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発明の名称 後加工適性および耐久性に優れた磁気記録カード
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2003−85735(P2003−85735A)
公開日 平成15年3月20日(2003.3.20)
出願番号 特願2001−279470(P2001−279470)
出願日 平成13年9月14日(2001.9.14)
代理人 【識別番号】100077698
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 勝広 (外1名)
【テーマコード(参考)】
5D006
【Fターム(参考)】
5D006 AA01 AA06 BA06 BA19 DA01 
発明者 中川 宜子 / 梅沢 敦
要約 課題
カードの最表面である保護層にホログラム転写箔シールなどの各種転写箔や、感熱転写方式などにより、各種絵柄や情報を容易に貼着あるいは転写可能であり、さらに磁気層の隠蔽層および模様層を設けても、磁気層の記録・読み出しが可能なカードを提供すること。

解決手段
基材上に、磁気層、磁気層の隠蔽層、模様層および保護層を順に積層してなるカードにおいて、磁気層の磁性体が、抗磁力580〜720エルステッド、角形比0.85以上および板状比1.5以上のバリウムフェライトを用い、かつ上記保護層が、電離放射線硬化型樹脂と熱可塑性樹脂との混合物で形成されていることを特徴とするカード。
特許請求の範囲
【請求項1】 基材上に、磁気記録層、磁気記録層の隠蔽層、模様層および保護層を順に積層してなる磁気記録カードにおいて、磁気記録層の磁性体が、抗磁力580〜720エルステッド、角形比0.85以上および板状比1.5以上のバリウムフェライトを用い、かつ上記保護層が、電離放射線硬化型樹脂と熱可塑性樹脂との混合物で形成されていることを特徴とする磁気記録カード。
【請求項2】 電離放射線硬化型樹脂と熱可塑性樹脂との重量比が、5/95〜95/5の範囲である請求項1に記載の磁気記録カード。
【請求項3】 磁気記録層の隠蔽層、模様層および保護層の合計厚さが8μmを超える請求項1に記載の磁気記録カード。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録カード(以下単に「カード」という)に関し、さらに詳しくは優れた意匠性およびセキュリティー性を付与でき、さらに耐久性にも優れたカードの提供を目的とする。
【0002】
【従来の技術】従来、銀行カードやクレジットカードなどは、カード自体は高額ではないが、不正使用されると経済的損失が大きい。主に、ID情報やその他の情報を記録しているのは磁気記録層(以下単に「磁気層」という)であるが、磁気層自体が露出しているうえ、磁気記録自体が普及したため、偽造や改ざんに対して安全性が高いとはいえない。そこで磁気層を含めた全面に着色層(隠蔽層)を設け、磁気層の目視判別性を低下させる手段が多く見られる。また、磁気層を隠蔽することで、磁気層上も含め、カード全面にデザイン(模様)を施すことができる。
【0003】しかし、上記のような用途に用いられる隠蔽仕様タイプのカードでは、磁気読み取り機などでの繰り返し使用により、磁気部分の隠蔽層が擦られて剥れることが多く見られた。これに対し、カード表面の耐久性を向上させるため、最表面が電離放射線硬化型樹脂で形成された保護層を設ける手法が用いられている(特開平10−187046号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記従来技術をもってしても不十分な場合がある。例えば、上記の従来技術を適用し、さらにクレジットカードなどに対応させて、おもて面に偽造・変造防止用のホログラムを添付する、あるいはカード表面に情報を記録するために感熱転写リボンなどによる加工を加える場合、最表面が電離放射線硬化型樹脂で形成された硬化済の保護層であるため、ホログラムシールやリボンのインクの接着性が不十分であり、接着剤を種々変更しても有効な接着力が得られない。
