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発明の名称 画像処理装置、画像処理方法、プログラムおよび記録媒体
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2003−18416(P2003−18416A)
公開日 平成15年1月17日(2003.1.17)
出願番号 特願2001−196841(P2001−196841)
出願日 平成13年6月28日(2001.6.28)
代理人 【識別番号】100097490
【弁理士】
【氏名又は名称】細田 益稔
【テーマコード(参考)】
2C262
5B057
5C066
5C077
5C079
5C082
【Fターム(参考)】
2C262 AA02 AA24 AA26 AA27 AB11 AC02 BA03 BA11 BA16 BC01 BC19 GA59 
5B057 CA01 CA08 CA12 CA16 CB01 CB08 CB12 CB16 CC01 CE17 CE18 CH07 CH18
5C066 AA03 AA05 CA05 CA08 CA17 EA05 EA07 EC01 EE02 EE04 GA01 GA05 GB01 JA01 JA02 KE02 KE03 KE04
5C077 LL01 MP01 MP08 PP32 PP36 PP37 PP61 PP74 PQ23
5C079 HB01 HB04 HB05 HB09 HB11 KA20 LA03 LA23 LA31 LB02 LB11 MA05 MA17 NA03 NA06 PA05
5C082 AA01 AA21 AA32 BA12 BA34 BA35 BB51 BC03 BD10 CA12 CB03 DA71 DA86 MM10
発明者 金井 政史 / 深沢 賢二
要約 課題
本発明は、より自然な色再現が可能な画像処理装置を提供することを課題とする。

