米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 計算機;電気通信 -> 富士通株式会社

発明の名称 プッシュボタン信号受信装置および利得制御方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2003−18622(P2003−18622A)
公開日 平成15年1月17日(2003.1.17)
出願番号 特願2001−202548(P2001−202548)
出願日 平成13年7月3日(2001.7.3)
代理人 【識別番号】100092152
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 毅巖
【テーマコード(参考)】
5K064
【Fターム(参考)】
5K064 AA07 BA09 BB01 CA07 CA23 DB14 DB28 DC17 
発明者 小畑 敦志
要約 課題
AGC回路の挿入にともなって生じる、受信信号の有効判定に対する誤動作が防止されたプッシュボタン信号受信装置を提供する。

解決手段
入力されたプッシュボタン信号は、増幅手段2によって増幅され、第1の帯域フィルタ3および第2の帯域フィルタ4によりそれぞれ低群、高群の周波数帯の信号に分離される。ダイアル番号識別手段5は、分離された各信号の周波数を検出してダイアル番号を識別するとともに、受信したプッシュボタン信号の有効判定を行い、この有効判定に応じて、識別したダイアル番号を出力する。レベル検出手段6は、増幅手段2から出力される信号の信号レベルを検出する。利得制御手段7は、検出された信号レベルに応じて増幅手段2の増幅利得を制御するとともに、ダイアル番号識別手段5において、受信したプッシュボタン信号が有効と判定されている間は、増幅手段2における増幅利得の値を保持する。
特許請求の範囲
【請求項1】 プッシュボタン信号を受信してダイアル番号を識別するプッシュボタン信号受信装置において、受信した前記プッシュボタン信号を増幅する増幅手段と、前記増幅手段の出力信号から、低群および高群の各周波数帯の信号のみ通過させる第1および第2の帯域フィルタと、前記第1および第2の帯域フィルタの各出力信号の周波数を検出して、ダイアル番号を識別するとともに、受信した前記プッシュボタン信号の有効判定を行い、前記有効判定に応じて前記ダイアル番号を出力するダイアル番号識別手段と、前記増幅手段の出力信号の信号レベルを検出するレベル検出手段と、前記信号レベルに応じて前記増幅手段の増幅利得を制御し、前記ダイアル番号識別手段において、受信した前記プッシュボタン信号が有効と判定されている間は、前記増幅利得の値を保持する利得制御手段と、を有することを特徴とするプッシュボタン信号受信装置。
【請求項2】 前記ダイアル番号識別手段は、受信した前記プッシュボタン信号を有効と判定している間、周波数検出によって識別した前記ダイアル番号を、前記有効判定に応じて出力する処理が完了したことを示すDS(Decode Signal)信号を出力し、前記利得制御手段は、前記DS信号が入力されている間、前記増幅利得の値を保持することを特徴とする請求項1記載のプッシュボタン信号受信装置。
【請求項3】 前記ダイアル番号識別手段は、前記第1および第2の帯域フィルタの各出力信号の周波数を検出することにより、前記低群および高群の双方の信号を抽出し、抽出された前記双方の信号が一定時間継続した場合に、前記DS信号をHレベルとし、抽出された前記双方の信号が一定時間断絶した場合に、前記DS信号をLレベルとすることを特徴とする請求項2記載のプッシュボタン信号受信装置。
【請求項4】 前記利得制御手段は、前記レベル検出手段によって検出された前記信号レベルが高いとき、前記増幅手段の前記増幅利得の値を減少させ、前記信号レベルが低いとき、前記増幅利得の値を増加させることを特徴とする請求項1記載のプッシュボタン信号受信装置。
【請求項5】 前記レベル検出手段は、前記第1および第2の帯域フィルタからの各出力信号の信号レベルを検出することを特徴とする請求項1記載のプッシュボタン信号受信装置。
【請求項6】 前記利得制御手段は、前記レベル検出手段によって検出された、前記第1および第2の帯域フィルタからの各出力信号の信号レベルが、前記ダイアル番号識別手段における周波数検出処理の動作レベル範囲内となるように、前記増幅手段の前記増幅利得の値を制御することを特徴とする請求項5記載のプッシュボタン信号受信装置。
【請求項7】 前記レベル検出手段は、前記第2の帯域フィルタからの出力信号の信号レベルを検出することを特徴とする請求項1記載のプッシュボタン信号受信装置。
