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発明の名称 色素組成物
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2003−292810(P2003−292810A)
公開日 平成15年10月15日(2003.10.15)
出願番号 特願2002−95874(P2002−95874)
出願日 平成14年3月29日(2002.3.29)
代理人
発明者 磯部 哲宏
要約 課題
本発明は、耐光性、耐熱性、pH安定性に優れた天然系青色色素組成物を提供することを目的とする。

解決手段
蝶豆花弁、蝶豆抽出液もしくは蝶豆色素粉末と、芳香族有機酸もしくは脂肪族有機酸残基を含む化合物とを混合してなる青色色素組成物。芳香族有機酸もしくは脂肪族有機酸残基を含む化合物が、食品添加物である上記青色色素組成物。
特許請求の範囲
【請求項1】 蝶豆花弁、蝶豆抽出液もしくは蝶豆色素粉末と、芳香族有機酸もしくは脂肪族有機酸残基を含む化合物とを混合してなる青色色素組成物。
【請求項2】 芳香族有機酸もしくは脂肪族有機酸残基を含む化合物が、食品添加物である請求項1に記載の青色色素組成物。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、天然系青色着色剤などに使用できる青色色素組成物に関する。本発明の青色色素組成物は、従来の動物または植物から得られる青色色素組成物より耐熱性、耐光性、pH安定性などに優れている。
【0002】
【従来の技術】天然系青色色素としては、アントシアニン系色素が使用され、植物花弁あるいは果実から抽出され製剤化されている。植物中では配糖体、さらに各種有機酸でアシル化された状態や他の生体成分との複合体として存在することが多く、アグリコン部分であるアントシアニジンの種類、結合糖ならびに有機酸の種類など、さらにそれらの数によって数多くの化学構造が存在している。発色団は基本骨格のアントシアニジンであり、フラビニウムカチオンを母格として結合する水酸基メトキシ基の数、位置によってシアニジン、ペオニジン、マルビジン、ペラルゴニジン、デルフィニジンならびにペチュニジンなどに分類される。化学構造上大きな違いが無いにもかかわらず多種多様な色調を示す興味深い色素である。アントシアニン系色素の最大の特徴は、pHの変動によって色調ならびに安定性が大きく変化することである。即ち、強酸性溶液中では単一のフラビニウムイオン型をとり、赤色を呈する。中性溶液中ではアンヒドロ塩基となり紫色を呈する。塩基性溶液中では、アンヒドロ塩基アニオンとなり、青色を呈する。弱酸性から中性付近の領域では生成するアンヒドロ塩基が水和され易く、無色のプソイド塩基となり速やかに退色する。このようにアントシアニン系色素はpH指示薬様の挙動を示す。このような特徴から、酸性食品への着色に利用されてきた。一方、その優れた色調にもかかわらず、光、熱、酸素などに対して不安定であるがために、食品への応用範囲が限定されている。例えば、UV殺菌、加熱殺菌処理などが必要な食品、店頭で自然光に長時間さらされる食品、消費者が加熱処理を施す食品などへの利用である。この安定性の問題が解決できればその応用範囲も広がることになる。
【0003】今までに、アントシアニン系色素の安定性について数多くの報告があり、これらには溶液のpHは無論のこと、分子間コピグメンテーション、分子内コピグメンテーション、金属錯体などが含まれる。しかし、安定性の条件が限定されるために、結局、利用方面が限定されることになり、根本的な問題解決になっていないのが現状である。最近になって、蝶豆の花弁中に含有される色素に関する特許(特開平03−223298号公報)が出願され、従来のアントシアニン系色素を低安定性アントシアニン色素として分類され、蝶豆色素は高安定性アントシアニン色素として分類されている。
【0004】蝶豆は東南アジア原産のマメ科の植物で、主に観賞用に供されている。一方、その花の青色色素は、鮮やかで安定なため、現地では伝統的に米や菓子の着色に利用されてきた。この色素中のアントシアニン成分の化学構造が決定され、極めて安定であることが指摘され、弱酸性水溶液中での耐熱性、耐光性、および各種添加物に対する安定性が検討されている。しかし、弱酸性水溶液中での安定性向上は認められるものの、耐熱性、耐光性、および各種添加物の共存条件において、従来のアントシアニン系色素と比較して安定性向上が認められないのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐光性、耐熱性、pH安定性に優れた天然系青色色素組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】発明者らは、蝶豆花弁、蝶豆抽出液もしくは蝶豆色素粉末と、芳香族有機酸もしくは脂肪族有機酸残基を含む化合物とを混合してなる青色色素組成物が、従来の動物または植物から得られる青色色素組成物より耐熱性、耐光性、pH安定性などに優れ、天然系青色着色剤として有用であることを見出した。
【0007】すなわち、本発明は、蝶豆花弁、蝶豆抽出液もしくは蝶豆色素粉末と、芳香族有機酸もしくは脂肪族有機酸残基を含む化合物とを混合してなる青色色素組成物に関する。
【0008】また、本発明は、芳香族有機酸もしくは脂肪族有機酸残基を含む化合物が、食品添加物である上記青色色素組成物に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の色素組成物が青色に見えるのは青色色素を含有するためであり、当該青色色素として蝶豆に含まれる蝶豆色素を用いる。蝶豆色素は、蝶豆花弁、蝶豆抽出液、蝶豆色素粉末に含まれており、それをそのまま、もしくは、粉砕などの加工をして用いる。本発明で使用される蝶豆花弁は、生花花弁、乾燥花弁及びそれらの粉砕物が使用できる。
【0010】本発明で使用される蝶豆抽出液は、上記蝶豆花弁から水、有機溶剤、それらの混合溶媒で抽出された青色溶液が使用できる。有機溶剤は、色素が抽出できればよいが、エタノール、アセトン、ヘキサンなどの食用色素抽出溶媒として認可されている溶媒が好ましい。
