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発明の名称 水洗便器に使用する電動開閉装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2003−102644(P2003−102644A)
公開日 平成15年4月8日(2003.4.8)
出願番号 特願2001−298884(P2001−298884)
出願日 平成13年9月28日(2001.9.28)
代理人 【識別番号】100090697
【弁理士】
【氏名又は名称】中前 富士男
【テーマコード(参考)】
2D037
【Fターム(参考)】
2D037 AB07 AD14 AD16 
発明者 井上 修治 / 宮本 浩臣 / 橋詰 賢二 / 江上 勝弘 / 合田 智一 / 秋吉 修
要約 課題
開閉部材の開閉時における勢いを抑制できると共に、経済的でしかも作業性が良好な水洗便器に使用する電動開閉装置を提供する。

解決手段
回転可能に配置され、閉位置が実質的に水平位置となって、開位置が垂直位置を更に超えた斜め垂直位置にある便座11又は便蓋13からなる開閉部材の取付け基部12、14が装着される回動軸15と、回動軸15に直接又は間接的に取付けられ、開閉部材の自由回転を制動する緩衝部材16と、回動軸15に軸心を合わせて設けられ、正転して開閉部材を、閉位置から開位置手前の垂直位置を超える位置まで持ち上げ、逆転して、開閉部材を開位置から垂直位置を超える位置まで持ち上げる偏心部材17を有する駆動部材18と、駆動部材18を必要に応じて正転又は逆転する回転駆動源19とを有し、開閉部材を手動で開閉可能とする。
特許請求の範囲
【請求項1】 回転可能に配置され、閉位置が実質的に水平位置となって、開位置が垂直位置を更に超えた斜め垂直位置にある便座又は便蓋からなる開閉部材の取付け基部が装着される回動軸と、前記回動軸に直接又は間接的に取付けられ、前記開閉部材の自由回転を制動する緩衝部材と、前記回動軸に軸心を合わせて設けられ、正転して前記開閉部材を、閉位置から開位置手前の垂直位置を超える位置まで持ち上げ、逆転して、前記開閉部材を開位置から垂直位置を超える位置まで持ち上げる偏心部材を有する駆動部材と、前記駆動部材を必要に応じて正転又は逆転する回転駆動源とを有し、前記開閉部材を手動で開閉可能とすることを特徴とする水洗便器に使用する電動開閉装置。
【請求項2】 請求項1記載の水洗便器に使用する電動開閉装置において、前記回動軸には、前記開閉部材と実質的に同一の取付け角度で疑似開閉部材が設けられ、前記偏心部材は前記疑似開閉部材に当接して、前記回動軸の回動駆動を行うことを特徴とする水洗便器に使用する電動開閉装置。
【請求項3】 請求項1又は2記載の水洗便器に使用する電動開閉装置において、前記偏心部材は前記駆動部材の回転動力伝達要素の側部に設けられていることを特徴とする水洗便器に使用する電動開閉装置。
【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の水洗便器に使用する電動開閉装置において、前記偏心部材は待機位置を有し、前記開閉部材を所定位置まで回動させた後は、更に前記駆動部材を反対方向に回転させて待機位置に常時配置することを特徴とする水洗便器に使用する電動開閉装置。
【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の水洗便器に使用する電動開閉装置において、前記回動軸には、前記開閉部材が垂直位置を超えたことを検知する角度検出手段を設けたことを特徴とする水洗便器に使用する電動開閉装置。