【請求項8】 前記利得制御手段は、前記低群および高群の各信号の組み合わせごとにあらかじめ設定された前記各信号の入力レベル差の予想値に基づいて、前記レベル検出手段によって検出された前記信号レベルが、前記ダイアル番号識別手段における周波数検出処理の動作レベル範囲内となるように、前記増幅手段の前記増幅利得の値を制御することを特徴とする請求項7記載のプッシュボタン信号受信装置。
【請求項9】 プッシュボタン信号を受信して、利得可変増幅回路を介して周波数検出を行い、ダイアル番号を識別する場合の前記利得可変増幅回路に対する利得制御方法において、前記利得可変増幅回路の出力信号の信号レベルを検出して、前記信号レベルに応じて前記利得可変増幅回路の増幅利得を制御し、受信した前記プッシュボタン信号が有効と判定されている間は、前記増幅利得の値を保持する、ことを特徴とする利得制御方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プッシュボタン信号を受信してダイアル番号を判定するプッシュボタン信号受信装置、および、このプッシュボタン信号受信装置が具備する利得可変増幅回路に対する利得制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アナログ電話通信においては、電話機端末から接続先を指定するための選択信号として、プッシュボタン信号(以下、PB信号と略称する)が使用されている。PB信号による通信では、低群および高群のうち各1周波の信号を組み合わせた16種類の信号によって、ダイアルされた番号が識別される。この低群および高群の各信号は一度のダイアル操作により一定時間以上継続して送出されることによって有効な選択信号と判断され、ダイアル間には一定時間以上の信号断の時間(ポーズ)が必要となっている。
【0003】このようなアナログ電話通信では、電話機端末からのPB信号の送出電力が規定されているが、このPB信号を受信する受信装置までの回線上においては、伝送ロスの発生等により信号レベルが変動することから、受信装置での最低入力レベルは確定できない。このため、受信信号に対して広いダイナミックレンジが確保されるように、増幅部とレベル検出部とを含む自動利得制御(AGC:Auto Gain Control)回路を具備するPB信号受信装置が、従来より多く使用されている。
【0004】ここで、図5に従来のPB信号受信装置の概略構成を示す。図5に示す従来のPB信号受信装置30は、入力信号を増幅する利得可変増幅器31a、および信号レベルを検出するレベル検出回路31bが設けられたAGC回路31と、入力信号を低群、高群の信号に分離するためのフィルタ回路32および33と、各群の信号の周波数を検出してダイアル番号を識別するダイアル番号識別回路34によって構成される。
【0005】AGC回路31において、レベル検出回路31bは、利得可変増幅器31aの出力信号の信号レベルを検出して利得可変増幅器31aに通知する。利得可変増幅器31aは、レベル検出回路31bによる信号レベルの検出値に応じて、ダイアル番号識別回路34に入力されるPB信号のレベルが規定の動作レベル範囲となるように、入力信号を増幅して信号レベルを調整する。
【0006】フィルタ回路32および33は、AGC回路31からの出力信号より、それぞれ高群、低群の周波数帯域の信号を除去する。ダイアル番号識別回路34は、フィルタ回路32および33からの各出力信号の周波数を検出し、低群、高群からともに有効な周波数が検出されると、各群の検出周波数より指定されたダイアル番号を識別して出力する。
【0007】ここで、ダイアル番号識別回路34における処理を、さらに詳しく述べる。ダイアル番号識別回路34は、周波数検出による低群、高群双方の信号の抽出タイミングより、抽出信号の継続時間および断絶時間を計測して、受信したPB信号が有効な選択信号であるか否かを判定する。図6は、受信したPB信号と有効判定について説明した図である。
【0008】図6に示すように、ダイアル番号識別回路34は、PB信号受信装置30に入力されたPB信号に対して周波数検出を行い、低群および高群の双方の信号を検出すると、この検出信号の継続時間を計測し、継続判定時間Tonが経過するとPB信号を有効と判定して、PB信号の符号化完了を示すDS(Decode Signal)信号を出力する。また、検出信号が断絶するとこの断絶時間を計測し、断絶判定時間Toffが経過するとPB信号を無効と判定してDS信号の出力を中止し、この後に同じ周波数の信号を検出しても別の選択信号と判断する。また、検出された周波数より識別されたダイアル番号は、DS信号の出力タイミングに応じて、選択信号として有効な期間のみ出力される。