【0005】このように、硬化した樹脂層の表面にホログラムシールあるいは感熱転写リボンのインクなどを添付しようとする場合、樹脂層の表面を研削して粗面化する方法、酸素処理、あるいは前記処理を行ない、アンカー層を塗布後添付するといった方法も考えられる。しかし、いずれの方法も製造工程が増え、また、カードの外観変化を生じて好ましくない。アンカー層塗布の手法では、アンカー層をカード全面に設けた場合、磁気出力の低下を招き、磁気ストライプ上を除いてアンカー層を表面に設けた場合には表面に輪郭が生じるため、やはり外観上好ましくない。
【0006】一般にキャッシュカードやクレジットカードなどにおいては、酸化鉄の磁性材料を用いているが、意匠性を向上させるために磁気層上に磁気層の隠蔽層および模様層を設ける場合、やはりカード全体の膜厚の増加となるため、磁気情報の出力が低下し、また、デザインの付与にも制約が生じる。また、繰り返し使用による印刷層の剥離は、カード自体の磁気情報の読み取り精度を低下させるだけでなく、カード全体としてのデザイン(印刷絵柄)も破壊することになる。
【0007】また、繰り返し使用に耐えて印刷やデザインを守るための耐久層に加えて、箔押しなどの加工適性を得るための受容層を設けると、磁気テープ上の層構成が厚くなり、磁気情報の出力を低下させる。磁気層上を除いて部分的に受容層を設ける場合、前記と同様にカード表面に輪郭ができ、デザイン上好ましくない。また、前記と同様の表面処理などの手法を用いた場合でも、工程が増えるのみならず、外観上好ましくない。
【0008】従って本発明の目的は、カードの最表面である保護層にホログラム転写箔シールなどの各種転写箔や、感熱転写方式などにより、各種絵柄や情報を容易に貼着あるいは転写可能であり、さらに磁気層の隠蔽層および模様層を設けても、磁気層の記録・読み出しが可能なカードを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的は、以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明は、基材上に、磁気層、磁気層の隠蔽層、模様層および保護層を順に積層してなるカードにおいて、磁気層の磁性体が、抗磁力580〜720エルステッド、角形比0.85以上および板状比1.5以上のバリウムフェライトを用い、かつ上記保護層が、電離放射線硬化型樹脂と熱可塑性樹脂との混合物で形成されていることを特徴とするカードを提供する。
【0010】また、本発明は、電離放射線硬化型樹脂と熱可塑性樹脂との重量比が、5/95〜95/5の範囲である上記のカード;磁気層の隠蔽層、模様層および保護層の合計厚さが8μmを超える上記のカードを提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に本発明のカードの材料および製造方法など、発明の実施の形態について詳しく説明する。
〔カード形成用転写シートについて〕本発明のカードの製造方法は特に限定されないが、カード形成用転写シートを用いる方法が好ましいので、以下にカード形成用転写シートについて説明する。
【0012】(支持体シート)本発明のカード形成用転写シートに用いる支持体シートとしては、その上に積層する各層、すなわち、離型性樹脂層、保護層、模様層(パターン層)および隠蔽層(接着層も兼ねる)の各層を順次コーティングなどにより形成する際の耐熱性および耐溶剤性、また、形成された転写層をカードの基材シートに転写する際、熱転写方式を利用する場合には、その耐熱性が必要であり、これらの性能を備えたプラスチックフィルム、例えば、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、単に「PETフィルム」という)などを使用することができる。PETフィルムを使用する場合、その厚さは5〜250μmのものが好ましく、加工適性や引張強度、熱転写の際の熱効率などを考慮すると20〜50μmの厚さがさらに好ましい。
【0013】(離型性樹脂層)支持体シートの少なくとも一方の面に、コーティングなどにより積層する離型性樹脂層は、支持体シートにはよく接着し、その上に形成する保護層の樹脂を比較的容易に剥離でき、かつ耐熱性、耐溶剤性などに優れた樹脂で形成することが好ましい。このような樹脂としては、例えば、メラミン系樹脂など架橋性に優れた各種熱硬化性樹脂が好適に使用できる。このような樹脂は、架橋度合いを制御して用いることにより、転写の際の剥離力を適宜調整することも可能である。離型性樹脂層は、リバースロールコーターなどによるコーティング方式で形成することができ、その厚さは薄くてよく0.1〜4μm程度で充分である。
