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発明の名称 情報記録用部材および記録再生装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2003−187454(P2003−187454A)
公開日 平成15年7月4日(2003.7.4)
出願番号 特願2003−10910(P2003−10910)
出願日 平成5年11月19日(1993.11.19)
代理人 【識別番号】100091096
【弁理士】
【氏名又は名称】平木 祐輔
【テーマコード(参考)】
5D090
【Fターム(参考)】
5D090 AA01 AA03 BB02 BB03 BB05 BB10 BB11 CC01 CC04 CC14 DD01 FF02 FF05 FF15 FF21 FF45 GG02 GG03 GG12 GG23 GG28 
発明者 宮内 靖 / 寺尾 元康 / 尾島 正啓 / 廣常 朱美
要約 課題

解決手段
特許請求の範囲
【請求項1】 円板状の基板表面に形成されたグルーブ部とランド部を記録トラックとして情報を記録する情報記録用部材であって、上記トラックはスパイラル状に設けられ、上記トラックをたどって進むと上記ランド部及びグルーブ部が交互に現れ、上記ランド部とグルーブ部が切り替わる場所に少なくともVFO情報を表すピット列を含んで構成されたユーザが情報を記録しないプリフォーマット部が上記基板の半径方向にほぼ揃った位置に設けられ、上記プリフォーマット部に設けられたピット列は半径方向に隣接するプリフォーマット部のピット列と記録トラックに直角な方向に隣接しないように円周方向にずれて配置されていることを特徴とする情報記録用部材。
【請求項2】 円板状の基板表面にスパイラル状に設けられたトラックを有し、トラックジャンプすることなく前記トラックをたどって進むとランド部とグルーブ部とが交互に現れ、上記ランド部とグルーブ部が切り替わる場所に少なくともVFO情報を表すピット列を含んで構成されたユーザが情報を記録しないプリフォーマット部が上記基板の半径方向にほぼ揃った位置に設けられ、上記プリフォーマット部に設けられたピット列は半径方向に隣接するプリフォーマット部のピット列と記録トラックに直角な方向に隣接しないように円周方向にずれて配置された情報記録用部材の上記ランド部とグルーブ部とに対して再生を行うことを特徴とする情報再生装置。
【請求項3】 円板状の基板表面にスパイラル状に設けられたトラックを有し、トラックジャンプすることなく前記トラックをたどって進むとランド部とグルーブ部とが交互に現れ、上記ランド部とグルーブ部が切り替わる場所に少なくともVFO情報を表すピット列を含んで構成されたユーザが情報を記録しないプリフォーマット部が上記基板の半径方向にほぼ揃った位置に設けられ、上記プリフォーマット部に設けられたピット列は半径方向に隣接するプリフォーマット部のピット列と記録トラックに直角な方向に隣接しないように円周方向にずれて配置された情報記録用部材の上記ランド部とグルーブ部とに対して記録を行うことを特徴とする情報記録装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ光等の記録ビームによって、映像信号や音声信号などをFM変調したアナログ情報信号や、電子計算機のデータ、ファクシミリ信号、ディジタルオーディオ信号などのディジタル情報信号を、リアルタイムで記録することが可能な情報記録用部材および記録再生装置に関し、特に、大容量光ディスクに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、一般社会で扱われる情報量が増大し、大容量の光ディスクが必要とされるようになっている。また、情報の多様化に伴って、ユーザが情報を記録し、書き換えることのできる書き換え可能型光ディスクへの要求も高まっている。光ディスクの高記録密度化の方法としては、記録レーザ波長の短波長化や絞り込みレンズの高NA(開口比)化などによって記録点の大きさを小さくする方法や、情報を読み出すレーザビームのスポット径を見かけ上小さくして高密度化を図ろうとする方法がある。
