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発明の名称 多チャンネル一括変調回路
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2003−8672(P2003−8672A)
公開日 平成15年1月10日(2003.1.10)
出願番号 特願2001−193422(P2001−193422)
出願日 平成13年6月26日(2001.6.26)
代理人 【識別番号】100072590
【弁理士】
【氏名又は名称】井桁 貞一
【テーマコード(参考)】
5K004
5K028
【Fターム(参考)】
5K004 AA01 AA05 BA02 FA05 FE10 
5K028 AA04 BB06 CC05 FF13 HH02 SS04
発明者 高田 興志
要約 課題
多チャンネル一括変調回路に関し、多チャンネル一括変調回路の構成を簡易化すると共に帯域端における帯域通過ろ波器の減衰が有限であるために混入する隣接帯域の信号のイメージ信号の影響を受けない多チャンネル一括変調回路を提供する。

解決手段
標本値の間引き比を標本化周波数を上昇させる比より小さく設定すると共に、該間引き比をチャンネル毎に異ならせ、該間引き比が最高な2チャンネルと該間引き比が1段小さい1チャンネルとを合成し、上記の如く合成された2つの信号と更に該間引き比が1段小さい1チャンネルとを合成するという規則に従って複数のチャンネルを合成する。
特許請求の範囲
【請求項1】 複数チャンネルの信号源のデータをデジタル値に変換し、標本化周波数を上昇した後にチャンネル毎に標本値を間引き、間引き処理を行なった信号の正規化角周波数をシフトした後に複数のチャンネルを合成する処理を行なう多チャンネル一括変調回路であって、標本値の間引き比を標本化周波数を上昇させる比より小さく設定すると共に、該間引き比をチャンネルによって異ならせ、該間引き比が最高な2チャンネルと該間引き比が1段小さい1チャンネルとを合成し、上記の如く合成された2つの信号と更に該間引き比が1段小さい1チャンネルとを合成するという規則に従って複数のチャンネルを合成することを特徴とする多チャンネル一括変調回路。
【請求項2】 請求項1記載の多チャンネル一括変調回路において、上記間引き比が同一な2チャンネルと該間引き比が1段小さい1チャンネルとを合成する際に、該間引き比が同一な2チャンネルのうちの一方はポジティブ・パス・フィルタを通過させ、該間引き比が同一な2チャンネルのうちのもう一方はネガティブ・パス・フィルタを通過させ、該間引き比が1段小さい1チャンネルは該ポジティブ・パス・フィルタ及び該ネガティブ・パス・フィルタの処理遅延時間を補償する遅延回路を通過させることを特徴とする多チャンネル一括変調回路。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多チャンネル一括変調回路に係り、特に、多チャンネル一括変調回路の構成を簡易化すると共に帯域端における帯域通過ろ波器の減衰が有限であるために混入する隣接帯域の信号のイメージ信号の影響を受けない多チャンネル一括変調回路に関する。
【0002】通常、時分割多重アクセス(TDMA:Time Division Multiple Access)方式の無線送信装置においては、時分割多重処理を受けた信号を2つのデジタル・アナログ変換器に導いてアナログ信号に変換した上で帯域制限をして直交変調器において中間周波数信号を変調して中間周波信号に周波数変換し、更に、無線周波数信号に周波数変換した後に電力増幅してアンテナから送信する。即ち、1つの時分割多重制御部に対して変調・送信機能部がくくりつけになっている。従って、チャンネル数の増加に伴って複数の変調・送信機能部が必要になり、異なる無線周波数信号によって送信することになる。
【0003】これを避けるために、複数の標本化周波数で動作するQMF(QuadratureMirror Filter の頭文字による略語である。)マルチ・レート・フィルタ・バンクを用いた無線送信装置の検討がなされている。図8は、マルチ・レート・フィルタ・バンクを使用した無線送信装置の構成である。
【0004】図8において、101は時分割多重アクセス制御部#1(図では「TDMA制御部」と略記している。)、101aは時分割多重アクセス制御部#2、101bは時分割多重アクセス制御部#3、101cは時分割多重アクセス制御部#4で、各々独立な時分割多重アクセス制御部である。102は時分割多重アクセス制御部101乃至101cの出力を一括変調する一括変調部で、QPSK変調器、ロール・オフ・フィルタ、一括変調を行なうためのQMFマルチ・レート・フィルタ・バンクなどで構成されている。
【0005】103及び103aはデジタル・アナログ変換器(図では、Digital AnalogConvertorの一部頭文字を使って「D/A」と略記している。以降も、図では同様に記載する。)、104及び104aはデジタル・アナログ変換器103及び103aの出力信号の帯域を制限する低域通過ろ波器(図ではLow Pass Filterの頭文字によって「LPF」と略記している。)、105は低域通過ろ波器104及び104aの出力を直交変調すると共に中間周波数帯に周波数変換する直交変調部、106は直交変調部105の出力を無線周波数帯に周波数変換する無線周波数部(図ではRadio Frequency の頭文字によって「RF部」と略記している。)、107は無線周波数部106の出力の電力増幅する電力増幅部(図ではPower Amplification の頭文字によって「PA部」と略記している。)、108は電力増幅された無線周波数帯の信号を空間に送出するアンテナである。
【0006】時分割多重アクセス制御部101乃至101cにおいて生成された各々のチャンネルのベース・バンド信号は一括変調部102において4相位相シフト・キーイング変調(QPSK:Quadrature Phase Shift Keying)され、ロール・オフ・フィルタによって帯域制限を受けた後、マルチ・レート・フィルタ・バンクにおける処理に適合するように標本化周波数を変換される。
【0007】標本化周波数を変換された信号はマルチ・レート・フィルタ・バンクに導かれて後述する種々の処理を受ける中、各々のチャンネルの信号が周波数軸上の異なる周波数帯域に並べられて一括変調される。一括変調部102の出力である複素ベース・バンド信号はデジタルI信号、デジタルQ信号としてデジタル・アナログ変換器103及び103aに導かれてアナログ信号に変換され、低域通過ろ波器104及び104aによってデジタル・アナログ変換器103及び103aのアパーチャ効果によって生じた雑音と一括変調部102のマルチ・レート・フィルタ・バンクにおける補間処理によって生じた折り返し成分を除去される。
