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発明の名称 磁気ヘッドサスペンションおよびその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2003−6828(P2003−6828A)
公開日 平成15年1月10日(2003.1.10)
出願番号 特願2002−105430(P2002−105430)
出願日 平成14年4月8日(2002.4.8)
代理人 【識別番号】100075812
【弁理士】
【氏名又は名称】吉武 賢次 (外5名)
【テーマコード(参考)】
5D042
5D059
【Fターム(参考)】
5D042 NA01 TA07 
5D059 AA01 BA01 CA29 DA26 DA31 DA33 DA36 EA08
発明者 千 葉 みどり / 芹 澤 徹
要約 課題
耐薬品性に優れかつ耐熱性を有する配線保護層を有する磁気ヘッドサスペンションを提供する。

解決手段
磁気ヘッドサスペンションは絶縁ベース12と、絶縁ベース12の一方の面に設けられた配線部分13と、絶縁ベース12の他方の面に設けられたバネ特性金属層14とを備えている。配線部分13は配線保護層19により覆われている。この配線保護層19はエポキシ樹脂と、アクリル樹脂と、芳香環含有ポリマーとを有するドライフィルムを露光、現像することにより得られる。
特許請求の範囲
【請求項1】絶縁ベースと、絶縁ベースの一方の面に設けられ、金属導電層からなる配線部分と、絶縁ベースの他方の面に設けられたバネ特性金属層と、配線部分を覆う配線保護層とを備え、配線保護層は、感光性樹脂を露光、現像処理することにより得られることを特徴とする磁気ヘッドサスペンション。
【請求項2】感光性樹脂は、エポキシ樹脂とアクリル樹脂と芳香環含有ポリマーとを含有するドライフィルムからなることを特徴とする請求項1記載の磁気ヘッドサスペンション。
【請求項3】配線保護層は、配線部分の一部を外部へ露出させて配線部分を保護することを特徴とする請求項1記載の磁気ヘッドサスペンション。
【請求項4】配線部分のうち外部へ露出する部分は、プラズマ洗浄が施されていることを特徴とする請求項3記載の磁気ヘッドサスペンション。
【請求項5】絶縁ベースを準備する工程と、絶縁ベースの一方の面に、金属導電層からなる配線部分を設ける工程と、絶縁ベースの他方の面に、バネ特性金属層を設ける工程と、配線部分に、その一部を外部へ露出させて配線保護層を設ける工程と、を備えたことを特徴とする磁気ヘッドサスペンションの製造方法。
【請求項6】配線保護層は、エポキシ樹脂とアクリル樹脂と芳香環含有ポリマーとを含有する感光性樹脂を配線部分に設け、この感光性樹脂を露光、現像することにより得られることを特徴とする請求項5記載の磁気ヘッドサスペンションの製造方法。
【請求項7】配線部分のうち外部へ露出する部分に対してプラズマ洗浄処理する工程を更に備えたことを特徴とする請求項5記載の磁気ヘッドサスペンションの製造方法。
【請求項8】プラズマ洗浄処理は、0.1秒以上かつ30分以内で行なわれることを特徴とする請求項7記載の磁気ヘッドサスペンションの製造方法。
【請求項9】プラズマ洗浄処理は、負圧下で行なわれることを特徴とする請求項7記載の磁気ヘッドサスペンションの製造方法。
【請求項10】プラズマ洗浄処理は、常圧下で行なわれることを特徴とする請求項7記載の磁気ヘッドサスペンションの製造方法。
【請求項11】プラズマ洗浄処理は、パーフルオロカーボン、無機ハロゲン、希ガス、炭化水素系ガスあるいは酸素ガス、またはこれらの混合ガスを用いて行なわれることを特徴とする請求項7記載の磁気ヘッドサスペンションの製造方法。
