米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 化学;冶金 -> 旭化成株式会社

発明の名称 吸放湿性石膏ボード
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2002−187760(P2002−187760A)
公開日 平成14年7月5日(2002.7.5)
出願番号 特願2000−385524(P2000−385524)
出願日 平成12年12月19日(2000.12.19)
代理人
発明者 緑川 一郎 / 伊藤 康之
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 石膏、吸放湿材、珪酸カルシウム水和物粉を含有することを特徴とする、吸放湿性石膏ボード。
【請求項2】 珪酸カルシウム水和物粉がトバモライトを含有している請求項1記載の吸放湿性石膏ボード。
【請求項3】 珪酸カルシウム水和物粉が軽量気泡コンクリート粉である請求項1または2記載の吸放湿性石膏ボード。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物の内装材等に用いる吸放湿性を有する石膏ボードに関する。
【0002】
【従来の技術】従来石膏ボードとしては、石膏を芯材にしてその両表面にボード用原紙を貼り付けた石膏ボードの他、石膏の芯材中に補強材としてのガラス繊維やパルプ等を混入し、その両表面にボード用原紙を貼り付けた強化石膏ボード、さらに石膏に補強材としてのガラス繊維やパルプ等を混入しボード用原紙を特に貼り付けていない繊維補強石膏ボード等が知られている。そして、これら石膏ボードは安価である、不燃性である、寸法安定性に優れる、鋸による切断が可能である等の多くの特徴を有するために、現在内装材等に広く利用されている。
【0003】一方、最近の世の中の快適志向、省エネルギー志向の高まりから、なるべく空調装置等を使用せずに部屋内を快適な温湿度領域に保つような機能が内装材に求められるようになってきている。その結果、湿度に関しては、部屋の湿度が快適な湿度範囲を上回る方向に変動しようとした場合には、吸湿して部屋の湿度上昇を抑制し、部屋の湿度が快適な湿度範囲を下回る方向に変動しようとした場合には放湿して部屋の湿度の減少を抑制する、いわゆる吸放湿性が内装材等の機能として注目されるようになってきている。
【0004】このような背景から、吸放湿性材を含有する吸放湿性石膏ボードが開発されている(特許2832953号等)。しかしながら、これらの従来技術による吸放湿性石膏ボードは、吸放湿材として石膏よりもかなり高価な材料を使用している、また吸放湿材の含有量の増加に伴い強度が低下するといった理由で、即ち製造コスト上及び強度保持上の理由で実用上は吸放湿材の含有量がかなり制限され、そのことに起因して付与できる吸放湿性もかなり制限されるという問題点を有していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来技術による吸放湿性石膏ボードと同等の製造コストでありかつ同等の強度を保持していながら、従来技術による吸放湿性石膏ボードを上回る吸放湿性を有する吸放湿性石膏ボードを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、従来技術による吸放湿性石膏ボードに、さらに吸放湿材として珪酸カルシウム水和物粉を添加した場合には、珪酸カルシウム水和物粉以外の吸放湿材を添加した場合に比較すると、吸放湿材の含有量の増加に伴うボードの強度低下が極めて小さいことを見出した。