【0008】次いで、直交変調部105において直交変調されると共に中間周波数帯の信号に周波数変換される。更に、無線周波数部106において無線周波数帯に周波数変換され、電力増幅部107において必要なレベルまで電力増幅された後、アンテナ108から空間に放射される。かくの如くして、図8の構成の無線送信装置によって多チャンネルのベース・バンド信号が一括変調されて送信される。
【0009】
【従来の技術】図9は、従来の多チャンネル一括変調回路の構成で、複数の信号源も併せて図示している。図9において、1はチャンネル1信号源、1aはチャンネル2信号源、1bはチャンネル3信号源、1cはチャンネル4信号源で、図8における時分割多重アクセス制御部#1乃至#4と同じものである。
【0010】3はQPSK変調/補間部で、チャンネル1信号源、チャンネル2信号源、チャンネル3信号源及びチャンネル4信号源の出力をQPSK変調した上で“0”補間処理をして標本化周波数を上昇させる。後で図9の構成の動作を詳細に説明するが、ここでは8倍の周波数で“0”補間処理を行なうことを想定している。4乃至4cは周波数変換部で、QPSK変調/補間部3におけるシンボル・レートを、後段のマルチ・レート・フィルタ・バンクにおけるサブ・チャンネル間隔を基調とした周波数に変換する。
【0011】5g乃至5kは、QPSK変調/補間部3において8倍の周波数で“0”補間され、周波数変換部4乃至4cにおいてマルチ・レート・フィルタ・バンクのサブ・チャンネル間隔を基調とした周波数に変換されたデータを間引く間引回路で、後で説明するように、ここでは間引き比8でデータを1/8に間引くことを想定している。尚、間引き比が重要なパラメタであるので、図では1/8間引回路と記載している。以降も、異なる間引き比の間引回路についても同様に記載する。
【0012】6cは間引回路5g乃至5kが出力するデータ毎に(−1)を交互に乗算して正規化角周波数をπ/2だけシフトする周波数シフト回路で、チャンネル対応に(−1)n (nはデータ番号で正の整数である。)を生成する回路と乗算回路とを備えている。これは、複素QMFフィルタ・バンクへの入力条件である、主信号を正規化角周波数0からπ又は正規化角周波数(−π)から0の基底帯域に合わせるためである。
【0013】7乃至7cは補間回路で、後で説明するように、ここでは2倍の周波数で“0”補間をすることを想定しているので、「補間回路×2」の如く記載している。以降も、これと同様に記載する。8及び8aは正規化角周波数0からπの基底帯域の信号を通過させる複素QMFフィルタであるボジティブ・パス・フィルタ(図では「PPF」と略記している。これは、Positive Pass Filterの頭文字による略語で、以降、明細書及び図面において略語を使用して記載する。)、9及び9aは正規化角周波数(−π)から0の基底帯域の信号を通過させるネガティブ・パス・フィルタ(図では「NPF」と略記している。これは、Negative Pass Filterの頭文字による略語で、以降、略語で記載する。)である。
【0014】尚、PPFは正規化角周波数0からπの基底帯域の信号を通過させ、πから2πの帯域の信号と(−π)から0の信号を阻止し、2πから3πの信号と(−2π)から(−π)の信号を通過させる、・・・という特性を有する。即ち、PPFは正規化角周波数0からπの基底帯域の信号及び該基底帯域から正規化角周波数が2πの整数倍だけ離れた帯域πの信号を通過させるリカーシブ・フィルタである。同様に、NPFは正規化角周波数(−π)から0の基底帯域の信号及び該基底帯域から正規化角周波数が2πの整数倍だけ離れた帯域πの信号を通過させるリカーシブ・フィルタである。
【0015】11及び11aは加算回路で、加算回路11はPPF8とNPF9の出力を合成し、加算回路11aはPPF8aとNPF9aの出力を合成する。12乃び12aは補間回路で、ここでは2倍の周波数で“0”補間をすることを想定している。13は補間回路12の出力の基底帯域0からπの信号を通過させるPPF、14は補間回路12aの出力の基底帯域(−π)から0の信号を通過させるNPFである。
【0016】16は加算回路で、PPF13及びNPF14の出力を合成する。そして、加算回路16の出力が図9の構成の多チャンネル一括変調回路の出力となり、後段のデジタル・アナログ変換器に供給される。図10は、従来の一括変調のプロセスを説明する図(その1)、図11は、従来の一括変調のプロセスを説明する図(その2)で、図10及び図11全体で図9の構成の一括変調プロセスを説明するものである。
【0017】図10(1)は、図9のQPSK変調/補間部3の各チャンネルの出力である。QPSK変調/補間部3において8倍の周波数で“0”補間処理を行なうことを想定しているので、シンボル・レートをfd とすると正規化周波数0を中心とした帯域fd と、8fd ずつ離れた帯域fd に信号成分が存在している。図10(2)は、図9の周波数変換部4乃至4cのいずれかの出力である。周波数変換部4乃至4cにおいてシンボル・レートfd をマルチ・レート・フィルタ・バンクのサブ・チャンネル間隔fchに変換しているので周波数は異なっているが、信号成分が存在する帯域は図10(1)と相似である。
【0018】図10(3)は、図9における間引回路5g乃至5kのいずれかの出力である。8倍の周波数で“0”補間処理をし、データを1/8に間引きを行なっているので、サブ・チャンネル周波数fchに等しい帯域で信号成分が存在するようになっている。図10(4)は、図9における周波数シフト回路6cの出力で、データ毎に(−1)を交互に乗算する処理を行なっているので、正規化角周波数はπ/2だけシフトされている。即ち、例えば、(−1/2)fchから(1/2)fchの帯域の帯域幅fchの信号は0からfchの帯域にシフトされている。
【0019】図10(5)は、図10(4)の信号を補間回路7又は7bのいずれかによって2倍の周波数で“0”補間した上でPPF処理をしたもので、図9におけるPPF8又は8aの出力である。PPFの基底帯域は0からfchであるので、帯域0からfchの信号及びfchずつ離れた帯域の信号が存在している。図10(6)は、図10(4)の信号を補間回路7a又は7cのいずれかによって2倍の周波数で“0”補間した上でNPF処理をしたもので、図9におけるNPF9又は9aの出力である。NPFの基底帯域は(−fch)0から0であるので、帯域(−fch)から0の信号及びfchずつ離れた帯域の信号が存在している。
【0020】図11(7)は、図10(5)の信号と図10(6)の信号を合成したもので、図10(5)が図9におけるチャンネル1信号源の信号を処理したもの(以降、単に「チャンネル1」と記載する。)であり、図10(6)の信号がチャンネル2信号源の信号を処理したもの(以降、単に「チャンネル2」と記載する。)であるとすれば、図11(7)の信号はチャンネル1とチャンネル2を合成したもので、図9における加算回路11の出力になる。そして、図11(7)に示す如く、チャンネル1とチャンネル2の信号が交互に並んでいる。
