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発明の名称 転写因子活性に影響を及ぼす薬剤の同定方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2002−306171(P2002−306171A)
公開日 平成14年10月22日(2002.10.22)
出願番号 特願2001−110037(P2001−110037)
出願日 平成13年4月9日(2001.4.9)
代理人 【識別番号】100105991
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 玲子 (外1名)
【テーマコード(参考)】
2G045
2G054
4B024
4B063
4B065
4C084
【Fターム(参考)】
2G045 AA40 BA11 CB21 FA29 GC15 JA02 
2G054 AA08 AB10 BA04 EA03
4B024 AA11 AA20 CA02 CA04 DA12 EA04 FA01 FA02 FA07 FA10 FA15 GA11 HA11
4B063 QA01 QA05 QA18 QQ07 QQ13 QQ20 QQ22 QQ26 QQ35 QQ79 QR32 QR60 QR80 QS24 QS36 QS38 QX01
4B065 AA72X AB01 AC14 AC20 BA02 BC50 CA46
4C084 AA02 AA03 AA06 AA17 BA44 CA62 NA14 ZC412
発明者 多田光宏 / 守内哲也
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 試験薬剤が転写因子の活性に及ぼす影響を測定する方法であって,(1) 酵母において前記転写因子を発現する第1のベクターを用意し,(2) プロモーターおよび前記プロモーターの下流に動作可能なように連結されたアッセイリポーターを含有する第2のベクターを用意し,ここで,前記プロモーターの活性は前記転写因子により制御され,(3) 前記第1のベクターおよび前記第2のベクターを酵母に導入し,(4) 前記酵母を前記試験薬剤と接触させ,そして(5) 前記プロモーターの活性を前記試験薬剤の非存在下におけるプロモーターの活性と比較するの各工程を含む方法。
【請求項2】 試験薬剤が転写因子の活性に及ぼす影響を測定する方法であって,(1) 酵母において前記転写因子および内部標準リポーターを発現する第1のベクターを用意し,(2) プロモーターおよび前記プロモーターの下流に動作可能なように連結されたアッセイリポーターを含有する第2のベクターを用意し,ここで,前記プロモーターの活性は前記転写因子により制御され,かつ,前記アッセイリポーターは前記内部標準リポーターとは異なるものであり,(3) 前記第1のベクターおよび前記第2のベクターを酵母に導入し,(4) 前記酵母を前記試験薬剤と接触させ,そして(5) 前記プロモーターの活性を前記試験薬剤の非存在下におけるプロモーターの活性と比較するの各工程を含む方法。
【請求項3】 前記第1のベクターにおいて,前記転写因子をコードする遺伝子の転写と前記内部標準リポーターをコードする遺伝子の転写とが同じプロモーターにより駆動される,請求項2記載の方法。
【請求項4】 工程(3)において,前記転写因子の補助因子を発現する第3のベクターを前記酵母に導入することをさらに含む,請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】 工程(4)において,前記酵母を前記試験薬剤と接触させる前にザイモリアーゼで処理することをさらに含む,請求項1または2に記載の方法。
【請求項6】 工程(5)におけるプロモーターの活性の測定が,吸光度変化または蛍光発色を検出することにより行われる,請求項1または2に記載の方法。
【請求項7】 前記第1のベクターが,前記第1のベクターが導入された酵母において1コピーで維持される,請求項1または2に記載の方法。
【請求項8】 前記内部標準リポーターが,ウミシイタケルシフェラーゼ,蛍ルシフェラーゼ,β−ガラクトシダーゼおよびクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼからなる群より選択される,請求項2記載の方法。
【請求項9】 前記転写因子が,p53,その変異体,p73,p51,Tcf4,Sp1,E2F,SRF,Oct-1,C/EBP,CREB,Pit-1,NF-kB,Fos/Jun,Ets,WT1,グルココルチコイド受容体およびエストロジェン受容体からなる群より選択される,請求項1または2記載の方法。
【請求項10】 前記転写因子がp53であり,前記プロモーターがBaxプロモーター、p21プロモーター、MDR-1プロモーター、IGF-IRプロモーター、EGFRプロモーター、VEGFプロモーターまたはMMP-13プロモーターである,請求項1または2記載の方法。
【請求項11】 前記第2のベクターが,酵母染色体上に組み込まれる,請求項1または2記載の方法。
【請求項12】 前記第2のベクターが,ヒト調節的制御領域およびヒト構成的制御領域を含む,請求項1または2記載の方法。
【請求項13】 前記第2のベクターが,ヒト調節的制御領域および酵母構成的制御領域を含む,請求項1または2記載の方法。
【請求項14】 前記アッセイリポーターが,蛍ルシフェラーゼ,ウミシイタケルシフェラーゼ,酵母ADE2,GFP,β−ガラクトシダーゼおよびクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼからなる群より選択される,請求項1または2記載の方法。
【請求項15】 前記補助因子が,p33ING1,p33ING2,c−Ablキナーゼ,p300,カゼイン・キナーゼ I,カゼイン・キナーゼ II,DNAプロテインキナーゼ,ATM,14-3-3蛋白,Mdm2,Bcl-2,p40,SV40 Large T抗原,アデノウイルスE1B蛋白,ヒトパピローマウイルスE6蛋白,B型肝炎ウイルスX抗原,EBウイルスEBNA-5およびHTLV-1 Tax蛋白からなる群より選択される,請求項4記載の方法。
【請求項16】 酵母において転写因子および内部標準リポーターを発現する第1のベクター,およびその活性が前記転写因子により制御されるプロモーターと,前記プロモーターの下流に動作可能なように連結された,内部標準リポーターとは異なるアッセイリポーターとを含有する第2のベクターを含む酵母細胞。
【請求項17】 前記第1のベクターにおいて,前記転写因子をコードする遺伝子と前記内部標準リポーターをコードする遺伝子とが同じプロモーターにより駆動されるよう配置されている,請求項16記載の酵母細胞。
【請求項18】 前記転写因子の補助因子を発現する第3のベクターをさらに含む,請求項16記載の酵母細胞。
【請求項19】 前記第1のベクターが1コピーで維持される,請求項16記載の酵母細胞。
【請求項20】 前記内部標準リポーターが,ウミシイタケルシフェラーゼ,蛍ルシフェラーゼ,β−ガラクトシダーゼおよびクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼからなる群より選択される,請求項16記載の酵母細胞。
【請求項21】 前記転写因子が,p53,その変異体,p73,p51,Tcf4,Sp1,E2F,SRF,Oct-1,C/EBP,CREB,Pit-1,NF-kB,Fos/Jun,Ets,WT1,グルココルチコイド受容体およびエストロジェン受容体からなる群より選択される,請求項16記載の酵母細胞。
【請求項22】 前記転写因子がp53であり,前記プロモーターがBaxプロモーター、p21プロモーター、MDR-1プロモーター、IGF-IRプロモーター、EGFRプロモーター、VEGFプロモーターまたはMMP-13プロモーターである,請求項16記載の酵母細胞。
【請求項23】 前記第2のベクターが,酵母染色体上に組み込まれている,請求項16記載の酵母細胞。
【請求項24】 前記第2のベクターが,ヒト調節的制御領域およびヒト構成的制御領域を含む,請求項16記載の酵母細胞。
【請求項25】 前記第2のベクターが,ヒト調節的制御領域および酵母構成的制御領域を含む,請求項16記載の酵母細胞。
【請求項26】 前記アッセイリポーターが,蛍ルシフェラーゼ,ウミシイタケルシフェラーゼ,酵母ADE2,GFP,β−ガラクトシダーゼおよびクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼからなる群より選択される,請求項16記載の酵母細胞。
【請求項27】 前記補助因子が,p33ING1,p33ING2,c−Ablキナーゼ,p300,カゼイン・キナーゼ I,カゼイン・キナーゼ II,DNAプロテインキナーゼ,ATM,14-3-3蛋白,Mdm2,Bcl-2,p40,SV40 Large T抗原,アデノウイルスE1B蛋白,ヒトパピローマウイルスE6蛋白,B型肝炎ウイルスX抗原,EBウイルスEBNA-5およびHTLV-1 Tax蛋白からなる群より選択される,請求項18記載の酵母細胞。
【請求項28】 酵母において転写因子を発現するベクターであって,転写因子をコードする核酸配列,内部標準リポーターをコードする核酸配列,および,酵母において動作可能なプロモーター,ターミネーター,およびマーカー遺伝子を含み,ここで,前記転写因子をコードする核酸配列と前記内部標準リポーターをコードする核酸配列とが,同じプロモーターにより駆動されるように配置されていることを特徴とするベクター。
【請求項29】 前記転写因子が,p53,その変異体,p73,p51,Tcf4,Sp1,E2F,SRF,Oct-1,C/EBP,CREB,Pit-1,NF-kB,Fos/Jun,Ets,WT1,グルココルチコイド受容体およびエストロジェン受容体からなる群より選択される,請求項28記載のベクター。
【請求項30】 前記内部標準リポーターが,ウミシイタケルシフェラーゼ,蛍ルシフェラーゼ,β−ガラクトシダーゼおよびクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼからなる群より選択される,請求項28記載のベクター。
【請求項31】 大腸菌において動作可能な複製起点およびマーカーをさらに含む,請求項28記載のベクター。
【請求項32】 請求項28記載のベクターを含む酵母細胞。
【請求項33】 酵母において転写因子を発現する発現ベクターを構築するためのクローニングベクターであって,転写因子をコードする核酸配列を挿入するためのクローニング部位,内部標準リポーターをコードする核酸配列,および,酵母において動作可能なプロモーター,ターミネーター,およびマーカー遺伝子を含み,ここで,前記クローニング部位と前記内部標準リポーターをコードする核酸配列は,挿入されるべき転写因子をコードする核酸配列と前記内部標準リポーターをコードする核酸配列とが同じプロモーターにより駆動されるように配置されていることを特徴とするベクター。
【請求項34】 試験薬剤が転写因子の活性に及ぼす影響を判定するためのキットであって,(1) 酵母において前記転写因子および内部標準リポーターを発現する第1のベクター,および,(2) その活性が前記転写因子により制御されるプロモーターと,前記プロモーターの下流に動作可能なように連結された,前記内部標準リポーターとは異なるアッセイリポーターとを含有する第2のベクターを含むキット。
【請求項35】 前記転写因子の補助因子を発現する第3のベクターをさらに含む,請求項34記載のキット。
【請求項36】 前記アッセイリポーターが,蛍ルシフェラーゼ,ウミシイタケルシフェラーゼ,酵母ADE2,GFP,β−ガラクトシダーゼおよびクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼからなる群より選択される,請求項34記載のキット。
【請求項37】 前記転写因子が,p53,その変異体,p73,p51,Tcf4,Sp1,E2F,SRF,Oct-1,C/EBP,CREB,Pit-1,NF-kB,Fos/Jun,Ets,WT1,グルココルチコイド受容体およびエストロジェン受容体からなる群より選択される,請求項34記載のキット。
【請求項38】 前記転写因子がp53であり,前記プロモーターがBaxプロモーター、p21プロモーター、MDR-1プロモーター、IGF-IRプロモーター、EGFRプロモーター、VEGFプロモーターまたはMMP-13プロモーターである,請求項34記載のキット。
【請求項39】 前記内部標準リポーターが,ウミシイタケルシフェラーゼ,蛍ルシフェラーゼ,β−ガラクトシダーゼおよびクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼからなる群より選択される,請求項34記載のキット。
【請求項40】 前記プロモーターが,ヒト調節的制御領域およびヒト構成的制御領域を含む,請求項34記載のキット。
【請求項41】 前記プロモーターが,ヒト調節的制御領域および酵母構成的制御領域を含む,請求項34記載のキット。
【請求項42】 試験薬剤が蛋白質−蛋白質相互作用に及ぼす影響を測定する方法であって,(1) 酵母において第1の蛋白質を発現する第1のベクターを用意し,(2) プロモーターおよび前記プロモーターの下流に動作可能なように連結されたアッセイリポーターを含有する第2のベクターを用意し,(3) 酵母において第2の蛋白質を発現する第3のベクターを用意し,ここで,前記プロモーターの活性は,前記第1の蛋白質と前記第2の蛋白質との間の相互作用により制御され,(4) 前記第1のベクター,前記第2のベクターおよび前記第3のベクターを酵母に導入し,(5) 前記酵母を前記試験薬剤と接触させ,そして(6) 前記プロモーターの活性を前記試験薬剤の非存在下におけるプロモーターの活性と比較するの各工程を含む方法。