解決手段
本発明による画像処理装置は、画像出力装置の出力する白の輝度に応じて、白色点の変換量を異ならせる色補正テーブルを用いて入力信号に対して所望の画像処理を施して画像出力装置に出力する。目標の白色点の色度(D=0、(xwt,ywt))を画像出力装置の白の色度(D=1、(xwd,ywd))に近づけることによって、眼の順応の影響を回避することができる。さらに、本発明による画像処理装置は、画像出力装置の出力する白の輝度が大きくなるにしたがって、変換後の目標白色点を画像出力装置の白色点に近づけるように構成される。このように構成するのは、人間の眼が、暗い光よりも明るい光に対して順応し易いからである。
特許請求の範囲
【請求項1】 色補正テーブルを用いて入力信号に対して所望の画像処理を施して画像出力装置に出力する画像処理装置であって、画像出力装置の出力する白の輝度に応じて、白色点の変換量を異ならせる色補正テーブルを備える画像処理装置。
【請求項2】 請求項1に記載の画像処理装置であって、画像出力装置の出力する白の輝度が大きくなるにしたがって、変換後の目標白色点を画像出力装置の白色点に近づける、画像処理装置。
【請求項3】 色補正テーブルを用いて入力信号に対して所望の画像処理を施して画像出力装置に出力する画像処理装置であって、忠実な色再現が可能な色補正を行なうための色再現優先の色補正テーブルと、明るさ優先の色補正を行なうための明るさ優先の色補正テーブルと、を備え、前記色再現優先の色補正テーブルによる変換後の目標白色点を画像出力装置の白色点に近づける、画像処理装置。
【請求項4】 請求項3に記載の画像処理装置であって、入力信号に応じて、前記明るさ優先の色補正テーブルと、前記色再現優先の色補正テーブルとを切り換える、画像処理装置。
【請求項5】 画像出力装置の出力する白の輝度に応じて白色点の変換量を異ならせる色補正テーブルを用いて、入力信号に対して所望の画像処理を施して画像出力装置に出力する画像処理方法。
【請求項6】 忠実な色再現が可能な色補正を行なうための色再現優先の色補正テーブルと、明るさ優先の色補正を行なうための明るさ優先の色補正テーブルと、を用いて入力信号に対して所望の画像処理を施して画像出力装置に出力する画像処理方法であって、前記色再現優先の色補正テーブルによる変換後の目標白色点を画像出力装置の白色点に近づける、画像処理方法。
【請求項7】 画像出力装置の出力する白の輝度に応じて白色点の変換量を異ならせる色補正テーブルを用いて、入力信号に対して施される所望の画像処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項8】 忠実な色再現が可能な色補正を行なうための色再現優先の色補正テーブルと、明るさ優先の色補正を行なうための明るさ優先の色補正テーブルと、を用いて入力信号に対して所望の画像処理を施して画像出力装置に出力する画像処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記色再現優先の色補正テーブルによる変換後の目標白色点を画像出力装置の白色点に近づける画像処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項9】 請求項7または8に記載のプログラムを記録したコンピュータによって読取可能な記録媒体。
【請求項10】 画像出力装置の出力する白の輝度に応じて白色点の変換量を異ならせる色補正テーブルを記録したコンピュータによって読取可能な記録媒体。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像入力信号の色空間を画像出力装置の色空間に変換する場合の画像入力信号に対する画像処理に関する。
【0002】
【従来の技術】スキャナ、モニタ、プリンタ、プロジェクタなどのデバイス毎に色再現領域が異なる。したがって、色再現領域の相違をどのようにして吸収して色再現を行うかが問題となる。
【0003】例えば、液晶プロジェクタの色特性をsRGBなどの色規格に合わせる場合、まず、両者の色域を比較して、液晶プロジェクタの色域内でどのように目標色特性を再現するかに関する方法(カラーマッチング方法)を考える必要がある。しかし、sRGBなどの色規格は、一般的にCRTディスプレイの色特性を元に作られているため、緑がかった色特性を有するプロジェクタとその色域を比較すると、白から黒にかけてのグレイの色合い(グレイ軸の向き)が異なる。液晶プロジェクタの色特性を目標色特性に正確にあわせて色補正することによって、液晶プロジェクタの色域内で目標色特性を忠実に再現するカラーマッチング方法がある(色再現優先のカラーマッチング)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、プロジェクタの色特性を完全にsRGBなどの目標色特性に合わせると、色補正をかけ過ぎた赤っぽい画像に感じられることが多いという問題点がある。これは、色補正前の画像を見ている段階で、プロジェクタ本来の緑を帯びた白が自然な白と感じられるように、目の感覚が順応してしまっているからである。
【0005】本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、より自然な色再現が可能な画像処理装置、画像処理方法、プログラムおよび記録媒体を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題に鑑み、請求項1に記載の発明は、色補正テーブルを用いて入力信号に対して所望の画像処理を施して画像出力装置に出力する画像処理装置であって、画像出力装置の出力する白の輝度に応じて、白色点の変換量を異ならせる色補正テーブルを備えて構成される。
【0007】このように、目標の白色点の色度を画像出力装置の白の色度に近づけることによって、眼の順応の影響を回避することができる。
【0008】また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像処理装置であって、画像出力装置の出力する白の輝度が大きくなるにしたがって、変換後の目標白色点を画像出力装置の白色点に近づけるように構成される。
【0009】このようにするのは、人間の眼が、暗い光よりも明るい光に対して順応し易いからである。
【0010】さらに、請求項3に記載の発明は、色補正テーブルを用いて入力信号に対して所望の画像処理を施して画像出力装置に出力する画像処理装置であって、忠実な色再現が可能な色補正を行なうための色再現優先の色補正テーブルと、明るさ優先の色補正を行なうための明るさ優先の色補正テーブルと、を備え、前記色再現優先の色補正テーブルによる変換後の目標白色点を画像出力装置の白色点に近づけるように構成される。
【0011】また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の画像処理装置であって、入力信号に応じて、前記明るさ優先の色補正テーブルと、前記色再現優先の色補正テーブルとを切り換えるように構成される。
【0012】さらに、請求項5に記載の発明は、画像出力装置の出力する白の輝度に応じて白色点の変換量を異ならせる色補正テーブルを用いて、入力信号に対して所望の画像処理を施して画像出力装置に出力するように構成される。
【0013】また、請求項6に記載の発明は、忠実な色再現が可能な色補正を行なうための色再現優先の色補正テーブルと、明るさ優先の色補正を行なうための明るさ優先の色補正テーブルと、を用いて入力信号に対して所望の画像処理を施して画像出力装置に出力する画像処理方法であって、前記色再現優先の色補正テーブルによる変換後の目標白色点を画像出力装置の白色点に近づけるように構成される。
【0014】さらに、請求項7に記載の発明は、画像出力装置の出力する白の輝度に応じて白色点の変換量を異ならせる色補正テーブルを用いて、入力信号に対して施される所望の画像処理をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0015】また、請求項8に記載の発明は、忠実な色再現が可能な色補正を行なうための色再現優先の色補正テーブルと、明るさ優先の色補正を行なうための明るさ優先の色補正テーブルと、を用いて入力信号に対して所望の画像処理を施して画像出力装置に出力する画像処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記色再現優先の色補正テーブルによる変換後の目標白色点を画像出力装置の白色点に近づける画像処理をコンピュータに実行させるように構成される。
【0016】さらに、請求項9に記載の発明は、請求項7または8に記載のプログラムを記録したコンピュータによって読取可能な記録媒体である。
