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発明の名称 磁気記録媒体及びその製造方法並びに磁気記憶装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2003−217114(P2003−217114A)
公開日 平成15年7月31日(2003.7.31)
出願番号 特願2002−325107(P2002−325107)
出願日 平成14年11月8日(2002.11.8)
代理人 【識別番号】100099793
【弁理士】
【氏名又は名称】川北 喜十郎
【テーマコード(参考)】
5D006
【Fターム(参考)】
5D006 BB01 BB06 BB07 BB08 BB09 CA01 CA03 CA04 CA05 CA06 DA08 
発明者 小沼 剛 / 矢野 亮 / 松沼 悟 / 高山 孝信
要約 課題
熱安定性に優れノイズの低い高密度記録用の磁気記録媒体及び磁気記憶装置を提供する。

解決手段
磁気記録媒体100は、基板1上に軟磁性層3、シード層5、人工格子構造を有する記録層6を備える。シード層5を例えばPdとSiとから形成する。これにより記録層6の面内方向の磁気的交換結合力を弱めることができる。記録層6に微細な記録磁区が形成できるとともに磁化遷移領域も明瞭となり、ノイズが低減する。すなわち、高密度に情報を記録しても低ノイズで再生できる。人工格子構造の記録層6は高い磁気異方性を有するので熱安定性に優れる。かかる磁気記録媒体を備える磁気記憶装置は150ギガビット/平方インチの面記録密度を達成できる。
特許請求の範囲
【請求項1】 磁気記録媒体であって、基板と;該基板上に直接または間接的に形成され、且つPdと、Si、B、C及びZrからなる群から選ばれる少なくとも1種とから形成されたシード層と;該シード層上に直接形成され、Pt及びPdの少なくとも一方の白金族層とCo層とを交互に積層して形成され、且つ酸素を含まない磁気記録層と;を備える磁気記録媒体。
【請求項2】 前記シード層が、50at%〜90at%のPdと、10at%〜50at%のSiとから形成されていることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
【請求項3】 前記シード層が、40at%〜80at%のPdと、20at%〜60at%のBとから形成されていることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
【請求項4】 前記シード層が微結晶構造または部分的に非晶質を含む結晶構造を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の磁気記録媒体。
【請求項5】 前記シード層の膜厚が1nm〜30nmの範囲内にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の磁気記録媒体。
【請求項6】 前記記録層が人工格子構造を有し且つ垂直磁化を示し、前記磁気記録媒体がさらに前記基板と前記シード層との間に軟磁性層を備えることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
【請求項7】 前記軟磁性層が、Fe中にTa、Nb及びZrからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素の窒化物または炭化物を分散させてなる構造を有することを特徴とする請求項6に記載の磁気記録媒体。
【請求項8】 前記軟磁性層が、Co−Zrを主体とし、これにTa、Nb及びTiからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含む非晶質合金を用いて形成されていることを特徴とする請求項6に記載の磁気記録媒体。
【請求項9】 前記軟磁性層とシード層との間に、鉄酸化物を含む酸化物層を備えることを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項に記載の磁気記録媒体。
【請求項10】 前記酸化物層の膜厚が30nm以下であることを特徴とする請求項9に記載の磁気記録媒体。
【請求項11】 前記記録層が、Co層とPd層との人工格子層、またはCo層とPt層との人工格子層であり、Coが基板表面に平行な方向に不連続に分布していることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の磁気記録媒体。
【請求項12】 前記記録層中に、Si、B、C及びZrからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含むことを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
【請求項13】 前記記録層が、Pd層とCo層とを交互に積層して形成された人工格子層であり、前記人工格子層は、Bを含み、Bの含有量がPdとBの合計量に対して10at%〜40at%であることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
【請求項14】 前記記録層が結晶粒子の集合体から構成され、各結晶粒子は前記基板の表面に対して垂直な方向に円柱状に延び且つその先端が記録層表面において隆起しており、該結晶粒子の直径が2nm〜15nmの範囲内にあり、該結晶粒子の隆起の高さが1nm〜10nmであることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の磁気記録媒体。
【請求項15】 前記記録層が、0.05nm〜0.5nmの範囲内の膜厚を有するCo層と、0.5nm〜2nmの範囲内の膜厚を有するPd層とを交互に積層して形成されたCo/Pd人工格子層であることを特徴とする請求項11〜14のいずれか一項に記載の磁気記録媒体。
【請求項16】 前記記録層が、0.05nm〜0.5nmの範囲内の膜厚を有するCo層と、0.1nm〜2nmの範囲内の膜厚を有するPt層とを交互に積層して形成されたCo/Pt人工格子層であることを特徴とする請求項11〜14のいずれか一項に記載の磁気記録媒体。
【請求項17】 磁気記録媒体であって、基板と;該基板上に直接または間接的に形成され、且つPd及びBを含むシード層と;該シード層上に直接形成され、且つPt及びPdの少なくとも一方とBとを含む磁気記録層と;を備え、前記シード層中のBの平均濃度が前記記録層中のBの平均濃度よりも高く、前記記録層の前記シード層側の境界面におけるB濃度B1と、前記記録層の前記シード層側の境界面及び前記記録層の前記シード層側とは反対側の境界面の中間におけるB濃度B2との間に、B1>B2の関係が成立する磁気記録媒体。
【請求項18】 前記B濃度B1が17.0〜70.0at%であり、前記B濃度B2が6.0〜17.0at%であることを特徴とする請求項17に記載の磁気記録媒体。