【0007】一方、珪酸カルシウム水和物粉は珪酸カルシウム板や軽量気泡コンクリートの製造工程、これらを使用する建築施工現場、さらに解体現場から発生する廃材を利用できるため、他の吸放湿材に比較して安価に入手できる。即ち、従来技術による吸放湿性石膏ボードにさらに吸放湿材として珪酸カルシウム水和物粉を添加することで、従来技術による吸放湿性石膏ボードの吸放湿性を、製造コストの増加および強度低下を伴うことなく、さらに向上させることが可能であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】即ち本発明は、(1)石膏、吸放湿材、珪酸カルシウム水和物粉を含有する吸放湿性石膏ボード。
(2)珪酸カルシウム水和物粉がトバモライトを含有している(1)記載の吸放湿性石膏ボード。
(3)珪酸カルシウム水和物粉が軽量気泡コンクリート粉である(1)または(2)記載の吸放湿性石膏ボード。である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明する。本発明の原料に用いる石膏は、α型半水石膏、β型半水石膏、II型無水石膏や、それらの2種以上の混合物等、水と接触した際に水和硬化性を示す形態の石膏である。
【0010】珪酸カルシウム水和物粉としては、トバモライト、ゾノトライト、ジャイロライト、フォシャジャイト、ヒレンブラダイト等の結晶質物質や、CSHゲルと呼ばれる非晶質物質の少なくとも1種類を含有するものが好ましく、トバモライトを含有するものの使用がより好ましく、トバモライトを含有する珪酸カルシウム水和物粉としてはオートクレーブ養生した軽量気泡コンクリート(ALC)粉の使用が特に好ましい。
【0011】本発明における吸放湿材とは、周囲の湿度変化に呼応して吸湿および放湿を行う珪酸カルシウム水和物粉以外の材料であり、従来の吸放湿性石膏ボード等の吸放湿性建材に含有されている吸放湿材等がいずれも使用できるが、吸湿量および放湿量がともに20g/kg以上のものが好ましく、30g/kg以上のものがより好ましく、40g/kg以上のものがさらに好ましく、50g/kg以上のものが特に好ましい。
【0012】また、本発明における吸放湿材は、無機系のものであることが好ましく、無機系の吸放湿材としては、シリカゲル、珪藻土、活性アルミナ、活性炭、アパルタジャイト、ベントナイト、カオリン、ゼオライト、活性白土、シラス等を例示できる。吸放湿材は、1種類だけを添加しても良いし、2種類以上を添加しても良い。吸放湿材の添加量は添加する吸放湿材の種類にもよるが、石膏100質量部(半水石膏換算)に対して好ましくは2〜60質量部であり、より好ましくは5〜50質量部であり、さらに好ましくは10〜40質量部であり、特に好ましくは15〜35質量部である。添加量は吸放湿性効果の観点から2質量部以上が好ましく、強度の観点から60質量部以下が好ましい。
【0013】珪酸カルシウム水和物粉の添加量は上述の吸放湿材の添加量にもよるが、石膏100質量部(半水石膏換算)に対して好ましくは10〜300質量部であり、より好ましくは50〜250質量部であり、さらに好ましくは80〜220質量部であり、特に好ましくは85〜200質量部である。添加量は吸放湿性効果の観点から10質量部以上が好ましく、強度の観点から300質量部以下が好ましい。なお、本発明で使用する珪酸カルシウム水和物粉は、得られる石膏ボードの強度の観点から平均粒径(メジアンの径)が1μm〜3mmの範囲の粒度であることが好ましい。
【0014】また、本発明による石膏ボードは、強度、耐衝撃性、防火性等を向上させる目的で有機繊維や無機繊維を添加しても良い。これらの繊維としては、ガラス繊維、セラミックス繊維、ロックウール、パルプ、ビニロン繊維、ポリプロピレン繊維、アラミド繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、麻繊維等が例示できる。その添加量は使用する繊維の種類にもよるが、石膏、吸放湿材、珪酸カルシウム水和物粉の合計量100質量部(石膏は半水石膏換算)に対して20質量部以下にすることが好ましく、10質量部以下にすることが特に好ましい。
