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発明の名称 動きに適応した動画像処理
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2003−69859(P2003−69859A)
公開日 平成15年3月7日(2003.3.7)
出願番号 特願2001−256424(P2001−256424)
出願日 平成13年8月27日(2001.8.27)
代理人 【識別番号】110000028
【氏名又は名称】特許業務法人 明成国際特許事務所
【テーマコード(参考)】
5C021
【Fターム(参考)】
5C021 RA01 XB02 XB03 XB07 
発明者 竹内 啓佐敏
要約 課題
動画像の画質を向上させる技術を提供する。

解決手段
時系列的に配列された複数の画面で構成される動画像の画像処理において、2つの画像データに基づいて、ブロックごとに動きベクトルの大きさを検出し、検出された動きベクトルの大きさに応じた強調度でシャープネス調整を施す。
特許請求の範囲
【請求項1】 時系列的に配列された複数の画面で構成される動画像データに対し、所定の画像処理を施す画像処理装置であって、2つの画面について、各画像データを入力する入力部と、前記両画像データに基づき、動きベクトルの大きさを検出する動きベクトル検出部と、前記動きベクトルの大きさに応じた強調度で表示明瞭度を強調する画像処理を施す画像処理部と、を備える画像処理装置。
【請求項2】 請求項1記載の画像処理装置であって、前記動きベクトル検出部は、前記各画面を所定数の領域に分割するとともに、各領域について、前記両画像データに基づき、前記動きベクトルの大きさを検出し、前記画像処理部は、前記各領域ごとに、前記動きベクトルの大きさに応じた強調度で前記画像処理を施す、画像処理装置。
【請求項3】 請求項1記載の画像処理装置であって、更に、前記動きベクトルの大きさと前記強調度を表す補償係数との関係を記憶する補償係数記憶部を備え、前記画像処理部は、前記補償係数記憶部によって与えられ、前記動きベクトルの大きさに対応した補償係数を用いて前記画像処理を施す、画像処理装置。
【請求項4】 請求項1記載の画像処理装置であって、更に、前記動きベクトルの大きさと前記画像処理に用いられる空間フィルタとの関係を記憶する空間フィルタ記憶部を備え、前記画像処理部は、前記空間フィルタ記憶部によって与えられ、前記動きベクトルの大きさに対応した空間フィルタを用いて前記画像処理を施す、画像処理装置。
【請求項5】 請求項1記載の画像処理装置であって、前記画像データは、解像度を高めるための補間処理が施されている、画像処理装置。
【請求項6】 請求項1記載の画像処理装置であって、前記画像処理は、鮮鋭化処理である、画像処理装置。
【請求項7】 時系列的に配列された複数の画面で構成される動画像データに対し、所定の画像処理を施す画像処理装置であって、2つの画面について、各画像データを入力する入力部と、前記いずれかの画面について、時間的に表示内容が変わる動画領域を、前記両画像データに基づいて抽出する動画領域抽出部と、前記動画領域について、表示明瞭度を強調する画像処理を施す画像処理部と、を備える画像処理装置。
【請求項8】 請求項7記載の画像処理装置であって、更に、前記動画領域の動きベクトルの大きさを検出する動きベクトル検出部を備え、前記画像処理部は、前記動きベクトルの大きさに応じた強調度で、前記動画像領域に対して前記画像処理を施す、画像処理装置。
【請求項9】 請求項7記載の画像処理装置であって、更に、前記動画領域の動きベクトルの大きさを検出する動きベクトル検出部を備え、前記画像処理部は、前記動きベクトルの大きさに基づいて、前記画像処理を施すべきか否かを判定する判定部を備える、画像処理装置。
【請求項10】 請求項9記載の画像処理装置であって、前記判定は、前記画像処理を施すべき範囲として予め設定された下限値と、前記動きベクトルの大きさとの比較に基づいて行われる、画像処理装置。
【請求項11】 請求項9記載の画像処理装置であって、前記判定は、前記画像処理を施すべき範囲として予め設定された上限値と、前記動きベクトルの大きさとの比較に基づいて行われる、画像処理装置。
【請求項12】 時系列的に配列された複数の画面で構成される動画像データに対し、所定の画像処理を施す画像処理方法であって、(a)2つの画面について、各画像データを取得する工程と、(b)前記両画像データに基づき、動きベクトルの大きさを検出する工程と、(c)前記動きベクトルの大きさに応じた強調度で表示明瞭度を強調する画像処理を施す工程と、を備える画像処理方法。