【0017】また、請求項10に記載の発明は、画像出力装置の出力する白の輝度に応じて白色点の変換量を異ならせる色補正テーブルを記録したコンピュータによって読取可能な記録媒体である。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の好適な実施の形態について説明する。
【0019】図1は色再現優先の色補正テーブル生成装置の機能ブロック図であり、図3および図7は本発明による画像処理装置の機能ブロック図である。
【0020】ハードウエア構成図2は、これら色補正テ−ブル生成装置および画像処理装置の具体的ハードウエア構成例を概略ブロック図により示している。
【0021】当該実施形態においては、色補正テーブル生成装置および画像処理装置を実現するハードウェアの一例としてコンピュータシステムを採用している。図2は、同コンピュータシステムをブロック図により示している。本コンピュータシステムは、画像入力デバイスとして、スキャナ11aとデジタルスチルカメラ11bとビデオカメラ11cとを備えており、コンピュータ本体12に接続されている。それぞれの入力デバイスは画像をドットマトリクス状の画素で表現した画像データを生成してコンピュータ本体12に出力可能となっており、ここで同画像データはRGBの三原色においてそれぞれ256階調表示することにより、約1670万色を表現可能となっている。
【0022】コンピュータ本体12には、外部補助記憶装置としてのフロッピー(登録商標)ディスクドライブ13aとハードディスク13bとCD−ROMドライブ13cとが接続されており、ハードディスク13bにはシステム関連の主要プログラムが記録されており、フロッピーディスクやCD−ROMなどから適宜必要なプログラムなどを読み込み可能となっている。また、コンピュータ本体12を外部のネットワークなどに接続するための通信デバイスとしてモデム14aが接続されており、外部のネットワークに同公衆通信回線を介して接続し、ソフトウェアやデータをダウンロードして導入可能となっている。この例ではモデム14aにて電話回線を介して外部にアクセスするようにしているが、LANアダプタを介してネットワークに対してアクセスする構成とすることも可能である。この他、コンピュータ本体12の操作用にキーボード15aやマウス15bも接続されている。
【0023】さらに、画像出力デバイスとして、ディスプレイ17a、カラープリンタ17bおよびプロジェクタ17cを備えている。ディスプレイ17aについては水平方向に800画素と垂直方向に600画素の表示エリアを備えており、各画素毎に上述した1670万色の表示が可能となっている。この解像度は一例に過ぎず、640×480画素であったり、1024×768画素であるなど、適宜、変更可能である。
【0024】また、カラープリンタ17bはインクジェットプリンタであり、CMYKの四色の色インクを用いてメディアたる印刷用紙上にドットを付して画像を印刷可能となっている。画像密度は360×360dpiや720×720dpiといった高密度印刷が可能となっているが、階調表現については色インクを付すか否かといった2階調表現となっている。一方、このような画像入力デバイスを使用して画像を入力しつつ、画像出力デバイスに表示あるいは出力するため、コンピュータ本体12内では所定のプログラムが実行されることになる。そのうち、基本プログラムとして稼働しているのはオペレーティングシステム(OS)12aであり、このオペレーティングシステム12aには、ディスプレイ17aでの表示を行わせるディスプレイドライバ(DSP DRV)12bと、カラープリンタ17bに印刷出力を行わせるプリンタドライバ(PRT DRV)12cと、プロジェクタ17cでの表示を行わせるプロジェクタドライバ12d(図示せず)が組み込まれている。これらのドライバ12b、12cおよび12dはディスプレイ17a、カラープリンタ17bおよびプロジェクタ17cの機種に依存しており、それぞれの機種に応じてオペレーティングシステム12aに対して追加変更可能である。また、機種に依存して標準処理以上の付加機能を実現することもできるようになっている。すなわち、オペレーティングシステム12aという標準システム上で共通化した処理体系を維持しつつ、許容される範囲内での各種の追加的処理を実現できる。
【0025】このようなプログラムを実行する前提として、コンピュータ本体12は、CPU12e、RAM12f、ROM12gおよびI/O12hなどを備え、演算処理を実行するCPU12eがRAM12fを一時的なワークエリアや設定記憶領域として使用したりプログラム領域として使用しながら、ROM12gに書き込まれた基本プログラムを適宜実行し、I/O12hを介して接続されている外部機器及び内部機器などを制御している。
【0026】ここで、基本プログラムとしてのオペレーティングシステム12a上でアプリケーション12dが実行される。アプリケーション12dの処理内容は様々であり、操作デバイスとしてのキーボード15aやマウス15bの操作を監視し、操作された場合には各種の外部機器を適切に制御して対応する演算処理などを実行し、さらには、処理結果をディスプレイ17aに表示したり、カラープリンタ17bに出力したりすることになる。
【0027】かかるコンピュータシステムでは、画像入力デバイスであるスキャナ11aなどで画像データを取得し、アプリケーション12dによる所定の画像処理を実行した後、画像出力デバイスとしてのディスプレイ17a、カラープリンタ17bやプロジェクタ17cに表示出力することが可能である。
【0028】本実施形態においては、画像処理装置をコンピュータシステムとして実現しているが、必ずしもかかるコンピュータシステムを必要とするわけではなく、同様の画像データに対して本発明による画像処理が必要なシステムであればよい。例えば、デジタルスチルカメラ内に本発明による画像処理を行う画像処理装置を組み込み、画像処理された画像データを用いてカラープリンタに印字させるようなシステムであっても良い。また、コンピュータシステムを介することなく画像データを入力して印刷するカラープリンタにおいては、スキャナやデジタルスチルカメラまたはモデム等を介して入力される画像データに対して自動的に本発明による画像処理を行って印刷処理するように構成することも可能である。
【0029】この他、カラーファクシミリ装置、カラーコピー装置、プロジェクタといった画像データを扱う各種の装置においても当然に適用可能である。
【0030】画像処理制御プログラム本発明による画像処理制御プログラムは、通常、コンピュータ12が読取可能な形態でフロッピーディスク、CD−ROMなどの記録媒体に記録されて流通する。当該プログラムは、メディア読取装置(CD−ROMドライブ13c、フロッピーディスクドライブ13aなど)によって読み取られてハードディスク13bにインストールされる。そして、CPUが所望のプログラムを適宜ハードディスク13bから読み出して所望の処理を実行するように構成されている。なお、本発明による画像処理制御プログラム自体も本願発明の一部を構成する。
【0031】色補正テーブル生成装置図1に示す色補正テーブル生成装置20Aは、より自然な色再現が可能な色補正テーブル(色再現優先の色補正テ−ブル)を生成する。
【0032】図1において、色補正テーブル生成装置20Aは、目標色空間および各パラメータ決定部20eと、基準白色点計算部20fと、第1変換部20gと、第2変換部20hと、第3変換部20iと、第4変換部20jと、第5変換部20kと、第6変換部20lと、色補正LUT格納部20bと、を備えている。これら各構成部分の処理の詳細に関しては後述する。
【0033】以下、図5および図6を参照して、図1に示す色補正テーブル生成装置20Aによって行われる色補正テーブル生成処理プログラムを説明する。当該実施形態では、画像出力装置がプロジェクタの場合について説明する。
【0034】当該色補正テーブル生成処理プログラムの実行にあたっては、前提として、以下に示すプロジェクタの色特性データを予め測定しておく必要がある。
【0035】すなわち、白(Rd,Gd,Bd)=(255,255,255)の三刺激値Xwp、Ywp、Zwp赤(Rd,Gd,Bd)=(255, 0, 0)の三刺激値Xrp、Yrp、Zrp緑(Rd,Gd,Bd)=( 0,255, 0)の三刺激値Xgp、Ygp、Zgp青(Rd,Gd,Bd)=( 0, 0,255)の三刺激値Xbp、Ybp、Zbp黒(Rd,Gd,Bd)=( 0, 0, 0)の三刺激値Xkp、Ykp、Zkpの各色特性データを予め測定しておく必要がある。各測定データは、以下に示す式(1)【0036】
【数1】

