそれぞれ割り当てておき、前記移動端末で、受信したパイロット信号の信号強度として信号対干渉波電力比を測定し、新たに所定の強度以上のパイロット信号を受信したことを検出すると前記測定結果を含む該当セクタのハンドオーバー追加要求を接続中の基地局に送信するとともに、あらかじめ設定された契機に従いハンドオーバー中のすべてのセクタからのパイロット信号の信号強度報告を接続中の基地局に送信し、前記複数の基地局を統括して前記移動端末との接続を制御する基地局制御装置で、前記基地局を介した前記移動端末からの前記ハンドオーバー追加要求及び前記パイロット信号の信号強度報告を受信すると、あらかじめ設定されたハードハンドオーバーを行うための条件である、前記移動端末で同時に所定のしきい値を超える数のセクタからそれぞれハンドオーバーの対象とすることが可能な信号強度のパイロット信号を受信したか、及び前記移動端末で受信したハンドオーバー中のすべてのセクタからのパイロット信号の信号強度が前記ハンドオーバーの対象とすることが可能な信号強度の範囲内で任意に設定されたしきい値を下まわったかのいずれか一方、または両方の条件が成立するか判定し、前記条件が成立すると前記移動端末に対し基地局またはセクタの配置が異なる他のキャリア周波数にハードハンドオーバーさせることを特徴とする呼切断防止方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はCDMA移動通信システム、及びその呼切断防止方法に関し、特に複数のキャリア周波数の各々に対応した無線エリアを複数のセクタに分割し、それぞれ並行してパイロット信号を送信しながら移動端末との無線送受信を制御する基地局を、同一サービスエリア内において各無線エリアが互いに一部重複するように複数局配置し、移動端末に対し1つのキャリア周波数を用いて複数の基地局の複数のセクタと同時に接続可能としたCDMA移動通信システムと、そのセクタ密集地域での呼切断防止方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】CDMA方式による移動体通信システムでは、複数の基地局/セクタが同一のキャリア周波数で運用され、端末は1つの周波数を受信し、拡散符号により各基地局/セクタからの信号を認識している。このシステムでは、一つの受信機(移動端末)で複数の基地局からの信号を同時に受信することが可能なために、ソフトハンドオーバーと呼ばれる瞬断の無いハンドオーバーが可能とされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、基地局からの信号を拡散符号で認識するためには、拡散率によって決まる最低限必要な信号対干渉波比(SIR)以上の信号強度が必要である。複数の基地局/セクタからの信号が受信されるような環境では、1つの基地局/セクタからの信号を受信しようとする際に、他の基地局/セクタからの信号はすべて干渉波となる。そのため、必要以上の基地局/セクタからの信号が受信されるような場所では、電界が強いにもかかわらず信号が復調できない場合が発生する。
【0004】ここで、ある特定のセクタからのパイロット信号電力対干渉波の比(SNR)の例を計算してみる。端末ですべてのセクタの送信電力が等しく受信できるとし、あるセクタの送信電力に対するパイロット信号電力の割合を20%と仮定すると、端末で受信されるあるセクタのパイロット信号電力対干渉波は、7セクタ受信できる場合、パイロット信号電力対干渉波比= 0.2/7= 0.028571428= −15.5dBとなる。
【0005】因みに、4セクタのみ受信できる場合では、パイロット信号電力対干渉波比= 0.2/4= 0.05= −13.0dBとなり、その差は2.5dBとなる。
【0006】フェージングのある環境では、各基地局/セクタからの信号強度が無相関に高速に変化する。ソフト/ソフタハンドオーバーの対象にある基地局/セクタを追加するためには、フェージングに比べかなり長い処理時間が必要となる。また、端末で受信できる基地局/セクタの信号が多くなればなるほど、ある基地局/セクタからの信号対干渉波比は小さくなり、少しのフェージングで復調できないくらいまで下がってしまう可能性が高くなる。