【0009】なお、図6ではPB信号の受信開始および中止タイミングより、信号継続時間および断絶時間の計測が開始されているが、実際には、周波数検出に要する時間等により、時間計測の開始タイミングは若干遅延する。
【0010】以上のPB信号受信装置30では、AGC回路31において、入力されたPB信号の信号レベルが調節されることにより、電話機端末からの伝送ロス等によるPB信号の受信レベル変動にかかわらず、ダイアル番号識別回路34への入力信号の信号レベルが周波数検出処理における動作レベル範囲とされ、正確な周波数検出が行われる。
【0011】また、上記のPB信号受信装置30の構成では、低群および高群の合成波より信号レベルの検出を行って入力信号の信号レベルを制御することから、利得可変増幅器31aに対する制御電流に歪みが生じ、周波数検出において誤動作が発生する場合がある。このような問題を解決したPB信号受信装置が、特開昭54−95108号公報に開示されている。この公報によれば、入力されたPB信号を低群および高群の帯域の各信号に分離するフィルタ回路の出力信号によって信号レベルを検出し、この検出値に応じて、入力段に設けられた利得可変増幅器の増幅利得を制御することにより、上記問題を解決している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のPB信号受信装置30のAGC回路31では、レベル検出回路31bにおいて検出されるPB信号のレベル変化に対して、利得可変増幅器31aにおけるゲインの変化は正確に追随せず、ある程度の時間を要する。このため、ダイアル番号識別回路34における抽出信号の時間計測に誤差が生じて、PB信号に対する正確な有効判定が行われない場合が考えられる。
【0013】ここで、図7にPB信号受信装置30の各部における信号のタイミングチャートを示す。図7(A)は、AGC回路31に入力される入力信号S31を示している。この図7(A)では、T701のタイミングからT702のタイミングまでの間、例えば、何らかの理由で信号が途絶えたり、あるいはノイズが混入する等によって、AGC回路31における入力信号S31の受信が一時的に断絶されたことを示している。ここで、T701〜T702までの入力信号S31の断絶時間は、断絶判定時間Toffより短くされている。
【0014】また、図7(B)は、利得可変増幅器31aにおけるゲインA32を示しており、このゲインA32は、入力信号S31の入力開始および終了のタイミングに対して正確には追従せず、段階的に変化している。
【0015】また、図7(C)は、利得可変増幅器31aによって入力信号S31が増幅され、AGC回路31から出力される信号S33を示している。この図7(C)では、この信号S33がフィルタ回路32および33を介してダイアル番号識別回路34に入力された際に、周波数検出が可能となる動作レベル範囲の最大値を、レベルGmaxとして記載している。
【0016】また、図7(D)はダイアル番号識別回路34から出力されるDS信号を示している。この図7において、T701のタイミング以前では、入力信号S31の入力を受けてDS信号がHレベルとなっている。またこのとき、利得可変増幅器31aにおけるゲインA32は最小値となっている。T701のタイミングにおいて入力信号S31が断絶すると、AGC回路31では、レベル検出回路31bによって信号断絶が検出されて、利得可変増幅器31aにおけるゲインA32が徐々に増加される。また、このとき入力信号S31のレベルが0のため、信号S33は0のままであり、入力が断絶したダイアル番号識別回路34では、T701のタイミングより断絶時間の計測が開始される。
【0017】次に、T702のタイミングにおいて入力信号S31が再び入力されると、AGC回路31では、レベル検出回路31bによって信号入力が検出されて、利得可変増幅器31aにおけるゲインA32が上述の最小値となるまで徐々に減少される。このため、ゲインA32が最小値となるまでの間、入力信号S31は信号S33のように増幅されてしまう。
【0018】ここで、ダイアル番号識別回路34では、増幅後の信号S33の信号レベルがレベルGmax以下に下がるT704のタイミングまで周波数検出処理を行うことができず、入力信号S31が入力されたことを検出できない。しかし、実際に入力信号S31が再入力されたT702からこのT704までの間のT703のタイミングにおいて、断絶時間の測定時間が断絶判定時間Toffに達すると、ダイアル番号識別回路34はPB信号を無効と判定して、DS信号の出力を中止してしまう。