【請求項12】プラズマ洗浄工程において、磁気ヘッドサスペンションの構成部材のうち外部へ露出する配線部分以外の部材を遮蔽することを特徴とする請求項7記載の磁気ヘッドサスペンションの製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、データストレージ機器である磁気ディスク装置に用いられる磁気ヘッドサスペンションおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気ディスク装置に用いられる磁気ヘッドサスペンションは、磁気ディスクに対して情報の読み出しと書き込みを行う役目を担うものであり、最近では配線一体型の磁気ヘッドサスペンションが一般的である。この磁気ヘッドサスペンションは、開き治具あるいは開閉するロボットアームのようなサスペンション開閉手段を挿入して、サスペンションを開いた状態とする。その状態で磁気ヘッドサスペンションを磁気ディスク側に移動させた後、開き治具を引き抜いてサスペンション先端のスライダーを磁気ディスクに当接させる。
【0003】このように、磁気ヘッドサスペンションを磁気ディスクにセットする際、開き治具等のサスペンション開閉手段を磁気ヘッドサスペンションに挿入するが、このサスペンション開閉手段の挿入時において、磁気ヘッドサスペンションの内面側にある金めっきの配線部分が傷つく恐れがある。そこで、これを防止するため、配線部分を保護する配線保護層が設けられている。
【0004】この磁気ヘッドサスペンションの配線保護層は、従来は、主に液状の感光性樹脂(例えば、感光性ポリイミド樹脂や感光性エポキシ樹脂など)を使用して形成されている。具体的には、目的の基材に対してスクリーン印刷やロールコートなどの方法により液状の感光性樹脂を塗布した後、溶剤成分を揮発させるための乾燥工程を経てから、所定のパターンマスクを用いての露光とそれに続く現像を行い、必要に応じて硬化処理を行うことにより形成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記のように磁気ヘッドサスペンションの配線保護層として液状の感光性樹脂を使用した場合、外形加工及び配線加工済みのサスペンションに対しては塗布が困難であるとともに、溶剤成分を揮発させるための乾燥工程が必要となるため、時間がかかるという問題点がある。
【0006】また、配線保護層としてポリイミドやエーテル系ウレタン等が含有されるドライフィルムタイプの感光性樹脂が使用されている例もあるが、これはウレタン構造を含有しているために、一部のフラックス洗浄剤等の薬品に対して耐性がなかったり、耐熱性に劣るといった問題がある。
【0007】本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、耐薬品性に優れ、かつある程度の耐熱性を有し、かつ低コストで形成できる配線保護層を備えた磁気ヘッドサスペンション及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、絶縁ベースと、絶縁ベースの一方の面に設けられ、金属導電層からなる配線部分と、絶縁ベースの他方の面に設けられたバネ特性金属層と、配線部分を覆う配線保護層とを備え、配線保護層は、感光性樹脂を露光、現像処理することにより得られることを特徴とする磁気ヘッドサスペンションである。
【0009】本発明は、感光性樹脂は、エポキシ樹脂とアクリル樹脂と芳香環含有ポリマーとを含有するドライフィルムからなることを特徴とする磁気ヘッドサスペンションである。
【0010】本発明は、配線保護層は、配線部分の一部を外部へ露出させて配線部分を保護することを特徴とする磁気ヘッドサスペンションである。
【0011】本発明は、配線部分のうち外部へ露出する部分は、プラズマ洗浄が施されていることを特徴とする磁気ヘッドサスペンションである。
【0012】本発明は、絶縁ベースを準備する工程と、絶縁ベースの一方の面に、金属導電層からなる配線部分を設ける工程と、絶縁ベースの他方の面に、バネ特性金属層を設ける工程と、配線部分に、その一部を外部へ露出させて配線保護層を設ける工程と、を備えたことを特徴とする磁気ヘッドサスペンションの製造方法である。
【0013】本発明は、配線保護層は、エポキシ樹脂とアクリル樹脂と芳香環含有ポリマーとを含有する感光性樹脂を配線部分に設け、この感光性樹脂を露光、現像することにより得られることを特徴とする磁気ヘッドサスペンションの製造方法である。
【0014】本発明は、配線部分のうち外部へ露出する部分に対してプラズマ洗浄処理する工程を更に備えたことを特徴とする磁気ヘッドサスペンションの製造方法である。