【請求項13】 時系列的に配列された複数の画面で構成される動画像データに対し、所定の画像処理を施す画像処理方法であって、(a)2つの画面について、各画像データを取得する工程と、(b)前記いずれかの画面について、時間的に表示内容が変わる動画領域を、前記両画像データに基づいて抽出する工程と、(c)前記動画領域について、表示明瞭度を強調する画像処理を施す工程と、を備える画像処理方法。
【請求項14】 時系列的に配列された複数の画面で構成される動画像データに対し、所定の画像処理を施すコンピュータプログラムであって、2つの画面について、各画像データを取得する機能と、前記両画像データに基づき、動きベクトルの大きさを検出する機能と、前記動きベクトルの大きさに基づいた強調度で表示明瞭度を強調する画像処理を施す機能と、をコンピュータに実現させるためのコンピュータプログラム。
【請求項15】 時系列的に配列された複数の画面で構成される動画像データに対し、所定の画像処理を施すコンピュータプログラムであって、2つの画面について、各画像データを取得する機能と、前記いずれかの画面について、時間的に表示内容が変わる動画領域を、前記両画像データに基づいて抽出する機能と、前記動画領域について、表示明瞭度を強調する画像処理を施す機能と、をコンピュータに実現させるためのコンピュータプログラム。
【請求項16】 請求項14または15記載のコンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能に記録した記録媒体。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動きに適応した動画像処理に関する。
【0002】
【従来の技術】動画像を表示するための各種画像表示装置が普及している。画像表示装置において、動画像の走査方式としては、インタレース走査(飛び越し走査)方式とプログレッシブ走査(ノン・インタレース走査、順次走査)方式とがある。インタレース走査とは、奇数番目の走査線を表示する奇数フィールドと偶数番目の走査線を表示する偶数フィールドとを交互に表示することによって1つのフレームを表示する走査方式である。テレビ放送では、インタレース走査の画像信号が送信され、通常のテレビ受像機は、インタレース走査方式で画像を表示する。プログレッシブ走査とは、全ての走査線を1度に表示する走査方式である。プログレッシブ走査は、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ等に適用される。
【0003】ところで、画像表示装置では、表示画面の大型化に伴い、チラツキ防止の観点から、従来、高画質化、高解像度化の要請がある。上述したように、プログレッシブ走査方式では、全ての走査線を1度に表示するので、走査線数が同じ条件下では、垂直解像度の点でインタレース走査方式よりも優れている。このため、インタレース走査の画像データをプログレッシブ走査の画像データに変換するI/P(インタレース/プログレッシブ)変換技術が用いられる場合がある。I/P変換では、走査線間の補間処理によって画像の不鮮明化を招く場合がある。このような画質の劣化は、特に動画像で顕著であった。
【0004】この課題を解決するために、画像に動きがあるか否かに応じて画像データ全体に対して鮮鋭化処理を施す場合がある。即ち、比較的画質劣化の少ない静止画像に対しては、鮮鋭化処理を施さずに、比較的画質劣化の大きい動画像に対しては、鮮鋭化処理を施すのである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、一般に、動画像においても動きのない静止画領域が多く存在するため、画像データ全体に対して画一的に鮮鋭化処理を施すと、静止画領域での強調度合いが過剰になり、却って好ましくない場合があった。また、多様な動画像に対する鮮鋭化処理が画質向上に効果的な場合と、そうでない場合とがあった。
【0006】ここでは鮮鋭化処理を一例に説明したが、従来、動画像の画像処理に関し、同一画面内における動画領域と静止画領域とでの好ましい画質調整の相違については考慮されていなかった。また、上述の課題は、I/P変換を行った場合に限らず、動画像全般に共通に生じ得る。
【0007】本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、動画像の画質を向上させる技術を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明では、以下の構成を採用した。本発明の第1の画像処理装置は、時系列的に配列された複数の画面で構成される動画像データに対し、所定の画像処理を施す画像処理装置であって、2つの画面について、各画像データを入力する入力部と、前記両画像データに基づき、動きベクトルの大きさを検出する動きベクトル検出部と、前記動きベクトルの大きさに応じた強調度で表示明瞭度を強調する画像処理を施す画像処理部と、を備えることを要旨とする。