【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の水洗便器に使用する電動開閉装置において、前記回転駆動源には、モータへの過負荷を防止するトルクリミッターが設けられたことを特徴とする水洗便器に使用する電動開閉装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、便座又は便蓋からなる開閉部材の自重を利用した水洗便器に使用する電動開閉装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、水洗便器の便器本体の上部には、便座と便蓋とが備えられ、使用しないときは便蓋で便器本体の開口部を塞ぎ、使用時には便蓋を上げ、更に男性の場合には、便座を上げて使用していた。なお、このとき、便座と便蓋の開閉は手動で行われていた。しかし、便座又は便蓋からなる開閉部材を、開閉部材の開位置又は閉位置の配置位置へ手動で回動させる場合、勢いよく開閉部材を配置位置へ回動させることで、例えば開閉部材、水洗便器等が破損する恐れがある。また、老人や身体障害者の場合は労力のいる仕事であり、また一般の人でも不潔感を伴い、特に公衆トイレのような不特定多数の人間が使用する場合には、その感覚が更に強くなる。そこで、実開昭61−136998号公報に、便器に設置された便座からなる開閉部材にスプリングを設けると共に、その便座を回動駆動源によって駆動させる電動開閉装置が提案されている。この装置は、水洗便器の使用に際し、手を用いることなく便座を開閉できるため衛生的なものになると共に、スプリングによって便座を開位置側に一定荷重をもって持ち上げる方向に付勢したもので、回転駆動源の回転トルクを小さくでき、結果的に小型の回転駆動源を用いて装置をコンパクトにできる構成となっている。しかも、電動開閉装置が電気によって作動できなくなった場合、例えば故障時において、便座がそれ自体の荷重(自重)で落下し、便器に衝突することがスプリングの弾性力によって阻止されるもので、例えば便座、水洗便器の破損の危険もなく使用できるものとなっている。また、便座のみだけでなく、便座と便蓋の両方の落下時の勢いを同様なスプリングを使用して阻止する装置も知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記した電動開閉装置には、以下の問題がある。開閉部材の開閉時においては、スプリングによって回転駆動源の回転トルクを小さくできるものの、開閉部材の閉位置から開位置、又は開位置から閉位置まで回転駆動源によって開閉部材の開閉を行うため、電気代がかかり経済的でない。また、開閉部材の落下時の勢いを、スプリングによって阻止するようにしているので、スプリングの長期間の使用によってスプリングが破損、又はスプリングの効果が弱くなってきた場合、開閉部材の落下時の勢いを抑制できないまま開閉部材が便器本体に衝突し、例えば開閉部材、水洗便器等の破損を招く恐れがある。また、このとき、スプリングの交換作業を行うため、電動開閉装置を分解する必要があり作業性が悪い。本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、開閉部材の開閉時における勢いを抑制できると共に、経済的でしかも作業性が良好な水洗便器に使用する電動開閉装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う本発明に係る水洗便器に使用する電動開閉装置は、回転可能に配置され、閉位置が実質的に水平位置となって、開位置が垂直位置を更に超えた斜め垂直位置にある便座又は便蓋からなる開閉部材の取付け基部が装着される回動軸と、回動軸に直接又は間接的に取付けられ、開閉部材の自由回転を制動する緩衝部材と、回動軸に軸心を合わせて設けられ、正転して開閉部材を、閉位置から開位置手前の垂直位置を超える位置まで持ち上げ、逆転して、開閉部材を開位置から垂直位置を超える位置まで持ち上げる偏心部材を有する駆動部材と、駆動部材を必要に応じて正転又は逆転する回転駆動源とを有し、開閉部材を手動で開閉可能とする。このように構成することで、開閉部材を閉位置から開位置へと回動する場合、開閉部材を開位置手前の垂直位置を超える位置まで回転駆動源によって持ち上げた後は、自由回転となる開閉部材の回転を緩衝部材によって制動できる。一方、開閉部材を開位置から閉位置へと回動する場合、開閉部材を開位置から垂直位置を超える位置まで回転駆動源によって持ち上げた後は、自由回転となる開閉部材の回転を緩衝部材によって制動できる。