【0003】また、特公平4−4661号公報には、案内溝を有する基板を用い、この案内溝内(グルーブ部)と案内溝相互間(ランド部)の両平坦部上に記録を行うランド部・グルーブ部記録法が記載されている。しかし、この方法では、グルーブ部ピッチが読み出しビームのスポット径よりも小さい場合には、隣の情報が読み出され、クロストークエラーを起こす可能性がある。このクロストークを除去する方法として、3ビーム光ヘッドと適応型フィルタにより読み出しを行なったり、案内溝を適当な深さにすることにより隣からの反射光を打ち消したりすることが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述のランド部・グルーブ部記録に用いる基板では、グルーブ部をディスク全面にわたって1本のスパイラル状に形成していた。そのため、大容量の情報を記録あるいは読み出すのに要する時間が長くなる問題があり、またディスク1回転毎にランド部とグルーブ部とのトラックジャンプを行なう場合には、自動焦点サーボやトラッキングサーボが不安定になるという問題があった。
【0005】本発明の目的は、上記従来技術における問題点を解決し、ランド部とグルーブ部の両方に、安定にかつ短時間で記録および読み出しができる情報記録用部材および記録再生装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため、本発明の情報記録用部材および記録再生装置では、基板表面に形成した案内溝の中(グルーブ部)と案内溝相互間(ランド部)の両方を情報を記録する記録トラックとし、トラックジャンプすることなくこの記録トラックをたどって進むとランド部とグルーブ部が交互に現われる基板を用いる。
【0007】ランド部とグルーブ部の切り替え点は、記録トラックの1周につき次式で表される数だけ設ける。ただし、ランド部とグルーブ部の切り替え点を数える場合、アドレスなどを表すピットが予め形成されているプリフォーマット部は除いて考える。プリフォーマット部とは、記録トラックの延長線上のピット形成領域(プリピット部)および隣の記録トラックのプリピット部に隣接する部分を指す。2m−1 (m:1,2,3…)
【0008】この時、グルーブ部の隣の記録トラックはランド部であり、またランド部の隣の記録トラックはグルーブ部となっている。ただし、プリフォーマット部のピット形成領域の隣は必ずしもグルーブ部とは限らない。そして、ランド部とグルーブ部の切り替え点は記録トラック1周につき奇数個ある。この切り替え点の位置は、半径方向にほぼ揃えた方が製作時の制御が簡単になるので好ましい。
【0009】切り替え点は用途に応じて記録トラック1周中に奇数個設ければよく、例えばセクタ毎にランド部とグルーブ部を切り替えてもよいが、記録トラック1周中の切り替え点が1個(m=1)の場合が、基板(原盤)の作りやすさ、記録再生時のサーボの安定性の点で好ましい。また、ランド部とグルーブ部の切り替え点が1個の場合には、プリフォーマット部は記録トラック1周おきに形成する方が、クロストーク低減に役立ち好ましい。
【0010】グルーブ部は平坦部を有している方が、記録消去特性(C/N、消去比、クロストークなど)の点で好ましい。本発明に用いる基板には、ユーザーが情報を記録するランド部とグルーブ部の他に、プリフォーマット部や場合によっては再生専用の情報を表すピットが予め形成されている部分ROM部があり、このプリフォーマット部あるいはROM部は、グルーブ部以外に形成されている。また、プリフォーマット部は、半径方向の所定の範囲でほぼ揃った位置に形成されている。
【0011】ここで、例えばランド部情報に対応するプリフォーマット部の内容を読む場合には、両隣のグルーブ部情報に対応するプリフォーマット部がないために隣からのクロストークはない。しかし、グルーブ部情報に対応するプリフォーマット部がないために、グルーブ部のアドレスなどの情報がわからない。そこで、光スポットがグルーブ上を移動しようとした時、両側のプリフォーマット部が表現する反射光量変化が光スポットの裾部でクロストークとして見えることにより、これらの和信号が中央のグルーブ部に対応するプリフォーマット部が持つべき情報(アドレス情報やサーボ情報など)に対応するようにする。これにより、ランド部とグルーブ部に対応する両方の情報を安定に読むことができる。この時、グルーブ部内にトラック毎に異なる情報を表すプリピット(例えば、トラックアドレス)以外のプリピット(例えば、セクターマークやVFO)を形成しても問題ない。