【0021】図11(8)は、図11(7)の信号を2倍の周波数で“0”補間した上でPPF処理したもので、図9おけるPPF13の出力である。即ち、図11(7)の信号を2倍の周波数で“0”補間して基底帯域が0から2fchのPPFを通過させるので、0から2fchの帯域のチャンネル1とチャンネル2を合成した信号と2fchずつ離れた帯域のチャンネル1とチャンネル2を合成した信号が存在しうる。
【0022】図11(9)は、図9におけるNPF14の出力で、図11(8)に対応する信号である。即ち、(−2fch)から0の帯域のチャンネル3とチャンネル4を合成した信号と2fchずつ離れた帯域のチャンネル3とチャンネル4を合成した信号が存在している。図11(10)は、図11(8)の信号と図11(9)の信号を合成したもので、図9における加算回路16の出力である。即ち、(−2fch)から2fchの帯域を基底帯域とするチャンネル1からチャンネル4を合成した信号と互いに隣接するチャンネル1からチャンネル4を合成した信号が存在している。
【0023】図11(10)の信号をデジタル・アナログ変換器に導いてアナログ変換し、帯域4fchの帯域通過ろ波器で帯域制限すれば、デジタル・アナログ変換器におけるアパーチャ効果によって生ずる雑音と、不要な帯域の信号とを除去できる。そして、無線送信装置における以降の送信処理は図8における直交変調部105以降の構成要素によって行なわれる。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】上記の如く、従来の多チャンネル一括変調回路においては2チャンネルずつ組み合わせて所謂トーナメント型で複数のチャンネルを合成してゆく。従って、図9の如く4チャンネルを一括変調するために複素QMFフィルタ・バンクを構成するフィルタは6個必要で、一般的に2n チャンネルを一括変調するために複素QMFフィルタ・バンクを構成するフィルタは2(2n −1)個必要になり、回路規模を十分縮減できているとは言いがたい。
【0025】又、例えば図10(4)の信号から図10(5)の信号を抽出する際、PPFの帯域端特性が十分に急峻でない場合(実用的には全てこの仮定が成立する。)に、隣接帯域に存在する同一信号の帯域端成分を十分に切りきれないために雑音として残留するという問題が生ずる。図12は、隣接帯域に存在する同一信号の帯域端成分が雑音として残留する問題点を説明する図である。
【0026】図12は、図10(4)から図10(5)に至る処理の結果雑音として残留する成分を示している。即ち、図12において1つだけ代表的に破線の楕円で囲んでいるのが雑音として残留する成分である。この残留成分は、一部は所定の帯域の信号に対して帯域内の雑音となり、残りの分は所定の帯域の隣接帯域信号に対する雑音となる。
【0027】帯域内の雑音となる成分は当該チャンネルの信号に対する伝送品質を低下させ、隣接帯域の雑音となる成分は隣接帯域を使用するチャンネルに対する伝送品質を低下させる。そして、上記雑音成分は図10(4)から図10(6)に至る処理、図11(8)の信号を抽出する処理、図11(9)の信号を抽出する処理においても発生しうる。従って、図11(10)の信号はチャンネル1からチャンネル4を合成しただけではなく、上記雑音成分も含んだものになっている。従って、一括変調するチャンネル数が多い程上記雑音成分が大きくなり、伝送品質を一層低下させる。
【0028】本発明は、かかる問題点に鑑み、多チャンネル一括変調回路に係り、特に、多チャンネル一括変調回路の構成を簡易化すると共に帯域端における帯域通過ろ波器の減衰が有限であるために混入する隣接帯域の信号のイメージ信号の影響を受けない多チャンネル一括変調回路を提供することを目的とする。尚、多チャンネル一括変調されて送信されてきた信号を一括復調する技術は一括変調の技術とは独立な技術であり、松田、原、森永の「周波数分割多重されたTDMA信号の一括復調へのマルチレートフィルタバンクの応用」、電子情報通信学会論文誌B、Vol.J83−B、No.9、pp.1217−1225、2000年9月に記載があるので、本発明の範囲外である。
【0029】
【課題を解決するための手段】第一の発明は、複数チャンネルの信号源のデータをデジタル値に変換し、標本化周波数を上昇した後にチャンネル毎に標本値を間引き、間引き処理を行なった信号の正規化角周波数をシフトした後に複数のチャンネルを合成する処理を行なう多チャンネル一括変調回路であって、標本値の間引き比を標本化周波数を上昇させる比より小さく設定すると共に該間引き比をチャンネルによって異ならせ、該間引き比が最高な2チャンネルと該間引き比が1段小さい1チャンネルとを合成し、上記の如く合成された2つの信号と更に該間引き比が1段小さい1チャンネルとを合成するという規則に従って複数のチャンネルを合成する多チャンネル一括変調回路の技術である。
【0030】第一の発明によれば、標本値を間引き比を標本化周波数を上昇させる比より小さく設定するので、特定の該間引き比によって間引かれた信号の周波数帯域が隣接することがなくなって、隣接帯域に存在する同一信号の帯域端成分が雑音として残留することがなくなる。又、チャンネルによって該間引き比を異ならせるからチャンネルが占める帯域が異なり、且つ、該間引き比が大きい程チャンネルが占める帯域の間隔が大きくなる。従って、該間引き比を異ならせることによって複数のチャンネルの信号を異なる帯域に分布させることが可能になって、チャンネル間の干渉なしに該間引き比が同一な2チャンネルと該間引き比が1段小さい1チャンネルを合成することができる。
【0031】更に、上記の如く合成された3チャンネルよりなる2つの信号と更に該間引き比が1段小さい1チャンネルとを合成するので、チャンネル間の干渉なしに7チャンネルを合成することができる。以降は、上記規則の繰り返しによって複数のチャンネルを合成するので、更に多数のチャンネルを合成する時にもチャンネル間の干渉なしに合成することが可能になる。
【0032】第二の発明は、第一の発明の多チャンネル一括変調回路において、上記間引き比が同一な2チャンネルと該間引き比が1段小さい1チャンネルとを合成する際に、該間引き比が同一な2チャンネルのうちの一方はポジティブ・パス・フィルタを通過させ、該間引き比が同一な2チャンネルのうちのもう一方はネガティブ・パス・フィルタを通過させ、該間引き比が1段小さい1チャンネルは該ポジティブ・パス・フィルタ及び該ネガティブ・パス・フィルタの処理遅延時間を補償する遅延回路を通過させる多チャンネル一括変調回路の技術である。
【0033】第二の発明によれば、第一の発明の多チャンネル一括変調回路において、上記間引き比が同一な2チャンネルと該間引き比が1段小さい1チャンネルとを合成する際に、該間引き比が同一な2チャンネルのうちの一方はポジティブ・パス・フィルタを通過させ、該間引き比が同一な2チャンネルのうちのもう一方はネガティブ・パス・フィルタを通過させ、該間引き比が1段小さい1チャンネルは該ポジティブ・パス・フィルタ及び該ネガティブ・パス・フィルタの処理遅延時間を補償する遅延回路を通過させるので、3チャンネルを合成するために2個のフィルタを使用すればよく、2チャンネルを合成するために2個のフィルタを必要とした従来の多チャンネル一括変調回路に比較してフィルタの個数を縮減することができる。
