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発明の名称 磁気ヘッドユニット、それを備えた光ピックアップユニットおよび記録再生装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2003−6804(P2003−6804A)
公開日 平成15年1月10日(2003.1.10)
出願番号 特願2001−191950(P2001−191950)
出願日 平成13年6月25日(2001.6.25)
代理人 【識別番号】100080034
【弁理士】
【氏名又は名称】原 謙三
【テーマコード(参考)】
5D075
5D091
【Fターム(参考)】
5D075 AA03 CF03 CF08 EE03 
5D091 AA08 CC24 HH11
発明者 三宅 知之
要約 課題
磁気ヘッドの冷却を有効に行うことができる磁気ヘッドユニット、それを備えた光ピックアップユニットおよび記録再生装置を提供する。

解決手段
磁気ヘッドユニットは、磁気コア13と磁気コア13に巻回されるコイル11とを有し、光磁気ディスクに対して接触摺動しながら記録を行う磁気ヘッド14が、サスペンション16にて光磁気ディスクに押圧状態となるように支持されている。磁気ヘッド14には、光磁気ディスクに接触摺動すべく金属スライダ部16aが設けられている。金属スライダ部16aはサスペンション16に接続される。金属スライダ部16aとサスペンション16とは、熱伝導性を有する一部材にて形成されている。
特許請求の範囲
【請求項1】磁気コアとこの磁気コアに巻回されるコイルとを有し、ディスク状記録媒体に対して接触摺動しながら記録を行う磁気ヘッドが、ヘッド支持部材にてディスク状記録媒体に押圧状態となるように支持された磁気ヘッドユニットにおいて、上記磁気ヘッドには、ディスク状記録媒体に接触摺動すべく摺動板が設けられるとともに、上記摺動板はヘッド支持部材に接続され、かつ摺動板とヘッド支持部材とは、熱伝導性を有する一部材にて形成されていることを特徴とする磁気ヘッドユニット。
【請求項2】摺動板は、磁気コアよりも広い面積を有していることを特徴とする請求項1記載の磁気ヘッドユニット。
【請求項3】摺動板は、磁気コアに直接的に接触して設けられるかまたは熱伝導性に優れた部材を介して熱的に結合されて設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の磁気ヘッドユニット。
【請求項4】摺動板におけるディスク状記録媒体への摺動面には、球面状またはかまぼこ状の摺動凸部が形成されていることを特徴とする請求項1、2または3記載の磁気ヘッドユニット。
【請求項5】摺動板の摺動面にはコーティングが施されていることを特徴とする請求項4記載の磁気ヘッドユニット。
【請求項6】摺動部材の摺動面には、ニッケルメッキが施されていることを特徴とする請求項5記載の磁気ヘッドユニット。
【請求項7】請求項1〜6のいずれか1項に記載の磁気ヘッドユニットを備えていることを特徴とする光ピックアップユニット。
【請求項8】請求項1〜6のいずれか1項に記載の磁気ヘッドユニットまたは請求項7記載の光ピックアップユニットを備えていることを特徴とする記録再生装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体あるいは光磁気記録媒体等のディスク状記録媒体に対して記録または再生するための磁気ヘッドユニット、それを備えた光ピックアップユニットおよび記録再生装置に関するものであり、詳細には、磁気ヘッドで発生する熱の冷却に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録再生装置あるいは光磁気記録再生装置は、磁気ディスクや光磁気ディスクをディスク状記録媒体として、これらのディスク上に情報信号を記録し、または、これらのディスク上の情報信号を再生する。
【0003】代表的な光磁気再生記録装置であるミニディスク(以降、「MD」と記載する)は、図6に示すように、光磁気ディスク50を回転駆動するための図示しないスピンドルモータ等の回転駆動手段と、記録すべき情報に基づいて磁界を印加する磁気ヘッド60と、光磁気ディスク50に対してレーザ光を照射して光磁気ディスク50からの戻り光を検出する光学ピックアップ53とを備えている。
【0004】また、磁気ヘッド60は、詳細には、図7(a)に示すように、磁気ヘッド60と一体化して樹脂材料で成型された樹脂スライダ62と、コイル61と、磁性体材料からなる磁気コア63および磁極部64とを含んでいる。磁極部64は、コイル61の巻き中心の位置にある磁気コア63を指し、コイル61に電流を流すことによってコイル61と磁極部64に磁界が発生する。MDに用いられる磁気ヘッド60は、摺動型磁気ヘッドであり、樹脂スライダ62の下面には、光磁気ディスク50と接触する摺動凸部65が形成されている。
【0005】摺動凸部65は、図7(b)に示すように、樹脂スライダ62の他の部分よりも突出するように通常20〜100μmの段差を有している。この段差を設けている理由は、磁気ヘッド60の磁気コア63が光磁気ディスク50に直接摺接して、光磁気ディスク50に損傷を与えることを防止するためである。つまり、この段差によって、図7(c)に示すように、光磁気ディスク50と磁気コア63との間に一定の距離を設け、光磁気ディスク50の反りや厚さのばらつきによって、磁気コア63が光磁気ディスク50と直接接触するのを防いでいる。また、光磁気ディスク50と直接接触する摺動凸部65は、樹脂スライダ62と同じ樹脂材料で構成され、摺動性が優れている。さらに、摺動凸部65を半径5〜10mmの球面で構成することによって、光磁気ディスク50と摺動凸部65とが接触する接触面積を小さくし、摩擦力変動を防止している。