【0012】このような、両側のプリフォーマット部からのクロストーク信号より、中央のプリフォーマット部の内容に対応する情報を得る方法は、記録トラックに沿ってランド部とグルーブ部が交互に設けられた基板ではなく、グルーブ部が内周から外周にわたって1本でつながっており、プリフォーマット部は記録トラック1周おきに、かつグルーブ部以外に形成されている基板においても効果が大きい。
【0013】また、プリフォーマット部のピット形成領域が隣の記録トラックのプリフォーマット部のピット形成領域と記録トラックに直角な方向に隣接しないように形成することにより、多少記録容量が減るものの隣の記録トラックのプリフォーマット部からのクロストークをなくすることができる。本発明の情報記録用部材は、スパイラル状の記録トラックをたどって進むとランド部とグルーブ部が必ず交互に現われるため、本発明で用いる記録再生装置は、このランド部とグルーブ部の切り替え点を予測し、自動焦点サーボのかけ方を切り替える手段を有する。また、このランド部とグルーブ部の切り替え点を予測し、トラッキングサーボのかけ方を切り替える手段も有する。このように記録トラック上のランド部とグルーブ部の切り替え点を予測しながら、自動焦点サーボやトラッキングサーボのかけ方を切り替えることにより、ランド部とグルーブ部の情報をトラックジャンプすることなく連続して読み出すことができる。
【0014】また、基板上にウォブルピットを設け、グルーブ部付きのサンプルサーボ方式対応の情報記録用部材とすることもできる。本発明の情報記録用部材は、フタロシアニンなどの色素や低融点の無機物を用いてビームスポット内に反射光量変化に寄与しない領域を生じさせるマスク層を設けることにより、さらに安定な読み出しが可能である。すなわち、このマスク層を用いてレーザビームのスポット径を等価的に小さくする。
【0015】記録膜として光磁気記録膜を用いた場合にもマスク効果は得られる。例えば、磁性層を2層以上の構造としそのうちの1層を隣の領域を見えなくするマスクとして使う。記録トラックに記録した情報を読み出す場合は、まず初期化磁界を使ってすべての記録点をいったん覆う。次に読み出し光による熱を利用して、レーザスポット径よりも小さい一つの記録点だけマスクを外し、信号を読み出す。こうして、読み出しビームスポットのうち記録点読み出しに不要な部分をマスクし、見かけ上有効なビームスポット径を小さくする。
【0016】記録膜としては、穴あけタイプの記録膜、高速結晶化が可能な結晶−非晶質相変化光記録膜や、非晶質−非晶質間変化を利用する記録膜、結晶系や結晶粒経の変化などの結晶−結晶間相変化記録膜および光磁気記録膜が好ましいが他の記録膜を用いてもよい。また、記録媒体としてもディスク状のみならず、カード状などの他の形態の記録媒体にも適用可能である。
【0017】本発明によると、ランド部とグルーブ部の両方に記録を行なうことができるため、従来よりも高密度の記録が可能となる。さらに、記録トラックの1周上でランド部とグルーブ部を交互に形成しているため、隣あったランド部とグルーブ部の間をトラックジャンプすることなく、ランド部とグルーブ部の両方への情報記録が連続して行なえ、ランド部とグルーブ部の両方の情報を連続して読み出すことができる。これにより、関連のある情報をある領域内でまとめて記録再生することができ、記録時間の短縮およびアクセスタイムを短縮することができる。
【0018】また、プリフォーマット部のピット形成領域を隣の記録トラックのプリフォーマット部のピット形成領域と隣接しないようにしたり、両側のプリフォーマット部からのクロストーク信号より、グルーブ部のプリフォーマット部の内容に対応する情報を得るなどして、クロストークの低減を図ることができる。さらに、ビームスポット内に反射光量変化に寄与しない領域を生じさせるマスク層を設けることにより、さらなる高密度化および安定な読み出しが可能となる。