【0009】本発明では、まず、時系列的に異なる2つの画面について画像データを入力する。画面には、フレーム画像およびフィールド画像の双方が含まれる。フレーム画像とは、全走査線を表示する画像である。フィールド画像とは、奇数番目の走査線あるいは偶数番目の走査線を表示する画像である。なお、入力する画像データは2つに限られない。3つ以上の画像データを入力するようにしてもよい。そして、入力した2つの画像データに基づいて動きベクトルの大きさを検出する。動きベクトルの検出には、勾配法、ブロックマッチング法等、周知の種々の手法を適用することができる。次に、検出された動きベクトルの大きさに応じた適切な強調度で表示明瞭度を強調する画像処理を施す。この結果、動画像の画質を向上させることができる。
【0010】上記画像処理装置において、前記動きベクトル検出部は、前記各画面を所定数の領域に分割するとともに、各領域について、前記両画像データに基づき、前記動きベクトルの大きさを検出し、前記画像処理部は、前記各領域ごとに、前記動きベクトルの大きさに応じた強調度で前記画像処理を施すようにすることができる。
【0011】こうすることによって、画像の各領域ごとに、動きベクトルの大きさに応じて強調度を柔軟に変更して表示明瞭度を強調する画像処理を施すことができる。従って、例えば、動きの大きい動画領域と、動きの小さい静止画領域とで強調度を変えた前記画像処理を施すことができ、静止画領域の表示明瞭度が過剰となることに起因する違和感を緩和することができる。
【0012】本発明の第1の画像処理装置において、更に、前記動きベクトルの大きさと前記強調度を表す補償係数との関係を記憶する補償係数記憶部を備え、前記画像処理部は、前記補償係数記憶部によって与えられ、前記動きベクトルの大きさに対応した補償係数を用いて前記画像処理を施すようにすることができる。
【0013】あるいは、前記動きベクトルの大きさと前記画像処理に用いられる空間フィルタとの関係を記憶する空間フィルタ記憶部を備え、前記画像処理部は、前記空間フィルタ記憶部によって与えられ、前記動きベクトルの大きさに対応した空間フィルタを用いて前記画像処理を施すようにしてもよい。
【0014】こうすることによって、動きベクトルの大きさに応じて予め用意された補償係数、あるいは、空間フィルタを記憶部から適宜読み出して用いることができるので、高速に画像処理を実行するできる。ここで、空間フィルタとは、画像処理に用いられる画素の範囲および各画素に適用される重み係数などを規定するマトリクスを言う。なお、補償係数は、所定の関数に従って、動きベクトルの大きさに基づいて、演算によって生成するようにしてもよい。
【0015】本発明の第1の画像処理装置は、前記画像データが、解像度を高めるための補間処理が施されているものである場合に適用することが好ましい。
【0016】垂直解像度、水平解像度に関わらず、解像度を高めるための補間処理が施された画像データは、画質劣化の程度が大きい。従って、このような場合に、本発明を適用すると画質向上の効果が大きい。
【0017】本発明の第1の画像処理装置において、表示明瞭度を強調する画像処理として、コントラスト調整や輝度調整など種々の画像処理を適用可能であるが、前記画像処理は、鮮鋭化処理であるものとすることができる。
【0018】こうすることによって、輪郭を鮮明にし、画質を向上させることができる。なお、鮮鋭化処理を施すと、画像のコントラストや輝度などもその影響を受ける場合がある。従って、鮮鋭化処理とともに、その強調度に応じてコントラスト調整や輝度調整も行うようにしてもよい。シャープネス調整に関わらず、コントラスト調整や輝度調整等の表示明瞭度に影響を与える画像処理を行うようにしてもよい。
【0019】本発明の第2の画像処理装置は、時系列的に配列された複数の画面で構成される動画像データに対し、所定の画像処理を施す画像処理装置であって、2つの画面について、各画像データを入力する入力部と、前記いずれかの画面について、時間的に表示内容が変わる動画領域を、前記両画像データに基づいて抽出する動画領域抽出部と、前記動画領域について、表示明瞭度を強調する画像処理を施す画像処理部と、を備えることを要旨とする。
