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発明の名称 光ディスク、その製造方法、その駆動装置、及び、その製造に使用されるスタンパ
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2003−99957(P2003−99957A)
公開日 平成15年4月4日(2003.4.4)
出願番号 特願2002−203176(P2002−203176)
出願日 平成14年7月11日(2002.7.11)
代理人 【識別番号】100110412
【弁理士】
【氏名又は名称】藤元 亮輔
【テーマコード(参考)】
5D029
5D090
5D119
5D121
【Fターム(参考)】
5D029 PA03 WA05 WA12 WA29 WA32 WA33 WB13 WC01 
5D090 AA01 BB01 BB04 CC01 CC04 CC14 CC16 DD03 FF11 FF15 FF41 GG03 GG10 GG27 KK09 LL03
5D119 AA22 AA28 BA01 BB03 BB09 DA01 DA05 EA02 EC20 FA02 GA02 HA60 HA68
5D121 BB26 CA00
発明者 飯田 保
要約 課題
アドレス情報を冗長的に記録して信頼性を高めると共に記録密度を高めることを可能にする光ディスク、その製造方法及びその駆動装置、その製造に使用されるスタンパを提供する。

解決手段
アドレス情報を含むヘッダー記録部を径方向に偏向して記録されているランドと、当該ランドに対して高低差を持って配置され、データが記録されるデータ記録部を含むグルーブとが径方向に交互に配置されている光ディスクであって、前記ヘッダー記録部を径方向に配置された前記ランド毎に周方向に交互にずらして配置すると共に、前記グルーブの前記データ記録部と前記ランドの前記ヘッダー記録部とを周方向にずらして配置し、前記ヘッダー記録部は、前記ランドの両側に隣接する前記グルーブに対して同一のアドレス情報を再生させることを特徴とする光ディスクを提供する。
特許請求の範囲
【請求項1】 アドレス情報を含むヘッダー記録部を径方向に偏向して記録されているランドと、当該ランドに対して高低差を持って配置され、データが記録されるデータ記録部を含むグルーブとが径方向に交互に配置されている光ディスクであって、前記ヘッダー記録部を径方向に配置された前記ランド毎に周方向に交互にずらして配置すると共に、前記グルーブの前記データ記録部と前記ランドの前記ヘッダー記録部とを周方向にずらして配置し、前記ヘッダー記録部は、前記ランドの両側に隣接する前記グルーブに対して同一のアドレス情報を再生させることを特徴とする光ディスク。
【請求項2】 前記ヘッダー記録部に記録されるマークの前方エッジの傾斜と後方エッジの傾斜を異ならせて形成し、傾斜の違いをデータ情報の記録に相当させることを特徴とする請求項1記載の光ディスク。
【請求項3】 前記周方向に交互にずらして配置された各ヘッダー記録部の間に、径方向に関して相互に交差しない領域を有することを特徴とする請求項1記載の光ディスク。
【請求項4】 前記径方向に関して相互に交差しない領域に、同期信号を読み出すためのマークを形成したことを特徴とする請求項3記載の光ディスク。
【請求項5】 前記ランドの径方向の幅を0.30μm以下とすることを特徴とする請求項3記載の光ディスク。
【請求項6】 前記データを記録及び/又は再生するための光ビームの入射面に対して前記グルーブを前記ランドよりも近い位置に配置したことを特徴とする請求項1記載の光ディスク。
【請求項7】 アドレス情報を含むヘッダー記録部を径方向に偏向して記録されているランドと、当該ランドに対して高低差を持って配置され、データが記録されるデータ記録部を含むグルーブとが径方向に交互に配置されている光ディスクであって、前記ヘッダー記録部を径方向に配置された前記ランド毎に周方向に交互にずらして配置すると共に、前記グルーブの前記データ記録部と前記ランドの前記ヘッダー記録部とを周方向にずらして配置し、前記ヘッダー記録部は、前記ランドの両側に隣接する前記グルーブに対して同一のアドレス情報を再生させることを特徴とする光ディスクの前記グルーブをフォーマットする方法であって、前記各ランド毎に異なる前記アドレス情報を書き込むステップと、前記アドレス情報と当該アドレス情報を有する前記ランドが前記グルーブのいずれに側にあるかの左右情報とを組み合わせて前記グルーブのアドレス付けを行うステップとを特徴とする方法。
【請求項8】 アドレス情報を含むヘッダー記録部を径方向に偏向して記録されているランドと、当該ランドに対して高低差を持って配置され、データが記録されるデータ記録部を含むグルーブとが径方向に交互に配置されている光ディスクであって、前記ヘッダー記録部を径方向に配置された前記ランド毎に周方向に交互にずらして配置すると共に、前記グルーブの前記データ記録部と前記ランドの前記ヘッダー記録部とを周方向にずらして配置し、前記ヘッダー記録部は、前記ランドの両側に隣接する前記グルーブに対して同一のアドレス情報を再生させることを特徴とする光ディスクのアドレスを識別する方法であって、前記各ランド毎に異なる前記アドレス情報を検出するステップと、前記グルーブに前記データを記録及び/又は再生するための光ビームが読み取り可能な前記アドレス情報が当該グルーブの左右のいずれにある前記ランドから読み取れるかを判断するステップと、前記アドレス情報と前記左右情報の検出結果を利用して前記グルーブのアドレスを識別する方法。
【請求項9】 アドレス情報を含むヘッダー記録部を径方向に偏向して記録されているランドと、当該ランドに対して高低差を持って配置されたグルーブとが径方向に交互に配置されているスタンパであって、前記ヘッダー記録部を径方向に配置された前記ランド毎に周方向に交互にずらして配置すると共に、前記ヘッダー記録部は、前記ランドの両側に隣接する前記グルーブに対して同一のアドレス情報を再生させることを特徴とするスタンパ。
【請求項10】 スタンパよりディスク基板の信号面を転写する工程を含む光ディスクの製造方法において、前記スタンパは、原盤作成プロセスにおいて、径方向に偏向可能な1条の光ビームを用いてヘッダー情報を偏向露光し、かつ、当該ヘッダー情報を隣接する各ヘッダー情報記録領域毎に周方向に交互にずらして記録することにより作成されたマスタ原盤であることを特徴とする光ディスクの製造方法。
【請求項11】 前記光ビームの偏向をEO偏向素子を用いて行い、当該EO偏向素子の電極に印加する電圧をパルス波形の立上り時と立下り時の時間傾斜が情報内容に対応する変化を与えて記録することを特徴とする請求項10記載の方法。
【請求項12】 前記EO偏向素子を駆動するパルス信号の時間傾斜を、前記EO偏向素子を含む回路の時定数で制御することを特徴とする請求項11記載の方法。