【0015】本発明は、プラズマ洗浄処理は、0.1秒以上かつ30分以内で行なわれることを特徴とする磁気ヘッドサスペンションの製造方法である。
【0016】本発明は、プラズマ洗浄処理は、負圧下で行なわれることを特徴とする磁気ヘッドサスペンションの製造方法である。
【0017】本発明は、プラズマ洗浄処理は、常圧下で行なわれることを特徴とする磁気ヘッドサスペンションの製造方法である。
【0018】本発明は、プラズマ洗浄処理は、パーフルオロカーボン、無機ハロゲン、希ガス、炭化水素系ガスあるいは酸素ガス、またはこれらの混合ガスを用いて行なわれることを特徴とする磁気ヘッドサスペンションの製造方法である。
【0019】本発明は、プラズマ洗浄工程において、磁気ヘッドサスペンションの構成部材のうち外部へ露出する配線部分以外の部材を遮蔽することを特徴とする磁気ヘッドサスペンションの製造方法である。
【0020】
【発明の実施の形態】第1の実施の形態以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。まず、図1により磁気ヘッドサスペンションの概略について説明する。図1に示すように、磁気ヘッドサスペンション1はその先端にスライダ1aを有し、開き治具2によって開かれた状態で磁気ディスク3側へ移動する。次に磁気ヘッドサスペンション1が閉じられて、磁気ヘッドサスペンションのスライダ1aが磁気ディスク3に当接するようになっている。
【0021】なお、磁気ヘッドサスペンション1の内面には、後述のように配線保護層19によって保護された配線部分13が設けられている。
【0022】このような磁気ヘッドサスペンション1の断面を図2に示す。図2は、磁気ヘッドサスペンション1を長手方向に直交する断面で示す図である。
【0023】図2に示すように、磁気ヘッドサスペンション1は絶縁ベース12と、絶縁ベース12の一方の面に設けられ金属導電層からなる配線部分13と、絶縁ベース12の他方の面に設けられたバネ特性金属層14とを備えている。
【0024】このうち、バネ特性金属層14には外形加工が施されている。また配線部分13は配線保護層19によって覆われるとともに、その一部13bは配線保護層19によって覆われることなく外部へ露出している(図4(c)参照)。
【0025】この配線保護層19は感光性樹脂を露光、現像処理することにより得られる。このような感光性樹脂としてはエポキシ樹脂とアクリル樹脂と芳香環含有ポリマーとを含有するドライフィルムが用いられる。
【0026】材料的には、絶縁ベース12としてはポリイミドフィルムが、配線部分13の金属導電層としては銅が、またバネ特性金属層14としてはステンレスがそれぞれ好適である。
【0027】また、図示はしていないが、金属導電層の配線部分13にはその所定位置に電気的接続のための金めっきが施されており、また磁気ヘッドサスペンション1自体には外部接続用の半田バンプが形成されている。
【0028】図3〜図4は本発明の磁気ヘッドサスペンションを製造する手順を示す工程図であり、以下その各工程を順を追って説明する。なお、図3および図4は、図2とは別の断面を図示している。
【0029】図3(a)は、磁気ヘッドサスペンションを形成する出発材料としての積層基材11を示すものであり、この積層基材11は、ポリイミドフィルムからなる絶縁ベース材12aと、絶縁ベース材12aの一方の面に設けられた銅からなる金属導電層13aと、絶縁ベース材12aの他方の面に設けられたステンレスからなるバネ特性金属層14aとを有している。
【0030】この積層基材11に対し、図3(b)に示す如く、両面にフォトファブリケーションの手法によりパターン状のレジスト15,16を形成する。すなわち、金属導電層13aの表面に配線部形成用のパターン状のレジスト15を形成し、バネ特性金属層14aの表面に外形加工用のパターン状のレジスト16を形成する。この場合、レジスト15,16としてはドライフィルムレジストが好ましいが、カゼイン等の液状のレジストを用いてもよい。
