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発明の名称 ディジタル音声処理装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2002−41100(P2002−41100A)
公開日 平成14年2月8日(2002.2.8)
出願番号 特願2000−220065(P2000−220065)
出願日 平成12年7月21日(2000.7.21)
代理人 【識別番号】100090620
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 宣幸
【テーマコード(参考)】
5D045
【Fターム(参考)】
5D045 DA20 
発明者 有山 義博
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 入力された量子化信号から、量子化レベルをもとに振幅レベルが小さい微小雑音を除去した非線形量子化信号を生成して出力する非線形処理手段と、当該非線形量子化信号に応じた音声符号化前信号の供給を受け、当該音声符号化前信号の声道分析を行って声道パラメータを出力すると共に音声符号化を行う音声符号化手段とを備えたディジタル音声処理装置において、前記量子化信号の信号パワーに応じて対応ノイズを生成する対応ノイズ生成手段と、前記非線形量子化手段が前記微小雑音の除去動作を行った場合には、動作状態の動作状態指示信号を出力し、除去動作を行わなかった場合には非動作状態の動作状態指示信号を出力する動作状態指示手段と、当該動作状態指示信号が非動作状態である場合には、前記音声符号化手段が出力した声道パラメータで記憶内容を更新し、動作状態である場合には、その時点の記憶内容である声道パラメータを合成フィルタ手段に出力する声道パラメータ記憶手段と、当該声道パラメータ記憶手段から供給された声道パラメータをもとにして、前記対応ノイズを処理する合成フィルタ手段と、前記動作状態指示信号が動作状態である場合には当該合成フィルタ手段の出力を前記非線形量子化信号に加算することで、前記音声符号化前信号を生成し、非動作状態である場合には、前記非線形量子化信号を前記音声符号化前信号にする加算手段とを備えることを特徴とするディジタル音声処理装置。
【請求項2】 請求項1のディジタル音声処理装置において、前記音声符号化手段は、前記音声符号化前信号に対して可変レート音声符号化を行う可変レート音声符号化部と、前記量子化信号に対してレート判定を行って第1のレート判定結果を出力する第1のレート判定部と、前記音声符号化前信号に対してレート判定を行って第2のレート判定結果を出力する第2のレート判定部と、前記非線形処理手段の動作が当該可変レート音声符号化部の動作に悪影響を与えているかどうかを、当該第1のレート判定結果と第2のレート判定結果をもとに判定し、悪影響を与えていると判定した場合には、前記音声符号化手段が、前記量子化信号を符号化対象とする傾向が高まるように制御し、悪影響を与えていないと判定した場合には、前記非線形量子化信号を符号化対象とする傾向が高まるように制御する符号化対象制御手段とを備えたことを特徴とするディジタル音声処理装置。
【請求項3】 入力された量子化信号から、量子化レベルをもとに振幅レベルが小さい微小雑音を除去した非線形量子化信号を生成して出力する非線形処理手段と、当該非線形量子化信号に応じた音声符号化前信号の供給を受け、当該音声符号化前信号の声道分析を行って声道パラメータを出力すると共に音声符号化を行う音声符号化手段とを備えたディジタル音声処理装置において、前記音声符号化手段は、前記音声符号化前信号に対して可変レート音声符号化を行う可変レート音声符号化部と、前記量子化信号に対してレート判定を行って第1のレート判定結果を出力する第1のレート判定部と、前記音声符号化前信号に対してレート判定を行って第2のレート判定結果を出力する第2のレート判定部と、前記非線形処理手段の動作が当該可変レート音声符号化部の動作に悪影響を与えているかどうかを、当該第1のレート判定結果と第2のレート判定結果をもとに判定し、悪影響を与えていると判定した場合には、前記音声符号化手段が、前記量子化信号を符号化対象とする傾向が高まるように制御し、悪影響を与えていないと判定した場合には、前記非線形量子化信号を符号化対象とする傾向が高まるように制御する符号化対象制御手段とを備えたことを特徴とするディジタル音声処理装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディジタル音声処理装置に関し、例えば、ディジタル携帯電話で用いるエコーキャンセラでNLP(非線形処理)を行う場合などに適用し得るものである。
【0002】