【0020】動画像には、動きのない静止画領域と動きのある動画領域とが存在する。そして、動画像を表示する際には、静止画領域に比べて動画領域で輪郭がボケて表示が不明瞭になりやすい。本発明では、まず、時系列的に異なる2つの画面(フレームあるいはフィールド)について画像データを入力し、両者に基づいて動画領域を抽出する。動画領域の抽出は、例えば、2つの画像データの差分データに基づいて行うことができる。入力する画像データは2つに限られない。3つ以上の画像データに基づいて動画領域の抽出を行うようにしてもよい。次に、抽出された動画領域について、表示明瞭度を強調する画像処理を施す。こうすることによって、静止画領域以外の動画領域の表示明瞭度を強調するので、動画領域の不明瞭さを抑制し、動画像の画質を向上させることができる。
【0021】なお、動画領域についての前記画像処理とともに、静止画領域についても表示明瞭度を強調する画像処理を施すようにしてもよい。但し、静止画領域では、一般に、動画領域よりも表示明瞭度が高いので、動画領域よりも弱い強調度で表示明瞭度を強調する画像処理を施すことが好ましい。
【0022】本発明の第2の画像処理装置において、更に、前記動画領域の動きベクトルの大きさを検出する動きベクトル検出部を備え、前記画像処理部は、前記動きベクトルの大きさに応じた強調度で、前記動画像領域に対して前記画像処理を施すことが好ましい。
【0023】動画領域の画質劣化の程度は、動きの速度、即ち、動きベクトルの大きさによって異なる。換言すれば、動きベクトルの大きさが大きい程、画質劣化の程度が大きくなる。従って、本発明によって、より適切かつ柔軟に画像処理を施すことができる。
【0024】また、本発明の第2の画像処理装置において、更に、前記動画領域の動きベクトルの大きさを検出する動きベクトル検出部を備え、前記画像処理部は、前記動きベクトルの大きさに基づいて、前記画像処理を施すべきか否かを判定する判定部を備えるようにしてもよい。
【0025】動きベクトル検出部によって動きベクトルが検出されたとしても、前記画像処理を施さない方が好ましい場合がある。例えば、検出された動きベクトルの大きさが非常に小さい場合や、場面変更によって動きベクトルが非常に大きい場合である。このような場合には、表示明瞭度を強調する画像処理を施すことによって、却って画質を劣化させてしまう場合がある。また、動きベクトルの大きさが比較的小さい場合など、画像処理による効果があまり見込まれない場合には、処理負担を軽減する観点から、画像処理を省略した方が好ましい場合もある。本発明では、動きベクトルの大きさに基づいて、前記画像処理を施すべきか否かを判定することができるので、不必要な画像処理を施すことを防止することができる。
【0026】なお、上記画像処理装置において、前記判定は、前記画像処理を施すべき範囲として予め設定された下限値と、前記動きベクトルの大きさとの比較に基づいて行われるものとすることが好ましい。
【0027】こうすることによって、検出された動きベクトルの大きさが前記画像処理を施すべき範囲として予め設定された動きベクトルの大きさの下限値よりも小さい場合に、前記画像処理を施すべきでないものと判定し、不必要な画像処理を施さないようにすることができる。この場合の下限値は、画像処理による効果と、処理負担とを考慮して、適宜設定することができる。
【0028】また、前記判定は、前記画像処理を施すべき範囲として予め設定された上限値と、前記動きベクトルの大きさとの比較に基づいて行われるものとすることが好ましい。
【0029】こうすることによって、検出された動きベクトルの大きさが前記画像処理を施すべき範囲として予め設定された動きベクトルの大きさの上限値よりも大きい場合に、前記画像処理を施すべきでないものと判定し、不必要な画像処理を施さないようにすることができる。この場合の上限値は、例えば、場面変更などの場合に求められる動きベクトルの大きさよりも小さく、その他の場面で得られる動きベクトルの大きさよりも大きい範囲で設定することができる。
【0030】本発明は、上述の画像処理装置としての構成の他、画像処理方法の発明として構成することもできる。また、これらを実現するコンピュータプログラム、およびそのプログラムを記録した記録媒体、そのプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号など種々の態様で実現することが可能である。なお、それぞれの態様において、先に示した種々の付加的要素を適用することが可能である。