【0005】本発明に係る水洗便器に使用する電動開閉装置において、回動軸には、開閉部材と実質的に同一の取付け角度で疑似開閉部材が設けられ、偏心部材は疑似開閉部材に当接して、回動軸の回動駆動を行うことが好ましい。このように、回動軸に設けられた擬似開閉部材が、開閉部材と実質的に同一の取付け角度で設けられているので、開閉部材を直接的に駆動部材により駆動させることなく、擬似開閉部材が設けられた回動軸を偏心部材が設けられた駆動部材により回動駆動させることで、開閉部材の開閉を行うことが可能となる。また、本発明に係る水洗便器に使用する電動開閉装置において、偏心部材は駆動部材の回転動力伝達要素の側部に設けられていることが好ましい。このように、偏心部材を駆動部材の回転動力伝達要素の側部に設けるので、簡単な構成で開閉部材の開閉を行うことができると共に、偏心部材の回転動力伝達要素への取付けを一体的に行うことが可能となる。
【0006】本発明に係る水洗便器に使用する電動開閉装置において、偏心部材は待機位置を有し、開閉部材を所定位置まで回動させた後は、更に駆動部材を反対方向に回転させて待機位置に常時配置することが好ましい。このように構成することで、電動開閉装置が電気で作動できない例えば故障時や停電時等においても、偏心部材は常時は待機位置に配置されているので、開閉部材を手動で開閉しても、偏心部材による開閉部材の開閉動作を妨げる恐れが無くなる。そして、本発明に係る水洗便器に使用する電動開閉装置において、回動軸には、開閉部材が垂直位置を超えたことを検知する角度検出手段を設けることが好ましい。このように、角度検出手段によって開閉部材の位置を検知できるので、開閉部材が前記垂直位置を超え、開閉部材の自由回転が緩衝部材によって制動される領域まで、回転駆動源による回動軸の回動を防止することが可能となる。更に、本発明に係る水洗便器に使用する電動開閉装置において、回転駆動源には、モータへの過負荷を防止するトルクリミッターを設けることも可能である。これにより、開閉部材を回転駆動源によって開閉する領域において、開閉部材の回動が例えば人的又は物的に妨げられても、トルクリミッターが働くので、開閉部材への回転駆動源の動力の伝達を防止することが可能となる。
【0007】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。ここに、図1は本発明の一実施の形態に係る水洗便器に使用する電動開閉装置を使用した衛生洗浄器の使用状態を示す説明図、図2は同電動開閉装置を使用した衛生洗浄器の平面図、図3は同電動開閉装置の斜視図、図4(A)〜(F)はそれぞれ同電動開閉装置を構成する部品の説明図、図5(A)、(B)はそれぞれ同電動開閉装置に使用する緩衝部材の正面図、その構成を示す説明図、図6(A)、(B)はそれぞれ同電動開閉装置を適用した開閉部材の動作状態の説明図である。
【0008】図1〜図5に示すように、本発明の一実施の形態に係る水洗便器に使用する電動開閉装置(以下、単に電動開閉装置と言う)10は、回転可能に配置され、閉位置が実質的に水平位置(例えば0度程度)となって、開位置が垂直位置(例えば90度程度)を更に超えた斜め垂直位置(例えば100〜120度程度)にある開閉部材の一例である便座11の取付け基部12、又は開閉部材の一例である便蓋13の取付け基部14がそれぞれ装着される回動軸15と、回動軸15に直接又は間接的に取付けられ、便座11又は便蓋13の自由回転を制動する緩衝部材16とを有している。また、電動開閉装置10は、回動軸15に軸心を合わせて設けられ、正転して便座11又は便蓋13を、閉位置から開位置手前の垂直位置を超える位置(例えば、開閉部材の垂直位置から開位置側へ2〜5度程度)まで持ち上げ、逆転して、便座11又は便蓋13を開位置から垂直位置を超える位置(例えば、開閉部材の垂直位置から閉位置側へ2〜5度程度)まで持ち上げる偏心部材17を有する駆動部材18と、駆動部材18を必要に応じて正転又は逆転する回転駆動源の一例である電動モータ19とを有している。以下、詳しく説明する。