【0014】(保護層)前記離型性樹脂層の上に設ける保護層は、転写後、カードの最外層となって下側の層を保護するものであり、保護層形成材料としては、透明性、耐擦傷性、耐摩耗性、耐熱性、耐薬品性、耐汚染性などに加えて、優れた後加工適性(受容性)をも兼ね備えた樹脂が適している。このような樹脂としては、電離放射線硬化型樹脂と熱可塑性樹脂との混合物が挙げられる。なお、本明細書では保護層を「(保護層/受容層)混合層」ともいう。
【0015】電離放射線硬化型樹脂としては、具体的には、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレートなどが挙げられ、これらはそれぞれのプレポリマーに粘度、あるいは架橋密度を調整するために多官能または単官能のモノマーを添加して用いてもよく、また、必要に応じて公知の光反応開始剤や増感剤を添加して用いてもよい。このほか、ポリエン/チオール系の電離放射線硬化型樹脂なども耐摩耗性に優れており、好ましく使用できる。
【0016】上記電離放射線硬化型樹脂と併用する熱可塑性樹脂としては、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのハロゲン化ポリマー、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルエステルなどのビニルポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンやプロピレンなどのオレフィンと他のビニルモノマーとの共重合体系樹脂、アイオノマー、セルロースジアセテートなどのセルロース系樹脂、ポリカーボネートなどが挙げられ、特に好ましいものは、ビニル系樹脂およびポリエステル系樹脂である。
【0017】前記電離放射線硬化型樹脂(A)と上記熱可塑性樹脂(B)とは、重量比でA/B=5/95〜95/5の割合で使用する。好ましくはA/B=10/90〜90/10、さらに好ましくはA/B=20/80〜80/20である。熱可塑性樹脂の量が少なすぎると、形成される保護層の表面の後加工適性(受容性)が不足し、一方、熱可塑性樹脂の量が多すぎると、形成される保護層の各種耐久性が低下する。
【0018】以上のような保護層用樹脂には、さらに必要に応じて、界面活性剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤などの添加剤を加えることもできる。また、保護層を設ける方法は、前記保護層用樹脂組成物で塗布液を作製し、従来公知の各種ロールコーティング方式やグラビアコーティング方式で塗布した後、UV(紫外線)照射、またはEB(電子線)照射などにより樹脂を硬化させて保護層を形成することができる。なお、前記塗布液には粘度調整のため、必要に応じて適当な有機溶剤を添加してもよく、その場合には塗布後、先ず有機溶剤を除くための熱風乾燥を行い、次いでUVまたはEBの照射により樹脂の硬化を行えばよい。
【0019】このような保護層の厚さは、カード全体の厚さを薄くするために、0.5〜4.0μmの範囲にすることが好ましい。保護層の厚さが0.5μm未満の場合は、充分な耐擦傷性、耐摩耗性が得られず、また、4.0μmを超える厚さは、既に耐摩耗性は充分にあるため必要性がない。
【0020】(模様層)上記保護層の表面には模様層(パターン層)を設ける。この模様層は、最終的に得られるカードの意匠性を著しく向上させることができる。該模様層はオフセット印刷などの任意の方法で形成でき、その厚みは薄いほど好ましいが、通常は0.5〜10μm程度の厚みである。
【0021】(磁気層の隠蔽層)上記模様層の表面にはスクリーン印刷などの任意の方法で、磁気層の隠蔽層を設ける。該隠蔽層を設けることによって、最終製品であるカードに仕上げたとき、外側からは目視により磁気層の存在を確認することができず、カードのセキュリティー性を高めることができる。該隠蔽層の厚みは通常0.5〜10μm程度である。この隠蔽層は転写フイルムの保護層および模様層をカード基材に転写させる際の接着層の機能も合せ持たせることが好ましいので、ヒートシール性に優れた樹脂をバインダーとすることが好ましい。