【0031】本発明をコンピュータプログラムまたはそのプログラムを記録した記録媒体等として構成する場合には、画像処理装置を駆動するプログラム全体として構成するものとしてもよいし、本発明の機能を果たす部分のみを構成するものとしてもよい。また、記録媒体としては、フレキシブルディスクやCD−ROM、光磁気ディスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカード、バーコードなどの符号が印刷された印刷物、コンピュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ)および外部記憶装置などコンピュータが読み取り可能な種々の媒体を利用できる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について、実施例に基づき以下の順で説明する。
A.プロジェクタの全体構成:B.ビデオプロセッサの内部構成:C.輪郭補償:D.変形例:【0033】A.プロジェクタの全体構成:図1は、本発明の実施例としてのプロジェクタ10の全体構成を示す説明図である。このプロジェクタ10は、アナログ画像入力端子12と、ディジタル画像入力端子14と、3つのA−D変換器20と、ビデオデコーダ(同期分離回路)22と、フレームメモリ24と、ビデオプロセッサ26と、液晶パネル駆動部30と、液晶パネル32と、リモートコントローラ制御部34と、を備えている。なお、フレームメモリ24とビデオプロセッサ26とは、1つの画像処理用集積回路60として集積化されている。画像処理用集積回路60は、本発明の画像処理装置に相当する。
【0034】このプロジェクタ10は、また、液晶パネル32を照明するための照明装置50と、液晶パネル32を透過した透過光をスクリーンSC上に投射する投写光学系52とを備えている。液晶パネル32は、透過型の液晶パネルであり、照明装置50から射出された照明光を変調するライトバルブ(光変調器)として使用されている。なお、液晶パネル32は、投写時に画像形成部として機能する。
【0035】なお、図示は省略しているが、このプロジェクタ10は、RGBの3色分の3枚の液晶パネル32を有している。また、後述する各回路は3色分の画像信号を処理する機能を有している。照明装置50は、白色光を3色の光に分離する色光分離光学系を有している。また、投写光学系52は、3色の画像光を合成してカラー画像を表す画像光を生成する合成光学系を有している。
【0036】入力画像信号としては、アナログ画像入力端子12に入力されるアナログ画像信号AVと、ディジタル画像入力端子14に入力されるディジタル画像信号DVとのうちのいずれか一方を選択的に利用可能である。アナログ画像信号AVは、A−D変換器20によって3色の画像信号成分を含むディジタル画像信号に変換される。
【0037】ビデオプロセッサ26に入力された画像信号は、フレームメモリ24内に一時的に格納された後、フレームメモリ24から読み出されて液晶パネル駆動部30に供給される。ビデオプロセッサ26は、この書き込みと読み出しの間に、入力された画像信号に対して種々の画像処理を実行する。液晶パネル駆動部30は、与えられた画像信号に応じて、液晶パネル32を駆動するための駆動信号を生成する。液晶パネル32は、この駆動信号に応じて照明光を変調する。
【0038】ユーザは、リモートコントローラ40を使用して、シャープネス調整や、コントラスト調整、輝度調整等の、画像全体に対して施す各種の調整のための設定値を入力することが可能である。また、図示は省略しているが、プロジェクタ10の本体にも、各種の設定値を入力するためのキーやボタンが設けられている。
【0039】B.ビデオプロセッサの内部構成:図2は、ビデオプロセッサ26の内部構成を示すブロック図である。ビデオプロセッサ26は、フレームメモリコントローラ62と、台形歪補正部64と、拡大/縮小制御部66と、画質調整部68と、輪郭補償部70とを備えている。輪郭補償部70は、本発明の画像処理部に相当する。
【0040】フレームメモリコントローラ62は、図1に示したA−D変換器20またはビデオデコーダ22から供給されるディジタル画像信号DV0をフレームメモリ24に書き込むとともに、フレームメモリ24からディジタル画像信号を読み出すための制御を行う。フレームメモリコントローラ62は、また、インタレース走査用の画像データを走査線補間してプログレッシブ走査の画像データに変換する、いわゆるI/P変換を行う。
【0041】台形歪補正部64は、プロジェクタ10によって、スクリーンSC上にあおり投写がなされるときに生じる台形歪みを画像処理によって補正する。拡大/縮小制御部66は、ユーザの設定に従って画像の拡大や縮小を実行するとともに、拡大や縮小の際に、必要に応じて補間処理を行う。画質調整部68は、ユーザの設定に従って画像全体のコントラストや輝度やシャープネス等を調整する。なお、台形歪補正部64、拡大/縮小制御部66、画質調整部68での処理は、周知であるので、詳細な説明は省略する。