【0019】また、ダイアル番号識別回路34は、信号S33の信号レベルがレベルGmax以下に下がったT704のタイミングから、再びPB信号が抽出されて、継続時間の測定が開始される。そして、継続判定時間Tonに達したT705のタイミングにおいて、PB信号を有効と判定してDS信号を再び出力する。
【0020】以上の図7の動作例では、利得可変増幅器31aは、T701〜T702の本来のポーズ時間Tが断絶判定時間Toffより短いにもかかわらず、T701〜T704までの時間Twをポーズ時間と認識して、DS信号の出力を中止する。このように、利得可変増幅器31aにおけるゲインA32が緩やかに変化すると、ダイアル番号識別回路34におけるポーズの検出開始タイミングに誤差が生じ、瞬間的な断絶に対して無効判定が行なわれて、ダイアル番号の誤認識が発生してしまうという問題があった。
【0021】本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、AGC回路の挿入にともなって生じる、受信信号の有効判定に対する誤動作が防止されたPB信号受信装置を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明では上記課題を解決するために、図1に示すような、プッシュボタン信号を受信してダイアル番号を識別するプッシュボタン信号受信装置1において、受信した前記プッシュボタン信号を増幅する増幅手段2と、前記増幅手段2の出力信号から、低群および高群の各周波数帯の信号のみ通過させる第1の帯域フィルタ3および第2の帯域フィルタ4と、前記第1の帯域フィルタ3および前記第2の帯域フィルタ4の各出力信号の周波数を検出して、ダイアル番号を識別するとともに、受信した前記プッシュボタン信号の有効判定を行い、前記有効判定に応じて前記ダイアル番号を出力するダイアル番号識別手段5と、前記増幅手段2の出力信号の信号レベルを検出するレベル検出手段6と、前記信号レベルに応じて前記増幅手段2の増幅利得を制御し、前記ダイアル番号識別手段5において、受信した前記プッシュボタン信号が有効と判定されている間は、前記増幅利得の値を保持する利得制御手段7と、を有することを特徴とするプッシュボタン信号受信装置1が提供される。
【0023】ここで、増幅手段2は、利得制御手段7による制御に基づいて、受信したプッシュボタン信号を増幅する。第1の帯域フィルタ3および第2の帯域フィルタ4は、増幅手段2の出力信号から、低群および高群の各周波数帯の信号のみ通過させる。ダイアル番号識別手段5は、第1の帯域フィルタ3および第2の帯域フィルタ4の各出力信号の周波数を検出して、ダイアル番号を識別するとともに、受信したプッシュボタン信号の有効判定を行い、この有効判定に応じて、識別したダイアル番号を出力する。レベル検出手段6は、増幅手段2の出力信号の信号レベルを検出する。利得制御手段7は、レベル検出手段6によって検出された信号レベルに応じて増幅手段2の増幅利得を制御するとともに、ダイアル番号識別手段5において、受信したプッシュボタン信号が有効と判定されている間は、増幅手段2における増幅利得の値を保持する。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明のPB信号受信装置の原理図である。
【0025】図1に示すように、本発明のPB信号受信装置1は、受信したPB信号を増幅する増幅手段2と、この増幅手段2の出力信号を低群および高群の各周波数帯の信号に分離するための第1の帯域フィルタ3および第2の帯域フィルタ4と、第1の帯域フィルタ3および第2の帯域フィルタ4の各出力信号の周波数を検出して、ダイアル番号を識別するダイアル番号識別手段5と、増幅手段2の出力信号の信号レベルを検出するレベル検出手段6と、増幅手段2の利得を制御する利得制御手段7によって構成される。
【0026】増幅手段2は、利得制御手段7による利得制御に基づいて、受信したPB信号を増幅し、信号レベルを調整する。第1の帯域フィルタ3および第2の帯域フィルタ4は、増幅手段2の出力信号から、低群および高群の各周波数帯以外の信号を除去し、各群周波数帯の信号のみ抽出する。ダイアル番号識別手段5は、第1の帯域フィルタ3および第2の帯域フィルタ4の各出力信号の周波数を検出して、ダイアル番号を識別するとともに、受信したPB信号の有効判定を行い、この有効判定に応じて、識別したダイアル番号を出力する。
【0027】レベル検出手段6は、増幅手段2の出力信号の信号レベルを検出し、利得制御手段7に通知する。利得制御手段7は、レベル検出手段6によって検出された信号レベルに応じて、増幅手段2の増幅利得を制御する。また、ダイアル番号識別手段5において、受信したPB信号が有効と判定されている間は、この有効判定を検知して、増幅手段2における増幅利得の値を保持する。