【請求項13】 アドレス情報を含むヘッダー記録部を径方向に偏向して記録されているランドと、当該ランドに対して高低差を持って配置され、データが記録されるデータ記録部を含むグルーブとが径方向に交互に配置されている光ディスクであって、前記ヘッダー記録部を径方向に配置された前記ランド毎に周方向に交互にずらして配置すると共に、前記グルーブの前記データ記録部と前記ランドの前記ヘッダー記録部とを周方向にずらして配置し、前記ヘッダー記録部は、前記ランドの両側に隣接する前記グルーブに対して同一のアドレス情報を再生させることを特徴とする光ディスクの回転制御部と、前記グルーブに沿って光ビームを照射する光学ヘッドと、当該光ヘッドによって検出された読み出し信号波形より再生信号を得る記録再生信号処理回路と、当該記録再生信号処理回路によって再生されたアドレス情報より正しいアドレス情報を得るアドレス情報管理手段とを備え、当該アドレス情報管理手段は、前記周方向に交互にずらして配置されたヘッダー記録部より再生されたアドレス情報と当該アドレス情報が記録された位置とから正しいアドレス情報を判定することを特徴とする駆動装置。
【請求項14】 前記光ディスクは、基板、反射膜、記録膜の順に形成された断面構造を有し、前記光学ヘッドは、前記光ビームを、前記反射膜に関して前記基板とは反対側から前記光ディスクの前記記録膜に照射することを特徴とする請求項13記載の駆動装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスク及び光ディスク製造方法並びに光ディスク駆動装置に係り、特に、偏向によるウォブリングヘッダー部を有する光ディスクの構成と、ウォブリングヘッダー部の形成方法と、前記光ディスクを装着してデータの記録再生を行う光ディスク駆動装置とに関する。また、本発明は光ディスクを製造するためのスタンパに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光ディスクの技術分野においては、記録密度の高密度化が最も重要な技術的課題の1つになっており、従来より、ランド・グルーブ記録に代表されるような様々な高密度化に対する提案が為されている。
【0003】また、記録密度の高密度化を図るため、データ記録部のみならずヘッダー部構造を工夫したものも従来より、提案されている。例えばiD−photoでは、ヘッダー部の情報を記録トラックの片側だけに記録し、トラック方向への干渉を低減すると同時に内周側・外周側の記録トラック壁にヘッダー情報を記録することでディスクのチルトに対する誤動作を回避している。
【0004】かかるヘッダー部構造によれば、ヘッダー情報を偏向することで記録しているため、記録トラックを長く寸断することなく構成できた。これはトラッキング信号がトラック横断中にも寸断無く検出できる利点も有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記iD−photoのように、ヘッダー部の情報を記録トラックの片側だけに記録する方式では、ウォブリングヘッダーの形成に際して2束の光ビームを使用し、これら2束の光ビームを径方向にずらして露光することで露光側面のウォブリングを個別に行わなくてはならず、必然的に露光トラックの幅が広くなるため、径方向にトラック密度を上げていくことが容易ではない。
【0006】したがって、露光トラックの幅を狭くして径方向にトラック密度を上げるためには、2束ビームを使わずに1束ビームによる情報トラック構成で光ディスクの記録密度を高めることが必要である。また、ウォブリングヘッダーを1束ビームで構成し、iD−photoのようにスタガ構造を構成することでヘッダー情報の信頼性を確保する必要がある。さらに、この種の光ディスクを実用化するためには、従来とはアドレス情報の管理方法が異なる光ディスク駆動装置を開発する必要もある。
【0007】そこで、本発明は、アドレス情報を冗長的に記録して信頼性を高めると共に記録密度を高めることを可能にする光ディスク、その製造方法及びその駆動装置、その製造に使用されるスタンパを提供することを例示的な目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる目的を達成するため、本発明の一側面としての光ディスクは、アドレス情報を含むヘッダー記録部を径方向に偏向して記録されているランドと、当該ランドに対して高低差を持って配置され、データが記録されるデータ記録部を含むグルーブとが径方向に交互に配置されている光ディスクであって、前記ヘッダー記録部を径方向に配置された前記ランド毎に周方向に交互にずらして配置すると共に、前記グルーブの前記データ記録部と前記ランドの前記ヘッダー記録部とを周方向にずらして配置し、前記ヘッダー記録部は、前記ランドの両側に隣接する前記グルーブに対して同一のアドレス情報を再生させることを特徴とする。
【0009】かかる光ディスクによると、ヘッダー記録部はランドの両側に隣接するグルーブに対して同一のアドレス情報を冗長的に再生させることを可能にするので、光ビームが傾斜してランドの一方の側に傾いて収差により当該一方の側のヘッダー記録部が読めなくなっても他方の側のアドレス情報は再生できるようになる。また、読み取れたアドレス情報がどちらの側のランドからであるかの情報と組み合わせることにより、グルーブのアドレス付けを行うことができる。
【0010】かかる光ディスクは、径方向に偏向可能な1条の光ビームを用いてヘッダー情報を偏向露光して作成することができる。2条の光ビームを用いてヘッダー情報を偏向露光する場合に比べてヘッダー記録トラックの幅を狭く形成することができ、光ディスクの記録密度、特に径方向のトラック密度を上げることができる。
【0011】前記ヘッダー記録部に記録されるマークの前方エッジの傾斜と後方エッジの傾斜を異ならせて形成し、傾斜の違いをデータ情報の記録に相当させてもよい。このように、ヘッダー記録部に記録されるマークの前方エッジの傾斜と後方エッジの傾斜を異ならせて形成し、傾斜の違いをデータ情報の記録に相当させると、マークの偏向開始時と偏向終了時の遷移的な時間差を再生信号に反映させることができ、例えば、微分処理すれば遷移時間の短いパターンからの再生微分信号は大きな信号が得られるし遷移時間の長いパターンからの再生微分信号は小さな信号が得られるので、情報を再生することができる。
【0012】前記周方向に交互にずらして配置された各ヘッダー記録部の間に、径方向に関して相互に交差しない領域を有してもよい。このように、周方向に交互にずらして配置された各ヘッダー記録部の間に径方向に関して相互に交差しない領域を設けると、情報の再生時に光ビームの進行方向に関して上流側に配置されたヘッダー記録部と下流側に配置されたヘッダー記録部との干渉を避けることができるので、データ記録又はデータ再生の信頼性を高めることができる。
【0013】前記径方向に関して相互に交差しない領域に、同期信号を読み出すためのマークを形成してもよい。このように、径方向に関して相互に交差しない領域に同期信号を読み出すためのマークを形成すると、光ディスクのフォーマット構造を効率化することができるので、更に光ディスクの記録密度を高密度化することができる。前記ランドの径方向の幅は、例えば、0.30μm以下であってもよい。