【0006】MDは、図6に示すように、光磁気ディスク50を挟んで、一方にはレーザ光を照射する光学ピックアップ53を配置し、他方には、レーザスポット52の位置に合わせて移動する磁気ヘッド保持部54を配置している。磁気ヘッド保持部54は、磁気ヘッド60を含み、ヘッド支持部材であるサスペンション56の一端と連結している。サスペンション56の他端は、略L字型の連結アーム58を介して、光学ピックアップ53に連結している。
【0007】磁気ヘッド保持部54は、光磁気ディスク50の面振れ、あるいは光磁気ディスク50上のゴミやこぶに追従して移動可能とするために、サスペンション56によって3〜10mNの予圧がかけられて支持されている。サスペンション56は、導電性を有する弾性材料から構成されているので、磁気ヘッド保持部54の動きに合わせて揺動が可能となっている。
【0008】上記のような構成をもつMDにおいては、光磁気ディスク50上への情報信号の記録は、次のように行う。まず、磁気ヘッド60にあるコイル61に電流を流して電磁変換を行い、コイル61および図7(a)に示す磁極部64に磁界を発生させる。このとき発生する磁界は、情報信号に応じて磁界方向を変調されていて、この変調磁界を回転駆動する光磁気ディスク50上に印加して記録が行われる。
【0009】また、光磁気ディスク50上の情報信号の再生は、次のように行う。まず、光学ピックアップ53の図示しない光源からレーザ光が照射され、対物レンズ51を介して光磁気ディスク50上にレーザ光が集束する。光磁気ディスク50に照射されたレーザ光は、光磁気ディスク50に記録された磁化方向の情報に基づいて偏光面が回転し、反射される。この反射光は、対物レンズ51を介して受光部55へと導かれ、受光部55にて偏光面の回転方向または回転量を検出して電気信号に変換される。この電気信号に応じた再生信号が生成されることにより、データの再生が行われる。
【0010】ところで、近年、磁気ディスクや光磁気ディスクへの記録速度、記録密度の向上が期待され、磁気ヘッド60には、より高い周波数で磁界を発生させ、磁界強度を増して記録することが求められている。ここで、光磁気ディスク50上への情報信号の記録に際して、コイル61や磁極部64には電磁変換による熱が発生する。
【0011】記録速度を高めるために、記録周波数が数MHzを超える電流をコイル61に流すと、コイル61や磁極部64を有している磁気ヘッド60での発熱が大きくなる。また、一般的な傾向として、光磁気ディスク50上への記録密度が高くなると、記録に必要な記録磁界も増加する。このため、コイル61により多くの電流を流す必要が生じる。
【0012】特に、近年の光磁気ディスク50への記録密度の高密度化および記録速度の高速化に伴って、コイル61に投入する電力が増加している。その結果、磁気ヘッド60の発熱が増加し、コイル61の破損や磁気コア63の磁気特性消失を招くという問題が生じていた。
【0013】磁気ヘッド60の発熱を低減させるためには、単位電流あたりに発生する磁界強度、つまり磁界発生強度を向上させるべく、コイル61巻き中心にある磁気コア63を小さくして光磁気ディスク50に近づける方法や、磁気ヘッド60での発熱を放出する方法が考えられる。
【0014】磁気コア63に発生する磁界強度は、磁気コア63と光磁気ディスク50との距離に大きく依存するという特性を有し、その距離が近いほど発生する磁界強度は大きい。したがって、磁気コア63を光磁気ディスク50に近づけて発生磁界強度を大きくし、発熱を低減することができる。しかし、磁気コア63と光磁気ディスク50との距離を近づけるためには、メカ精度の大幅な向上が必要であり、装置組み立て時のレーザスポット52の位置と磁気コア63との位置調整に高度な調整が要求されるという問題があった。
【0015】このため、発熱の低減は、専ら、磁気ヘッド60での発熱を放出する方法によって試みられており、その方法が、特開2000−331390号公報および特開2000−276806号公報に開示されている。
【0016】すなわち、特開2000−331390号公報では、コイルおよび磁極部に発生した熱は、光磁気ディスクの回転に伴って生じる空気流とによって冷却される。一方、磁気ヘッドに伝導した熱は、磁気ヘッドとサスペンションとの間にある熱伝導材料を介して、磁気ヘッドからサスペンションに伝導する。サスペンションに伝導した熱は、サスペンションの表面からの自然放熱される。
【0017】一方、特開2000−276806号公報は、光磁気ディスクの回転に伴う空気流によって、磁気ヘッドと一体化したスライダを浮上させる浮上型磁気ヘッドを備えた光磁気記録再生装置に関するものである。この光磁気記録再生装置においては、スライダの光磁気ディスクとの対向面側に、コイルと電気的に接続された熱伝導性材料の放熱層が形成されている。光磁気ディスクの回転に伴う空気流を利用してコイルに発生する熱をスライダから放出するとともに、熱をスライダ内部全体へ拡散することによって放熱効果を促進している。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年の記録速度の高速化、記録密度の高密度化により、磁気ヘッドの発熱は増加する一方であり、上記公報に開示された磁気ヘッドの冷却方法よりも更に有効な冷却方法が必要となっている。