【0019】
【実施例】以下、本発明を参考例を交えながら実施例を用いて詳細に説明する。図1は、ディスク上におけるランド部とグルーブ部の配置の一例を模式的に示したものである。
【0020】本実施例では、基板表面に形成したグルーブ部1とランド部2の両方を、情報を記録する記録トラックとする。記録トラックは基板上に1本のスパイラル状に形成され、トラックジャンプすることなくこの記録トラックをたどって進むとグルーブ部1とランド部2が交互に現われ、そのグルーブ部1とランド部2の切り替え点Aは、記録トラックの1周につき次式で表される数だけ設けられる。2m−1 (m:1,2,3…)
【0021】図1は、グルーブ部1とランド部2の切り替え点Aが5個ある場合(m=3)を示している。この図ではプリフォーマット部は除いている。また、ランド部とグルーブ部の切り替え点を数える場合、プリフォーマット部は除いて考える。トラック方向に沿ってグルーブ部1の両隣の記録トラックはランド部2であり、またランド部2の両隣の記録トラックはグルーブ部1となっている。ただし、プリフォーマット部の隣は必ずしもグルーブ部とは限らない。切り替え点Aは、半径方向にほぼ揃えて形成してある。切り替え点Aは用途に応じて記録トラック1周につき奇数個設ければよく、例えばセクタ毎にランド部とグルーブ部を切り替えてもよい。
【0022】図1のように記録トラック1周上でランド部とグルーブ部が交互に現われる基板の作製は次のようにして行なった。まず、光学研磨したガラス円板にポジ型ホトレジストを塗布し、このガラス円板を回転させながら波長457.9nmのアルゴンレーザ光を照射することによって露光する(カッティング)。ここでは、少なくともアドレスなどのプリフォーマット部とユーザーが情報を記録するグルーブ部を形成する。この時に、アルゴンレーザ光を照射しながらガラス円板が1回転する間に記録トラックピッチとなる量だけ円板の半径方向にビームスポットを移動することによって、スパイラル状に記録トラックが形成され、露光した部分はグルーブ部となり、露光しない部分はランド部となる。すなわち、ビームスポットを半径方向に移動させながら、ガラス円板が1回転する間に決められた位置(切り替え点)でアルゴンレーザ光のON、OFFを切り替え、この動作をディスク1回転毎に繰り返す(もちろん、プリフォーマット部分では、信号に応じてアルゴンレーザ光をON、OFFさせている)。なお、切り替え点が1個の場合には、ガラス基板が1回転する毎に決められた位置で1回だけアルゴンレーザ光のON、OFFを切り替えればよい(プリフォーマット部分でのON、OFFの回数は除く)。
【0023】そして、カッティングを行ったガラス円板を現像液で現像することによって露光された部分が溶解し除去され原盤となる。さらに、原盤上にニッケル層をスパッタリング法で形成する。そして、このニッケル層を電極としてニッケルめっきを行って厚さ約200μmの金型(ニッケルスタンパ)を得る。このニッケルスタンパを型として、ポリカーボネートの射出成型により本発明で用いる基板を作製した。この例では、グルーブ部の幅もランド部の幅も共に約0.8μmであり、グルーブ部はU字型溝であって底に平坦部を有している。このようにしてグルーブ部を形成した基板上では、記録トラックをたどって進むと図1のように1周上でランド部とグルーブ部が交互に現われることになる。
【0024】次に、ディスクの作製方法を図2を用いて説明する。まず、前述のようにして作製した記録トラックピッチが0.8μmである直径13cm、厚さ1.2mmのポリカーボネート基板3上に、マグネトロンスパッタリング法によって厚さ約125nmのZnS−SiO2保護層4を形成した。次にZnS−SiO2保護層4上にGe22Sb22Te55Co1の組成の記録膜5を約25nmの膜厚に形成した。次に、ZnS−SiO2中間層6を約225nmの膜厚に形成した。さらに、この上にAl−Ti反射層7を約100nm形成した。これらの膜形成は同一スパッタリング装置内で順次行った。その後、この上に紫外線硬化樹脂層8を塗布した後、ホットメルト接着剤9で、同じ構造のもう一枚のディスクとの密着貼りあわせを行った。
