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発明の名称 2段階の処理による周波数分析方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2002−162980(P2002−162980A)
公開日 平成14年6月7日(2002.6.7)
出願番号 特願2000−360789(P2000−360789)
出願日 平成12年11月28日(2000.11.28)
代理人 【識別番号】100089635
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 守 (外2名)
発明者 渡邉 信也
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 音響信号を最終的に必要な分析幅よりもある程度広い分析幅で周波数帯域を離散フーリエ変換によって周波数分割処理した後、該周波数分割された音響信号に対してさらに細かい分析幅で詳細に周波数分析を行う2段階の処理による周波数分析方法において、(a)前記音響信号の時系列データを必要に応じてオーバーラップしながら切り出し、該切り出した時系列データに対して、前記周波数分割処理におけるサイドローブを低減するための窓を、前記周波数分割処理で行う離散フーリエ変換の次数より長い次数の窓で乗算し、(b)前記窓を乗算した時系列データに対して、前記周波数分割処理で行う離散フーリエ変換の次数毎に分割し、各サンプリング毎に加算処理し、(c)前記周波数分割処理を任意の周波数を中心に行う場合に、前記離散フーリエ変換結果に起こる周波数シフトを補償し、(d)該周波数シフトを補償した結果に対してさらに細かい分析幅で詳細に周波数分析を行うことを特徴とする2段階の処理による周波数分析方法。
【請求項2】 請求項1記載の2段階の処理による周波数分析方法において、前記周波数分割処理に必要な任意の中心周波数を、(整数値p+少数値α)×前記離散フーリエ変換の分析幅Δfで定義するとき、前記周波数分割処理における離散フーリエ変換を前記中心周波数(p+α)×Δfに対して行い、前記離散フーリエ変換によりその結果に起こる周波数数シフトを、前記加算処理における各サンプル毎の加算回数rと前記(p+α)から求められる【数1】

を前記離散フーリエ変換を行う前にあらかじめ加算処理結果に対して乗算することで補償することを特徴とする2段階の処理による周波数分析方法。
【請求項3】 請求項1記載の2段階の処理による周波数分析方法において、前記周波数分割処理に必要な任意の中心周波数を、(整数値p+少数値α)×前記離散フーリエ変換の分析幅Δfで定義するとき、前記周波数分割処理における離散フーリエ変換を前記p×Δfに相当する周波数に対して行い、前記離散フーリエ変換によりその結果に起こる周波数シフトを、前記窓を乗算した時系列データのサンプル番号k(kは0から窓次数−1までの整数)と前記αと前記離散フーリエ変換の次数Nから求められる【数2】

を前記離散フーリエ変換を行う前に該窓を乗算した時系列データに対してあらかじめ乗算することで補償することを特徴とする2段階の処理による周波数分析方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、雑音中に埋もれた狭帯域信号の検出に使用される2段階の処理による周波数分析方法に係り、特に、周波数分析の手法で、特に細かい分析幅を必要とする場合に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、このような分野の技術としては、例えば、音響信号を特に細かい分析幅で周波数分析するような場合、最初に、最終的に必要な分析幅よりもある程度広い(粗い)分析幅で周波数帯域を分割(周波数分割処理)した後、この周波数分割された音響信号に対してさらに細かい分析幅で詳細に周波数分析(詳細周波数分析処理)を行う2段階の処理による周波数分析方法を用いる。
【0003】図3はかかる従来の2段階FFTを用いた周波数分析システム構成図である。
【0004】この例においては、前記した周波数分割処理と詳細周波数分析処理をどちらとも高速フーリエ変換(FFT)を用いて実現し、特に周波数分割処理を行うFFTを粗FFT、詳細周波数分析処理を行うFFTを精FFTと呼ぶ。また、この従来方法では、2段階FFTを行うことにより発生するサイドローブ(必要な周波数帯域への隣接する帯域からの折り返し)低減効果を増大させるための処理を行っている。
【0005】この従来技術の詳しい原理について、簡単に述べる(詳細は、特開平7−12862号公報参照)。
【0006】この方式での特徴は、次数Nの粗FFTを行う場合に、後に説明する加算回数をQとしたときにN×(Q+1)の長さの窓によるサイドローブ低減効果が得られることである。ここでは、その1例として、加算回数が1回のときに次数Nの粗FFTで、2Nの窓の効果が得られることを説明する。
【0007】時系列データx(k)のフーリエ変換次数をN′=2NとしてFFTしようとするときのある1つの周波数ビンの離散フーリエ変換結果は次式で表せる。
【0008】
【数3】