【0019】上記特開2000−331390号公報では、光磁気ディスクの回転に伴って発生する空気流によって直接冷却されるのは、コイルおよび磁極部だけである。一方、磁気ヘッドに伝導した熱は、磁気ヘッドとは別部材で形成されているサスペンションに、熱を伝導して放熱を行っている。つまり、上記公報では、光磁気ディスクの回転に伴う空気流によって、効率よく冷却される部分が少なく、冷却効率が十分ではないという問題を有している。また、磁気ヘッドに伝導した熱の冷却は、磁気ヘッドに連結した別部材のサスペンションでも行われる。このため、磁気ヘッドとサスペンションとを熱的に結合する熱伝導材料が必要であるという問題を有している。
【0020】さらに、特開2000−276806号公報では、磁気ヘッドと一体化したスライダに放熱層を設けて、磁気ヘッドの冷却を行っている。しかし、この公報の技術では、放熱層でのみ冷却を行っているので、必ずしも冷却効率がよいとはいえないという問題点を有している。
【0021】本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、磁気ヘッドの冷却を有効に行うことができる磁気ヘッドユニット、それを備えた光ピックアップユニットおよび記録再生装置を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気ヘッドユニットは、上記課題を解決するために、磁気コアとこの磁気コアに巻回されるコイルとを有し、ディスク状記録媒体に対して接触摺動しながら記録を行う磁気ヘッドが、ヘッド支持部材にてディスク状記録媒体に押圧状態となるように支持された磁気ヘッドユニットにおいて、上記磁気ヘッドには、ディスク状記録媒体に接触摺動すべく摺動板が設けられるとともに、上記摺動板はヘッド支持部材に接続され、かつ摺動板とヘッド支持部材とは、熱伝導性を有する一部材にて形成されていることを特徴としている。
【0023】上記の発明によれば、磁気ヘッドには摺動板が設けられている。このため、コイルに電流が流れることによって発生する熱が、磁気コアから摺動板に効率よく伝導することになる。摺動板に伝導した熱は、摺動板に対向して配置されているディスク状記録媒体の回転に伴って発生する空気流によって冷却される。また、摺動板はヘッド支持部材に接続され、かつ摺動板とヘッド支持部材とは、熱伝導性を有する一部材にて形成されている。このため、磁気コアに発生した熱は、摺動板からヘッド支持部材にも伝導し、ヘッド支持部材の表面からの自然放熱によっても冷却される。したがって、本発明では、磁気コアに発生した熱は、この摺動板とヘッド支持部材との両方で冷却を行うようにしているので、この2つの部材を利用することにより冷却効率が向上する。
【0024】一方、ディスク状記録媒体の回転に伴って発生する空気流は、ヘッド支持部材にも及ぶが、ヘッド支持部材は一般にディスク状記録媒体から離れているために、その冷却効果は低い。しかし、本発明では、空気流はディスク状記録媒体に近接する摺動板に当たるので、冷却効果が高い。
【0025】また、摺動板とヘッド支持部材とは、熱伝導性を有する一部材にて形成されている。このため、摺動板とヘッド支持部材とが別体に形成されかつ接着剤にて接合されている場合に比較して、摺動板からヘッド支持部材への熱伝導は効率よく行われる。さらに、摺動板とヘッド支持部材とを一部材で形成することによって、部品点数も削減できる。
【0026】この結果、磁気ヘッドの冷却を有効に行うことができる磁気ヘッドユニットを提供することができる。
【0027】また、本発明の磁気ヘッドユニットは、上記の磁気ヘッドユニットにおいて、摺動板は、磁気コアよりも広い面積を有していることを特徴としている。
【0028】上記の発明によれば、従来では、ディスク状記録媒体の回転に伴って発生する空気流による冷却が主として磁気コア部分で行われていたが、本発明では、これよりも広い面積の摺動板で行っているので、冷却効率が高い。特に、摺動板は板状にてなっているので、ディスク状記録媒体の回転による空気流の発生量を大きくすることが可能である。
【0029】また、本発明の磁気ヘッドユニットは、上記の磁気ヘッドユニットにおいて、摺動板は、磁気コアに直接的に接触して設けられるかまたは熱伝導性に優れた部材を介して熱的に結合されて設けられていることを特徴としている。
【0030】これにより、摺動板が磁気コアに直接的に接触している場合には、磁気コアに発生した熱が直接的に摺動板に伝わる。また、摺動板が、磁気コアに対して熱伝導性に優れた部材を介して熱的に結合されて設けられている場合には、熱伝導性に優れた部材の存在によって、磁気コアに発生した熱が効率よく摺動板に伝わる。
【0031】したがって、磁気コアから摺動板への熱伝導効率が向上することにより、磁気コアで発生した熱を効率よく摺動板に伝え、摺動板に対する空気流による冷却およびヘッド支持部材への熱拡散が効率よく行われる。
【0032】また、本発明の磁気ヘッドユニットは、上記の磁気ヘッドユニットにおいて、摺動板におけるディスク状記録媒体への摺動面には、球面状またはかまぼこ状の摺動凸部が形成されていることを特徴としている。
【0033】上記の発明によれば、ディスク状記録媒体に摺接する摺動凸部の表面積を小さくすることができる。すなわち、球面状の摺動凸部はその頂点でディスク状記録媒体と接触し、かまぼこ状の摺動凸部は、ディスク状記録媒体と線接触する。これにより、ディスク状記録媒体と摺動凸部との間に生じる摩擦力を低減でき、ディスク状記録媒体の損傷を防止することができる。
【0034】また、本発明の磁気ヘッドユニットは、上記の磁気ヘッドユニットにおいて、摺動板の摺動面にはコーティングが施されていることを特徴としている。