【0034】又、該間引き比が1段小さい1チャンネルは該ポジティブ・パス・フィルタ及び該ネガティブ・パス・フィルタの処理遅延時間を補償する遅延回路を通過させるので、全てのチャンネルに対する処理遅延時間を一致させることが可能で、合成された信号の伝送品質を確保することが可能である。
【0035】
【発明の実施の形態】以降、図面を用いて本発明の技術を詳細に説明する。図1は、本発明の多チャンネル一括変調回路の構成(その1)で、チャンネル0乃至チャンネル6の7チャンネルを一括多重する構成である。図1において、1はチャンネル1信号源、1aはチャンネル2信号源、1bはチャンネル3信号源、1cはチャンネル6信号源、1dはチャンネル5信号源、1eはチャンネル4信号源、1fはチャンネル0信号源である。
【0036】2乃至2cは遅延時間τ1 の遅延回路である。遅延回路2乃至2cをチャンネル1信号源、チャンネル3信号源、チャンネル6信号源及びチャンネル4信号源の出力側に挿入するのは、後で説明するように、チャンネル1、チャンネル3、チャンネル4及びチャンネル6については間引き比4によってデータを1/4に間引き、チャンネル2及びチャンネル5については間引き比2によってデータを1/2に間引くため、間引き処理の遅延時間が異なるのを補償するためである。
【0037】3は各チャンネル毎のデータをQPSK変調した後に“0”補間をして標本化周波数を上昇させるQPSK変調/補間部である。4乃至4eはQPSK変調/補間部の各チャンネル毎の出力の標本化周波数を後段のマルチ・レート・フィルタ・バンクのサブ・チャンネル間隔を基調とした周波数に変換する周波数変換部である。
【0038】5は、QPSK変調/補間部3において8倍の周波数で“0”補間され、周波数変換部4においてマルチ・レート・フィルタ・バンクのサブ・チャンネル間隔を基調とした周波数に変換されたチャンネル1のデータを間引く間引回路で、ここでは間引き比4で1/4にデータを間引くことを想定している。同様に、5aはチャンネル3のデータを間引く間引回路、5bはチャンネル6のデータを間引く間引回路、5cはチャンネル4のデータを間引く間引回路で、いすれも間引き比4でデータを1/4に間引くことを想定している。
【0039】5dは、QPSK変調/補間部3において8倍の周波数で“0”補間され、周波数変換部4aにおいてマルチ・レート・フィルタ・バンクのサブ・チャンネル間隔を基調とした周波数に変換されたチャンネル2のデータを間引く間引回路で、ここでは間引き比2で1/2にデータを間引くことを想定している。同様に、5eはチャンネル5のデータを間引く間引回路で、間引き比2でデータを1/2に間引くことを想定している。
【0040】6は間引回路5乃至5eが出力するデータ毎に(−1)を交互に乗算して正規化角周波数をπ/2だけシフトする周波数シフト回路で、チャンネル毎に(−1)n (nはデータ番号で正の整数である。)を生成する回路と乗算回路とを備えている。これは、複素QMFフィルタ・バンクへの入力条件である、主信号を正規化角周波数0からπ又は正規化角周波数(−π)から0の基底帯域に合わせるためである。
【0041】7乃至7cは補間回路で、ここでは2倍の周波数で“0”補間をすることを想定している。8及び8aは正規化角周波数0からπの基底帯域の信号を通過させる複素QMFフィルタであるPPF、9及び9aは正規化角周波数(−π)から0の基底帯域の信号を通過させるNPFである。
【0042】尚、PPFは正規化角周波数0からπの基底帯域の信号を通過させ、πから2πの帯域の信号と(−π)から0の信号を阻止し、2πから3πの信号と(−2π)から(−π)の信号を通過させる、・・・という特性を有する。即ち、PPFは正規化角周波数0からπの基底帯域の信号及び該基底帯域から正規化角周波数がπだけ離れた帯域πの信号を通過させるリカーシブ・フィルタである。同様に、NPFは正規化角周波数(−π)から0の基底帯域の信号及び該基底帯域から正規化角周波数がπだけ離れた帯域πの信号を通過させるリカーシブ・フィルタである。
【0043】10及び10aは遅延時間τ2 の遅延回路である。ここで、遅延回路10を用いるのは、チャンネル1の信号は補間回路7とPPF8を通過し、チャンネル3の信号は補間回路7aとNPF9を通過するのに対して、チャンネル2の信号はこれらの回路を通過せずにチャンネル1及びチャンネル3と合成されるので、チャンネル1乃至チャンネル3で遅延時間を合わせるためである。遅延回路10aを用いるのも同様な理由である。
【0044】11及び11aは加算回路で、加算回路11はPPF8とNPF9の出力及び遅延回路10の出力を合成し、加算回路11aはPPF8aとNPF9aの出力及び遅延回路10aの出力を合成する。即ち、加算回路11によってチャンネル1乃至チャンネル3が合成され、加算回路11aによってチャンネル4乃至チャンネル6が合成される。
【0045】12及び12aは補間回路で、ここでは2倍の周波数で“0”補間をすることを想定している。13は補間回路12の出力の基底帯域0からπの信号を通過させるPPF、14は補間回路12aの出力の基底帯域(−π)から0の信号を通過させるNPFである。
【0046】15は遅延時間τ3 の遅延回路である。遅延回路15を使用するのは、チャンネル1乃至チャンネル6は周波数変換部、間引回路を通過した後補間回路とPPF又は補間回路とNPFよりなる回路を2段通過するのに対して、チャンネル0は上記回路のいずれをも通過していないので、全てのチャンネルにおける処理遅延時間を合わせるためである。
【0047】16は加算回路で、PPF13の出力、NPF14の出力及び遅延回路15の出力を合成する。即ち、加算回路16においてチャンネル0乃至チャンネル6の7チャンネルが合成され、加算回路16の出力が図1の構成の多チャンネル一括変調回路の出力となり、後段のデジタル・アナログ変換器に供給される。図2は、本発明の一括変調のプロセスを説明する図(その1−1)、図3は、本発明の一括変調のプロセスを説明する図(その1−2)で、図2及び図3全体で図1の構成の一括変調プロセスを説明するものである。
【0048】図2(1)は、図1のQPSK変調/補間部3の各チャンネルの出力である。QPSK変調/補間部3において8倍の周波数で“0”補間処理を行なうことを想定しているので、シンボル・レートをfd とすると正規化周波数0を中心とした帯域fd と、8fd ずつ離れた帯域fd に信号成分が存在している。図2(2)は、図1の周波数変換部4乃至4eのいずれかの出力である。周波数変換部4乃至4eにおいてシンボル・レートfd をマルチ・レート・フィルタ・バンクのサブ・チャンネル間隔fchに変換しているので周波数は異なっているが、信号成分が存在する帯域は図2(1)と相似である。
