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発明の名称 磁気テープ
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2003−178422(P2003−178422A)
公開日 平成15年6月27日(2003.6.27)
出願番号 特願2002−377194(P2002−377194)
出願日 平成13年12月28日(2001.12.28)
代理人 【識別番号】100077920
【弁理士】
【氏名又は名称】折寄 武士
【テーマコード(参考)】
5D006
【Fターム(参考)】
5D006 CC02 CC03 
発明者 太田 博之 / 藤沢 治彦 / 向井 直樹 / 吹上 悟 / 佐野 健治 / 藤谷 茂夫
要約 課題
光学サーボ信号のS/Nが高く、しかもテープの巻き乱れや、不要な粉体付着によるドロップアウトの発生等が起きにくい磁気テープを提供する。

解決手段
非磁性支持体3上の一面に、少なくとも一層の下塗層と、磁性層4とがこの順に形成されており、反対面には、カーボンブラックを一成分とする非磁性粉末と、結合剤とを含有したバックコート層2が設けられ、バックコート層2に光学サーボ用の凹部からなるサーボパターン5が形成された磁気テープ1において、バックコート層における非磁性粉末の含有率[(非磁性粉末重量)÷(非磁性粉末重量+結合剤重量)×100]を50重量%以上、原子間力顕微鏡で測定したバックコート層の平坦部の表面平均粗さRaを30nm以下、当該表面平均粗さRaの磁気テープ位置による変動の半値幅を5nm以下に設定する。
特許請求の範囲
【請求項1】 非磁性支持体の一面に、少なくとも一層の下塗層と、磁性層とがこの順に形成されており、反対面には、カーボンブラックを一成分とする非磁性粉末と、結合剤とを含有したバックコート層が設けられ、当該バックコート層に光学サーボ用の凹部が形成された磁気テープであって、前記バックコート層における非磁性粉末の含有率[(非磁性粉末重量)÷(非磁性粉末重量+結合剤重量)×100]が50重量%以上で、かつ原子間力顕微鏡で測定したバックコート層の平坦部の表面平均粗さRaが30nm以下、当該表面平均粗さRaの磁気テープ位置による変動の半値幅が5nm以下であることを特徴とする磁気テープ。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バックコート層に光学サーボトラック用の凹部を設けた磁気テープに関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】磁気テープには、オーディオテープ、ビデオテープ、コンピユータのデータバックアップ用テープなど種々の用途がある。このうち例えばデータバックアップ用テープ(バックアップテープ)の分野では、バックアップ対象となるハードディスクの大容量化に伴い、1巻当たり数十GB以上の記憶容量のものが商品化されているが、今後もハードディスクのさらなる大容量化に対応するため、その高容量化が不可欠となっている。また、アクセス速度や転送速度を大きくするため、テープの送り速度や、テープとヘッド間の相対速度も高める必要がある。
【0003】バックアップテープ1巻当たりの高容量化のためには、■テープ全厚を薄くして1巻あたりのテープ長さを長くすること、■磁性層の厚さを0.3μm以下と極めて薄くすることで厚さ減磁を小さくして記録波長を短くすることと共に、■トラック幅を15μm以下と狭くして幅方向の記録密度を高くすることが必要である。
【0004】磁性層の厚さを0.3μm以下と極めて薄くすると、耐久性が劣化するので、非磁性支持体と磁性層との間に少なくとも一層の下塗層を設けることが好ましい。また、記録波長を短くすると、磁性層と磁気ヘッドとのスペーシングの影響が大きくなるので、磁性層に大きな突起やへこみがあると、スペーシングロスによる出力の低下により、エラーレートが高くなる。
【0005】磁性層の厚さを0.3μm以下と極めて薄くすると共に記録波長を短くすると、磁気記録媒体からの漏れ磁束が小さくなるため、再生ヘッドに微小磁束でも高い出力が得られる磁気抵抗効果型素子を使用した再生ヘッド(以下、MRヘッド)を使用することが好ましい。
【0006】また、トラック幅(データトラックに記録された信号のトラック幅)を1.5μm以下と狭くして、幅方向の記録密度を高くすると、オフトラックによる再生出力の低下が問題になるので、その対策としてトラックサーボが必要になる。
【0007】このようなトラックサーボ方式の一つに光学式トラックサーボ方式がある。これは、レーザー光の照射やスタンパによる押圧等で光学サーボ用の凹部を形成し、これを光学的に検出してサーボトラッキングを行うものである。
【0008】さらに、この種の光学式トラックサーボ方式には、フロプティカルディスク(光学サーボトラック方式のフロッピー(登録商標)ディスク)の磁性層に光学サーボ用の凹部を形成したもの(特許文献1参照)や、磁気テープのバックコート層に光学サーボ用の凹部を形成したもの(特許文献2、3参照)などがある。
【0009】
【特許文献1】特開平3−141087号公報【特許文献2】特開平11−339254号公報【特許文献3】特開平11−213384号公報【0010】バックコート層に光学サーボ用の凹部を形成したものでは、当該バックコート層における凹部と平坦部との光反射率の違いを検知してトラックサーボを行なう。すなわち、このような凹部を有するバックコート層に光を当てると、当該凹部では光が乱反射するために光検知器に入る反射光強度が弱く、平坦部では光が正反射するので反射光強度が強くなるが、上記の方式は、このことを利用して、凹部により形成されるサーボトラックをトラッキングするものである。具体的には、バックコート層のサーボトラッキングに連動して、磁性層の記録・再生を行う磁気ヘッドが動くことにより、磁気記録トラックのサーボを行う。
【0011】この方式では、通常のレーザーで光学サーボ用の凹部を形成すれば、乱反射により凹部からの光反射強度を充分小さくできるが、従来公知の磁気テープにおけるバックコート層では平坦部の光反射強度が小さく、かつ平坦部の光反射率の場所による変動が大きかったため、光学サーボのS/Nを充分高く取れないという問題があった。原因は、従来の磁気テープのバックコート層においては主にテープ走行性のみが重視され、光反射率に関しては考慮されていなかったためである。
【0012】また、レーザー照射やスタンパ押圧等でバックコート層に凹部を形成すると、当該凹部の周辺部分(凹端部)に盛り上がりが生じることが避けられないため、例えば次のような問題が生じる。すなわち、テープ全厚を6μm以下とする場合、テープ剛性(テープのヤング率をE、テープの全厚をTとしたときのET3 )が小さくなるので、テープ走行時の巻取テンションを小さくする必要があるが、その場合、磁気テープの特定の位置が上記のように盛り上がっていると、テープリールを巻き取った際にトラック形成部が極端に盛り上がり、いわゆるテープの巻き乱れ現象が起こる。
【0013】加えて、上記のような盛り上がり部があると、これらが磁気テープの記録層(磁気記録面)に裏うつりして、記録層に凹凸が形成され、その結果、再生出力が低下するといった問題も生じる。なお、光学式サーボトラック方式を採用した磁気ディスクでは、磁気テープのような巻き取りは行わないので、光学サーボ用の凹部の周辺部分が盛り上がっていても上記のようなテープの巻き乱れ現象や裏うつり現象は生じる余地がない。つまり、このような現象は、磁気テープではじめて問題となるものである。この問題を解決するためには、盛り上がり部の高さを平坦部の最大突起高さ(P−O)以下にすることが好ましい。
【0014】さらに、レーザー照射によりバックコート層に凹部を形成する方法では、バックコート層にレーザー光を照射してそのエネルギーでコーティング面を焼き飛ばし、凹状のパターンを形成するので、生産性は高いものの、パターンの形成時にレーザーにより焼き飛ばされた焼きカス(燃焼カス)が紛体となって凹部およびその周辺に多数付着する。この燃焼カスをそのまま放置しておくと、走行系の汚れが起こるばかりでなく、バックコート層の光学的読み取りS/Nの低下や、燃焼カスの磁性層への付着によるドロップアウトの発生の原因になる。また、バックコート層表面の平坦部の光反射率が小さくなり、磁気テープ長手方向の反射率の変動が大きくなる。これも光学的読み取りS/Nの低下の原因になる。このため、燃焼カスの除去は必須である。
【0015】レーザー照射により光学サーボ用の凹部を形成した際に生じる燃焼カスを除去する方法としては、光学サーボ用の凹部を形成したフロプティカルディスクの燃焼カスの除去に固体CO2 を使用する方法が知られている(特許文献4参照)。ディスク形状であるフロプティカルディスクでは、クリーニングを行う面積が限定され、多数回ディスクを高速回転させることにより、クリーニングに必要な固体CO2 を簡単に吹き付けることが可能である。
【0016】
【特許文献4】米国特許第5419733号明細書【0017】しかしながら、これを磁気テープのクリーニング手段としてそのまま用いた場合、長尺物である磁気テープでは、クリーニングを行う対象の延面積は莫大となり、なおかつ多数回固体CO2 を吹き付けるにはディスク状のものに比べCO2使用量が大量になるなど、効率面で問題がある。また、レーザー照射によりサーボパターンを生成する際に発生する燃焼カスが、磁気テープを再び巻くことで磁気テープに付着転移し、ドライブガイドローラーや磁気ヘッドに燃焼カスが付着するというフロプティカルディスクにはない問題点もある。