【0015】さらに、本発明の石膏ボードはその片側表面または両表面にボード用原紙やガラスクロス等の表面補強材を貼り付けたものであっても良い。次に製造方法を説明すると、本発明の石膏ボードは従来公知の石膏ボード、強化石膏ボード、繊維補強石膏ボード等を製造する方法と同様の方法で製造することができる。以下に、製造方法のいくつかを例示するが、製造方法はこれらに限定されるものではない。
【0016】1. 表面にボード用原紙を貼り付けた本発明の石膏ボードを製造する方法石膏と吸放湿材と珪酸カルシウム水和物粉および水に、必要に応じ流動化剤、硬化遅延剤、硬化促進剤、発泡剤等を添加して混合攪拌し、スラリー状の成形用組成物を得る。この成形用組成物をボード用原紙の上紙と下紙の間に流し込み、その後二本のローラー間を通して成形する。この成形物を硬化さらに乾燥させて石膏ボードを得る。
【0017】2. 繊維補強しかつ表面にボード用原紙を貼り付けた本発明の石膏ボードを製造する方法石膏と吸放湿材と珪酸カルシウム水和物粉と補強繊維および水に、必要に応じ流動化剤、硬化遅延剤、硬化促進剤、発泡剤等を添加して混合攪拌し、スラリー状の成形用組成物を得る。後は上述と同様の方法で石膏ボードを得る。
3. 繊維補強しかつ表面にボード用原紙を貼り付けない本発明の石膏ボードを製造する方法1)石膏と吸放湿材と珪酸カルシウム水和物粉と補強繊維および水に、必要に応じ流動化剤、硬化遅延剤、硬化促進剤、発泡剤等を添加して混合攪拌し、スラリー状の成形用組成物を得る。この成形用組成物を型枠の下型内に広げ上型をかぶせた後、型枠をプレス機内に移して加圧する。一定時間加圧後、脱型し成形体を硬化さらに乾燥させて石膏ボードを得る。
【0018】2)石膏と吸放湿材と珪酸カルシウム水和物粉と補強繊維および水に、必要に応じ流動化剤、硬化遅延剤、硬化促進剤、発泡剤等を添加して混合攪拌して得たスラリー状の成形用組成物を計量しながらベルトコンベア上に連続的に送る。ベルトコンベアがロールプレス内に成形用組成物を搬送し、そこで加圧し成形する。この成形体を硬化さらに乾燥させて石膏ボードを得る。次に、実施例および比較例によって本発明を説明する。
【0019】
【実施例1】β型半水石膏100質量部、吸放湿材として珪藻土(吸湿量 75g/kg、放湿量 74g/kg)30質量部、軽量気泡コンクリート粉(平均粒径56μm 旭化成工業(株)製「ヘーベル」粉砕品)85質量部、ポリカルボン酸系の流動化剤0.15質量部、ヒドロキシカルボン酸系の硬化遅延剤0.01質量部の混合物に適量の水を加えて混合攪拌しスラリー状の均一な成形用組成物を得た。この成形用組成物を市販のボード用原紙の上紙と下紙の間に流し込み、その後二本のローラー間を通して成形し、この成形物を常温で養生して硬化させさらに70℃で乾燥させて表面にボード用原紙を貼り付けた石膏ボードを得た。得られた石膏ボードの吸湿量、放湿量、曲げ強度(成形時のローラーの向きと垂直方向)、比重を表1に示した。
【0020】
【実施例2】β型半水石膏100質量部、吸放湿材として珪藻土(吸湿量 75g/kg、放湿量 74k/kg)10質量部、軽量気泡コンクリート粉(平均粒径35μm 旭化成工業(株)製「ヘーベル」粉砕品)100質量部、パルプ20質量部に適量の水を加えて混合攪拌し、スラリー状の均一な成形用組成物を得た。この成形用組成物を型枠の下型内に広げ上型をかぶせた後、型枠をプレス機内に移して5分間加圧を行った。その後脱型した成形体を常温で養生して硬化させ、さらに60℃で乾燥させて石膏ボードを得た。得られた石膏ボードの吸湿量、放湿量、曲げ強度、比重を表1に示した。
【0021】
【比較例1】軽量気泡コンクリート粉を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様の方法で表面にボード用原紙を貼り付けた石膏ボードを得た。得られた石膏ボードの吸湿量、放湿量、曲げ強度(成形時のローラーの向きと垂直方向)、比重を表1に示した。