【0009】図1、図2に示すように、電動開閉装置10を備えた衛生洗浄器20は、水洗便器21の便器本体22の上部に取付けられ、例えば30〜40℃の温水を噴出して人のおしりを洗浄する温水噴出手段23と、40〜60℃程度の温風を吹き出しておしりを乾燥させる温風乾燥手段(図示しない)とを有している。また、この衛生洗浄器20には、水洗便器21の便座11及び便蓋13の基部が同軸上に配置されており、しかも各手段は便座11及び便蓋13の基側に形成された機能部ケース24内に収納されている。また、便座11には、その表面を所定温度、例えば30〜40℃程度に維持する加温部25が設けられている。この衛生洗浄器20には、温水噴出手段23に供給するための温水を貯留する温水タンク(図示しない)が接続され、温水タンクは水洗便器21の背部に配置されている。この温水タンクの入側には、温水タンクに供給する水道水のオンオフ制御を行う電磁弁(図示しない)が設けられている。そして、温水タンクの中には電熱ヒータを備えた熱交換器が設けられ、温水タンクに供給された水道水を加熱して温水にしている。更に、温水タンクの中には温水のレベルを検出するレベル検出器が設けられている。
【0010】続いて、電動開閉装置10について説明する。電動開閉装置10は、便座11及び便蓋13の基側の凹状となった部分に突出部26を備えた機能部ケース24内に配置されており、便座11と便蓋13にそれぞれ1台ずつ取付けられている。この電動開閉装置10は、ボタン操作によって便座11及び便蓋13を開状態又は閉状態にすることも、また人の有無を検知して便蓋13を開状態又は閉状態に作動させることも可能である。なお、人の有無を検知する場合、便器本体22の下部に人体検知センサーを設け、この人体検知センサーと連動して便蓋13の開閉を行うことが好ましい。なお、便座11及び便蓋13の回動角度は、閉位置から開位置にかけて例えば110度程度となっている。
【0011】図2、図3及び図4(A)〜(F)に示すように、電動開閉装置10には、電動モータ19(図4(F)参照)の出力軸27によって回転すると共に出力軸27の回転速度の減速を行うギア部材28(図4(E)参照)と、ギア部材28の回転速度の減速を行う減速機構を構成する2つのギア部材29、30(それぞれ図4(D)、(C)参照)と、便座11の一方側の基部31に設けられた取付け基部12、及び便蓋13の他方側の基部32に設けられた取付け基部14にそれぞれ掛合して回動可能な回動軸15(図4(B)参照)を、中央部に回動可能に配置する駆動部材18(図4(A)参照)とが備えられ、電動開閉装置10のケース33に収納されている。
【0012】この回動軸15には、便座11又は便蓋13と実質的に同一の取付け角度、即ち便座11又は便蓋13が閉位置にある場合は、便座11又は便蓋13が実質的に水平位置となった方向に、また便座11又は便蓋13が開位置にある場合は、便座11又は便蓋13が垂直位置を更に超えた斜め垂直位置となった方向に位置するような角度で回動軸15の中央部に、軸34の軸心に沿って軸34の側方に突出して疑似開閉部材35が設けられている。一方、偏心部材17は、駆動部材18の回転動力伝達要素の一例であるギア36の側部に、ギア36の軸心方向に突出して、ギア36と一体的に設けられている。なお、この偏心部材17と擬似開閉部材35とが同一円周上に配置されるように、ギア36の中央部に回動軸15の軸34が回動可能に挿入されるため、軸34の周囲をギア36が回動することで、偏心部材17が疑似開閉部材35に当接して、回動軸15の回動駆動を行うことが可能となっている。
【0013】ここで、図1、図2に示すように、便座11の基部31に、機能部ケース24の突出部26側に向かって取付けられた取付け基部12は、電動開閉装置10の回動軸15の一方側に形成された掛合部37に掛合可能な軸部38と、この軸部38の側方に突出して形成され、便座11に一体的に接続可能な固定部39とを備えている。なお、軸部38の一方側には、掛合部37の側面視して実質的に矩形状の突出部に対応した凹部が形成され、軸部38と掛合部37との接続が行われている。一方、取付け基部14は、電動開閉装置10の回動軸15の他方側に形成された掛合部40に掛合可能な軸部41と、この軸部41の側方に突出して形成され、便蓋13に一体的に接続可能な固定部42とを備えている。なお、軸部41の一方側には、掛合部40の側面視して実質的に矩形状の凹部に対応した突出部が形成され、軸部41と掛合部40との接続が行われている。