を用いて白の輝度(Ywd)で規格化し、黒におけるオフセットを差し引いておく。式は、白のデータについて示すが、RGBについても同様の変換を行う。黒については(Xkd,Ykd,Zkd)=(0,0,0)となる。
【0037】図5に、第1色補正テーブル生成装置20Aによって行われる色補正テーブル生成処理プログラムを説明するためのフローチャートを示す。
【0038】目標色空間および各パラメータの決定処理(S20)
図5に示すように、第1色補正テーブル生成装置20Aの目標色空間および各パラメータ決定部20eは、目標色空間および変換用行列の各パラメータを決定する(S20)。
【0039】まず、変換後の目標となる色空間の白(W)、赤(R)、緑(G)、青(B)各色の色度座標を決定する。色再現優先の色補正テーブルの場合、目標色空間はsRGBなので各色度座標は、白(R,G,B)=(255,255,255)の色度座標 xwt=0.313、ywt=0.329赤(R,G,B)=(255, 0, 0)の色度座標 xwt=0.640、ywt=0.330緑(R,G,B)=( 0,255, 0)の色度座標 xwt=0.300、ywt=0.600青(R,G,B)=( 0, 0,255)の色度座標 xwt=0.150、ywt=0.060となる。
【0040】その他のパラメータとして、部分順応パラメータDおよびマッチング限界明度Lmaxを定める。これらのパラメータの詳細については後述する。
【0041】次に、目標色空間および各パラメータ決定部20eは、RtGtBtからXtYtZtへの変換に用いる行列Mtを計算する(S20)。この変換は目標色空間の定義に基づくものであり、Mtは以下の式(2)に示すような行列になる。
【0042】
【数2】

