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発明の名称 ボールペンチップ
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2003−159893(P2003−159893A)
公開日 平成15年6月3日(2003.6.3)
出願番号 特願2001−364278(P2001−364278)
出願日 平成13年11月29日(2001.11.29)
代理人
発明者 塩原 亮浩 / 船橋 かほり / 藤井 武 / 石川 淳 / 佐々木 和彦
要約 課題
加工によるバラツキがなく、ボールが当接するボール座の耐摩耗性が良好、かつボールの回転がスムーズなボールペンチップを提供する
解決手段
チップ本体のボール抱持室に、直径がφ0.65mm未満のボールを、チップ本体の先端縁を内側にかしめて回転自在に抱持し、内部に、インキ流通孔径がボール径のインキ流通孔と、該インキ流通孔に連通する放射状に延びた放射状溝を有した底壁に、前記ボールをチップ先端側からハンマーリング加工することによって、ボールが当接するボール座を設けてなるボールペンチップであって、前記チップ本体を、ステンレス鋼線材の横断面上におけるビッカース硬度が300Hv〜320Hvであるステンレス鋼線材を用いて製造するとともに、前記ボール座を形成する底壁を90度〜110度とし、前記ボール座の表面積をボール表面積の10〜20%とする。
特許請求の範囲
【請求項1】チップ本体のボール抱持室に、直径がφ0.65mm未満のボールを、チップ本体の先端縁を内側にかしめて回転自在に抱持し、内部に、インキ流通孔径がボール径のインキ流通孔と、該インキ流通孔に連通する放射状に延びた放射状溝を有した底壁に、前記ボールをチップ先端側からハンマーリング加工することによって、ボールが当接するボール座を設けてなるボールペンチップであって、前記チップ本体を、ステンレス鋼線材の横断面上におけるビッカース硬度が300Hv〜320Hvであるステンレス鋼線材を用いて製造するとともに、前記ボール座を形成する底壁を90度〜110度とし、前記ボール座の表面積をボール表面積の10〜20%としたことを特徴とするボールペンチップ。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボールペンチップに関し、さらに詳しくは、直径がφ0.65mm未満の極細字用のボールを具備したボールペンチップに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ボールペンチップは、ステンレス鋼、黄銅、アルミニウム、樹脂等の様々な材料を用いて形成されている。その中でもステンレス鋼は、耐摩耗性、耐蝕性に優れているので、ボールペンチップとして数多く用いられている。また、より優れた耐摩耗性、耐蝕性を有するボールペンチップを得るために、各メーカーより、クロムの含有量やチタンの含有量等に係るステンレス鋼線材の配合成分や、ボール座形状等に係るボールペンチップの形状について数多く提案されている。また、ボールが当接するボール座の耐摩耗性を考慮した場合、チップ本体のボール座の硬度すなわちチップ本体を切削加工により形成するための線材の硬度は高い方が良いことが知られていて、具体的には、こうした事を鑑みて、従来は線材の硬度がビッカース硬度で260〜280Hvの値のステンレス鋼線材を用いて製造していた。
【0003】また、ボール座の摩耗や書き味は、ボールとボール座の接触面積が大きな要因であることが知られていて、ボールとボール座の接触面積が小さいとボール座に加わる単位面積荷重が高くなるので耐摩耗性が劣る。一方、ボールとボール座の接触面積が大きいと筆記によるボールの回転時にボールとボール座の接触時間が多くなるので、重い書き味になってしまうので、ボール座の大きさは、ボール座の摩耗と書き味を考慮して設定することはよく知られているとことである。
【0004】ところで、チップ先端にJIS S 6039で規定されている、直径がφ0.65mm未満のボールを具備した油性ボールペン等、いわゆる極細字用のボールペンチップも知られているが、筆圧が一定である場合、ボール径が小径のほうがボールとボール座の接触面積が減少し、単位面積当たりの荷重が大きくなるのでボール座は摩耗しやすいという問題があった。
【0005】そのため、本出願人においては、ボール座の摩耗や書き味等を考慮して、ビッカース硬度が約280Hvであるステンレス鋼線材を用いて、チップ本体の底壁の角度を、チップ本体の切削時における切削ツールの先端角(約120度)と同等とし、ボールとボール座の接触面積をボール表面積の10〜20%となるように製造している。この時のボールを押圧するハンマー量(ハンマーリング加工する前と、ハンマーリング加工を施した後の、ボールが軸心方向へ動いた量)は、ボール径が0.5mmの場合において約50μmである。尚、前記10〜20%の数値範囲は、ボールペンチップにおいて長年研究してきた経験上から得られたものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記極細字用のボールペンチップにおいて、筆圧が一定である場合、ボール径が小径のほうがボールとボール座の接触面積が少なく、単位面積当たりの荷重が大きくなるのでボール座は摩耗しやすい。