【0035】上記の発明によれば、コーティングによる滑らかな被膜によって、ディスク状記録媒体と摺動凸部との間に生じる摩擦力をさらに低減でき、ディスク状記録媒体の損傷を防止することができる。
【0036】また、本発明の磁気ヘッドユニットは、上記の磁気ヘッドユニットにおいて、摺動部材の摺動面には、ニッケルメッキが施されていることを特徴としている。
【0037】上記の発明によれば、摺動部材の摺動面には、ニッケルメッキが施されているので、十分な摺動特性を確保することができる。さらに、摺動面の金属表面が酸化して摺動凸部の摺動特性が変化することを防止できるので、摺動面の十分な耐環境特性を併せて確保することができる。
【0038】また、本発明の光ピックアップユニットは、上記の磁気ヘッドユニットを備えていることを特徴としている。
【0039】上記の発明によれば、光ピックアップユニットは、上記の磁気ヘッドユニットを備えているので、磁気ヘッドの冷却を有効に行うことができる光ピックアップユニットを提供することができる。
【0040】また、本発明の記録再生装置は、上記の磁気ヘッドユニットまたは光ピックアップユニットを備えていることを特徴としている。
【0041】上記の発明によれば、記録再生装置は、上記の磁気ヘッドユニットまたは光ピックアップユニットを備えているので、磁気ヘッドの冷却を有効に行うことができる記録再生装置を提供することができる。
【0042】
【発明の実施の形態】〔実施の形態1〕本発明の実施の一形態について図1ないし図4に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0043】本実施の形態の記録再生装置は、図2に示すように、磁気ヘッド支持機構10を備えた光ピックアップユニットを有している。光ピックアップユニットは、磁気ヘッド支持機構10と光学ピックアップ23とが略L字型の連結アーム25によって連結されてなっている。
【0044】上記磁気ヘッド支持機構10は、図1(a)に示すように、摺動板としての金属スライダ部16aを備えた磁気ヘッド14と、ヘッド支持部材としてのサスペンション16と、固定部17とを有している。磁気ヘッド14はサスペンション16の一端に連結され、サスペンション16の他端は、固定部17に連結されている。さらに、固定部17は、上記連結アーム25を介して光学ピックアップ23に連結されている。
【0045】また、本実施の形態の磁気ヘッド14は、ディスク状記録媒体としての光磁気ディスク30に接触摺動する摺動型磁気ヘッドである。本実施の形態の磁気ヘッド14は、図2に示すように、金属スライダ部16aによって、光磁気ディスク30に接触摺動し、レーザスポット22の位置に合わせて移動する。したがって、連結アーム25によって互いに連結されている磁気ヘッド14と光学ピックアップ23とは、光磁気ディスク30を介して対向するように配置されていることになる。
【0046】さらに、サスペンション16は、弾性材料としてベリリウム−銅合金を用い、板厚は40μmである。磁気ヘッド14に設けられた金属スライダ部16aが光磁気ディスク30に対して接触摺動するように押圧するため、サスペンション16は、3〜10mNの予圧をかけて磁気ヘッド14を支持している。これにより、磁気ヘッド14は、光磁気ディスク30の面振れ、あるいは、光磁気ディスク30上のゴミやこぶに追従して移動することができる。
【0047】一方、光学ピックアップ23は、図示しないレーザ光を照射する光源と、レーザ光をレーザスポット22として光磁気ディスク30上に集束させる対物レンズ21と、受光部24とを有している。受光部24は、光磁気ディスク30に照射されたレーザ光が、光磁気ディスク30から再び対物レンズ21を介して光学ピックアップ23に戻ってきたときに、レーザ光を検出する。
【0048】次に、光磁気ディスク30の構成について説明する。光磁気ディスク30には、例えば、図3に示すように、ポリカーボネート等の高分子材料からなる透明基盤31上に、窒化アルミニウムからなる誘電体膜32を介して光磁気記録層33が設けられている。誘電体膜32の厚みは65nmである。また、光磁気記録層33はGdFeCoによって形成されていて、その厚みは50nmである。この光磁気記録層33上に、厚みが20nmの誘電体膜32が再び形成され、さらにアルミニウム等からなる反射膜34が設けられている。反射膜34の厚みは100nmである。
【0049】また、この反射膜34上には、紫外線硬化樹脂からなる10μm程度の厚みをもつ樹脂保護膜35が形成されている。摺動型磁気ヘッドを用いる場合は、樹脂保護膜35上にシリコンオイル等の潤滑性の高い潤滑膜36が塗布されている。これにより、図2中の金属スライダ部16aが光磁気ディスク30と摺接することによって生じる光磁気ディスク30の損傷を防止している。樹脂保護膜35および潤滑膜36については、上記のように2層で構成する以外に、1層で両方の機能を持たせることも可能である。
【0050】次に、磁気ヘッド14について説明する。磁気ヘッド14は、図1(a)に示すように、銅、金、アルミニウム等の導電性金属材料からなるコイル11と、コイル11の巻かれたボビン12と、Mn−Znフェライト等の磁性体材料からなる磁気コア13および磁極部3と、上記光磁気ディスク30に接触摺動する金属スライダ部16aとを含んでいる。磁極部3は、図1(b)に示すように、コイル11の巻き中心の位置にある磁気コア13である。コイル11は、上記のようにボビン12に巻きつけて固定させることもできるが、ボビン12を用いずに直接磁気コア13に取り付けることも可能である。