【0022】(ヒートシール性樹脂)隠蔽層の形成に使用するヒートシール性樹脂としては、保護層および模様層をカード基材に対しても強固に接着できるものが好ましい。具体的には、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ゴム変性物などが挙げられ、これらの中から適するものを適宜選択して使用でき、また、これらは単体、もしくは2種以上の混合系で、さらに必要に応じてハードレジンや可塑剤、その他の添加剤を加えて使用することができる。
【0023】なお、上記模様層および隠蔽層は、以上のように転写シートの保護層面に設けるが、後述するカード基材の表面に隠蔽層および模様層の順で設けてもよい。この場合は、模様層および隠蔽層は転写シートに設けることは不要である。以上のようにして、支持体シートの離型性樹脂層の上に転写層として、保護層、模様層および隠蔽層が順に積層されたカード形成用転写シートが製造できる(図1参照)。
【0024】〔カード基材〕前記のカード形成用転写シートは、前述したように、カードの磁気層の上に、その転写層を転写しても、その磁気記録特性を損なわず、また、表面の耐摩耗性など物性を向上させて耐久性を有するように構成したものであり、転写対象物は、当然、カード基材である。
【0025】(基材シート)本発明のカードの基材シートとしては、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、ポリスチレン系樹脂、アクリル樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの樹脂のほか、アルミニウム、銅などの金属、紙、そして、樹脂またはラテックスなどの含浸紙などの単独、あるいは複合体シートなどを用いることができる。
【0026】このような基材シートの厚さは、材質によっても異なるが、通常、10μm〜5mm程度の範囲である。基材シートをISO規格に準拠したものとする場合には、その厚さは0.76mmである。そして、基材シートをポリ塩化ビニル(以下、「PVC」という)で形成する場合、通常、厚さ280μmの白色PVCシートをコアシートとして、これを2枚重ね、その両側にそれぞれ厚さ100μmの透明PVCシートをオーバーシートとして重ねて、熱プレスなどにより積層する4層構成の基材シート(合計厚さ0.76mm)が用いられている(図2参照)。
【0027】(磁気層)磁気層は、前記透明PVCシート(オーバーシート)の表面にテープ状または全面状に予め設けておくことにより、熱プレスなどによる積層時に、テープ状であっても基材シートに押し込まれ、表面平滑に一体化され積層される。このような磁気層は、磁性体を樹脂バインダー溶液中に分散させた磁性塗料の塗布および乾燥によって形成される。
【0028】本発明では、上記磁性体として、抗磁力580〜720エルステッド、角形比0.85以上および板状比1.5以上のバリウムフェライトを用いることが必要である。上記バリウムフェライトの抗磁力が580〜720エルステッドの範囲から外れると、形成される磁気層が、クレジットカードやキャッシュカードなどで一般的に使用されている磁気ストライプの特性から外れ、汎用のシステム(発行機やATMなど)で使用できなくなり、角形比が0.85未満であると、磁気層の厚みが厚く(8μm以上)なり、磁気出力や磁気情報の分解能の低下を生じ、磁気情報の記録・読み取りが困難となり、また、板状比が1.5未満であると角形比が0.85未満となり、やはり磁気情報の記録・読み取りが困難となる。
【0029】以上の如きカード基材の表面に前記転写シートから、隠蔽層および模様層を常法に従って転写させることによって本発明のカードが得られる(図3参照)。以上の如くして得られた本発明のカードは、その保護層が熱可塑性樹脂を含んでいることから、該保護層の表面に特別な表面処理を施すことなく、例えば、ホログラム転写箔シールを用いてホログラムなどを容易にかつ密着性良好に貼着することができる(図4参照)。また、ホログラム転写箔シールに限らず、その他の転写箔、昇華型転写方式、熱溶融型転写方式などによって任意の絵柄や文字などの情報が容易にかつ高い耐久性をもって記録できる。従って、本発明のカードにはさらなる優れた意匠性や高いセキュリティー性を付与することができる。