【0007】ボール座の摩耗性能を向上するための策として、ステンレス鋼線材の硬度を高くすればする程よいことは極当然のことであるが、加工性が低下してしまうという問題があり、本発明者は鋭意検討した。その結果、同一の力でボールを押圧する場合には、底壁の角度が小さいほうが多く変形するので、ボールとボール座の接触面積を前記したボール表面積の10〜20%となるようにボールを押圧するハンマー量は、底壁の角度が小さければ小さい程少なくてすむことに着目し、本発明に至った。
【0008】本発明の目的は、加工によるバラツキがなく、ボールが当接するボール座の耐摩耗性が良く、かつボールの回転がスムーズなボールペンチップを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、チップ本体のボール抱持室に、直径がφ0.65mm未満のボールを、チップ本体の先端縁を内側にかしめて回転自在に抱持し、内部に、インキ流通孔径がボール径のインキ流通孔と、該インキ流通孔に連通する放射状に延びた放射状溝を有した底壁に、前記ボールをチップ先端側からハンマーリング加工することによって、ボールが当接するボール座を設けてなるボールペンチップであって、前記チップ本体を、ステンレス鋼線材の横断面上におけるビッカース硬度が300Hv〜320Hvであるステンレス鋼線材を用いて製造するとともに、前記ボール座を形成する底壁を90度〜110度とし、前記ボール座の表面積をボール表面積の10〜20%とするものである。
【0010】本発明において、ステンレス鋼線材の横断面上におけるビッカース硬度を300Hv〜320Hvの範囲に特定しているが、ボールペンチップの加工として切削や曲げ等の加工があり、加工条件にあった加工ツールや加工方法を決定しなければならなく、ボールペンチップとしての諸性能が満足するように加工するには加工寸法精度が重要であり、硬度が高くなればなるほど条件が厳しくなり、加工性や加工ツールの耐久性も考慮し上限を320Hvに定めている。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の実施例を、図面を用いて説明する。ボールペンチップ1は、次のように製造する。後述するようなビッカース硬度を有するφ2.3mmのステンレス鋼線材(図示せず)を、先ず、チップ先端部7を先端方向に向って徐々に縮径するテーパー状に切削加工し、次に線材の中央部に、インキ流通孔径が、ボール径の60%のインキ流通孔3、ボール抱持室2を順次、切削加工する。その際、底壁の角度を100度に設定する。
【0012】その後、前記ボール抱持室2により形成された底壁4に、総表面積が、ボール表面積の4%の放射状溝5を形成し、底壁4に、ボール径φ0.5mmのボール8を載置した状態で、チップ先端側から、ハンマーリングツールによってボールを押圧(ハンマーリング)することによりボールと同形のボール座6を設け、ボール8の一部がチップ先端縁8より突出させ、チップ先端部7を内方にかしめ加工して回転自在に抱持している。
【0013】前記したように、ボールペンチップの製造に係る経験上から、ボール座の摩耗や書き味は、ボール径、インキの粘度、放射状溝の形状や大きさ等によっても左右され一定ではないが、ボール座の表面積がボール表面積の10%より小さいとボール座に加わる単位面積荷重が高くなるので耐摩耗性が劣ってしまう。一方、ボールとボール座の接触面積が20%より大きいと筆記によるボールの回転持にボールとボール座の接触時間が多くなるので、重い書き味になってしまう。
【0014】また、ボール座の表面積がボール表面積の10%〜20%を得るのに、底壁の角度が小さくなればなる程、すなわち、従来の底壁の角度略120度より小さい、90〜110度にすることによって、ハンマー量を少なくすることができるので加工し易い。また、変形量が多いと、ボール座を形成することによって余分となった部分が肉盛り部となり、ボールの回転がスムーズでなくなる恐れがあるので、変形量は少ないほうがよい。
【0015】また、底壁の角度が90度より小さいと、抱持室を形成するツールの先端刃の切削抵抗が大きくなりツールの寿命が短くなり、加工面でのコストが高騰してしまう。また、底壁の角度が小さくなるにつれて、インキ溜め部も小さくなり、インキ粘度が10000mPa・s(20℃)以上の高粘度インキのボールペンにおいては、インキの追従性が低下し、筆跡のかすれ等が発生する恐れがある。
【0016】第1の参考値として、ボール径がφ0.5mmのボールを抱持した、放射状溝を形成していないボールペンチップ(図示せず)を作製し、ハンマー量と、ボール抱持室の底壁の角度を変化させたときのボールの表面積mm(少数以下の桁数3)を表1に示す。またボール表面積に対するボール座の表面積の比率%(少数以下の桁数1)を表2に示す。ただし、ボールの表面積は、4πr(π=3.14、r=0.25mm)とし、0.785mmで計算し、放射状は形成していない。また、インキ流通孔径は、ボール径の60%(0.3mm)としてある。
【0017】
【表1】