【請求項19】 前記記録層内の膜厚方向に0.2〜4.2at%/nmのBの濃度勾配を有することを特徴とする請求項17または18に記載の磁気記録媒体。
【請求項20】 基板上に直接または間接的に、Pdと、Si、B、C及びZrからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素とを含むシード層を形成することと;該シード層上に直接、Pt及びPdの少なくとも一方の白金族層とCo層とを交互に積層し、且つ酸素を含まない磁気記録層を形成することと;を含む磁気記録媒体の製造方法。
【請求項21】 前記シード層がPdとBを含み且つ前記記録層がBを含み、前記シード層形成材料中のBの含有量Bsと、前記記録層形成材料中のBの含有量Brとの間に、Bs>Brの条件が成立することを特徴とする請求項20に記載の製造方法。
【請求項22】 請求項1に記載の磁気記録媒体と;情報を記録または再生するための磁気ヘッドと;前記磁気記録媒体を前記磁気ヘッドに対して駆動するための駆動装置と;を備えることを特徴とする磁気記憶装置。
【請求項23】 前記磁気ヘッドは磁気抵抗効果型磁気ヘッドを含むことを特徴とする請求項22に記載の磁気記憶装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体及び磁気記憶装置に関し、更に詳細には、大量の情報を迅速かつ正確に記録し、記録した情報を低ノイズで再生するための磁気記録媒体及びその製造方法並びにその磁気記録媒体を用いた磁気記憶装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の高度情報化社会の進展に対応して、情報記録装置の大容量化・高密度化に対するニーズは高まる一方である。かかるニーズに応える情報記録装置の一つとして磁気記憶装置が知られている。磁気記憶装置は、例えば、大型サーバー、並列型コンピュータ、パーソナルコンピュータ、ネットワークサーバー、ムービーサーバー、モバイルPC等の大容量記憶装置として使用されている。磁気記憶装置は、情報が記録される磁気記録媒体と、磁気記録媒体の情報を記録再生するための磁気ヘッドを備える。磁気記録媒体は、円板状の基板の上に記録層としてコバルト合金などの強磁性薄膜がスパッタ法などにより形成されており、記録層上には、耐摺動性、耐食性を高めるために、保護層と潤滑膜が形成されている。
【0003】磁気記憶装置の大容量化に伴って、磁気記録媒体の記録層に微細な記録磁区を記録することによる磁気記録媒体の記録密度の向上が進められており、記録磁区を微細に記録するための方法として垂直磁気記録方式が注目されている。垂直磁気記録方式では、垂直磁化を示す記録層を有する磁気記録媒体を用いて、記録層に垂直磁化を有する磁区を形成することによって磁気記録を行なう。かかる垂直磁気記録方式では記録層に微細な磁区を形成できるため磁気記録媒体の記録密度を高めることができる。
【0004】かかる垂直磁気記録方式に従う磁気記録媒体の記録層の材料としては、従来、Co−Cr系の多結晶膜が用いられてきた。この多結晶膜は、強磁性を有するCoリッチな領域と非磁性のCrリッチな領域とが互いに分離された構造を有し、非磁性領域が、隣り合う強磁性領域の間で働く磁気的相互作用を断ち切っている。
【0005】磁気記録媒体の面記録密度を更に向上させるためには、媒体ノイズを低減させる必要がある。そのためには、磁化反転単位の微細化や読み取りヘッドの高感度化が有効なことがわかっている。このうち、磁化反転単位の微細化は、磁性結晶粒の微細化が有効であることがわかっている。しかし、磁性結晶粒をあまり微細化してしまうと、磁性結晶粒の磁化状態が熱的に不安定になる、いわゆる熱減磁を起こしてしまう。これを防ぐために、例えば、特開平8−30951号公報には、非磁性基板上に、軟磁性層、炭素からなる第1シード層、第2シード層及び人工格子構造を持つ記録膜を順に積層した磁気記録媒体が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、人工格子多層膜や規則格子合金膜は高い磁気異方性を有するため、熱擾乱に対して高い耐性が期待される。しかし、これらの膜はCo−Cr系多結晶膜と異なり、面内方向(基板表面に対して平行な方向)の磁気的相互作用が強いために小さな磁区が形成できす、転移性の媒体ノイズが大きいという欠点があった。前述の特開平8−30951号公報に開示されている磁気記録媒体では、軟磁性層上に形成した炭素からなる第1シード層の上にPtまたはPdからなる第2シード層を設け、その上にCo/PtあるいはCo/Pd人工格子層を形成することにより、人工格子層の結晶配向を向上させ、垂直磁気異方性を高くして保磁力を向上させている。しかしながら、かかる磁気記録媒体では、記録層の面内方向の磁気的交換結合力が強くなり、線記録密度が高くなったときにジッターとして現れる遷移ノイズが高くなってしまい、高記録密度の記録再生は困難であった。また、第1シード層と第2シード層の2つのシード層を用いているため、磁気ヘッドからの書き込み磁界が軟磁性層まで有効に到達せず、飽和記録特性が劣るという問題があった。
【0007】第24回日本応用磁気学会学術講演会(2000)において、大森らは、基板上に、シード層としてAu−SiOとPdB−Oとを用い、記録層としてCoB−O層とPdB−O層とからなる人工格子層を用いた磁気記録媒体を開示している。
【0008】また、AIT−MINT Workshop 2001において、JackH.Judyらは、シード層としてITO(Indium-Tin-Oxide)/Pdを用い、記録層としてCoB層とPd層とからなる人工格子層を用いた磁気記録媒体を開示している。
【0009】本発明は、上記従来技術の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、記録層の面内方向の磁気的交換結合力が低く、遷移ノイズの低減された磁気記録媒体を提供することにある。
【0010】本発明の別の目的は、優れた耐熱擾乱特性を備え、高い面記録密度で情報を記録してもその情報を高S/Nで再生できる磁気記憶装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の態様に従えば、磁気記録媒体であって、基板と;該基板上に直接または間接的に形成され、且つPdと、Si、B、C及びZrからなる群から選ばれる少なくとも1種とから形成されたシード層と;該シード層上に直接形成され、Pt及びPdの少なくとも一方の白金族層とCo層とを交互に積層して形成され、且つ酸素を含まない磁気記録層と;を備える磁気記録媒体が提供される。
【0012】本発明の磁気記録媒体は、記録層の下地として、Pd元素と、Si、B、C及びZrからなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素とからなるシード層を備えている。シード層は、特に、PdとSi、または、PdとBとから形成されていることが好ましい。シード層をPdとSiとから形成した場合は、50at%〜90at%のPdと、10at%〜50at%のSiとから形成されていることが望ましい。また、シード層をPdとBとから形成した場合は、40at%〜80at%のPdと、20at%〜60at%のBとから形成されていることが好ましい。シード層は、微結晶構造あるいは微結晶の構造内に部分的に非晶質が存在するような構造を有することが好ましい。