【0007】つまり、ある瞬間に復調するために十分強く受信できる信号を送信している基地局/セクタを必ずソフト/ソフタハンドオーバーに含むことは、受信できる基地局/セクタ数が多くなればなるほど難しくなる。このことが、必要以上の数の基地局/セクタからの送信信号が届くような環境下で端末が安定して通信を行えず、通信中の呼が切断されてしまうこともある原因となっている。
【0008】本発明の目的は、移動端末が上記のような必要以上の数の基地局/セクタからの送信信号が届くような環境(セクタ密集地域)に置かれている場合に、基地局制御装置で、端末の送信するパイロット強度報告よりそのことを検出し、端末をセクタ構成または基地局構成の異なる他のキャリア周波数へとハードハンドオーバーさせることにより、端末が安定した通信を行うことを可能としたCDMA移動通信システム、及びその呼切断防止方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係るCDMA移動通信システムは、複数のキャリア周波数の各々に対応した無線エリアを複数のセクタに分割し、それぞれ並行してパイロット信号を送信しながら移動端末との無線送受信を制御する基地局を、同一サービスエリア内において各無線エリアが互いに一部重複するように複数局配置し、移動端末に対し1つのキャリア周波数を用いて複数の基地局の複数のセクタと同時に接続可能としたCDMA移動通信システムにおいて、前記各基地局が、少なくとも2つの異なるキャリア周波数で互いに異なるセクタの配置構成を有し、あるキャリア周波数を用いていずれかの基地局と接続中の前記移動端末が、同時に所定のしきい値を超える数のセクタからそれぞれハンドオーバーの対象とすることが可能な信号強度のパイロット信号を受信すると、当該移動端末に対しセクタの配置が異なる他のキャリア周波数へのハードハンドオーバーを行う構成を有する。
【0010】本発明の請求項2に係るCDMA移動通信システムは、請求項1に係るCDMA移動通信システムと同様の構成において、あるキャリア周波数を用いていずれかの基地局と接続中の前記移動端末が受信したハンドオーバー中のすべてのセクタからのパイロット信号の信号強度が、ハンドオーバーの対象とすることが可能な信号強度の範囲内で任意に設定されたしきい値を下まわると、当該移動端末に対しセクタの配置が異なる他のキャリア周波数へのハードハンドオーバーを行う構成を有する。
【0011】本発明の請求項3に係るCDMA移動通信システムは、請求項1に係るCDMA移動通信システムと同様の構成において、あるキャリア周波数を用いていずれかの基地局と接続中の前記移動端末が、同時に所定のしきい値を超える数のセクタからそれぞれハンドオーバーの対象とすることが可能な信号強度のパイロット信号を受信し、かつ、当該移動端末が受信したハンドオーバー中のすべてのセクタからのパイロット信号の信号強度が、前記ハンドオーバーの対象とすることが可能な信号強度の範囲内で任意に設定されたしきい値を下まわると、当該移動端末に対しセクタの配置が異なる他のキャリア周波数へのハードハンドオーバーを行う構成を有する。
【0012】本発明の請求項4に係るCDMA移動通信システムは、請求項1に係るCDMA移動通信システムと同様の構成において、前記移動端末が、あるキャリア周波数を用いていずれかの基地局と接続する手段と、受信したパイロット信号の信号強度として信号対干渉波電力比を測定する手段と、前記測定結果を判定し新たに所定の強度以上のパイロット信号を受信したことを検出すると前記測定結果を含む該当セクタのハンドオーバー追加要求を接続中の基地局に送信する手段と、あらかじめ設定された契機に従いハンドオーバー中のすべてのセクタからのパイロット信号の信号強度報告を接続中の基地局に送信する手段とを有し、前記複数の基地局を統括して前記移動端末との接続を制御し、前記基地局を介した前記移動端末からの前記ハンドオーバー追加要求及び前記パイロット信号の信号強度報告を受信すると、あらかじめ設定されたハードハンドオーバーを行うための条件である、前記移動端末で同時に所定のしきい値を超える数のセクタからそれぞれハンドオーバーの対象とすることが可能な信号強度のパイロット信号を受信したか、及び前記移動端末で受信したハンドオーバー中のすべてのセクタからのパイロット信号の信号強度が前記ハンドオーバーの対象とすることが可能な信号強度の範囲内で任意に設定されたしきい値を下まわったかのいずれか一方、または両方の条件が成立するか判定し、前記条件が成立すると前記移動端末に対しセクタの配置が異なる他のキャリア周波数にハードハンドオーバーさせる基地局制御装置を備える。