【0014】なお、この実施の形態においては、便座11の一方側の基部(回動部)31が、便蓋13の一方側の基部(回動部)43と機能部ケース24の突出部26との間に、また便座11の他方側の基部(回動部)44が、便蓋13の他方側の基部(回動部)32と機能部ケース24の突出部26との間にそれぞれ位置している。従って、便座11の取付け基部12の軸部38は、軸部38の先端が便蓋13の基部43で回転可能に支持され、また、便蓋13の取付け基部14の軸部41は、軸部41の中央部が便座11の基部44を回転可能に貫通している。なお、便座11及び便蓋13にそれぞれ使用される取付け基部12、14の軸部38、41は、同軸上に配置される。ここで、ギア部材28、29、30の軸45、46、47の一側は、ケース33の一側の内壁48に、一方、ギア部材28、29の軸45、46の他側は電動モータ19の側壁49に、またギア部材30の軸47の他側はケース33の他側の内壁48に、それぞれ軸受け(図示しない)によって回転可能に固定されている。
【0015】回動軸15は、電動モータ19と前記した減速機構とを収納すると共に、一側の内壁48と他側の内壁48、即ち対向する側面を有するケース33の上部幅方向に設置されている。従って、回動軸15の掛合部37、40と相対向する部分、即ちケース33の側壁の一部には貫通孔(図示しない)が形成され、ケース33によって回動軸15は回転可能に支持されている。これにより、掛合部37、40は、ケース33の側面側から取付けられる便座11の取付け基部12の軸部38、及び便蓋13の取付け基部14の軸部41と接続可能な構成となっている。
【0016】なお、回動軸15の軸心方向に、側面視して実質的に矩形状の貫通孔を形成したり、回動軸15の両側部に実質的に矩形状の穴を形成したりすることで、回動軸15の両側に掛合部を形成することもできる。また、回動軸15に貫通孔や穴を形成することなく、回動軸15の両側に実質的に矩形状の突出部を形成することも可能である。これにより、便座11の取付け基部12及び便蓋13の取付け基部14の側面視した形状を同一の形状にできるので、作業性が良好になると共に経済的である。ここで、便座11の基部31、又は便蓋13の基部32を、回動軸15の一方側に掛合した場合、この回動軸15の他方側には、それぞれ便座11、便蓋13の自由回転を制動する緩衝部材16を直接的に接続する。なお、回動軸15と緩衝部材16とを、例えばギア部材を介して間接的に接続することも可能である。従って、回動軸15の掛合部37又は掛合部40と接続される緩衝部材16の接続部の形状は、前記した取付け基部12の軸部38又は取付け基部14の軸部41と同様の形状となっている。
【0017】図5(A)、(B)に示すように、緩衝部材16は、従来公知のソフト閉止ダンパー機構を備えたものであり、高分子粘性流体(例えば、グリス)の粘性抵抗を利用して得られた抵抗力によって生じる開閉部材の自由回転に対する制動力により、緩衝作用を発揮させるようにしたものである。例えば、特開平10−288237号公報に開示されたソフト閉止ダンパー機構は、ケーシング50と、このケーシング50の内周壁面51に摺動しながら回動する一対の羽根部52、53が対称的な位置に突設されて、ケーシング50内に回動自在となるよう嵌挿されている可動軸54と、ケーシング50の内周壁面51にあって、直径方向への変動が自在であるように嵌挿配設されることで、ケーシング50の内周壁面51から突設され、且つ可動軸54の外周壁面55が摺動する突設部56と、ケーシング50と可動軸54との間にあって、一対の羽根部52、53により二分された区画室57、58に充填される高分子粘性流体(作動油とも言う)とにより構成されている。