【0013】本発明においてシード層は、その上に形成される記録層の結晶配向性を最適に制御することができる。シード層を、例えば、Pd結晶のみから形成した場合、中間層上には粒界が不明瞭な記録層が形成され、記録層の結晶粒子間で働く面内方向における磁気的交換結合力が強くなる。それゆえ、記録層に形成される記録磁区のサイズが大きくなってしまい、微細な記録磁区を形成することができなかった。一方、シード層を、例えば、PdとSiまたはPdとBから形成すると、SiまたはBがPd中に偏析して存在する。かかるシード層上に形成される記録層は、シード層中のPdを核として成長するため、記録層に明瞭な結晶粒界が形成され、結晶粒子間で働く面内方向の磁気的交換結合力が低減される。また、シード層中のPdとSiまたはPdとBの比率を所定の値に制御することにより、記録層の結晶配向と面内方向の交換結合力とを最適化することができる。したがって、記録層に微細な記録磁区を確実に形成することができるとともに、磁化遷移領域も明瞭となるためノイズを低減することができる。すなわち、本発明の磁気記録媒体は低ノイズ性と高分解能の相反する特性を両立することができる。
【0014】シード層の膜厚は1nm〜30nmの範囲内にあることが望ましい。シード層の膜厚が1nm未満では、その上の記録層の結晶配向を制御できなくなるおそれがある。また、30nmより厚いと記録用磁気ヘッドの磁極と軟磁性層との距離が増加して、記録用磁気ヘッドからの記録磁界が記録層に十分に印加されなくなるおそれがある。また、記録層に、記録用磁気ヘッドからの磁界が広がった状態で印加されてしまい分解能が低下したり、磁化遷移領域の乱れが増加してジッター性のノイズの原因となるおそれがある。
【0015】本発明の磁気記録媒体において、記録層はシード層上に直接形成され、主として白金族元素とCoとから構成され、白金族元素とCoとを数原子程度または単原子程度の厚みで交互に積層した交互積層多層膜である。白金族元素は例えばPt及びPdの少なくとも一方を用い得る。かかる膜は室温または比較的低い基板温度で成膜することができ、しかも大きな磁気異方性を有するため、高密度記録用の記録層として最適である。本発明の磁気記録媒体において、記録層は酸素(O)を含まない。また、記録層は人工格子構造を有し且つ垂直磁化を示すことが望ましい。
【0016】本明細書において、用語「人工格子構造」とは、複数の異なる物質を単原子或いは数原子の厚さで一方向に互いに周期的に積層して得られる構造を意味する。かかる人工格子構造を有する膜のことを人工格子膜或いは交互積層多層膜とも呼ぶ。
【0017】記録層としては、0.05nm〜0.5nmの範囲から選択された膜厚を有するCo層と、0.5nm〜2nmの範囲内から選択された膜厚を有するPd層とを交互に積層したCo/Pd人工格子膜、あるいは、0.05nm〜0.5nmの範囲内から選択された膜厚を有するCo層と、0.1nm〜2nmの範囲内から選択された膜厚を有するPt層とを交互に積層したCo/Pt人工格子膜であることが望ましい。かかる構造の人工格子膜は最も垂直磁気異方性が発現しやすい。
【0018】本発明の磁気記録媒体において、上述のCo/Pd人工格子層、またはCo/Pt人工格子層を用いて記録層を形成した場合、Pd層あるいはPt層に添加元素を含んでもよい。このように、Pd層あるいはPt層中に添加元素を含ませることによって組成の揺らぎが発生し、記録層の面内方向の磁気的交換結合力を低減することができる。添加元素は、Si、Zr、CまたはBが望ましく、特にBが好ましい。Pd層あるいはPt層への添加であればCo層への添加に比べて垂直磁気異方性の低下が少ない。
【0019】また、Co/Pd人工格子層、あるいはCo/Pt人工格子層中のCoは面内方向において不連続に分布していることが好ましい。人工格子層中で不連続に分布しているCoは磁気的交換結合力を部分的に切断するので、記録層の面内方向の磁気的交換結合力を低減することができる。
【0020】また、記録層は、例えば、円柱形状(カラム状)の結晶粒子の集合体から形成され得る。カラム状の結晶粒子の直径は2nm〜15nmにし得、結晶粒子の表面の最上部と、最下部(結晶粒子の境界部の高さ位置)との差は1nm〜10nmにし得る。かかる構造を有する記録層は面内方向の磁気的交換結合力が低減しており、記録層に微細な記録磁区を形成しても、その磁区は安定に存在し、また、磁化遷移領域の直線性も高い。それゆえ、再生時にノイズを一層低減することができる。
【0021】本発明において、記録層は、通常のスパッタ装置を用いて成膜することが可能であり、例えば、異なる材料から構成された2つ以上のターゲットを並設し、それぞれのターゲットに対して基板キャリアを交互に相対移動させることによっても形成することができる。或いは、直径の異なる少なくとも2種類のリング型ターゲットを同一平面で且つ同軸上に配置し、それらターゲットに対向するように基板を配置させ、リング型ターゲットを交互に放電させることにより成膜することも可能である。
【0022】記録膜の膜厚としては、磁気特性の点から5nm〜60nmが好適である。記録層は、基板表面に対して垂直な方向で測定したときの保磁力が1.5〔kOe〕〜10〔kOe(キロエルステッド)〕であることが望ましく、記録層の膜厚tと残留磁化Mrの積である(Mr・t)が、0.3〜1.0m〔emu/cm〕の範囲にあることが望ましい。保磁力が1.5〔kOe〕よりも小さくなると、高記録密度(600kFCI以上)で記録した情報を再生したときの出力が小さくなるおそれがある。また、磁気異方性エネルギーが小さくなり、熱減磁しやすくなるおそれがある。また、Mr・tの値が1.0m〔emu/cm〕より大きくなると分解能が低下し、0.3m〔emu/cm〕よりも小さくなると出力が小さくなりすぎるため、150ギガビット/平方インチ以上の高記録密度を行ったときに十分な記録再生特性を得ることが困難となる。
【0023】本発明の磁気記録媒体では、基板とシード層との間に軟磁性層を備えていても良い。軟磁性層は、磁気ヘッドからの磁界を記録層に効率的に印加するという観点から、Fe中にTa、Nb、Zrのうちより選ばれる少なくとも1種類の元素の窒化物あるいは炭化物を均一に分散させた微結晶構造を有する軟磁性膜が好適である。また、かかる材料以外に、例えば、Co−Zrを主体とし、これにTa、Nb、Tiのうちより選ばれる少なくとも1種類の元素を含んだ非晶質合金であってもよい。これらの軟磁性膜は1.5T以上の大きな飽和磁束密度を有するため高密度記録に適している。具体的な材料としては、高透磁率を有するNiFe、CoTaZr、CoNbZr、FeTaC等を用いることができ、これらの材料からなる磁性層は、膜厚1000nm以下でスパッタ法や蒸着等によって形成することができる。