【0018】一方、テープ状の磁気テープ表面のクリーニング方法としては、テープ状のティッシュクリーニングテープを磁気テープ表裏面に接触させることによりクリーニングするものがあるが、平坦部のクリーニング効果は不十分で、レーザーにより凹状に生成されたサーボドットの内部をクリーニングする効果も小さい。また、上記のクリーニング処理にブレード処理を組み合わせる方法も考えられるが、バックコート層は磁性層に比べて強度が低いために強いブレード処理をするとバックコート層が傷つき、逆にブレード処理を弱くすると燃焼カス除去効果が無くなるので、条件設定が非常に難しく、大量生産は困難である。さらに、凹状に生成されたサーボドットの内部をクリーニングする効果はほとんど無い。
【0019】本発明は、上述した問題点を解消するためになされたものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、光学サーボ信号のS/Nの高い磁気テープについて検討した結果、S/Nを高くするためには、バックコート層の非磁性粉末の含有率[(非磁性粉末重量)÷(非磁性粉末重量+結着剤重量)×100]を50重量%以上とし、かつ原子間力顕微鏡(AFM)で測定したバックコート層の平坦部の表面粗さRaを30nm以下、当該表面粗さRaの磁気テープ位置による変動の半値幅を5nm以下にすれば良いことを見い出した。
【0021】非磁性粉末の中に占めるカーボンブラックの割合を80重量%以上にすると、レーザー光によって光学サーボ用の凹部(サーボ孔)があけやすくなるので好ましい。さらに、カーボンブラックと共に、合わせて20重量%以下の酸化鉄(例えばベンガラ)などを添加すると、バックコート層の強度が高くなるので好ましい。
【0022】また、本発明者らは、全厚が6μm以下と薄い磁気テープのテープ巻き乱れ問題の解決法について詳細に検討した結果、磁気テープの全厚をT、バックコート層の凹端部(光学サーボ用の凹部の周縁部分)の凸部100個あたりの平均高さをHとした時のH/Tを1/50以下に設定すれば、テープの巻き乱れ問題を防止できることを見い出した。H/Tは1/100以下がより好ましい。
【0023】一方、磁気テープのバックコート層表面にレーザー照射により光学サーボ用の凹部を形成した際に生じる燃焼カス(粉体等)、特に凹部の内部および周辺に付着した燃焼カスを効率よく除去できる方法および装置を提供し、ひいてはエラーレートが低い磁気テープが得られるようにするには、次に述べるような方法が有効であることを見い出した。すなわち、レーザー照射により生じた燃焼カスを効率よく除去する方法について検討した結果、■CO2 によるクリーニング方法と■起毛体等によるクリーニング方法が有効であることを見い出した。■のCO2によるクリーニング方法は比較的大掛かりな装置を必要とする反面、消耗品がCO2 のみで比較的ランニングコストが小さい。一方、■の起毛体によるクリーニング方法は、起毛体を消耗する反面、装置が比較的簡便であるという長所を有する。
【0024】初めに、■のCO2 によるクリーニング方法について説明する。磁気テープを長手方向に走行させながら、そのバックコート層にレーザー光を照射して当該バックコート層に光学サーボ用の凹部を形成した後の工程において、光学サーボ用の凹部が形成されているバックコート層の表面に固体CO2 を吹き付ければ、磁気テープを一度走行させるだけで光学サーボ用の凹部の内部およびその周辺に付着した燃焼カスを除去できることが明らかとなった。すなわち、図1ないし図3に例示したように、クリーニング対象としての磁気テープ1を高速(例えば、約10m/秒の速度)で走行させた状態で、そのバックコート層2の表面に、固体CO2 (噴射時には液体で噴射直後に固体となるCO2 )を吹き付けることにより、バックコート層2の表面に付着している粉体を効率よく除去できることが判明した。なお、図1ないし図3において、符号3は非磁性支持体、4は磁性層、5は多数の光学サーボ用の凹部からなるサーボパターン、6は下塗り層をそれぞれ示す。
【0025】このような固体CO2 の吹き付けにより燃焼カスを効率良く除去できるのは、次のように考えられる。すなわち、バックコート層の表面に吹き付けられるCO2 は、一定の温度以下で、圧力が一定以上であれば、液体であるが、噴射後に圧力が急激に低下するため、液体から固体へと変化して粒子状もしくは微粒子状のドライアイスになる。このドライアイスは、CO2 吹き付け用の噴射ノズル15から噴射された後に磁気テープ1のバックコート層2の表面(後述の図7に示す被吹き付け部B)に当たって周辺に飛散する(短時間に炭酸ガスとなる)が、そのバックコート層表面への当接時にそこに付着していた粉体(主に燃焼カス)を吸着する。これにより、バックコート層表面における燃焼カスが分離・除去されることとなる。このとき、図3に示したように、CO2 吹き付け領域(図7に示す被吹き付け部B)の周辺を吸引ノズル16等の吸引手段で吸引することで燃焼カスの除去を一層効率よく行うことができる。
【0026】なお、図3には、吸引手段として、テープ幅よりも大きな幅の吸引口16aを有する吸引ノズル16をバックコート層面の上方に配置したものを示したが、吸引手段はこのようなものに限られない。例えば図4に示すように、磁気テープ1の走行方向と対向する方向から見て(図4では紙面の上方から見て)、磁気テープ1のバックコート層2側の面と両エッジ部(磁気テープ1の長手方向に沿った両端部)とを覆うような吸引口16aを有する吸引手段16を用いてもよいし、あるいは図5に示すように、磁気テープ1の走行方向と対向する方向から見て、テープ全体を取り囲むような吸引口16aをもつ吸引手段16を用いてもよい。また、図示しないが、磁気テープの走行を妨げないようにしたうえで、CO2 吹き付け用の噴射ノズル15を含めてCO2 吹き付け領域全体を覆うような吸引手段を用いてもよい。
【0027】図6に、レーザー照射により形成される光学サーボ用の凹部の配列パターン(サーボパターン)の一例を示す。図示したものは、テープ幅が12.64mm(1/2インチ)である磁気テープ1におけるサーボパターン5の一例であるが、この例では、そのテープ幅方向に、それぞれテープ長手方向に延びる4列のバンド5aが形成されている。1本のバンド5aの幅は約0.4mmである。各バンド5aは、微視的には光学サーボ用の凹部がテープ長手方向に並んだ状態のものを一列とし、この凹部の列がテープ幅方向に間隔を開けて複数並んだ構成とされている。レーザー照射により発生した粉体は、サーボパターンの凹部の内面に最も多く付着していることから、例えば図3に示したように、1つのバンド5aに対し1つのCO2 噴射孔15aを有する噴射ノズル15が最も効率がよい。図示例の噴射ノズル15は、4バンドのパターンに対して4つの噴射孔15aを有する。これらの噴射孔15aから均一に固体CO2 (先に述べたように噴射時には液体である)を噴射することにより、サーボパターン5を形成している凹部およびその周辺を確実にクリーニングすることができる。
【0028】また、高速(例えば、10m/秒)で走行する磁気テープに対向する方向に一定の角度を持たせたCO2 吹き付け用の噴射ノズルから固体CO2 を吹き付ける。具体的には、図2、図3および図7に示すように、磁気テープ1の走行方向から見てバックコート層表面における固体CO2 の被吹き付け部(固体CO2 が当たる部分)Bよりも前方側に、バックコート層2の表面に対して例えば30°〜90°(好ましくは30°〜60°)傾斜させた状態でCO2 吹き付け用の噴射ノズル15を配置し、そこから磁気テープ1の走行方向Aと対向する方向に固体CO2 を噴射して前記被吹き付け部Bに当てることにより、バックコート層表面における光学サーボ用の凹部およびその周辺に付着した燃焼カスを吹き飛ばす。このようにすれば、光学サーボ用の凹部へのCO2 の流れを保ちながら、CO2吹き付け相対速度を増加させることができるので、クリーニング効果を高めることができる。
【0029】効率よくサーボパターンを生成するには、長さ数千メートル以上に巻かれた磁気テープを走行させながら、レーザー照射によりバックコート層の表面に光学サーボ用の凹部を形成した後、クリーニング処理および表面に対する拭き取り処理を行い、その後に再び整然と巻き取りうるような装置が有効である。このような装置として、図7に例示するように、巻かれた磁気テープ1を所定の方向に送り出す送り出し機構部11と、送り出された磁気テープ1のバックコート層の表面にレーザー光を照射して光学サーボ用の凹部を形成する光学サーボトラック形成部12と、この凹部形成後にバックコート層の表面をクリーニングするクリーニング部13と、このクリーニング後に磁気テープ1を巻き取る巻き取り機構部14とを有し、前記クリーニング部13に、前記レーザー光の照射により形成された光学サーボ用の凹部およびその周辺に固体CO2 を吹き付ける噴射ノズル15を備えたCO2 吹き付け部と、この固体CO2 の吹き付けにより吹き飛ばされた前記光学サーボ用の凹部およびその周辺の燃焼カスを吸引する吸引ノズル16を備えた吸引部と、この燃焼カスの吸引後に例えばティッシュによりバックコート層と磁性層の表面を拭き取る拭き取り部17とを備えた、磁気テープの光学サーボトラック形成・クリーニング装置を用いることができる。ただし、このような装置においては、光学サーボトラック形成部12、クリーニング部13におけるCO2 吹き付け部および拭き取り部のそれぞれにおいて張力ロスが存在し、テープに対する最適な張力(例えば、70g〜200g)を超えることがある。そのため、各部別に磁気テープの張力を制御する張力制御手段を備えるのが好ましい。具体的には、後述する実施例において説明するように、第1〜第3吸引ロール22〜24により張力を絶縁し、各部に備えた張力検出器27・28の値を、各吸引ロール22を回転させるサーボモータにフィードバックして制御することで、磁気テープ1に対する最適な張力を保ちながら走行させるようにした装置が有効である。