【0031】そして、パターン状のレジスト15,16の開口部から、塩化第二鉄溶液などの腐食液により、金属導電層13a及びバネ特性金属層14aに対してエッチング加工を施した後、アルカリ系の剥離液にてレジストを剥離する。このことにより、図3(c)に示すように、金属導電層13aに配線部分13を形成するとともに、外形加工が施されたバネ特性金属層14を形成する。
【0032】次に、図3(d)に示すように、露出した絶縁ベース材12a上にフォトファブリケーションの手法により所定パターンのレジスト17,18を形成する。絶縁ベース材12aを加工するためのレジストとしては、絶縁ベース材12aをエッチングする手段に応じて、ドライフィルムレジストや厚膜形成用の液状レジストなどから適宜選択して使用すればよい。
【0033】次いで、パターン状のレジスト17,18の開口部から、プラズマエッチング加工あるいは薬液によるウェットエッチング加工を施して絶縁ベース材12aを所定の形状に加工した後、レジスト17,18を剥離することにより、図3(e)に示すように、絶縁ベース12を形成する。
【0034】このようにして形成されて貫通部位が存在する積層基材11に対し、図4(a)に示すように、ドライフィルムタイプの感光性樹脂19をラミネートする。この感光性樹脂としては、エポキシ樹脂とアクリル樹脂と芳香環含有ポリマー(例えばポリスチレンなど)とを含有し、ソルダーレジストとして販売されているドライフィルムを使用することができる。感光性樹脂19の一例として、ニチゴーモートン社製「Confor MASK」を挙げることができる。感光性樹脂19は、真空加圧式ラミネーターやロール式ラミネーターを使用してラミネートされる。また、ラミネート時の温度は、40〜80℃の範囲となっていることが好ましい。
【0035】次に、図4(b)に示すように、所定のマスク20,21を介して露光装置により感光性樹脂19を露光する。露光量は40〜1000mJ/cmの範囲で行われるのが好ましい。感光性樹脂19の露光後、0.75〜1.5%程度の炭酸ナトリウム水溶液、炭酸カリウム水溶液等のアルカリ水溶液によって現像を行い、図4(c)に示すように、感光性樹脂19をパターニングする。このようにして残った感光性樹脂19の部分が、金属導電層の配線部分13を保護する配線保護層19となる。
【0036】なお、保護層13の一部13bは配線保護層19によって覆われることなく、外部へ露出している。
【0037】現像後、残った感光性樹脂からなる配線保護層19に所定の皮膜特性を付与するために熱硬化処理を施す。この場合の熱硬化処理は、150〜200℃程度の範囲で1〜2時間程度実施する。そして、この熱硬化処理後、外部へ露出した配線部分13bの表面に電気的接続のための金めっき処理を行う。なお、金めっき処理は配線保護層19を形成する直前に行うようにしてもよい。
【0038】このようにして、磁気ヘッドサスペンションブランクの製造が完了する。その後、図示はしていないが、外部接続用の半田バンプ形成工程を経て、最終的に機械加工等のアッセンブリ加工を行い、配線一体型の磁気ヘッドサスペンション1が完成する。
【0039】以上、本発明の実施の形態について詳細に説明してきたが、本発明による磁気ヘッドサスペンション及びその製造方法は、上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0040】本発明の磁気ヘッドサスペンションは、絶縁ベースの一方の面に金属導電層の配線部分が形成されていると共に、他方の面に外形加工が施されたバネ特性金属層が形成され、さらに配線部分を保護する配線保護層が設けられている。前記配線保護層は、エポキシ樹脂とアクリル樹脂と芳香環含有ポリマーとを含有した感光性樹脂からなっているので、従来のウレタン構造含有タイプの配線保護層に比べて、外部回路接続用の半田バンプの形成に使用するフラックス洗浄剤等に対する耐薬品性に優れ、かつある程度の耐熱性を有しながらも安価な材料コストを実現することができる。