【0051】上記のコイル11に電流を流すことによって、コイル11および磁極部3に記録磁界が発生する。記録磁界の印加は、図2に示すように、光学ピックアップ23から光磁気ディスク30に向けて照射されるレーザ光が光磁気ディスク30上の集光する位置で行われる。また、印加される磁界は、情報信号に基づいて変調されており、この変調された磁界を、図3に示す光磁気ディスク30の光磁気記録層33上に印加することによって、光磁気ディスク30への情報信号の記録が行われる。
【0052】一方、光磁気ディスク30の光磁気記録層33上に記録された情報信号の再生時には、図2に示すように、光学ピックアップ23の図示しない光源からレーザ光が照射される。照射されたレーザ光は、対物レンズ21を介して図3に示す光磁気ディスク30の光磁気記録層33上に集束する。このとき、光磁気記録層33上に記録されている磁化方向の情報に基づいてレーザ光の偏光面が回転し、偏光面が回転したレーザ光が反射される。その後、この反射光が対物レンズ21を介して、光学ピックアップ23の受光部24に入射し、偏光面の回転方向または回転量を検出して電気信号に変換される。さらに、この電気信号に応じて再生信号が生成され、光磁気記録層33上のデータが再生される。
【0053】また、金属スライダ部16aは、光磁気ディスク30に対して接触摺動するために設けられている。サスペンション16と金属スライダ部16aとは、熱伝導性を有する一つの部材で形成されている。上述したように、サスペンション16は、弾性材料であり、また熱伝導部材であるベリリウム−銅合金を用いて形成されている。したがって、サスペンション16とともに一つの部材として作製されている金属スライダ部16aもベリリウム−銅合金で形成され、熱伝導性に優れている。
【0054】上記のように、サスペンション16と金属スライダ部16aとが一部材で作製された、つまり、サスペンション16の一部を金属スライダ部16aとして構成し、サスペンションがスライダを兼ねた構成であるので、従来のように、接着剤などの接着部材を用いてサスペンション56と樹脂スライダ62とを連結する必要がない。また、従来の樹脂スライダ62自身も不要となり、磁気ヘッド支持機構10の構成部材を減らしてコストを削減することができる。
【0055】金属スライダ部16aには、図1(a)に示すように、金属スライダ部16aが光磁気ディスク30に対して摺動する面に、小さな突起である摺動凸部1が設けられている。この摺動凸部1が、図3に示す光磁気ディスク30の潤滑膜36と摺接する。摺動凸部1を備えることによって、磁気コア13と光磁気ディスク30とが直接接触しないように、一定の距離を設けている。したがって、光磁気ディスク30の反りや厚さのばらつきが生じても光磁気ディスク30と磁気コア13とが接触しないため、光磁気ディスク30に損傷を与えることが防止される。
【0056】なお、本実施の形態においては、摺動凸部1の突起量を30〜50μmに設定している。特に、磁気コア13にある磁極部3と光磁気ディスク30とを近づける必要がある場合は、20μmにすることも可能である。
【0057】また、摺動凸部1の先端の形状は、半径が1〜3mmの球面で構成されている。摺動凸部1の先端形状を球形にすることによって、光磁気ディスク30と摺接する摺動凸部1の接触面積を小さくし、摩擦力による光磁気ディスク30表面の傷つきを防止するためである。
【0058】上記のように、摺動凸部1は、球面状であってもよいが、かまぼこ状に加工されていてもよい。光磁気ディスク30と接触する面積が小さく、接触によって生じる摩擦力が光磁気ディスク30表面の傷つきを防止できればよい。
【0059】一方、金属スライダ部16aには、図1(a)(b)に示すように、開口部4が設けられている。コイル11と磁極部3に発生する磁界は、この開口部4を通過して、図3に示す光磁気ディスク30上へ印加され、光磁気ディスク30上に情報信号が記録される。コイル11および磁極部3が金属スライダ部16aによって全面的に覆われていると、金属スライダ部16aが、コイル11および磁極部3から発生する交流磁界を妨げたり、弱めるという悪影響を及ぼす可能性がある。それゆえ、金属スライダ部16aに開口部4を設けて光磁気ディスク30に印加される磁界を正常に保ち、良好な記録再生が行われるようにしている。なお、金属スライダ部16aが磁界に影響することのない材質にて形成されている場合には、必ずしも開口部4を設ける必要はない。
【0060】上記金属スライダ部16aは、磁気コア13に対して開口部4以外の位置において直接接触している。金属スライダ部16aと磁気コア13とが直接接触することによって、金属スライダ部16aと磁気コア13とが互いに熱的に結合され、磁気コア13に発生した熱が金属スライダ部16aへと効率よく伝導される。また、金属スライダ部16aは、板状に形成されており、光磁気ディスク30と近接して対向しているため、金属スライダ部16aに伝導した熱は、光磁気ディスク30の回転によって生じる空気流によって効率よく冷却される。さらに、摺動凸部1から光磁気ディスク30へと直接熱が伝導し、これによっても磁気コア13は冷却される。
【0061】磁気コア13に発生した熱を可能な限り効率よく冷却するためには、磁気コア13に発生した熱をできるだけ多く金属スライダ部16aへ伝達する必要がある。磁気コア13から金属スライダ部16aへの熱伝導性を向上するためには、磁気コア13が、金属スライダ部16aにできるだけ多くの面積で接触していることが望ましい。本実施の形態では、磁気コア13は、金属スライダ部16aに対して、例えば図4に示すように、スライダ接触部6の5点で接触し、効率よく熱伝導を行うことが可能となっている。