【0018】このように構成することで、可動軸54の最大回動角度αを例えば110度(可動軸54が図中の一点鎖線で示したAの位置)に設定した場合、即ち可動軸54に形成された凹状溝59、60によって区画室57、58が互いに連通された場合、区画室57に充填された高分子粘性流体による十分な制動力(ダンパー力)の効果は生じない。そして、可動軸54がAの位置からBの位置近傍まで、例えば50度回動されるに至った場合、前記した溝が徐々に遮断され始め、区画室57、58間を高分子粘性流体がそれまでよりも削減された微少量だけ流れる。これにより、区画室57内部の高分子粘性流体による制動力が徐々に発揮され始める。更に、可動軸54がBの位置近傍からCの位置まで、例えば60度だけ回転される場合、即ち区画室57、58が遮断されるに至る場合、区画室57内部に充填された高分子粘性流体の押圧力により、ケーシング50の内周壁面51と両羽根部52、53間の微小な隙間を通して、区画室57内部の高分子粘性流体は、区画室58内部へ微少量だけ流入することとなる。このため、区画室57内部の高分子粘性流体による粘性抵抗によって、緩衝部材16による強い制動力が発揮される。
【0019】また、電動開閉装置10には、開閉部材開度マグネットと、開閉部材開度センサーとを有し、開閉部材が垂直位置を超えたことを検知する角度検出手段が設けられている。なお、開閉部材開度センサーは、回動軸15の側部と対向するケース33の他側の内壁48面上に、また開閉部材開度マグネットは、ケース33の他側の内壁48と対向する回動軸15の側部にそれぞれ取付けられていることが好ましい。ここで、電動開閉装置10には、角度検出手段によって得られた信号を基に、電動モータ19の制御を行う制御部が備えられている。また、電動モータ19の出力軸27には、電動モータ19への過負荷を防止するトルクリミッター(例えば機械的、電気的)や、出力軸27の回転の有無及び回転方向を検知する例えば回転状態検出センサーが設けられていることが好ましい。
【0020】このように構成することで、便座11、便蓋13の開閉角度を基に、電動モータ19の駆動を行うことができるので、電動モータ19の作動及び停止を制御部によって制御することが可能となる。なお、偏心部材17については待機位置、即ち便座11、便蓋13の開閉動作時において、回動軸15に取付けられた擬似開閉部材35の回動領域内に偏心部材17が侵入しない位置を設定しており、便座11、便蓋13を所定位置、即ち垂直位置を超える位置まで回動させた後は、更に駆動部材18を反対方向に回転させて待機位置に常時配置している。これによって、便座11、便蓋13の電動モータ19による回動駆動時以外は、偏心部材17と擬似開閉部材35との接触を防止できるので、電動開閉装置10が電気で駆動できなくなった場合、例えば故障や停電時において、手動によって便座11、便蓋13を開閉しても、偏心部材17と擬似開閉部材35との接触がなくなるため、電動開閉装置10の破損を防ぐことが可能となる。
【0021】次に、本発明の一実施の形態に係る水洗便器に使用する電動開閉装置の動作状態について、前記電動開閉装置10を用い、便座11を閉位置から開位置へ移動させた場合、開閉部材を開位置から閉位置へ移動させた場合についてそれぞれ説明するが、便蓋13は、便座11と同様の動作を行うため説明を省略する。図6(A)に示すように、便座11が閉位置にある場合、擬似開閉部材35は回動軸15に対して便座11と同一方向、即ち水平方向に位置し、一方、ギア36に設けられた偏心部材17は待機位置、即ち回転軸15の軸心に対して擬似開閉部材35と反対方向に位置している(図中(a)参照)。次に、便座11を閉位置から開位置へ回動させる信号を制御部に送ることで、駆動部材18のギア36が正転するように電動モータ19が駆動し、便座11を持ち上げる方向(この実施の形態では反時計回り)へ、ギア36を回動する(図中(b)参照)。