【0009】n′=0,1,2,3,…,N′−1ただし、w(k)は折り返しを低減するための窓係数、Δf′は2N次の粗FFTにおける分析幅、fsは時系列データx(k)のサンプリング周波数である。
【0010】この周波数ビンの内、偶数番目のビンの出力結果であるn′=0,2,4,…,N′−2だけを取り出すことを考え、n′=2nとおくと式(1)は次のように変形できる。
【0011】
【数4】

【0012】ただし、Δf=fs/Nである。
【0013】以上のように、この式(2)の結果の〔〕内の加算を先に実施しN次のFFTを行えば、2N次のFFTの偶数番目のビンの出力が得られる。このことは、適当な窓を選ぶことにより、N次のFFTで得られる分析幅と等価な分析幅を得られるのと同時に、2Nの長さの窓が時系列データx(k)に掛かっているので、サイドローブを低減する窓の効果は2Nの窓と同等で得られることを示している。また、この〔〕内のN個の単位で窓と乗算した時系列データを加算する回数を加算回数と呼び、この場合前記したようにQ=1となっている。
【0014】次に、この方式の動作について説明する。
【0015】図3において、1は入力端子、2は窓乗算器、3は加算処理器、4は粗FFT処理器、5−1〜5−Lは位相補償器、6−1〜6−Lは精FFT処理器、7−1〜7−Lは出力端子である。
【0016】入力端子1を通じて窓乗算器2には、音響信号をディジタル信号化した時系列データがサンプリング周波数fsのレートで入力される。窓乗算器2では、この時系列データを、必要に応じてオーバーラップ処理させながら切り出し、この切り出されたデータに、2段階FFTにより発生するサイドローブを低減するための窓を乗算する。この窓の係数は、必要なサイドローブの低減量と帯域のリップル特性から選定する。また、ここでのオーバーラップ処理で切り出すデータ数と窓の次数は、後段の加算処理器3での加算回数Qと粗FFT処理器4でのフーリエ変換次数Nによって決まり、そのデータ数及び次数はN×(Q+1)となる。例えば加算処理器3での加算回数が1回ならば、このオーバーラップ処理で切り出すデータ数とこの窓の次数は2Nとなる。この窓を乗算した時系列データを加算処理器3に出力する。加算処理器3では、この窓を乗算した時系列データをx(1),x(2),x(3),…,x〔N×(Q+1)〕とすると、次のような加算処理を行い粗FFT処理器4に出力する。
【0017】
【数5】

【0018】ただし、Qは加算処理器3での加算回数、Nは粗FFT処理器4でのフーリエ変換次数である。
【0019】粗FFT処理器4では、この加算されたデータについてN次の実高速フーリエ変換を行うことで0Hzからfs/2Hzに相当する周波数ビンをN/2個作成する。これを粗の周波数ビンと呼ぶ。ここで、このN/2個の粗の周波数ビンのうち、各ビンでの中心周波数が最も低い1番目(ビン番号0)のビンをX0 、2番目(ビン番号1)のビンをX1 、3番目(ビン番号2)のビンをX2 、…、N/2番目(ビン番号N/2−1)のビンをXN/2-1 とすると、それぞれの粗の周波数ビンでの中心周波数は、粗FFTでの分析幅がΔfHzのとき、必ずこの分析幅Δf刻みで、0,Δf,2・Δf,3・Δf,…,(N/2−1)・ΔfHzとなる。
【0020】そして、この粗の周波数ビンX0 を位相補償器5−1に、X1 を位相補償器5−2に、…、XN/2-1 を位相補償器5−Lにそれぞれ出力する。位相補償器5−1〜5−Lは窓乗算器2でディジタル信号化した時系列データをオーバーラップ処理したときに、後段の精FFTでの詳細周波数分析結果に起きる周波数シフトに対して、例えば次式のように各粗の周波数ビンの中心周波数で決まる補償量を、各位相補償器に入力される粗の周波数ビンの時系列方向に乗算することで補償し、精FFT処理器6−1〜6−Lにそれぞれ出力する。
【0021】
【数6】