【0041】また、本発明の磁気ヘッドサスペンションの製造方法は、絶縁ベースの一方の面に金属導電層の配線部分を形成すると共に、絶縁ベースの他方の面に外形加工が施されたバネ特性金属層を設け、さらに配線部分を配線保護層によって保護する。配線保護層は、エポキシ樹脂とアクリル樹脂と芳香環含有ポリマーとを含有したドライフィルムタイプの感光性樹脂を用いて露光、現像することにより形成される。このため基材への液状レジストの塗布及び乾燥という困難な工程が排除され、配線保護層の材料コストのみならず、配線保護層の形成プロセスにかかるコストをも低減することができる。
【0042】第2の実施の形態次に本発明の第2の実施の形態について説明する。図5に示すように、磁気ヘッドサスペンション1は絶縁ベース12と、絶縁ベース12の一方の面に設けられ金属導電層からなる配線部分13と、絶縁ベース12の他方の面に設けられたバネ特性金属層14とを備えている。また配線部分13は、一部13bを外方へ露出した状態で配線保護層19により覆われている。
【0043】このような磁気ヘッドサスペンション1は、第1金属層−絶縁層−第2金属層の3層構成からなる積層基材11により作製される。
【0044】積層基材11の第1金属層としては、導電性に優れる銅系金属、又は銅系合金が用いられ、この第1金属層により配線部分13が露光、現像処理により得られる。
【0045】積層基材11の絶縁層としては、ポリイミド系樹脂が用いられ、このポリイミド層の加工においては、ドライプロセスであるプラズマエッチング法、又はウェットプロセスである湿式エッチング法が用いられ、このポリイミド層により絶縁ベース12が得られる。
【0046】積層基材11の第2金属層としては、バネ性に優れるステンレス合金が用いられ、第1金属層と同様に露光、現像処理により外形が加工されて、バネ特性金属層14が得られる。これらのプロセスにより加工された積層基材11に対して、配線保護層が図5(a)−(d)に示すようにして形成される。
【0047】配線保護層19として用いられる感光性樹脂は、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、芳香環含有ポリマー等が適しており、これらの樹脂は単体で用いられても、また混合されて用いられてもよい。
【0048】配線保護層19として感光性液状レジストを用いる場合には、図5(a)に示すように、絶縁ベース12上に設けられた配線部分13に対して、液状レジスト19を印刷、乾燥する(図5(b))。その後、所定のパターンマスク23を用いて露光し、現像処理を行なう(図5(c))。このようにして磁気ヘッド1aやアンプとの超音波ボンディングや半田接続を行うために配線保護層19の被覆が不要である部分を除去し、熱、紫外線等による硬化処理を行って配線保護層19を形成する。このとき、配線部分13の一部13bは配線保護層19により覆われることなく、外部へ露出する。このようにして配線一体型磁気ヘッドサスペンション1が得られる(図5(d))。
【0049】また、配線保護層19としてドライフィルムレジストを用いる場合には、絶縁ベース12上に設けられた配線部分13に対してドライフィルムレジスト19をラミネートして配線部分13を被覆する。その後、所定のパターンマスク23で露光し、現像処理を行って、磁気ヘッド1bやアンプとの超音波ボンディングや半田接続を行うために配線保護層の被覆が不要である部分を除去し、熱、紫外線等による硬化処理を行って配線保護層19を形成する(図5(a)−(d))。
【0050】次に図5(e)に示すように、配線保護層19の形成後に、外部へ露出する配線部分13bに対してプラズマ洗浄処理を行い、配線部分13bの表面を清浄化する。この場合、配線保護層19で覆われることなく外部に露出している配線部分13bの表面を、0.1秒以上且つ30分以内でプラズマ洗浄処理し、このことにより配線部分13bの表面の汚染を除去する。このプラズマ洗浄処理時間は、外部へ露出している配線部分13bの表面の汚染の程度により、また、処理条件によって適宜調整を行う。
【0051】また、当該プラズマ洗浄処理には、低温プラズマが使用される。プラズマ洗浄処理は、プラズマ系中の活性ラジカルによる化学反応、及び電界中で加速された正イオンのエネルギー及び熱を利用する処理である。本発明で使用できるプラズマ洗浄処理装置としては、平行平板型RIE装置によるプラズマ洗浄処理装置が挙げられる。