【0049】図2(3)は、図1における間引回路5d又は5eのいずれかの出力である。8倍の周波数で“0”補間処理をし、間引き比2でデータを1/2に間引きを行なっているので、サブ・チャンネル周波数fchの4倍の周波数だけ離れた帯域に信号成分が存在するようになっている。図2(4)は、図1における間引回路5乃至5cのいずれかの出力である。8倍の周波数で“0”補間処理をし、間引き比4でデータを1/4に間引きを行なっているので、サブ・チャンネル周波数fchの2倍の周波数だけ離れた帯域に信号成分が存在するようになっている。
【0050】図2(5)は、図2(3)の信号を図1における周波数シフト回路6を通過させた出力で、データ毎に(−1)を交互に乗算する処理を行なっているので、正規化角周波数はπ/2だけシフトされている。即ち、例えば、(−1/2)fchから(1/2)fchの帯域の信号は(3/2)fchから(5/2)fchの帯域にシフトされている。図2(3)がチャンネル2の信号であれば、図2(5)はチャンネル2の信号である。
【0051】図3(6)は、図2(4)の信号を図1における周波数シフト回路6を通過させた出力で、データ毎に(−1)を交互に乗算する処理を行なっているので、正規化角周波数はπ/2だけシフトされている。即ち、例えば、(−1/2)fchから(1/2)fchの帯域の信号は(1/2)fchから(3/2)fchの帯域にシフトされている。これは、図1の補間回路7乃至7cのいずれかへの入力である。
【0052】図3(7)は、図3(6)の信号にPPF処理をした出力である。図3(6)がチャンネル1の信号であれば、図3(7)はチャンネル1の信号である。図3(8)は、図3(6)の信号にNPF処理をした出力である。図3(6)がチャンネル3の信号であれば、図3(8)はチャンネル3の信号である。図3(9)は、チャンネル1からチャンネル3の信号を加算回路11によって合成したものである。従って、(1/2)fchから(7/2)fchの基底帯域にチャンネル1からチャンネル3が多重化され、fchずつ離れた帯域幅3fchの帯域にチャンネル1からチャンネル3の信号が存在している。
【0053】図3(10)は、図3(9)の信号を補間回路12によって2倍の周波数で“0”補間してPPF13によってPPF処理したものである。従って、(1/2)fchから(7/2)fchの基底帯域にチャンネル1からチャンネル3が多重化され、5fchずつ離れた帯域幅3fchの帯域にチャンネル1からチャンネル3の信号が存在している。
【0054】図3(11)は、上記と同様にしてチャンネル4乃至チャンネル6を多重化し、補間回路12aによって2倍の周波数で“0”補間してNPF14によってNPF処理したものである。従って、(−1/2)fchから(−7/2)fchの基底帯域にチャンネル4からチャンネル6が多重化され、5fchずつ離れた帯域幅3fchの帯域にチャンネル4からチャンネル6の信号が存在している。
【0055】図3(12)は、図1の加算回路16によってチャンネル0、図1のPPF13の出力である図3(10)の信号及び図1のNPF14の出力である図3(11)の信号を合成したものである。従って、(−7/2)fchから(7/2)fchの帯域幅7fChの帯域にチャンネル0乃至チャンネル6の7チャンネルが多重化されており、fchずつ離れた帯域幅7fChの帯域にチャンネル0乃至チャンネル6の7チャンネルが存在している。
【0056】図3(12)の信号をデジタル・アナログ変換器に導いてアナログ変換し、帯域7fchのろ波器で帯域制限すれば、デジタル・アナログ変換器におけるアパーチャ効果によって生ずる雑音と、不要な帯域の信号とを除去できる。そして、無線送信装置における以降の送信処理は図8における直交変調部105以降の構成要素によって行なわれる。
【0057】さて、図1の構成の特徴は、複数チャンネルの信号源のデータをデジタル値に変換し、標本化周波数を上昇した後にチャンネル毎に標本値を間引き、間引き処理を行なった信号の正規化角周波数をシフトした後に複数のチャンネルを合成する処理を行なう多チャンネル一括変調回路において、標本値の間引き比を標本化周波数を上昇させる比8より小さく設定すると共に、該間引き比をチャンネル1、チャンネル3、チャンネル4及びチャンネル6については4とし、チャンネル2及びチャンネル5については2とし、チャンネル0については1として、チャンネルによって異ならせ、該間引き比が最高4であるチャンネル1及びチャンネル3の2チャンネルと該間引き比が1段小さく2であるチャンネル2とを合成し、同様に該間引き比が4であるチャンネル4及びチャンネル6と該間引き比が2であるチャンネル5とを合成し、上記の如くして合成された2つの3チャンネルの信号とチャンネル0を合成する点にある。
【0058】即ち、標本値の間引き比を標本化周波数を上昇させる比より小さく設定するので、間引き比4と間引き比2で間引かれた信号と間引きを行なわない信号の周波数帯域が隣接することがなくなって、隣接帯域に存在する同一信号の帯域端成分が雑音として残留することがなくなる。これは、図2(5)において例えばチャンネル2の信号が3fchだけ離れて存在すること、図3(6)において例えばチャンネル1の信号がfchだけ離れて存在することを見れば判ることである。
【0059】又、チャンネルによって該間引き比を異ならせるからチャンネルによって占める帯域が異なり、且つ、該間引き比が大きい程チャンネルが占める帯域の間隔が狭くなる。従って、該間引き比を異ならせることによって複数のチャンネルの信号を異なる帯域に分布させることが可能になって、チャンネル間の干渉なしに該間引き比が同一な2チャンネルと該間引き比が1段小さい1チャンネルを合成することができる。
【0060】これは、図3(9)においてチャンネル1からチャンネル3の信号がfchだけ離れて存在することを見れば判ることである。更に、上記の如く合成された3チャンネルよりなる2つの信号と更に該間引き比が1段小さい1チャンネルとを合成するので、チャンネル間の干渉なしに7チャンネルを合成することができる。
【0061】しかも、図1と図9を比較すれば明白な通り、本発明の多チャンネル一括変調回路は従来の多チャンネル一括変調回路より複素QMFフィルタの数が少なくて済む。即ち、従来の多チャンネル一括変調回路においては、図9の例では4チャンネルの信号を一括変調するために6個の複素QMFフィルタが必要であり、図示はしていないが、8チャンネルの信号を一括変調するためには14個の複素QMFフィルタが必要なのに対して、本発明の多チャンネル一括変調回路においては、図1の例では7チャンネルの信号を一括変調するために6個のQMFフィルタがあればよい。