【0028】ここで、利得制御手段7は、レベル検出手段6による信号レベルの検出値が低いときは、増幅手段2における増幅利得の値を増加し、信号レベルの検出値が高いときは、増幅利得の値を減少させる。しかし、増幅手段2における増幅利得の変化は、入力されるPB信号のON、OFFに対して正確に追従せず、緩やかに変化する。
【0029】そこで、利得制御手段7は、ダイアル番号識別手段5におけるPB信号に対する有効判定を監視し、PB信号が有効と判定されている間は、増幅手段2における増幅利得の値を保持して、信号レベルを変化させないように制御する。これにより、有効なPB信号の受信中に、無効判定とならないようなPB信号の瞬間的な受信断絶が生じた場合に、ダイアル番号識別手段5に対して断絶後に再び入力される信号の信号レベルが変化せず、安定して周波数検出が行われて低群および高群の各信号が抽出される。したがって、瞬間的な断絶に対して誤った無効判定を行うことが防止され、正確なダイアル番号の識別を行うことが可能となる。
【0030】なお、ダイアル番号識別手段5は、例えば、受信したPB信号を有効と判定している間、周波数検出によって識別したダイアル番号を有効判定に応じて出力する処理が完了したことを示すDS信号を出力し、利得制御手段7はこのDS信号の供給を受けて、PB信号に対する有効判定を検知するようにしてもよい。
【0031】このDS信号は、ダイアル番号識別手段5において、第1の帯域フィルタ3および第2の帯域フィルタ4の各出力信号の周波数が検出されることにより、低群および高群の信号が抽出され、双方の信号の抽出が一定時間継続した場合にHレベルとされ、一定時間断絶した場合にLレベルとされる。利得制御手段7は、このDS信号がHレベルの場合に、増幅手段2における増幅利得の値を保持する。これによって、利得制御手段7は、既存の出力信号を利用して、ダイアル番号識別手段5における有効判定を容易に検知することが可能となる。
【0032】また、PB信号受信装置1に対する周波数に応じた伝送ロスや、第1の帯域フィルタ3および第2の帯域フィルタ4におけるゲイン差のために、増幅手段2において低群および高群の合成信号が増幅されてダイアル番号識別手段5に入力すると、低群、高群のいずれかの信号レベルが周波数検出の動作レベル範囲に収まらず、ダイアル番号が誤認識されることがある。
【0033】このため、上記のPB信号受信装置1において、レベル検出手段6が第1の帯域フィルタ3および第2の帯域フィルタ4からの各出力信号の信号レベルを検出するように構成してもよい。この場合、利得制御手段7は、レベル検出手段6によって検出された、第1の帯域フィルタ3および第2の帯域フィルタ4からの各出力信号の信号レベルが、ダイアル番号識別手段5における周波数検出処理の動作レベル範囲内となるように、増幅手段2における増幅利得の値を制御することで、低群および高群の信号のレベル差に起因したダイアル番号の誤認識を防止することができる。
【0034】さらに、PB信号受信装置1までの伝送ロスは、一般に、低群周波数の信号より高群周波数の信号の方が大きいことから、上記のPB信号受信装置1において、レベル検出手段6が、高群の周波数帯の信号を通過させる第2の帯域フィルタ4からの出力信号の信号レベルのみ検出するように構成してもよい。
【0035】次に、本発明の第1の実施の形態例について説明する。図2に、本発明のPB信号受信装置の概略構成例を示す。なお、図2では低群および高群の周波数帯域に分離された信号の信号レベルに基づいて、入力信号を増幅する場合の実施の形態例について示している。
【0036】図2に示すPB信号受信装置10は、DTMF(Dial Tone Multi Frequency)方式により送信されたPB信号から、指定されたダイアル番号を識別するための装置であり、受信したPB信号を信号レベルに応じて増幅するAGC回路11と、このAGC回路11の出力信号を低群および高群の各周波数帯の信号に分離するためのフィルタ回路12および13と、フィルタ回路12および13の各出力信号の周波数を検出する周波数検出回路14および15と、周波数検出回路14および15による検出周波数よりダイアル番号を判定する信号判定回路16と、選択信号として有効な長さを判定する制御回路17と、有効な長さを有する番号データを出力する出力回路18によって構成される。
【0037】AGC回路11は、受信したPB信号を増幅する利得可変増幅器11aと、フィルタ回路12および13からの各出力信号の信号レベルを検出するレベル検出回路11bおよび11cと、利得可変増幅器11aの増幅利得を制御するAGC制御回路11dを具備する。