【0011】さらに、蝶豆抽出液の溶媒を除去した色素粉末も使用できる。
【0012】本発明に使用される脂肪族有機酸残基を含む化合物は、クマル酸、カフェ酸、フェルラ酸、ヒドロキシ安息香酸、桂皮酸、糖変性酸などの芳香族有機酸、あるいは、マロン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フタル酸、アクリル酸、クロトン酸、メタクリル酸、コハク酸、酢酸、アルギン酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸などの脂肪族有機酸、【0013】からなる有機酸またはその誘導体(塩、無水物、エステル、アミド、イミドなど)を原料として少なくとも1種類使用している化合物であれば良く、前記有機酸そのものでもよいし、前記有機酸の誘導体でもよいし、さらに、これらを原料として製造できる、油脂、アクリル樹脂、エステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。更に、上記合成樹脂だけでなく天然樹脂あるいは天然変性樹脂も使用できる。例えば、アルギン酸プロピレングリコールエステル、アセチルリシノール酸メチル、エステルガム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ソルビタン脂肪酸エステル、デンプングリコール酸エステルナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリイソブチレン、ポリブテン、プロピレングリコール脂肪酸エステル、メチルセルロースなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0014】使用する有機酸残基を含む化合物は1種類に限定されるものではなく、複数で組み合わせて使用することもできる。
【0015】本発明で使用される蝶豆色素量は、色価(E10%)で1から5000の範囲になるように調整することができる。好ましくは、1から2000、より好ましくは1から1000で調整することができる。
【0016】本発明で使用される有機酸残基を含む化合物量は、最終青色色素組成物全体に対して、0.01から99.99重量%において適宜調整すればよい。すなわち、青色色素組成物は蝶豆色素の含有量においてその価値が発生するからである。有機酸残基を含む化合物は、安定化助剤であり、多く添加しても青色色素の安定性に悪影響を与えない限りにおいて添加することができる。
【0017】本発明において使用される有機酸残基を含む化合物は、水または有機溶媒または水と有機溶媒との混合溶媒に適宜添加して使用される。有機溶媒は、蝶豆花弁から得られる青色色素の安定性を阻害しない限り特に限定はない。
【0018】本発明で用いられる有機溶媒としては、エタノールなどのアルコール、トルエンなどの芳香族化合物、ベンジン、アセトンなどの非芳香族化合物などが挙げられる。好ましくは、エタノール、ヘキサン、アセトンなどの食品色素抽出溶媒として認可されているものを使用するのが良い。また、用途によっては固体としてそのまま使用しても良い。
【0019】本発明において、蝶豆花弁、蝶豆抽出液もしくは蝶豆色素粉末と、芳香族有機酸もしくは脂肪族有機酸残基を含む化合物との配合は、常法の攪拌、震盪などで行われる。また、その配合比も、特に限定はなく、利用目的に応じて蝶豆色素の色価(E10%)が発現する範囲内で、生産性や製造コストなどを鑑みて決定される。
【0020】本発明で得られた青色色素組成物は、食品用、医薬用、化粧品用、トイレタリア材料用、衣類用など多様な用途の着色剤として利用可能である。
【0021】本発明の青色色素組成物には顔料、染料、樹脂、可塑剤、無機塩類、酸化防止剤、保存剤、防かび剤、膨張剤、着香料、甘味料、酸味料、調味料、強化剤、光沢剤、ガムベース、乳化剤、油脂などを適宜添加することも可能である。
【0022】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが本発明はこれに限定されるものではない。
【0023】色素の調整方法蝶豆乾燥花弁100gに水500mlを加え、24時間攪拌しながら青色色素を抽出した。抽出液をろ過した後、減圧濃縮して色価(E10%)200に調整したところ濃青色溶液(A液)が95ml得られた。A液20gにグリセリン脂肪酸エステル5gとエステルガム5gを添加し攪拌混合した。さらに、50%エタノールを10g添加して色価100の青色色素組成物40gを得た。この青色色素組成物は、本発明で得られたものであり、これと以下に示す従来の青色色素との物性比較を行った。
【0024】(比較色素1)蝶豆乾燥花弁から水抽出によって得られたA液20gに水20gを添加して色価100の青色色素組成物40gを得た。
【0025】(比較色素2)コーン色素(和光、食品添加物試験用)に水を添加し色価100に調整した。
【0026】(比較色素3)赤色2号(東京化成、食品添加物用)に水を添加し色価100に調整した。これらの4種類の色価100に調整した色素液を用いて、以下の物性比較実験を行った。
【0027】各色素は、最大吸収波長での吸光度が1.0から1.2になるように最終調整をおこなって同一条件下で比較検討した。
【0028】実施例1熱安定性及びpH安定性試験各色素のpH3.0から6.0の試験液を作成後、20mlバイアルビンに詰め、暗所で30、60、90℃の各温度で50日間加熱した。加熱前の可視部最大吸収波長での吸光度を100%として、各測定値を色素の相対残存率として比較した。
【0029】結果を表1に示した。表記シンボルは0〜25%を×、25〜50%を△、50〜75%を○、75〜100%を◎で示している。明らかに本発明青色色素組成物の優位性が確認され、合成着色料である赤色2号と同等の結果が得られた。pHによって安定性に影響ないことも判った。
【0030】
【表1】