【0022】k=0,1,2,…,M−1ただし、Xi (k)はビン番号i番目の粗の周波数ビンのk番目の時系列データ、Ovpは窓乗算器2でのオーバーラップ率、Nは粗FFTでのフーリエ変換次数である。
【0023】精FFT処理器6−1〜6−Lは、この補償された各周波数ビンを、それぞれ生成された順に時系列に並べてバッファリングし、M次の複素高速フーリエ変換を行うことで詳細周波数分析された周波数ビンをそれぞれ得る。これを精の周波数ビンと呼ぶ。そしてこの精の周波数ビンを出力端子7−1〜7−Lを介して外部にそれぞれ出力する。
【0024】このような動作を行うことで、この従来方式の2段階FFTを用いた周波数分析方法の例では、窓の次数を2Nとし加算処理器3で窓を乗算した時系列データを1回加算することで、2段階FFTを行うことにより発生するサイドローブは、N次の窓を使用して加算せずに2段階FFTを構成した場合と比較すると大きく低減される。
【0025】また、この時系列データの加算をせずに2段階FFTを実施した場合で、この加算した場合と同様の効果を得るためには、式(4)のオーバーラップ率を増加させることで可能となるが、処理量が大幅に増加する。従来方式の加算による2段階FFTはこの処理の大幅な増加なしにサイドローブ低減能力が高いという特徴を有している。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従来方式の2段階FFTを用いた周波数分析方法では以下のような問題が発生する。
【0027】従来の2段階のFFTでは、式(2)で計算したように粗FFTの周波数分割単位は、粗FFTでの分析幅をΔf(=fs/N)とすると、0,Δf,2・Δf,3・Δf,…,(N/2−1)・ΔfHzとなる。ここで、分析したい信号の周波数が事前に分かっており、その周波数が粗FFTの周波数分割単位の境界、例えば1.5・Δfであった場合でかつ、その周りの周波数のみ分析したい場合であっても、粗FFTによりN/2ビン分の周波数分割処理を実施するか、あるいは、Δfと2・Δfの2つの中心周波数に関して粗FFTと同様の離散フーリエ変換(DFT)を行う必要がある。
【0028】本発明は、上記問題点を除去し、全体的な処理量を増大させることなく、窓によるサイドローブの低減効果を増加する能力を持ちながら、効率よく処理を行うことができる2段階の処理による周波数分析方法を提供することを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達成するために、〔1〕音響信号を最終的に必要な分析幅よりもある程度広い分析幅で周波数帯域を離散フーリエ変換によって分割(周波数分割処理)した後、この周波数分割された音響信号に対してさらに細かい分析幅で詳細に周波数分析(詳細周波数分析処理)を行う2段階の処理による周波数分析方法において、前記音響信号の時系列データを必要に応じてオーバーラップしながら切り出し、この切り出した時系列データに対して、前記周波数分割処理におけるサイドローブを低減するための窓を、前記周波数分割処理で行う離散フーリエ変換の次数より長い次数の窓で乗算し、前記窓を乗算した時系列データに対して、前記周波数分割処理で行う離散フーリエ変換の次数毎に分割し、各サンプリング毎に加算処理し、前記周波数分割処理を任意の周波数を中心に行う場合に、前記離散フーリエ変換結果に起こる周波数シフトを補償し、この周波数シフトを補償した結果に対してさらに細かい分析幅で詳細に周波数分析を行うことを特徴とする。
【0030】〔2〕上記〔1〕記載の2段階の処理による周波数分析方法において、前記周波数分割処理に必要な任意の中心周波数を、(整数値p+少数値α)×前記離散フーリエ変換の分析幅Δfで定義するとき、前記周波数分割処理における離散フーリエ変換を前記中心周波数(p+α)×Δfに対して行い、前記離散フーリエ変換によりその結果に起こる周波数数シフトを、前記加算処理における各サンプル毎の加算回数rとその(p+α)から求められる【0031】
【数7】

【0032】を前記離散フーリエ変換を行う前にあらかじめ加算処理結果に対して乗算することで補償することを特徴とする。
【0033】〔3〕上記〔1〕記載の2段階の処理による周波数分析方法において、前記周波数分割処理に必要な任意の中心周波数を、(整数値p+少数値α)×前記離散フーリエ変換の分析幅Δfで定義するとき、前記周波数分割処理における離散フーリエ変換を前記p×Δfに相当する周波数に対して行い、前記離散フーリエ変換によりその結果に起こる周波数数シフトを、前記窓を乗算した時系列データのサンプル番号kと前記αと前記離散フーリエ変換の次数Nから求められる【0034】
【数8】

【0035】を前記離散フーリエ変換を行う前にこの窓を乗算した時系列データに対してあらかじめ乗算することで補償することを特徴とする。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0037】まず、本発明の第1実施例について説明する。
【0038】図1は本発明の第1実施例を示す2段階の処理による周波数分析システム構成図である。
【0039】図1において、11は入力端子、12は窓乗算器、13は位相補償付加算器、14は粗DFT処理器、15は位相補償器、16は精FFT処理器、17は出力端子である。
【0040】この実施例は、従来方式で周波数分割処理を行っていた粗FFT処理器4を一つの周波数ビンだけについて離散フーリエ変換を行う粗DFT処理器14に、従来方式の加算処理器3を粗の周波数ビンの中心周波数が任意に設定できるように位相補償処理を加えた位相補償付加算器13に置き換えたものである。
【0041】本発明の第1実施例の方式の原理について、ここでは、その一例として加算回数が1回のときに次数Nの粗DFTでも、この原理によって2Nの窓の効果が得られることを説明する。
【0042】本発明の第1実施例の基本原理は、従来方式の考え方とほぼ同じであるが、従来方式が周波数分割処理部分をFFTで行っていたため、従来方式の原理説明で展開した式(2)において粗の周波数ビンの中心周波数を決める変数nは整数値を必ずとるという条件であったのに対して、本発明の第1実施例では、この部分をDFTで行い周波数ビンの中心周波数を任意に決められるようにしているので、この変数nは整数値をとる必要がない。
【0043】そこで、この変数nを整数値をとる変数pと少数以下の値をとる変数αからn=p+αと定義する。この定義を用いて加算回数が1回のときに次数Nの粗FFTで、2Nの窓の効果が得られることを示した式(2)の後半部分を再度展開しなおすと次式のようになる。
【0044】
【数9】

【0045】以上のことから、本発明の第1実施例のように周波数分割処理部分をDFTで行い、サイドローブを低減する効果を増加させる能力を保ったまま、周波数ビンの中心周波数を任意に決められるようにするには、窓を乗算した時系列データを加算するときに、加算回数が1回の場合はここでの【0046】
【数10】