【0014】前記データを記録及び/又は再生するための光ビームの入射面に対して前記グルーブを前記ランドよりも近い位置に配置してもよい。このように、データ記録トラックを光ビームの入射面に近い位置に配置し、ヘッダー記録トラックを光ビームの入射面から遠い位置に配置すると、光ディスクの製造を、原盤の作成、スタンパの作成、光ディスクの複製の3工程で行うことができる。これに対して、データ記録トラックを光ビームの入射面から遠い位置に配置し、ヘッダー記録トラックを光ビームの入射面に近い位置に配置すると、光ディスクの製造に、マスターマザーの作成が必要となる。よって、データ記録トラックを光ビームの入射面に近い位置に配置し、ヘッダー記録トラックを光ビームの入射面から遠い位置に配置することによって、製造が容易な光ディスクが得られる。
【0015】本発明の別の側面としてのフォーマット方法は、上述の光ディスクの前記グルーブをフォーマットする方法であって、前記各ランド毎に異なる前記アドレス情報を書き込むステップと、前記アドレス情報と当該アドレス情報を有する前記ランドが前記グルーブのいずれに側にあるかの左右情報とを組み合わせて前記グルーブのアドレス付けを行うステップとを特徴とする。かかるフォーマット方法は、アドレス情報と左右情報とを組合せ、冗長により信頼性を高めると共に高密度化を達成するのに好ましい。
【0016】本発明の別の側面としてのアドレス識別方法は、上述の光ディスクのアドレスを識別する方法であって、前記各ランド毎に異なる前記アドレス情報を検出するステップと、前記グルーブに前記データを記録及び/又は再生するための光ビームが読み取り可能な前記アドレス情報が当該グルーブの左右のいずれにある前記ランドから読み取れるかを判断するステップと、前記アドレス情報と前記左右情報の検出結果を利用して前記グルーブのアドレスを識別する。かかるアドレス検出方法も、アドレス情報と左右情報との組合せを利用して高密度な光ディスクの情報を読み取るのに適している。
【0017】本発明の別の側面としてのスタンパは、アドレス情報を含むヘッダー記録部を径方向に偏向して記録されているランドと、当該ランドに対して高低差を持って配置されたグルーブとが径方向に交互に配置されているスタンパであって、前記ヘッダー記録部を径方向に配置された前記ランド毎に周方向に交互にずらして配置すると共に、前記ヘッダー記録部は、前記ランドの両側に隣接する前記グルーブに対して同一のアドレス情報を再生させることを特徴とする。かかるスタンパは、上述の光ディスクを製造するスタンパとして使用することができる。
【0018】本発明の別の側面としての光ディスクの製造方法は、スタンパよりディスク基板の信号面を転写する工程を含む光ディスクの製造方法において、前記スタンパは、原盤作成プロセスにおいて、径方向に偏向可能な1条の光ビームを用いてヘッダー情報を偏向露光し、かつ、当該ヘッダー情報を隣接する各ヘッダー情報記録領域毎に周方向に交互にずらして記録することにより作成されたマスタ原盤であることを特徴とする。このように、方向に偏向可能な1条の光ビームを用いてヘッダー情報を偏向露光し、かつ、当該ヘッダー情報を隣接する各ヘッダー情報記録領域毎に周方向に交互にずらして記録すると、2条の光ビームを用いてヘッダー情報を偏向露光する場合に比べてヘッダー記録トラックの幅を狭く形成することができるので、記録密度が高い光ディスクを製造することができる。
【0019】前記光ビームの偏向をEO偏向素子を用いて行い、当該EO偏向素子の電極に印加する電圧をパルス波形の立上り時と立下り時の時間傾斜が情報内容に対応する変化を与えて記録してもよい。EO素子(電界効果型偏向素子)は、光ビームを高速に偏向することができ、かつ偏向光出力が劣化せず、しかも光ビームの偏向速度を電極に印加する電圧波形として制御することができるため、所要のマークの露光を容易に行うことができる。したがって、光ビームの偏向をEO偏向素子を用いて行い、その電極に印加する電圧をパルス波形の立上り時と立下り時の時間傾斜が情報内容に対応する変化を与えて記録することによって、所要のマークを有する光ディスクの製造を容易かつ高精度に行うことができる。
【0020】前記EO偏向素子を駆動するパルス信号の時間傾斜を、前記EO偏向素子を含む回路の時定数で制御してもよい。EO偏向素子は容量性負荷であるので、EO偏向素子を含む回路の充放電時定数は、EO素子の駆動素子側から見たインピーダンスを制御することで決定することができる。そして、EO偏向素子を含む回路の充電時定数と放電時定数とを変えると、パルス波形出力の立上り及び立下りの時間傾斜が変化する。したがって、EO偏向素子を駆動するパルス信号の時間傾斜をEO偏向素子を含む回路の時定数で制御すると、マークの前方エッジの傾斜と後方エッジの傾斜を任意に調整することができるので、所要のマークを有する光ディスクの製造を容易かつ高精度に行うことができる。
【0021】本発明の別の側面としての駆動装置は、上述の光ディスクの回転制御部と、前記グルーブに沿って光ビームを照射する光学ヘッドと、当該光ヘッドによって検出された読み出し信号波形より再生信号を得る記録再生信号処理回路と、当該記録再生信号処理回路によって再生されたアドレス情報より正しいアドレス情報を得るアドレス情報管理手段とを備え、当該アドレス情報管理手段は、前記周方向に交互にずらして配置されたヘッダー記録部より再生されたアドレス情報と当該アドレス情報が記録された位置とから正しいアドレス情報を判定することを特徴とする。このように、光ディスク駆動装置に、周方向に交互にずらして配置されたヘッダー記録部より再生されたアドレス情報と当該アドレス情報が記録された位置とから正しいアドレス情報を判定するアドレス情報管理手段を備えると、仮に、周方向に交互にずらして配置されたヘッダー記録部のうちの1つからのアドレス情報が得られない場合でも、残る片方のアドレス再生信号と再生されたアドレス情報の記録位置より正しいアドレス情報を得ることができるので、上述の光ディスクに対する情報の記録再生を行うことができる。
【0022】前記光ディスクは、基板、反射膜、記録膜の順に形成された断面構造を有し、前記光学ヘッドは、前記光ビームを、前記反射膜に関して前記基板とは反対側から前記光ディスクの前記記録膜に照射することを特徴とする。このような膜面入射は、上述したように、データを記録及び/又は再生するための光ビームの入射面に対してグルーブをランドよりも近い位置に配置する構成を実現することができる。
【0023】本発明の他の目的と更なる特徴は、以下、添付図面を参照して説明される実施例において明らかになるであろう。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態の光ディスクを説明する前に、スタンパの構造と記録再生用のビームの照射方向について説明する。集光させたビーム径が異なる場合に、同じトラック密度で記録トラックを形成しようとする場合には露光残りで境界領域を作る場合と露光領域で境界利用域を作る方法がある。
【0025】まず、図18(a)に示すように、ビーム径dのビームで露光する場合について考える。記録トラックとしてトラックピッチの少なくとも半分以上の領域を確保する場合について説明する。ここで、図18(a)は、光ビームをレンズで集光してトラックを露光する様子を説明するための外観斜視図である。図18(b)左側に示すように、ビーム径dがトラックピッチの半分よりも大きなビーム径d1で露光しようとする場合、光ビームで露光した残りを境界領域として使用しなければならない。図18(b)において、101Aが境界領域としてのランドで102Aが記録トラックとしてのグルーブである。なお、本出願では、必ずしも、グルーブが溝、ランドがグルーブに挟まれた丘に相当しない。以下に説明するように、転写によって溝と丘は入れ替わるからである。後述するように、本出願では、ウォブリングする方がランド、記録トラックとして機能するものをグルーブと定義する。