【0025】本実施例では、情報の記録再生に波長780nmの半導体レーザを用いたため、基板のグルーブ深さを78nmとした。これにより、隣の記録トラックの信号からのクロストークを−30dB以下に低減することができ、ランド部とグルーブ部の情報を安定に再生することができた。
【0026】図3に、ROM部を有する基板の一例を示す。本発明に用いる基板には、ユーザーが情報を記録するランド部とグルーブ部の他に、プリフォーマット部や場合によっては再生専用の情報を表すピットが予め形成されているROM部があり、このプリフォーマット部あるいはROM部は、基板の作りやすさ、および記録再生時のサーボの安定性の点を考慮して、ランド部と同じ平坦部などグルーブ部以外に形成する。図3は、切り替え点が1個の場合における、ROM部10と記録可能なトラック、すなわちグルーブ部1が交互にくる基板の例を模式的に示したものである。ただし、プリフォーマット部は図示していない。
【0027】図4は、プリフォーマット部の配置の一例を示したものである。この例では、各トラックのプリフォーマット部は、隣の記録トラックのプリフォーマット部と隣接しないように形成する。図4は、切り替え点が1個の場合、すなわちディスク1回転でグルーブ部1とランド部2が切り替わる場合の例である。なお、本発明ではランド部とグルーブ部の切り替え点を数える場合、プリフォーマット部は除いて考えるため、切り替え点A’とA”の両方で1個の切り替え点Aとして数える。また、実際にはトラック1周につき4個以上のプリフォーマット部があり、プリフォーマット部は単純化して大きめに図示している。プリフォーマットの隣は溝であっても差し支えないが、大きな再生信号を得るためには溝でない方が好ましい。そして、各トラックのプリフォーマット部は、隣の記録トラックのプリフォーマット部と隣接しないように形成している。この例では、プリフォーマット部は記録トラック1周おきに形成している。さらにプリフォーマット部は、本例のように内周から外周にわたって半径方向にほぼ揃えて形成してもよいが、例えば、MCAV(Modified Constant Linear Velocity )方式のように、半径方向の所定の範囲内においてほぼ揃えて形成してもよい。また、ロジカルトラックフォーマットの場合には、プリフォーマット部は半径方向に大部分ずらして形成すればよい。
【0028】記録および再生が図で見て右回りに行われるとして、ランド部2の情報を持ったプリフォーマット部11の内容を読む場合には、半径方向両隣にプリフォーマット部がないため、それらからのクロストークはなく問題とならない。しかし、グルーブ部1の情報を持ったプリフォーマット部がないために、グルーブ部1のアドレスなどがわからない。
【0029】そこで、本例では、グルーブ部1のプリフォーマット情報を得るために、ランド部の情報を持った両側のプリフォーマット部11、11’が表現する反射光量変化の和信号が中央のグルーブ部1のアドレス情報に対応するようにしている。すなわち、プリフォーマット部11、11’に挾まれたところの中心にビームスポットがある場合、本例ではビームスポットの裾の部分が両側のプリフォーマット部11,11’に照射されるため、クロストーク信号としてプリフォーマット部11および11’の情報を読むことができる。これらの情報からグルーブ部1に関する情報を確定するのである。
【0030】単純な例として、注目するプリフォーマット部の内側(半径方向)のアドレスが2進符号で1000101、外側のアドレスが1000110の時、両方1の時だけ1となる再生信号の2値化処理により、注目するグルーブ部に対応するプリフォーマット部のアドレスは1000100と読み取れる。このように、アドレスは内周のトラックから外周のトラックへ、あるいはその逆に1つずつ増加している必要はないが、1つずつ増加していてもよい。これにより、ランド部とグルーブ部の両方のプリフォーマット部の内容を安定に読むことができた。
【0031】また、グルーブ部1に対応するプリフォーマット部にトラック毎に異なる情報を表すプリピット(例えば、トラックアドレス)以外のプリピット(例えば、セクターマークやVFO)を形成しても同様な効果が得られた。この時、トラック毎に同じ情報を表すプリピットは、再生方式によっては、トラック毎に異なる情報を表すプリピットよりも小さくしてもよい。