【0062】なお、金属スライダ部16aと磁気コア13とは、上記のように直接接触してもよいが、熱伝導性接着剤や熱伝導性粘着テープ等の熱伝導部材を介して接触させることも可能である。すなわち、熱伝導部材を介して金属スライダ部16aと磁気コア13とを熱的に結合させることによっても、磁気コア13に発生した熱は金属スライダ部16aへ伝導する。金属スライダ部16aに伝導した熱は、光磁気ディスク30の回転によって生じる空気流によって冷却され、その結果、磁気コア13の効率的な冷却が確保される。
【0063】また、磁気コア13と接触している金属スライダ部16aは、磁気コア13よりも大きい面積にすることも可能である。磁気コア13に発生した熱が伝導した金属スライダ部16aは、光磁気ディスク30の回転に伴って金属スライダ部16aと光磁気ディスク30との間に発生する空気流により即座に冷却される。すなわち、磁気コア13に発生した熱は金属スライダ部16a全体へと伝導して冷却されるので、金属スライダ部16aの面積が大きいほど、上記空気流による冷却を効率よく行うことができる。本実施の形態では、磁気ヘッド14は、図1(b)に示すように、磁気コア13よりも大きい面積を有する金属スライダ部16aを備えている。このため、磁気コア13に発生した熱は、磁気コア13よりも広い面積を有する金属スライダ部16a全体へと伝導し、光磁気ディスク30の回転に伴う空気流によって、より一層効率よく冷却される。
【0064】また、サスペンション16と金属スライダ部16aとは一つの熱伝導部材で構成されているため、磁気コア13から金属スライダ部16aへと伝導した熱は、サスペンション16にも伝導する。その結果、サスペンション16の表面からも、熱が自然放出される。
【0065】以上により、本実施の形態は、磁気コア13に発生した熱を、金属スライダ部16aへ伝導して放出し、かつ、金属スライダ部16aに伝導した熱を、さらにサスペンション16に伝導してサスペンション16の表面からも熱を放出できる仕組みになっている。したがって、磁気コア13に発生した熱は、金属スライダ部16aとサスペンション16との両方で冷却されるので、この2つの部材を利用することによって良好な冷却効率を得ることができる。
【0066】また、ボビン12を用いずに、コイル11を磁気コア13に直接取り付けた場合にも同様の冷却効果がある。つまり、コイル11は導電性金属材料であるため、コイル11で発生した熱は、磁気コア13を経て金属スライダ部16aおよびサスペンション16へ伝導する。金属スライダ部16aおよびサスペンション16に伝導した熱は、上記と同様に、金属スライダ部16aとサスペンション16との両方で効率よく冷却される。
【0067】上述のように、磁気ヘッド14が十分に冷却されると、コイル11に大きな電流を流すことができるので、記録磁界強度を大きくすることができる。さらに、記録データレートを大きくし、記録周波数を高くすることが可能となり、記録速度や記録密度が向上する。これにより、高密度記録が可能な磁気的超解像媒体である多層記録媒体の使用が可能になるとともに、動画においては、さらに高画質で記録を行うことが可能になる。
【0068】なお、上述の磁気ヘッド支持機構10は、図2に示すように、磁気ヘッド14が光磁気ディスク30の表面と摺接する摺動型磁気ヘッドを有しているが、これに限定されず、例えば、光磁気ディスク30の回転によって発生する空気流によって磁気ヘッド14が浮上する浮上型磁気ヘッドを備えている場合にも、本実施の形態を適用することが可能である。また、上述の実施の形態においては、光磁気ディスク30を記録再生する光磁気記録再生装置について説明したが、これに限らず、例えば、磁気ディスクを記録再生する磁気再生記録装置や、コンパクトディスク等の光ディスクの再生専用光ディスク装置にも適用することができることは明らかである。
【0069】〔実施の形態2〕本発明の他の実施の形態を図5に基づいて説明する。なお、説明の便宜上、前記の実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0070】本実施の形態の磁気ヘッド支持機構40が前記実施の形態1と異なる点は、図5に示すように、金属スライダ部16aに、摺動特性の良いコーティング2が施されていることである。
【0071】コーティング2として、金属スライダ部16aの摺動面にニッケルメッキを施すことが考えられる。金属スライダ部16aの摺動凸部1にニッケルメッキによる被膜が形成されることにより、摺動凸部1にニッケルメッキ等のコーティングが施されていない場合と比較して、前記光磁気ディスク30と摺動凸部1との間に生じる摩擦力を低減することができる。その結果、摺動性の優れた樹脂で、図7(a)に示すように摺動凸部65を形成した従来の場合と同等の摺動特性を確保することができ、光磁気ディスク30の損傷を防止することができる。
【0072】また、コーティング2として、ニッケルメッキ以外に、例えばハードディスク媒体の表面コーティング材として知られているダイヤモンドライクカーボン(以下、「DLC」と記載する)を用いることもできる。DLCは、ニッケルメッキよりも摺動性に優れたコーティング材である。したがって、摺動凸部1をDLCによってコーティングすることにより、光磁気ディスク30と摺動凸部1との間に生じる摩擦力を、金属スライダ部16aをニッケルメッキでコーティングした場合よりもさらに低減することができる。
【0073】上記のように、光磁気ディスク30と摺接する摺動凸部1に摺動特性の優れたコーティング2を施すことによって、光磁気ディスク30と摺動凸部1との間に生じる摩擦力を低減することができる。その結果、摺動性の優れた樹脂で摺動凸部65を形成した従来の場合とほぼ同等の摺動特性を確保することができる。