【0062】図4は、本発明の多チャンネル一括変調回路の構成(その2)で、チャンネル0乃至チャンネル14の15チャンネルの信号を一括多重する構成である。図4において、1はチャンネル1信号源、1aはチャンネル2信号源、1bはチャンネル3信号源、1cはチャンネル6信号源、1dはチャンネル5信号源、1eはチャンネル4信号源、1fはチャンネル0信号源、1gはチャンネル7信号源、1hはチャンネル8信号源、1jはチャンネル9信号源、1kはチャンネル10信号源、1mはチャンネル11信号源、1nはチャンネル12信号源、1pはチャンネル13信号源、1qはチャンネル14信号源である。尚、図では「チャンネル」を「CH」と略記すると共に、「信号源」を省略して記載している。
【0063】2乃至2gは遅延時間τ1 の遅延回路、2h乃至2mは遅延時間τ2 の遅延回路である。尚、図ではτ1 又はτ2 のみを記載している。以降も、図では同様に記載する。遅延回路2乃至2gをチャンネル1信号源、チャンネル3信号源、チャンネル5信号源、チャンネル7信号源、チャンネル8信号源、チャンネル10信号源、チャンネル12信号源及びチャンネル14信号源の出力側に挿入し、遅延回路2h乃至2mをチャンネル2信号源、チャンネル6信号源、チャンネル9信号源及びチャンネル13信号源の出力側に挿入するのは、後で説明するように、チャンネル1、チャンネル3、チャンネル5、チャンネル7、チャンネル8、チャンネル10、チャンネル12及びチャンネル14については間引き比8によってデータを1/8に間引き、チャンネル2、チャンネル6、チャンネル9及びチャンネル13については間引き比4によってデータを1/4に間引くため、間引き処理の遅延時間が異なるのを補償するためである。
【0064】3は各チャンネル毎のデータをQPSK変調した後に“0”補間をして標本化周波数を上昇させるQPSK変調/補間部である。ここでは、16倍の周波数で“0”補間することを想定している。4f乃至4wはQPSK変調/補間部の各チャンネル毎の出力の標本化周波数を後段のマルチ・レート・フィルタ・バンクのサブ・チャンネル間隔を基調とした周波数に変換する周波数変換部である。尚、図では「f変換」と略記している。
【0065】5は、QPSK変調/補間部3において16倍の周波数で“0”補間され、周波数変換部4gにおいてマルチ・レート・フィルタ・バンクのサブ・チャンネル間隔を基調とした周波数に変換されたチャンネル2のデータを間引く間引回路で、ここでは間引き比4で1/4にデータを間引くことを想定している。同様に、5aはチャンネル6のデータを間引く間引回路、5bはチャンネル9のデータを間引く間引回路、5cはチャンネル13のデータを間引く間引回路で、いすれも間引き比4でデータを1/4に間引くことを想定している。
【0066】5dは、QPSK変調/補間部3において16倍の周波数で“0”補間され、周波数変換部4jにおいてマルチ・レート・フィルタ・バンクのサブ・チャンネル間隔を基調とした周波数に変換されたチャンネル2のデータを間引く間引回路で、ここでは間引き比2で1/2にデータを間引くことを想定している。同様に、5eはチャンネル11のデータを間引く間引回路で、間引き比2でデータを1/2に間引くことを想定している。
【0067】5fは、QPSK変調/補間部3において16倍の周波数で“0”補間され、周波数変換部4fにおいてマルチ・レート・フィルタ・バンクのサブ・チャンネル間隔を基調とした周波数に変換されたチャンネル1のデータを間引く間引回路で、ここでは間引き比8で1/8にデータを間引くことを想定している。同様に、5gはチャンネル3のデータを間引く間引回路、5hはチャンネル5のデータを間引く間引回路、5jはチャンネル7のデータを間引く間引回路、5kはチャンネル8のデータを間引く間引回路、5mはチャンネル10のデータを間引く間引回路、5nはチャンネル12のデータを間引く間引回路、5pはチャンネル14のデータを間引く間引回路で、いずれも間引き比8でデータを1/8に間引くことを想定している。
【0068】6aは間引回路5f、5、5g、5d、5h、5a及び5jが出力するデータ毎に(−1)を交互に乗算して正規化角周波数をπ/2だけシフトする周波数シフト回路で、チャンネル毎に(−1)n (nはデータ番号で正の整数である。)を生成する回路と乗算回路とを備えている。これは、複素QMFフィルタ・バンクへの入力条件である、主信号を正規化角周波数0からπ又は正規化角周波数(−π)から0の基底帯域に合わせるためである。
【0069】同様に、6bは間引回路5k、5b、5m、5e、5n、5c及び5pが出力するデータ毎に(−1)を交互に乗算して正規化角周波数をπ/2だけシフトする周波数シフト回路で、チャンネル毎に(−1)n (nはデータ番号で正の整数である。)を生成する回路と乗算回路とを備えている。7乃至7gは補間回路で、ここでは2倍の周波数で“0”補間をすることを想定している。尚、図では「×2」とだけ記載している。
【0070】8及び8cは正規化角周波数0からπの基底帯域の信号を通過させる複素QMFフィルタであるPPF、9及び9cは正規化角周波数(−π)から0の基底帯域の信号を通過させるNPFである。尚、PPF及びNPFの周波数特性は図1の説明において記載した通りである。
【0071】10b乃至10eは遅延時間τ4 の遅延回路である。ここで、遅延回路10bを用いるのは、チャンネル1の信号は補間回路7とPPF8を通過し、チャンネル3の信号は補間回路7aとNPF9を通過するのに対して、チャンネル2の信号はこれらの回路を通過せずにチャンネル1及びチャンネル3と合成されるので、チャンネル1乃至チャンネル3で遅延時間を合わせるためである。遅延回路10c乃至遅延回路10eを用いるのも同様な理由である。
【0072】11及び11cは加算回路で、加算回路11はPPF8とNPF9の出力及び遅延回路10bの出力を合成し、加算回路11aはPPF8aとNPF9aの出力及び遅延回路10cの出力をを合成し、加算回路11bはPPF8bとNPF9bの出力及び遅延回路10dの出力を合成し、加算回路11cはPPF8cとNPF9cの出力及び遅延回路10eの出力をを合成する。即ち、加算回路11によってチャンネル1乃至チャンネル3が合成され、加算回路11aによってチャンネル5乃至チャンネル7が合成され、加算回路11bによってチャンネル8乃至チャンネル10が合成され、加算回路11cによってチャンネル12乃至チャンネル14が合成される。
【0073】12乃至12cは補間回路で、ここでは2倍の周波数で“0”補間をすることを想定している。13は補間回路12の出力の基底帯域0からπの信号を通過させるPPF、14は補間回路12aの出力の基底帯域(−π)から0の信号を通過させるNPF、13aは補間回路12bの出力の基底帯域0からπの信号を通過させるPPF、14aは補間回路12cの出力の基底帯域(−π)から0の信号を通過させるNPFである。
【0074】15及び15aは遅延時間τ5 の遅延回路である。遅延回路15及び15aを使用するのは、チャンネル1乃至チャンネル7の処理遅延時間を合わせるためとチャンネル8乃至チャンネル14の処理遅延時間を合わせるためである。16及び16aは加算回路で、加算回路16はPPF13の出力、NPF14の出力及び遅延回路15の出力を合成し、加算回路16aはPPF13aの出力、NPF14aの出力及び遅延回路15aの出力を合成する。