【0030】つぎに、■の起毛体等によるクリーニング方法について説明する。比較的簡単な装置で、光学サーボ用にレーザー照射によって形成された凹部の内部および周辺に付着した燃焼カスを効率よく除去する方法について検討した結果、磁気テープを長手方向に走行させながら、起毛した毛を有する植毛体、織布(好ましくはベルベット)または不織布を接触させる工程を含む方法により、磁気テープを一度走行させるだけで、燃焼カスの除去に絶大な効果を発揮することが明らかになった。すなわち、磁気テープを高速(例えば約10m/秒)で走行させて、そのバックコート層表面に起毛した毛を有する植毛体、織布(好ましくはベルベット)または不織布を接触させる工程を含む方法で当該バックコート層表面をクリーニングすることにより、バックコート層表面に存在する光学サーボ用の凹部の内部および周辺に付着した燃焼カス(粉体等)を効率よく除去することができる。
【0031】また、上記の方法を実施するに際し、図9に例示するように、巻かれた磁気テープ1を所定の方向に送り出す送り出し機構部11と、送り出された磁気テープ1のバックコート層2の表面にレーザー光を照射して光学サーボ用の凹部を形成する光学サーボトラック形成部12と、この凹部形成後にバックコート層の表面をクリーニングするクリーニング部13と、このクリーニング後に磁気テープ1を巻き取る巻き取り機構部14とを有し、前記クリーニング部13には、バックコート層の表面をクリーニングすべく、起毛した毛を有する植毛体、織布または不織布をバックコート層の表面に接触させる接触部15bと、バックコート層の表面に付着している不要な粉体を拭き取る拭き取り部17とが配置されていることを特徴する磁気テープの光学サーボトラック形成・クリーニング装置を使用することができる。この装置は、磁気テープのバックコート層に対する光学サーボ用の凹部の形成作業と、燃焼カスのクリーニング作業とを1本のラインで行えるので、生産性が高い。この場合において、光学サーボトラック形成部と、クリーニング部における接触部と拭き取り部の各部別に張力制御手段を備えて、これらの張力制御手段により各部別に磁気テープの張力を制御するようにすれば、生産性を向上させることができる。
【0032】本発明によりバックコート層表面の凹部およびその周辺に存在する燃焼カスを効率良く除去できるのは、起毛した毛が凹部に進入し、かつ適正な長さと剛性を持つので、この凹部に進入した毛によって燃焼カスが凹部から効率的に掻き出されるからであると考えられる。
【0033】上記の起毛した毛の単繊維径は、0.5μm〜10μmが好ましく、1μm〜8μmがより好ましく、2μm〜6μmがさらに好ましい。この範囲の単繊維が好ましいのは、0.5μm未満の単繊維径では毛の剛性(腰の強さ)が小さいので燃焼カスの掻き出し効果が小さく、10μmを超えると毛が凹部に進入しにくくなるためである。
【0034】単繊維の毛足の長さは、0.5mm〜5mmが好ましく、1mm〜4mmがより好ましく、1mm〜3mmがさらに好ましい。この範囲が好ましいのは、0.5mm未満では、毛が凹部に進入しにくく、5mmを超えると毛の剛性(腰の強さ)が小さくなり燃焼カスの掻き出し効果が小さくなるためである。また、剛性を保ちながら掻きだし効果を得る手段として太い単繊維先端部を分割する方法も有効である。
【0035】起毛した毛は、綿、麻のような天然繊維、レーヨン、ポリエステルのような合成繊維の少なくとも一種が使用される。繊維は単独、混紡のいずれでもよい。また、繊維は単繊維でもよいし2本以上撚り合わせたものでもよい。
【0036】これらの起毛した毛の材料としては、綿は適度な剛性(腰の強さ)および太さを有するので、少なくとも綿を含むことが好ましい。例えば、綿30%〜70%レーヨン70%〜30%の混紡タイプのものが使用できる。
【0037】前述の図6で説明したように、レーザー照射により発生した粉体は、サーボパターンの凹部の内面に最も多く付着している。起毛した毛を有する植毛体、織布または不織布は、図8に示すように回転ドラム31に起毛クロス32を巻き付けて数千メートルの長尺磁気テープ1巻毎に取り替える方式でもよいし、起毛クロスを連続的に供給する方式でもよいが、前者の方式によれば装置が簡便になる。そこで、以下では、前者の方式を例にとって説明する。
【0038】図8に示すように、高速(例えば10m/秒)で走行する磁気テープ1のバックコート層2の表面に一定の接触角度90°〜140°で起毛ドラム(図8に示したように回転ドラム31の外周に起毛クロス32を巻き付けたもの)30を接触させるとともに、磁気テープ1の走行方向と対向する方向に一定の速さ[30〜50rps(1800〜3000rpm)]で起毛ドラム30を回転させ、入側テンションを50〜100g、出側テンションを170〜260gにすることで、テープテンションを1.7〜2.5Nに調整すれば、燃焼カスの除去効果が高くなるので好ましい。
【0039】接触角度90°〜140°が好ましいのは、90°未満では磁気テープ送り速度を小さくすることが必要になって燃焼カス除去に時間が掛かり、処理時間が短い場合には磁気テープの記録・再生を繰り返すと燃焼カスが凹部から脱落して磁性層やバックコート層平坦部等に再付着するためにエラーレートの上昇やサーボ信号のS/N低下の原因になりやすいからであり、また140°を超えると装置の部品配置が窮屈になりやすいためである。通常、90°〜120°がより好ましい。
【0040】起毛ドラムの回転速度は、188.4〜314ラジアン/秒(1800〜3000rpm)が好ましい。回転速度が188.4ラジアン/秒(1800rpm)未満では、磁気テープ送り速度を小さくすることが必要になって燃焼カス除去に時間がかかり、回転速度が314ラジアン/秒(3000rpm)を超えると、モータが高価になるからである。また、2個以上の起毛ドラムを配置する方法もあるが、装置が大きくなる。
【0041】効率よくサーボパターンを生成するには、長さ数千メートル以上に巻かれた磁気テープを走行させながら、レーザー照射によりバックコート層の表面に光学サーボ用の凹部を形成した後、クリーニング処理および表面に対する拭き取り処理を行い、その後に再び整然と巻き取りうるような装置が有効である。このような装置として、図9に例示するように、巻かれた磁気テープ1を所定の方向に送り出す送り出し機構部11と、送り出された磁気テープ1のバックコート層の表面にレーザー光を照射して光学サーボ用の凹部を形成する光学サーボトラック形成部12と、この凹部形成後にバックコート層の表面をクリーニングするクリーニング部13と、このクリーニング後に磁気テープ1をパンケーキ状に巻き取る巻き取り機構部14とを有し、前記クリーニング部13に、バックコート層の表面をクリーニングすべく、起毛した毛を有する植毛体、織布または不織布をバックコート層の表面に接触させる接触部15bと、例えばティッシュによりバックコート層の表面に付着している不要な粉体を拭き取る拭き取り部17とを配置したことを特徴する磁気テープの光学サーボトラック形成・クリーニング装置を用いることができる。ただし、このような装置においては、光学サーボトラック形成部12、クリーニング部13における接触部15bおよび拭き取り部17のそれぞれにおいて張力ロスが存在し、テープに対する最適な張力(例えば、70g〜200g)を超えることがある。そのため、各部別に磁気テープの張力を制御する張力制御手段を備えるのが好ましい。具体的には、後述する実施例において説明するように、第1〜第3吸引ロール22〜24により張力を絶縁し、各部に備えた張力検出器27・28の値を、各吸引ロール22〜24を回転させるサーボモータにフィードバックして制御することで、磁気テープ1に対する最適な張力を保ちながら走行させるようにした装置が有効である。
【0042】以下に、各構成要素毎の好ましい形態を述べる。
〈非磁性支持体〉非磁性支持体の厚さは、7.0μm以下が好ましく、2.0〜7.0μmがより好ましい。この範囲の厚さの非磁性支持体がより好ましいのは、2μm未満では製膜が難しく、またテープ強度が小さくなり、7.0μmを越えるとテープ全厚が厚くなり、テープ1巻当りの記憶容量が小さくなるためである。
【0043】非磁性支持体の長手方向のヤング率は、非磁性支持体の厚さによって異なるが、通常5.07GPa(500kg/mm2 )以上のものが使用される。また、非磁性支持体の厚さが、5.0μm以下の場合は、10.13GPa(1000kg/mm2 )以上のヤング率のものが好ましく使用される。前記範囲のヤング率の非磁性支持体が用いられるのは、5.07GPa(500kg/mm2 )未満では、磁気テープの強度が弱くなったり、磁気テープの走行が不安定になるためである。
【0044】非磁性支持体の長手方向のヤング率をMD、幅方向のヤング率をTDとした時の比(MD/TD)は、1.0〜1.8が好ましく、1.1〜1.7がより好ましい。この範囲が好ましいのは、ヘッドタッチが良くなるためである。このような非磁性支持体には、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、芳香族ポリアミドフィルム、芳香族ポリイミドフィルム等がある。
【0045】〈下塗層〉非磁性支持体と磁性層との間に下塗層を設けてもよい。下塗層の厚さは、0.3〜3.0μmが好ましく、0.3〜2.5μmがより好ましく、0.3〜2.0μmがさらに好ましい。この範囲が好ましいのは、0.3μm未満では磁気テープの耐久性が悪くなる場合があり、3.0μmを越えると磁気テープの耐久性向上効果が飽和するばかりでなくテープ全厚が厚くなって、1巻当りのテープ長さが短くなり、記憶容量が小さくなるためである。