【従来の技術】自動車の車内で使用されるハンズフリー携帯電話や、テレビ会議などの音響エコー消去に用いられるエコーキャンセラには、信号のSN比を改善するためにNLP(非線形処理)部と呼ばれる低レベル信号遮断機能がある。NLP部で遮断される低レベル信号は、通常、振幅レベルが所定値以下の微小雑音であるから、NLP部による処理を受けた量子化信号は、微小雑音に対応した部分に有効な信号を持たない非線形量子化信号となる。
【0003】また、この非線形量子化信号に対応した音声出力が行われると、当該微小雑音に対応した部分が音声の断裂感を与えて耳障りであるので、音声の断裂感を緩和するために、コンフォートノイズと呼ばれる合成雑音を付加することがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のエコーキャンセラなどに用いられるNLP及び、コンフォートノイズに関しては、国際勧告、ITU−TG.165などに詳しく示されている方法が使用される。その方法によると、NLP部では、コンフォートノイズとして一般的に電話音声帯域(300Hz〜3.4KHz)においてフラットな周波数特性の白色雑音が用いられることが多い。
【0005】しかしながら実際には、音声の背景に含まれる雑音は必ずしも一様な周波数特性を有するわけではないので、音声部分と雑音部分で音色の違いによる違和感を生じることがある。
【0006】また、当該NLP部を音声コーデックの音声符号化部と併用すると、音声符号化部で実行する処理の内容によっては、NLP部の動作自体が正常な音声符号化部の処理を妨げることがある。
【0007】たとえば、有音・無音判定を行い、有音区間は高いデータレートに符号化し、無音区間は低いデータレートに符号化することで、可変レートの音声符号化処理を行って送信する情報量の圧縮をはかる場合などがこれに該当する。
【0008】一例として、この有音・無音判定を、非線形量子化信号の振幅レベルの時間変化の大きさに基づいて行っている場合などには、たとえ微小な雑音であっても、NLP部の動作によってある振幅レベルから瞬時に振幅ゼロに変化すると、振幅レベルの時間変化はかなり急激なものとして検出され、有音区間として誤判定される可能性がある。
【0009】しかも、NLP部が動作して微小雑音を除去するON状態と、動作しないOFF状態とが高い頻度で繰り返されると、当該NLP部のON/OFF状態切替えの繰り返しによる信号レベルの変動は、本来の有音区間に類似したものとなり、それによっても、無音区間を有音区間と誤判定する可能性が高まる。
【0010】これらの場合、送信情報量を期待通りに圧縮することが困難になり、圧縮効率が低下してしまう。
【0011】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するために、第1の発明では、入力された量子化信号から、量子化レベルをもとに振幅レベルが小さい微小雑音を除去した非線形量子化信号を生成して出力する非線形処理手段と、当該非線形量子化信号に応じた音声符号化前信号の供給を受け、当該音声符号化前信号の声道分析を行って声道パラメータを出力すると共に音声符号化を行う音声符号化手段とを備えたディジタル音声処理装置において、(1)前記量子化信号の信号パワーに応じて対応ノイズを生成する対応ノイズ生成手段と、(2)前記非線形量子化手段が前記微小雑音の除去動作を行った場合には、動作状態の動作状態指示信号を出力し、除去動作を行わなかった場合には非動作状態の動作状態指示信号を出力する動作状態指示手段と、(3)当該動作状態指示信号が非動作状態である場合には、前記音声符号化手段が出力した声道パラメータで記憶内容を更新し、動作状態である場合には、その時点の記憶内容である声道パラメータを合成フィルタ手段に出力する声道パラメータ記憶手段と、(4)当該声道パラメータ記憶手段から供給された声道パラメータをもとにして、前記対応ノイズを処理する合成フィルタ手段と、(5)前記動作状態指示信号が動作状態である場合には当該合成フィルタ手段の出力を前記非線形量子化信号に加算することで、前記音声符号化前信号を生成し、非動作状態である場合には、前記非線形量子化信号を前記音声符号化前信号にする加算手段とを備えることを特徴とする。