【0042】輪郭補償部70は、動画像における動物体の動きを検出し、動きの大きさに応じた強度でシャープネス調整を行う。輪郭補償部70の詳細については次述する。
【0043】C.輪郭補償:図3は、輪郭補償部70の構成を示すブロック図である。輪郭補償部70は、動きベクトル検出部72と、補償係数生成部73と、輪郭補償データ生成回路74と、遅延回路75と、乗算器76と、加算器77とを備えている。補償係数生成部73は、画像判定部73aと、補償係数記憶部73bとを備えている。遅延回路75の遅延量は、水平方向には1画素分、垂直方向には1ライン分である。
【0044】動きベクトル検出部72は、時系列的に連続する2つの画像データを、N×N画素の正方形の画素ブロックに分割するとともに、ブロック単位の動きベクトルの大きさを算出し、後述するベクトル総量Dを算出する。
【0045】図4は、画像データのブロック化を示す説明図である。本実施例では、8×8画素の正方形の画素ブロックに分割するものとした。図において、大きなマスおよび小さなマスは、それぞれブロックおよび画素を示している。図中の左上のブロックが(bx,by)=(1,1)のブロックである。また、各ブロックにおいて、左上の画素が(xi,yj)=(1,1)の画素である。
【0046】動きベクトル検出部72は、まず、各ブロックにおける動きベクトルの水平成分と垂直成分とを、例えば、以下の式によって求める。
【0047】
【数1】

ここで、Snは、n番目のフレーム画像データの注目ブロックにおける画素の値である。
【0048】上式の値Mが最小となるdxおよびdyが、それぞれ動きベクトルの水平成分および垂直成分である。
動きベクトルの水平成分:BVx(bx,by)=dx動きベクトルの垂直成分:BVy(bx,by)=dy【0049】なお、分割するブロックは、8×8画素の正方形に限られず、長方形のブロックとしてもよい。また、他の手法によって動きベクトルを算出するものとしてもよい。
【0050】そして、動きベクトル検出部72は、以下の演算によって、全てのブロックにおける動きベクトルの大きさの和であるベクトル総量Dを算出する。このベクトル総量Dは、画像全体の動きベクトルの大きさを表している。
【0051】
【数2】

以下では、この小数第1位を四捨五入した値をベクトル総量Dとして用いるものとする。
【0052】補償係数生成部73は、ベクトル総量Dに基づいて、画像データごとのシャープネス調整の強調度を表す補償係数Gを生成する。
【0053】図5は、ベクトル総量Dと、補償係数Gおよび画像判定との関係を示す説明図である。なお、図示したベクトル総量Dの値は、概念的なものであり、実際の値とは異なっている。画像判定部73aは、図5から分かるように、ベクトル総量Dが2以下のときは、画像データが静止画像であると判定する。また、ベクトル総量Dが3〜8のときは、動画像であると判定する。また、9以上のときは、場面変更であると判定する。この判定結果に応じてシャープネス調整を施すか否かを判定することができる。本実施例では、判定結果が、静止画あるいは場面変更の場合でも弱いシャープネス調整を行うこととしているが、動画像の場合にのみシャープネス調整を行い、静止画あるいは場面変更の場合にはシャープネス調整を行わないこととしてもよい。
【0054】補償係数記憶部73bは、図5に示したベクトル総量Dと補償係数Gとの関係を記憶している。補償係数生成部73は、補償係数記憶部73bを参照して、ベクトル総量Dに対応した補償係数Gを生成する。
【0055】なお、補償係数Gは、演算によって求めるようにしてもよい。例えば、補償係数Gは、以下の条件下で、演算によって求めるようにすることができる。
【0056】動画像と判定するベクトル総量Dの下限値(静止画判定基準)Lmtおよび上限値(場面変更判定基準)SLmtと、定数Kと、動画像以外、つまり、静止画像あるいは場面変更での補償係数Stillとを設定する。これらの値は、任意に設定可能である。本実施例では、Lmt=3,SLmt=8,K=0.02,Still=0.005とした。この場合、(1)ベクトル総量Dが、Lmt≦D≦SLmtのとき、補償係数G=K・D+Stillとし、(2)ベクトル総量Dが、D<Lmt(静止画)またはD>SLmt(場面変更)のとき、補償係数G=Stillとして補償係数Gを求める。こうすることによって、図5に示したのと同様に補償係数Gを生成することができる。なお、本実施例では、ベクトル総量Dに応じて補償係数Gを線形に変化させる場合を例示したが、非線形な関数としても構わない。両者の関係は、適切な効果が得られるように、適宜設定可能である。