【0046】下塗層には、導電性改良の目的でカーボンブラック(以下、CBともいう)、塗料粘度やテープ剛性の制御を目的に非磁性粒子を添加することができる。下塗層に使用する非磁性粒子としては、酸化チタン、酸化鉄、アルミナ等があるが、酸化鉄単独または酸化鉄とアルミナの混合系が好ましく使用される。下塗層に、下塗層中の全無機粉体の重量を基準にして、粒径10〜100nmのカーボンブラックを15〜35重量%、長軸長0.05〜0.20μm、短軸長5〜200nmの非磁性の酸化鉄を35〜83重量%、必要に応じて粒径10〜100nmのアルミナを0〜20重量%含有させると、ウエットオンウエットで、その上に形成した磁性層の表面粗さが小さくなるので好ましい。なお、非磁性酸化鉄としては針状の他、粒状または無定形の非磁性酸化鉄を使用してもよい。粒状または無定形の非磁性酸化鉄を使用する場合には粒径5〜200nmの酸化鉄が好ましい。なお、表面の平滑性を損なわない範囲で100nm以上の大粒径CBを添加することを排除するものではない。その場合のCB量は、小粒径CBと大粒径CBの和を上記範囲内にすることが好ましい。
【0047】下塗層に添加するカーボンブラック(CB)としては、アセチレンブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック等を使用できる。通常、粒径が5nm〜200nmのものが使用されるが、粒径10〜100nmのものが好ましい。この範囲が好ましいのは、カーボンブラックがストラクチャーを持っているため、粒径が10nm以下になるとCBの分散が難しく、100nm以上では平滑性が悪くなるためである。CB添加量は、CBの粒子径によって異なるが、15〜35重量%が好ましい。この範囲が好ましいのは、15重量%未満では導電性向上効果が乏しく、35重量%を越えると効果が飽和するためである。粒径15nm〜80nmのCBを15〜35重量%使用するのがより好ましく、粒径20nm〜50nmのCBを20〜30重量%用いるのがさらに好ましい。このような粒径・量のカーボンブラックを添加することにより電気抵抗が低減され、かつ走行むらが小さくなる。
【0048】下塗層に添加する非磁性の酸化鉄としては、針状の場合、長軸長0.05〜0.20μm、短軸長(粒径)5〜200nmのものが好ましく、粒状または無定形のものでは、粒径5〜200nmが好ましい。粒径5〜150nmがより好ましく、粒径5〜100nmがさらに好ましい。なお、針状のものが磁性層の配向がよくなるのでより好ましい。添加量は、35〜83重量%が好ましく、40〜80重量%がより好ましい。この範囲の粒径(針状の場合は短軸長)が好ましいのは、粒径5nm未満では均一分散が難しく、200nmを越えると下塗層と磁性層の界面の凹凸が増加するためである。この範囲の添加量が好ましいのは、35重量%未満では塗膜強度向上効果が小さく、83重量%を越えるとかえって塗膜強度が低下するためである。
【0049】下塗層には酸化鉄に加えてアルミナを添加してもよい。アルミナの粒径は、10〜100nmが好ましく、20〜100nmがより好ましく、30〜100nmがさらに好ましい。この範囲の粒径が好ましいのは、粒径10nm未満では均一分散が難しく、100nmを越えると下塗層と磁性層の界面の凹凸が増加するためである。アルミナの添加量は、通常0〜20重量%であるが、2〜10重量%がより好ましい。
【0050】〈潤滑剤〉下塗層と磁性層からなる塗布層に、役割の異なる潤滑剤を使用することができる。下塗層には全粉体に対して0.5〜4.0重量%の高級脂肪酸を含有させ、かつ0.2〜3.0重量%の高級脂肪酸のエステルを含有させると、磁気テープと走行系のガイド等との摩擦係数が小さくなるので好ましい。この範囲の高級脂肪酸添加が好ましいのは、0.5重量%未満では、摩擦係数低減効果が小さく、4.0重量%を越えると下塗層が可塑化してしまい強靭性が失われるからである。また、この範囲の高級脂肪酸のエステル添加が好ましいのは、0.5重量%未満では、摩擦係数低減効果が小さく、3.0重量%を越えると磁性層への移入量が多すぎるため、磁気テープと走行系のガイド等が貼り付く等の副作用があるからである。なお、脂肪酸としては、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸などの高級脂肪酸が使用される。脂肪酸エステルとしては、例えばステアリン酸ブチル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸アミル、ステアリン酸イソオクチル、ミリスチン酸オクチル、ステアリン酸ブトキシエチル、モノーステアリン酸無水ソルビタン、ジーステアリン酸無水ソルビタン、トリーステアリン酸無水ソルビタンなどが使用される。
【0051】磁性層において強磁性粉末(例えば強磁性金属粉末)に対して0.2〜3.0重量%の脂肪酸アミドを含有させ、かつ0.2〜3.0重量%の高級脂肪酸のエステルを含有させると、磁気テープと走行系のガイドやMRヘッドのスライダ等との摩擦係数が小さくなるので好ましい。この範囲の脂肪酸アミドが好ましいのは、0.2重量%未満ではヘッドスライダ/磁性層の摩擦係数(動摩擦係数)が大きくなりやすく、3.0重量%を越えるとブリードアウトしてしまいドロップアウトなどの欠陥が発生するからである。脂肪酸アミドとしては、例えばパルミチン酸、ステアリン酸等、上記の高級脂肪酸のアミドが使用可能である。また、上記範囲の高級脂肪酸のエステル添加が好ましいのは、0.2重量%未満では摩擦係数低減効果が小さく、3.0重量%を越えると磁気テープと走行系のガイド等が貼り付く等の副作用があるためである。なお、磁性層の潤滑剤と下塗層の潤滑剤の相互移動を排除するものではない。MRヘッドのスライダとの摩擦係数(μmsl )は0.30以下が好ましく、0.25以下がより好ましい。この範囲が好ましいのは、0.30を越えると、スライダ汚れによるスペーシングロスが起こりやすいためである。なお、0.10未満は実現が困難である。SUSとの摩擦係数(μmsus)は0.10〜0.25が好ましく、0.12〜0.20がより好ましい。この範囲が好ましいのは、0.10未満になるとガイド部分で滑りやすく走行が不安定になり、0.25を越えるとガイドが汚れやすくなるためである。また、[(μmsl )/(μmsus)]は0.7〜1.3が好ましく、0.8〜1.2がより好ましい。この範囲が好ましいのは、磁気テープの蛇行によるトラッキングずれ(オフトラック)が小さくなるためである。
【0052】〈磁性層〉磁性層の厚さは上述のように、通常0.3μm以下で、0.01〜0.3μmが好ましく、0.01〜0.25μmがより好ましく、0.01〜0.10μmがさらに好ましい。この範囲がより好ましいのは、0.01μm未満では均一な磁性層が得にくく、0.3μmを越えると厚さ損失により、再生出力が小さくなったり、残留磁束密度と厚さの積が大きくなり過ぎて、MRヘッドの飽和による再生出力の歪が起こりやすくなるためである。また、磁性層の保磁力は、120〜320kA/mが好ましく、140〜320kA/mがより好ましい。この範囲が好ましいのは、120kA/m未満では記録波長を短くすると反磁界減磁で出力低下が起こり、320kA/mを越えると磁気ヘッドによる記録が困難になるためである。磁性層のテープ長手方向における残留磁束密度(Br)と磁性層厚さ(δ)との積(Brδ)は0.0018μTm〜0.06μTmが好ましく、0.0036〜0.050μTmがより好ましい。この範囲が好ましいのは、0.0018μTm未満では、MRヘッドによる再生出力が小さく、0.06μTmを越えるとMRヘッドによる再生出力が歪みやすいからである。磁性層の平均面粗さRaが3.2nm以下1.0nm以上で、該磁性層の凹凸の中心値をP0 、該磁性層の最大の凸量をP1 とした時の(P1 −P0 )が30nm以下10nm以上で、第20番目の凸量をP20とした時の(P1 −P20)を5nm以下にすれば、MRヘッドとのコンタクトがよくなり、MRヘッドを使用した時の再生出力が高くなるので好ましい。
【0053】磁性層に添加する磁性粉には、強磁性鉄系金属粉末、六方晶バリウムフェライト粉末を使用することができる。強磁性鉄系金属粉末、六方晶バリウムフェライト粉末の保磁力は、120〜320kA/mが好ましく、飽和磁化量は、強磁性鉄系金属粉末では、120〜200A・m2 /kg(120〜200emu/g)が好ましく、130〜180A・m2 /kg(130〜180emu/g)がより好ましい。六方晶バリウムフェライト粉末では、50〜70A・m2 /kg(50〜70emu/g)が好ましい。なお、この磁性層の磁気特性と、強磁性粉末の磁気特性は、いずれも試料振動形磁束計で外部磁場1.28MA/m(16kOe)での測定値をいうものである。
【0054】強磁性鉄系金属粉末の平均長軸長としては、0.03〜0.2μmが好ましく、0.03〜0.18μmがより好ましく、0.03〜0.10μmがさらに好ましい。この範囲が好ましいのは、平均長軸長が0.03μm未満となると、磁性粉の凝集力が増大するため塗料中への分散が困難になり、0.2μmより大きいと、保磁力が低下し、また粒子の大きさに基づく粒子ノイズが大きくなるからである。また、六方晶バリウムフェライト粉末では、同様な理由により、板径5〜200nmが好ましく、10〜100nmがより好ましく、10〜50nmがさらに好ましい。なお、上記の平均長軸長、粒径は、走査型電子顕微鏡(SEM)にて撮影した写真から粒子サイズを実測し、100個の平均値により求めたものである。また、この強磁性鉄系金属粉末のBET比表面積は、35m2 /g以上が好ましく、40m2 /g以上がより好ましく、50m2 /g以上が最も好ましい。六方晶バリウムフェライト粉末のBET比表面積は、1〜100m2 /gが好ましく用いられる。