【0075】17及び17aは補間回路で、ここでは2倍の周波数で“0”補間をすることを想定している。18は補間回路17の出力の基底帯域0からπの信号を通過させるPPF、19は補間回路17aの出力の基底帯域(−π)から0の信号を通過させるNPFである。
【0076】20は、遅延時間τ6 の遅延回路である。遅延回路20を使用するのはチャンネル0乃至チャンネル14の処理遅延時間を合わせるためである。21は加算回路で、PPF18の出力、NPF19の出力及び遅延回路20の出力を合成する。即ち、加算回路21によってチャンネル0乃至チャンネル14の15チャンネルが合成され、加算回路21の出力が図4の構成の多チャンネル一括変調回路の出力である。
【0077】図5は、本発明の一括変調のプロセスを説明する図(その2−1)、図6は、本発明の一括変調のプロセスを説明する図(その2−2)、図7は、本発明の一括変調のプロセスを説明する図(その2−3)で、図5乃至図7全体で図4の構成の一括変調プロセスを説明するものである。図5(1)は、図4のQPSK変調/補間部3の各チャンネルの出力である。QPSK変調/補間部3において16倍の周波数で“0”補間処理を行なうことを想定しているので、シンボル・レートをfd とすると正規化周波数0を中心とした帯域fd と、16fd ずつ離れた帯域fd に信号成分が存在している。
【0078】図5(2)は、図4の周波数変換部4f乃至4wのいずれかの出力である。周波数変換部4f乃至4wにおいてシンボル・レートfd をマルチ・レート・フィルタ・バンクのサブ・チャンネル間隔fchに変換しているので周波数は異なっているが、信号成分が存在する帯域は図5(1)と相似である。図5(3)は、図4における間引回路5d又は5eのいずれかの出力である。16倍の周波数で“0”補間処理をし、間引き比2でデータを1/2に間引きを行なっているので、サブ・チャンネル周波数fchの8倍の周波数だけ離れた帯域に信号成分が存在するようになっている。
【0079】図5(4)は、図4における間引回路5乃至5cのいずれかの出力である。16倍の周波数で“0”補間処理をし、間引き比4でデータを1/4に間引きを行なっているので、サブ・チャンネル周波数fchの4倍の周波数だけ離れた帯域に信号成分が存在するようになっている。図5(5)は、図4における間引回路5f乃至5pのいずれかの出力である。16倍の周波数で“0”補間処理をし、間引き比8でデータを1/8に間引きを行なっているので、サブ・チャンネル周波数fchの2倍の周波数だけ離れた帯域に信号成分が存在するようになっている。
【0080】図5(6)は、図5(3)の信号を図4における周波数シフト回路6a又は6bを通過させた出力で、データ毎に(−1)を交互に乗算する処理を行なっているので、正規化角周波数はπ/2だけシフトされている。即ち、例えば、(−1/2)fchから(1/2)fchの帯域の信号は(7/2)fchから(9/2)fchの帯域にシフトされている。図5(3)がチャンネル4の信号であれば、図5(6)はチャンネル4の信号である。
【0081】図5(7)は、図5(4)の信号を図4における周波数シフト回路6a又は6bを通過させた出力で、データ毎に(−1)を交互に乗算する処理を行なっているので、正規化角周波数はπ/2だけシフトされている。即ち、例えば、(−1/2)fchから(1/2)chの帯域の信号は(3/2)fchから(5/2)fchの帯域にシフトされている。これは、図4のチャンネル2又はチャンネル6又はチャンネル9又はチャンネル13の信号である。
【0082】図5(8)は、図5(5)の信号を図4における周波数シフト回路6a又は6bを通過させた出力で、データ毎に(−1)を交互に乗算する処理を行なっているので、正規化角周波数はπ/2だけシフトされている。即ち、例えば、(−1/2)fchから(1/2)fchの帯域の信号は(1/2)fchから(3/2)fchの帯域にシフトされている。これは、図4のチャンネル1又はチャンネル3又はチャンネル5又はチャンネル7又はチャンネル8又はチャンネル10又はチャンネル12又はチャンネル14の信号である。
【0083】図6(9)は、図5(8)の信号にPPF処理をした出力である。図5(8)がチャンネル1の信号であれば、図6(9)はチャンネル1の信号である。図6(10)は、図5(8)の信号にNPF処理をした出力である。図5(8)がチャンネル3の信号であれば、図6(10)はチャンネル3の信号である。図6(11)は、遅延回路10bの出力である。図5(7)がチャンネル2の信号であれば、図6(11)はチャンネル2の信号である。
【0084】図6(12)は、チャンネル1からチャンネル3の信号を加算回路11によって合成したものである。従って、(1/2)fchから(7/2)fchの基底帯域にチャンネル1からチャンネル3が多重化され、fchずつ離れた帯域幅3fchの帯域にチャンネル1とチャンネル3の信号が存在する。図6(13)は、図6(12)の信号を図4の補間回路12によって2倍の周波数で“0”補間してPPF13によってPPF処理したものである。従って、(1/2)fchから(7/2)fchの基底帯域にチャンネル1からチャンネル3が多重化され、5fchずつ離れた帯域幅3fchの帯域にチャンネル1からチャンネル3の信号が存在している。
【0085】図6(14)は、上記と同様にしてチャンネル5乃至チャンネル7を多重化し、図4の補間回路12aによって2倍の周波数で“0”補間してNPF14によってNPF処理したものである。従って、(−1/2)fchから(−7/2)fchの基底帯域にチャンネル5からチャンネル7が多重化され、5fchずつ離れた帯域幅3fchの帯域にチャンネル5からチャンネル7の信号が存在している。
【0086】図6(15)は、図4の遅延回路15の出力である。図6(16)は、図4の加算回路16の出力で、チャンネル1乃至チャンネル3、チャンネル5乃至チャンネル7及びチャンネル4の信号、即ち、図6(13)、図6(14)及び図6(15)の信号を合成したものである。図6(17)は、図6(15)の信号を2倍の周波数で“0”補間して、図4のPPF18によってPPF処理したものである。
【0087】同様に、図7(18)は、チャンネル8乃至チャンネル14の信号を合成したもので、図4のNPF19の出力である。図7(19)は、図4の加算回路21の出力で、チャンネル1乃至チャンネル7、チャンネル8乃至チャンネル14及びチャンネル0の信号を合成したものである。
【0088】図7(19)の信号をデジタル・アナログ変換器に導いてアナログ変換し、帯域16fchのろ波器で帯域制限すれば、デジタル・アナログ変換器におけるアパーチャ効果によって生ずる雑音と、不要な帯域の信号とを除去できる。そして、無線送信装置における以降の送信処理は図8における直交変調部105以降の構成要素によって行なわれる。