【0013】本発明の請求項5に係るCDMA移動通信システムは、請求項1、2、3、及び4に係るCDMA移動通信システムにおいて、少なくとも2つの異なるキャリア周波数で互いに異なるセクタの配置構成を有する前記各基地局の代りに、少なくとも2つの異なるキャリア周波数のうち任意のいずれか1つのみをそれぞれ割り当てられた互いに配置場所の異なる各基地局を備え、前記移動端末に対するハードハンドオーバーを行う際、基地局の配置が異なる他のキャリア周波数へのハードハンドオーバーを行う構成を有する。
【0014】本発明の請求項6に係るCDMA移動通信システムは、請求項1、2、3、及び4に係るCDMA移動通信システムにおいて、前記各基地局が、アダプティブアレイアンテナを用いて、同一のアンテナを用いながら、異なるキャリア周波数で異なるセクタ配置構成を有している。
【0015】本発明の請求項7に係る呼切断防止方法は、複数のキャリア周波数の各々に対応した無線エリアを複数のセクタに分割し、それぞれ並行してパイロット信号を送信しながら移動端末との無線送受信を制御する基地局を、同一サービスエリア内において各無線エリアが互いに一部重複するように複数局配置し、移動端末に対し1つのキャリア周波数を用いて複数の基地局の複数のセクタと同時に接続可能としたCDMA移動通信システムのセクタ密集地域での呼切断防止方法において、少なくとも2つの異なるキャリア周波数の各々を、互いに配置場所の異なる前記各基地局にそれぞれ割り当てるか、同一基地局の互いに異なる配置のセクタにそれぞれ割り当てておき、あるキャリア周波数を用いていずれかの基地局と接続中の前記移動端末で、同時に所定のしきい値を超える数のセクタからそれぞれハンドオーバーの対象とすることが可能な信号強度のパイロット信号を受信すると、当該移動端末に対し基地局またはセクタの配置が異なる他のキャリア周波数へのハードハンドオーバーを行う工程を有する。
【0016】本発明の請求項8に係る呼切断防止方法は、請求項7に係る呼切断防止方法と同様の工程において、あるキャリア周波数を用いていずれかの基地局と接続中の前記移動端末で受信したハンドオーバー中のすべてのセクタからのパイロット信号の信号強度が、ハンドオーバーの対象とすることが可能な信号強度の範囲内で任意に設定されたしきい値を下まわると、当該移動端末に対し基地局またはセクタの配置が異なる他のキャリア周波数へのハードハンドオーバーを行う工程を有する。
【0017】本発明の請求項9に係る呼切断防止方法は、請求項7に係る呼切断防止方法と同様の工程において、あるキャリア周波数を用いていずれかの基地局と接続中の前記移動端末で同時に所定のしきい値を超える数のセクタからそれぞれハンドオーバーの対象とすることが可能な信号強度のパイロット信号を受信し、かつ、当該移動端末で受信したハンドオーバー中のすべてのセクタからのパイロット信号の信号強度が、前記ハンドオーバーの対象とすることが可能な信号強度の範囲内で任意に設定されたしきい値を下まわると、当該移動端末に対し基地局またはセクタの配置が異なる他のキャリア周波数へのハードハンドオーバーを行う工程を有する。
【0018】本発明の請求項10に係る呼切断防止方法は、請求項7に係る呼切断防止方法と同様の工程において、前記移動端末で、受信したパイロット信号の信号強度として信号対干渉波電力比を測定し、新たに所定の強度以上のパイロット信号を受信したことを検出すると前記測定結果を含む該当セクタのハンドオーバー追加要求を接続中の基地局に送信するとともに、あらかじめ設定された契機に従いハンドオーバー中のすべてのセクタからのパイロット信号の信号強度報告を接続中の基地局に送信し、前記複数の基地局を統括して前記移動端末との接続を制御する基地局制御装置で、前記基地局を介した前記移動端末からの前記ハンドオーバー追加要求及び前記パイロット信号の信号強度報告を受信すると、あらかじめ設定されたハードハンドオーバーを行うための条件である、前記移動端末で同時に所定のしきい値を超える数のセクタからそれぞれハンドオーバーの対象とすることが可能な信号強度のパイロット信号を受信したか、及び前記移動端末で受信したハンドオーバー中のすべてのセクタからのパイロット信号の信号強度が前記ハンドオーバーの対象とすることが可能な信号強度の範囲内で任意に設定されたしきい値を下まわったかのいずれか一方、または両方の条件が成立するか判定し、前記条件が成立すると前記移動端末に対し基地局またはセクタの配置が異なる他のキャリア周波数にハードハンドオーバーさせる工程を有する。
【0019】
【発明の実施の形態】まず本発明の概要を説明する。CDMA移動通信システムは、互いに一部重複する各基地局のキャリア周波数対応の無線エリアを複数のセクタ(セクタゾーン)に分割し、拡散符号による識別を可能として並行して運用している。本発明では、異なるキャリア周波数の各々を、異なる基地局に割り当てるか、同一基地局の異なる配置のセクタに割り当てておく。すなわち、移動端末側からみると、周波数が変わることにより、通信可能な基地局の配置が異なったり、基地局の配置が同一でもそのセクタの配置が異なることになる。このような状態で、移動端末で同時に所定のしきい値を超える数のセクタからそれぞれハンドオーバーの対象とすることが可能な信号強度のパイロット信号を受信するか、移動端末で受信したハンドオーバー中のすべてのセクタからのパイロット信号の信号強度がハンドオーバーの対象とすることが可能な信号強度の範囲内で任意に設定されたしきい値を下まわるかのいずれか一方が起きるか、あるいは、両方同時に起きると(これらのうち、どの条件とするかは、あらかじめ決めておくことができる)、基地局またはセクタの配置が異なる他のキャリア周波数にハードハンドオーバーを行うことを特徴としている。
【0020】ここで、端末があるセクタをハンドオーバーに追加する仕組みを説明する。通信中の端末は常にパイロット信号(Pilot)をサーチしているが、今まで十分な電力で受信できなかったあるパイロット信号が十分なレベル(信号強度)まで上がってきて、決められた信号電力対干渉波電力比(IS−95システムではT_ADDと呼ぶ:通常、パイロットの1チップ当りのエネルギー対干渉波のエネルギーの比である「Ec/Io」で−11から−16dBの範囲で設定される)を超えると、そのパイロット信号を送信している基地局(BTS)のセクタをハンドオーバー(H/O)に追加するための要求を現在通信中の基地局に対し送信する。ハンドオーバー追加要求を受信した基地局は基地局制御装置(BSC)にそのメッセージを通知する。
【0021】基地局制御装置はそのメッセージを受信後、ハンドオーバー追加が可能か判定し、可能ならば、ハンドオーバー先の基地局に対しハンドオーバー追加の準備を行った後、ハンドオーバー元基地局を経由して移動端末に対しハンドオーバー追加許可を送信する。なお、あるセクタのパイロット信号強度がT_ADDを超えた場合でも、システムの制限等により、ハンドオーバーに追加されるとは限らない。このように、パイロット信号強度がT_ADDを越え、ハンドオーバーに追加されているセクタはアクティブセットと呼ばれ、パイロット信号強度がT_ADDを越えているにもかかわらず、ハンドオーバーに追加されていないセクタはキャンディデイトセットと呼ばれる。このハンドオーバーに追加されていないセクタはすべて、ハンドオーバーに追加されているセクタに対する干渉源となる。
【0022】逆に、端末があるセクタをハンドオーバーから削除する場合は、当該セクタからのパイロット信号の信号強度(信号電力対干渉波電力比)が、T_ADDを下まわっても、T_ADDより低く(例えば、3dB程度低く)設定されたT_DROPを下まわらなければそのセクタをハンドオーバーから削除しない。パイロット信号強度がT_DROPを下まわった時点で、端末はハンドオーバー削除要求を基地局を介して基地局制御装置へ送信する。端末はハンドオーバー削除要求を送信しても、ハンドオーバー削除許可が送られてくるまでそのセクタはハンドオーバーに追加されたままとなり、基地局制御装置からハンドオーバー削除許可を受信した時点でそのセクタの受信を停止する。