【0024】本発明の磁気記録媒体は、軟磁性層とシード層との間に鉄酸化物を含む酸化物層を備え得る。酸化物層は、鉄酸化物を主成分(全体の80vol%以上)として含んでおり、かかる酸化物層は、例えば、鉄と酸素との反応性スパッタ法、もしくは高温酸化法によって作製することができる。鉄酸化物を主成分とする酸化物層の厚さは、磁気スペーシングとなって記録効率が低下しないようにするために30nm以下であることが好ましい。
【0025】鉄酸化物を主成分として含む酸化物層は、PdとSiまたはPdとBを含むシード層に対して濡れ性が低い。それゆえ、酸化物層上にかかるシード層を形成すると、まず、シード層の結晶粒子の核が面内方向において島状(アイランド状)に分散して発生し、酸化物層上で分散して発生した核を単位としてシード層の結晶粒子がそれぞれ成長する。このため、シード層には、微細に分散した結晶粒子の集合体が形成されることになる。更に、シード層の結晶粒子は、記録層の磁性粒子が成長するための核として機能する。それゆえ、シード層上に記録層を形成すれば、記録層の磁性粒子は、シード層の微細な結晶粒子を単位として個別に且つ孤立した状態で成長する。このため記録層には比較的微小な磁性粒子が得られることになる。このように、鉄酸化物を含む酸化物層上に、PdとSiまたはPdとBとを含むシード層を形成し、かかるシード層上に記録層を形成することにより、記録層に極めて微細な結晶粒子の集合体を極めて容易に形成することができる。かかる記録層には、微小な記録磁区を形成することができるとともに磁化遷移領域も極めて明瞭になるため、従来よりもノイズを低減することができると考えられる。
【0026】本発明の磁気記録媒体の基板は、例えば、アルミニウム・マグネシウム合金基板、ガラス基板、グラファイト基板などの非磁性基板を用い得る。アルミニウム・マグネシウム合金基板には、表面をニッケル・リンでメッキしてもよい。基板を回転させながら、基板表面にダイヤモンド砥粒や研磨用テープを押し当てることにより基板表面を平坦に処理してもよい。これにより、磁気記録媒体上を磁気ヘッドを浮上させたときに、磁気ヘッドの走行特性を向上させることができる。基板表面の中心線粗さRaは、基板上に形成される保護層の中心線粗さが1nm以下となるように望ましい。ガラス基板においては、強酸などの薬品により表面を化学的にエッチングして平坦化してもよい。また、化学的に表面に微細な高さ、例えば、1nm以下の突起を形成することにより、負圧スライダーを用いた場合に安定な低浮上量を実現することができる。
【0027】磁気記録媒体の基板上には、前記軟磁性層を成膜する前に密着性を向上させるためにTiなどの接着層を形成しても良い。
【0028】本発明の磁気記録媒体は記録層上に保護層を備え得る。保護層としては、例えば、非晶質炭素、ケイ素含有非晶質炭素、窒素含有非晶質炭素、ホウ素含有非晶質炭素、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム及び立方晶窒化ホウ素のうちのいずれか一種を好適に用いることができる。これら非晶質炭素保護層の形成方法としては、例えば、グラファイトをターゲットとした不活性ガス中、あるいは不活性ガスとメタンなどの炭化水素ガスの混合ガス中のスパッタリングによって形成する方法や、炭化水素ガス、アルコール、アセトン、アダマンタンなどの有機化合物を単独あるいは水素ガス、不活性ガスなどを混合してプラズマCVDにより形成する方法、あるいは有機化合物をイオン化して電圧をかけて加速し、基板に衝突させて形成する方法などがある。更には、高出力のレーザー光をレンズで集光し、グラファイト等のターゲットに照射するアブレーション法によって保護層を形成してもよい。
【0029】保護層の上には、耐摺動特性を良好なものにするために、潤滑剤を塗布することができる。潤滑剤としては、主鎖構造が炭素、フッ素、酸素の3つの元素からなるパーフルオロポリエーテル系高分子潤滑剤が用いられる。或いは、フッ素置換アルキル化合物を潤滑剤として用いることもできる。安定な摺動と耐久性を有する材料であれば、他の有機系潤滑剤や無機系潤滑剤を用いてもよい。
【0030】これらの潤滑剤の形成方法としては溶液塗布法が一般的である。また、地球温暖化を防ぐため、あるいは工程を簡略化するために、溶剤を使わない光CVD法によって潤滑膜を形成してもよい。光CVD法は、フッ化オレフィンと酸素の気体原料に紫外光を照射することによって行われる。
【0031】潤滑剤の膜厚としては、平均値として0.5nm〜3nmが適当である。0.5nmより薄いと、潤滑特性が低下し、3nmよりも厚くなるとメニスカス力が大きくなり、磁気ヘッドと磁気ディスクの静摩擦力(スティクション)が大きくなるため好ましくない。これら潤滑膜を形成した後に100℃前後の熱を1〜2時間窒素中あるいは空気中で与えてもよい。これにより、余分な溶剤や低分子量成分を飛ばして潤滑膜と保護層の密着性を向上させることができる。かかる後処理以外に、例えば、潤滑膜形成後に紫外線ランプにより紫外線を短時間照射させる方法を用いてもよく、かかる方法によっても同様の効果が得られる。
【0032】本発明の第2の態様に従えば、磁気記録媒体であって、基板と;該基板上に直接または間接的に形成され、且つPd及びBを含むシード層と;該シード層上に直接形成され、且つPt及びPdの少なくとも一方とBとを含む磁気記録層と;を備え、前記シード層中のBの平均濃度が前記記録層中のBの平均濃度よりも高く、前記記録層の前記シード層側の境界面におけるB濃度B1と、前記記録層の前記シード層側の境界面及び前記記録層の前記シード層側とは反対側の境界面の中間におけるB濃度B2との間に、B1>B2の関係が成立する磁気記録媒体が提供される。
【0033】本発明の第2の態様の磁気記録媒体では、上記シード層がPdとBを含み、シード層中のBの平均濃度が上記記録層中のBの平均濃度よりも高く、上記記録層の上記シード層側の境界面におけるB濃度B1と、上記記録層の上記シード層側の境界面及び上記記録層の上記シード層側とは反対側の境界面の中間におけるB濃度B2との間に、B1>B2の関係が成立することが好ましい。この場合、B濃度B1が17.0〜70.0at%であり、上記B濃度B2が6.0〜17.0at%であることが望ましい。また、上記記録層内の膜厚方向に0.2〜4.2at%/nmのBの濃度勾配を有することが望ましい。
【0034】本発明の第3の態様に従えば、基板上に直接または間接的に、Pdと、Si、B、C及びZrからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素とを含むシード層を形成することと;該シード層上に直接、Pt及びPdの少なくとも一方の白金族層とCo層とを交互に積層し、且つ酸素を含まない磁気記録層を形成することと;を含む磁気記録媒体の製造方法が提供される。