【請求項43】 試験薬剤が蛋白質−蛋白質相互作用に及ぼす影響を測定するためのキットであって,(1) 酵母において第1の蛋白質および内部標準リポーターを発現する第1のベクター,(2) その活性が前記第1の蛋白質と前記第2の蛋白質との間の相互作用により制御されるプロモーターと,前記プロモーターの下流に動作可能なように連結された,前記内部標準リポーターとは異なるアッセイリポーターを含有する第2のベクター,および(3) 酵母において第2の蛋白質を発現する第3のベクターを含むキット。
【請求項44】 転写因子の活性に影響を及ぼす薬剤を同定する方法であって,(1) 酵母において前記転写因子を発現する第1のベクターを用意し,(2) プロモーターおよび前記プロモーターの下流に動作可能なように連結されたアッセイリポーターを含有する第2のベクターを用意し,ここで,前記プロモーターの活性は前記転写因子により制御され,(3) 前記第1のベクターおよび前記第2のベクターを酵母に導入し,(4) 前記酵母を前記薬剤と接触させ,(5) 前記プロモーターの活性を前記薬剤の非存在下におけるプロモーターの活性と比較し,そして(6) 前記プロモーターの活性を変化させる薬剤を,転写因子の活性に影響を及ぼす薬剤として同定するの各工程を含む方法。
【請求項45】 請求項44記載の方法により選択される薬剤。
【請求項46】 薬剤によりその活性が影響を受ける転写因子を同定する方法であって,(1) 酵母において前記転写因子を発現する第1のベクターを用意し,(2) プロモーターおよび前記プロモーターの下流に動作可能なように連結されたアッセイリポーターを含有する第2のベクターを用意し,ここで,前記プロモーターの活性は前記転写因子により制御され,(3) 前記第1のベクターおよび前記第2のベクターを酵母に導入し,(4) 前記酵母を前記薬剤と接触させ,(5) 前記プロモーターの活性を前記薬剤の非存在下におけるプロモーターの活性と比較し,そして(6) 前記プロモーターの活性が変化した場合,前記転写因子を薬剤によりその活性が影響を受ける転写因子として同定するの各工程を含む方法。
【請求項47】 前記第1のベクターが,それぞれ異なる転写因子を含む2以上のベクターからなるベクターライブラリとして提供される,請求項46記載の方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,転写因子活性に影響を及ぼす薬剤のスクリーニング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】真核細胞生物における遺伝子の転写は,3種類のRNAポリメラーゼ(polI,polII,polIII)が,それぞれ対応する基本転写因子と相互作用することにより行われる。mRNAを転写するRNAポリメラーゼIIは,プロモーター付近に集合する6種類の基本転写因子と相互作用することが知られている。遺伝子の転写の促進および抑制に関与する蛋白質は,転写因子(または転写制御因子)と称されており,プロモーターの特定の配列を認識してトランスに作用し,プロモーターの活性を制御する。転写因子は,転写因子と基本転写因子とを結びつけるメディエーター複合体を介してプロモーターに作用する。これまでに数百種類の転写因子が同定されており,対応するプロモーターの同定および制御機構の解明を目的とした研究が進められている。
【0003】転写因子は,医薬のターゲットとして有望であると考えられる。これは,転写因子が病変の発生・進行過程に重要な役割を演じるので原因療法のターゲットとなりうること,転写因子がDNAや蛋白質と特異的な結合活性を有するので,それらの選択的活性化・不活性化を行う低分子化合物を医薬品候補とすることができること,転写因子には特定の組織やシグナルに応答するものがあるので,細胞特異的な生体反応を制御しうる可能性があること,および,ゲノムプロジェクトの成果として標的因子のDNA・アミノ酸配列についてばく大な情報がえられること,等の創薬上の利点を持つためである。しかし,現時点では転写因子を実際にターゲットとする薬剤はほとんど知られていない。これはこれまで転写因子に作用する薬剤の良いスクリーニング法がなかったためであり,ゲノム情報に基づく創薬のツールとなりうる簡便な方法の開発が待たれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,転写因子活性に影響を及ぼす薬剤をスクリーニングする簡便な方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は,試験薬剤が転写因子の活性に及ぼす影響を判定する方法を提供する。該方法は,【0006】(1) 酵母において転写因子を発現する第1のベクターを用意し,(2) プロモーターおよびプロモーターの下流に動作可能なように連結されたアッセイリポーターを含有する第2のベクターを用意し,ここで,プロモーターの活性は転写因子により制御され,(3) 第1のベクターおよび第2のベクターを酵母に導入し,(4) 酵母を試験薬剤と接触させ,そして(5) プロモーターの活性を試験薬剤の非存在下におけるプロモーターの活性と比較するの各工程を含む。好ましくは,第1のベクターはさらに内部標準リポーターを発現する。
【0007】本発明はまた,酵母において転写因子および内部標準リポーターを発現する第1のベクター,およびその活性が転写因子により制御されるプロモーターと,プロモーターの下流に動作可能なように連結された,内部標準リポーターとは異なるアッセイリポーターとを含有する第2のベクターを含む酵母細胞を提供する。
【0008】本発明はまた,酵母において転写因子を発現するベクター,並びに該ベクターを含む酵母細胞を提供する。該ベクターは,転写因子をコードする核酸配列,内部標準リポーターをコードする核酸配列,および,酵母において動作可能なプロモーター,ターミネーター,およびマーカー遺伝子を含み,ここで,転写因子をコードする核酸配列と内部標準リポーターをコードする核酸配列とが,同じプロモーターにより駆動されるように配置されている。
【0009】さらに本発明は,酵母において転写因子を発現する発現ベクターを構築するためのクローニングベクターを提供する。該ベクターは,転写因子をコードする核酸配列を挿入するためのクローニング部位,内部標準リポーターをコードする核酸配列,および,酵母において動作可能なプロモーター,ターミネーター,およびマーカー遺伝子を含み,ここで,クローニング部位と内部標準リポーターをコードする核酸配列は,挿入されるべき転写因子をコードする核酸配列と内部標準リポーターをコードする核酸配列とが同じプロモーターにより駆動されるように配置されている。
【0010】本発明はまた,試験薬剤が転写因子の活性に及ぼす影響を判定するためのキットを提供する。該キットは,【0011】(1) 酵母において転写因子および内部標準リポーターを発現する第1のベクター,および,(2) その活性が転写因子により制御されるプロモーターと,プロモーターの下流に動作可能なように連結された,内部標準リポーターとは異なるアッセイリポーターとを含有する第2のベクターを含む。
【0012】本発明はまた,試験薬剤が蛋白質−蛋白質相互作用に及ぼす影響を測定する方法であって,(1) 酵母において第1の蛋白質を発現する第1のベクターを用意し,(2) プロモーターおよびプロモーターの下流に動作可能なように連結されたアッセイリポーターを含有する第2のベクターを用意し,(3) 酵母において第2の蛋白質を発現する第3のベクターを用意し,ここで,プロモーターの活性は,第1の蛋白質と第2の蛋白質との間の相互作用により制御され,(4) 第1のベクター,第2のベクターおよび第3のベクターを酵母に導入し,(5) 酵母を試験薬剤と接触させ,そして(6) プロモーターの活性を試験薬剤の非存在下におけるプロモーターの活性と比較するの各工程を含む方法。
【0013】本発明はまた,試験薬剤が蛋白質−蛋白質相互作用に及ぼす影響を測定するためのキットを提供する。該キットは,【0014】(1) 酵母において第1の蛋白質および内部標準リポーターを発現する第1のベクター,(2) その活性が第1の蛋白質と第2の蛋白質との間の相互作用により制御されるプロモーターと,プロモーターの下流に動作可能なように連結された,内部標準リポーターとは異なるアッセイリポーターを含有する第2のベクター,および(3) 酵母において第2の蛋白質を発現する第3のベクターを含む。
【0015】本発明はまた,転写因子の活性に影響を及ぼす薬剤を同定する方法,ならびに該方法により同定される薬剤を提供する。該方法は,【0016】(1) 酵母において転写因子を発現する第1のベクターを用意し,(2) プロモーターおよびプロモーターの下流に動作可能なように連結されたアッセイリポーターを含有する第2のベクターを用意し,ここで,プロモーターの活性は転写因子により制御され,(3) 第1のベクターおよび第2のベクターを酵母に導入し,(4) 酵母を薬剤と接触させ,(5) プロモーターの活性を薬剤の非存在下におけるプロモーターの活性と比較し,そして(6) プロモーターの活性を変化させる薬剤を,転写因子の活性に影響を及ぼす薬剤として同定するの各工程を含む。
【0017】本発明はまた,薬剤によりその活性が影響を受ける転写因子を同定する方法を提供する。該方法は,【0018】(1) 酵母において転写因子を発現する第1のベクターを用意し,(2) プロモーターおよびプロモーターの下流に動作可能なように連結されたアッセイリポーターを含有する第2のベクターを用意し,ここで,プロモーターの活性は転写因子により制御され,(3) 第1のベクターおよび第2のベクターを酵母に導入し,(4) 酵母を薬剤と接触させ,(5) プロモーターの活性を薬剤の非存在下におけるプロモーターの活性と比較し,そして(6) プロモーターの活性が変化した場合,転写因子を薬剤によりその活性が影響を受ける転写因子として同定するの各工程を含む。
【0019】
【発明の実施の形態】転写因子をターゲットとする薬剤のスクリーニング法としては次の4つの条件を満たさなければならない:1) 数百〜数千の医薬品候補分子につき高効率なスクリーニングが可能なこと,2) 単に転写活性のオン/オフではなく,正確な定量的評価が可能なこと,3) 転写因子そのものだけではなく,その補助因子(コアクチベーター)との相互作用も同時にテストできること,4) 1つの転写因子は多数の遺伝子を制御する故に,制御される応答遺伝子の特異性を確保し,副作用を避けるため,対応する多数のプロモーター配列を簡便に比較テストできること。
【0020】本発明者らは酵母内にヒトプロモーター/転写因子系を再構成した酵母システムを用いれば上記の要請を全て満たす方法の開発が可能であることを見いだし,本発明を完成した。
【0021】すなわち,第1の観点においては,本発明は,試験薬剤が転写因子の活性に及ぼす影響を測定する方法であって,(1) 酵母において転写因子を発現する第1のベクターを用意し,(2) プロモーターおよびプロモーターの下流に動作可能なように連結されたアッセイリポーターを含有する第2のベクターを用意し,ここで,プロモーターの活性は転写因子により制御され,(3) 第1のベクターおよび第2のベクターを酵母に導入し,(4) 酵母を試験薬剤と接触させ,そして(5) プロモーターの活性を試験薬剤の非存在下におけるプロモーターの活性と比較するの各工程を含む方法を特徴とする。
【0022】本発明の方法にしたがえば,1) 薬剤が転写因子のプロモーター領域への結合を助長または阻害する能力,2) 薬剤が転写因子と基本転写因子の架橋形成を助長または阻害する能力,3) 薬剤が転写因子とその補助因子との分子間相互作用を助長または阻害する能力,を,酵母システムを用いて簡単に測定することが可能である。これらの項目は,同時にテストできるようにも,また,単独でテストできるようにもアッセイを設計することができる。
【0023】本明細書において用いる場合,「転写因子」とは,プロモーターの転写調節領域と呼ばれる配列に結合して,下流にある遺伝子の転写量を調節する蛋白質を意味する。これまでに,数百種類の転写因子が同定されており,例としては,p53,p73,p51,Tcf4,Sp1,E2F,SRF,Oct-1,C/EBP,CREB,Pit-1,NF-kB,Fos/Jun,Ets,WT1,グルココルチコイド受容体,エストロジェン受容体が挙げられる。以下の表は、これまでに同定されている転写因子の例を示す。
【0024】