【0055】下塗層、磁性層に用いられる結合剤としては、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、塩化ビニル−水酸基含有アルキルアクリレート共重合体、ニトロセルロースなどの中から選ばれる少なくとも1種とポリウレタン樹脂との組み合わせがある。中でも、塩化ビニル−水酸基含有アルキルアクリレート共重合体とポリウレタン樹脂を併用するのが好ましい。ポリウレタン樹脂には、ポリエステルポリウレタン、ポリエーテルポリウレタン、ポリエーテルポリエステルポリウレタン、ポリカーボネートポリウレタン、ポリエステルポリカーボネートポリウレタンなどがある。
【0056】官能基としてCOOH,SO3 M、OSO2 M,P=O(OM)3 、O−P=O(OM)2 [式中、Mは水素原子、アルカリ金属イオン又はアミン塩を表す。]、OH、NR' R'' 、N+R''' R''''R''''' [式中、R' 、R''、R''' 、R''''、R''''' は、それぞれ独立に水素または炭化水素基を表す]、エポキシ基を有する高分子からなるウレタン樹脂等の結合剤が使用される。このような結合剤を使用するのは、上述のように磁性粉等の分散性が向上するためである。2種以上の樹脂を併用する場合には、官能基の極性を一致させるのが好ましく、中でも−SO3 M基同士の組み合わせが好ましい。
【0057】これらの結合剤は、強磁性粉末100重量部に対して、7〜50重量部、好ましくは10〜35重量部の範囲で用いられる。特に、結合剤として、塩化ビニル系樹脂5〜30重量部と、ポリウレタン樹脂2〜20重量部とを、複合して用いるのが最も好ましい。
【0058】これらの結合剤とともに、結合剤中に含まれる官能基などと結合させて架橋する熱硬化性の架橋剤を併用するのが望ましい。この架橋剤としては、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどや、これらのイソシアネート類とトリメチロールプロパンなどの水酸基を複数個有するものとの反応生成物、上記イソシアネート類の縮合生成物などの各種のポリイソシアネートが好ましい。これらの架橋剤は、結合剤100重量部に対して、通常10〜50重量部の割合で用いられる。より好ましくは10〜35重量部である。なお、磁性層に使用する架橋剤の量を下塗層に使用する量の1/2程度(30%〜60%)にすれば、MRヘッドのスライダに対する摩擦係数が小さくなるので好ましい。この範囲が好ましいのは、30%未満では、磁性層の塗膜強度が弱くなりやすく、60%を越えるとスライダに対する摩擦係数を小さくするために、ティッシュによる拭き取り処理条件(LRT処理条件)を強くする必要があり、コストアップにつながるためである。
【0059】導電性向上と表面潤滑性向上を目的に従来公知のCBを添加する。これらのCBとしては、アセチレンブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック等を使用できる。粒子径が5nm〜200nmのものが使用されるが、粒径10nm〜100nmのものが好ましい。この範囲が好ましいのは、粒径が5nm以下になるとCBの分散が難しく、200nm以上では多量のCBを添加することが必要になり、何れの場合も表面が粗くなり、出力低下の原因になるためである。添加量は強磁性粉末に対して0.2〜5重量%が好ましく、0.5〜4重量%がより好ましい。この範囲が好ましいのは、0.2重量%未満では効果が小さく、5重量%を越えるCBを添加すると、磁性層表面が粗くなりやすいからである。
【0060】〈バックコート層〉バックコート層の厚さは、0.25〜0.8μmが好ましく、0.4〜0.8μmがより好ましく、0.4〜0.6μmがさらに好ましい。この範囲が良いのは、0.25μm未満では、光学サーボ用の凹部の形成のための条件(レーザーパワー等)の制御が難しく、0.8μmを越えるとテープ全厚が厚くなり、1巻当たりの記憶容量が小さくなるためである。
【0061】バックコート層とSUSとの摩擦係数(μBsus)は0.10〜0.30が好ましく、0.10〜0.25がより好ましい。この範囲が好ましいのは、0.10未満になるとガイド部分で滑りやすく走行が不安定になり、0.30を越えるとガイドが汚れやすくなるためである。また、[(μmSL )/(μBsus)]は0.8〜1.5が好ましく、0.9〜1.4がより好ましい。この範囲が好ましいのは、磁気テープの蛇行によるトラッキングずれ(オフトラック)が小さくなるためである。
【0062】バックコート層の平坦部の光反射率の平均値は8.5%以上が好ましく、9.0%以上がより好ましく、10%以上がさらに好ましい。光反射率の平均値が8.5%以上が好ましいのは、8.5%未満ではサーボ信号(S)が小さくなりトラッキング不良の原因になるためである。通常の実用的なバックコート層の光反射率の平均値の上限値は15%である。バックコート層の光反射率の平均値が15%を越えると、均一なバックコート層では一般に耐久性が劣化する可能性がある。このため、光反射率の平均値が15%を越えるバックコート層を使用する場合には、光学サーボ用の凹部が形成されている部分以外の平坦部の光反射率の平均値を15%以下にすることで耐久性が劣化しないようにする必要がある。
【0063】バックコート層における平坦部の光反射率の場所(磁気テープ位置)による変動率[(光反射率の平均値からの光反射率変動の絶対値の最大値)÷(光反射率の平均値)×100]は、10%以下にすることが好ましく、5%以下がより好ましく、3%以下がさらに好ましく、最も好ましいのは0%である。この範囲が好ましいのは、10%を越えるとサーボ信号のS/Nが小さくなりトラッキングエラーの原因になるためである。なお、光反射率の場所による変動率を評価するに当たっては長さ40mm当りの光反射率変動を調べれば足りる。これは、長さ40mm当りの光反射率変動が、磁気テープ全長当りの光反射率変動とほぼ等しいからである。
【0064】平坦部の光反射率の平均値を8.5%以上にすると共に、平坦部の光反射率の場所による変動率を10%以下にするための好ましい方法には、バックコート層の非磁性粉末の含有率[(非磁性粉末重量)÷(非磁性粉末重量+結着剤重量)×100]を50重量%以上とし、かつAFM法で測定したバックコート層の平坦部の表面粗さRaを30nm以下、当該表面粗さRaの磁気テープ位置による変動の半値幅を5nm以下に制御する方法がある。また、平坦部の表面粗さRaは通常10nm以上が好ましく、20nm以上がより好ましい。平坦部の表面粗さRaを10nm以上とするのが好ましい理由は、Raが10nm未満になると耐久性が劣化しやすいためである。平坦部の表面粗さRaが10nm未満のバックコート層を使用する場合には、光学サーボ用の凹部が形成されている部分以外の平坦部の表面粗さRaを10nm以上にする必要がある。なお、40μm×40μm当りの表面粗さRaを100個所AFMで測定すれば、磁気テープ全長当りのRaおよびRa変動を測定したのとほぼ同等の結果が得られるので、評価は前者の測定値により行うことができる。このようにバックコート層平坦部の光反射率は、非磁性粉末の含有率を50重量%以上として、かつ表面を平滑にすれば高くなるが、バックコート層の非磁性粉末の含有率を60重量%以上にすると、平坦部の表面粗さRaを30nm以下にしにくいばかりでなく、カレンダ条件等を強くして平坦部の粗さRaを30nm以下にすると、バックコート層の耐久性が悪くなりやすい。このような理由から、バックコート層の非磁性粉末の含有率は実用上50〜60重量%の範囲が好ましく、50〜58重量%がより好ましく、50〜56重量%がさらに好ましく、53〜56重量%がいっそう好ましい。
【0065】また、非磁性粉末の中に占めるカーボンブラックの割合を80重量%以上にすると、レーザー光によって光学サーボ用の凹部を形成しやすくなるので好ましく、85重量%以上がより好ましい。さらに、カーボンブラックと共に、合わせて20重量%以下の酸化鉄(例えばベンガラ)等を添加すると、バックコート層の強度が高くなるので好ましい。
【0066】バックコート層のカーボンブラック(CB)としては、アセチレンブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック等を使用できる。通常、小粒径カーボンと大粒径カーボンを使用する。小粒径カーボンには、粒子径が5nm〜200nmのものが使用されるが、粒径10nm〜100nmのものがより好ましい。この範囲がより好ましいのは、粒径が10nm以下になるとCBの分散が難しく、粒径が100nm以上では多量のCBを添加することが必要になり、何れの場合も表面粗さRaが30nm以上になり、平坦部の光反射率が小さくなるためである。大粒径カーボンとして、全カーボン(小粒径カーボンと大粒径カーボンの合計)の5〜15重量%、粒径200〜400nmの大粒径カーボンを使用すると、表面も粗くならず、走行性向上効果も大きくなる。この範囲の量が好ましいのは、5重量%未満では耐久性向上効果が小さく、15重量%を越えると平坦部の光反射率の変動が大きくなるためである。小粒径カーボンと大粒径カーボン合計の添加量は非磁性粉末重量を基準にして80〜100重量%が好ましく、85〜100重量%がより好ましい。AFMで測定した表面粗さRaは上述のように30nm以下が好ましく、通常10nm以上である。