【0023】したがって、各セクタからのパイロット信号における「ハンドオーバーの対象とすることが可能な信号強度」とは、該当セクタがまだハンドオーバーに加えられていない場合は、実際に加えられるかどうかは別として、追加要求を行うT_ADDを超える信号強度、該当セクタがすでにハンドオーバーに加えられている場合は、その状態を維持するT_DROP以上の信号強度のことを指す。
【0024】本発明のシステムでは、この端末が、あるセクタをソフト/ソフタハンドオーバーに追加しようとする際、基地局制御装置は、そのセクタを追加したとしてもそのときのハンドオーバーの対象とすることが可能なセクタ数(セクタの合計数)がしきい値よりも少ない場合には通常のハンドオーバー追加処理を行う。追加したことによりセクタ数がしきい値を超えてしまう場合、または、すべての基地局(セクタ)のパイロット電力対干渉波比がしきい値よりも低い場合には、あるいは、これらの両方が同時に起きる場合に、端末に対してセクタの配置が異なる他の周波数へハードハンドオーバーを指示する。なお、ハードハンドオーバーを上記のどの場合に行うかは、あらかじめ基地局制御装置で設定しておくことができる。このように、多セクタからの信号が一度に受信される干渉波の強いエリアにいる端末を他の周波数にハードハンドオーバーさせることによって、当該端末の呼の切断を防ぐことができる。
【0025】次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0026】図1は本発明の一実施の形態を示すシステム構成図である。図1において本例のCDMA移動通信システムは、基地局制御装置10と、複数の基地局A20,B21,C22と、移動端末(以下、端末と略記)30とを有しており、本発明に関わる部分のみを示している。なお、端末30は複数台設けることができる。
【0027】基地局制御装置10は、データの蓄積,処理,通信機能を有しており、基地局A20、基地局B21、及び基地局C22と接続され、これら基地局及び基地局を介した端末30の制御を行う。基地局制御装置10はまた、図示していない移動通信網の交換局と接続され、端末30と通信網に接続された他の端末との通信を制御する。
【0028】この基地局制御装置10は、端末30のハンドオーバー制御の全てを管理しており、端末30ごとのハンドオーバー対象のセクタ数を認識している。また、システム運用者により、ハードハンドオーバーの条件として、端末30で同時に所定のしきい値を超える数のセクタからそれぞれハンドオーバーの対象とすることが可能な信号強度のパイロット信号を受信する第1の条件、端末30で受信したハンドオーバー中のすべてのセクタからのパイロット信号の信号強度がハンドオーバーの対象とすることが可能な信号強度の範囲内で任意に設定されたしきい値を下まわった第2の条件、第1の条件及び第2の条件が同時に成り立つ第3の条件のいずれの条件を採用するかをあらかじめ設定しておくことができる。
【0029】基地局A20、基地局B21、及び基地局C22は、端末30との間の無線回線をそれぞれ複数のキャリア周波数(例えば、F1及びF2の2周波数)、複数のセクタで運用している。各セクタから端末30へ送信されるキャリア周波数(以下、周波数と略記)には通信データ信号の他にパイロット信号が多重され、変調、拡散処理が施されている。また、端末30からの無線信号の復調、復号を行う。基地局A20〜C22は、基地局制御装置10との間を有線伝送路により接続されており、端末30及び基地局制御装置10間の通信データ、制御データの中継を行う。
【0030】端末30は、基地局A20、基地局B21、及び基地局C22の各々と無線で接続され、音声及びデータなどの通信の他、無線回線の接続制御(発着呼、ハンドオーバーなど)のための通信も行う。また、端末30は各基地局(セクタ)からのパイロット信号の電力の強度(信号対干渉波比)を測定する機能を有する。