表 転写因子の分類Superclass: Basic DomainsClass: Leucine zipper factors (bZIP) Family: AP-1(-like) components Subfamily: Jun XBP-1, v-Jun, c-Jun, JunB, JunD, dJRA Subfamily: Fos v-Fos, c-Fos, FosB , FosB1, FosB2, Fra-1, Fra-2, dFRA, LRF-1 Subfamily: Maf v-Maf, c-Maf, MafB, MafK, MafF, MafG, NRL, kreisler Subfamily: NF-E2 NF-E2 p45, aNF-E2, fNF-E2, Nrf1, Nrf1 long form, Nrf1 short form, Nrf2, ECH, Cnc Subfamily: fungal AP-1-like factors GCN4, CPC1, yAP-1, yAP-2, Pap1+ Subfamily: CRE-BP/ATF CREB-2, ATF-3, ATF-3, ATF-3DeltaZip, CRE-BP, CRE-BP1, CRE-BP2, CRE-BP3, CRE-BPa, ATF-a, ATF-a, ATF-aDelta, yATF Subfamily: Others Zta, CYS3 Family: CREB CREB, CREB-341, CREB-327, CREBbeta, ATF-1, CREM, CREMalpha, CREMbeta, CREMgamma, CREMepsilon, CREMtau, CREMtaualpha, CREMtau1, CREMtau2, CREMdeltaC-F, CREMdeltaC-G, S-CREM, ICER-I, ICER-Igamma, ICER-II, ICER-IIgamma, BBF-2, dCREB2, dCREB2-a, dCREB2-b, dCREB2-c, dCREB2-d, dCREB2-q, dCREB2-r, dCREB2-s, SKO1, HAC1, Pcr1 Family: C/EBP-like factors C/EBPalpha, C/EBPalpha, p30C/EBPalpha, p20C/EBPalpha, C/EBPbeta, C/EBPbeta, p34C/EBPbeta, LIP, p20C/EBPbeta, C/EBPgamma, C/EBPdelta, C/EBPepsilon, CHOP-10, slbo, AcC/EBP Family: bZIP /PAR DBP, VBP, Hlf, TEF Family: Plant G-box binding factors Subfamily: CPRF-2 ("V") CPRF-2 Subfamily: EmBP-1 ("E") HBP-1a(1), EmBP-1a, EmBP-1b, GBF1 (maize), GBF2, GBF3, CPRF-1, TAF-1 Subfamily: HBP-1a ("Q") HBP-1a, HBP-1a(c14), GBF9, GBF1 (A.t., G.m.), GBF4, GBF12, CPRF-3 Subfamily: TGA1a ("L/M") TGA1a, HBP-1b/OBF3.1, HBP-1b(c1), OBF3.2, OBF4, OBF5 Subfamily: TGA1b ("R") TGA1b, O2 Family: ZIP only SWI6, SWI4, STE4, IREBF-1, GCF Family: Other bZIP factors Giant, OPI1Class: Helix-loop-helix factors (bHLH) Family: Ubiquitous (class A) factors E2A, E12, E47, ITF-1, E2-2, ITF-2 /SEF2-1B, SEF2-1A, m3, HEB /SCBP, SCBPgamma, SCBPalpha, SCBPbeta, Daughterless Family: Myogenic transcription factors MyoD, Myogenin, Myf-5, MRF4, SUM-1, CeMyoD, Nau, Esc1 Family: Achaete-Scute Lethal of Scute, Scute, Achaete, Asense, MASH-1, MASH-2, ASH-3a, ASH-3b Family: Tal/Twist/Atonal/Hen Subfamily: Lymphoid factors Tal-1, p42Tal-1, p39Tal-1, p22Tal-1, Tal-2, Lyl-1 Subfamily: Mesodermal Twist-like factors Twist, M-Twist, X-Twist, Dermo-1, bHLH-EC2, Th1, SGC1 Subfamily: HEN HEN1, HEN2 Subfamily: Atonal NeuroD /BETA2, LIN-32, Ato, MATH-1, MATH-2 Subfamily: Pancreatic factors INSAF, BETA3 Family: Hairy Subfamily: Hairy Hairy, Deadpan, HES-1, HES-2, HES-3, HES-5, Stra13 Subfamily: Esp E(spl)m5, E(spl)m7, E(spl)m8 Subfamily: Fungal regulators PHO4, NUC-1 Family: Factors with PAS domain AhR, Arnt, Single-minded Family: INO INO2, INO4 Family: HLH domain only Emc, Id1, Id1 (long form), Id1 (short form), Id2, Id3, Id4, Olf-1, Olf-1, EBF Family: Other bHLH factors Delilah, Lc, CBF1Class: Helix-loop-helix / leucine zipper factors (bHLH-ZIP) Family: Ubiquitous bHLH-ZIP factors Subfamily TFE3 TFE3, TFE3-L, TFE3-S, TFEB, TFEC, Mi, Mi (419 AA), Mi (413 AA) Subfamily USF SpF1, USF, USF2, USF2a, USF2b Subfamily SREBP SREBP-1, SREBP-1a, SREBP-1b, SREBP-1c, SREBP-2 Subfamily AP-4 AP-4 Family: Cell-cycle controlling factors Subfamily Myc c-Myc, c-Myc 2 (c, h, m), c-Myc 1 (c, h, m), p64c-Myc (X), N-Myc, L-Myc, L-Myc, L-Myc (206 AA), L-Myc2 (X), B-Myc, v-Myc Subfamily Mad/Max Max, Max2, Max1, DeltaMax, Mad1, Mxi1, Mxi1, Mxi1-WR, Mad3, Mad4 Subfamily: E2F E2F-1, E2F-2, E2F-3, E2F-4, E2F-5, dE2F Subfamily: DRTF DRTF1 /DP-1, DP-2, dDPClass: NF-1 Family: NF-1 NF-1A /mNF-1B, NF-1A1, NF-1A1.1, NF-1A2, NF-1A3, NF-1A4, NF-1A5, NF-1A6, NF-1B, NF-1B1, NF-1B2, NF-1B3, NF-1B4, NF-1C, NF-1C1 /CTF1, NF-1C2 /CTF2, CTF-3, CTF-4, CTF-5, CTF-6, CTF-7, NF-1C4, NF-1X, NF-1X1, NF-1X2, NF-1X3Class: RF-X Family: RF-X RF-X1, RF-X2, RF-X3, RF-X5Class: bHSH Family: AP-2 AP-2alpha, AP-2alphaA /AP-2alpha1, AP-2alpha2, AP-2alpha3, AP-2alpha4, AP-2alphaB, AP-2beta, AP-2gammaSuperclass: Zinc-coordinating DNA-binding domainsClass: Cys4 zinc finger of nuclear receptor type Family: Steroid hormone receptors Subfamily: Corticoid receptors GR, GR a, GR b, MR Subfamily: Progesterone receptor PR, PR-B, PR-A Subfamily: Androgen receptor AR, AR-A, AR-B Subfamily: Estrogen receptor ER, ER (h) /ER-A (X), ER (482 AA) (h), ER-B (X) Family: Thyroid hormone receptor-like factors Subfamily: Retinoic acid receptors RAR-alpha, RAR-alpha1, RAR-alpha2, RAR-beta, RAR-beta1, RAR-beta2, RAR-beta3, RAR-beta4, RAR-gamma, RAR-gamma1, RAR-gamma2, RAR-delta Subfamily: Retinoid X receptors RXR-alpha, RXR-beta, RXR-beta1, RXR-beta2, RXR-gamma, USP Subfamily: Thyroid hormone receptors T3R-alpha, T3R-alpha1, T3R-alpha2, T3R-beta 851, 840, 852, 853, T3R-beta1, T3R-beta2, Rev-ErbAalpha, Rev-ErbAalpha (long), Rev-ErbAalpha (short) Subfamily:Vitamin D receptor VDR Subfamily: NGFI-B NGFI-B Subfamily: FTZ-F1 SF-1, FTZ-F1-like, ELP, FTZ-F1, alpha FTZ-F1, beta FTZ-F1 Subfamily: PPAR PPARalpha, PPARbeta, PPARgamma, PPARgamma2, PPARgamma1 Subfamily: EcR EcR, EcR A, EcR B1, EcR B2 Subfamily: ROR HR3, RORalpha / RZRalpha, RORalpha1, RORalpha2, RORalpha3, RZRbeta, RORgamma Subfamily: Tll / COUP Tailless, Tlx, TR2, TR2-11, TR2-5, TR2-9, TR2-7, TR4, COUP-TFI, ARP-1 / COUP-TFII Subfamily: HNF-4 HNF-4alpha, HNF-4alpha1, HNF-4alpha2, HNF-4alpha3, HNF-4alpha4, HNF-4alpha5, HNF-4alpha6, HNF-4alpha7, HNF-4beta, HNF-4gamma Subfamily: CF1 CF1 Subfamily: Knirps KnirpsClass: diverse Cys4 zinc fingers Family: GATA-Factors Subfamily: vertebral GATA-Factors GATA-1, GATA-1, GATA-1s, GATA-2, GATA-3, GATA-4 Subfamily: fungal metabolic regulators AREA / NIT-2, GLN3, UGA 43, NTL 1 Family: Trithorax Ttx, Hrx Family: Other factors BUF2Class: Cys2His2 zinc finger domain Family: Ubiquitous factors TFIIIA, Sp1, Sp3, Sp4, YY1 Family: Developmental / cell cycle regulators Subfamily: Egr/Krox SWI5, Egr-1, Egr-2, Egr-3 Subfamily: Krueppel-like Krueppel, Hunchback, Glass, Odd-skipped, Ovo, Snail, CF2, CF2-I, CF2-II, CF2-III, Evi-1, Ikaros, MZF-1, Sdc-1, NRSF, NRSF form 1, NRSF form 2, Gfi-1 Subfamily: GLI-like GLI, GLI3, WT1, WT1 +KTS, WT1 -KTS, WT1 I, WT1 I -KTS, WT1-del2, WT1-del2 I, Tra-1, Tra-1 (long), Tra-1 (short), RME1, BrlA Subfamily: Others Teashirt, Tramtrack, Tramtrack 69K, Tramtrack 88K, RGM1 Family: Metabolic regulators in fungi ACE2, ADR1, MIG1, CreA, MSN2, MSN4 Family: Large factors with NF-6B-like binding properties HIV-EP1, HIV-EP2, MBP-2, KBP-1, alphaA-CRYBP1, AGIE-BP1 Family: Viral regulators T-AgClass: Cys6 cysteine-zinc cluster Family: Metabolic regulators in fungi ARG RII, CAT8, GAL4, LAC9, HAP1, MAL63, LEU3, UGA3, qa-1F, UME6, AmdR, PUT3Class: Zinc fingers of alternating composition Family: Cx7Hx8Cx4C zinc fingers BAF1 Family: Cx2Hx4Hx4C zinc fingers Byr3Superclass: Helix-turn-helixClass: Homeo domain Family: Homeo domain only Subfamily: AbdB Abd-B, Ceh-11, HOXA9, GPK5 (G.p.), GPK9 (G.p.), HOXB9, HOXC9, HOXD9, HOXA10, PL1, PL2, HOXC10, HOXD10, HOXA11, HOXC11, HOXD11, HOXC12, HOXD12, HOXA13, HOXC13, HOXD13 Subfamily: Antp abd-A, Antp, Ceh-15, Dfd, Flh, Ftz, HOXA2, HOXB2, HOXA3, HOXB3, (m), (m), HOXD3, HOXA4, HOXB4, HOXC4, HOXD4, HOXA5, HOXB5, HOXC5, HOXA6, HOXB6, HOXC6, HOXA7, (X.l.), (X.l.), HOXB7, HOXB8, HOXC8, HOXD8, IPF1, Mab-5, NK-1, Pb, Scr, Ubx, Zen-1, Zen-2 Subfamily: Cad Cad, Cdx-1, Cdx-2, Cdx-3 Subfamily: Cut CDP, Cut Subfamily: Dll Dll, Dlx-1 Subfamily: Ems Ems, EMX1, EMX2 Subfamily: En En, En-1, En-2 Subfamily: Eve Eve, Evx-1 Subfamily: Prd al, Alx3, Gsc, K-2, K-2a, K-2b, S8, Otd, Otx1, Otx2, Phox-2, Unc-4 Subfamily: HD-ZIP HAT1, HAT2, HAT3, HAT4, HAT7, HAT9, HAT14, HAT22, Athb-1, Athb-2, Athb-3, Athb-4 Subfamily: H2.0 HB24, Hox11 / Hlx Subfamily: HNF1 HNF-1, HNF-1A, HNF-1B, HNF-1C, vHNF-1, vHNF-1A, vHNF-1B, vHNF-1C Subfamily: Lab HOXA1, ERA-1-993, ERA-1-399, HOXB1, HOXD1, Lab, Lab (635 AA), Lab (629 AA) Subfamily: Msh Msx-1, Msx-2 Subfamily: NK-2 NK-2, NK-3, NK-4, Nkx-2.2, Nkx-2.5, Nkx-6.1, Tinman, TTF-1 Subfamily: Bcd Bcd Subfamily: XANF Hesx1/XANF-1 Subfamily: PBC Ceh-20, Exd, MATa1, Pbx1, Pbx1a, Pbx1b, Pbx2, Pbx3, Pbx3a, Pbx3b Subfamily: not assigned Gtx, KN1, Knox3, MATalpha1, MATalpha2, Pc, PHO2, Prh, Ro, Zeste, Zmhox1a, HAT24, Unc-30, HB9, BarH1, BarH2, Aalpha Y1, Aalpha Y2, Aalpha Y3, alpha2-1, beta2-1, d1-1 Family: POU domain factors Subfamily: I Pit-1, Pit-1a, Pit-1b, Pit-1c Subfamily: II Oct-1, Oct-1A, Oct-1B, Oct-1C, Oct-2, Oct-2.1, Oct-2.2/Oct-2A, Oct-2.3, Oct-2.4, Oct-2.5/Oct-2B, Oct-2.6, Oct-2.7, Oct-2.8, Oct-11, dOct-2, PDM-1, PDM-2, Nrl-16, Oct-1.5, Oct-1.13, Oct-1.17, Oct-1.32 Subfamily: III POU-M1, N-Oct-3, N-Oct-3, N-Oct-5A, N-Oct-5B, Oct-6, Brn-4, Cf1a, Brn-1, Nrl-19, Nrl-20, XLPOU-1/Nrl-22 Subfamily: IV Brn-3a, Brn-3a(l), Brn-3a(s), Brn-3b, Brn-3c, I-POU, I-POU, tI-POU, Unc-86, Unc-86 (467 aa), Unc-86 (429 aa) Subfamily: V Oct-3/4, Oct-5, Oct-3A, Oct-3B, Oct-3C, pou2, pou2, t-Pou2, Oct-25, Oct-60, Oct-91 Subfamily: VI Brn-5, Brn-5 (c2), Brn-5 (c1), Brn-5 (c7), TCFbeta1, pou[c] Subfamily: other POU factors CEH-18, Sprm-1, b1-1 Family: Homeo domain with LIM region Subfamily: Homeo domain with LIM region Lin-11, Isl-1, Lmx-1, Lim-1, Lim-3, LH-2, Ap, Mec-3, Isl-2, Lim-2, Lmx2 Subfamily: LIM-only transcription (co-)factors MLP, DMLP1 Family: homeo domain plus zinc finger motifs ATBF1, ATBF1-B, ATBF1-A, Zfh1, Zfh2Class: Paired box Family: Paired plus homeo domain Prd, Pax-3, Pax-6, Pax-6 / Pd-5, Pd-5a, Pax-7, Gsb, Gsbn Family: Paired domain only Pax-1, Pax-2, Pax-2a, Pax-2b, Pax-5, Pax-8, Pax-8a, Pax-8b, Pax-8c, Pax-8d, PoxnClass: Fork head / winged helix Family: Developmental regulators Fkh, Slp1, Slp2, lin-31, XFD-1, BF-1, v-Qin, c-Qin, Axial, Croc, Whn Family: Tissue-specific regulators HNF-3alpha, HNF-3beta, HNF-3gamma, HFH-4, SGF-1 Family: Other regulators ILF, FKHR, HTLF, QRF-1, HCM1, FD1, FD2, FD3, FD4, FD5, HFH-1, HFH-2, HFH-3, HFH-4, HFH-5, HFH-6, HFH-7, HFH-B2, HFH-B3, Fkh-1, Fkh-2, Fkh-3, Fkh-4, Fkh-5, Fkh-6, BF-2Class: Heat shock factors Family: HSF HSF1, HSF1 (long), HSF1 (short), HSF2, HSF3, dHSF, HSF24, HSF30, HSF8, fungal HSFClass: Tryptophan clusters Family: Myb Subfamily: Myb-factors c-Myb, A-Myb, A-Myb, A-Myb, B-Myb, v-Myb, GL1, MybSt1, P, P (long), P (short), C1, C1 (long), C1 (short), MYB.Ph2, MYB.Ph3, ATMYB1, ATMYB2 Subfamily: Myb-like factors BAS1, REB1, FlbD, Adf-1, RAP1 Family: Ets-type c-Ets-1, c-Ets-1 p54, c-Ets-1 p68 (c), Ets-1 Delta IV, Ets-1 Delta VII, Ets-1 Delta IV/VII, Ets-2, v-Ets, PEA3, Elk-1, SAP-1, SAP-1a, SAP-1b, SAP-2, Erg-1, Erg-1, Erg-2, p38erg, p55erg, p49erg, Fli-1, Fli-1a, Fli-1b, PU.1, Spi-B, E4TF1-60 / GABP-alpha, Elf-1, Tel, E74, E74A, E74B, yan, Pnt, P1, P2, Elg, D-Ets-3, D-Ets-4, D-Ets-6, N-Ets-3, ER71, ER81 Family: Interferon-regulating factors IRF-1, IRF-2, IRF-3, Pip, ICSBP, LSIRF-2, ISGF-3gammaClass: TEA domain Family: TEA TEF-1, Sd, TEC1, abaASuperclass: beta-Scaffold Factors with Minor Groove ContactsClass: RHR (Rel homology region) Family: Rel/ankyrin NF-kappaB1, p105, p50, NF-kappaB2, p100, p52, p49, RelA, p65, p65Delta, RelB, c-Rel, v-Rel, Dorsal Family: ankyrin only IkappaBalpha, IkappaBbeta, IkappaBgamma, IkappaBgamma, IkappaBgamma-1, IkappaBgamma-2, IkappaBR, Bcl-3, Cactus Family: NF-AT NF-ATc, NF-ATp, NF-ATx, NF-ATc3Class: STAT Family: STAT STAT1, p91, p84, STAT2, STAT3, STAT4, STAT5A, STAT5B, STAT6Class: p53 Family: p53 p53, p53, p53asClass: MADS box Family: Regulators of differentiation Subfamily: MEF-2 MEF-2A, MEF-2A, aMEF-2, RSRFC4, RSRFC9, MEF-2B, MEF-2B1, MEF-2B2, MEF-2B3, MEF-2B4, MEF-2C, MEF-2C, MEF-2C/ Delta8, MEF-2C/Delta32, MEF-2C/Delta8,Delta32, MEF-2D, MEF-2DAB, MEF-2DA'B, MEF-2D0B, MEF-2DA0, MEF-2DA'0, MEF-2D00, D-MEF2 Subfamily: homeotic genes AG, AP1, DEF A, GLO, NMH7, ZEM, ZEM1, ZEM2, ZEM3, ZEM4, ZEM5, PI, PMADS3, Fbp2, Fbp3, AGL1, AGL2, AGL3, AGL4, AGL5, AGL6, SQA, O-MADS, TAG1, TDR3, TDR4, TDR5, TDR6, NAG1, Tobmads1, MADS1, AP1, AP3 Subfamily: yeast regulators MCM1, YBR182C Family: Responders to external signals SRF, RLM1 Family: Metabolic regulators ARG RIClass: beta-Barrel alpha-helix transcription factors Family: E2 E2, EBNA-1Class: TATA-binding proteins Family: TBP TBPClass: HMG Family: SOX SRY, Sox-2, Sox-4, Sox-5, Sox-9, Sox-18, SOX-LZ, Sox-8, Sox-10, Sox-11, Sox-12, Sox-13, Sox-14, Sox-15, Sox-16 Family: TCF-1 TCF-1alpha, LEF-1L, LEF-1S, TCF-1, TCF-1A, TCF-1B, TCF-1C, TCF-1D, TCF-1E, TCF-1F, TCF-1G, TCF-1P, TCF-3, TCF-4 Family: HMG2-related SSRP1, Dm-SSRP1, Ixr1, DSP1 Family: UBF UBF, UBF1 / xUBF2, UBF2, xUBF1 Family: MATA mat-Mc Family: Other HMG box factors IRE-ABP, MNB1b, Rox1Class: Heteromeric CCAAT factors Family: Heteromeric CCAAT factors CP1A / HAP3, CP1B / HAP2, CP1B, CP1B, CP1B, CP1B, CBF-C / HAP4Class: Grainyhead Family: Grainyhead CP2, LBP-1a, GrainyheadClass: Cold-shock domain factors Family: csd Subfamily: A (DbpA-like) DbpA, DbpA, DbpAv, Ybx-3, RSV-EF-II Subfamily: B (YB-1/DbpB-like) YB-1 / DbpB / EFIA / FRG Y1, YB-3 Subfamily: C (FRG Y2-like) FRG Y2Class: Runt Family: Runt Subfamily: PEBP2alphaA PEBP2alphaA/AML3, PEBP2alphaA/Osf-2, PEBP2alphaA/Til-1, PEBP2alphaA/Til-1(Y), PEBP2alphaA/Til-1(U), PEBP2alphaA1/AML-3, PEBP2alphaA2 Subfamily: PEBP2alphaB PEBP2alphaB/AML1, PEBP2alphaB1/AML1b, PEBP2alphaB2, AML1a, AML1c, AML1DeltaN, Ch-runtB2 Subfamily: PEBP2alphaC PEBP2alphaC1/AML2 Subfamily: Runt Runt Subfamily: Lozange LozangeSuperclass: Other Transcription FactorsClass: Copper fist proteins Family: Fungal regulators ACE1/CUP2, AMT1Class: HMGI(Y) Family: HMGI(Y) HMG I(Y), HMG I, HMG Y, HMGI-C, cHMGIClass: Pocket domain Family: Rb Rb, p107 Family: CBP CBPClass: E1A-like factors Family: E1A E1A, E1A 12S, E1A 13SClass: AP2/EREBP-related factors Family: AP2 AP2, ANT, Gl15, IDS1 Family: EREBP ABI4, CBF1/DREB1B, DREB1A, DREB1C, DREB2A, DREB2B, EBP, EREBP-1, EREBP-2, EREBP-3, EREBP-4, ERF1, RAP2.5, TINY Family: AP2/B3 RAV1, RAV2これらの転写因子の詳細については、例えば、http://transfac.gbf.de/TRANSFAC/cl/cl.htmlに見いだすことができる。
【0025】特定の転写因子とそれにより制御されるプロモーターとの組み合わせについては,これまでに多くの報告がある。1つの転写因子が複数のプロモーターを制御する場合もあり,例えば,癌抑制因子として知られるp53は,p21, Mdm-2, Bax, Gadd45, Fas/APO-1, EGFR, TGF-alpha, A28-RGS14 (G-蛋白質レギュレーター), Rb, IGF-BP3, サイクリンG, hMSH2, PCNA, スロンボスポンジン-1, DDR, 筋クレアチンキナーゼ, サイトケラチン8, KILLER/DR5, H-ras, GML, c-fos, 筋特異的ホスグリセレートムターゼ, c-fos, PA26, 平滑筋アルファ−アクチン, MMP-2, TP53TG5, TP53TG3, P2XM (22q), 14-3-3sigma, BAI-1, TP53AIP1 等のプロモーターの転写を促進し、サイクリンA, bcl-2, myc, IGF-II, IGF-IR, VEGF, bFGF, IL-6, MDR-1, MGMT, iNOS, c-fos, c-jun, myb, hsc70, hsp70, p53, MHCI, チミジレートシンターゼ, DP-1, MMP-1, MMP-13, MRP-1のプロモーターの転写を抑制することが知られている。これらのうち、MDR-1は多剤耐性遺伝子であり,IGF-IR, EGFRは癌細胞の増殖促進,VEGFは血管新生,MMP-13は癌細胞の浸潤にかかわる遺伝子であり,p53による癌の抑制は、これらのプロモーターの制御を介して作用しているものと考えられる。また、p53の変異体は通常,転写活性化を行う能力を失っているが、IGF-IR, EGFR, VEGF, IL-6, MDR-1, PCNA, MMP-13, グルタチオンペルオキシダーゼなどのプロモーターについては逆説的に強く転写活性化を行うことが知られている。
【0026】本発明の方法においては,酵母細胞内で転写因子を発現する第1のベクターが用いられる。転写因子発現ベクターは,転写因子をコードする遺伝子,およびこの遺伝子に適切に連結された,酵母内で動作可能なプロモーターを含み,さらに任意にターミネーターを含んでいてもよい。このようなプロモーターの例としては,CYC1プロモーター,ADH1プロモーターが挙げられる。転写因子発現ベクターは,さらに,ベクターを保有するクローンを選択するための選択マーカーを含む。選択マーカーとしては,URA3,TRP1,LEU2,HIS3,LYS2等が知られており,適切な酵母栄養要求性株と組み合わせて用いることができる。さらに,ベクターの構築および増幅等の操作を容易にするため,転写因子発現ベクターは,大腸菌において動作可能な複製起点およびマーカーをさらに含むことが好ましい。
【0027】酵母内で転写因子を発現するベクターは,当該技術分野において知られる酵母シャトルベクターに,転写因子をコードする遺伝子を適当なプロモーター・ターミネーターとともに挿入することにより構築することができる。例えば,酵母シャトルベクターpRS315 (Leu2 ColE1ori Amp CEN/ARS)(Sikorski R, Hieter P: Asystem of shuttle vectors and yeast host strains designed for efficientmanipulation of DNA in Saccharomyces cerevisiae. Genetics 122: 19-27, 1989)に1.6kbのADH1プロモーターを含む断片,転写因子のcDNAを含む断片,さらにその下流にCYC1ターミネーター配列をこの順に組み込む。あるいは,当該技術分野においてよく知られる酵母発現ベクターの適切なクローニング部位に,転写因子のcDNAを挿入することにより構築することもできる。
【0028】転写因子の発現量を制御するため,転写因子発現ベクターは,このベクターが導入された酵母において1コピーで維持されることが好ましい。酵母の染色体外で1コピーで安定に維持されるベクターは,当該技術分野においてよく知られており,一般にYCpベクターと称される。
【0029】本発明のさらに好ましい態様においては,転写因子発現ベクターはさらに,転写因子の発現量の指標を与える内部標準リポーターを含む。リポーターとは,プロモーターの下流に連結してプロモーターの転写量の測定を可能とする蛋白質である。内部標準リポーターとしては,その活性を簡便に測定することができる酵素,例えば,各種ルシフェラーゼ,β−ガラクトシダーゼ,クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ等を用いることができる。内部標準リポーターの発現量を用いることにより,転写因子の発現量の相違により生ずるプロモーター活性の測定誤差を補正することができる。
【0030】より好ましくは,転写因子をコードする遺伝子と内部標準リポーターをコードする遺伝子とは,これらの転写が同じプロモーターにより駆動されるように配置される。このことにより,転写因子の発現量が内部標準リポーターの発現量と比例するため,転写因子発現量に依存する誤差を補正することにより,試験薬剤が転写因子の活性に及ぼす影響をより正確に定量することが可能となる。この場合,転写因子をコードする遺伝子と,内部標準リポーターをコードする遺伝子の配置は,これらの遺伝子の発現量と用いる検出系の感度に応じて,適宜選択することができる。
【0031】2以上の因子が複合体を形成して転写因子として作用する場合には,これらの因子をコードする遺伝子を同一ベクター上に配置して酵母に導入することにより,アッセイをより簡便にすることができる。例えば,β-カテニンと Tcf-4のそれぞれをコードする遺伝子を,同一のベクター上にそれぞれのプロモーターの下流に配置するか,または同一のプロモーターの下流に配置することにより,共発現させることができる。
【0032】別の観点においては,本発明は,酵母において転写因子を発現するベクターであって,転写因子をコードする核酸配列,内部標準リポーターをコードする核酸配列,および,酵母において動作可能なプロモーター,ターミネーター,およびマーカー遺伝子を含み,ここで,転写因子をコードする核酸配列と内部標準リポーターをコードする核酸配列とが,同じプロモーターにより駆動されるように配置されているベクターを特徴とする。
【0033】このような発現ベクターの1つの好ましい例は,以下の構造を有する:→ADH1プロモーター::転写因子::ポリA付加領域::ターミネーター→LEU2→Renilla Luc→CEN/ARS→Amp→ColE1ori→このプラスミドベクターは,ロイシン欠損培地上においてyPH857酵母内で1コピーのみ維持され,転写因子とウミシイタケルシフェラーゼ(Renilla Luc)を比例発現する。ウミシイタケルシフェラーゼ活性は強いのでADH1プロモーターからの距離を上記のように設定し配置することにより,測定範囲内での適切な発現を得ることができる。
【0034】ウミシイタケルシフェラーゼをコードする遺伝子は,市販のプラスミドに含まれている配列を適宜切り出すか,またはそのようなプラスミドをテンプレートとして用いて,末端に適当な制限酵素部位が生じるようにPCR増幅することにより得ることができる。これを上述の発現ベクター中に挿入することにより,転写因子・ウミシイタケ ルシフェラーゼ共発現ベクターを構築することができる。
【0035】本発明の別の観点においては,本発明は,酵母において転写因子を発現する発現ベクターを構築するためのクローニングベクターを特徴とする。このクローニングベクターは,転写因子をコードする核酸配列を挿入するためのクローニング部位,内部標準リポーターをコードする核酸配列,および,酵母において動作可能なプロモーター,ターミネーター,およびマーカー遺伝子を含み,ここで,クローニング部位と内部標準リポーターをコードする核酸配列は,挿入されるべき転写因子をコードする核酸配列と内部標準リポーターをコードする核酸配列とが同じプロモーターにより駆動されるように配置されている。
【0036】さらに,本発明の方法においては,上述の第1のベクターから発現される転写因子により制御されるプロモーターと,プロモーターの下流に動作可能なように連結されたアッセイリポーターとを含有する第2のベクターをアッセイに用いる。
【0037】このリポーターベクターにおいては,アッセイリポーターとして,その発現の有無またはその量を発色などにより確認することができる蛋白質,または適当なアッセイ系において吸光度変化または蛍光発色を検出することによりその活性を簡便に測定することができる酵素を用いることができる。例としては,各種ルシフェラーゼ,酵母ADE2,GFP,β−ガラクトシダーゼ,クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ等が挙げられる。当業者には明らかなように,上述の内部標準リポーターとアッセイリポーターとは,異なるものを用いなければならない。
【0038】本発明の第2のベクター,すなわち,プロモーターとアッセイリポーターとを含有するリポーターベクターは,転写因子に対応するプロモーターを市販のアッセイ用ベクター,例えばルシフェラーゼアッセイベクター GL3-Basic(Promega社)に組み込むことにより構築することができる。
【0039】本発明のリポーターベクターは,酵母染色体中に組み込まれるよう,酵母自律複製配列を有しないことが好ましい。このことにより,1コピーのリポーターベクターを安定して保有する酵母細胞を容易に増殖させることができる。酵母染色体上に組み込むためのベクターは,当該技術分野においてよく知られており,一般にYIpと称される。
【0040】プロモーター,すなわち遺伝子の発現調節領域は通常遺伝子のコード領域の直近上流あるいは第一イントロン内にある。プロモーター配列は,転写開始点の100-200塩基上流までにあり,基本転写因子および構成的転写因子が結合して基本転写量を決定する構成的制御領域と,そのさらに上流にあり,応答性転写因子の有無に応じて転写量を制御する調節的制御領域に2分される。従って,ヒトプロモーターとアッセイリポーターとを含むリポーターベクターを構築する場合には次の組み合わせがある:【0041】1) ヒト調節的制御領域+ヒト構成的制御領域+アッセイリポーター(以下,タイプAと称する)
2) ヒト調節的制御領域+酵母構成的制御領域+アッセイリポーター(以下,タイプBと称する)
タイプAのベクタの1つの好ましい例は,以下の構造を有する:→ [クローニング部位]::アッセイリポーター:: ポリA付加領域::ターミネーター→URA3→ColE1 ori→Amp→タイプBのベクターの1つの好ましい例は,以下の構造を有する:→ [クローニング部位]::CYC最小プロモーター::アッセイリポーター:: ポリA付加領域::ターミネーター→URA3→ColE1 ori→Amp→このクローニング部位に所望のプロモーターを挿入することにより,本発明のリポーターベクターを構築することができる。タイプAの場合には,プロモーターとして,ヒトBax遺伝子プロモーター,ヒトp21遺伝子プロモーター等を用いることができる。タイプBの場合には,ヒト調節的制御領域としては,転写因子が結合する配列として知られる配列,例えばRGC配列,Tcf結合配列等を用いることができる。酵母構成的制御領域としては,例えばCYC最小プロモーター(Flaman,J.-M. et al. A simple p53 functional assay for screening cell lines, blood, and tumors.Proc Natl Acad Sci USA 92, 3963-3967, 1995)を用いることができる。