【0067】バックコート層には、強度向上を目的に、無機粉体重量を基準にして合わせて20重量%以下の酸化鉄など(例えば、酸化鉄、アルミナのような通常バックコート層に添加されている添加剤)を添加する。添加量は2〜20重量%がより好ましく、5〜15重量%がさらに好ましい。この範囲がより好ましいのは、2重量%未満では強度向上効果が小さく、20重量%を越えるとレーザーによる光学サーボ用の凹部の形成が難しくなるためである。なお、酸化鉄を主成分とした酸化物が好ましく使用されるが、酸化鉄、アルミナを同時添加する場合のアルミナ添加量は、酸化鉄の20重量%以下とするのがよい。20重量%が好ましい理由は、アルミナ添加量が酸化鉄の20重量%を超えると燃焼カスの除去のためのクリーニング条件を強くする必要があるためである。酸化鉄(粒状)などの粒子径は0.05μm〜0.4μmが好ましく、0.07μm〜0.35μmがより好ましい。この範囲が好ましいのは、0.05μm未満では強度向上効果が小さく、0.4μmを超えると平坦部の反射率の変動が大きくなるためである。
【0068】バックコート層には結合剤として、前述した磁性層や下塗層に用いるのと同じ樹脂を用いることができるが、これらの中でも摩擦係数を低減し走行性を向上させるため、セルロース系樹脂とポリウレタン樹脂を複合して併用することが好ましい。結合剤の含有量は通常、カーボンブラックと前記無機非磁性粉末との合計量100重量部に対して40〜150重量部で、50〜120重量部が好ましく、50〜110重量部がより好ましく、50〜100重量部がさらに好ましい。この範囲が好ましいのは、50重量部未満では、バックコート層の強度が不十分になりやすく、120重量部を越えると摩擦係数が高くなりやすいためである。セルロース系樹脂を30〜70重量部、ポリウレタン系樹脂を20〜50重量部使用することが好ましい。また、さらに結合剤を硬化させるために、ポリイソシアネート化合物などの架橋剤を用いることが好ましい。
【0069】バックコート層には架橋剤として、前述した磁性層や下塗層に用いる架橋剤を使用する。架橋剤の量は、結合剤100重量部に対して、通常10〜50重量部の割合で用いられる。好ましくは10〜35重量部、より好ましくは10〜30重量部である。この範囲が好ましいのは、10重量部未満では、バックコート層の塗膜強度が弱くなりやすく、35重量部を越えるとSUSに対する動摩擦係数が大きくなるためである。
【0070】〈LRT処理(ラッピング/ロータリー/ティッシュ処理)〉磁性層については、以下に述べるようなLRT処理を施すことにより表面の平滑性、MRヘッドのスライダ材料やシリンダ材料との摩擦係数や表面粗さ、表面形状を最適化することができ、磁気テープの走行性、スペーシングロスの低減、MR再生出力の向上ができる。
【0071】(1)ラッピング処理:研磨テープ(ラッピングテープ)を、回転ロールによってテープ送り(標準:400m/分)と反対方向に一定の速さ(標準:14.4cm/分)で移動させ、上部からガイドブロックで押さえることによってテープ磁性層表面と接触させる。この時の磁気テープ巻き出しテンションおよびラッピングテープのテンションを一定(標準:各100g、250g)として研磨処理を行。この工程で使用する研磨テープ(ラッピングテープ)3は、例えば、M20000番、WA10000番あるいはK10000番のような研磨砥粒の細かい研磨テープ(ラッピングテープ)である。なお、研磨ホイール(ラッピングホイール)を研磨テープ(ラッピングテープ)の代りにまたは併用して使用することを排除するものではないが、頻繁に交換を要する場合は、研磨テープ(ラッピングテープ)のみを使用する。
【0072】(2)ロータリー処理:空気抜き用溝付ホイール[標準:幅1インチ(25.4mm)、直径60mm、空気抜き用溝2mm幅、溝の角度45度、協和精工株式会社製]と磁性層とを一定の接触角度(標準:90度)でテープと反対方向に一定の回転速度(通常:200〜3000rpm、標準:1100rpm)で接触させて処理を行う。
【0073】(3)ティッシュ処理:ティッシュ[例えば東レ株式会社製の織布トレシー]を回転棒で各々バックコート層及び磁気層面をテープ送りと反対方向に一定の速度(標準:14.0mm/分)で送り、クリーニング処理を行う。
【0074】本発明の磁気テープを組み込んだカセットテープは、光学的サーボ信号のS/Nが高いので、サーボトラッキング性能が優れており、ハードディスクドライブのバックアップ用テープとして、信頼性が高い。
【0075】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例、比較例の部は重量部を示す。
【0076】
〔実施例1〕
《下塗層用塗料成分》
(1)
酸化鉄粉末(粒径:0.11×0.02μm) 68部 α−アルミナ(粒径:0.07μm) 8部 カーボンブラック(粒径:25nm、吸油量:55g/cc) 24部 ステアリン酸 2.0部 塩化ビニル−ヒドロキシプロピルアクリレート共重合体 8.8部 (含有−SO3 Na基:0.7×10-4当量/g)
ポリエステルポリウレタン樹脂 4.4部 (Tg:40℃、含有−SO3 Na基:1×10-4当量/g)
シクロヘキサノン 25部 メチルエチルケトン 40部 トルエン 10部(2)
ステアリン酸ブチル 1部 シクロヘキサノン 70部 メチルエチルケトン 50部 トルエン 20部(3)
ポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業社製コロネートL) 4.4部 シクロヘキサノン 10部 メチルエチルケトン 15部 トルエン 10部【0077】
《磁性層用塗料成分》
(A)
強磁性鉄系金属粉 100部 (Co/Fe:30at%、Y/(Fe+Co):3at%、Al/(Fe+Co):5wt%、Ca/Fe:0、σs:155A・m2 /kg、Hc:188.2kA/m、pH:9.4、長軸長:0.10μm)
塩化ビニル−ヒドロキシプロピルアクリレート共重合体 12.3部 (含有−SO3 Na基:0.7×10-4当量/g)
ポリエステルポリウレタン樹脂 5.5部 (含有−SO3 Na基:1.0×10-4当量/g)
α−アルミナ(平均粒径:0.12μm) 8部 α−アルミナ(平均粒径:0.07μm) 2部 カーボンブラック 1.0部 (平均粒径:75nm、DBP吸油量:72cc/100g)
メチルアシッドホスフェート 2部 パルミチン酸アミド 1.5部 ステアリン酸n−ブチル 1.0部 テトラヒドロフラン 65部 メチルエチルケトン 245部 トルエン 85部(B)
ポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業社製コロネートL) 2.0部 シクロヘキサノン 167部【0078】上記の下塗層用塗料成分において(1)の成分をニーダで混練したのち、(2)の成分を加えて攪拌の後サンドミルで滞留時間を60分として分散処理を行い、これに(3)の成分を加え攪拌・濾過した後、下塗層用塗料とした。これとは別に、上記の磁性層用塗料成分(A)をニーダで混練したのち、サンドミルで滞留時間を45分として分散し、これに磁性層用塗料成分(B)を加え攪拌・濾過後、磁性塗料とした。上記の下塗層用塗料を、ポリエチレンナフタレートフイルム(厚さ6.2μm、MD=6.08Pa、MD/TD=1.1、帝人社製)からなる非磁性支持体上に、乾燥、カレンダ後の厚さが1.8μmとなるように塗布し、この下塗層上に、さらに上記の磁性塗料を磁場配向処理、乾燥、カレンダー処理後の磁性層の厚さが0.15μmとなるようにウエットオンウエットで塗布し、磁場配向処理後、ドライヤを用いて乾燥し、磁気シートを得た。なお、磁場配向処理は、ドライヤ前にN−N対抗磁石(5kG)を設置し、ドライヤ内で塗膜の指蝕乾燥位置の手前側75cmからN−N対抗磁石(5kG)を2基50cm間隔で設置して行った。塗布速度は100m/ 分とした。
【0079】
《バックコート層用塗料成分》
カーボンブラック(粒径:25nm) 78部(41.5重量%)
カーボンブラック(粒径:350nm) 10部( 5.3重量%)
[カーボンブラック計 88部(46.8重量部)]
ベンガラA(粒状:0.1μm) 10部( 5.3重量%)
ベンガラB(粒径:0.27μm) 2部( 1.1重量%)
[非磁性粉末計 100部(53.2重量部)]
ニトロセルロース(NC) 44部(23.4重量%)
ポリウレタン樹脂(−SO3 Na基含有) 31部(16.4重量%)
シクロヘキサノン 260部 トルエン 260部 メチルエチルケトン 525部【0080】上記バックコート層用塗料成分をサンドミルで滞留時間45分として分散した後、ポリイソシアネート13部(6.9重量%)を加えてバックコート層用塗料を調整し濾過後、上記で作製した磁気シートの磁性層の反対面に、乾燥、カレンダ後の厚さが0.5μmとなるように塗布し、乾燥した。このようにして得られた磁気シートを金属ロールからなる7段カレンダで、温度100℃、線圧147kN/m(150kgf/cm)の条件で鏡面化処理し、磁気シートをコアに巻いた状態で70℃で72時間エージングしたのち、1/2幅に裁断し、下記の条件でLRT処理を行った後、図7に示す光学サーボトラック形成・クリーニング装置を用いてバックコート層に光学サーボ用の凹部を形成し、固体CO2 の吹き付け処理とクリーニング処理とを行った。このようにして得られた磁気テープを、カートリッジに組み込み、コンピュータ用テープを作製した。なお、光学サーボトラック形成・クリーニング装置およびこの装置を用いた処理については後述する。