【0012】また、第2の発明では、入力された量子化信号から、量子化レベルをもとに振幅レベルが小さい微小雑音を除去した非線形量子化信号を生成して出力する非線形処理手段と、当該非線形量子化信号に応じた音声符号化前信号の供給を受け、当該音声符号化前信号の声道分析を行って声道パラメータを出力すると共に音声符号化を行う音声符号化手段とを備えたディジタル音声処理装置において、(1)前記音声符号化手段は、前記音声符号化前信号に対して可変レート音声符号化を行う可変レート音声符号化部と、(2)前記量子化信号に対してレート判定を行って第1のレート判定結果を出力する第1のレート判定部と、(3)前記音声符号化前信号に対してレート判定を行って第2のレート判定結果を出力する第2のレート判定部と、(4)前記非線形処理手段の動作が当該可変レート音声符号化部の動作に悪影響を与えているかどうかを、当該第1のレート判定結果と第2のレート判定結果をもとに判定し、悪影響を与えていると判定した場合には、前記音声符号化手段が、前記量子化信号を符号化対象とする傾向が高まるように制御し、悪影響を与えていないと判定した場合には、前記非線形量子化信号を符号化対象とする傾向が高まるように制御する符号化対象制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】(A)実施形態以下、本発明にかかるディジタル音声処理装置の実施形態について説明する。
【0014】本実施形態では、つながりのよいNLP動作とコンフォートノイズを発生することを特徴とする。これにより、低レベル入力時の音声の違和感を緩和することができ、また、音声コーデックの動作を妨げないように出来る。
【0015】(A−1)第1の実施形態の構成本実施形態の音声処理装置を図1に示す。
【0016】図1において、この音声処理装置は、入力端子101と、NLP部102と、ノイズジェネレータ103と、信号レベル分析部104と、乗算器105と、音声符号化部106と、係数レジスタ107と、合成フィルタ108と、スイッチ109と、接続端子111とを備えている。
【0017】このうち入力端子101には、音声信号Sinがサンプル単位で供給される。この音声信号Sinは、元の入力信号をどのように標本化し、どのように量子化して得られたものであってもよいが、振幅レベルの小さな離散値に対しても有効な信号を含んでいるという意味で、線形的な量子化信号である。
【0018】当該音声信号Sinを受け取るNLP部102は、遮断する微小雑音の振幅レベルに対応したしきい値TH1をもとに、当該音声信号Sinから当該しきい値TH1未満の振幅レベルに対応する部分の信号を除去することで、非線形音声信号Sin’を生成して加算器110に出力する部分で、前述のサンプル単位で動作する。非線形音声信号Sin’は、振幅レベルの小さな離散値に対しては有効な信号を含んでいないという意味で、非線形的な量子化信号である。
【0019】このNLP部102はまた、自身の動作状態に応じて動作状態信号NSの状態を変化させる動作状態信号出力端子102Aを備え、前記しきい値TH1未満の信号を除去しているときには当該動作状態信号NSを能動状態とし、除去していないときには非能動状態とする。
【0020】前記加算器110の入力端子110Aと合成フィルタ108の出力端子を接続状態または非接続状態とするスイッチ109は、当該動作状態信号NSが能動状態である場合には接続状態とし、非能動状態の場合には非接続状態とする部分である。
【0021】前記加算器110は、その入力端子110Aに、スイッチ109を介して合成フィルタ108から供給されたコンフォートノイズCNと前記非線形音声信号Sin’とを加算して加算結果(出力音声信号Sout)を出力する部分である。動作状態信号NSが非能動状態で、NLP部102が微小ノイズを除去していないときには、スイッチ109は非接続状態なので、非線形音声信号Sin’がそのまま出力音声信号Soutとして、接続端子111に供給される。
【0022】音声符号化部106は、当該出力音声信号Soutに対してフレーム単位で音声符号化を行って、符号化結果として符号化音声信号CAを出力する部分である。これに加えて音声符号化部106は、当該音声符号化で計算される声道パラメータTPを出力する声道分析結果出力端子106Aも備えている。音声符号化部106は独立した音声符号化部であってもよく、音声コーデックの一部としての音声符号化部であってもよい。
【0023】音声符号化部106からこの声道パラメータTPの供給を受ける係数レジスタ107は、前記動作状態信号NSが非能動状態の場合には当該声道パラメータTPを格納し、能動状態の場合にはその時点に記憶している係数(声道パラメータTP)を合成フィルタ108に出力する部分である。
【0024】一方、NLP部102と同様に入力端子101から当該音声信号Sinを受け取る信号レベル分析部104は、音声信号Sinの信号パワーを測定し、この測定結果に応じたゲインGNを出力する部分である。
【0025】このゲインGNは、乗算器105において、ノイズジェネレータ103から出力された白色雑音WNと乗算される。乗算結果は、増幅白色雑音WN’として合成フィルタ108に供給される。
【0026】合成フィルタ108は、係数レジスタ107から出力される声道パラメータTPをフィルタ係数として合成フィルタを構成し、当該増幅白色雑音WN’を励振源として、上述したコンフォートノイズCNを生成する部分である。
【0027】以下、上記のような構成を有する本実施形態の動作について説明する。