【0026】一方、図18(c)左側に示すように、ビーム径dがトラックピッチの半分よりも小さなビーム径d2で露光する場合、光ビームで露光しない部分を記録トラックとして使用することができる。図18(c)においては光ディスクとしての最終形態として、101Bが境界領域としてのランドで102Bが記録トラックとしてのグルーブになる。上述したように、図18(c)では溝部として形成したものがランドとしてアドレスを形成することになる。
【0027】これらの露光方法の違いは、露光後に現像された原盤の凹凸の違いとして現れる。それぞれは、ポジとネガの関係になっている。図18(b)の右側に、図18(b)の左側のG1G1で切断した現像原盤100Aの断面を示す。露光領域102Aの間に記録トラック101Aが凸部として現れているのが理解される。一方、図18(c)の右側に、図18(c)の左側のG2G2で切断した現像原盤100Bの断面を示す。露光領域101Bが記録トラックとして凹部として現れているのが理解される。
【0028】ビーム径はいつも同じ形状、特に、大きさを維持することができれば記録トラックを形成する点において違いはないが、実際にはビーム径dの変動率を同じにすると品質上の差が大きい。共に露光ビーム径の変動率が等しいとすると、ビーム径dの大きいd1の実際の寸法変動はビーム径dの小さいd2の寸法変動に比べて大きくなる。従って、図18(b)に示す露光残りで形成する境界領域の幅変動は図18(c)に示す露光領域で形成する境界領域の幅に比べて大きくなる。記録密度を高めるためにトラック密度は狭められ、記録トラックの境界領域の幅も狭くする必要がある。この境界領域の幅変動は隣接トラック間の距離が変動することと同じであり、記録特性に大きく影響を与えることになる。
【0029】後述する本実施例の如く、境界領域を偏向させてデータを記録しようとする場合には、集光ビームが小さくないと偏向による線方向への記録密度は詰められない。記録密度を検討するとき、トラック密度と同時に記録線密度も詰めることが求められることは必然であって技術的には集光ビームを小さくして記録することが求められる。
【0030】図19(a)及び図19(b)に露光原盤からスタンパを作成し、次いで、スタンパからレプリカを作成し、記録媒体を作成する様子を示す。露光原盤を基にメッキを施してスタンパを作成する。スタンパは成形により多数のレプリカを製造するための金型に相当するものである。スタンパの凹凸パターンは露光原盤の凹凸パターンとは反転した形に形成される。従って、図19(a)に示すように、原盤100Aからはスタンパ101Aが形成され、図19(b)に示すように、原盤100Bからはスタンパ101Bが形成される。このスタンパから複製したレプリカに記録膜と反射膜を成膜して記録媒体として完成する。図19では、保護膜や各種機能膜は省略されている。
【0031】記録トラックは先に説明したように、トラックピッチの少なくとも半分以上の幅を有した領域として説明する。もちろんランド・グルーブ記録のように凹凸それぞれの領域を記録トラックとして使用することもできるが、ここでは一方のみを記録トラックとして説明する。記録トラックの記録特性は、記録再生用の光ビームの入射面に近くなるように配置したほうが特性は良いことが知られている。また、記録再生用の光ビーム入射方法も、基板越しに入射する方法と記録膜面側から入射する方法がある。レプリカ基板は機械的剛性が要求されると同時に入射光層が薄いことが要求される。これは光透過基板の、例えば、傾斜による光学歪みの発生が基板が薄いほど小さくなるためである。一方では、基板の厚さが厚いほど基盤の表面傾斜は小さくなる。記録再生用の光ビームを小さくし、記録密度を詰めるためには基板の厚さは薄くして傾斜の小さいものが理想的であるが、これらは互いに相反する内容である。
【0032】これは、基板越しに記録再生用の光ビームを透過させ記録するという多くの光ディスクで採用してきた方法の限界を示している。この対策としてレプリカ基板はパターンを保持する保持機構として機能し、記録膜への記録は記録膜面に近いレプリカに対峙する側から記録光を入射すればよいことになる。
【0033】図19(a)及び図20(a)に示すように、記録媒体103Aは、従来の光ディスクと同様に、基板越しに記録再生用の光ビームを入射する膜構成(即ち、基板104、記録膜105、反射膜106)を示している。一方、図19(b)及び図20(b)に示すように、記録媒体103Bは、記録膜面側からの記録再生用の光ビームを入射する膜構成(即ち、基板104、反射膜106、記録膜105)を示している。ここで、図20(a)は、記録媒体103Aを基板越しに記録する様子を示す断面図であり、図20(b)は、記録媒体103Bを基板越しではなく記録面側から記録する様子を示す断面図である。基板104に対する記録膜105と反射膜106の位置関係が入射する記録再生用の光ビームの方向に対応する。なお、図20においても、保護膜は省略されているが、記録媒体103Aでは反射膜106に、103Bでは記録膜105に対して十分に薄く外部環境に対して保護できる厚さを有した保護膜を有している。
【0034】もちろん、スタンパ101Aから記録媒体103Bを形成することも可能である。かかる様子を図21を参照して説明する。図19(b)に示すように、スタンパ101Bからはレプリカ102Bが作成され、記録媒体103Bが作成される。しかし、露光原盤100Aに相当するスタンパ101Aから記録再生用の光ビームを膜面入射させようとする場合、反転スタンパ(いわゆるマスターマザー)101Aを作成してレプリカ102Bを製造する必要がある。なぜなら、図19(a)に示す記録媒体103Aの記録膜105と反射膜106の形成位置を交換して、図20(a)において左側から光ビームを照射すると、凹部としての記録トラックは光ビームの入射面から遠くなって、記録再生特性の良いものが得られないからである。
【0035】図21(b)に示すように、マスタとしてのスタンパ101Bからレプリカ102Bを作成する場合と、図21(a)に示すように、マスターマザーとしての反転スタンパ101Aからレプリカ102Bを作成する場合、図21(a)に示す概略断面図においてはレプリカ102Bとレプリカ102Bは同一に見えるが、実際にはレプリカ102Bはレプリカ102Bよりも特性が劣化している。つまり、転写回数が増えることでパターン精度が劣化し、表面ノイズが増加することによる。従って、図21(a)では、レプリカ102Bも記録媒体103Bを製造することができるように簡略的に書かれているが、実際には、レプリカ102Bから作成された記録媒体103B(図示せず)は記録媒体103Bよりも品質が劣化している。また、マスターマザーを作成する余分な工程は処理の複雑化とコストアップを招く。このため、膜面入射においては、マスターマザーの作成を要しないスタンパ101Bをもたらす原盤100Bが好ましい。このため、本実施形態では図18(c)に示すように、トラックピッチの1/2より狭いカッティングビーム径で露光する利点を説明した。