【0081】〈LRT(ラッピング/ロータリー/ティッシュ)処理〉(1)ラッピング処理:研磨テープ(ラッピングテープ)を、回転ロールによってテープ送り(400m/分)と反対方向に14.4cm/分の速さで移動させ、上部からガイドブロック4によって押さえることによってテープ磁性層表面と接触させる。この時の磁気テープ巻き出しテンションを100g及びラッピングテープのテンションを250gとして研磨処理を行った。
(2)ロータリーアルミホイール処理:幅1インチ(25.4mm)、直径60mmで2mm幅の空気抜き用溝付きのホイール(溝の角度45度、協和精工株式会社製)と磁性層とを接触角度90度でテープと反対方向に回転速度1100rpmで接触させて処理を行った。
(3)ティッシュ処理:東レ株式会社製の織布トレシーを回転棒で各々バック層及び磁気層面をテープ送りと反対方向に14.0mm/分の速度で送り、クリーニング処理を行った。
【0082】ここで、先に述べた光学サーボトラック形成・クリーニング装置およびこの装置を用いた処理について説明する。
【0083】この光学サーボトラック形成・クリーニング装置は、図7に示すように、巻かれた磁気テープ1を所定の方向に送り出す送り出し機構部11と、送り出された磁気テープ1のバックコート層の表面にレーザー光を照射して光学サーボ用の凹部を形成する光学サーボトラック形成部12と、この凹部形成後にバックコート層の表面をクリーニングするクリーニング部13と、このクリーニング後に磁気テープ1を巻き取る巻き取り機構部14とを有する。
【0084】クリーニング部13には、前記レーザー光の照射により形成された光学サーボ用の凹部およびその周辺に固体CO2 を吹き付ける噴射ノズル15を備えたCO2 吹き付け部と、この固体CO2 の吹き付けにより吹き飛ばされた前記光学サーボ用の凹部およびその周辺の燃焼カスを吸引する吸引ノズル(吸引手段)16を備えた吸引部と、この燃焼カスの吸引後にバックコート層の表面をティッシュクリーナーで拭き取る拭き取り部17とが配置されている。
【0085】このうちCO2 吹き付け部に備えられた噴射ノズル15は、図3に示したように、磁気テープ1の幅方向における光学サーボ用の凹部の配列パターンに合致したCO2 噴射孔15aを有し、磁気テープ1のバックコート層2の面に対して30°傾斜した状態にセットされている(図3参照)。そして、磁気テープ1の走行方向と対向する方向に向けてバックコート層2におけるCO2 の被吹き付け部Bの前方上部斜め方向から当該被吹き付け部Bに固体CO2 を噴射するようになっている。また、吸引部に備えられた吸引ノズル16は、前記被吹き付け部Bの近傍に配置される吸引口16aを有し、固体CO2 の吹き付けによりバックコート層表面から分離された燃焼カスを吸引口16aから吸引して除去するようになっている。
【0086】一方、拭き取り部17は、磁気テープ1の磁性層とバックコート層の各表面にそれぞれ接触するように配置されたティッシュクリーナー18・19と、このティッシュクリーナー18・19を所定の速さで巻き取り可能に保持する各一対のローラ20・21とを有する。そして、各ティッシュクリーナー18・19を磁気テープ1の磁性層とバックコート層の各表面に押し当てることにより、そこに付着している不要な粉体を拭き取るようになっている。
【0087】加えて、張力制御手段を構成するものとして、図7に示した装置には、以下のような手段が備えられている。すなわち、光学サーボトラック形成部12と吸引ノズル16との間には第1吸引ロール22が、噴射ノズル15と拭き取り部17との間には第2吸引ロール23が、拭き取り部17と巻き取り機構部14との間には第3吸引ロール24がそれぞれ配置されている。また、送り出し機構部11と光学サーボトラック形成部12との間、および第3吸引ロール24と巻き取り機構部14との間には、磁気テープ1の張力を調節する張力アーム25・26がそれぞれ備えられ、さらに第2吸引ロール23と噴射ノズル15および拭き取り部17との各間には、磁気テープ1の張力を検出するとともに張力の調節が可能な張力検出器27・28が設けられている。そして、各吸引ロール22〜24によって磁気テープ1の張力を絶縁するとともに、前記張力検出器27・28の値を、各吸引ロール22〜24を回転させるサーボモータにフィードバックすることで、光学サーボトラック形成部12、クリーニング部13におけるCO2 吹き付け部と拭き取り部17の各部別に、磁気テープに対する最適な張力を得ることができるように構成されている。
【0088】本発明の実施例では、このような装置を用いて、磁気テープの張力を150gに保ちながら、10m/秒の速度で磁気テープを走行させ、以下に述べるような光学サーボ用の凹部パターンの形成、固体CO2 の吹き付け処理、燃焼カスのクリーニング処理を行った。
【0089】〈光学サーボ用凹部パターンの形成〉図7に示した光学サーボトラック形成・クリーニング装置の光学サーボトラック形成部12において磁気テープ1のバックコート層の表面にレーザー光を照射し、光学サーボ用の凹部を形成した。このとき、光学サーボ用の凹部パターンとして、図6に示したように、12.64mmのテープ幅方向に4バンドが並ぶように形成し、1バンドの幅が約0.4mmとなるように光学サーボ用の凹部群を形成した。
【0090】〈固体CO2 の吹き付け処理〉つぎに、固体CO2 吹き付け用の噴射ノズル15と、吸引ノズル16とを用いて、上記レーザー光の照射により生成した燃焼カスを大略除去した。なお、バックコート層面に対する噴射ノズル15の角度は先に述べたように30°に設定した。
【0091】〈クリーニング処理〉最後に、拭き取り部17に備えたティッシュクリーナー18を用いて、残存している燃焼カスを完全に除去して、Brδ(磁性層におけるテープ長手方向の残留磁束密度と厚みとの積)が0.045μTm、保磁力Hcが192kA/mである上述の磁気テープを作製した。
【0092】〔実施例2〕カレンダ条件を、温度100℃、線圧147kN/m(150kgf/cm)から、温度90℃、線圧294kN/m(300kgf/cm)に変更したことを除き実施例1と同様にして磁気テープを作製した。
【0093】〔実施例3〕カレンダ条件を、温度100℃、線圧147kN/m(150kgf/cm)から、温度120℃、線圧294kN/m(300kgf/cm)に変更したことを除き実施例1と同様にして磁気テープを作製した。
【0094】〔実施例4〕バックコート層の厚さを0.5μmから、0.4μmに変更したことを除き、実施例1と同様にして磁気テープを作製した。
【0095】〔実施例5〕バックコート層の厚さを0.5μmから、0.6μmに変更したことを除き、実施例1と同様にして磁気テープを作製した。
【0096】〔実施例6〕4.0μmの非磁性支持体を使用し、下塗層の厚さを1.0μm、磁性層の厚さを0.1μm、バックコート層の厚さを0.5μmから0.6μm に変更したことを除き、実施例1と同様にして全厚が5.7μm、Brδが0.030μTm、保磁力Hcが192kA/mの磁気テープを作製した。
【0097】〔実施例7〜実施例10〕表1に示した組成のバックコート層を使用したことを除き、実施例1と同様にして磁気テープを作製した。
【0098】〔参考例1〕固体CO2 吹き付け処理をしなかったことを除き、実施例1と同様にして磁気テープを作製した。
【0099】〔比較例1〜比較例6〕表2に示した組成と厚さのバックコート層を使用したことを除き、実施例1と同様にして磁気テープを作製した。
【0100】〔比較例7〕4.0μmの非磁性支持体を使用し、下塗層の厚さを1.0μm、磁性層の厚さを0.1μm、バックコート層の厚さを0.5μmから0.6μmに変更したことを除き、比較例3と同様にして全厚が5.7μmの磁気テープを作製した。
【0101】
【表1】

【0102】
【表2】

【0103】〔実施例11〕図9に示す光学サーボトラック形成・クリーニング装置を用いて、バックコート層に光学サーボ用の凹部を形成し、その後につぎに述べる植毛体等を使用した接触処理とクリーニング処理を行ったことを除き実施例1と同様にして、コンピュータ用テープを作製した。
【0104】ここで、図9に示す光学サーボトラック形成・クリーニング装置およびこの装置を用いた処理について説明する。
【0105】この実施例で使用した光学サーボトラック形成・クリーニング装置は、図9に示すように、巻かれた磁気テープ1を所定の方向に送り出す送り出し機構部11と、送り出された磁気テープ1のバックコート層の表面にレーザー光を照射して光学サーボ用の凹部を形成する光学サーボトラック形成部12と、この凹部形成後にバックコート層の表面をクリーニングするクリーニング部13と、このクリーニング後に磁気テープ1を巻き取る巻き取り機構部14とを有する。
【0106】クリーニング部13には、バックコート層の表面をクリーニングすべく、起毛した毛を有する植毛体、織布または不織布などの起毛クロスをバックコート層の表面に接触させる接触部15bと、その後にバックコート層と磁性層の表面をティッシュクリーナーで拭き取る拭き取り部17とが配置されている。
【0107】接触部15bには、図8に示したような起毛ドラム30が設けられている。この起毛ドラム30は、磁気テープ1の走行方向と対向する方向に回転する回転ドラム(この実施例では直径100mmのドラム)31の周面に起毛クロス32を巻き付けたものである。起毛ドラム30の前後には、磁気テープ1のバックコート層表面に所定の状態で起毛ドラム30を接触させるための一対のガイドローラ41・41が設けられている。