【0038】利得可変増幅器11aは、AGC制御回路11dからのAGC制御電圧に応じて、受信したPB信号を増幅する。レベル検出回路11bおよび11cは、それぞれフィルタ回路12および13からの出力信号の信号レベルを検出する。AGC制御回路11dは、レベル検出回路11bおよび11cによって検出された信号レベルに応じて、増幅利得を制御するためのAGC制御電圧を利得可変増幅器11aに印加する。このとき、AGC制御回路11dは、レベル検出回路11bおよび11cによって検出されたフィルタ回路12および13からの各出力信号の信号レベルが、周波数検出回路14および15の動作レベル範囲内となるように、利得可変増幅器11aを制御する。また、AGC制御回路11dは、後述するように、制御回路17からDS信号の供給を受け、このDS信号がHレベルのときはAGC制御電圧の値を保持する。
【0039】また、フィルタ回路12および13は、利得可変増幅器11aからの出力信号より、それぞれ高群、低群の周波数帯域の信号を除去する。周波数検出回路14および15は、フィルタ回路12および13からの出力信号の周波数を検出し、各群の信号を抽出する。なお、DTMF方式のアナログ電話通信では、低群に属する信号の周波数は697Hz、770Hz、852Hzおよび941Hzであり、高群に属する信号の周波数は1209Hz、1336Hz、1477Hzおよび1633Hzである。
【0040】信号判定回路16は、周波数検出回路14および15において低群、高群からともに有効な周波数が検出されると、各群の信号を検出したことを示す検出信号を制御回路17に対して出力するとともに、検出された各群の周波数の組み合わせよりダイアル番号を識別して、この番号を示す番号データを出力回路18に出力する。制御回路17は、入力された検出信号の継続時間および断絶時間を監視して、受信したPB信号が選択信号として有効な状態であるか否かを判定し、この有効判定を示すDS信号を、出力回路18およびAGC制御回路11dに対して出力する。出力回路18は、信号判定回路16によって識別された番号データを、制御回路17からのDS信号に基づく出力タイミングにより、例えば4ビットのデータD1、D2、D3およびD4として出力する。
【0041】ここで、DS信号の出力についてさらに詳しく述べる。制御回路17から出力されるDS信号は、受信したPB信号よりダイアル番号を符号化する処理が完了し、受信したPB信号が選択信号として有効と判定された状態であることを示している。信号判定回路16では、各周波数検出回路14および15から抽出された低群および高群の信号の論理積により、両群の信号を検出したことを示す検出信号が出力される。制御回路17では、この検出信号が入力されると、入力の継続時間の計測が開始され、継続判定時間Tonまで入力が継続すると、入力されたPB信号が有効と判定されて、DS信号がHレベルとされる。また、検出信号の入力が断絶するとこの断絶時間が計測され、断絶判定時間Toffまで入力が断絶すると、PB信号が無効と判定されてDS信号がLレベルとされ、この後に同じ周波数の信号の抽出が行われても別の選択信号と判断される。出力回路18では、識別されたダイアル番号を示す番号データが、DS信号がHレベルの場合にのみ出力され、これにより番号データの正確な符号化が行われる。
【0042】ところで、上記のPB信号受信装置10のAGC回路11は、レベル検出回路11bおよび11cによって検出されたフィルタ回路12および13からの各出力信号の信号レベルが、周波数検出回路14および15の動作レベル範囲内となるように、利得可変増幅器11aを制御する。しかし、AGC回路11では、レベル検出回路11bおよび11cにおいて検出される信号のレベル変化に対して、利得可変増幅器11aにおけるゲインの変化は正確に追随せず、目的の信号レベルとなるまで入力信号の増幅または圧縮が行われるまである程度の時間を要する。このため、制御回路17において、検出信号の断続時間に対する時間計測に誤差が生じ、断絶判定時間Toffに満たない瞬間的なポーズを無効と判定して、ダイアル番号出力の誤動作が発生する場合がある。
【0043】このために、上記のPB信号受信装置10では、DS信号を出力回路18とともにAGC制御回路11dに対しても供給する構成とし、AGC制御回路11dは、DS信号がHレベルである間は、利得可変増幅器11aに対して出力するAGC制御電圧の大きさを一定に保持するような制御を行うことにより、上記の問題を解決している。
【0044】ここで、図3に、PB信号受信装置10の各部における信号のタイミングチャートを示す。なお、図3では、利得可変増幅器11aやフィルタ回路12および13、周波数検出回路14および15の動作による信号出力の遅延については無視している。