【0030】また、上記本発明のカードにおいて、磁気層の磁性体として、前記の如き特定の磁性体を用いることによって、隠蔽層および模様層を設けた結果、磁気層と保護層最表面との間隔が大きくなっても、磁気層の記録・読み出しに支障が生じない。通常の磁性体を用いた場合、磁気層と保護層最表面との間隔端8μm程度が限界であるが、本発明の場合には上記間隔が8μmを超えて13〜20μmとなっても、磁気層の記録特性が充分に発揮されるので、充分な厚みの隠蔽層および模様層を形成し、優れた意匠性をカードに付与することができる。
【0031】
【実施例】以下に、図面および具体的な実施例、比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明はこれらの図面および実施例に限定されるものではない。。
【0032】図1は、本発明の好ましい実施形態で使用するカード形成用転写シート10の1実施例の構成を説明する模式断面図である。図1において、カード形成用転写シート10は、支持体シート1の一方の面に離型性樹脂層2を設け、さらにその離型性樹脂層2の上に転写層6として、保護層3、模様層4および隠蔽層5を順に積層して構成されるとともに、前記保護層3には、電離放射線硬化型樹脂と熱可塑性樹脂との混合物を用いて、カード基材に転写後の転写層6を形成する。
【0033】図2は、カード基材20の拡大断面図であり、カード基材20は図示の通り、不透明なコアシート7,7の積層体の両面に、透明なオーバーシート8,8が積層されている。オーバーシート8の一方の面にテープ状などの前記特定のバリウムフェライトからなる磁気層9が設けられている。
【0034】図3は、前記転写シート10と上記カード基材20とから、本発明のカードを製造する方法を図解的に示している。図3に示すように、カード基材20に転写層6を転写する際には、例えば、カード形成用転写シート10の隠蔽層(接着層)5の面をカード基材の表面に合わせて重ね、熱プレス装置、またはホットスタンピング装置などにより支持体シート1側から加熱および圧着することにより、隠蔽層5が溶融または軟化し、カード基材20の表面に接着する。その後、支持体シート1を引き剥がすことにより、離型性樹脂層2と保護層3との界面で容易に剥離し、保護層3、模様層4および隠蔽層5がカード基材20の表面に転写され、本発明のカードが得られる。
【0035】図4は、図3に示すように作成されたカード30の表面に、ホログラム転写箔シール40を用いて任意のホログラム層43を転写している状態を示している。すなわち、カード30の最表面である保護層3の表面に基材シート41と離型層42とホログラム層43と接着層(または粘着層)44とからなるホログラム転写箔シール40の接着層44を保護層3に対向させて加熱および/または加圧した後、基材シート41および離型層42を剥離することにより、接着層44およびホログラム層43は容易にかつ密着性良好に保護層3の表面に貼着される。
【0036】以下に具体的な実施例および比較例を挙げて本発明をさらの具体的に説明する。
<実施例1>(カード形成用転写シートの作製)厚さ150μmの2軸延伸透明PET(片面コロナ放電処理)のコロナ放電処理面に、下記組成の離型性樹脂層用塗布液をグラビアリバースコート法により、乾燥時の厚さが0.5μmとなるように塗布して、離型性樹脂層が積層された支持体シートを作製した。
【0037】(離型性樹脂層用塗工液)
メラミン系樹脂 5重量部溶剤 メチルアルコール 25重量部溶剤 エチルアルコール 45重量部酢酸セルロース樹脂 1重量部パラトルエンスルフォン酸 0.05重量部【0038】次に、前記離型性樹脂層の上に、下記組成の保護層用塗工液Aと受容層用塗工液Bを樹脂成分の混合重量比が50:50になるように混合し、グラビアリバースコート法により塗布し、100℃、1分間の条件により熱乾燥を行い溶剤を乾燥させた後、紫外線照射装置(出力160W/cmの高圧水銀ランプ2灯式)により、紫外線を照射量500mJ/cm2で照射して塗膜の硬化を行い、厚さ2μmの(保護層/受容層)混合層を形成した。なお、転写の際には、離型性樹脂層と(保護層/受容層)混合層との間で剥離する。
【0039】
(保護層用塗工液A) ポリウレタンアクリレート(プレポリマー) 20重量部 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 100重量部 2−ヒドロキシエチルアクリレート 5重量部 光重合開始剤 1重量部 増感剤 1重量部 メチルエチルケトン 100重量部【0040】
(受容層用塗工液B)