【0028】(A−2)第1の実施形態の動作図1において、音声信号Sinが入力端子101に供給されると、NLP部102は、当該音声信号Sinをサンプル単位で処理して非線形音声信号Sin’を出力し、微小雑音を除去した場合には動作状態信号NSを能動状態とし、除去しない場合には非能動状態とする。
【0029】動作状態信号NSが能動状態の場合にはスイッチ109は接続状態となり、係数レジスタ107は格納している声道パラメータTPを出力する。
【0030】そして当該能動状態では、合成フィルタ108が出力したコンフォートノイズCNがスイッチ109を介して加算器110に供給され、非線形音声信号Sin’に当該コンフォートノイズCNが重畳されて前記出力音声信号Soutが生成される。
【0031】一方、非能動状態では、スイッチ109が非接続状態なので非線形音声信号Sin’がそのまま出力音声信号Soutとして音声符号化部106に供給される。
【0032】また、当該非能動状態の際の係数レジスタ107は、音声符号化部106から出力された新しい声道パラメータTPによって、それ以前に記憶していた声道パラメータを置換し、格納する声道パラメータTPの更新を行う。
【0033】したがって、当該係数レジスタ107に記憶されている声道パラメータTPには、常に、NLP部102が微小ノイズの除去を行う直前の音声符号化部106の声道分析結果が反映されている。
【0034】また、このような声道パラメータTPによって、合成フィルタ108が使用するフィルタ係数が常に音声符号化部106に対応したものに更新される。当該更新によって、音声符号化部106に対して時間的に合成フィルタ108のフィルタ係数を対応させることが可能になる。
【0035】また、本実施形態の音声処理装置では、同一の音声符号化部106に対して時間的に合成フィルタ108のフィルタ係数を対応させることができるだけでなく、異なる音声符号化部を接続端子111に接続した場合でも、当該音声符号化部の特性に合成フィルタ108のフィルタ係数を対応させることが可能である。
【0036】したがって、接続端子111に特性の異なる音声符号化部(音声コーデックの音声符号化部でもよい)を接続した場合でも、合成フィルタ108の動作と音声符号化部106の動作を協調させることができ、良好な動作を維持することが可能である。このため、前記符号化音声信号CAを復号することによって得られる音声の音質は、音声符号化部106の特性に依存することなしに高く維持することができる。
【0037】(A−3)第1の実施形態の効果本実施形態によれば、NLP部によって微小雑音が除去された部分の前後で背景雑音の音色を整えて、音声の断裂感を改善することができる。
【0038】また、本実施形態では、接続端子(111)に特性の異なる音声符号化部を接続した場合でも、高い音質を維持することが可能である。
【0039】さらに本実施形態は、エコーキャンセラだけでなく、NLP的な動作を含む他のシステム、たとえばノイズキャンセラを音声コーデックと組み合わせる場合などにも適用可能である。
【0040】(B)第2の実施形態以下では、本実施形態が第1の実施形態と相違する点についてのみ説明する。
【0041】(B−1)第2の実施形態の説明本実施形態の音声処理装置を図2に示す。図2から明らかなように、本実施形態の音声処理装置は、コンフォートノイズを生成し、付加(加算、重畳)するための手段(前記符号103〜105、107〜110を付与した各構成要素)を備えていない。
【0042】すなわち、図2において、本実施形態の音声処理装置は、入力端子201と、NLP部202と、音声符号化部206と、接続端子211と、NLP制御部215と、レート情報バッファ216とを備えている。
【0043】このうち入力端子201の機能は前記入力端子101とまったく同じであり、接続端子211の機能も前記接続端子111とまったく同じである。
【0044】また、NLP部202は前記NLP部102に対応する機能を備えている。
【0045】ただし、NLP部202は、前記NLP部102と異なり、動作状態信号NSを出力する機能は備えていない。
【0046】また、音声符号化部206は前記音声符号化部106に対応する機能を備えている。
【0047】ただし音声符号化部206は、前記音声符号化部106のように声道パラメータTPを出力する機能は持たないが、音声信号Sinをもとにした第1のレート判定操作と出力音声信号Soutをもとにした第2のレート判定操作を行ってレート判定情報RIを出力する機能を装備するとともに、これらのレート判定に基づいて可変レート符号化を実行する機能を装備している。
【0048】この音声符号化部206は、例えば、図4に示すような内部構成を有するものであってよい。
【0049】図4において、音声符号化部206は、第1のレート判定部10と、第2のレート判定部11と、セレクタ12と、無音判定部13と、圧縮符号化部14とを備えている。