次に、目標色空間および各パラメータ決定部20eは、RdGdBdからXdYdZdへの変換に用いる行列Mdを計算する(S20)。この変換は、プロジェクタの色特性に基づくものであり、Mdは以下の式(3)に示すような行列になる。
【0043】
【数3】

ここで、zrd=1−xrd−yrdzgd=1−xgd−ygdzbd=1−xbd−ybdであり、またSrd、SgdおよびSbdは、(Rd,Gd,Bd)=(255,255,255)が(Xd,Yd,Zd)=(Xwd,Ywd,Zwd)に変換されるように決定される値であり、以下の式:【0044】
【数4】

によって求められる。
【0045】次に、目標色空間および各パラメータ決定部20eは、XtYtZtからXt’Yt’Zt’への変換に用いる行列Mwpを計算する(S20)。プロジェクタの色特性を完全にsRGBなどの目標色特性に合わせると、色補正をかけ過ぎた赤っぽい画像に感じられることが多いという問題点がある。これは、色補正前の画像を見ている段階で、プロジェクタ本来の緑を帯びた白が自然な白と感じられるように、目の感覚が順応してしまっているからである。この順応の影響を回避するために、XtYtZtからXt’Yt’Zt’への変換を行い、目標の白色点の色度をプロジェクタの白の色度に近づける処理を行う。この変換は順応の理論に基づいて以下のように行う。
【0046】まず、三刺激値XtYtZtを人間の眼の3種類の錐体(網膜上にある色を感知する細胞)の応答量L,M,Sに変換する。
【0047】
【数5】