【0045】図3(A)は、AGC回路11に入力される入力信号S11を示している。この入力信号S11はT301〜T306までの間入力され、T304〜T305までの間は、例えば何らかの理由で信号が途絶えたり、あるいはノイズが混入する等によって、入力信号S11の受信が一時的に断絶している。ここで、T304〜T305までの入力信号S11の断絶時間は、断絶判定時間Toffより短くされている。
【0046】また、図3(B)は、利得可変増幅器11aにおけるゲインA12を示しており、このゲインA12は、入力信号S11の入力開始および終了のタイミングに対して正確には追従せず、段階的に変化している。
【0047】また、図3(C)は、利得可変増幅器11aによって入力信号S11が増幅され、AGC回路11から出力される信号S13を示している。この図3(C)では、この信号S13がフィルタ回路12および13を介して周波数検出回路14および15に入力された際に、周波数検出処理が可能となる動作レベル範囲の最大値をレベルGmaxとして記載している。
【0048】また、図3(D)は、信号判定回路16において、各周波数検出回路14および15から抽出された低群および高群の信号の論理積により、両群の信号を検出したことを示す検出信号を示している。また、図3(E)は、制御回路17から出力されるDS信号を示している。
【0049】この図3において、T301のタイミングで入力信号S11が入力されると、レベル検出回路11bおよび11cにより信号レベルの上昇が検出され、AGC制御回路11dにより利得可変増幅器11aのゲインA12が減少される。このとき、利得可変増幅器11aのゲインA12は段階的に減少するため、AGC回路11から出力された信号S13は一時的に増幅され、徐々に圧縮される。このようなゲインA12の一時的な増加により、フィルタ回路12および13を通過して周波数検出回路14および15に入力される信号の信号レベルは、周波数検出の動作レベル範囲より高くなり、徐々に減少してレベルGmax以下となるT302のタイミングまでの間、低群および高群の信号を検出することができない。したがって、信号判定回路16からの検出信号S14は、T302のタイミングから出力が開始される。
【0050】また、このT302のタイミングより、制御回路17によって検出信号の継続時間の計測が開始される。そして、T303のタイミングにおいて継続判定時間Tonが経過すると、受信したPB信号が有効と判定されて、DS信号が出力される。このとき、出力回路18からは番号データD1〜D4が出力される。
【0051】T304のタイミングにおいて入力信号S11が断絶すると、信号判定回路16からの検出信号S14の出力が停止して、制御回路17により断絶時間の計測が開始される。このとき、レベル検出回路11bおよび11cにより信号レベルの低下が検出されるが、AGC制御回路11dは、DS信号がHレベルであることを検知して、利得可変増幅器11aのゲインA12を変化させない。
【0052】T305のタイミングにおいて入力信号S11が再び入力されると、信号判定回路16からの検出信号S14が再び出力される。このとき、T304のタイミングから断絶判定時間Toffが経過していないことから、制御回路17によってPB信号が無効と判定されず、DS信号の出力が継続される。
【0053】T306のタイミングにおいて入力信号S11が断絶すると、信号判定回路16からの検出信号S14の出力が停止して、制御回路17により断絶時間の計測が開始される。このとき、DS信号がHレベルであることから、利得可変増幅器11aのゲインA12は変化しない。
【0054】T307のタイミングにおいて断絶判定時間Toffが経過すると、制御回路17はPB信号を無効と判定し、DS信号をLレベルにする。AGC制御回路11dは、レベル検出回路11bおよび11cにより検出された信号レベルがほぼ0であり、かつDS信号がLレベルとなったことを検知して、利得可変増幅器11aのゲインA12を上昇させる。
【0055】以上の動作において、T304のタイミングで入力信号S11が断絶した後、断絶判定時間Toffが経過する前のT305のタイミングで入力信号S11が再び入力したとき、AGC制御回路11dはDS信号がHレベルであることを検知して、利得可変増幅器11aのゲインA12を保持している。これにより、T305のタイミングにおいて、周波数検出回路14および15への入力信号は動作レベル範囲から逸脱せず、入力信号S11の再入力タイミングから周波数検出回路14および15が正常に動作する。したがって、制御回路17によって、PB信号の断絶判定時間Toffに満たない瞬間的な断絶に対して、これを無効とする誤った判定が行われることがなくなり、ダイアル番号の誤認識が防止される。