【0052】プラズマ洗浄処理装置の設定条件としては圧力は負圧または常圧とすることができ、好ましくは、0.1〜100Paとなっている。また高周波電源として40kHz〜13.56MHzのものが用いられる。プロセスガスとしては、ポリフルオロカーボン、無機ハロゲン、希ガス、NF、CFあるいはO等のガスを単体で、もしくはそれらの混合ガスが用いられる。プラズマ洗浄処理装置で用いられるガス種、及び混合比率等は、処理方法、及び汚染の程度により適宜選択される。配線部分13bの汚染の程度がひどい場合には、プラズマ洗浄処理を長時間、または強力に行う必要があるが、プラズマ洗浄処理時間は0.1秒以上且つ30分以内程度であることが好ましい。
【0053】プラズマ洗浄処理により、プラズマ照射すべき配線部分13b以外の配線保護層19、絶縁ベース12、またはバネ特性金属層14がダメージを受けてしまうことがあり、このダメージを抑制するために、物理的に遮蔽することが有効である。この場合、プラズマ照射用開口部25aを有するプラスチックシートからなる遮蔽板25を用いて遮蔽する。遮蔽板25の材質としては、PETフィルム等の比較的耐プラズマ性のあるものであれば何でもよい。
【0054】このように遮蔽板25を用いることにより、磁気ヘッドサスペンション1の構成部材のうち、外部へ露出する配線部分13b以外の部材を保護することができる。
【0055】
【実施例】実施例1次に図5に示す発明の具体的実施例1,2について詳述する。
【0056】まず3層構造の積層基材(第1金属層−絶縁層−第2金属層)11の第1金属層と第2金属層の表面に感光性樹脂層を塗布する。次に形成された感光性樹脂層上に、所望のパターンの像が描かれたマスクを密着させ感光性樹脂が感度を持つ波長の紫外線を照射する。感光性樹脂層としてネガ型感光性樹脂層を使用し、未露光部を溶出させ、所望の回路の像を金属層上に形成する。この状態において、塩化第2鉄水溶液を積層基材11に噴霧することにより露出している金属を溶解させた後に、所定の剥離液で感光性樹脂層を剥離し、絶縁層12上に配線部分13とバネ特性金属層14を形成する。
【0057】次いで、積層基材11に感光性樹脂をラミネートによって形成する。形成された感光性樹脂層上に、所望のパターンの像が描かれたマスクを密着させ感光性樹脂が感度を持つ波長の紫外線を照射する。感光性樹脂層としてネガ型感光性樹脂を使用し、未露光部を溶出させ、所望のパターン像を感光性樹脂層上に形成する。この状態においてプラズマエッチングプロセスで絶縁層をパターニングし、所定の剥離液で感光性樹脂層を剥離する。このようにして絶縁ベース12を得る。
【0058】次に、配線部分13とバネ特性金属層14とを有する積層基材11に対して脱脂、酸洗、置換防止の前処理を行い、配線部分13上に半田接続用の金めっきを施す。
【0059】次いで、この積層基材11にネガ型アルカリ現像タイプのドライフィルムソルダーレジストからなる感光性樹脂19を真空ラミネートする(図5(a)(b))。このとき使用するドライフィルムソルダーレジストは、樹脂組成がエポキシ、アクリル、芳香環含有ポリマーからなるソルダーレジストとなっている。
【0060】次に、所定のパターンが施されたパターンマスク23を用いて露光する(図5(c))。次に、炭酸ナトリウムを用いてドライフィルムからなる感光性樹脂19を現像し、乾燥させる(図5(d))。次に、オーブンで熱硬化を行って、一部分13bを外部へ露出させて配線部分13を覆う配線保護層19を得る。
【0061】このようにして得られた配線一体型サスペンションの配線部分13bに対して圧力25〜30Pa、プロセスガスとしてアルゴン/O混合ガス、周波数40kHzの条件で、プラズマ洗浄処理を行った(図5(e))。
【0062】実施例23層構造の積層基材(第1金属層−絶縁層−第2金属層)11の第1金属層と第2金属層の表面に感光性ドライフィルムレジストからなる感光性樹脂層をラミネートによって形成する。形成された感光性樹脂層上に、所望のパターンの像が描かれたマスクを密着させ感光性樹脂層が感度を持つ波長の紫外線を照射する。感光性ドライフィルムレジストとしてネガ型感光性樹脂を使用し、未露光部を溶出させ、所望の回路の像を金属層上に形成する。この状態において、塩化第2鉄水溶液を積層基材11に噴霧することにより露出している金属を溶解させた後に、所定の剥離液で感光性樹脂層を剥離し、絶縁層12上に配線部分13とバネ特性金属層14を形成する。