【0050】このうち第1のレート判定部10が実行する第1のレート判定操作では、音声信号Sinのデータレートである非線形処理前レートR1が検出され、第2のレート判定部11が実行する第2のレート判定操作では、出力音声信号Soutのデータレートである非線形処理後レートR2が検出される。なお、コンフォートノイズを生成し、付加するための手段を持たない本実施形態では、出力音声信号Soutは常に非線形音声信号Sin’に等しい。
【0051】検出された当該非線形処理前レートR1と非線形処理後レートR2は、レート判定情報RIとして、音声符号化部206からNLP制御部215に供給されるとともにセレクタ12に供給される。
【0052】セレクタ12は、NLP制御部215から供給される後述する判定レート指定信号DCに応じて、R1またはR2のどちらか一方を選択して選択レートSRとして無音判定部13に供給する部分である。
【0053】無音判定部13は、当該選択レートSRをもとに所定の有音・無音判定を実行し、無音区間または有音区間を示す判定信号SDを出力する部分である。この有音・無音判定において必要であれば、当該無音判定部13は、選択レートSRだけでなく、音声信号SinまたはSoutの入力も受けてよいが、基本的に、第1、第2のレート判定部10,11が行うレート判定とこの無音判定部13が行う有音・無音判定は相互に関連した処理であることが前提となる。
【0054】圧縮符号化部14は、無音判定部13が出力する判定信号SDに応じて、可変レート符号化を実行し、音声符号化信号CAを出力する部分である。
【0055】可変レート符号化では、無音圧縮処理を実現するために、判定信号SDが指定する無音区間ではまったく符号化しないか、あるいは符号化したとして有音区間に比べて少ないレートとなるように符号化する。
【0056】圧縮符号化部14による符号化の対象となるのは、通常は出力音声信号Soutであり、判定レート指定信号DCによって非線形処理前レートR1が選択レートSRとされているときには、前記音声信号Sinを符号化の対象とする。
【0057】図2において、NLP制御部215は、符号化音声信号CAから、NLP部202の微小雑音除去動作の影響である非線形性を取り除くか残留させるかを選択する部分である。
【0058】音声符号化部206からレート判定情報RIを受け取ったこのNLP制御部215は、当該レート判定情報RIをレート情報バッファ216に格納するので、レート情報バッファ216には検出時刻の異なる複数のレート判定情報RIが蓄積される。
【0059】NLP制御部216は、レート判定バッファ216に蓄積されているある時刻のレート判定情報RIにつき、非線形処理前レートR1と非線形処理後レートR2とを比較して、これらが相違するときには、さらに異なる時刻のレート判定情報RIについてもR1とR2の比較を行う。そして、R1とR2が異なる時刻でも同様に相違する場合には、NLP部202の微小雑音除去動作が音声符号化部206のレート判定に対し、安定的に悪影響を与えているものと認識する。
【0060】この認定は、NLP部202のON(動作)とOFF(非動作)の状態変化の繰り返しに対応する信号レベルの変動が音声符号化部206のレート判定動作に影響し、無音判定部13の有音・無音判定の信頼性を低下させる結果、本来は無音区間であるはずの区間が、無音判定部13の有音・無音判定では有音区間と誤判定され、正確な可変レート符号化が行えなくなる可能性が高まっていることを示す。
【0061】したがってこの場合、NLP制御部215は、判定レート指定信号DCを用いて音声符号化部206に対し、出力音声信号Routに基づく非線形処理後レートR2を使用せず、音声信号Sinに基づく非線形処理前レートR1を使用して、前記無音圧縮処理を行うように指定する。
【0062】なお、判定レート指定信号DCによってこの指示が出されない期間においては、音声符号化部206は、非線形処理後レートR2に基づいて、前記無音圧縮処理を行う。
【0063】もっとも、判定レート指定信号DCがR1の使用を指定している場合でもR2の使用を指定している場合でも、NLP部202は非線形音声信号Sin’を出力しつづけ、第1のレート判定部10も第2のレート判定部11もレート判定動作を継続している。
【0064】そして、非線形処理前レートR1と非線形処理後レートR2が等しくなり、レート判定結果が正常に戻った場合、判定レート指定信号DCによって、セレクタ12に非線形処理後レートR2を選択レートSRとして選択するように指示する。
【0065】NLP部202の動作が音声符号化部206のレート判定に対し、安定的に悪影響を与えるかどうかは、音声信号Sinの状態に依存して変化し得る。
【0066】なお、NLP動作の制限からその解除への切り替えに際してヒステリシスを持たせるようにしてもよい。