酢酸セルロース樹脂 10重量部 ポリエステル樹脂 20重量部 メチルエチルケトン 100重量部 パラトルエンスルフォン酸 0.05重量部【0041】次に、前記(保護層/受容層)混合層上に、オフセット印刷によって厚さ1μmのパターン印刷層を形成し、その後下記組成の磁気層の隠蔽層用塗工液をシルクスクリーン法にて塗布し、厚さ5μmの磁気層隠蔽層を形成し、転写シートを作成した(図1参照)。
【0042】(磁気層の隠蔽層用塗工液)
アクリル系樹脂 10重量部酢酸ビニル系樹脂 10重量部アルミニウム粉末 50重量部顔料 4重量部溶剤 50重量部【0043】(磁気層およびカード基材の作製)厚さ25μmのPETに、下記組成を有する磁気層形成用の塗工液をグラビアコート法により塗布して、残留磁束密度が1.7maxell/cmとなるように磁気層を形成した。なお、この磁気層の角形比は、理研電子(株)製VSMにより、印加磁界2000エルステッド条件で測定した結果0.85となった。
【0044】(磁気層形成用の塗工液)
Baフェライト 36重量部(抗磁力620エルステッド、板状比2.2)
ウレタン樹脂 12重量部トルエン 18重量部メチルエチルケトン 15重量部メチルイソブチルケトン 15重量部イソシアネート系硬化剤 4重量部【0045】この磁気層を厚さ100μmの透明なPVCオーバーシートの所定の位置にテープ状に熱転写し、PETフィルムを剥離することにより磁気層を施したオーバーシートを得た。次に下記層構成のように厚さ280μmの白色不透明なPVCコアシート2枚、コアシートと接するように厚さ100μmの透明なPVCオーバーシートを片側に、前記方法で得られた磁気層を熱転写した透明なPVCオーバーシートを片側に積層し、温度120℃、圧力25kg/cm2、時間10分の条件で熱プレスを行いカード基材を得た(図2参照)。
【0046】
(層構成)
磁気層を有する透明なPVCオーバーシート 100μm 白色不透明なPVCコアシート 280μm 白色不透明なPVCコアシート 280μm 透明なPVCオーバーシート 100μm【0047】次に前記転写シートの磁気層の隠蔽層と、磁気層を設けた透明なPVCオーバーシート側が接するように重ねて、熱プレスにより、90℃、16kg/cm2、14分間の条件で加熱圧着して転写後、転写シートの支持体シートを引き剥がすことにより、離型性樹脂層と(保護層/受容層)混合層との界面で容易に剥離し、(保護層/受容層)混合層を最外層とする積層体を得た。最後にJISサイズ(86mm×54mm)に打ち抜き、本発明のカードが得られる。
【0048】<実施例2>保護層用塗工液Aと受容層用塗工液Bを樹脂成分の混合重量比を5:95に変更した以外は、実施例1と同じ方法でカードを得た。
<実施例3>保護層用塗工液Aと受容層用塗工液Bを樹脂成分の混合重量比を10:90に変更した以外は、実施例1と同じ方法でカードを得た。
【0049】<実施例4>保護層用塗工液Aと受容層用塗工液Bを樹脂成分の混合重量比を20:80に変更した以外は、実施例1と同じ方法でカードを得た。
<実施例5>保護層用塗工液Aと受容層用塗工液Bを樹脂成分の混合重量比を80:20に変更した以外は、実施例1と同じ方法でカードを得た。
【0050】<実施例6>保護層用塗工液Aと受容層用塗工液Bを樹脂成分の混合重量比を90:10に変更した以外は、実施例1と同じ方法でカードを得た。
<実施例7>保護層用塗工液Aと受容層用塗工液Bを樹脂成分の混合重量比を95:5に変更した以外は、実施例1と同じ方法でカードを得た。
【0051】<実施例8>下記組成を有する磁気層形成用の塗工液をグラビアコート法により塗布して、残留磁束密度が1.7maxell/cmとなるように磁気層を形成した以外は、実施例1と同様にしてカードを得た。なお、この磁気層の角形比は、理研電子(株)製VSMにより、印加磁界2000エルステッド条件で測定した結果0.85となった。
【0052】(磁気層形成用の塗工液)
Baフェライト 36重量部(抗磁力620エルステッド、板状比1.5)
ウレタン樹脂 12重量部トルエン 18重量部メチルエチルケトン 15重量部メチルイソブチルケトン 15重量部イソシアネート系硬化剤 4重量部【0053】<実施例9>磁気層隠蔽層の厚みを10μmにした以外は実施例1と同じ方法でカードを得た。
【0054】<比較例1>保護層用塗工液Aと受容層用塗工液Bを樹脂成分の混合重量比を0:100に変更した以外は、実施例1と同じ方法でカードを得た。