【0031】図5は、端末30の構成例を示すブロック図であり、本発明に関する部分のみを示す。図5において、端末30はアンテナから受信した基地局からの電波を無線部31の受信部にてベースバンド信号に変換する。受信部から出力されたベースバンド信号は復調部32に入力される。復調部32にはフィンガ(Finger)と呼ばれる複数の復調器があり、それぞれの復調器が独立のサンプルタイミングでデータを復調する。また、復調器の一つはサーチャー(図5中、Finger1がそれに相当)と呼ばれ、パイロット(Pilot)信号を様々なタイミングで逆拡散し、どのタインミングにどんな強度のパイロット信号が存在するかサーチしている。
【0032】IS−95のシステムでは全ての基地局の全てのセクタで同じ信号を同じ拡散符号で送信している。ただし、その送信タイミングがセクタごとに異なる(PNオフセットとよばれる)。また、各基地局は自分のパイロットの送信タイミングと隣接するセルの送信タイミングを報知情報として送信しており、あるタイミング受信したパイロットがどの基地局のどのセクタからのものか、端末は知ることができる。
【0033】復調部32の各フィンガ(Finger1〜n)には現在の受信レベルと逆拡散後の希望信号のレベルを測定する機能があり、それらのレベルから「パイロット信号の信号対干渉波比」や「希望信号の信号対干渉波比」を計算することができる。制御部34は、これらの情報からパイロット信号強度報告を作成し、変調部33の多重化部(MUX)に出力して通信データとともに変調させ、無線部31の送信部より接続中の基地局に送信させる。
【0034】ここで、端末30が送信するパイロット信号強度報告についてさらに詳細に説明する。パイロット信号強度情報を含むメッセージには、PSMM(PilotStrength Measurement Messsage)と、PMR(Power Measurement Report Message)との二つがある。
【0035】PSMMは端末が自発的に送信する、いわゆる「ハンドオーバー追加要求」のようなものであり、あらかじめ指定されたT_ADDの値を現在ハンドオーバー中の基地局(セクタ)以外のセクタからのパイロット信号が越えた場合に送信される。また、ハンドオーバー中のセクタからのパイロット信号強度がT_DROPを下まわった場合にも送信される。IS−95のシステムでは、最大15のセクタからのパイロット信号強度を報告することが可能で、その15のパイロット信号強度は、現在ハンドオーバーに追加してあるもの(アクティブセット)だけでなく、T_ADDを超えながらハンドオーバーに追加されていないもの(キャンディデイトセット)も報告される。
【0036】PMRは基地局から端末に送信される「Power Control Parameter Message」にて、周期的なPMRの送信の設定、エラーフレームがあるしきい値以上発生した場合にPMRを送信するという設定等が行え、それぞれをきっかけとして送信される。さらに、PMRは基地局から送信される「Pilot Measurement Request Order」を端末が受信した場合にも送信される。PMRに関しては現在ハンドオーバーに追加されているものだけが報告され、IS−95のシステムでは、最大6のパイロット信号強度報告が行なえる。
【0037】一方、上述したように、基地局A20、基地局B21、及び基地局C22は複数周波数、複数のセクタで運用を行っているが、そのセクタ構成は、異なる周波数で異なるセクタ構成(セクタの向いている方向:配置が異なる)となっている。図2及び図3は、周波数によりセクタ(セクタゾーン)構成が異なる様子を説明するための模式的セクタ構成図である。図2は周波数F1、図3は周波数F2における各基地局におけるセクタの配置を示している。
【0038】各基地局において、周波数ごとに、物理的に異なるアンテナを異なる方向に向けてセクタを構成している。あるいは、アダプティブアレイアンテナ等を用いて、同一のアンテナを用いながら、各周波数で異なるセクタ構成とすることも可能である。アダプティブアレイアンテナは、複数のアンテナ素子をアレイ状に配置し、各アンテナ素子の受信信号及び送信信号の信号処理時の重み係数(ウエイト)を適応制御することにより、特定方向にアンテナ利得(指向性)を大きく、また小さくさせることができる。なお両図においては、見易くするために、各セクタの大きさは実際より小さく記してある。実際には、図の中心の端末に向かって矢印の記されたセクタは、この端末の所在位置を十分カバーする大きさとなる。
