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発明の名称 記録媒体の表面処理方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2003−6844(P2003−6844A)
公開日 平成15年1月10日(2003.1.10)
出願番号 特願2001−194373(P2001−194373)
出願日 平成13年6月27日(2001.6.27)
代理人 【識別番号】100105094
【弁理士】
【氏名又は名称】山▲崎▼ 薫
【テーマコード(参考)】
5D006
5D112
【Fターム(参考)】
5D006 AA01 DA03 FA01 
5D112 AA07 AA24 BC02
発明者 板井 雄一郎 / 片山 眞樹 / 笠松 祥治
要約 課題
記録媒体上でできる限り腐食痕の発生を抑制することができる記録媒体の表面処理方法を提供する。

解決手段
潤滑剤膜23の形成後に記録媒体22の表面は塩基31に曝される。記録媒体22が塩基31に曝されると、記録媒体22の表面や潤滑剤膜23中に存在する有機酸32は塩33に変換されることができる。こうして記録媒体22の表面や潤滑剤膜23中から有機酸32は洗い落とされる。有機酸32の減少は長期間にわたって腐食痕の発生を防止する。
特許請求の範囲
【請求項1】 記録媒体の表面に形成される潤滑剤膜に向けて紫外線を照射する工程と、紫外線の照射後に塩基に記録媒体を曝す工程とを備えることを特徴とする記録媒体の表面処理方法。
【請求項2】 請求項1に記載の記録媒体の表面処理方法において、前記塩基は脂肪族アミン化合物であることを特徴とする記録媒体の表面処理方法。
【請求項3】 請求項1に記載の記録媒体の表面処理方法において、塩基に記録媒体を曝すにあたって、記録媒体は塩基含有溶液に浸漬されることを特徴とする記録媒体の表面処理方法。
【請求項4】 請求項3に記載の記録媒体の表面処理方法において、前記塩基含有溶液の溶媒はハイドロフルオロエーテル化合物であることを特徴とする記録媒体の表面処理方法。
【請求項5】 記録媒体の表面に潤滑剤膜を形成する工程と、塩基に記録媒体を曝す工程とを備えることを特徴とする記録媒体の表面処理方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばハードディスク駆動装置(HDD)に組み込まれる磁気ディスクといった記録媒体に関し、特に、記録媒体の表面に潤滑剤膜を形成する記録媒体の表面処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばDLC(ダイヤモンドライクカーボン)層といった磁気ディスクの表面や、磁気ディスクの表面に形成される潤滑剤膜中には、多かれ少なかれシュウ酸や酢酸といった有機酸が存在する。こういった有機酸は、磁気ディスク表面の水分に溶融して磁気ディスクの腐食(さび)を誘引する。磁気ディスクの表面にはいわゆる腐食痕が形成されてしまう。腐食痕は磁気ディスクの表面から盛り上がる。
【0003】例えば、磁気ディスクの製造過程で潤滑剤膜には紫外線が照射される。こうして紫外線が照射されると、潤滑剤膜は磁気ディスクの表面に満遍なく広がることができる。しかも、磁気ディスクの表面では撥水性は高められることができる。磁気ディスクの摩擦力は弱められることができる。その一方で、紫外線の照射は、磁気ディスクの表面や潤滑剤膜中に比較的に多量の有機酸を生成させてしまう。磁気ディスクの腐食は促進されてしまう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】例えばハードディスク駆動装置(HDD)では、高密度な磁気記録の実現にあたってヘッドスライダの浮上量は低減されていく傾向にある。こうして浮上量が低減されると、磁気ディスクの回転中にヘッドスライダが腐食痕に衝突する確立は上昇する。こうしてヘッドスライダが腐食痕に衝突すると、ヘッドスライダの破損が懸念される。
【0005】本発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、記録媒体上でできる限り腐食痕の発生を抑制することができる記録媒体の表面処理方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、第1発明によれば、記録媒体の表面に形成される潤滑剤膜に向けて紫外線を照射する工程と、紫外線の照射後に塩基に記録媒体を曝す工程とを備えることを特徴とする記録媒体の表面処理方法が提供される。
【0007】一般に、記録媒体上の潤滑剤膜に紫外線が照射されると、潤滑剤膜は記録媒体の表面に満遍なく広がることができる。同時に、記録媒体の表面では撥水性は高められることができる。記録媒体の摩擦力は弱められることができる。
【0008】しかも、記録媒体が塩基に曝されると、記録媒体の表面や潤滑剤膜中に存在する有機酸は塩に変換されることができる。有機酸は消費される。こうして記録媒体の表面や潤滑剤膜中から有機酸は除去されることができる。こういった有機酸の減少は長期間にわたって腐食痕の発生を防止することに大いに役立つ。前述のような紫外線の照射は、記録媒体の表面や潤滑剤膜中に比較的に多量の有機酸を生成させてしまう。こういった場合でも、塩基の働きによれば、記録媒体の表面や潤滑剤膜中に存在する有機酸は劇的に減少することが確認された。
【0009】塩基含有溶液に含まれる塩基は弱塩基であればよい。特に、こういった塩基はアミン化合物であればよい。アミン化合物には、例えば脂肪族アミン化合物が含まれることができる。
【0010】塩基に記録媒体を曝すにあたっては、記録媒体は塩基含有溶液に浸漬されればよい。塩基含有溶液では、例えばハイドロフルオロエーテル化合物といった溶媒に前述の塩基が溶かし込まれればよい。
【0011】潤滑剤膜は例えばパーフルオロエーテル化合物であればよい。特に、こういったパーフルオロポリエーテル化合物では、分子の末端がピペロニル基で封鎖されることが望まれる。
【0012】前述のような紫外線は例えば200nm以下の波長の紫外線を含むことが望まれる。こういった波長の紫外線は効率的に酸素分子からオゾンを作り出すことができる。したがって、記録媒体の表面では酸化反応は促進されることができる。こういった酸化反応の働きで、記録媒体の表面で潤滑剤膜は記録媒体の表面に満遍なく広がることができる。
【0013】また、第2発明によれば、記録媒体の表面に潤滑剤膜を形成する工程と、塩基に記録媒体を曝す工程とを備えることを特徴とする記録媒体の表面処理方法が提供される。
【0014】記録媒体が塩基に曝されると、記録媒体の表面や潤滑剤膜中に存在する有機酸は塩に変換されることができる。有機酸は消費される。こうして記録媒体の表面や潤滑剤膜中から有機酸は除去されることができる。こういった有機酸の減少は長期間にわたって腐食痕の発生を防止することに大いに役立つ。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しつつ本発明の一実施形態を説明する。
【0016】図1は記録媒体向け表面処理システムの構成を概略的に示す。この表面処理システム11は潤滑剤塗布装置12を備える。潤滑剤塗布装置12の液漕13は潤滑剤含有液14で満たされる。潤滑剤含有液14では、例えばフッ素系溶剤にパーフルオロエーテル系化合物すなわち潤滑剤が溶かし込まれる。フッ素系溶剤には例えば0.005〜0.05重量%程度で潤滑剤が含まれればよい。特に、潤滑剤には、両末端にピペロニル基を備えるパーフルオロポリエーテルが用いられればよい。
【0017】表面処理システム11には紫外線照射装置15が組み込まれる。この紫外線照射装置15は、例えば複数個の紫外線ランプ16を収容するチャンバ17を備える。紫外線ランプ16は、例えば200nm以下の波長(例えば185nm)の紫外線と、200nmを超える波長(例えば254nm)の紫外線とを出力することができる。チャンバ17内では、酸素を含む雰囲気が確立されればよい。チャンバ17内は例えば大気で満たされればよい。
【0018】表面処理システム11にはさらに洗浄装置18が組み込まれる。洗浄装置18は、塩基含有溶液19で満たされる液漕21を備える。塩基含有溶液19では、例えばハイドロフルオロエーテルといったフッ素系溶剤に弱塩基すなわちアミン化合物が溶かし込まれる。フッ素系溶剤には例えば0.001〜1重量%程度で脂肪族第1級アミンが含まれればよい。
【0019】次に、以上のような表面処理システム11で実現される記録媒体の表面処理方法を詳述する。まず、図2に示されるように、磁気ディスク22は潤滑剤含有液14に浸される。潤滑剤含有溶液14中で磁気ディスク22の表面には潤滑剤すなわちパーフルオロポリエーテル23が付着する。こうして磁気ディスク22の表面には潤滑剤膜が形成される。ピペロニル基24は磁気ディスク22の表面に成膜されるDLC(ダイヤモンドライクカーボン)に優れた親和性を発揮する。パーフルオロポリエーテル23は磁気ディスク22の表面に高い安定度で付着することができる。
【0020】こうした潤滑剤膜の形成に先立って磁気ディスク22は洗浄液(図示せず)に浸されてもよい。こういった洗浄液には、例えば水や低級アルコール、アセトンといった有極性液体が用いられればよい。こうした有極性液体は、磁気ディスク22の表面から例えば硝酸イオンやリン酸イオン、硫酸イオン、シュウ酸イオンといった親水性のイオン系コンタミネーションを洗い落とすことができる。その他、洗浄液にはトルエンやヘキサンといった有機溶剤が用いられてもよい。こういった有機溶剤は、磁気ディスク22の表面から例えばシリコン含有有機化合物といった疎水性の有機物コンタミネーションを洗い落とすことができる。