【表2】

【0018】第2の参考値として、ボール径がφ0.38mmのボールを抱持した、放射状溝を形成していないボールペンチップ(図示せず)を作製し、ハンマー量と、ボール抱持室の底壁の角度を変化させたときのボールの表面積mm(少数以下の桁数3)を表3に示す。また、ボール座の表面積の比率%(少数以下の桁数1)を表4に示す。ボールの表面積は、4πr(π=3.14、r=0.19mm)とし、0.453mmで計算している。また、インキ流通孔径は、ボール径の50%(0.19mm)としてある。
【0019】
【表3】

【0020】
【表4】

【0021】表1、表3から明らかなように、底壁の角度小さくなればなる程、ハンマー量が少なくても、ボール座の表面積が大きく形成されることが判る。
【0022】また、本発明のボール座の表面積がボール表面積の10%〜20%という数値は、表1、表3からボール座に形成されるチャンネル溝の面積を引いた面積と、ボールの表面積から算術した数値である。チャンネル溝は、ボールペンチップ先端から流出するインキ量とインキ筒から供給されてくるインキ量とのバランスを考慮して決定され、ボールの球径やボール抱持室の形状により相違し一定ではないが、チャンネル溝の面積は、ボール表面積の2〜10%の範囲が良好であり、表2、表4からチャンネル溝の比率(%)を引いた数値が10%〜20%になるように、溝幅や形状を適宜選択する。
【0023】また、インキ通路孔径も、ボールペンチップ先端から流出するインキ量とインキ筒から供給されてくるインキ量とのバランスを考慮して決定され、ボールの球径やボール抱持室の形状により相違し一定の径ではないが、ボール径の45〜65%の範囲が良好である。
【0024】前記参考値は便宜上、φ0.5mm、φ0.38mmのボールを用いているが、本発明はこれに限るものではなく、φ0.3mm、φ0.4mm等、JISS 6039で規定されている、φ0.65mm未満の、いわゆる極細字用のボールを使用することができる。
【0025】
【発明の効果】本発明は、前述したような構成なので、加工によるバラツキがなく、ボールが当接するボール座の耐摩耗性が良好、かつボールの回転がスムーズなボールペンチップを提供することができた。




 

 


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