【0047】に相当する位相補償を乗算しながら行えばよいことが分かる。
【0048】次に、本発明の第1の実施例の動作について説明する。
【0049】図1に示すように、入力端子11を通じて窓乗算器12には、音響信号をディジタル信号化した時系列データがサンプリング周波数fsのレートで入力され、窓乗算器12でこの時系列データを必要に応じてオーバーラップ処理させながら切り出し、この切り出されたデータに、サイドローブを低減するための窓を乗算するところまでは従来方式と同様である。
【0050】また、ここでのオーバーラップ処理で切り出すデータ数と窓の次数は、後段の位相補償加算器13での加算回数Qと粗DFT処理器14でのフーリエ変換次数Nによって決まり、そのデータ数及び次数はN×(Q+1)となる。この窓を乗算した時系列データを位相補償付加算器13に出力する。位相補償付加算器13では、この窓を乗算した時系列データをx(1),x(2),x(3),…,x〔N×(Q+1)〕とすると、次のような前記した基本原理から導出された補償量を乗算しながら加算処理を行い粗DFT処理器14に出力する。
【0051】
【数11】

【0052】ただし、Qは位相補償付加算器13の加算回数、Nは粗DFT処理器14でのフーリエ変換次数、fcは必要とする粗の周波数ビンの中心周波数である。
【0053】粗DFT処理器14では、この位相補償付き加算されたデータに対して、必要とする粗の周波数ビンの中心周波数fcに相当するn=p+αについてN次の離散フーリエ変換を行うことで粗の周波数ビンを作成し、位相補償器15に出力する。位相補償器15では、窓乗算器12でディジタル信号化した時系列データをオーバーラップ処理したときに、後段の精FFTでの詳細周波数分析結果に起きる周波数シフトに対して、例えば次式のように粗の周波数ビンの中心周波数で決まる補償量を位相補償器15に入力される粗の周波数ビンの時系列方向に乗算することで補償し、精FFT処理器16に出力する。なお、オーバーラップ処理を行わなければこの位相補償器15は不必要である。
【0054】
【数12】

【0055】k=0,1,2,…,M−1ただし、X(k)は粗の周波数ビンのk番目の時系列データ、fcは必要とする粗の周波数ビンの中心周波数、fsは音響信号をディジタル信号化した時系列データのサンプリング周波数、Ovpは窓乗算器12でのオーバーラップ率、Nは粗DFT処理器14でのフーリエ変換次数である。
【0056】精FFT処理器16では、この補償された周波数ビンを生成された順に時系列に並べてバッファリングし、M次の複素高速フーリエ変換を行うことで詳細周波数分析された精の周波数ビンをそれぞれ得る。そしてこの精の周波数ビンを出力端子17を介して外部にそれぞれ出力する。
【0057】上記したように、本発明の第1実施例によれば、分析したい周波数が事前に分かっており、その周波数の近傍で周波数分割を実施したい場合、分析したい周波数が粗FFTの周波数分割単位の境界にあった場合でも、1ビン分の粗DFTの算出でよいだけでなく、それに伴って精FFTもこの1ビン分の処理でよくなり、結果として全体的な処理量を低減することができる。
【0058】次に、本発明の第2実施例について説明する。
【0059】図2は本発明の第2実施例を示す2段階の処理による周波数分析システム構成図である。
【0060】図2において、21は入力端子、22は窓乗算器、23は周波数ひねり処理器、24はひねり量算出器、25は加算処理器、26は粗DFT処理器、27は位相補償器、28は精FFT処理器、29は出力端子である。
【0061】本発明の第1実施例では本発明の目的を位相補償付加算器13で実現していたのに対して、本発明の第2実施例では、この部分を周波数ひねり処理器23と、ひねり量算出器24に置き換えることで実現している。
【0062】本発明の第2実施例の方式の原理について、ここでは、第1実施例と同様に加算回数が1回の場合に次数Nの粗DFTで、この原理によっても2Nの窓の効果が得られることを説明する。
【0063】本発明の第1実施例の原理が周波数ビンの中心周波数を任意にとるように、整数値をとる変数pと少数以下の値をとる変数αからn=p+αと定義して、このp+αに相当する周波数に対してDFTを行うことを基本に考えたのに対して、逆に第2実施例ではDFTはp+αではなくpに相当する周波数に対して行い、差分αに相当する周波数ひねりは、加算処理する前に乗算しておくことで補償するようにしている。例えば、2Nの長さの窓を乗算した時系列データW(k)x(k)にこの差で周波数ひねりを行い一回加算した後、pに相当する周波数についてN次のDFTを行った周波数ビンの結果は、式(2)から次のように表すことができる。
【0064】
【数13】