【0022】ギア36が回動することで、偏心部材17が回動軸15に形成された擬似開閉部材35に当接した後は、便座11を閉位置から開位置手前の垂直位置を超える位置(例えば、便座11の垂直位置から開位置側へ2〜5度程度)まで持ち上げる(図中(c)参照)。このとき、角度検出手段によって便座11が垂直位置を超えたことが検知され、その信号が制御部に送られることで、電動モータ19が停止する。そして、電動モータ19の駆動が停止した後、偏心部材17を元の待機位置に戻すため、制御部は駆動部材18のギア36を逆転するように電動モータ19へ信号を送り、偏心部材17が待機位置へ戻る方向(この実施の形態では時計回り)へ、ギア36を回動する(図中(d)参照)。
【0023】なお、垂直位置を超えた便座11は、便座11の自重によって前記した緩衝部材16の作用を受けながら、水洗便器21の後部に配置されたタンク(最大回動角度110度)までゆっくりと開動作し、便座11がタンクに当接することで開位置に配置される。一方、電動モータ19によって回動するギア36は、偏心部材17が例えば待機位置に設置された位置検知センサーによって検知されることで、電動モータ19によってギア36の回動が停止され、偏心部材17は待機位置で再度待機する(図中(e)参照)。このようにして、便座11の開動作を行う。
【0024】次に、図6(B)に示すように、便座11が開位置にある場合、ギア36に設けられた偏心部材17は前記した待機位置に配置されている。このため、便座11を開位置から閉位置へ回動させる信号を制御部に送ることで、制御部からの信号によって駆動部材18のギア36が逆転するように電動モータ19が駆動し、便座11を垂直に持ち上げる方向(この実施の形態では時計回り)へ、ギア36を回動する(図中(a)参照)。ギア36を回動することで、偏心部材17が回動軸15に形成された擬似開閉部材35に当接して、便座11を開位置から垂直位置を開位置側へ2〜5度程度超えた位置まで持ち上げる(図中(b)参照)。このとき、角度検出手段によって便座11が垂直位置を超えたことが検知され、その信号が制御部に送られることで、電動モータ19が停止する。そして、電動モータ19の駆動が停止した後、偏心部材17を元の待機位置に戻すため、制御部は駆動部材18のギア36が正転するように電動モータ19へ信号を送り、偏心部材17が待機位置へ戻る方向(この実施の形態では反時計回り)へ、ギア36を回動する(図中(c)参照)。
【0025】なお、垂直位置を超えた便座11は、便座11の自重によって前記した緩衝部材16の作用を受けながら、水洗便器21の便器本体22の上部までゆっくりと閉動作し、便座11が便器本体22の上部に当接することで閉位置に配置される。一方、電動モータ19によって、待機位置へ戻る方向へ回動されたギア36は、偏心部材17が前記した位置検知センサーによって検知されることで、電動モータ19によってギア36の回動が停止され、偏心部材17は待機位置で再度待機する(図中(d)参照)。このようにして、便座11の閉動作を行う。上記したように、偏心部材17は常時、擬似開閉部材35の回動領域内でない待機位置に配置されている。従って、電動開閉装置10が電気で作動できない例えば故障時や停電時において、便座11を手動で開閉しても、偏心部材17と擬似開閉部材35との接触が無いので、便座11を手動で容易に開閉することが可能となる。
【0026】以上、本発明を、一実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、前記実施の形態においては、水洗便器の便器本体の上部に、衛生洗浄器を取付けた場合について説明したが、水洗便器の便器本体と衛生洗浄器とが一体型となった場合でも本発明は適用される。また、前記実施の形態においては、開閉部材の形状が、例えば曲線を有する形状となった場合、開閉部材の重心が垂直位置を超える位置まで、開閉部材を偏心部材によって持ち上げることが好ましい。これにより、開閉部材を自重によって確実に、開位置又は閉位置に移動させることができる。