【0021】その後、磁気ディスク22は紫外線照射装置15に送り込まれる。磁気ディスク22はチャンバ17内に放り込まれる。チャンバ17内で紫外線ランプ16が点灯されると、図3に示されるように、チャンバ17内に漂う酸素分子26は紫外線27の働きでオゾン28に変換される。生成されたオゾン28は磁気ディスク22の表面で酸化反応を促す。こうした酸化反応の影響で、磁気ディスク22の表面とパーフルオロポリエーテル23との親和性は高められる。パーフルオロポリエーテル23は磁気ディスク22の表面に満遍なく広がることができる。特に、波長200nm以下の紫外線27はオゾン28の発生を助長すると考えられる。
【0022】磁気ディスク22の表面でパーフルオロポリエーテル23に紫外線が照射されると、パーフルオロポリエーテル23の分子は高分子化される。こうした高分子化は潤滑剤膜の撥水性を高める。同時に、高分子化に基づき、潤滑剤膜の摩擦力は低減される。特に、200nmを超える波長の紫外線27は化合物分子の高分子化を助長すると考えられる。
【0023】その後、磁気ディスク22は洗浄装置18に送り込まれる。磁気ディスク22は塩基含有溶液19に浸される。図4に示されるように、塩基含有溶液19中の塩基31は、磁気ディスク22の表面や潤滑剤膜中に存在するシュウ酸や酢酸といった有機酸32に結びつく。こうした結びつきの結果、有機酸32は塩33に変換される。有機酸32は消費される。こうして磁気ディスク22の表面や潤滑剤膜中に存在する有機酸32は洗い落とされる。特に、前述のように磁気ディスク22の表面すなわちDLC層や潤滑剤膜に紫外線が照射されると、磁気ディスク22の表面や潤滑剤膜中には比較的に多くの有機酸32は生成されてしまう。
【0024】本発明者は塩基含有溶液19の洗浄効果を検証した。この検証では、前述のように磁気ディスク22が塩基含有溶液19に浸された後に、磁気ディスク22の表面に残存するシュウ酸の質量が測定された。測定にはイオンクロマトグラフィーが用いられた。検証にあたって、比較例に係る磁気ディスクは用意された。この比較例では、前述のような紫外線27の照射後にシュウ酸の質量は測定された。比較例に係る磁気ディスクは塩基含有溶液19に浸されなかった。図5から明らかなように、塩基含有溶液19に浸された結果、磁気ディスク22上のシュウ酸は減少することが確認された。
【0025】続いて本発明者は、本実施形態に係る磁気ディスク22の表面と、比較例に係る磁気ディスクの表面とで腐食痕(結露痕)を計数した。計数に先立って、それぞれの磁気ディスクは高温多湿の環境下に放置された。温度は80℃に設定された。湿度は95%に設定された。2時間後に各磁気ディスク上の腐食痕は計数された。図6から明らかなように、塩基含有溶液19に浸された結果、磁気ディスク22上の腐食痕は劇的に減少することが確認された。
【0026】(付記1) 記録媒体の表面に形成される潤滑剤膜に向けて紫外線を照射する工程と、紫外線の照射後に塩基に記録媒体を曝す工程とを備えることを特徴とする記録媒体の表面処理方法。
【0027】(付記2) 付記1に記載の記録媒体の表面処理方法において、前記塩基は弱塩基であることを特徴とする記録媒体の表面処理方法。
【0028】(付記3) 付記1に記載の記録媒体の表面処理方法において、前記塩基はアミン化合物であることを特徴とする記録媒体の表面処理方法。
【0029】(付記4) 付記1に記載の記録媒体の表面処理方法において、前記塩基は脂肪族アミン化合物であることを特徴とする記録媒体の表面処理方法。
【0030】(付記5) 付記1に記載の記録媒体の表面処理方法において、塩基に記録媒体を曝すにあたって、記録媒体は塩基含有溶液に浸漬されることを特徴とする記録媒体の表面処理方法。
【0031】(付記6) 付記5に記載の記録媒体の表面処理方法において、前記塩基含有溶液の溶媒はハイドロフルオロエーテル化合物であることを特徴とする記録媒体の表面処理方法。
【0032】(付記7) 付記1に記載の記録媒体の表面処理方法において、前記潤滑剤膜はパーフルオロエーテル化合物であることを特徴とする記録媒体の表面処理方法。
【0033】(付記8) 付記1に記載の記録媒体の表面処理方法において、前記紫外線は200nm以下の波長の紫外線を含むことを特徴とする記録媒体の表面処理方法。
【0034】(付記9) 記録媒体の表面に潤滑剤膜を形成する工程と、塩基に記録媒体を曝す工程とを備えることを特徴とする記録媒体の表面処理方法。
【0035】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、記録媒体上でできる限り腐食痕の発生は抑制されることができる。




 

 


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