【0067】すなわち、R1とR2が一致するようになっても、ただちに判定レート指定信号DCの状態を変化させず、当該一致状態が所定時間だけ継続されたときにはじめて判定レート指定信号DCの状態を変化させるようにすると、セレクタ12の選択動作の切替え頻度を低減して安定化させることができ、当該切替え頻度が高すぎるために無音判定部13の動作が悪影響を受けることを防止することができる。
【0068】(B−2)第2の実施形態の効果本実施形態によれば、NLP部による微小雑音の除去動作自体がレート判定に悪影響を与え、音声符号化部(206)の圧縮効率を低下させることを有効に防止することができる。
【0069】また、本実施形態は、エコーキャンセラだけでなく、NLP的な動作を含む他のシステム、たとえばノイズキャンセラを音声コーデックと組み合わせる場合などにも適用可能である。
【0070】さらに、本実施形態では、前記ヒステリシスを持たせることで、セレクタの選択動作の切替え頻度を低減し、無音判定部の動作を安定化して、音声処理装置の信頼性を向上することができる。
【0071】(C)第3の実施形態以下では、本実施形態が第1の実施形態または第2の実施形態と相違する点についてのみ説明する。
【0072】本実施形態は、第1の実施形態と第2の実施形態を複合したような構成を備えている。
【0073】(C−1)第3の実施形態の構成および動作本実施形態の音声処理装置の構成を図3に示す。
【0074】図3において、入力端子301は前記入力端子101に対応し、NLP部302は前記NLP部102に対応し、ノイズジェネレータ303は前記ノイズジェネレータ103に対応し、信号レベル分析部304は信号レベル分析部104に対応し、乗算部305は前記乗算器105に対応し、係数レジスタ307は前記係数レジスタ107に対応し、合成フィルタ308は前記合成フィルタ108に対応し、スイッチ309は前記スイッチ109に対応し、接続端子311は前記接続端子111に対応し、NLP制御部315は前記NLP制御部215に対応し、レート情報バッファ316は前記レート情報バッファ216に対応している。
【0075】ここで述べた対応関係にある各部の機能は、まったく同一である。
【0076】また、音声符号化部306の機能は基本的に前記音声符号化部206の機能と同じである。ただしこの音声符号化部306は、前記音声符号化部106が備えていた声道パラメータTPを出力する機能も装備している。
【0077】このような構成であるから、本実施形態の場合、出力音声信号Soutは、前記非線形音声信号Sin’と同じ信号であるケースと、当該非線形音声信号Sin’にコンフォートノイズCNを付加した信号であるケースがある。
【0078】したがって、本実施形態では、音声符号化部306から出力される符号化音声信号CAも、コンフォートノイズCNの効果によって、断裂感が緩和された信号となっている。
【0079】(C−2)第3の実施形態の効果本実施形態によれば、第1の実施形態の効果とまったく同等な効果を得ることができる。
【0080】加えて、本実施形態では、第2の実施形態の効果と同等な効果も得ることが可能であるため、符号化音声信号CAの品質は、第1の実施形態と比べても、第2の実施形態と比べてもいっそう高いものとなっている。
【0081】(D)他の実施形態なお、第1〜第3の実施形態では、NLP部は、画一的にしきい値TH1を基準として、遮断する微小雑音の振幅レベルを設定したが、NLP部の内部処理の内容はこれに限定しない。
【0082】例えば、しきい値TH1を固定的に決定するのではなく、音声信号Sinの振幅レベルに関して統計的な分析を行って決定するようにしてもい。この場合、音声処理装置の継続的な動作状態において、当該しきい値TH1は変動し得る。
【0083】なお、第1〜第3の実施形態では主としてハードウエア的に本発明を実現したが、本発明は、ソフトウエア的に実現することも可能である。
【0084】
【発明の効果】以上に説明したように、第1の発明によれば、非線形処理手段によって微小雑音が除去された部分の前後で背景雑音の音色を整えて、音声の断裂感を改善することができ、通信品質が向上する。
【0085】また、第1の発明では、声道パラメータ記憶手段が記憶している記憶内容を音声符号化手段が出力した声道パラメータによって更新するので、音声符号化手段を特性の異なるものに取り替えた場合でも、高い通信品質を維持することが可能である。
【0086】さらに、第2の発明では、非線形処理手段の動作自体が可変レート音声符号化部の動作に悪影響を与えることを有効に防止することができるので、可変レート音声符号化部の圧縮効率を高く維持することが可能である。




 

 


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