【0035】上記シード層がPdとBを含み且つ上記記録層がBを含み、上記シード層形成材料中のBの含有量Bsと、上記記録層形成材料中のBの含有量Brとの間に、Bs>Brの条件が成立することが望ましい。成膜時にシード層のBの含有量を記録層のBの含有量より十分大きくすることにより、シード層内のBの一部を記録層へ拡散させ、記録層内の結晶粒界部におけるBの偏析を促進し、記録層内の結晶粒間の磁気的相互作用を一層低減することができる。
【0036】本発明の第4の態様に従えば、第1の態様の磁気記録媒体と;情報を記録または再生するための磁気ヘッドと;上記磁気記録媒体を上記磁気ヘッドに対して駆動するための駆動装置と;を備えることを特徴とする磁気記憶装置が提供される。
【0037】本発明の磁気記憶装置は、本発明の第1の態様の磁気記録媒体を備えるので、高い面記録密度で情報を記録してもその情報を高S/Nで再生できるとともに、優れた耐熱擾乱特性を備えている。
【0038】本発明の磁気記憶装置において、磁気ヘッドは、磁気記録媒体に情報を記録するための記録用磁気ヘッドと、磁気記録媒体に記録された情報を再生するための再生用磁気ヘッドとから構成され得る。記録用磁気ヘッドのギャップ長は、0.2μm〜0.02μmが望ましい。ギャップ長が0.2μmを越えると、400kFCI以上の高い線記録密度で記録することが困難になる。また、ギャップ長が0.02μmより小さい記録ヘッドは製造が困難であり、静電気誘起による素子破壊が起こりやすくなる。
【0039】再生用磁気ヘッドは、磁気抵抗効果素子を用いて構成することができる。再生用磁気ヘッドの再生シールド間隔は、0.2μm〜0.02μmが望ましい。再生シールド間隔は、再生分解能に直接関係し、短いほど分解能が高くなる。再生シールド間隔の下限値は、素子の安定性、信頼性、耐電気特性、出力等に応じて上記範囲内で適宜選択することが望ましい。
【0040】本発明の磁気記憶装置において、駆動装置は、磁気記録媒体を回転駆動させるスピンドルを用いて構成することができ、スピンドルの回転速度は毎分3000回転〜20000回転が望ましい。毎分3000回転より遅いとデータ転送速度が低くなるため好ましくない。また、毎分20000回転を越えると、スピンドルの騒音や発熱が大きくなるため望ましくない。これらの回転速度を勘案すると、磁気記録媒体と磁気ヘッドの最適な相対速度は2m/秒〜30m/秒となる。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、本発明に従う磁気記録媒体及びそれを用いた磁気記憶装置の実施例について図面を用いて具体的に説明する。以下の実施例では、磁気記録媒体として、磁気ディスク(ハードディスク)を作製したが、本発明は、フレキシブルディスク、磁気テープ、磁気カードなどのように、記録または再生時に磁気ヘッドと磁気記録媒体が接触するタイプの記録媒体にも適用できる。
【0042】
【実施例1】図1に、本発明の磁気記録媒体の概略断面図を示す。磁気記録媒体100は、密着層2を有する基板1上に、軟磁性層3、鉄酸化物層4、シード層5、記録層6、保護層7及び潤滑層8を備える。かかる積層構造を有する磁気記録媒体100を次のような方法により製造した。
【0043】まず、直径65mmのガラス基板1を用意し、ガラス基板1上に連続スパッタ装置により、密着層2として厚さ5nmのTiを成膜した。
【0044】次いで、密着層2上に、軟磁性層3として、Fe79Ta12を膜厚400nmにて成膜した。更に、成膜されたFe79Ta12を真空中でカーボンヒーターにより450℃の温度で30秒間加熱した後、徐冷した。こうしてFeの微結晶を含有する軟磁性層3を形成した。
【0045】つぎに、軟磁性層3上に鉄酸化物層4を反応性スパッタ法により成膜した。すなわち、アルゴンと酸素の混合ガス(アルゴンに対する酸素の流量比が20%)を導入しながらFeターゲットをDCスパッタした。かかる反応性スパッタにより、鉄酸化物層4を5nmの膜厚で形成した。
【0046】次いで、鉄酸化物層4が形成された基板1を、同心円のリングターゲットを用いるスパッタチャンバーに移送し、鉄酸化物層4上にシード層5を成膜した。シード層5の成膜では、チャンバー内にアルゴンガスを導入しながら、PdターゲットとSiターゲットをそれぞれDCスパッタした。これにより、鉄酸化物層4上に、74at%のPdと、26at%のSiとからなるシード層5を膜厚4nmで成膜した。
【0047】つぎに、シード層5上に人工格子構造の記録層6を成膜した。記録層6の成膜では、Arガス中で、CoターゲットとPdターゲットのシャッターを交互に開閉しながらDCスパッタして、Co層とPd層とが交互に積層された人工格子構造の記録層6を形成した。Co層の1層あたりの膜厚は0.11nm、Pd層の1層あたりの膜厚は0.92nmであり、Pd層とCo層の積層数は、Pd層が26層であり、Co層が25層であった。
【0048】次いで、記録層6上に、アモルファスカーボンからなる保護層7をプラズマCVD法により膜厚3nmにて形成した。保護層7の形成後、基板を成膜装置から取り出した。最後に、保護層7上にパーフルオロポリエーテル系潤滑剤を1nmの厚さで溶液塗布して潤滑層8を形成した。
【0049】こうして図1に示す積層構造を有する磁気記録媒体100を作製した。
【0050】つぎに、作製した磁気記録媒体100を、図2に模式的に示すような平面構造を有する磁気記憶装置200に組み込んだ。磁気記憶装置200は、磁気記録媒体100と、磁気記録媒体100を回転駆動するための回転駆動部18と、磁気ヘッド10と、磁気ヘッド10を磁気記録媒体上で所望の位置に移動させるヘッド駆動装置11と、記録再生信号処理装置12を備える。磁気ヘッド10は、単磁極型書き込み素子とGMR(Giant Magneto-Resistive)読み込み素子を備え、ヘッド駆動装置11のアームの先端に設けられている。磁気ヘッド10の単磁極型書き込み素子は、情報記録時に磁気記録媒体に記録するデータに応じた磁界を印加して磁気記録媒体に情報を記録することができる。磁気ヘッド10のGMR読み込み素子は、磁気記録媒体からの漏洩磁界の変化を検出して磁気記録媒体に記録されている情報を再生することができる。記録再生信号処理装置12は、磁気記録媒体100に記録するデータを符号化して磁気ヘッド10の単磁極型書き込み素子に記録信号を送信することができる。また、記録再生信号処理装置12は、磁気ヘッド10のGMR読み込み素子により検出された磁気記録媒体100からの再生信号を復号することができる。
【0051】かかる磁気記憶装置200を駆動し、磁気的スペーシング(磁気ヘッド10の主磁極表面と磁気記録媒体9の記録層表面との距離)を13nmに維持しながら、線記録密度1000kBPI、トラック密度150kTPIの条件にて情報を記録し、記録した情報を再生して記録再生特性を評価したところ、トータルS/Nとして24.5dBを得た。更に、面記録密度150ギガビット/平方インチの記録密度にて記録再生することができた。また、ヘッドシーク試験として、磁気ヘッドを磁気記録媒体上の内周から外周まで10万回シークさせ、かかるヘッドシーク試験後に磁気記録媒体のビットエラーを測定したところビットエラー数は10ビット/面以下であり、30万時間の平均故障間隔を達成することができた。なお、上記S/Nは下記式を用いて求めた。