【0089】さて、図4の構成の特徴は、複数チャンネルの信号源のデータをデジタル値に変換し、標本化周波数を上昇した後にチャンネル毎に標本値を間引き、間引き処理を行なった信号の正規化角周波数をシフトした後に複数のチャンネルを合成する処理を行なう多チャンネル一括変調回路において、標本値の間引き比を標本化周波数を上昇させる比16より小さく設定すると共に、該間引き比をチャンネル1、チャンネル3、チャンネル5、チャンネル7、チャンネル8、チャンネル10、チャンネル12及びチャンネル14については8とし、チャンネル2、チャンネル6、チャンネル9及びチャンネル13については4とし、チャンネル4及びチャンネル11については2とし、チャンネル0については1として、チャンネルによって異ならせ、該間引き比が最高8であるチャンネル1及びチャンネル3の2チャンネルと該間引き比が1段小さく4であるチャンネル2とを合成し、同様に該間引き比が8であるチャンネル5及びチャンネル7と該間引き比が4であるチャンネル6とを合成し、上記の如くして合成された2つの3チャンネルの信号とチャンネル4を合成するという規則によって複数のチャンネルの信号を合成する点にある。
【0090】即ち、標本値の間引き比を標本化周波数を上昇させる比より小さく設定するので、各々の間引き比で間引かれた信号自体と間引きを行なわない信号自体の周波数帯域が隣接することがなくなって、隣接帯域に存在する同一信号の帯域端成分が雑音として残留することがなくなる。又、チャンネルによって該間引き比を異ならせるからチャンネルによって占める帯域が異なり、且つ、該間引き比が大きい程チャンネルが占める帯域の間隔が狭くなる。従って、該間引き比を異ならせることによって複数のチャンネルの信号を異なる帯域に分布させることが可能になって、チャンネル間の干渉なしに該間引き比が同一な2チャンネルと該間引き比が1段小さい1チャンネルを合成することができる。
【0091】更に、上記の如く合成された3チャンネルよりなる2つの信号と更に該間引き比が1段小さい1チャンネルとを合成するので、チャンネル間の干渉なしに7チャンネルを合成することができる。同様に、他の7チャンネルの信号もチャンネル間の干渉なしに合成することができ、これは上記7チャンネルの合成信号及びチャンネル0とは帯域が異なっている。
【0092】従って、図4の構成によってチャンネル0乃至チャンネル14の15チャンネルの信号をチャネル間干渉なしに一括変調することが可能である。そして、図4の構成では15チャンネルの信号を一括変調するために14個の複素QMFフィルタを必要とするだけである。図示はしていないが、従来の多チャンネル一括変調回路によって16チャンネルの信号を一括変調するためには30個の複素QMFフィルタが必要である。
【0093】一般的には、従来の多チャンネル一括変調回路によれば2n チャンネルの信号を一括変調するために2(2n −1)個のQMFフィルタが必要になるのに対して、本発明の多チャンネル一括変調回路においては、(2n −1)チャンネルの信号を一括変調するために3×2n-2 個のQMFフィルタがあればよく、本発明の多チャンネル一括変調回路は従来の多チャンネル一括変調回路に比較して規模を縮減することが可能である。
【0094】図1乃至図7による説明で明らかなように、本発明の多チャンネル一括変調回路の特徴は「標本値の間引き比を標本化周波数を上昇させる比より小さく設定すると共に、該間引き比をチャンネルによって異ならせ、該間引き比が最高な2チャンネルと該間引き比が1段小さい1チャンネルとを合成し、上記の如く合成された2つの信号と更に該間引き比が1段小さい1チャンネルとを合成するという規則に従って複数のチャンネルを合成する」点にある。
【0095】又、図1及び図4の構成図に明示しているように、「間引き比が同一な2チャンネルと間引き比が1段小さい1チャンネルとを合成する際に、該間引き比が同一な2チャンネルのうちの一方はポジティブ・パス・フィルタを通過させ、該間引き比が同一な2チャンネルのうちのもう一方はネガティブ・パス・フィルタを通過させ、該間引き比が1段小さい1チャンネルは該ポジティブ・パス・フィルタ及び該ネガティブ・パス・フィルタの処理遅延時間を補償する遅延回路を通過させる」ことが本発明の第二の特徴である。
【0096】
【発明の効果】以上詳述した如く、本発明により、多チャンネル一括変調回路の構成を簡易化すると共に帯域端における帯域通過ろ波器の減衰が有限であるために混入する隣接帯域の信号のイメージ信号の影響を受けない多チャンネル一括変調回路を実現することが可能になる。
【0097】即ち、第一の発明によれば、標本値を間引き比を標本化周波数を上昇させる比より小さく設定するので、特定の該間引き比によって間引かれた信号の周波数帯域が隣接することがなくなって、隣接帯域に存在する同一信号の帯域端成分が雑音として残留することがなくなる。又、チャンネルによって該間引き比を異ならせるからチャンネルが占める帯域が異なり、且つ、該間引き比が大きい程チャンネルが占める帯域の間隔が大きくなる。従って、該間引き比を異ならせることによって複数のチャンネルの信号を異なる帯域に分布させることが可能になって、チャンネル間の干渉なしに該間引き比が同一な2チャンネルと該間引き比が1段小さい1チャンネルを合成することができる。
【0098】更に、上記の如く合成された3チャンネルよりなる2つの信号と更に該間引き比が1段小さい1チャンネルとを合成するので、チャンネル間の干渉なしに7チャンネルを合成することができる。以降は、上記規則の繰り返しによって複数のチャンネルを合成するので、更に多数のチャンネルを合成する時にもチャンネル間の干渉なしに合成することが可能になる。
【0099】又、第二の発明によれば、第一の発明の多チャンネル一括変調回路において、上記間引き比が同一な2チャンネルと該間引き比が1段小さい1チャンネルとを合成する際に、該間引き比が同一な2チャンネルのうちの一方はポジティブ・パス・フィルタを通過させ、該間引き比が同一な2チャンネルのうちのもう一方はネガティブ・パス・フィルタを通過させ、該間引き比が1段小さい1チャンネルは該ポジティブ・パス・フィルタ及び該ネガティブ・パス・フィルタの処理遅延時間を補償する遅延回路を通過させるので、3チャンネルを合成するために2個のフィルタを使用すればよく、2チャンネルを合成するために2個のフィルタを必要とした従来の多チャンネル一括変調回路に比較してフィルタの個数を縮減することができる。
【0100】又、該間引き比が1段小さい1チャンネルは該ポジティブ・パス・フィルタ及び該ネガティブ・パス・フィルタの処理遅延時間を補償する遅延回路を通過させるので、全てのチャンネルに対する処理遅延時間を一致させることが可能で、合成された信号の伝送品質を確保することが可能である。




 

 


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