次に、目標色空間および各パラメータ決定部20eは、順応後の錐体の応答量L’,M’,S’をL’={(Lwd/Lwt)D+(1−D)}L … (6)M’={(Mwd/Mwt)D+(1−D)}M … (7)S’={(Swd/Swt)D+(1−D)}S … (8)を用いて計算する。式中のDは、順応の度合いを示す部分順応パラメータであり、0≦D≦1の値をとる。図9に示すように、D=0の時は色順応なし、すなわち目標の白色点として目標色空間の白色点(xwt,ywt)を用いる。一方、D=1の時は目標の白色点としてプロジェクタの白色点(xwd,ywd)を用いる。0<D<1の場合、目標の白色点はxy座標上で(xwt,ywt)と(xwd,ywd)とを結ぶ直線を内分する点になる。当該パラメータDは、画像出力装置であるプロジェクタの白の輝度の関数とし、プロジェクタの白の輝度が大きい程、Dの値を大きくする(すなわち、プロジェクタの白色点に近づける)。プロジェクタの白の輝度が大きい程、Dの値を大きくするのは、人間の眼が、暗い光よりも明るい光に対して順応し易いからである。図9に示す昼光軌跡は、CIE(国際照明委員会)が定めている代表的な昼光の色度軌跡である。D50やsRGBの白色点であるD65などの標準光の色度はこの軌跡上に存在する。
【0048】また、式(6)〜式(8)におけるLwt、Mwt、Swtは目標色空間の白における錐体の応答量であり、目標色空間の白の三刺激値Xwt,Ywt,Zwtを式(5)に代入することによって求められる。同様に、式(6)〜式(8)におけるLwd、Mwd、Swdはプロジェクタの白の三刺激値Xwd,Ywd,Zwdにおける錐体の応答量である。
【0049】最後に、錐体の応答量L’、M’、S’を【0050】
【数6】

を用いて三刺激値Xt’Yt’Zt’に戻す。式(9)中の行列は、式(5)中の行列の逆行列である。そして、XtYtZtからXt’Yt’Zt’への変換で用いる行列Mwpは、【0051】
【数7】

から求められる。ここで、D=0の時の行列Mwpは単位行列になる。
【0052】基準白色点の計算処理(S22)
基準白色点計算部20fは、以下のように基準白色点の計算を行う(S22)。色再現優先の色補正テーブルでは、変換後の白が「プロジェクタで出力できる最も明るい白6500Kの色」となる。具体的には、後に説明するS38のLd*ud*vd*からXdYdZdへの変換における基準白色点XnYnZnを変換後の白の三刺激値にすることで実現される。当該基準白色点XnYnZnも予め求めておく。
【0053】基準白色点XnYnZnにおけるプロジェクタの出力値をRnGnBnとすると、XnYnZnとRnGnBnとの間に【0054】
【数8】

の関係が成立する。
【0055】式(11)の係数pは、(Rn,Gn,Bn)がプロジェクタの色域内で最も明るい色になるように、すなわち、Rn,Gn,Bnの最大値が255となるように選択する必要がある。現在のプロジェクタの色特性では、一般的な色温度(10000K以下)の白を出力する場合、Rn=255となることが実験的にわかっているので、Rn=255を式(11)に代入して係数pについて解くと【0056】
【数9】

となる。式(12)から係数pを求めることができ、さらに求められた係数pを式(11)に代入することで、基準白色点の三刺激値Xn,Yn,Znが求まる。
【0057】さらに当該基準白色点の三刺激値Xn,Yn,Znを用いてプロジェクタの白および黒の均等色空間CIELUVにおける座標(Lwd*uwd*vwd*)および(Lkd*ukd*vkd*)を以下の式:【0058】
【数10】

によって求めておく。式(13)に、プロジェクタの白の三刺激値Xwd,Ywd,Zwdを代入すればLwd*uwd*vwd*が求まり、式(13)に、プロジェクタの黒の三刺激値Xkd,Ykd,Zkdを代入すればLkd*ukd*vkd*が求まる。
【0059】3次元色補正テーブルの出力値の計算処理(S24)
次に、色補正テーブル生成装置20Aの第1乃至第6変換部20g〜20lは、3次元色補正テーブル(3D−LUT)の各入力値RtGtBtに対する出力値RdGdBdを計算する(S24)。3次元色補正テーブル(3D−LUT)の出力値計算処理に関しては、図6を参照して、さらに詳細に説明する。図6において、S30における処理は第1変換部20gによって行われ、S32における処理は第1変換部20hによって行われ、S34における処理は第1変換部20iによって行われ、S36における処理は第1変換部20jによって行われ、S38における処理は第1変換部20kによって行われ、S40における処理は第1変換部20lによって行われる。
【0060】まず、第1変換部20gは、目標となる色空間の定義に基づいて、3次元色補正テーブルへの入力値RtGtBtを3刺激値XtYtZtに変換する(S30)。色再現優先の色補正テーブルではsRGBが目標色空間なので、sRGBの定義に基づいた以下の式(14)および式(15)によって計算する。
【0061】
【数11】

最終的なXtYtZtの値は、以下の式(16):【0062】
【数12】

によって求められる。式(16)中のMtは式(2)によって求められる行列である。
【0063】そして、第2変換部20hは、式(10)および以下の式(17):【0064】
【数13】