【0042】これらのプロモーター配列または制御領域配列は,市販のベクターから適宜切り出すか,既知の配列に基づいてPCR増幅するか,または合成オリゴヌクレオチドを用いることにより作成することができる。
【0043】ポリA付加領域::ターミネーターはアッセイリポーターのmRNA形成およびその安定化のため,ColE1 ori (大腸菌複製起点)およびAmp (アンピシリン耐性遺伝子)は大腸菌内でのプラスミド増幅のためである。タイプAの場合において,転写量が少ないためにアッセイが困難な場合には,クローニング部位とリポーター蛋白質の間にポリオーマウイルス早期応答遺伝子プロモータ配列Py ori: (Kern, S. E. et al. Oncogenic forms of p53 inhibit p53-regulated gene expression. Science 256, 827-830, 1992)を挿入することができる。
【0044】本発明の方法においては,次に,上述の転写因子発現ベクターおよびリポーターベクターを酵母内に導入する。この工程は,当該技術分野において知られる標準的な方法,例えば酢酸リチウム法を用いて行うことができる。適切な栄養要求性マーカーと酵母変異株を用いることにより,リポーターベクターが染色体中に組み込まれた酵母株を容易に単離することができる。このような組換え技術は,当該技術分野において広く知られており,種々の染色体組込用ベクター,例えばpRS406 (Stratagene,CA,USA)が市販されている。
【0045】一例として,ベクターをURA3の内部で制限酵素により切断し,酢酸リチウム法によりura3-の酵母株に導入する。酵母内に導入された線状化プラスミドの切断されたベクター上のURA3は酵母内で酵母染色体上変異型URA3と遺伝子相同組み換えを起こし,プロモーターおよびアッセイリポーターが酵母染色体上に組み込まれる。染色体上組み込みが行われた酵母株はウラシル非要求性株となるため,ウラシル欠乏半合成最少培地にて形質転換された酵母を選択することができる。
【0046】さらに別の観点においては,本発明は,酵母において転写因子および内部標準リポーターを発現する第1のベクター,およびその活性が転写因子により制御されるプロモーターと,プロモーターの下流に動作可能なように連結された,内部標準リポーターとは異なるアッセイリポーターとを含有する第2のベクターを含む酵母細胞を特徴とする。
【0047】本発明の1つの態様においては,第1のベクターと第2のベクターは,同一のベクター上に存在していてもよい。
【0048】本発明の好ましい態様においては,本発明の方法は,工程(3)において,転写因子の補助因子を発現する第3のベクターを酵母に導入することをさらに含む。補助因子とは,転写因子と相互作用して,転写因子の活性を促進または抑制する蛋白質である。例えば,転写因子p53の活性は,p33ING1,p33ING2,c−Ablキナーゼ,p300 (アセチル化),カゼイン・キナーゼ I (リン酸化),カゼイン・キナーゼ II (リン酸化),DNAプロテインキナーゼ (リン酸化),ATM (リン酸化), 14-3-3蛋白 (結合)などにより促進され,細胞蛋白であるMdm2,Bcl-2,p40など,ウイルス蛋白であるSV40 Large T抗原,アデノウイルスE1B蛋白,ヒトパピローマウイルスE6蛋白,B型肝炎ウイルスX抗原,EBウイルスEBNA-5, HTLV-1 Tax蛋白などにより抑制されることが知られている。さらに補助因子として、PK270, 二本鎖-RNA-活性化蛋白質キナーゼ, CDK7-サイクリンH複合体,MAPキナーゼ, サイクリンB/cdc2複合体,サイクリンA/cdk2複合体,プロテインキナーゼC,Ref1,Rad51, HIF-1, p53-BP1, p53-BP2, JCウイルス蛋白,アデノ随伴ウィルスRep78, EBウィルスBZLF1,サイトメガロウィルスIE84,ヘルペスウィルス6 orf1などが知られている。本発明のこの態様においては,試験薬剤が転写因子と補助因子との分子間相互作用に及ぼす影響を測定することができる。
【0049】これらの補助因子を発現するベクターは,上述の第1のベクターと同様に,市販の酵母発現ベクターを用いて,当該技術分野においてよく知られる方法により構築することができる。補助因子を発現するベクターは,その発現量による影響を補正するために,内部標準リポーターを含むように構築してもよい。
【0050】次に,このようにして調製した酵母細胞に試験薬剤を接触させ,プロモーターの活性を測定する。好ましい態様においては,酵母細胞を96穴プレートに播種し,各ウエルに試験薬剤を加え,アッセイリポーターの発現量を指標としてプロモーター活性を判定する。
【0051】アッセイリポーターとしてADE2を用いる場合には,転写活性は酵母のコロニーの色として判定することができる。活性が高い場合には白色,低い場合にはピンク色から赤色を呈する。
【0052】アッセイリポーターとして定量可能な酵素遺伝子を用いる場合には,標準的な方法により,対応する基質を加えて,吸光度の変化,発光量の変化等を測定することにより,酵素活性を測定することができる。この場合,内部標準リポーターを利用して,転写因子の発現量を補正することにより,プロモーター活性,すなわち転写因子の活性をより定量的に測定することができる。
【0053】好ましくは,酵母を試験薬剤と接触させる前にザイモリアーゼで処理することにより,薬剤の透過性を高めることができる。
【0054】本発明の方法を用いて,転写因子の活性に影響を及ぼす薬剤を容易にスクリーニングすることができる。
【0055】すなわち,本発明の1つの観点においては,本発明は,転写因子の活性に影響を及ぼす薬剤を同定する方法,ならびに該方法により同定される薬剤を特徴とする。該方法は,【0056】(1) 酵母において転写因子を発現する第1のベクターを用意し,(2) プロモーターおよびプロモーターの下流に動作可能なように連結されたアッセイリポーターを含有する第2のベクターを用意し,ここで,プロモーターの活性は転写因子により制御され,(3) 第1のベクターおよび第2のベクターを酵母に導入し,(4) 酵母を薬剤と接触させ,(5) プロモーターの活性を薬剤の非存在下におけるプロモーターの活性と比較し,そして(6) プロモーターの活性を変化させる薬剤を,転写因子の活性に影響を及ぼす薬剤として同定するの各工程を含む。
【0057】1次スクリーニングとしては,ターゲットとなる転写因子に対応するプロモーターの下流にGFPなどの発色または蛍光蛋白質をアッセイリポーターとして連結したリポーターベクターを酵母染色体内に組み込み,転写因子発現ベクターを単独で,またはその補助因子を発現するベクターとともに,この酵母に導入する。薬剤浸透を確実にするために細胞壁をザイモリアーゼ消化したのち,96穴マイクロタイタープレートの各ウェルに一定量ずつ入れる。これにスクリーニング用の試験薬剤を各ウェルに添加して,一定時間後,吸光度変化または蛍光発色をプレートリーダーにて測定する。対照の転写量に比し,増減のあったウェルの薬剤を,転写因子の活性に影響を及ぼす薬剤として選択する。
【0058】2次スクリーニングとしては,より詳細に転写活性化能の変化を定量できるよう,例えばアッセイリポーターとして蛍ルシフェラーゼを,内部標準リポーターとしてウミシイタケルシフェラーゼを用いる。このような酵母システムを用いて1次スクリーニングにより選択された薬剤をテストすることにより,用量依存性,プロモーター種別での効果,薬剤の作用点について検討することができる。
【0059】本発明にしたがう薬剤スクリーニング方法により,1) 癌の増殖やアポトーシスに関わる転写因子(=癌遺伝子)を制御できる薬剤,2) Th1/Th2バランスなど免疫系を制御できる薬剤,3) cAMP応答エレメントによる心・血管系作動を制御できる薬剤,4) AIDSなどウイルスの転写因子を制御することによる抗ウイルス剤,など多領域での創薬が可能となると考えられる。
【0060】また,本発明の方法を用いて,薬剤によりその活性が影響を受ける転写因子を同定することができる。すなわち,本発明の1つの観点においては,本発明は,薬剤によりその活性が影響を受ける転写因子を同定する方法を特徴とする。該方法は,【0061】(1) 酵母において転写因子を発現する第1のベクターを用意し,(2) プロモーターおよびプロモーターの下流に動作可能なように連結されたアッセイリポーターを含有する第2のベクターを用意し,ここで,プロモーターの活性は転写因子により制御され,(3) 第1のベクターおよび第2のベクターを酵母に導入し,(4) 酵母を薬剤と接触させ,(5) プロモーターの活性を薬剤の非存在下におけるプロモーターの活性と比較し,そして(6) プロモーターの活性が変化した場合,転写因子を薬剤によりその活性が影響を受ける転写因子として同定するの各工程を含む。
【0062】この方法は,薬剤の作用機序を解明する研究に,または薬剤の副作用の可能性の検討に有用である。上述の転写因子発現ベクターは,それぞれ異なる転写因子を含む2以上のベクターからなるベクターライブラリとして提供してもよい。
【0063】さらに,本発明の方法を用いて,1つの転写因子に対応する多数のプロモーター配列につきアッセイシステムを簡便かつ迅速に構築することが可能である。ヒトプロモーター断片をPCRにて増幅する際,増幅断片両端に24 baseの相同組換え配列を付加するか,あるいはDNA合成にてプロモーター配列を相同組換え配列を両端に付け合成する。次にこれらのプロモータ断片を酵母株yPH857 (遺伝子型 MATa ura3-53 lys2-801 ade2-101 his3-Δ200trp1-Δ63 leu2-Δ1 cyh2R)に同時導入する(酢酸リチウム法)。ウラシル欠損培地で出現したコロニーには相同組換えにてクローニング部位に正しくプロモータが挿入されたコンストラクトプラスミドがほぼ100%の確実性で存在する。これを抽出し,CEN/ARS配列をBamH I制限酵素で切断,自己再環状化させ,大腸菌にて増幅する。これを制限酵素Sbf I にてURA3内部で切断,新たにyPH857に導入する。ウラシル欠損培地にて出現した酵母コロニーは酵母染色体のURA3遺伝子部位にリポーターベクターが組み込まれており,即座にアッセイに使用可能である。
【0064】本発明の別の観点においては,本発明は,試験薬剤が転写因子の活性に及ぼす影響を判定するためのキットを提供する。該キットは,【0065】(1) 酵母において転写因子および内部標準リポーターを発現する第1のベクター,および,(2) その活性が転写因子により制御されるプロモーターと,プロモーターの下流に動作可能なように連結された,内部標準リポーターとは異なるアッセイリポーターとを含有する第2のベクターを含む。本発明のキットはさらに転写因子の補助因子を発現する第3のベクター,宿主酵母,酵母の形質転換に必要な試薬,これらを収容する容器,および操作マニュアルを含んでいてもよい。
【0066】さらに,本発明の方法を用いて,試験薬剤が蛋白質−蛋白質相互作用に及ぼす影響を測定することができる。該方法は,【0067】(1) 酵母において第1の蛋白質を発現する第1のベクターを用意し,(2) プロモーターおよびプロモーターの下流に動作可能なように連結されたアッセイリポーターを含有する第2のベクターを用意し,(3) 酵母において第2の蛋白質を発現する第3のベクターを用意し,ここで,プロモーターの活性は,第1の蛋白質と第2の蛋白質との間の相互作用により制御され,(4) 第1のベクター,第2のベクターおよび第3のベクターを酵母に導入し,(5) 酵母を試験薬剤と接触させ,そして(6) プロモーターの活性を試験薬剤の非存在下におけるプロモーターの活性と比較するの各工程を含む。
【0068】本発明の方法を用いて,例えば,試験薬剤がβ−カテニンとAPCとの相互作用に及ぼす影響を検出することができる。
【0069】以下に,実施例により本発明をより詳細に説明するが,これらの例は単なる例示であり,本発明の範囲を限定するものではない。
【0070】
【実施例】実施例1 p53単独発現ベクターの作成酵母内にp53を発現するベクターpLS76は,Flaman, 1995(Flaman, J.-M. et al. A simple p53 functional assay for screening cell lines, blood, and tumors.Proc Natl Acad Sci USA 92, 3963-3967, 1995)に記載のとおり作成した。簡単には,酵母シャトルベクターpRS315 (Leu2 ColE1ori Amp CEN/ARS)(前掲 Sikorski R, Hieter P,1989)に,1.6kbのADH1プロモーターを含む断片,ヒトp53cDNAを含むHindIII-EagI断片,さらにその下流にCYC1ターミネーター配列をこの順に組み込んだ。
【0071】実施例2 p53, ウミシイタケ ルシフェラーゼ共発現ベクターの作成ウミシイタケルシフェラーゼcDNAを含むpRL-CMVベクター(Promega)を鋳型として,制限酵素Hind IIIとEag Iの認識配列を入れたプライマー(5'-AAGCTTGCCACCATGACTTCGAAAG-3', 5'-CGGCCGCTCTAGAATTATTGTTCATT-3')を用いてウミシイタケルシフェラーゼ(rLuc) cDNAを増幅し,pCR2.1-TOPOベクター(Invitrogen,USA)にクローニングした。