【0039】図2において、各基地局(BTS)A20,B21,C22,D23はそれぞれ、ある周波数F1を使用する3つのセクタα,β,γを有しており、端末30が存在する場所では、基地局A20の2つのセクタβ,γ、基地局B21の1つのセクタβ、基地局C22の2つのセクタα,γ、基地局D23の2つのセクタα,γの7つのセクタからの電波を主に受信できることになる。
【0040】一方、図3において、各基地局(BTS)A20,B21,C22,D23はそれぞれ、他の周波数F2を使用し、図2の配置とは異なる3つのセクタα,β,γを有しており、端末30が存在する場所では、基地局A20の1つのセクタγ、基地局B21の2つのセクタα,β、基地局C22の1つのセクタγ、基地局D23の1つのセクタαの5つのセクタからの電波を主に受信できることになる。
【0041】次に、図1を用いて動作の説明をする。
【0042】基地局A20及び基地局B21を用いて周波数F1で通信中の端末30は、通信しながら基地局A20,B21(のセクタ)と共に他の基地局(のセクタ)からのパイロット信号をサーチしその信号強度(信号電力対干渉波電力比)を測定している。基地局C22に近づき、ハンドオーバー中でない基地局C22からのパイロット信号の信号強度がハンドオーバーに追加するためのしきい値(T_ADD)を超えると(S1)、端末30は、基地局制御装置10に対し、現在通信中の基地局A20及び基地局B21を経由してパイロット強度報告(PSMM)を行う(S2)。
【0043】また端末30は、ハンドオーバ中の基地局(セクタ)からのパイロット信号もサーチ(信号強度測定)しており、ある基地局(セクタ)からのパイロット信号の信号強度がハンドオーバーから削除するためのしきい値(T_DROP)を下まわると、端末30は、基地局制御装置10に対し、通信中の基地局を経由してパイロット強度報告(PSMM)を行う。
【0044】さらに端末30は、基地局からのメッセージによって指定された内容に従い、随時、ハンドオーバ中の各基地局(セクタ)からのパイロット信号に対する信号強度を測定し、基地局制御装置10に対し、通信中の基地局を経由してパイロット強度報告(PMR)を行う(S2)。このPMR報告を行うための設定としては、所定周期時間経過ごと(定期的な報告)、無線回線上のフレームエラーが所定しきい値を超えた場合、基地局から報告要求がある場合の3つの場合がある。
【0045】端末30からのこれらパイロット強度報告(PSMM及びPMR)を受信した基地局制御装置10は、パイロット強度報告の種類及び内容の分析を行い、PSMMからは、新たにハンドオーバーに追加、あるいはハンドオーバーから削除の要求がある基地局(セクタ)の数を検出し、PMRからは、ハンドオーバー中の各基地局(セクタ)ごとのパイロット信号電力対干渉波電力比を検出する。
【0046】また基地局制御装置10は、本発明における特徴的なハードハンドオーバーを行うための条件が、システム管理者によりあらかじめ設定されている。その第1の条件とは、ハンドオーバー中(アクティブセット)のセクタの数とハンドオーバーに追加要求中(キャンディデイトセット)のセクタの数との合計が所定のしきい値(例えば、3〜7間の任意の数:以下、セクタ数しきい値と称す)を超える場合。第2の条件とは、ハンドオーバー中の全セクタにおいてパイロット信号の信号強度(信号電力対干渉波電力比)が、T_DROP以上の任意のしきい値(例えば、T_DROP〜T_ADD+2dB間の任意のレベル:以下、強度しきい値と称す)を超えない場合。第3の条件とは、上記第1の条件と第2の条件とが同時に成立する場合。以上3つの条件のうち、実際にどの条件でハードハンドオーバーを行わせるかが、あらかじめ設定される。この設定は、端末30が複数ある場合、各端末ごとに3つの条件のうちのいずれかを任意に設定することができる。なお、ハンドオーバー中の全セクタにおいてパイロット信号電力対干渉波電力比が、T_DROPを下まわると、全セクタがハンドオーバーからの削除の対象となり、ハードハンドオーバーが必要となってくるのは従来と同様である。