【0032】本例では、プリフォーマット部はランド部の情報に対応するようにしたが、逆にグルーブ部の内容に対応するようにプリフォーマット部を形成して、両側のプリフォーマット部からのクロストーク信号からランド部のフォーマット部の内容に対応する情報を得るようにすることもできる。また、両側のプリフォーマット部からのクロストーク信号から中央のフォーマット部の内容に対応する情報を得る方法は、本例のようなランド部とグルーブ部が交互に来るような基板ではなくても、グルーブ部が内周から外周にわたって1本でつながっている従来型の基板においても効果が大きかった。この場合には、プリフォーマットの両側はグルーブ部である方が、基板作製の点で好ましい。
【0033】図5に、プリフォーマット部の他の配置例を示す。本実施例では、プリフォーマット部11のピット形成領域を隣の記録トラックのプリフォーマット部12のピット形成領域と記録トラックに直角な方向に隣接しないようにして形成した。
【0034】本実施例のようにプリフォーマット部を形成し、従来の方法で再生することにより、両側のプリフォーマット部が表現する反射光量変化の和信号が中央のプリフォーマット情報に対応するような再生方法を用いなくても、クロストークの発生を回避することができる。すなわち、本実施例によると、多少記録容量が減るものの両隣の記録トラックにプリフォーマット部のピット形成領域がないため、それらによるクロストークの問題が生じない。
【0035】図5には、切り替え点が5個の場合でプリフォーマット部のピット形成領域の両側が溝でない例を示したが、切り替え点の数は5個に限らず、プリフォーマット部のピット形成領域の両側は溝であってもよい。本実施例において、ランド部2に対応するプリフォーマット部11,11’とグルーブ部1に対応するプリフォーマット部12,12’のピット形成領域の配置を前後逆にしても同様の効果があった。
【0036】図6に、プリフォーマット部の他の配置例を示す。本例では、図5と同様に、プリフォーマット部11のピット形成領域が隣の記録トラックのプリフォーマット部12のピット形成領域と記録トラックに直角な方向に隣接しないようにすると共に、隣接するプリフォーマット部の一方にはトラック毎に異なる情報のみを記録するようにする。
【0037】再生にあたっては、ランド部2に対応するプリフォーマット部11,11’は従来のようにプリフォーマット部の中心にトラッキングして再生し、グルーブ部1に対応する情報は、トラック毎に異なる情報を表すプリピット、例えばトラックアドレスしかないプリフォーマット部12’を従来方法で再生し、その他のセクターマークやVFOなどの情報は、それに続くランド部に対応するプリフォーマット部11,11’が表現する反射光量変化の和信号の中から情報を取り出すようにすればよい。もちろん、このようにグルーブ部に対応するプリフォーマット部を、アドレス関連のみとしないで、逆に、ランド部に対応するプリフォーマット部を、アドレス関連のみとすることも可能である。
【0038】本例によると、図5に示した場合よりも記録容量を減らさずにクロストークの発生を回避することができる。本例において、ランド部2に対応するプリフォーマット部11,11’とグルーブ部1に対応するプリフォーマット部12,12’のピット形成領域の配置を前後逆にしても同様の効果があった。
【0039】本発明の情報記録用部材は、スパイラル状の記録トラックをたどって進むとランド部とグルーブ部が必ず交互に現われるため、本発明の記録再生装置は、このランド部とグルーブ部の切り替え点を予測し、自動焦点サーボやトラッキングサーボのかけ方を切り替える手段を備える。