【0027】そして、前記実施の形態においては、開閉部材開度マグネットと、開閉部材開度センサーとを有する角度検出手段を用いて、開閉部材が垂直位置を超えたことを検知した場合について説明した。しかし、回動軸にロータリエンコーダを設置し、回転角度に応じて出力されるパルスから、開閉部材が垂直位置を超えた位置にあることや、また駆動部材にロータリエンコーダを設置し、待機位置を検知することも可能である。そして、電動開閉装置に、所定位置まで回動させた開閉部材の停止を行うための回転駆動源停止マグネットと、回転駆動源停止位置センサーとを有し、電動モータの停止位置信号を出力する回転駆動源停止位置制御手段を備えることも可能である。このとき、回転駆動源停止位置センサーは、例えばギアの側部と対向するケースの一側の内壁面上に、また回転駆動源停止マグネットは、例えばケースの一側の内壁と対向するギアの側部にそれぞれ取付けられていることが好ましい。
【0028】
【発明の効果】請求項1〜6記載の水洗便器に使用する電動開閉装置においては、開閉部材を閉位置から開位置へと回動する場合、開閉部材を開位置手前の垂直位置を超える位置まで回転駆動源によって持ち上げた後は、自由回転となる開閉部材の回転を緩衝部材によって制動できる。一方、開閉部材を開位置から閉位置へと回動する場合、開閉部材を開位置から垂直位置を超える位置まで回転駆動源によって持ち上げた後は、自由回転となる開閉部材の回転を緩衝部材によって制動できる。従って、開閉部材の便器本体に対する衝突速度を制御できるので、例えば開閉部材、便器本体等の破損を防止でき、水洗便器の利用者も安全に、しかも不快感を感じることなく利用できる。特に、請求項2記載の水洗便器に使用する電動開閉装置においては、回動軸に設けられた擬似開閉部材が、開閉部材と実質的に同一の取付け角度で設けられているので、開閉部材を直接的に駆動部材により駆動させることなく、擬似開閉部材が設けられた回動軸を偏心部材が設けられた駆動部材により回動駆動させることで、開閉部材の開閉を行うことが可能となる。従って、偏心部材と擬似開閉部材とを備えた電動開閉装置を製造し、これを使用することで開閉部材の開閉を行うことができるので、電動開閉装置の回動軸に取付け可能な開閉部材であれば、容易に電動によって開閉部材の開閉を行うことができる。
【0029】請求項3記載の水洗便器に使用する電動開閉装置においては、偏心部材を駆動部材の回転動力伝達要素の側部に設けることで、簡単な構成で開閉部材の開閉を行うことができるので、電動開閉装置の製造が容易となり、作業性に優れしかも経済的である。また、偏心部材を駆動部材の回転動力伝達要素の側部に設けることで、偏心部材の回転動力伝達要素への取付けを一体的に行うことができるので、回転動力伝達要素からの偏心部材の離脱を抑制でき、安全性に優れた電動開閉装置を製造することが可能となる。請求項4記載の水洗便器に使用する電動開閉装置においては、電動開閉装置が電気で作動できない例えば故障時や停電時においても、偏心部材は常時は待機位置に配置されているので、開閉部材を手動で開閉しても、偏心部材による開閉部材の開閉動作を妨げる恐れが無くなる。従って、故障時や停電時等においても、容易に手動で開閉部材の開閉ができるので、偏心部材の破損による電動開閉装置の交換を行う必要がなくなり経済的である。
【0030】請求項5記載の水洗便器に使用する電動開閉装置においては、角度検出手段によって開閉部材の位置を検知できるので、開閉部材が前記垂直位置を超え、開閉部材の自由回転が緩衝部材によって制動される領域まで、回転駆動源による回動軸の回動を防止することが可能となる。従って、開閉部材を回転駆動源によって回動させる領域を所定の範囲に設定できるので、無駄に回転駆動源を駆動させる必要がなく、電気代を節約でき経済的である。請求項6記載の水洗便器に使用する電動開閉装置においては、開閉部材を回転駆動源によって開閉する領域において、開閉部材の回動が例えば人的又は物的に妨げられても、トルクリミッターが働くので、開閉部材への回転駆動源の動力の伝達を防止することが可能となる。従って、駆動部材に設けられた偏心部材による開閉部材の持ち上げを防止できるので、偏心部材の破損を防止できると共に電動開閉装置を交換することなく使用でき経済的である。




 

 


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