S/N=20log(S0−p/Nrms
式中、S0−pは、ゼロ点からピークまで(zero to peak)の再生信号振幅の半分の値であり、Nrmsはスペクトルアナライザーにより測定したノイズの振幅の平方自乗平均値である。
【0052】〔電磁変換特性の測定〕つぎに、磁気記録媒体の電磁変換特性を、スピンスタンドの記録再生試験機を用いて測定した。記録再生試験機の磁気ヘッドとしては単磁極型書き込み素子とGMR読み取り素子の複合型ヘッドを使用した。単磁極型書き込み素子のメインポール(主磁極)の実効書き込みトラック幅は110nm、Bsは2.1Tであった。また、GMR素子の実効トラック幅は97nm、シールド間隔は45nmであった。記録再生試験の際、磁気ヘッドの単磁極型書き込み素子の主磁極表面と磁気記録媒体の記録層表面との間隔を13nmとした。電磁変換特性の測定結果を図4に示す。図4において、S/Ndは500kFCIにおけるS/Nであり、Reは孤立波出力で割った出力分解能である。図4には、比較のために、従来の磁気記録媒体として、Co−Cr系の多結晶材料から構成された記録層を用いた磁気記録媒体(比較例1)と、面内磁気記録方式に従う磁気記録媒体(比較例2)の測定結果も示した。図4から明らかなように、本実施例で作製した磁気記録媒体は、従来の磁気記録媒体に比べて良好なS/Nが得られており、分解能も18%以上と高い。このことから、本実施例の磁気記録媒体は、高域でも遷移性ノイズが低減しており、高分解能と高S/Nが両立されていることがわかる。
【0053】〔記録層の断面構造の観察〕つぎに、磁気記録媒体の断面構造を、高分解能透過型電子顕微鏡を用いて観察した。図3に、人工格子構造の記録層6の断面構造の観察結果を模式的に示した。図3に示すように、記録層6は、円柱形状の結晶粒子31の集合体から構成されており、それぞれの結晶粒子31の上面は半球状であった。結晶粒子の直径dは約8nmであり、結晶粒子の表面の半球の最上部Aと最下部Bの差hは2nmであった。記録層6は、かかる円柱形状の結晶粒子から構成されているために面内方向の磁気的結合力が低減され、微細な記録ビットが安定になり、磁化遷移領域の直線性がよくなると考えられる。
【0054】〔熱減磁率の測定〕次いで、磁気記録媒体について熱減磁率の測定を行なった。熱減磁率は、24℃の環境下において、線記録密度100kFCIにて記録した信号を再生したときの再生信号振幅の時間に対する変化の割合とした。図5に、熱減磁率の測定結果を示した。図5には、比較のために、従来の磁気記録媒体として、上記比較例1の磁気記録媒体の測定結果を示した。図5に示すように、従来の磁気記録媒体では時間の経過とともに規格化出力が低下するのに対し、本実施例の磁気記録媒体では時間が経過しても規格化出力は殆ど低下せず、熱減磁がなかったことがわかる。これは、本実施例の磁気記録媒体においては、記録層の磁化遷移領域が明瞭で直線性が高いためであると考えられる。また、オントラックで1000kBPIにてエラーレートを測定したところ、1×10−5以下であった。
【0055】つぎに、シード層中のSi濃度を0at%、4.1at%、26.0at%、41.0at%、50.6at%、63.2at%に変更した以外は、上記と同様にして磁気記録媒体を作製し、それぞれの磁気記録媒体のS/Nd及び保磁力を測定した。測定結果を下記表に示す。
【0056】
【表1】

【0057】表からわかるように、シード層中のSi濃度が26.0at%と41.0at%の磁気記録媒体においてS/Ndが24.0dB以上であり、保磁力も2690[Oe]と良好であった。磁気記録媒体のシード層中のSi濃度が10at%〜50at%の範囲内にあれば、良好なS/Nd及び保磁力が得られることがわかった。
【0058】
【実施例2】図6に、本発明の磁気記録媒体の概略断面図を示す。磁気記録媒体300は、密着層2を有する基板1上に、軟磁性層3、シード層5、記録層6、保護層7及び潤滑層8を備える。なお、図6においては、図1に示した実施例1の磁気記録媒体を構成している層と同じ機能を有する層には同じ符号を付した。本実施例では、シード層5をPdとBとから形成し、記録層6をCo層とPdB層とを交互に積層した人工格子層から形成した。かかる積層構造を有する磁気記録媒体300の製造方法を以下に説明する。
【0059】まず、直径65mmのガラス基板1を用意し、ガラス基板1上に連続スパッタ装置により、密着層2として厚さ5nmのTiを成膜した。
【0060】次いで、密着層2上に、軟磁性層3として、Fe79Ta12を膜厚400nmで成膜した。更に、成膜されたFe79Ta12を真空中でカーボンヒーターにより450℃の温度で30秒間加熱した後、徐冷した。こうしてFeの微結晶を含有する軟磁性層3を形成した。
【0061】つぎに、軟磁性層3上にシード層5としてPd6040を膜厚5nmにて形成した。シード層5の成膜では、スパッタチャンバー内にアルゴンガスを導入しながらPdターゲットをDCスパッタし、BターゲットをRFスパッタした。
【0062】つぎに、シード層5上に記録層6として、Coからなる層と、Bを含有するPd層(以下、PdB層)とを交互に積層した人工格子層を形成した。かかる人工格子層の成膜では、スパッタチャンバー内にアルゴンガスを導入した後、Co層を成膜するときはCoターゲットのみをDCスパッタした。一方、PdB層を成膜するときは、CoターゲットのDCスパッタを停止し、PdターゲットをDCスパッタするとともにBターゲットをRFスパッタした。こうして成膜された人工格子層のCo層の1層あたりの膜厚は0.16nm、PdB層の1層あたりの膜厚は0.81nmであり、Pd層とCo層の積層数は、PdB層が25層であり、Co層が25層であった。
【0063】本実施例では、記録層6である人工格子層のPd層中のBの添加量を5at%、11at%、41at%に変化させて磁気記録媒体をそれぞれ複数個作製した。また、人工格子層のPd層中にBを含有させない磁気記録媒体も作製した。
【0064】次いで、記録層6上に、アモルファスカーボンからなる保護層7をプラズマCVD法により膜厚3nmにて形成した。保護層7の形成後、基板を成膜装置から取り出した。最後に、保護層7上にパーフルオロポリエーテル系潤滑剤を1nmの厚さで溶液塗布して潤滑層8を形成した。
【0065】こうして図6に示す積層構造を有する磁気記録媒体300を作製した。
【0066】〔S/N及び保磁力の測定〕つぎに、人工格子層のPd層中のBの添加量を変えて作製したそれぞれの磁気記録媒体についてS/Nと保磁力を測定した。測定結果を図7及び図8のグラフにそれぞれ示す。図7のグラフからわかるように、Pd層のBの添加量が5at%と11at%の磁気記録媒体は、人工格子層のPd層にBを添加しない磁気記録媒体に比べてS/Nが増加していた。また、図8のグラフに示すように、人工格子層のPd層のBの添加量が5at%と11at%の磁気記録媒体では保磁力が1500〔Oe〕以上と高く、特にBの添加量が11at%の磁気記録媒体においては2700〔Oe〕以上の保磁力を得ることができた。一方、人工格子層のPd層のBの添加量が41at%の磁気記録媒体においては、保磁力が200〔Oe〕以下と低かった。