【0056】ところで、上記のPB信号受信装置10に入力される低群および高群の各信号には、周波数帯に応じた伝送ロスの差によりレベル差が生じている場合があり、また、各群の信号に対応したフィルタ回路12および13についてもそれぞれのゲインに差がある場合がある。上記のPB信号受信装置10では、利得可変増幅器11aにおいて、低群および高群の合成信号に対して増幅が行われるため、低群および高群の信号に大きなレベル差がある場合、周波数検出回路14および15へのいずれかの入力信号が動作レベル範囲に収まらない状態が生じ、低群および高群の信号の検出タイミングに誤差が生じて正確なダイアル番号の識別ができなくなる。
【0057】このために、上記のPB信号受信装置10では、レベル検出回路11bおよび11cがフィルタ回路12および13の双方の出力信号の信号レベルを検出するように構成され、AGC制御回路11dはこれらの信号レベルに基づいて利得可変増幅器11aのゲインを制御する。例えばAGC制御回路11dは、フィルタ回路12および13のいずれかの出力信号の信号レベルが、周波数検出回路14および15の動作レベル範囲より低いときは、入力信号を増幅させ、信号レベルが高いときは圧縮させるような制御を行う。これにより、フィルタ回路12および13による出力信号の信号レベルが双方とも動作レベル範囲に収まるように、利得可変増幅器11aのゲインが調整され、周波数検出回路14および15は低群および高群の信号を同時に検出することが可能となる。
【0058】また、アナログ電話通信では、一般に、電話機端末からPB信号受信装置までの伝送ロスは、周波数の高い高群の信号の方が低群の信号より大きいことが多い。例えば、市内電話線用のCCP(Color Coded Polyethylene)ケーブルでは、周波数1477Hzの高群の信号に39dB程度の損失が生じた場合に、周波数697Hzの低群の信号に27dB程度の損失が生じることがある。このような場合は、入力された高群の信号の信号レベルに応じて、利得可変増幅器のゲインを制御するように構成すればよい。
【0059】ここで、本発明の第2の実施の形態例として、図4に、高群の信号の信号レベルに応じて入力信号を増幅するように構成されたPB信号受信装置の概略構成例を示す。なお、図4では、図2に示されたPB信号受信装置10と対応する構成要素には同じ符号を付して示しており、その説明は省略する。
【0060】図4に示したPB信号受信装置20では、図2と同様に、フィルタ回路12および13により低群、高群の周波数帯の各信号が出力されて、それぞれ周波数検出回路14および15において周波数検出が行われる。レベル検出回路11cは、フィルタ回路13による高群周波数帯の出力信号の信号レベルを検出する。AGC制御回路21dは、レベル検出回路11cによる検出された信号レベルが、周波数検出回路15における動作レベル範囲より低い場合に、この信号レベルに応じて入力信号を増幅するように、利得可変増幅器11aを制御する。
【0061】ここで、AGC制御回路21dは、例えば、低群と高群の信号の組み合わせごとに、各群の信号のレベル差の予想値が事前に設定されて、この予想値に基づいて、フィルタ回路12および13からの出力信号が、それぞれ周波数検出回路14および15の動作レベル範囲内の信号レベルとなるように、利得可変増幅器11aのゲインを制御する。
【0062】このような動作により、PB信号受信装置20では、低群の信号と比較して高群の信号の信号レベルが低い場合でも、周波数検出回路14および15が、入力された低群および高群の双方の信号に対して正常な周波数検出を行うことが可能となり、ダイアル番号を正確に識別することができるようになる。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のPB信号受信装置では、レベル検出手段は、増幅手段より第1および第2の帯域フィルタに出力される信号の信号レベルを検出する。また、利得制御手段は、レベル検出手段によって検出された信号レベルに応じて増幅手段の増幅利得を制御するとともに、ダイアル番号識別手段において、受信したプッシュボタン信号が有効と判定されている間は、増幅手段における増幅利得の値を保持する。このような動作によって、入力されたPB信号の瞬間的な断絶に対して、誤った無効判定を行うことが防止され、正確なダイアル番号の識別を行うことが可能となる。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013