【0057】図6は、輪郭補償データ生成回路74の構成を示すブロック図である。輪郭補償データ生成回路74は、水平フィルタ80と、垂直フィルタ90とが直列に接続された2次元フィルタである。水平フィルタ80は、2つの水平遅延回路81,82と、3つの乗算器83,84,85と、加算器86とで構成されたFIRフィルタ(有限インパルス応答フィルタ)である。水平遅延回路81,82の遅延量Dhは、1画素分である。また、乗算器83,84,85で乗算される値、即ち、フィルタ係数は、それぞれ−1/4,1/2,−1/4である。垂直フィルタ90も水平フィルタ80と同様の構成を有している。即ち、垂直フィルタ90は、2つの水平遅延回路91,92と、3つの乗算器93,94,95と、加算器96とで構成されたFIRフィルタである。水平遅延回路91,92の遅延量Dvは、1ライン分である。また、乗算器93,94,95で乗算される値、即ち、フィルタ係数は、それぞれ−1/4,1/2,−1/4である。これらのフィルタ係数は、一般的なシャープネス調整に用いられる値である。
【0058】図7は、輪郭補償部70での画像処理について示す説明図である。図中の各マスは、それぞれ画素を表している。また、マス中には、画像データを示した。輪郭補償部70には、画質調整部68(図2参照)で生成された画像データが画像の左上から順次入力される。今、図7の右下に示した画素Aまで画像データが入力されたものとする。このときの画像処理(シャープネス調整)の対象画素は、図7の中央に示した画素Bである。これは、遅延回路75の遅延量が水平方向(x方向)に1画素分、垂直方向(y方向)に1ライン分だからである。輪郭補償データ生成回路74では、図示した9画素分の画像データを用いて輪郭補償データが生成される。そして、図3から分かるように、輪郭補償部70は、この輪郭補償データと補償係数生成部73で生成された補償係数Gとを乗算し、この乗算結果と対象画素である画素Bの画像データN(i−1,j−1)とを加算する。こうして、画素Bの輪郭補償処理後の画像データが生成される。これらの処理は、全ての画素について順次実行される。
【0059】本実施例では、ハードウェア的に輪郭補償処理を行うものとしたが、以上の処理は、ビデオプロセッサ26がソフトウェア的に行うものとしてもよい。図8は、輪郭補償部70で行われる処理の流れを示すフローチャートである。まず、原画像データを入力する(ステップS100)。本実施例では、この原画像データは、画質調整部68で生成された,時系列的に連続する2つのデータである。次に、先に説明したように、各原画像データを8×8画素ずつにブロック化して、各ブロックの動きベクトルを検出し、上述したベクトル総量Dを算出する(ステップS110)。そして、このベクトル総量Dに基づいて、補償係数Gを生成する(ステップS120)。そして、輪郭補償処理(シャープネス調整)を実行する(ステップS130)。そして、全画素について処理が終了したか否かを判定する(ステップS140)。終了していなければ、以上のステップS100〜ステップS130の処理を繰り返す。全画素について終了すれば、この処理を抜ける。こうして処理された画像データは、液晶パネル駆動部30に供給される。
【0060】一般に動画像では、画面の表示切換え周期との関係で、動きのある領域について、輪郭が不鮮明になるという画質の劣化が生じる。この画質劣化は、動きベクトルが大きいほど顕著である。本実施例のプロジェクタ10によれば、動画像データに対して、動きの大きさ(ベクトル総量D)に応じて強調度を変更してシャープネス調整を施すことができる。従って、シャープネス調整が、動きベクトルの小さい画像で過剰となったり、動きベクトルの大きい画像で不足したりすることを回避でき、種々の動画像で違和感なく画質の向上を図ることができる。
【0061】以上で説明した本実施例のプロジェクタは、コンピュータによる処理を含んでいることから、この処理を実現するためのプログラムを記録した記録媒体としての実施の態様を採ることもできる。このような記録媒体としては、フレキシブルディスクやCD−ROM、光磁気ディスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカード、バーコードなどの符号が印刷された印刷物、コンピュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ)および外部記憶装置等の、コンピュータが読み取り可能な種々の媒体を利用できる。