を用いて、XtYtZtからXt’Yt’Zt’への変換を行う(S32)。当該変換によって、目の感覚が順応してしまうことによる影響を回避する。すなわち、XtYtZtからXt’Yt’Zt’への変換を行い、目標の白色点の色度をプロジェクタの白の色度に近づける処理を行う。
【0065】次に、第3変換部20iは、目標色空間の色とプロジェクタの色とを均等色空間であるCIELUV空間上で表して両者の対応付けを可能にするために、以下の式(18):【0066】
【数14】

を用いて、目標色空間の三刺激値Xt’Yt’Zt’を色圧縮空間CIELUVの座標値Lt*ut*vt*への変換を行う(S34)。
【0067】式(18)中のXwt’,Ywt’,Zwt’は、目標色空間の白(Rt=Gt=Bt=255)におけるXt’,Yt’,Zt’の値である。
【0068】そして、第4変換部20jは、目標色空間の色Lt*ut*vt*に対応付けるプロジェクタの色Ld*ud*vd*を求める(S36)。
【0069】色再現優先の3次元色補正テーブルでは、色が目標色空間に合うことを目的としているので、基本的には(Ld*,ud*,vd*)=(Lt*,ut*,vt*)である。しかし、プロジェクタの黒の輝度はゼロではなく、目標色空間の(Xkd,Ykd,Zkd)=(0,0,0)はプロジェクタの色域外にあるので、これらの事実を考慮せずに計算すると低階調領域において階調がつぶれてしまう。そこで、当該実施形態では、目標色空間の色の明度Lt*が小さくなるにしたがって、対応付けれられる色が目標色空間の色からはずれていき、目標色空間の黒(Lt*=0)が測定されたプロジェクタの黒に変換されるようにする。以上で説明したS36における処理を式に示すと以下のようになる。
【0070】
【数15】

ここで、Lkt*,ukt*,vkt*は目標色空間の黒(Rt,Gt,Bt)=(0,0,0)に対する式(14)〜式(18)による計算結果であり、Lkd*,ukd*,vkd*はプロジェクタの黒のCIELUV空間における座標である。また、当該実施形態において、マッチング限界明度Lmaxは100とする。
【0071】次に、第5変換部20kは、【0072】
【数16】

を用いて、Ld*ud*vd*からXdYdZdへの変換を行う(S38)。ここで、Xn,Yn,Znの値は、基準白色点の三刺激値である。
【0073】最後に、第6変換部20lは、プロジェクタの色特性に基づいてXdYdZdをRdGdBdに変換する(S40)。変換式は、以下の式(22)および式(23):【0074】
【数17】