【0065】以上のことから本発明の第2実施例のようにpに相当する周波数に対して周波数分割処理部分をDFTで行い、サイドローブを低減する効果を増加させる能力を保ったまま、周波数ビンの中心周波数を任意に決められるようにするには、時系列データに応じた差分αに相当する【0066】
【数14】

【0067】を加算処理する前に乗算しておけば良いことがわかる。
【0068】次に、本発明の第2実施例の動作について説明する。
【0069】図2に示すように、入力端子21を通じて窓乗算器22には、音響信号をディジタル信号化した時系列データがサンプリング周波数fsのレートで入力され、窓乗算器22でこの時系列データを必要に応じてオーバーラップ処理させながら切り出し、この切り出されたデータに、サイドローブを低減するための窓を乗算するところまでは本発明の第1実施例と同様である。
【0070】また、ここでのオーバーラップ処理で切り出すデータ数と窓の次数も、本発明の第1実施例と同様にN×(Q+1)となる。この窓を乗算した時系列データを周波数ひねり処理器23に出力する。ここで、ひねり量算出器24では、周波数ひねり処理器23でのひねり量Δαと後段の粗DFT処理器26のDFTの対象とする周波数fpを、必要とする粗の周波数ビンの中心周波数fcと分析幅Δfから、例えば次式のようにそれぞれ算出しておく。
【0071】fp=INT(fc/Δf)・Δfただし、INTは小数点以下の切り捨てを行う関数である。
【0072】Δα=fc−fp周波数ひねり処理器23では、このひねり量Δαを用いて、例えば次式のように、この窓を乗算した時系列データに周波数ひねりを加え加算処理器25に出力する。
【0073】
【数15】

【0074】ただし、x(k)はk番目の窓を乗算した時系列データ、Qは加算処理器25での加算回数である。
【0075】加算処理器25では、この周波数ひねりを加えた時系列データに対して従来技術の例の式(3)で行ったのと同様の加算処理を行い、粗DFT処理器26に出力する。粗DFT処理器26では、この加算されたデータに対して、前記したDFTの対象とする周波数fpについてN次のDFTを行うことで粗の周波数ビンを作成し、位相補償器27に出力する。以降の位相補償器27、精FFT処理器28、出力端子29の各動作については、本発明の第1実施例と同一である。
【0076】このように、本発明の第2実施例によれば、第1実施例と同様の効果を得ることができる。
【0077】さらに、本発明によれば、以下のような利用形態を有する。
【0078】(1)第1実施例及び第2実施例の窓乗算器で使用する窓係数は、必要となる最大次数の場合だけあらかじめ計算して記憶しておき、必要な次数に応じて係数を間引いて使用することもできる。
【0079】(2)第1実施例及び第2実施例では、詳細周波数分析を行うのにFFTを用いていたが、この部分を例えば最大エントロピー法等の線形予測処理によって周波数分析を行うこともできる。
【0080】(3)本発明を実施するにあたってのデータ形式及びその処理形式はアナログ形式であってもディジタル形式であってもよい。
【0081】(4)本発明を実現するにあたっての装置構成は、集積回路等を組み合わせた構成でも、DSP等の演算プロセッサによるソフトウェアでの構成であってもよい。
【0082】なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0083】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明によれば、分析したい周波数が事前に分かっており、その周波数の近傍で周波数分割を実施したい場合、分析したい周波数が粗FFTの周波数分割単位の境界にあった場合でも、1ビン分の粗DFTの算出でよいだけでなく、それに伴って精FFTもこの1ビン分の処理でよくなり、結果として全体的な処理量を低減することができる。




 

 


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