【0063】次いで、積層基材11に感光性ドライフィルムレジストからなる感光性樹脂層を真空ラミネートによって形成する。形成された感光性樹脂層上に、所望のパターンの像が描かれたマスクを密着させ感光性樹脂層が感度を持つ波長の紫外線を照射する。感光性樹脂層としてネガ型感光性樹脂を使用し、未露光部を溶出させ、所望のパターン像を感光性樹脂層上に形成する。この状態においてウェットエッチングプロセスで絶縁層をパターニングし、所定の剥離液で感光性樹脂層を剥離する。このようにして絶縁ベース12を得る。
【0064】次に、配線部分13とバネ特性金属層14とを有する積層基材11に対して、脱脂、酸洗等の前処理を行い、配線部分13上に超音波ボンディング接続用のニッケルめっき、および金めっきを施す。
【0065】この積層基材11にネガ型アルカリ現像タイプの液状樹脂19を印刷法で形成する(図5(a)(b))。このとき使用する液状樹脂は、樹脂組成がエポキシ、アクリル混合系を使用した。
【0066】次に、所定のパターンが施されたパターンマスク23を用いて露光する(図5(c))。次に、炭酸ナトリウムを用いて液状樹脂を現像し、乾燥させる(図5(d))。次に、オーブンで熱硬化を行って、一部分13bを外部へ露出させて配線部分13を覆う配線保護層19を得る。このようにして得られた配線一体型サスペンション1の配線部分13bに対して圧力25〜30Pa、プロセスガスとしてアルゴン/O混合ガス、周波数40kHzの条件で、プラズマ洗浄処理を行った(図5(e))。
【0067】清浄度評価上記実施例1および2において得られた配線一体型サスペンション1の配線部分13b表面の清浄度をAES(オージェ電子分光分析)で測定した。測定サンプルとしては、銅配線上に直接めっきをして、金めっき厚が薄いために、金上に銅が露出しているものについて、プラズマ洗浄処理を行った。
【0068】比較例として、プラズマ洗浄処理を行う前の金めっき面を測定し、結果を表1に示す。清浄度は金(Au)100に対して炭素(C)量、銅(Cu)量を相対値で表した。
【0069】プラズマ洗浄前に有機物による汚染、及び下地金属の銅が金表面に拡散することによって生じた銅汚染がプラズマ洗浄処理により除去されて清浄な表面になっていることがわかる。
【0070】
【表1】

表1において、実施例1は■により示し、実施例2は■により示す。
【0071】本発明によれば、感光性樹脂を使用して配線保護層19を形成した後、外部へ露出する配線部分13bにプラズマ洗浄を行うことにより、配線部分13bを清浄化することができる。とりわけ超音波ボンディングや半田接続用の金属めっき処理を配線部分13に施す工程が、配線保護層19を形成する前に行われる場合に特にこのプラズマ洗浄処理工程は有効である。このプラズマ洗浄処理工程により、清浄な配線部分13の表面が得られ、それによって磁気ヘッド素子やアンプとの超音波ボンディングや半田による電気的接続が良好に行われる。このため、製品の信頼性向上につながる。
【0072】また、配線一体型磁気ヘッドサスペンションの積層基材11にのうち、バネ特性金属層14と配線部分13との間に挟まれた絶縁ベース12のパターン加工を、プラズマエッチングにて行う場合には、プラズマ洗浄装置を絶縁ベース12用のプラズマエッチングと、配線部分13bのプラズマ洗浄処理に用いることができる。
【0073】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、耐薬品性に優れかつある程度の耐熱性を有する配線保護層を得ることができる。また配線保護層により覆われることなく、外部へ露出する配線部分を、プラズマ洗浄処理により効果的に清浄化することができる。




 

 


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