【0022】
【比較例2】軽量気泡コンクリート粉を添加しなかったこと以外は、実施例2と同様の方法で繊維補強石膏ボードを得た。得られた繊維補強石膏ボードの吸湿量、放湿量、曲げ強度、比重を表1に示した。
【0023】
【表1】

【0024】なお、実施例、比較例中に示した吸湿量、放湿量、曲げ強度、比重は以下のように測定した。
吸放湿材の吸湿量:105℃で乾燥した後質量(Wt)を測定したアルミニウム製のトレー内に、40〜50gの吸放湿材を、5mm程度のなるべく均一な厚みになるようにひろげる。この吸放湿材をトレーごと105℃の乾燥器内に移し、質量が一定になるまで保持し、一定になった後のトレーごとの質量(Wk)を測定する。次にこの吸放湿材をトレーごと温度25℃、相対湿度50%の雰囲気内に移し、質量が一定になるまで保持し、一定になった後のトレーごとの質量(Wk51)を測定する。質量測定後、直ちに吸放湿材をトレーごと温度25℃、相対湿度90%の雰囲気内に移し24時間保持し、24時間経過後のトレーごとの質量(Wk9)を測定する。吸放湿材の吸湿量は式(1)により算出した。
吸放湿材の吸湿量(g/kg)
=1000(Wk9−Wk51)/(Wk−Wt) (1)
【0025】吸放湿材の放湿量:上述の吸放湿材の吸湿量を求める測定で、温度25℃、相対湿度90%の雰囲気内に移し24時間保持し24時間経過後のトレーごとの質量(Wk9)を測定した吸放湿材を、直ちにトレーごと温度25℃、相対湿度50%の雰囲気内に移し24時間保持し、24時間経過後のトレーごとの質量(Wk52)を測定する。吸放湿材の放湿量は式(2)により算出した。
吸放湿材の放湿量(g/kg)
=1000(Wk9−Wk52)/(Wk−Wt) (2)
【0026】石膏ボードの吸湿量:150×150×12mmの試験体の150×150mmの面1面以外の5面をアルミニウムテープでシールする。この試験体を温度25℃、相対湿度50%の雰囲気内に質量が一定になるまで保持し、一定になった後の質量(W51)を測定する。質量測定後、直ちに試験体を温度25℃、相対湿度90%の雰囲気内に移し24時間保持し、24時間経過後の質量(W9)を測定する。石膏ボードの吸湿量は式(3)により算出した。
石膏ボードの吸湿量(g/m2
=(W9−W51)/(0.15×0.15) (3)
【0027】石膏ボードの放湿量:上記の吸湿量を求める測定で、温度25℃、相対湿度90%の雰囲気内に移し24時間保持し24時間経過後の質量(W9)を測定した試験体を直ちに温度25℃、相対湿度50%の雰囲気内に移し24時間保持し、24時間経過後の質量(W52)を測定する。石膏ボードの放湿量は式(4)により算出した。
石膏ボードの放湿量(g/m2
=(W9−W52)/(0.15×0.15) (4)
石膏ボードの曲げ強度:150×30×12mmの試験体を、温度20℃、相対湿度60%の雰囲気内に質量が一定になるまで保持した後、スパーン120mm、荷重速度2mm/分の条件で行った3点曲げ試験の結果をもとに曲げ強度を算出した。
石膏ボードの比重:150×150×12mmの試験体を60℃の乾燥機中で質量が一定になるまで乾燥し、乾燥後の質量と外寸法から算出した。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、従来技術による吸放湿性石膏ボードと同等の製造コストでありかつ同等の強度を保持していながら、従来技術による吸放湿性石膏ボードを上回る吸放湿性を有する吸放湿性石膏ボードを提供することができる。さらに、本発明によれば現在多量に廃棄処分されている珪酸カルシウム系の廃材を原料として使用することができるため、廃棄物削減、省資源という環境保護面においても効果がある。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013