【0031】実施例2光安定性試験1)蛍光灯照射試験30℃恒温の密閉された箱の中に試験液の入った20mlバイアルビンを設置し、蛍光灯の光(6000ルクス)で50日間照射した後、各色素の残存率を求めた。結果を表2に示した。表記シンボルは0〜25%を×、25〜50%を△、50〜75%を○、75〜100%を◎で示している。明らかに本発明青色色素組成物の優位性が確認され、合成着色料である赤色2号よりも優れていることが判った。
【0032】2)直射日光照射試験試験液の入った20mlバイアルビンを直射日光の当る屋外(気温32℃)に5時間倒して置いた後、各色素の残存率を求めた。
【0033】結果を表2に示した。表記シンボルは0〜25%を×、25〜50%を△、50〜75%を○、75〜100%を◎で示している。明らかに本発明青色色素組成物の優位性が確認され、合成着色料である赤色2号よりもはるかに優れることが判った。pHによって影響を受けないことも判った。
【0034】
【表2】

【0035】
【発明の効果】本発明により、耐熱性、耐光性、pH安定性に優れた天然系青色色素組成物を得ることができた。従来の、アントシアニン系青色色素は、特異な物性の為、その利用用途が限定され場合によっては、合成着色料を使用しなければならなかったが、本発明により、安定性に富み、しかも安全な天然系青色着色料を提供することができた。




 

 


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