【0067】つぎに、シード層中のBの添加量を、10.8at%、40.7at%、50.9at%、63.6at%に変更した以外は、上記と同様にして磁気記録媒体を作製し、それぞれの磁気記録媒体についてS/Nd及び保磁力を測定した。測定結果を下記表に示す。
【0068】
【表2】

【0069】表からわかるように、シード層中のB添加量が40.7at%と50.9at%の磁気記録媒体においてS/Ndが24.2dB以上であり、保磁力も2001[Oe]以上と良好であった。磁気記録媒体のシード層中のBの添加量が20at%〜60at%の範囲内にあれば、良好なS/Nd及び保磁力が得られることがわかった。
【0070】
【実施例3】シード層をPdCを用いて形成し、記録層をCo層とPdC層とを交互に積層した人工格子層とした以外は、実施例2と同様にして磁気記録媒体を作製した。シード層の成膜方法としては、B(ホウ素)ターゲットの代わりにC(カーボン)ターゲットを用いた以外は、実施例2と同様であり、Pd6733のシード層を膜厚5nmにて形成した。記録層であるCo/PdC人工格子層は、Co層の1層あたりの膜厚を0.16nm、PdC(Pd8812)層の1層あたりの膜厚を0.80nmとし、Co層とPdC層の積層数をともに25層とした。
【0071】かかる磁気記録媒体について実施例1と同様にして電磁変換特性を測定した。測定の結果、S/Nd=24.7dB、Re=18.6%であり、S/Nd、Reともに良好であった。
【0072】
【実施例4】本実施例では、鉄酸化物層の膜厚を2nmとし、シード層をPdZrを用いて形成し、記録層をCo層とPdZr層とを交互に積層した人工格子層とした以外は、実施例1と同様にして磁気記録媒体を作製した。シード層の成膜では、スパッタガスとしてアルゴンを用い、Pd90Zr10ターゲットをDCスパッタした。シード層の膜厚は5nmとした。記録層の成膜では、スパッタガスとしてアルゴンガスを用い、CoターゲットとPd90Zr10ターゲットのシャッターを交互に開閉しながら、それらのターゲットをDCスパッタした。記録層のCo層の1層あたりの膜厚を0.17nmとし、PdZr層の1層あたりの膜厚を0.85nmとし、Co層とPdZr層の積層数をともに25層とした。
【0073】かかる磁気記録媒体について実施例1と同様にして電磁変換特性を測定した。測定の結果、S/Nd=25.7dB、Re=18.1%であり、S/Nd、Reともに良好であった。
【0074】
【実施例5】この例で作製した、磁気ディスク400の概略断面図を図9に示す。図9に示すように、磁気ディスク400は、基板1上に、密着層2、軟磁性層3、シード層5、記録層6及び保護層7を順次積層して作製した。
【0075】基板1として、直径2.5inch(6.25cm)のガラス基板を用意し、その上に、Arガス雰囲気中でDCマグネトロンスパッタ法により、密着層2としてのTi膜を形成した。密着層2の膜厚は5nmとした。
【0076】次いで、密着層2上に、軟磁性層3としてCoB膜を、Arガス雰囲気中でCo8515合金ターゲットを用いてDCマグネトロンスパッタ法により形成した。軟磁性層3の膜厚は200nmとした。
【0077】さらに、軟磁性層3上に、シード層5としてPdB膜を成膜した。成膜はArガス雰囲気中で同時スパッタ法を用いて行い、PdはDCマグネトロンスパッタ法を、BはRFマグネトロンスパッタ法を用いて、シード層5の組成がPd6733となるように調整した。シード層5の膜厚は4nmとした。
【0078】上記のように形成したシード層5上に、記録層6として垂直磁化を示すCoB/PdB交互多層膜を形成した。CoB/PdB交互多層膜の成膜方法は、Arガス雰囲気中でCoターゲットとPdターゲットを開閉するシャッターを交互に開閉しながら、DCマグネトロンスパッタすることにより、Coを主体とする磁性層とPdを主体とする金属層を交互に積層して多層膜を形成した。ここでは、0.14nmのCo層と0.94nmのPd層をそれぞれ25層積層した。Bは交互多層膜形成時にRFマグネトロンスパッタ法により同時スパッタして多層膜中に含有させた。この際、Bの記録層6中の含有量が12at%となるように調整した。
【0079】最後に、記録層6上に、保護層7としてC膜を、Arガス雰囲気中でRFマグネトロンスパッタ法により形成した。保護層7の膜厚は3nmとした。
【0080】この例で作製した磁気ディスクの構造を、高分解能透過電子顕微鏡(TEM)で分析した。TEMの分析結果は図示しないが、平面TEM観察からは記録層の結晶粒及び結晶粒界部が明瞭に観測された。高角度散乱暗視野像(HAADF−STEM像)からは記録層の結晶粒界部に軽元素が多く存在することが確認でき、Bが記録層の結晶粒界部に偏析していることが分かった。
【0081】次に、この例で作製した磁気ディスクに含まれるのB濃度の膜厚方向の分布を、エックス線光電子分光法(XPS)で分析した。その結果を図10に示した。図10中の破線が、実施例5の磁気ディスクにおけるB濃度の膜厚方向分布である。ただし、この実験では保護層側から、エッチングとXPSによるB濃度測定とを繰り返し行いB濃度の膜厚方向分布を調べたので、図10の横軸はエッチング時間で表した。図10に示すように、エッチング時間0〜約1minが保護層、約1〜約3minが記録層、約3〜約4.25minがシード層、そして約4.25min以降が軟磁性層の領域に相当する。
【0082】実施例5で作製した磁気ディスクの記録層内では、図10に示すように、シード層との境界面から保護層との境界面に向かうにしたがってB濃度が減少しており、記録層内の膜厚方向にB濃度の勾配が生じている。これは、記録層の成膜時に、シード層に含有させたBの一部が記録層に拡散したためであると考えられる。記録層とシード層との境界面近傍ではB濃度は17.0at%であり、記録層のシード層側の境界面と記録層の保護層側の境界面との中間のB濃度12.5at%に比べて、シード層に近いためBの拡散量が増大しB濃度が大きくなっているが、記録層とシード層との境界面から保護層へ向かうにしたがって、シード層から離れるのでBの拡散量が小さくなりB濃度は小さくなっている。なお、記録層とシード層との境界面近傍のB濃度は、記録層とシード層との境界面に対して、シード層側のエッチング時間3.2minのB濃度測定位置におけるB濃度分布曲線の接線と、記録層側のエッチング時間2.8minのB濃度測定位置におけるB濃度分布曲線の接線との交点により求めた。一方、記録層のシード層側の境界面と記録層の保護層側の境界面との中間におけるB濃度の求め方は、まず、保護層と記録層との境界面近傍のB濃度を、記録層とシード層との境界面近傍のB濃度の求め方と同様の方法で決定し、次いで、両境界面を基準にして記録層内の中間位置を決定する。そして、記録層の両境界面の位置及びB濃度と中間位置から記録層内の中間位置のB濃度を求めた。