【0036】以下、本発明に係る光ディスク及びスタンパ製造方法並びに光ディスク駆動装置の実施形態を添付図面を参照して説明する。
【0037】図1は、光束(光ビーム)1をその進行方向に垂直な方向に偏向(ウォブリング)させて、原盤にヘッダー記録トラックの元になる露光パターン2を露光する状態を示す概略平面図である。光ディスクの場合、光束1は原盤の径方向に偏向される。図1から理解されるように、露光用の光束1は1つであり、1条の露光パターン2の側面部には、ヘッダー記録部の元になる同一形状のマーク又はウォブル3が記録される。この点、2条の露光光を使用する従来のiD−photoとは相違する。光束1は、図18(c)に示すビーム径d2に相等し、露光パターン2は図18(c)に示す101Bに形成される。
【0038】図2は、原盤に複数条の露光パターン2を露光した後、現像手段を含むスタンパ作成工程及び複製工程を経て作成されたスタンパに形成される凹凸パターンを示す概略斜視図であって、図19(b)に示すスタンパ101Bに相当する。図2において、符号10は原盤の露光パターン2に相当するヘッダー記録トラック、パターン11は原盤に形成されたマーク3に相当するアドレス情報を含むヘッダー記録部、符号12は各ヘッダー記録トラック10の間に形成されるデータ記録トラックを示している。ヘッダー記録トラック10はランドとして形成され、データ記録トラック12はグルーブとして形成される。
【0039】より詳細には、ヘッダー記録部11は、第1の識別(又はID)部11Aと第2の識別(又はID)部11Bとを有している。第1の識別部11Aは、アドレスを識別するのに使用される、異なる形状のパターン11A及び11Aなどを有し、同様に、第2の識別部11Bは、アドレスを識別するのに使用される、異なる形状のパターン11B、11B、11Bなどを有する。なお、11Aは11Aなどを総括し、11Bは11Bなどを総括し、11はこれら全てを総括する。
【0040】図2から理解されるように、隣接するヘッダー記録トラック10のヘッダー記録部11は、径方向に重ね合わないように、即ち、径方向に隣接しないように、相互にずらして形成される。このように、ヘッダー記録部11A及び11Bを径方向に対して互いに重ならないように配置するのは、ヘッダー記録部11A及び11Bを再生する時に、2つのヘッダー記録部を同時に読み込むこと(干渉)を避けるためである。また、トラック方向、即ち、線方向に対しては、図3に示すように、δTの期間だけずらして11A及び11Bが干渉するのを避けて配置する。このδTは再生光ビームの実質ビーム径よりも大きいことが望ましく、この長さが小さい場合には干渉を引き起こして誤検出する可能性がある。δTは、例えば、0.30μmである。ここで、図3は、図2に示すスタンパの隣接するヘッダー記録トラック10におけるヘッダー記録部のオフセット距離δTを示す概略斜視図である。
【0041】δTの区間には、径方向の情報データの干渉とは無関係な情報、例えば、同期信号を配置すると効率的である。例えば、図4に示すように、ランドを寸断し、そこでの反射信号の不連続信号を挿入することで同期信号とすることができる。ここで、図4は、オフセット距離δTを有効利用する同期信号埋込み方法の第1の実施形態を示す概略斜視図である。図4の例では、断続部に隣接した記録トラック12をトレースして、ミラー部13から読み出される信号が同期信号となる。理解されるように、図4はミラー部13の一部のみを示しており、同期信号として機能させるために、ミラー部13は一定周期でトラック内に複数設けられている。
【0042】図5に、オフセット距離δTを有効利用する同期信号埋込み方法の第2の実施形態を示す。図5では、ミラー部13の径方向、即ち、記録トラック上の隙間に凸状の同期用のマーク14が追加されており、当該マーク14から読み出される信号が同期信号となる。もちろん、このデータ記録トラック12上のマーク14が無くても、露光寸断マーク13をビーム側部で検出することは可能であるが、より大きな信号検出が期待できる。データ記録トラック12のマーク14は、ヘッダー情報11のトラックから径方向に大きく偏向させて形成させる、つまりマーク14は、マーク13が露光的に移動することにより形成することができる。あるいはヘッダー記録トラック110を形成するトラック10を露光する光ビームとは別の光ビームを使用して形成することができる。理解されるように、図5はマーク14の一部のみを示しており、同期信号として機能させるために、マーク14は一定周期でトラック内に複数設けられている。
【0043】図6は、図20(b)に相当する概略斜視図であり、図20(b)に示す基板は省略されている。即ち、図6は、図2に示すスタンパから作成された光ディスクのパターン形成面に反射膜106、記録膜105、及び、厚さ0.1μmのカバー層107を順次形成してなる光ディスクを示す。図6において、符号110は、図2においてランド10に相当するランド(又はヘッダー記録トラック)、符号111は、図2に示すヘッダー記録部11に相当するヘッダー記録部、符号112は、図2に示すグルーブ12に相当するグルーブ(又はデータ記録トラック)である。図6及び図20(b)に示すように、本発明の光ディスクは、データ記録トラック112が、入射面15bに対してヘッダー記録トラック110よりも近い位置に配置されている。
【0044】ヘッダー情報の変調手段としてはBiphase記録でも良いし、図7に示すような偏向パターン形状の違いをもとに変調する方法もあり、変調方式にはこだわらない。ここで、図7は、一例としての変調パターンを示しており、ヘッダー記録部11に記録されるヘッダー情報の記録方法を説明するための概略平面図である。図7は、偏向時の径方向への偏向速度の違いを用いて記録するマーク3の形状の形成状況を示している。つまり、偏向開始時と偏向終了時の遷移速度差は再生信号に反映していて、例えば微分処理すれば遷移時間の短いパターンからの再生微分信号は大きな信号が得られるし、遷移時間の長いパターンからの再生微分信号は小さな信号が得られる。この検出信号レベル差を利用すれば情報を記録して再生することは可能である。あるいは、フィルタリングにより、スペクトラム分布の差から情報再生する方法もある。
【0045】遷移時間の違うマーク形成は情報の記録速度と関連しており、高速に偏向できる手段で記録することが求められ、高速に偏向できて、しかも偏向光出力が劣化しない素子として、電界効果型偏向素子(EO素子201)を使用することができる。EO素子においては、偏向速度は電極に印加する電圧波形として制御することができるため、制御は容易である。但し、必要とする偏向電圧は高圧であり、高速パルス駆動動作が求められる。
【0046】図8に、光跡を形成するEO素子201へ供給する駆動電圧の波形を示す。駆動電圧は電極202、202’に個別に印加され、いずれにも印加していない時は偏向しない状態になる。図8は各電極202、202’に印加する信号と露光パターンの関係を示している。図8(a)に示す露光パターンを得るためには図8(b)に示す駆動電圧(A)及び(B)を、図8(e)の構造を有するEO素子201に印加すればよい。一方、図8(c)に示す露光パターンを得るためには図8(d)に示す駆動電圧(A)’、(B)’を図8(e)の構造を有するEO素子201に印加すればよい。