<比較例2>保護層用塗工液Aと受容層用塗工液Bを樹脂成分の混合重量比を4:96に変更した以外は、実施例1と同じ方法でカードを得た。
【0055】<比較例3>保護層用塗工液Aと受容層用塗工液Bを樹脂成分の混合重量比を96:4に変更した以外は、実施例1と同じ方法でカードを得た。
<比較例4>保護層用塗工液Aと受容層用塗工液Bを樹脂成分の混合重量比を100:0に変更した以外は、実施例1と同じ方法でカードを得た。
【0056】<比較例5>下記組成を有する磁気層形成用の塗工液をグラビアコート法により塗布して、残留磁束密度が1.7maxell/cmとなるように磁気層を形成した以外は、実施例1と同様にしてカードを得た、なお、この磁気層の角形比は、理研電子(株)製VSMにより、印加磁界2000エルステッド条件で測定した結果0.80となった。
【0057】(磁気層形成用の塗工液)
Baフェライト 36重量部(抗磁力620エルステッド、板状比1.4)
ウレタン樹脂 12重量部トルエン 18重量部メチルエチルケトン 15重量部メチルイソブチルケトン 15重量部イソシアネート系硬化剤 4重量部【0058】<比較例6>下記組成を有する磁気層形成用の塗工液をグラビアコート法により塗布して、残留磁束密度が1.7maxell/cmとなるように磁気層を形成した以外は、実施例1と同様にしてカードを得た、なお、この磁気記録層の角形比は、理研電子(株)製VSMにより、印加磁界2000エルステッド条件で測定した結果0.75となった。
【0059】(磁気層形成用の塗工液)
酸化鉄 36重量部(抗磁力620エルステッド)
ウレタン樹脂 12重量部トルエン 18重量部メチルエチルケトン 15重量部メチルイソブチルケトン 15重量部イソシアネート系硬化剤 4重量部<比較例7>隠蔽層の厚みを10μmにした以外は、比較例5と同じ方法でカードを得た。
<比較例8>隠蔽層の厚みを10μmにした以外は、比較例6と同じ方法でカードを得た。
【0060】前記実施例1〜9および比較例1〜8で得られたカードの最表面に、ホログラム転写箔シールを、150℃、2秒、10kg/cm2の条件で貼着した。ホログラム転写箔シール貼着後、セロハンテープ剥離試験にて得られたカードとホログラム転写箔シールとの密着性を評価した結果を表1に示す。また、上記で得られたカードをR/Wで記録および読み取りを行ない、磁気ヘッドに対する耐久性を比較した。3000回連続読み取った際の保護層の外観損傷程度についても表1に示す。さらに、スガ試験機(株)製 摩擦試験機 RUBBING METER において、紙やすり#1500を用い、荷重800gをかけた状態で、磁気テープ上での100往復の繰り返し摩擦試験を行なった。その結果を表1に示す。
【0061】表1に示すように、(保護層A/受容層B)混合層の混合重量比が、保護層A/受容層B=5/95〜95/5の範囲であるとき、表面耐久性と箔押しなどの後加工適性の両者に優れた磁気カードが得られた。また、磁気層に抗磁力580〜720エルステッド、角形比0.85以上、板状比1.5以上のバリウムフェライトを用いることで、磁気記録および読み取りが支障なく行なうことができた。
【0062】

【0063】*1 評価基準○(良好):テスト後の表面の擦り傷は殆どなく、パターン印刷層を良好に視認できる。
△(やや劣るが実用性あり):テスト後の表面に擦り傷が見られるが、パターン印刷層を視認できる。
×(不良):テスト後の表面の傷が深く、隠蔽層および磁気層まで達しており、パターン印刷層の視認不能。
【0064】*2 評価基準○(良好):テスト後の読み取りで、磁気情報読み取り不良が発生しない。
×(不良):テスト後の読み取りで磁気情報を読み取れない、あるいは読み取り不良が発生し易い。
*3 評価基準○(良好):剥離しない。
△(やや劣るが実用性あり):若干剥離するが、実用上問題なし。
×(不良):剥離する。
【0065】
【発明の効果】以上の如き本発明によれば、カードの最表面である(保護層/受容層)混合層にホログラム転写箔シールなどの各種転写箔や、感熱転写方式などにより、各種絵柄や情報を容易に貼着あるいは転写可能であり、さらに磁気層の隠蔽層および模様層を設けても磁気層の記録・読み出しが可能なカードを提供することができる。




 

 


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