【0083】この例で作製した磁気ディスクでは、成膜後、記録層の平均B濃度は15at%であり、シード層の平均B濃度は28at%であった。シード層ではBの一部が記録層へ拡散し流出するので、シード層の成膜後の平均B濃度は、成膜時のシード層形成材料中のB含有量(33at%)より小さくなる。一方、記録層ではBがシード層からの拡散により流入するので、成膜後の記録層の平均B濃度は、成膜時の記録層形成材料中のB含有量(12at%)より大きくなった。
【0084】次に、この例で作製した磁気ディスク400の保護層7上に潤滑材(不図示)を塗布した後、磁気ディスク400の記録再生特性を評価した。ただし、記録には垂直磁気記録に適した単磁極ヘッドを用い、再生にはスピンバルブ型GMR磁気ヘッドを用いた。磁気ヘッド面と磁気ディスク面との距離は10nmに保った。磁気ディスク400を評価した結果、Slf/Nd=23.1が得られた。なお、Slfは線記録密度が20kFCIの信号を記録した時の再生出力であり、Ndは線記録密度が450kFCIの信号を記録した時のノイズレベルであり、Slf/Ndは媒体の信号対雑音比の指標となる。
【0085】また、この例で作製した磁気ディスク400を磁気記録装置に組み込んで、記録再生特性を評価した。
【0086】この例で作製した磁気ディスク400を、磁気記録装置に装着して、磁気ディスク400の再生試験を行った。ここでは、磁気ディスク400に60Gbits/inchに相当する信号を記録した。磁気記録装置の磁気ヘッド面と、磁気ディスク400の表面との距離は10nmに保った。再生試験の結果、信号対雑音比S/N=30dBの再生信号が得られ、エラーレートは、信号処理を行わない場合に、1×10−5以下であった。
【0087】
【比較例3】この比較例3では、実施例5との比較を行う。比較例3では、シード層の成膜時のBの含有量が、シード層を形成する材料中12at%となるように、即ち、Pd:B=88:12となるように調節して作製した以外は実施例5と同様に磁気ディスクを作製した。このシード層のB含有量は、記録層の成膜時のB含有量と同じ値である。
【0088】この例で作製した磁気ディスクに含まれるBの濃度分布を、実施例5と同様に、エックス線光電子分光法(XPS)で分析した。その結果を図10に示した。図10中の実線が比較例3の磁気ディスクにおけるB濃度の膜厚方向分布である。この例で作製した磁気ディスクでは、図10に示すように、実施例5の結果(図10中の破線)と比べて、記録層内でB濃度の勾配が殆どなかった。これは、シード層と記録層の成膜時のB含有量が同じ値であるため、記録層の成膜時に、シード層から記録層へのBの拡散が生じなかったためであると考えられる。また、記録層内のB濃度について実施例5と比較例3の結果を比較すると、図10に示すように、実施例5で作製した磁気ディスクの記録層中のB濃度が、比較例3で作製したものより大きくなった。この濃度差はシード層から記録層へ拡散したBの拡散量に相当するものと考えられる。
【0089】また、この例で作製した磁気ディスクについて、実施例5と同様に、Slf/Ndを測定した。その結果を、実施例5の結果と一緒に表3に示した。ただし、表3中のBrは記録層の成膜時のB含有量であり、Bsはシード層の成膜時のB含有量であり、B1は成膜後の記録層とシード層との境界面近傍におけるB濃度であり、そして、B2は成膜後の記録層のシード層側の境界面と記録層の保護層側の境界面との中間位置におけるB濃度である。
【0090】
【表3】

【0091】比較例3で作製した磁気ディスクでは、表3に示すように、Slf/Nd=18.1dBとなり、実施例5の磁気ディスクより低い値となった。これは、シード層と記録層のB含有量が同じ値であるため、シード層から記録層へのBの拡散が殆どなく、記録層内の結晶粒界部におけるBの偏析が促進されなかったためであると考えられる。従って、実施例5のように、シード層の成膜時のB含有量を記録層のそれより十分大きくすることにより、シード層から記録層へBが拡散され、記録層の結晶粒界部でのBの偏析が促進されて、遷移ノイズが低減するために、Slf/Ndが増大するものと考えられる。
【0092】
【実施例6】実施例6では、磁気ディスクの成膜時に、シード層のB含有量を33.0〜100.0at%、記録層のB含有量を5.0〜15.0at%の範囲でそれぞれ変化させて種々の磁気ディスクを作製した以外は、実施例5と同様に磁気ディスクを作製した。
【0093】この例で作製した種々の磁気ディスクについて、実施例5と同様に、Slf/Ndを測定した。その結果を表4に示した。表4中のBrは記録層の成膜時のB含有量であり、Bsはシード層の成膜時のB含有量であり、B1は成膜後の記録層とシード層との境界面近傍におけるB濃度であり、そして、B2は成膜後の記録層のシード層側の境界面と記録層の保護層側の境界面との中間位置におけるB濃度である。また、表4には、実施例5及び比較例3の結果も一緒に記載した。
【0094】
【表4】

【0095】表4に示したように、シード層の成膜時のB含有量Bsを33.0〜100.0at%とし、記録層の成膜時のB含有量Brを5.0〜15.0at%とし、且つBsとBrの含有量差を18.0〜95.0at%とすることにより、22.0dB以上のSlf/Ndが得られることが分かった。その時、磁気ディスクの記録層中のB1は18.0〜60.0at%であり、B2は7.0〜17.0at%であった。
【0096】以上、本発明の磁気記録媒体について具体的に説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、種々の変形例及び改良例を含み得る。
【0097】
【発明の効果】本発明の磁気記録媒体は、人工格子構造を有する記録層の下地として、Si、Al、Zr、Ti及びBのうちの少なくとも一種とPdとからなるシード層を用いているので、記録層の面内方向の磁気的結合力を低減することができる。これにより、記録層の磁化遷移領域の乱れが低減するため、線記録密度を高めても低ノイズで情報を再生することができる。また。磁気異方性の高い人工格子膜を記録層と用いているため、高い熱安定性を有している。
【0098】本発明の磁気記録媒体の製造方法によれば、成膜時にシード層のBの含有量を記録層のBの含有量より十分大きくすることにより、シード層内のBの一部を記録層へ拡散させ、記録層内の結晶粒界部におけるBの偏析を促進し、記録層内の結晶粒間の磁気的相互作用を一層低減することができる。これにより、媒体ノイズが低減され高S/Nで情報再生可能な磁気記録媒体を提供することができる。
【0099】本発明の磁気記憶装置は、本発明の磁気記録媒体を備えるため、150ギガビット/平方インチ(約23.25ギガビット/平方センチメートル)の高い面記録密度で情報を記録しても高S/Nで情報を再生することができるとともに、高い耐熱減磁特性を有している。




 

 


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