【0047】以下、露光パターン2の露光に適用されるパルス駆動回路の基本的な構成と、その効果を、図9乃至図11を参照して説明する。
【0048】図9(c)に示すように、本実施形態のパルス駆動回路は、N型FET(電界効果トランジスタ)21と、ソース抵抗22と、FETドライバ23と、抵抗器24、27と、スイッチング素子25と、波形成形制御回路29とからなる。抵抗器24及び/又は27はコンデンサとして構成され、後述するように、抵抗22と共に時定数を決定する。ここではN型FETの例で示しているが、P型FETでも実施することは可能である。
【0049】FETドライバ23は、図9(a)及び図11(a)に示すパルス波形入力(IN Signal)30を低出力インピーダンスの高速パルス信号に変換して、FET21のソース・ゲート間に印加する。抵抗器24は、図9(b)及び図11(b)に示すパルス波形出力(OUT Signal)31の供給を受けて動作する図示しないEO素子201を負荷とした場合に相当する容量性負荷の充電時の時定数を調整するためのものであって、ソース端子Sとソース抵抗22との接続点とパルス波形出力31との間に接続される。一方、抵抗器27は、前記容量性負荷の放電時の時定数を調整するためのものであって、ソース抵抗22とグラウンドとの接続点とパルス波形出力31との間にスイッチング素子25を介して接続される。スイッチング素子25は、波形成形制御回路29より出力されるスイッチ制御信号aによりオンオフ制御される。
【0050】波形成形制御回路29は、図10(a)に示すパルス波形入力30を取り込み、当該パルス波形入力30を図10(b)に示すように所定時間τだけ遅延させ、次いで、この遅延信号を図10(c)に示すように反転させ、最後に、前記遅延信号と反転信号の論理和をとり、図10(d)に示すようにパルス波形入力30の立下りに同期して立上がるパルス幅τのスイッチ制御信号aを出力する。
【0051】図9に示すパルス駆動回路によると、パルス波形入力30はFETドライバ23によって低出力インピーダンスの高速パルス信号に変換され、FET21のソース・ゲート間に入力される。そして、パルス波形入力30の立上りによってFET21のゲートGがON動作され、ソース抵抗22の両端に抵抗器24に応じた立上りの勾配に調整されたパルス波形出力31が出力される。また、パルス波形入力30の立下りに同期して図10(d)に示したスイッチ制御信号aが立上がり、残留電圧が残るタイミングでスイッチング素子25がON状態に切り替えられるため、ソース抵抗22の両端に抵抗器27に応じて立下りの勾配が調整されたパルス波形出力31が出力される。よって、抵抗器27の抵抗値を調整することによって、図9(b)に示すように、パルス波形出力13の立下りの特性を適宜調整することができる。なお、パルス波形出力31の立下りの特性は、抵抗器27の抵抗値によって変化する。図11(b)に示すように、抵抗器27の抵抗値が小さいほど、パルス波形出力31の立下りの特性が急峻に、即ち、波形は図11(b)においてaからdに近づく。即ち、抵抗器の値は、a、b、c、dの順に大きい値を有することになる。
【0052】記録する信号に応じて遷移時間を制御するには回路の放電時定数を制御することで可能である。図9にパルスの立下り特性を制御する例を示す。図9でFET21は回路出力(EO入力)の駆動素子である。FET1の負荷は出力インピーダンスの主たる内容を決定する抵抗22RSであるが、出力31に接続するEO素子は容量性負荷であるからこれより充分に小さい値を有する出力インピーダンスが求められる。容量性負荷に対して駆動素子FET21から見たインピーダンスを制御することで充放電時定数は決定することができる。ここでは充電時定数と放電時定数を変えるために、スイッチ素子25と放電時定数設定用素子27を設けた。スイッチ素子は入力信号とリンクした信号でドライバ29を介して動作する。この動作原理を具体的な回路として示したのが図12の回路である。高電圧で動作させるため、入出力回路を電気的に隔離することが必要である。駆動信号、パルス信号ともフォトカプラで分離している。実際に必要な素子の値は、EO素子の偏向感度と要求する動作速度による。またEO素子の駆動入力インピーダンスは、パルス駆動回路とEO素子を接続するケーブルの特性インピーダンスやケーブル長さによって異なるため実装状態での調整が必要である。
【0053】図12は、より実用的なパルス駆動回路の構成を示す回路図である。図12においては、スイッチング素子25としてパルス駆動素子21と同様のFETを用いたこと、これら2つのFET21、25の同期をとるために各FET21,25の入力回路を同一構成にしたこと、各FET21,25の入力回路にフォトカプラ41、42と論理素子で構成されたパルス処理回路51,52とDC−DCコンバータ61、62とを備えて、FETを駆動するに必要な電力を供給すること、及び、パルス駆動素子1の出力回路に負荷との整合回路71を備えたことを特徴とする。
【0054】フォトカプラ41、42は、FET1、5を駆動するためにソース電位に連動して動作するフローティング動作を可能にする。また、FETドライバ23、26は低出力インピーダンスを有する高速パルス信号を出力してFETゲートを駆動し、FETの高速動作を可能にする。DC−DCコンバータ61、62は、フローティング動作で論理素子を構成するパルス処理回路51、52、波形成形制御回路29の電源電圧を供給し、FETを駆動するに必要なゲート電圧を得るための電源レギュレータである。
【0055】論理素子と電源を共有し、ソース電位と連動して供給を続けるためには、フローティングされたDC−DCコンバータ61,62の使用が必要である。つまり、FET21、25がオンすると、ソース抵抗22はほぼVdの電圧(正確には、FET21、25のオン抵抗とソース電流による電圧降下分を差し引いた電圧)が抵抗器22に印加される。ここで必要なゲート電圧をソース電圧に加算するため、FETドライバ23、26の電源はソース電圧に加えて少なくともFET21、25のオン状態を維持するに必要なゲート電圧以上の電圧が必要である。そのためフォトカプラ41、42とDC−DCコンバータ61、62のフローティング動作による論理素子との電位分離が必要である。
【0056】FET21、25がオフ時には、FETソースはVdのグランドと素子22を経由して接続してあり、FETドライブ23、26のグランド電位と一致する。このように、フォトカプラ41、42とDC−DCコンバータ61、62の出力側グランドとFETドライバ23、26の接地電位は、FET21、25の動作状況に応じて変動することになる。論理素子で構成されるパルス処理回路51、52は、パルス長さを調節する機能を有しており、パルス波形出力31の幅を調整することができる。また、FET21、FET25やFETドライバ23、26のパルス幅変化分を補償することが可能である。