【0062】D.変形例:以上、本発明のいくつかの実施の形態について説明したが、本発明はこのような実施の形態になんら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々なる態様での実施が可能である。例えば、以下のような変形例が可能である。
【0063】D1.変形例1:上記実施例では、輪郭補償部70において、画像データごとにベクトル総量Dに応じた補償係数Gを生成してシャープネス調整を行ったが、ブロックごとに検出された動きベクトルの大きさに応じて補償係数Gを生成し、ブロックごとに異なる強調度でシャープネス調整を行うようにしてもよい。こうすることによって、静止画領域で過剰なシャープネス調整が施されることを回避しつつ、動画領域には所望の強調度でシャープネス調整を施すことができる。
【0064】D2.変形例2:上記実施例では、輪郭補償部70において、画像全体に対してシャープネス調整を施したが、時間的に表示内容が変わる動画領域を抽出する動画領域抽出部を設けて、抽出された動画領域にシャープネス調整を施すようにしてもよい。動画領域の抽出は、例えば、2つの画像データの差分データに基づいて行うことができる。また、実施例の図5で示した判定を各ブロックの動きベクトルの大きさに基づいて、ブロックごとに行うものとしても、実質的に動画領域の抽出を実現することができる。こうすることによって、不明瞭になりやすい動画領域の画質を向上させることができる。
【0065】更に、動画領域の動きベクトルの大きさを検出し、これに応じてシャープネス調整の強調度を変更するようにすることが好ましい。こうすれば、動画領域に対して、より適切にシャープネス調整を施すことができる。
【0066】なお、本発明は、動物体が画面中で移動する動画像について適用するものである。例えば、動物体を追跡して撮影した動画像の場合には、背景が動画領域となり、動物体が静止画領域となる。この場合には、動画領域である背景にシャープネス調整を施すと、却って画質を劣化させるおそれがある。従って、このような場合には、本発明を適用しないように画像処理を切換えることが好ましい。
【0067】D3.変形例3:上記実施例では、表示明瞭度を強調する画像処理としてシャープネス調整を行っているが、これに限られるものではない。シャープネス調整に関わらず、コントラスト調整や輝度調整等の表示明瞭度に影響を与える画像処理を行うようにしてもよい。
【0068】D4.変形例4:上記実施例では、ベクトル総量Dに応じた補償係数Gと、ディジタルフィルタとを用いてシャープネス調整を行っているが、これらの代わりに、ベクトル総量Dと複数の空間フィルタを関連付けて記憶する空間フィルタ記憶部を設け、ベクトル総量Dに応じて空間フィルタを使い分けることによってシャープネス調整を行うようにしてもよい。先に説明した通り、シャープネス調整は、図7に示すように処理対象となる画素およびその周辺画素に重み係数を乗じ、加減算することによって行われる。空間フィルタは、この処理に使用される画素の範囲および重み係数を規定するマトリクスである。図9は、5×5の空間フィルタの一例を示す説明図である。図9(a),(b)は、輪郭を滑らかにする空間フィルタである。図9(c)は、輪郭を強調する空間フィルタである。図9(d)は、輪郭を滑らかにする効果と強調する効果とを備える複合型の空間フィルタである。それぞれ中央の画素が処理対象画素に相当する。このような空間フィルタをベクトル総量Dや動きベクトルの大きさに応じて任意に設定し、使い分けることによって、上記実施例と同様に画質を向上させることができる。
【0069】D5.変形例5:上記実施例では、輪郭補償データ生成回路74として、ディジタルフィルタである2次元のFIRフィルタを用いたが、他のフィルタ、例えば、アナログフィルタや、空間フィルタを用いるようにしてもよい。
【0070】D6.変形例6:上記実施例では、透過型液晶パネルを利用したプロジェクタの構成について説明したが、本発明は、他のタイプのプロジェクタにも適用可能である。他のタイプのプロジェクタとしては、反射型液晶パネルを利用したものや、マイクロ・ミラー・デバイス(テキサスインスツルメント社の商標)を用いたもの、また、CRTを用いたものなどがある。また、プロジェクタは、いわゆるフロント・プロジェクタであってもよいし、リア・プロジェクタであってもよい。また、本発明は、プロジェクタ以外の他の画像表示装置、例えば、PDP(Plasma Display Panel)、LED表示(Light Emitting Diode)、ELD(ElectroluminescenceDisplay)などに適用することも可能である。




 

 


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