【0075】
【数18】

のようになる。式(14)において、Md-1は式(3)に示す行列Mdの逆行列である。計算の結果、Rd,Gd,Bd<0となったときはRd,Gd,Bdをゼロとし、Rd,Gd,Bd>255となったときには255とする。ここで得られたRd,Gd,Bdの値が最終的な3次元色補正テーブルのデータとなる。
【0076】そして、図5のS26に戻り、当該最終的な3次元色補正テーブルのデータに基づき、3次元色補正テーブルが生成され(S26)、当該生成された3次元色補正テーブルが色補正LUT格納部20bに格納される(S28)。
【0077】以上のようにして、目の感覚が順応してしまうことによる影響を回避するためにXtYtZtからXt’Yt’Zt’への変換を行い、目標の白色点の色度をプロジェクタの白の色度に近づける処理を行っているので、より自然な色再現が可能な色補正テーブルを生成することができる。
【0078】画像処理装置第1実施形態図3において、画像処理装置20Bは、RGB画像入力データに対して所望の画像処理を施し、当該画像処理された画像データを画像出力装置30に出力する。ここで画像データはカラー画像を所定の要素色毎に色分解しつつ、その要素色毎に強弱を表したものであり有彩色であって所定の比で混合したときにはグレイに代表される無彩色と黒色とからなる。当該実施形態では、プロジェクタ、ディスプレイなどの画像出力装置30がRGBデータに基づき色再現を行う場合について説明する。
【0079】画像処理装置20Bは、色補正テーブル生成装置20Aによって生成された色再現優先の色補正テーブルを少なくとも格納している色補正LUT格納部20bと;色補正LUT選択部20cによって選択された色補正テーブル(LUT)を色補正LUT格納部20bから読み出し、当該読み出された色補正LUTを参照してRGBデータをR’G’B’データに変換するための色補正部20aと;を備えている。
【0080】次に、図4を参照して、画像処理装置20Bの動作について説明する。
【0081】図4に示すように、ユーザによって画像出力開始(ステップ70)が指示されるとともに、所定の3次元色補正LUTが選択されると(ステップ72、Yes)、当該所定の3次元色補正LUTが色補正LUT格納部20cから読み出され、RAM内に読み込まれる(ステップ74)。そして、当該3次元色補正LUTを色補正部20bに組み込み(ステップ76)、3次元色補正LUTを参照して補間演算によって画像処理を行い、画像出力処理を行う(ステップ78)。
【0082】当該実施形態では、ステップ72において、ユーザが好みまたは用途などに応じて、色補正LUT選択部20iを用いて所望のLUTを選択できるように構成している。
【0083】当該実施形態による画像処理装置によれば、目の感覚が順応してしまうことによる影響を回避するために目標の白色点の色度をプロジェクタの白の色度に近づける処理を行う色再現優先の色補正テーブルを用いて画像処理を行っているので、より自然な色再現が可能である。
【0084】第2実施形態図7において、画像処理装置20Cは、RGB画像入力データに対して所望の画像処理を施し、当該画像処理された画像データを画像出力装置30に出力する。第1実施形態と同様に画像データはカラー画像を所定の要素色毎に色分解しつつ、その要素色毎に強弱を表したものであり有彩色であって所定の比で混合したときにはグレイに代表される無彩色と黒色とからなる。当該第2実施形態においては、プロジェクタがRGBデータに基づき色再現を行う場合について説明する。
【0085】画像処理装置20Cは、色補正テーブル生成装置20Aによって生成された色再現優先の色補正テーブルと、プロジェクタの有する輝度レンジを損なうことなく色を合わせるように構成された明るさ優先の色補正テーブルを少なくとも格納している色補正LUT格納部20bと;選択した色補正テーブル(LUT)を色補正LUT格納部20bから読み出し、当該読み出された色補正LUTを参照して、画像データ生成部20mから供給されるRGBデータをR’G’B’データに変換するための色補正部20aと;を備えている。なお、画像データ生成部20mから供給されるRGBデータが、自然画など色を忠実に再現した方が好ましいデータである場合、所定のデータ判定フラグが立っており、前記RGBデータがプリゼンテーション用のデータなど明るさを優先して色再現した方が好ましいデータである場合、所定のデータ判定フラグが立っていないように構成する。
【0086】次に、図8を参照して、画像処理装置20Cの動作について説明する。
【0087】図4に示すように、ユーザによって画像出力開始(ステップ80)が指示されると、色補正部20aは、画像データ生成部20mから供給されるデータの前記所定のデータ判定フラグが立っているか否かを判定する(ステップ82)。所定のデータ判定フラグが立っている場合(ステップ82、Yes)、色再現優先の3次元色補正テーブルが色補正テーブル格納部20bから読み出され、RAM内に読み込まれ(ステップ84)、所定のデータ判定フラグが立っていない場合(ステップ82、No)、明るさ優先の3次元色補正テーブルが色補正テーブル格納部20bから読み出され、RAM内に読み込まれる(ステップ85)。そして、当該読み出された3次元色補正テーブルを色補正部20aに組み込み(ステップ86)、3次元色補正LUTを参照して補間演算によって画像処理を行い、画像出力処理を行う(ステップ88)。
【0088】上記ステップ82〜88はデータが終了するまで行われる(ステップ90)。
【0089】当該実施形態では、ステップ82において、データ判定フラグが立っているか否かに応じて明るさ優先の色補正テーブルまたは色再現優先の色補正テーブルを選択しているので、データの種類に応じてより適切な色再現を行うことができる。
【0090】当該実施形態による画像処理装置によれば、色再現優先の色補正テーブルが選択された場合、目の感覚が順応してしまうことによる影響を回避するために目標の白色点の色度をプロジェクタの白の色度に近づける処理が行われるので、より自然な色再現が可能である。




 

 


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