【0057】波形成形制御回路29は、上述のように、パルス波形出力31の立下り波形を制御するためのパルス信号を得る回路であり、パルス信号の遅延回路と反転回路とゲート回路から構成される。なお、本実施形態例のパルス駆動回路で説明した内容と同様に考えて、FET21から位相を反転したパルス波形出力31を出力する場合も、パルス波形出力31の立上り部位を制御することができる。
【0058】負荷との整合回路32は、負荷接続によるパルス波形出力31の波形歪を軽減させるためのものであり、本発明の効果を補助するために設けられる。例えば、負荷が静電容量の場合、整合回路32にダンピング抵抗を設けることで負荷からの反射の影響を低減することができ、波形歪を軽減することができる。また、この場合、ダンピング抵抗を分割し、その分割点のインピーダンスを制御することによって、負荷装置に供給するパルス波形出力31の波形を制御するようにすることもできる。
【0059】図13に、図12のパルス駆動回路を用いたEO駆動回路を示す。図13から理解されるように、本実施形態のEO駆動回路は、図8(c)に示す(A)、(A)’、(B)又は(B)’の信号を発生する回路を示している。図13に示すEO駆動回路は、図12に示したパルス駆動回路を2系統使用し、各回路の出力をEO素子部200の電極へ同軸ケーブル250で接続している。更に、EO素子部200を含む出力回路に対する充電時定数を制御するため、負荷回路にシリーズに接続した回路素子24のインピーダンス制御により行う。同様にEO素子を含む出力回路に対する放電時定数を制御するために負荷回路にパラレルに接続した回路素子27のインピーダンス制御により行う。充放電時定数制御回路99は記録データに従い、図8(c)に示す(A)、(A)’、(B)、(B)’の信号を作り出すための制御信号である。
【0060】図14に、可変インピーダンス回路の構成を示す。この回路は、充放電時定数制御信号により、インピーダンスを制御する回路である。スイッチング素子としてFET73を使用している例を示す。FET73がオン、つまり、FET73自体のインピーダンス低下で抵抗器74と抵抗器75は並列に接続される。正確にはFET73のオン抵抗と抵抗器75の直列インピーダンスに抵抗器74が並列に接続された形になり、全体としてのインピーダンスは低下しこれに接続する負荷回路の時定数を制御することができる。負荷回路に直列に入る回路素子4として機能する場合は充電時定数素子に関与し、負荷回路に並列に入る回路素子7として機能する場合は放電字定数素子として関与する。FET73がオフする場合は抵抗器75は抵抗器74と切り離され、抵抗器74のみで規定するインピーダンス素子として機能する。回路素子71はFET73を駆動するFETドライバであり、充放電時定数制御信号とはカップラ72で電気的に絶縁している。これはインピーダンス可変素子としてグランド電位を含めて絶縁状態を確保し、任意の回路位置に挿入できる条件を整えるためである。
【0061】充放電時定数制御回路99はマトリックス回路であり、図13に示す回路の4個の可変インピーダンス機能素子を制御する制御信号を作り出す。例えば、図8(c)においては光偏向を制御するために(A)、(A)’、(B)、(B)’のいずれかの立上りもしくは立下り特性を有するEO駆動信号が必要である。例えば、(A)の駆動信号を得るのが図13の上部に記述した回路であり、(B)の駆動信号を得るのが図13の下部に記述した回路である。(A)の立上り特性を急峻にするには充電時定数を短くする必要があり、負荷に直列に入る回路素子24のインピーダンスを下げる。つまり、図14に示すFET73はオンにするように充放電時定数制御信号は設定される。FET73がオフの時は充電時定数が大きくなるので、必要な時定数が得られるように抵抗器74を設定すればよい。抵抗器74、75の設定で立上りの急峻さの程度のオンオフの程度を設定することができる。立下りにおける放電時定数の設定も同様であり、負荷に並列に入る回路素子7のインピーダンス変化で放電時定数を変化させる。つまり立下り特性の急峻さを制御することができる。そして(B)の駆動信号も(A)と全く同様に得られることは自明である。ここで(A)’、(B)’は(A)、(B)のデータ入力が反転した状態を表わしたものである。
【0062】偏向によるヘッダー情報記録の状況を図15に示す。ヘッダーアドレス情報は、トラックが識別できる内容で付加されているものとする。アドレスは交互に隣接するトラックではずれて配置するため、ヘッダ情報記録トラック間に配置するデータ記録トラックではまず左(もしくは右)に記録されたヘッダー情報が再生され、次いで右(もしくは左)のヘッダー情報が再生される。例えば、図2に示す符号12に相当するデータ記録トラック(k−2)では、進行方向に対して右に記録されているデータ記録部11Aの形状に相当するアドレス情報(N−1)と進行方向に対して左に記録されているデータ記録部11Bの形状に相当するアドレス情報(N−2)を得ることができる。これは、図16において、データトラック番号(k−2)に相当する。なお、図16におけるID1は11Aに相当し、ID2は11Bに相当する。同様に、データ記録トラック(k−1)では、進行方向に対して右に記録されているデータ記録部11Bの形状に相当するアドレス情報(N)と進行方向に対して左に記録されているデータ記録部11Aの形状に相当するアドレス情報(N−1)を得ることができる。これは、図16において、データトラック番号(k−1)に相当する。データ記録トラック(k)では、進行方向に対して右に記録されているデータ記録部11Aの形状に相当するアドレス情報(N+1)と進行方向に対して左に記録されているデータ記録部11Bの形状に相当するアドレス情報(N)を得ることができる。これは、図16において、データトラック番号(k)に相当する。データ記録トラック(k+1)では、進行方向に対して右に記録されているデータ記録部11Bの形状に相当するアドレス情報(N+2)と進行方向に対して左に記録されているデータ記録部11Aの形状に相当するアドレス情報(N+1)を得ることができる。これは、図16において、データトラック番号(k+1)に相当する。このように各データ記録トラックには異なる2個のアドレス情報を得ることができる。
【0063】図16は、ヘッダー記録部11に格納されるアドレス情報と、左右情報と、グルーブのアドレスを表にまとめたものである。ここでData Track No.はグルーブのトラックアドレス情報を示している。このアドレス情報は、それぞれ露光溝に対し内周側もしくは外周側に記録されたマークを再生したものであり、光ディスクの機械的反りに対する対策として機能することができる。ここでヘッダー情報トラックをデータ記録トラックに比べて狭小に設定することで、高密度化を図ると同時にトラッキングサーボ信号を得ることができる。所謂グルーブ記録フォーマットとして使用することができる。
【0064】光ディスクにデータを記録するには、記録すべき位置を特定しなければならずアドレス情報が付加される。しかし、図16に示すように、データトラック番号とアドレス情報であるID1とID2の情報はすぐには判断できない。例えば、データトラック番号kの再生アドレス情報は(N+1)であり(N)である。ID情報として異なる情報が複数再生できるため冗長とする利点があるが、直接読み出せないため図16に示すような論理に従い判読する必要がある。例えば、片方のID情報が欠陥等により得られない場合でもID情報がデータトラックの右側からの情報(図16ではRと記述)の場合と、左側からの情報(図16ではLと記述)の場合とでは異なることがある。