【0040】ランド部とグルーブ部の切り替え点を予測する方法としては、例えば図7に示すように、RF信号から取り出したクロック信号を基にして得られたPLL(Phase Locked Loop )回路のチャネルクロック信号を用いることができる。この他、ディスク回転用モータの制御用の同期信号やディスク基板上にシールを貼り、このシールからの信号を利用してもよい。また、ディスクの基板上に直接切り替え点を予想する切り替えマーク(プリピット)を設けてもよい。この場合には、各プリフォーマット部のID部に設ければよい。特に、ディスク1回転でランド部とグルーブ部の切り替え点が1個の場合には、ランド部からグルーブ部へ、あるいはグルーブ部からランド部への切り替え点の直前のプリフォーマット部のID部のみに切り替えマークを設ければよい。さらに、ID部のトラックナンバーやセクターナンバーなどを読み取りそれを基準にしてもよい。
【0041】ランド部とグルーブ部での自動焦点サーボは同一の回路を用いてもよいが、ランド部とグルーブ部で焦点が大きくずれる可能性がある場合には、グルーブ部用の自動焦点用回路とランド部用の自動焦点回路を別々に用い、ランド部とグルーブ部の切り替え点でこの回路の切り替えを実行すればよい。トラッキングサーボは、グルーブ部用のトラッキング回路とランド部用のトラッキング回路を別々に用いランド部とグルーブ部の切り替え点でこの回路の切り替えを実行するようにしても、同一の回路を用いてランド部とグルーブ部でトラッキングの極性を反転させて切り替えるようにしてもよい。
【0042】このように記録トラック上のランド部とグルーブ部の切り替え点を予測しながら、自動焦点サーボやトラッキングサーボのかけ方を切り替えることにより、隣あったランド部とグルーブ部の両方へトラックジャンプすることなく連続して記録することができた。もちろんランド部とグルーブ部の情報を連続して読み出すことも可能である。また、基板上にウォブルピットを設け、グルーブ部付きのサンプルサーボ方式対応の情報記録用部材とすることができる。
【0043】次に、ビームスポット内に反射光量変化に寄与しない領域を生じさせるマスク層を設けた記録用部材を用いた実施例について詳しく説明する。ディスク基板としては、前述の実施例で用いたような、記録トラック1周上でランド部とグルーブ部が交互に現われる基板を用いた。
【0044】図8は、本実施例のディスクの構造断面図の一例を示したものである。まず、グルーブ部の幅もランド部の幅も約0.5μmであり記録トラックピッチが0.5μmである直径6.4cm、厚さ1.1mmのポリカーボネート基板20上に、マグネトロンスパッタリング法により厚さ約125nmのZnS−SiO2下部保護層21を形成した。このZnS−SiO2保護層21上にスパッタ法により高融点(融点:〜650℃)のGe22Sb26Te50Co2組成の記録膜22を約20nmの膜厚に形成した。次にZnS−SiO2の中間層23を約210nmの膜厚に形成した。さらに、マスク層としてナフタロシアニン色素が含まれた有機物層24を300nm積層し、この上にNi−Cr反射層25を200nmつけた。さらに、この上に紫外線硬化樹脂保護層26を設けた。その後、この上に接着剤層27を介して、同じ構造のもう一枚のディスクとの貼りあわせを行った。
【0045】次に、記録再生原理を説明する。本実施例では、ナフタロシアニン色素のように、耐熱性が有り、あるしきい値を越える強度のレーザ光が照射されると基底状態にある色素がなくなり、それ以上は光を吸収しなくなる吸収飽和の性質をもっている色素を使用する。まず、半導体レーザから出た光ビームは、基板20を透過して記録膜22に照射される。さらに記録膜22を透過した光ビームは色素を含むマスク層24に照射される。この時、光ビームスポットの中心で吸収飽和を起すしきい値を越えた部分の透過率が大きくなる。そして、この透過率が上昇した部分を通過したビームが反射層25で反射し、記録膜側へ戻って多重反射を起す。その結果、記録膜22上に形成される記録点の大きさは、色素を含むマスク層24で吸収飽和を起した部分の大きさで決まる。すなわち吸収飽和を起す部分の大きさを小さくすることにより高密度化が可能である。