【0074】一方、装置作製のコストや作製時間を考慮すれば、金属スライダ部16aにコーティング2を施さないという選択もあり得る。しかし、近年の装置小型化に伴うスピンドルトルクの減少や消費電力低減の要求からも、金属スライダ部16aにコーティング2を施す有利性は十分にあると考えられる。また、金属製の金属スライダ部16a表面のコーティングは、樹脂表面のコーティングに比べると容易であり、付着強度も大きい。このため、金属スライダ部16aの摺動凸部1にコーティング2を施した場合の摺動凸部1と光磁気ディスク30との間の摩擦力を、従来の樹脂製の摺動凸部65と光磁気ディスク50との摩擦力と同等にするか、あるいは、同等以下にすることも可能である。
【0075】以上のように、本実施の形態の磁気ヘッド支持機構40は、前記実施の形態1で詳細に述べた磁気ヘッド支持機構の構成に加えて、金属スライダ部16aに備えられた摺動凸部1の表面にコーティング2が施された構成となっている。これにより、本実施の形態の磁気ヘッド支持機構40は、前記実施の形態1で説明した十分な冷却効果と、摺動凸部1の十分な摺動特性とを同時に得ることができる。
【0076】なお、金属スライダ部16aに備えられた摺動凸部1の表面に施されるコーティング材は、ニッケルメッキやDLCに限定されるものではなく、摺動特性の優れたコーティング材であれば、本実施の形態に適用できることは明らかである。
【0077】
【実施例】〔実施例1〕本実施例では、前記実施の形態1に示した磁気ヘッド14の冷却能力について、以下の条件で実験を行った。本実験では、図1(a)(b)に示すサスペンション16および金属スライダ部16aに、弾性を有するベリリウム−銅合金を用いている。サスペンション16および金属スライダ部16aの板厚は40μmである。金属スライダ部16aは、前記光磁気ディスク30の対向面に40μmの摺動凸部1を有し、摺動凸部1は直径2mmの球面である。金属スライダ部16aには、図1(b)に示すように、3つの摺動凸部1が形成され、該摺動凸部1と磁気コア13とが接触している。したがって、光磁気ディスク30と磁気コア13にある磁極部3との距離は、金属スライダ部16aの板厚と摺動凸部1の凸量とを合わせたものとなり、本実施例では80μm程度に設定していることになる。また、磁極部3の断面積は0.3mm×0.2mmで、コイル11はボビンを用いず、直接磁気コア13に接着剤によって固定されている。コイル11の線径は50μmである。上記コイル11に電流を流すと、コイル11と磁気コア13とが発熱する。本実験でコイル11に流した電流は、駆動周波数10MHz、電流振幅±0.3A、電流反転時間20nsである。本実験では、コイル11に電流を流したときの磁気ヘッド14の温度上昇について、従来技術と前記実施の形態1とを比較した。具体的には、従来技術で説明した図7(a)に示すように、磁気コア63を樹脂スライダ62に埋め込んだ場合の磁気ヘッド60の温度上昇と、実施の形態1にて説明した図1(a)(b)に示すように、サスペンション16と同一の熱伝導部材からなる金属スライダ部16aを用いた場合の磁気ヘッド14の温度上昇とを比較した。
【0078】上記の条件の下、室温23℃で、光磁気ディスク30の回転を線速度が3m/sとなるように調整して実験を行った。従来の磁気コア63を樹脂スライダ62に埋め込んだ場合、磁気ヘッド60の温度が120℃上昇した。一方、前記実施の形態1の磁気ヘッド14の温度上昇は75℃であった。したがって、実施の形態1で述べたように、磁気ヘッド14に金属スライダ部16aを備えて熱的に結合させることによって、磁気ヘッド14の温度上昇が抑制されることがわかった。
【0079】また、上記と同様の条件で、前記光磁気ディスク30と、磁気ヘッド14との間に発生する摩擦力を評価した。実験の結果、前記実施の形態1で用いた金属スライダ部16aに形成された摺動凸部1と光磁気ディスク30との摩擦力は、図6に示した、従来の樹脂スライダ62に形成された摺動凸部65と光磁気ディスク50との摩擦力よりも大きくなった。しかし、金属スライダ部16aに形成された摺動凸部1の摩擦力は、光磁気ディスク30の同一場所で2000万パスを行う前後において、ほとんど変化しなかった。また、金属スライダ部16aの摺動凸部1と光磁気ディスク30との摺動によって生じる光磁気ディスク30表面の傷の深さも0.3μm程度であり、金属スライダ部16aに形成された摺動凸部1の耐久性は十分であった。すなわち、前記実施の形態1における摺動特性は十分確保されている。
【0080】さらに、前記実施の形態1で述べたように、摺動凸部1を形成している金属スライダ部16aをサスペンション16と一体化して作製することにより、樹脂スライダ62を金型を用いて成型によって作製する方法よりも、作製プロセスが短く、コスト低減に大きく寄与することができる。
【0081】〔実施例2〕本実施例においては、前記実施の形態2に示した光磁気ディスク30と、図5に示す金属スライダ部16aに設けられた摺動凸部1との間に発生する摩擦力を実験によって評価した。摩擦力の評価は、従来技術との比較により行った。具体的には、従来技術で説明した図7(a)に示したように、樹脂スライダ62に設けられた摺動凸部65の摩擦力と、前記実施の形態2にて説明した図5に示すように、金属スライダ部16aの摺動凸部1にニッケルメッキを施した場合の摩擦力とを比較した。また、前記実施の形態1にて説明した図1に示した、コーティングの施されていない金属スライダ部16aの摺動凸部1の摩擦力も測定した。