【0072】pLS76をHind IIIとEag Iで切断してp53 cDNA配列を除去したものに,上記ベクターからHind IIIとEag Iにより切り出したrLuc cDNA断片(950 bp)をライゲーションし,得られたベクターをpLS-Renillaと命名した。これを鋳型にして制限酵素Bgl II認識配列をそれぞれの5'側に持つプライマ-(5'-AGATCTATGACTTCGAAAGTTTATG-3',5'-A-GATCTTCGAGCGCTCCCAAAAC-3')で,rLuc-CYC1 ターミネーターを一塊のcDNAとして増幅し,pCR2.1TOPOベクターにTAクローニングした。次に酵母内野生型p53発現ベクターpLS76のLEU2とCEN/ARSの間の塩基配列にPCR 変異導入で制限酵素Bgl IIの認識配列を入れた。変異導入で使用したプライマーは,5'-TCCGCTTACAGACAAGATCTGACCGTCTCCGGGAGC-3', 5'-AGACGGTCAGATCTTGTCTGTAAGCGGATGCCGGGAG-3'である。
【0073】PCR 変異導入は,以下の条件で行った。プライマーそれぞれを0.05μM,Pfuポリメラーゼ 2.5単位(Stratagene,USA),同添付反応液,0.05mM dNTP を加え,PCR反応条件は,95℃30秒,55℃60秒,68℃18分で16サイクル行った。酵母内野生型p53発現ベクターpLS76のLEU2とCEN/ARSの間の塩基配列に制限酵素Bgl IIの認識配列をもつpLS76をpLS76-Bgl II と命名した。pLS76-Bgl II を制限酵素BglIIで完全消化し,このベクターと前述のrLuc-CYC1 ターミネーター cDNAのBglII断片をライゲーションした。CEN/ARS→rLuc-CYC1 ターミネーター→LEU2の方向のものをpLS76Rと命名した。
【0074】実施例3 p73, ウミシイタケ ルシフェラーゼ共発現ベクターの作成p73は,p53遺伝子ファミリーに属する腫瘍抑制遺伝子である(Kaghad et al,Nature 389, 122-3, 1997)。実施例1のpLS76を使用し,p53の代わりにp73alphaおよびp73betaのcDNA配列を組み込んだ発現ベクター(それぞれpMT10およびpMT9)を作成した(Nozaki M, et al. No p73 mutations in meningiomas as determined with a simple functional yeast assay, instead, increased p73 expression characterizes malignant meningiomas. Brain Pathol 印刷中)。これらのベクターに実施例2と同様な方法でウミシイタケ ルシフェラーゼを組み込み,それぞれpMT10R(p73 alpha),pMT9R(p73 beta)と命名した。
【0075】実施例4 p63/p51, ウミシイタケ ルシフェラーゼ共発現ベクターの作成p51はp53の関連遺伝子であり,2つのスプライシングバリアント(p51Aおよびp51B)がある(Osada et al, Nature Medicine 4 (7), 839-843, 1998)。p51Aおよびp51BのcDNAは東北大井川俊太郎博士より供与を受けた。pLS76Rのp53部分をHindIII, EagIで切り出し,p51Aまたはp51BのcDNAを組み込み,それぞれ,p51AR,p51BRと命名した。
【0076】実施例5 p33ING1, ING2, c-Abl発現ベクターの作成p33ING1, ING2およびc-Ablは,p53と相互作用してその転写活性を増強させることが知られている蛋白質である(Garkavtsev, et al, Nature 391, 295-298,1998; Shimada et al, Cytogenet Cell Genet., 83, 232-235, 1998; Agami etal, Nature 399, 809-813, 1999; Yuan et al, Nature 399, 814-817, 1999; Nie et al, MCB 20 (3), 741-748, 2000)。これらの因子を発現するベクターの作成には,pLS76のLeu2マーカーをTrp1マーカーに入れ換えたpTSHP53を使用した(Marutani, M.et al. Dominant-negative mutations of the tumor suppressor p53 relating to early onset of glioblastoma multiforme. Cancer Res 59, 4765-4769, 1999)。
【0077】まず,PCR-変異導入にてp53配列の5'側にあるHind III部位(GCAAGCTT)をNhe I配列(GCTAGCTT)に変更した。使用したプライマーは Q-NheI F 5'-CATACAATCAACTGCTAGCTTCATGGAGGAGCCG-3' Q-NheI R 5'-CCTCCATGAAGCTAGCAGTTGATTGTATGCTTGGTATAGC-3' である。これをNhe I/Eag Iにて消化,p53配列を除去し,2本鎖オリゴDNAをNheI/Eag I断端部にライゲーションし,Flag-tag配列を挿入した。使用したオリゴDNAはoligoF-1 5'-CTAGGATGGATTACAAGGATGACGACGATAAGATCGCTAGCGCTGCTATC-3', oligoF-2 5'- GGCCGATAGCAGCGCTAGCGATCTTATCGTCGTCATCCTTGTAATCCATC-3' である。これによりNheI-EagI認識配列の5'側にFLAG-tagを持つ酵母内発現ベクターpTS-FLAGを得た。A549細胞のRNAから得たcDNA (RT-PCR産物)よりPCRによりp33ING1, ING2の全長cDNAを増幅し,TA クローニングを行った。用いたプライマーは,【0078】p33クローニング用プライマーp33FP 5'-GCTAGCATGTTGAGTCCTGCCAAC-3'p33RP 5'-CGGCCGCTACCTGTTGTAAGCCCTCT-3'ING2クローニング用プライマーING2 FP 5'-GCTAGCATGTTAGGGCAGCAGCAGCAGCAACTG-3’ING2 RP 5'-GCGGCCGCTACCTCGATCTTCTATCCTTTTTTGTCTTTTCAGTACTTTTGTCC-3’である。クローニング後,p33は制限酵素NheI-EagIで,ING2は制限酵素NheI-NotIで切り出し,前述のpTS-FLAGのNheI/EagIにて線形化したベクターとそれぞれライゲーションし,酵母内p33ING1, ING2発現ベクターpTSH-ing1, pTSH-ing2をそれぞれ得た。
【0079】c-Ablはオレゴン健康科学大の小田博士より供与を受けたものを使用した。cDNAをベクターを鋳型に5'側にNheIを3'側にNotI 認識配列を含むプライマーで増幅し,TAクローニングした後NheI-NotIで切り出して,pTS-FLAGのNheI-EagI消化断片とライゲーションした。用いたプライマーは【0080】
c-AblFP 5'-GCTAGCATGGGGCAGCAGCCTGGAAAAGTTC-3'c-AblRP 5'-GCGGCCGCTACCTCTGCACTATGTCACTGATTTCCT-3'である。
【0081】実施例6 p53各種変異体のpLS76Rへの組み込みpLS76Rを制限酵素PshA IとStu Iで完全消化しp53翻訳領域の第168〜1036塩基を切り出し,線状化pLS76Rとした。p53 cDNAの174〜179塩基のAGGTCCをAGGCCTの制限酵素Stu I認識配列に変異させるため,Stu I認識配列を組み込んだプライマーでpLS76を鋳型としてPCRを行いStu I認識配列を174〜179塩基に組み込んだ変異p53 cDNA断片を増幅した。使用したプライマーの配列は5'-GAACAATGGTTCACTGAAGACCCAGGCCTAGATGAAGCTC-3'と5'-ATGGCGGGAGGTAGACTGACCCTTTTTGGACTTCAG-3'である。この制限酵素Stu I認識配列を入れた変異p53 PCR反応液と前述の制限酵素PshA IとStuI線状化pLS76Rを酵母株yIG397に酢酸リチウム法にて導入し,低アデニン(5μg/ml)加・ロイシン欠乏半合成最少培地にて30℃,48時間培養した。出現したコロニーよりプラスミドDNAを抽出した。XL-1Blue 大腸菌に電気穿孔法で導入し,アンピシリン加 L-brothにて培養した大腸菌から再度プラスミドDNAを抽出した。プラスミド中のp53 cDNA塩基配列を解析し,Stu I配列の挿入を確認した。このp53cDNAの塩基177〜1036を削除した線状化プラスミド(ギャップベクター)を作製した。この線状化プラスミドは,CIAP処理し,電気泳動,約10Kbの線状化プラスミド断片をアガロースから回収した。pLS76Rギャップベクターは,酵母p53ルシフェラーゼアッセイ用に100ng/μlとなるようにTE緩衝液に溶解した。
【0082】ヒト腫瘍に由来する変異型p53をpLS76に組み込んだものを鋳型として,PCRにより変異型p53cDNA 断片を増幅した。変異型p53は,Q168(168番目のアミノ酸のHisからGlnへの変異),L197(197番目のアミノ酸のValからLeuへの変異),Q248(248番目のアミノ酸のArgからGlnへの変異)の三種類を用いた。用いたプライマーは,Forward 5'-ATGCTGTCCCCGGACGATA-3'または5'-ATTTGATGCTGTCCCCGGACGATATTGAAC-3'とReverse 5'-ACCCTTTTTGGACTTCAGGTGGCTGGAGTG-3' である。PCRは,以下の条件で行った。鋳型1ng プライマーを0.5μM,Pfu ポリメラーゼ 1.25単位,同添付反応液,0.175mMdNTP を加え,PCR反応条件は95℃30秒,67℃40秒,78℃60秒で35サイクル行った。
【0083】この変異型p53cDNAの反応液1μlとpLS76Rギャップベクター50ngを酵母yIG397に前述の酢酸リチウム法にて導入し,低アデニン(5μg/ml)加・ロイシン欠乏半合成最少培地にて30℃,48時間培養した。出現したピンク又は赤コロニーを10mlの200μg/mlYPDA培地アデニン加(YPDA++)にて30℃14時間振盪培養し,集菌したものをザイモリアーゼ100T 処理し,アルカリリシス法によりプラスミドDNAを抽出した。これを電気穿孔法によりXL-1 Blue 大腸菌に導入し,培養した大腸菌から再度 アルカリリシス法によりプラスミドDNAを抽出した。プラスミド中のp53塩基配列は,シーケンス解析し,変異を確認した。
【0084】実施例7 β-カテニン, Tcf-4発現ベクターの作成pRS313 (His3, CEN/ARS, lacZ, F1(+), Amp, ori)を基本ベクターとして使用した(前掲 Sikorski R, Hieter P,1989)。pRS313のマルチクローニングサイトにADH1プロモーターをEcoRIとBamHIにて,CYC1プロモーターをEcoRIとBglIIにて反対向きに上流を合い接する形で挿入し,それぞれの下流にCYC1ターミネーターをBamHI, SacIおよびBglII, ApaIにて挿入した。ADH1プロモーターに連結してβ-カテニン cDNAをBamHI 部位に,またCYC1プロモーターに連結してTCF4 cDNAをBglII 部位に挿入した。このベクターをpRS313-bcat/tcf4と命名した。遺伝子型は [CYC1p:TCF4 ori Amp CEN4/ARSH1 HIS3 ADH1p:β-カテニン]である。
【0085】実施例8 APC, ウミシイタケ ルシフェラーゼ共発現ベクターの作成pRS315 (Leu2, CEN/ARS, lacZ, F1(+), Amp, ori)を基本ベクターとして使用した(前掲 Sikorski R, Hieter P,1989)。pRS315のマルチクローニングサイトにADH1プロモーターをEcoRIとBamHIにて,その下流にCYC1ターミネーターをBamHI, SacIにて挿入した。ADH1プロモーターに連結してAPC cDNAをBamHI 部位に挿入した。これをpRS315-apcと命名した。遺伝子型は [ori Amp CEN4/ARSH1 LEU2ADH1p:APC]である。さらにADH1プロモーター: APC:CYC1プロモーターを一塊としてApaI, SacI にて切り出し,前述のpLS76Rのp53をSacI, ApaIにてADH1プロモーター: APC: CYC1プロモーターに置換し,これをpLS76R-apcと命名した。遺伝子型は [ori Amp CEN4/ARSH1 Renilla Luc LEU2 ADH1p:APC]である。