【0047】さらに基地局制御装置10は、各端末30ごとに、現在ハンドオーバー中の全セクタと、ハンドオーバー追加要求中の全セクタとの情報を登録している。
【0048】基地局制御装置10は、上述したパイロット強度報告の分析結果を、設定,登録されたハードハンドオーバー条件と現在のハンドオーバー中及び追加要求中のセクタ数と照合し、端末30に対し他の周波数へハードハンドオーバーさせるか否かを判定する。
【0049】ハードハンドオーバーの条件として上記第1の条件(ハンドオーバー中及び追加要求中のセクタ数の合計数がセクタ数しきい値を超える場合)が設定されている場合は、パイロット強度報告(PSMM)でハンドオーバー追加要求されたセクタの数を、その報告以前にすでにハンドオーバー中及び追加要求中とされたセクタの数に加算し、その合計数とセクタ数しきい値とを比較する。合計数がセクタ数しきい値を超えていなければ、報告のあったセクタを端末30におけるハンドオーバーに追加させるか(アクティブセット)、追加要求中とさせる(キャンディデイトセット)。合計数がセクタ数しきい値を超えていれば、端末30に対し他の利用可能な周波数にハードハンドオーバーさせる。
【0050】ハードハンドオーバーの条件として上記第2の条件(ハンドオーバー中の全セクタのパイロット信号強度が強度しきい値を超えない場合)が設定されている場合は、パイロット強度報告(PMR)で報告されたハンドオーバー中の各セクタのパイロット信号強度を強度しきい値とそれぞれ比較する。いずれか1つのセクタでもそのパイロット信号強度が強度しきい値を超えていれば、端末30に対するハードハンドオーバーは行なわない。すべのセクタにおいてそのパイロット信号強度が強度しきい値を超えない場合は、端末30に対し他の利用可能な周波数にハードハンドオーバーさせる。
【0051】ハードハンドオーバーの条件として上記第3の条件(第1の条件、且つ、第2の条件)が設定されている場合は、第1の条件による判定結果と、第2の条件による判定結果とで共にハードハンドオーバーが必要と判定された場合に、端末30に対し他の利用可能な周波数にハードハンドオーバーさせる。
【0052】基地局制御装置10は、上述の各種条件における判定の結果、端末30に対しハードハンドオーバーさせる必要があると判定した場合は、端末30と通信中の各基地局に対し設定信号を送信し、端末30を他の周波数F2にハードハンドオーバーさせるための設定を行う(S3)。なお当然のことながら、この周波数F2では、上記ハードハンドオーバーの条件が成立していないものとする。その後、基地局制御装置10は基地局A20及び基地局B21を経由して端末30に対しハードハンドオーバー制御の信号を送信する(S4)。
【0053】ハードハンドオーバー制御の信号を受信した端末30は、周波数F2に移動する制御を行い、F2で通信を再開する。これにより、周波数F1のままだったら起きる可能性の高かった呼切断を防止することができる。
【0054】次に、本発明の他の実施の形態について説明する。
【0055】図4に示すように、基地局におけるセクタ構成を変えるのではなく、基地局の配置そのものを周波数ごとに変えることで同様な効果を得ることができる。図4において、基地局(BTS)A20,B21,C22,D23はそれぞれ、周波数F1を使用する3つのセクタα,β,γを有している。基地局(BTS)E24,F25,G26,H27はそれぞれ、周波数F2を使用する3つのセクタα,β,γを有している。端末30が周波数F2を使用するとき、基地局E24のセクタγ、基地局F25のセクタβ、基地局G26のセクタβ、基地局H27のセクタγと接続可能となる。
【0056】
【発明の効果】本発明によれば、複数の基地局からの信号が受信できる場所(セクタ密集地域)にある移動端末において、各基地局からの送信波の電界は強いにもかかわらず、各基地局からの送信波が互いに干渉波となり、安定した下り信号の受信が行えない場合に、基地局配置構成、または同一基地局内セクタ配置構成の異なる他のキャリア周波数にハードハンドオーバーを行うので、通信中の端末が異常切断してしまうことを防ぐことができる。




 

 


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