【0065】例えば、ID2が読めない場合、データトラックkと(k+1)ではID1の値は(N+1)で同じ情報であるが、再生方向がデータトラックkでは右、即ち、Rであり、(K+1)では左、即ち、Lであって判別可能である。同様のことはID2でもいえる。このような判別をすることで現在のアドレス位置を正確に判断できるわけであり、この処理を光駆動装置に組み込む必要がある。
【0066】このように本発明のフォーマット方法によれば、各ランド110毎に異なるアドレス情報を書き込むステップと、アドレス情報とアドレス情報を有するランド110がグルーブ112の左右いずれにあるかを表す左右情報とを組み合わせてグルーブのアドレス付け(データトラック番号の付与)を行う。図16に示す表は、光ディスクの図示しない管理領域に格納され、以下に説明する駆動装置300のメモリ380に読み込まれる。
【0067】図17に、光ディスク103の駆動装置300の一例を示す。本実施形態の駆動装置は、記録再生信号処理回路を通した再生信号から得られるID情報を、コントローラのアドレス情報管理機能を用いて、図16に示したマトリックスから正しいアドレス情報を得ることができる。
【0068】より具体的には、駆動装置300は、スピンドルモータ310と、回転制御部320と、光ヘッド330と、レーザ駆動回路340と、記録再生信号処理回路350と、コントローラ360と、サーボ制御回路370と、メモリ380を有する。スピンドルモータ310は光ディスク103を回転し、回転制御部320はスピンドルモータ310の回転を制御する。光ヘッド330は、グルーブ又はデータ記録トラック112に沿って光ビームを照射する。本実施形態では、光ヘッド330は、図20(b)に示すように、光ビームを光ディスク103に基板越しではなく膜面入射によって照射する。レーザ駆動回路340は、光ヘッドの330の光ビームを制御する。記録再生信号処理回路350は、光ヘッド330によって検出された読み出し信号波形より再生信号を得ると共に光ヘッド330が記録すべき情報を光ヘッド330に供給する。コントローラ360は、各部を制御すると共に、アドレス情報管理機能を備え、記録再生信号処理回路350によって再生されたアドレス情報より正しいアドレス情報を得る。
【0069】即ち、コントローラ360は、光ディスクのヘッダー記録部111より再生されたアドレス情報とアドレス情報が記録された位置(即ち、左右情報)とから正しいアドレス情報を判定する。コントローラ360は、図16に示す表を格納するための、ROM、RAMその他の記憶部を含むメモリ380を有する。メモリ380は、図16に示す構成が駆動装置300と互換性のある全ての光ディスク103に共通であれば予めROMや記憶部に格納していてもよい。但し、図16に示す構成が光ディスク103ごと相違するのであれば、光ディスク103の管理領域に図16に示す表を格納してそれを光ヘッド330が読み込んでRAMや記憶部としてのメモリ380に光ディスク103が装着されるたびに格納してもよい。
【0070】コントローラ360は、各ランド110毎に異なるアドレス情報を検出し、グルーブ112にデータを記録及び/又は再生するための光ヘッド(又は光ビーム)が読み取り可能なアドレス情報がグルーブ112の左右のいずれのランド110から読み取れるかを判断し、アドレス情報と左右情報の検出結果を利用してメモリ380に格納された図16に示す表から当該グルーブ112のアドレス(データトラック番号)を識別する。より具体的には、記録再生信号処理回路350とコントローラ360との間には信号線352、354及び356が設けられる。信号線352及び354は記録再生信号の送受信に使用され、信号線356はアドレス情報(即ち、図16におけるN−1、N、N+1など)の送信に使用される。また、サーボ制御回路370とコントローラ360との間には信号線372及び374が設けられている。信号線372は極性判別信号の送信に使用され、信号線374はサーボ信号の送信に使用される。光ヘッド330によって読み取られた極性判別信号は、信号線372を介してサーボ制御回路370からコントローラ360に送信される。極性判別信号は、図16におけるR、Lを表す。この結果、コントローラ360は、アドレス情報と極性判別信号の両方を得て、メモリ380が格納する図16に示す関係からデータトラック番号を取得することができる。
【0071】なお、ここで説明したアドレス情報管理はコントローラで処置しているが、駆動装置としてはコントローラ以外の論理手段や回路手段を用いても正しいアドレス情報が得られるようにしてもよい。再生された情報を記録再生に必要な情報として処理することは駆動装置としては当然必要な機能であり、図17はその一実施形態を示したものにすぎない。
【0072】以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨の範囲内で様々な変形及び変更が可能である。例えば、本実施形態ではグルーブ記録について説明したが、本発明はランド及びグルーブにデータを記録するランド・グルーブ記録を排除するものではない。ランドにデータ記録する場合、冗長性を持たせるために各ランドに設けられる2つのヘッダー記録部が設けられることが好ましい。この結果、本実施形態では二重ヘッダー記録部であるのに対し、かかる実施形態は三重ヘッダー記録部構成とすることで、いずれの場合も複数アドレス検出を可能とすることができる。また、アドレス情報は集中されても分散されてもよい。
【0073】本実施形態の本発明の光ディスクによれば、アドレス情報をランドの両側に冗長的に記録して読み取りの信頼性を高めると共に、記録密度を高めることができる。
【0074】また、本実施形態の光ディスクの製造方法によれば、1束の光ビームでスタガ構造のウォブリングヘッダーを形成することができるので、2条の光ビームを用いてヘッダー情報を偏向露光する場合に比べてヘッダー記録トラックの幅を狭く形成することができることから、光ディスクの記録密度、特に径方向のトラック密度を上げることができる。
【0075】また、本実施形態の光ディスク駆動装置によれば、周方向に交互にずらして配置されたヘッダー記録部より再生されたアドレス情報と当該アドレス情報が記録された位置とから正しいアドレス情報を判定するアドレス情報管理手段を備えるので、仮に周方向に交互にずらして配置されたヘッダー記録部のうちの1つからのアドレス情報が得られない場合でも、再生されたアドレス情報の記録位置より正しいアドレス情報を得ることができ、本発明に係るフォーマット構造を有する光ディスクを装着しての情報の記録再生を行うことができる。
【0076】
【発明の効果】本発明によれば、アドレス情報を冗長的に記録して信頼性を高めると共に記録密度を高めることを可能にする光ディスク、その製造方法及びその駆動装置、その製造に使用されるスタンパを提供することができる。




 

 


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