【0082】ニッケルメッキを施した摺動凸部1およびコーティングを施していない摺動凸部1の摩擦力の測定は、サスペンション16によって5mNの加重をかけ、光磁気ディスク30の回転が線速度3m/sの条件で行った。この条件の下、光磁気ディスク30上の同一場所で1万パス終了時点の摩擦力を測定したところ、摺動凸部1にニッケルメッキを施した場合の摩擦力は2.0mNであり、コーティングを施さない場合の摩擦力は2.5mNであった。また、上記の条件と同一の条件となるように、図6に示すサスペンション56によって5mNの加重をかけ、光磁気ディスク50の回転を線速度3m/sとして、図7(a)に示した摺動凸部65の摩擦力を測定したところ、摩擦力は1.5mNであった。
【0083】これらの結果から、従来の樹脂スライダ62の摺動凸部65の摩擦力と、金属スライダ部16aの摺動凸部1にニッケルメッキを施した場合の摩擦力とは、ほぼ同等の特性を示していることがわかった。また、摺動凸部1にニッケルメッキを施すことによって、摺動凸部1にコーティングを施さない場合よりも優れた摺動特性を得られることがわかった。
【0084】さらに、ハードディスク媒体の表面コーティング材として知られているダイヤモンドライクカーボンのように、摺動特性の優れたコーティング材を金属スライダ部16aに施した場合の摩擦力を上記と同じ条件下で測定したところ、前記光磁気ディスク30と摺動凸部1との間に発生する摩擦力を1.1mNにまで低減できた。
【0085】以上のように、磁気ヘッド14に金属スライダ部16aを備えることによって、磁気ヘッド14に発生した熱を効率よく冷却することができることが確認できた。また、金属スライダ部16aに設けられた摺動凸部1の摺動特性は十分に確保されており、摺動凸部1が光磁気ディスク30を損傷することはないことが確認された。さらに、金属スライダ部16aに設けられた摺動凸部1にコーティング材を施すことによって、従来の樹脂スライダ62の摺動凸部65と同等または同等以下の摺動特性が得られることを確認した。
【0086】
【発明の効果】本発明の磁気ヘッドユニットは、以上のように、磁気ヘッドには、ディスク状記録媒体に接触摺動すべく摺動板が設けられるとともに、上記摺動板はヘッド支持部材に接続され、かつ摺動板とヘッド支持部材とは、熱伝導性を有する一部材にて形成されているものである。
【0087】それゆえ、磁気コアに発生した熱は、この摺動板とヘッド支持部材との両方で冷却を行うようにしているので、この2つの部材を利用することにより冷却効率が向上する。
【0088】また、空気流はディスク状記録媒体に近接する摺動板に当たるので、冷却効果が高い。
【0089】また、摺動板とヘッド支持部材とは、熱伝導性を有する一部材にて形成されているので、摺動板とヘッド支持部材とが別体に形成されかつ接着剤にて接合されている場合に比較して、摺動板からヘッド支持部材への熱伝導は効率よく行われる。さらに、摺動板とヘッド支持部材とを一部材で形成することによって、部品点数も削減できる。
【0090】この結果、磁気ヘッドの冷却を有効に行うことができる磁気ヘッドユニットを提供することができるという効果を奏する。
【0091】また、本発明の磁気ヘッドユニットは、上記の磁気ヘッドユニットにおいて、摺動板は、磁気コアよりも広い面積を有しているものである。
【0092】それゆえ、磁気コアに発生した熱は、磁気コアよりも広い面積の摺動板に伝導するので、冷却効率が高く、摺動板は板状にてなっているので、ディスク状記録媒体の回転による空気流の発生量を大きくすることができるという効果を奏する。
【0093】また、本発明の磁気ヘッドユニットは、上記の磁気ヘッドユニットにおいて、摺動板は、磁気コアに直接的に接触して設けられるかまたは熱伝導性に優れた部材を介して熱的に結合されて設けられているものである。
【0094】それゆえ、磁気コアから摺動板への熱伝導効率が向上することにより、磁気コアで発生した熱を効率よく摺動板に伝え、摺動板に対する空気流による冷却およびヘッド支持部材への熱拡散が効率よく行われるという効果を奏する。
【0095】また、本発明の磁気ヘッドユニットは、上記の磁気ヘッドユニットにおいて、摺動板におけるディスク状記録媒体への摺動面には、球面状またはかまぼこ状の摺動凸部が形成されているものである。
【0096】それゆえ、ディスク状記録媒体と摺動凸部との間に生じる摩擦力を低減でき、ディスク状記録媒体の損傷を防止することができるという効果を奏する。
【0097】また、本発明の磁気ヘッドユニットは、上記の磁気ヘッドユニットにおいて、摺動板の摺動面にはコーティングが施されているものである。
【0098】それゆえ、コーティングによる滑らかな被膜によって、ディスク状記録媒体と摺動凸部との間に生じる摩擦力をさらに低減でき、ディスク状記録媒体の損傷を防止することができるという効果を奏する。
【0099】また、本発明の磁気ヘッドユニットは、上記の磁気ヘッドユニットにおいて、摺動部材の摺動面には、ニッケルメッキが施されているものである。
【0100】それゆえ、摺動部材の摺動面には、ニッケルメッキが施されているので、十分な摺動特性を確保することができるという効果を奏する。
【0101】また、本発明の光ピックアップユニットは、上記の磁気ヘッドユニットを備えているものである。それゆえ、磁気ヘッドの冷却を有効に行うことができる光ピックアップユニットを提供することができるという効果を奏する。
【0102】また、本発明の記録再生装置は、上記の磁気ヘッドユニットまたは光ピックアップユニットを備えているものである。それゆえ、磁気ヘッドの冷却を有効に行うことができる記録再生装置を提供することができるという効果を奏する。




 

 


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