【0086】実施例9 リポーターベクターの作成 タイプ A-1:ヒトBax遺伝子プロモーター::蛍ルシフェラーゼ (Firefly Luc)Bax プロモーター・ルシフェラーゼリポーターベクターpMO23はMosch Oren博士より供与を受けた。このコンストラクトはヒトBaxのプロモーターを自然配列のままTATAboxまでとりだし,ルシフェラーゼ アッセイ用のpGL3-Basicベクター(Promega社)に組み込んだものである(Friedlander, P., et al. A mutant p53 that discriminates between p53-responsive genes cannot induce apoptosis.Mol Cell Biol 16, 4961-4971,1996)。酵母組み込みベクターpRS406 (Stratagene,CA,USA)を酵母染色体組換えのための基本ベクターとして使用した。pRS406は,酵母の栄養要求性マーカーURA3を有し,自律複製配列を持たないため,URA3変異酵母株のURA3部位に相同組換えにて組み込まれる性質を有する。pRS406を制限酵素Sma I, BamH I 切断したものにpMO13よりBax プロモーター + ルシフェラーゼ の制限酵素Fsp I, BamH I 断片をライゲーションしてpMT15と命名した。
【0087】実施例10 リポーターベクターの作成 タイプ A-2: ヒトp21遺伝子プロモーター::Py ori:: 蛍ルシフェラーゼ哺乳動物p21 プロモーター・ルシフェラーゼコンストラクト(プラスミド) pG13 Py LucはBertVogelstein博士より供与を受けた。このコンストラクトはp21プロモーター中にあるp53結合部位を13個入れた配列にポリオーマウイルス早期応答遺伝子プロモータ配列を結合し(Kern, S. E. et al. Oncogenic forms of p53inhibit p53-regulated gene expression. Science 256, 827-830, 1992),それにルシフェラーゼ遺伝子とSV40poly A配列を結合したものである。pRS406を制限酵素Sma I, Kpn I切断したものにpG13 Py Lucよりp21 プロモーター + ルシフェラーゼを含むPvu II, Kpn I 断片をライゲーションしてpMT16と命名した。
【0088】実施例11 リポーターベクターの作成 タイプ B-1, ヒト3xRGC配列::CYC最小プロモーター::ADE2RGC配列は,p53の結合部位である。このリポーターベクターは,ヒト3xRGC配列::CYC1最小プロモーター::ADE2::ターミネーター,ColE1ori,Amp,URA3からなる環状プラスミドであり,Flaman ら(前掲)の記載にしたがって作成した。
【0089】実施例12 リポーターベクターの作成 タイプ B-2, ヒト7xTcf結合配列::CYC最小プロモーター::ADE2pLS349[CYC1 最小 プロモーター: ADE2 ori Amp URA3](スイス国立癌研究所Richard Iggo博士より供与)を基本ベクターとして使用した。このCYC1最小プロモーターの上流に,互いにアニールし両端に酵素切断端をつくるオリゴヌクレオチド,3xR, 5'-TCGAGAATCAAAGGTGCAGAAATCAAAGGTGCAGAAATCAAAGG-3'; 3xF, 5'-CCGGCCTTTGATTTCTGCACCTTTGATTTCTGCACCTTTGATTC-3' (TCF結合エレメントx3; XmaI, XhoI段端)および4xR, 5'-TCGAAAGTTCAAAGGAAGTTCAAAGGAAGTTCAAAGGAAGTTCAAAGGC-3'; 4xF, 5'-TCGAGCCTTTGAACTTCCTTTGAACTTCCTTTGAACTTCCTTTGAACTT-3' (TCF結合エレメントx3 ; 両 XhoI段端)にてTCF結合領域を7箇所挿入した。これをpLS349-TBE:ADE2と命名した。遺伝子型は[TBEx7-CYC1 最小 プロモーター: ADE2 ori Amp URA3]である。
【0090】実施例13 リポーターベクターの作成 タイプ B-3, ヒト7xTcf結合配列::CYC最小プロモーター::蛍ルシフェラーゼpLS349-TBE:ADE2のADE2をBamHIにて削除し,同部位に蛍ルシフェラーゼ(FLuc) を挿入し,pLS349-TBE:FLucと命名した[TBEx7-CYC1 最小 プロモーター: FLuc ori Amp URA3]。
【0091】実施例14 リポーターベクターの酵母染色体への導入上述の実施例9−13において作成したリポーターコントラクトを酵母染色体中に組み込んだ。
【0092】タイプ A-1, ヒトBax遺伝子プロモーター::蛍ルシフェラーゼ (F Luc)タイプ A-2, ヒトp21遺伝子プロモーター::Py ori:: 蛍ルシフェラーゼタイプ B-1, ヒト3xRGC配列::CYC最小プロモーター::ADE2タイプ B-2, ヒト7xTcf結合配列::CYC最小プロモーター::ADE2タイプ B-3, ヒト7xTcf結合配列::CYC最小プロモーター::蛍ルシフェラーゼpMT15 (Bax-Luc)を制限酵素Nco I で,pMT16 (p21-Luc)を制限酵素Sbf I で完全消化しURA3内部切断したプラスミドを,それぞれ酵母株yPH857 [ MATa ura3-53 lys2-801 ade2-101 his3-Δ200 trp1-Δ63 leu2-Δ1 cyh2R] に導入した。導入の方法は,以下の行程(酢酸リチウム法)にて行った。酵母株yPH857を100mlのYPD培地に200μg/mlのアデニンを添加したYPDA培地でOD600が0.8に達するまで培養した。培養液を室温で5分間1000gで遠心,集菌し,培地を除去してから500μlの酢酸リチウム溶液(10 mM Tris-HCl pH 8.0, 1 mM EDTA, 0.1 M 酢酸リチウム)にて懸濁した。懸濁液50μlにpMT15 (Bax-Luc)または,pMT16 (p21-Luc)の制限酵素完全消化プラスミド25-150ng,そして50μgの超音波処理一本鎖サケ精子DNAを加えてから酢酸リチウム溶液/40% ポリエチレングリコール 4000(関東化学,東京)溶液300μlを加えた。これを30℃で30分間保温し,続いて42℃15分間熱ショックを加えた。 酵母内に導入された線状化プラスミドpMT15 (Bax-Luc)またはpMT16 (p21-Luc)の切断されたベクター上のURA3は,酵母内で酵母染色体上変異型URA3(ura3-53 )と遺伝子相同組み換えを起こし,p21 プロモーター-ルシフェラーゼリポーター,またはBax プロモーター-ルシフェラーゼリポーターがそれぞれ酵母染色体上に組み込まれる。酢酸リチウム法でリポーターベクターが染色体上組み込みが行われた酵母株yPH857は,ウラシル非要求性株となる。形質転換された酵母を,ウラシル欠乏半合成最少培地にて30℃で48時間選択培養し選択した。
【0093】出現したコロニーをルシフェラーゼ配列特異的プライマーを用いたPCRにて,リポーターベクターが酵母株yPH857 の染色体に組み込まれていることを確認した。使用したプライマーはLUC-F(5'-TTTTGAAGCGAAGGTTGTGG-3')およびLUC-R(5'-GAAGATGTTGGGGTGTTGTA-3')である。PCRの条件は,30μl脱イオン水に酵母コロニーを溶かし95℃5分間加熱処理した後,5分間氷中にて急冷した。この上清1μlにルシフェラーゼ特異的プライマーをそれぞれ0.5μM,Gene Taq NT DNAポリメラーゼ 0.5単位(NIPPON GENE,東京),同添付反応液,0.075μM dNTP を加え,Gene Amp PCR System 2400-R(Perkin Elmer,千葉)でPCR反応を行った。反応条件は95℃40秒,52℃52秒,72℃60秒で35サイクルである。酵母株yPH857 にpMT15 (Bax-Luc)を組み込んだものをyMTbax-luc,pMT16 (p21-Luc)を組み込んだものをyMTp21-lucと命名した。ヒト3xRGC配列::CYC最小プロモーター::ADE2 リポーターベクターのyIG397酵母株への組み込みは,Flaman, J.-M.らにより記載された方法にしたがった (前掲 Flaman, 1995)。
【0094】実施例15 p53の転写活性の測定正常の転写活性を持つ野生型p53,転写活性を完全に失った変異p53 (R248Q,アミノ酸248がArgからGlnに変異),転写活性を部分的に保持する変異p53 (H168Q, アミノ酸168がHisからGlnに変異;V197L, アミノ酸197がValからLeuに変異)の4種のp53について転写活性の測定を行った。これらは上述のpLS76Rに組み込み,酵母に導入した。
【0095】転写活性が酵母色として判定できるタイプ B-1リポーターを用いた結果では,野生型p53は白色,R248Qは赤色,H168QおよびV197Lは中間のピンク色を呈し,転写活性を反映した結果が得られた。
【0096】次に,タイプ A-1およびタイプ A-2のリポータを用い,ウミシイタケ ルシフェラーゼを内部標準として、定法により転写活性を測定した。結果は,野生型p53の蛍ルシフェラーゼ活性の平均平均を100%の活性としたときの相対活性で表す。
【0097】
【表1】

【0098】表1から明らかなように,Baxおよびp21プロモーターに対する転写活性を定量することができた。
【0099】実施例16 p53に相互作用する蛋白質の転写活性化に対する影響p53蛋白質に相互作用し,p53転写活性を増強することが知られているp33ING1,ING2, c-Ablの影響を測定した。タイプ A-1リポーターを組み込んだ酵母株に,実施例2で作成したpLS76Rにより野生型p53を,実施例5で作成したpTSH-ing1,pTSH-ing2または pTSH-Ablによりそれぞれp33ING1, ING2 またはc-Ablを,同時導入した。ルシフェラーゼ活性は,実施例15に記載されるようにして測定した。
【0100】
【表2】

【0101】表2に示されるように,いずれの場合にも,転写活性の増加を検出することができた。
【0102】さらに,免疫沈降-ウェスタンブロットにより,p33ING1, ING2とp53との結合が確認された。また,c-Ablによるp53のリン酸化が確認された。
【0103】実施例17 p53ファミリー蛋白質による転写活性化の測定p53と相同のp53ファミリー蛋白質p73の2種のアイソフォームについて,転写活性をタイプ A-1およびタイプ A-2リポーターにて測定した。これらは実施例3に記載される転写因子発現ベクターpMT10R(p73 alpha)およびpMT9R(p73 beta)により導入した。活性は,実施例15に記載されるようにして測定した。
【0104】
【表3】

【0105】また,p51の2種のアイソフォームについて転写活性をタイプ A-1およびタイプA-2リポーターにて測定した。いずれも,これまでに報告されている転写活性と矛盾しない測定値が得られた。
【0106】実施例18 Tcf-4, β-カテニンの転写活性およびAPC蛋白質によるTcf-4/β-カテニン転写活性の阻害タイプ B-2リポーター酵母株にTcf-4とβ-カテニンを同時導入したところ,Tcf-4とβ-カテニンが酵母内で複合体を形成し,プロモーターを駆動し,酵母色を白色にすることが確認された。
【0107】次に,タイプ B-3リポータ酵母株にTcf-4とβ-カテニンを同時導入し,蛍ルシフェラーゼの活性を内部標準ウミシイタケルシフェラーゼの活性で補正して,転写活性の定量的測定をすることができた。
【0108】次に,タイプ B-2リポーター酵母株にTcf-4とβ-カテニンを同時導入し,さらにAPC発現ベクターを導入したところ,Tcf-4/β-カテニンの転写活性が低下することが確認された。これは,APCがβ-カテニンと結合し,Tcf-4とβ-カテニンの複合体の核内への輸送が妨げられたためであると考えられる。
【0109】
【表4】

【0110】実施例19 薬剤による転写抑制の測定ピフィスリンα(pifithrin-α;2-(2-イミノ-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾチアゾール-3-イル)-1-p-トリルエタノン)は,p53の転写を抑制することが知られている化合物である(Komarov, P. G., Komarova, E. A., Kondratov, R. V., Christov-Tselkov, K., Coon, J. S., Chernov, M. V., and Gudkov, A. V. A chemical inhibitor of p53 that protects mice from the side effects of cancer therapy, Science. 285: 1733-7, 1999)。
【0111】実施例11で作成したリポーターベクターを実施例14にてyIG397酵母株に組み込んだ酵母を使用した。この酵母に,実施例2で作成したp53・ウミシイタケルシフェラーゼ共発現ベクターpLS76Rを導入した。
【0112】形質転換した酵母を,ロイシン欠乏, アデニン制限(5μg/ml)半合成最少平板培地にて2日間選択培養を行った後,集菌し,同一体積のPBS緩衝液にて懸濁した。96穴マイクロタイタープレートの各ウエルににロイシン欠乏,アデニン制限(5μg/ml)半合成最少平板培地を50μl入れ,懸濁した酵母を各10μl添加,さらに各試験ウエルには100mMのピフィスリンα 10μlを,対照ウエルには水10μlを加え,30℃で 24時間インキュベートした。なお,負対照としては,リポーターベクターを有するがpLS76Rを導入していない酵母を用いた。試験ウエルの酵母はピンク色を呈したのに対し,対照ウエルの酵母は白色を呈し,薬剤による転写活性の阻害を目視により確認することができた。
【0113】
【配列表】
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