【0046】本実施例では、色素を含むマスク層24を中間層23と反射層25との間に形成したが、このように無機物層の間に形成することにより機械的強度が増加し、書き換え可能回数が増加した。例えば、本実施例のディスク構造では10万回の書き換えを行ってもノイズレベルの上昇はみられなかったが、色素を含むマスク層24を基板20上に形成した場合には、1万回の書き換えでノイズレベルが約5dB上昇した。この原因としては、書き換えにより色素を含むマスク層24が変形したものと考えられる。また、本実施例のように、反射層25に接して、あるいは近接して、すなわち薄い他の層を介して色素を含むマスク層24を設けることにより、色素を含むマスク層24で発生した熱が反射層25側へ急速に逃げるため熱によるダメージが少なくなり、記録時などの高温による層変形・構造破壊が少なくなるという効果が有る。特に、色素を含むマスク層24を反射層25と接して形成した場合が効果が大きかった。
【0047】本実施例で用いた色素においては、吸収飽和する部分は約0.5μmφ程度であり、隣の記録トラック上の情報からのクロストークの影響はなくなった。また、次に読もうとしている同一トラック上の記録情報は読み出されない。このため、従来に比べて記録点密度が2倍向上した。本実施例では、記録膜として高融点の相変化型光記録膜を用いたが、光磁気記録膜でも同様の効果があった。
【0048】本実施例のディスクの構造は、前記実施例と基本的に同じである。ただし、ナフタロシアニン色素が含まれた有機物層に代えて、Te20Se80相変化マスク層を25nm積層した構造である。次に、再生原理を説明する。本実施例では、Te20Se80相変化マスク層のように融点が250℃と低く、膜が融けたときの屈折率変化が比較的大きい無機物層を使用する。まず、半導体レーザから出た再生光ビーム(連続光)は、PC基板を透過してGe22Sb26Te50Co2記録膜に照射される。さらに記録膜を透過した再生光ビームはTe20Se80相変化マスク層に照射される。この時、ディスクが回転していると、光ビームスポットの中心よりも後ろ側の部分で温度が最高になり、Te20Se80相変化マスク層膜の融点を越えた部分の屈折率と消衰係数が小さくなる。そして、この屈折率と消衰係数が低下した部分を通過したビームが反射層で反射し、さらに記録膜側へ戻って多重反射を起こし、反射率が低下する。その結果、光スポットとTe20Se80相変化マスク層が融けていない部分とが重なった微小な部分に存在する記録点だけを読むことができ、大きな再生信号が得られる。
【0049】なお、マスク層が溶けない部分の再生光反射率が特に低くなるように下部保護層および記録膜を選び、マスク層が溶けた部分で、かつ光スポット内の領域に存在する記録点を読むようにしてもよい。再生光は、連続光としないでパルス光としてもよい。低融点の無機物としては、Te−Se系のほかに、Pb−Sn系、Bi−Sn系、Bi−Ga系、Sn−Zn系、Ga−Sn系など融点が300℃以下のものが好ましい。
【0050】また例えば、Al合金反射層やZnS系材料保護層などの無機物層の間にこれら無機物のマスク層を形成することにより、機械的に強くなり多数回の書き換えでもマスク層の変形などが抑えられる。また、無機物のマスク層を記録膜より反射層側に形成することにより、無機物のマスク層で発生した熱を反射層側へ逃がすことができ、無機物のマスク層の熱によるダメージが少なくなる。その結果、記録時などの高温による層変形・構造破壊が少なくなる。この時、熱伝導率が大きい反射層を用いる方が急速に熱が逃げるため好ましい。そして無機物のマスク層は反射層に接して形成した方がさらに熱拡散効果が大きくより好ましい。
【0051】本実施例では、記録膜として高融点の相変化型光記録膜を用いたが、光磁気記録膜でも同様な効果があった。実施例2と同様に、隣の記録トラック上の情報からのクロストークの影響はなく、次に読もうとしている同一トラック上の記録情報は読み出されないため、従来に比べて記録点密度が2倍向上した。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、基板表面に形成したランド部とグルーブ部の両方を情報を記録する記録トラックとして、隣あったランド部とグルーブ部の間をトラックジャンプすることなく、ランド部とグルーブ部の両方への連続記録および連続再生が可能となり、安定にかつ短時間で記録および読み出しができる情報記録用部材および記録再生装置を実現することができる。




 

 


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