【0108】一方、拭き取り部17は、磁気テープ1の磁性層とバックコート層2の各表面にそれぞれ接触するように配置されたティッシュクリーナー18・19と、このティッシュクリーナー18・19を所定の速さで巻き取り可能に保持する各一対のローラ20・21とを有する。そして、各ティッシュクリーナー18・19を磁気テープ1の磁性層とバックコート層2の各表面に押し当てることにより、そこに付着している不要な粉体を拭き取るようになっている。
【0109】加えて、張力制御手段を構成するものとして、図9に示した装置には、以下のような手段が備えられている。すなわち、光学サーボトラック形成部12と接触部15bとの間には第1吸引ロール22が、接触部15bと拭き取り部17との間には第2吸引ロール23が、拭き取り部17と巻き取り機構部14との間には第3吸引ロール24がそれぞれ配置されている。また、送り出し機構部11と光学サーボトラック形成部12との間、および第3吸引ロール24と巻き取り機構部14との間には、磁気テープ1の張力を調節する張力アーム25・26がそれぞれ備えられ、さらに第2吸引ロール23と接触部15bおよび拭き取り部17との各間には、磁気テープ1の張力を検出するとともに張力の調節が可能な張力検出器27・28が設けられている。そして、各吸引ロール22〜24によって磁気テープ1の張力を絶縁するとともに、前記張力検出器27・28の値を、各吸引ロール22〜24を回転させるサーボモータにフィードバックすることで、光学サーボトラック形成部12、クリーニング部13における接触部15bおよび拭き取り部17の各部別に、磁気テープ1に対する最適な張力が得られるように構成されている。
【0110】本発明の実施例では、このような装置を用いて、磁気テープの張力を一定に保ちながら、10m/秒の速度で磁気テープを走行させ、以下に述べるような光学サーボ用の凹部パターンの形成、起毛ドラム30による接触処理、およびティッシュクリーナー18・19による拭き取り処理を行った。
【0111】〈光学サーボ用凹部パターンの形成〉図9に示した光学サーボトラック形成・クリーニング装置の光学サーボトラック形成部12において磁気テープ1のバックコート層2の表面にレーザー光を照射し、所定のサーボパターンとなるように光学サーボ用の凹部を形成した。このとき、光学サーボ用の凹部パターンとして、図6に示したように、12.64mmのテープ幅方向に4バンドが並ぶように形成し、1バンドの幅が約0.4mmとなるように光学サーボ用の凹部群を形成した。
【0112】〈起毛ドラムによる接触処理〉つぎに、接触部15bにおいて図8に示すように起毛ドラム30を磁気テープ走行方向と対向する方向に314ラジアン/秒(3000rpm)で回転させて、2.0Nのテンションをかけながら磁気テープ1のバックコート層2の表面に、起毛ドラム30の外周に装着されている起毛クロス32を接触させることにより、サーボパターン形成時にレーザー焼成により生成されたバックコート層の凹部の内部やその周辺から燃焼カスを大略除去した。起毛ドラム30における起毛クロス32には、単繊維径が4μmの綿4本を撚り合わせた長さ2.5mmの繊維を植毛したベルベットを使用した。なお、このときの入側テンションは86g、出側テンションは208g、起毛ドラム30と磁気テープ1との接触角度は120°であった。
【0113】〈クリーニング処理〉最後に、拭き取り部17に備えたティッシュクリーナー18・19を用いて、残存している燃焼カスを完全に除去して、Brδが0.045μTm、保磁力Hcが192kA/mである上述の磁気テープを作製した。この磁気テープの平均反射率は9.0%、変動率は3.0%、AFM表面粗度Raは25.1nm、Raの半値幅は3.3nm、実施例11のサーボ信号のS/Nは参考例2のS/Nを0dBとしたとき1.5dB(比較例1のS/Nを0dBとしたときは6.1dB)であった。
【0114】〔実施例12〕磁気テープ1と起毛ドラム30との接触角度を90°にしたことを除き、実施例11と同様にして磁気テープの作製および処理を行った。
【0115】〔実施例13〕起毛ドラム30の回転速度を188.4ラジアン/秒(1800rpm)にしたことを除き、実施例11と同様にして磁気テープに対する処理を行った。なお、接触処理(接触部での処理)時の入側テンションは95g、出側テンションは188gであった。
【0116】〔実施例14〕起毛ドラムにより接触処理を行う際のテープテンションを1.8Nとしたことを除き、実施例11と同様にして磁気テープの作製および処理を行った。なお、接触処理時の入側テンションは80g、出側テンションは188gであった。
【0117】〔実施例15〕4.0μmの非磁性支持体を使用し、下塗層の厚さを1.0μm、磁性層の厚さを0.1μm、バックコート層の厚さを0.5μmから0.6μmに変更したことを除き、実施例11と同様にして全厚が5.7μm、Brδが0.030μTm、保磁力Hcが192kA/mである磁気テープの作製および処理を行った。
【0118】〔実施例16〜実施例19〕表3に示した、起毛した毛を有する植毛体、織布または不織布を起毛クロスとして用いたこと、起毛ドラムの数を表3に示した数としたことを除き、実施例11と同様にして磁気テープの作製および処理を行った。
【0119】〔参考例2〕起毛ドラム30による接触処理をしなかったことを除き、実施例11と同様にして磁気テープの作製および処理を行った。この磁気テープのバックコート層の反射率は8.5%、変動率は4.0%、AFM表面粗度Raは25.2nm、Raの半値幅は4.5nmであった。
【0120】
【表3】

【0121】測定および評価は、以下のようにして行った。
〈反射率〉ユニソフ社製分光計を用いて、磁気テープの平坦部について、入射角20度、反射角20度での反射率を評価した。入射光源には波長880nmのLEDを使用した。スポット径は100μmとした。磁気テープについて、上記の反射率測定を40mm当たり400点の測定を行い、平均反射率と最大変動率の評価を行った。平均反射率は反射率の単純平均値、最大変動率は平均反射率からのズレの最大値を平均反射率で除した値の百分率である。なお、磁気テープ走行後の平坦部の反射率と最大変動率は、LTOドライブで磁気テープを2回走行させ、走行後の磁気テープを一部切取り測定を行った。
【0122】〈AFMによるRaの評価〉Digital-Instrument社製DimensionTM3100 AFM測定装置を使用して平均表面粗さRaを測定した。走査モードはタッピング・モードAFMとした。タッピング・モードではピエゾ加振器を用いて、先端に探針をつけたカンチレバーを共振周波数近傍(約50〜500kHz)で加振させ、サンプル表面上を断続的に軽く触れながら(タップしながら)走査する。サンプル表面の凹凸によるカンチレバーの振幅の変化量をレーザー光を使って評価する。測定視野は40μm×40μmである。また、場所によるRaの変動は、長さ40mm当り等間隔100点のRa測定を行い、各測定点のRaを横軸、頻度(1nmピッチ)を縦軸にプロットし、この図からRa変動の半値幅を求めた。
【0123】〈サーボトラックのS/N〉Flopticalドライブのサーボ信号測定部を利用して、中心波長880nmの光をバックコート層に入射角20度で照射して、その反射光よりサーボ信号S/Nを測定した。実施例1〜10、参考例1、比較例2〜7のサーボ信号S/Nは、比較例1を基準(0dB)として、相対値で表した。実施例11〜19のサーボ信号のS/Nは参考例2のS/Nを0dBとしたときの相対値で表した。
【0124】〈エラーレートの測定〉エラーレート(ERT)の測定は、薄手テープも測定できるように改善したLTOドライブを用いて記録(記録波長0.37μm)・再生することによって行った。ERTはテストモードでの値である。
【0125】〈磁気特性の評価〉磁性層の磁気特性、強磁性粉末の磁気特性は、いずれも東英工業社製試料振動形磁束計で評価した。外部磁場は1.28MA/m(16kOe)である。
【0126】実施例1〜10、比較例1〜7の磁気テープを評価した結果を表4〜表7に示す。
【0127】
【表4】

【0128】
【表5】

【0129】
【表6】

【0130】
【表7】

【0131】表4ないし表7に示した実施例1〜10および比較例1〜7の評価結果から明らかなように、実施例1〜10に係る磁気テープは、サーボ信号の初期のS/Nが高く、かつ2回走行後のサーボ信号のS/Nも高い。また、実施例1と参考例1の評価結果から明らかなように、固体CO2 吹き付け処理を施すことによって、エラーレートと2回走行後のサーボ信号のS/Nが高くなることから、この処理法は凹部中の燃焼カスを除去する有効な処理法であることがわかる。
【0132】実施例11〜19、参考例2の磁気テープを評価した結果を表8および表9に示す。
【0133】
【表8】

【0134】
【表9】

【0135】表8ないし表9に示した実施例11〜19および参考例2の結果から明らかなように、バックコート層に光学サーボ用の凹部を設けた磁気テープのバックコート層表面をクリーニングするに当たり、前記凹部を有するバックコート層の表面に、起毛した毛を有する植毛体、織布または不織布を接触させ、前記凹部およびその周辺に付着した燃焼カスを除去する工程を含む方法を実施することにより、前記凹部中に存在する燃焼カスが除去される結果、エラーレートが低い磁気テープが得られる。
【0136】
【発明の効果】本発明によれば、サーボ信号の初期のS/Nが高く、かつ2回走行後のサーボ信号のS/Nも高い磁気テープが得られる。また、固体CO2 吹き付け処理や起毛体の接触によるクリーニング処理を施すことによって、エラーレート、サーボ信号のS/Nが高くなることから、この処理法は凹部中の燃焼カスを除去する有効な処理法であることがわかる。




 

 


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