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発明の名称 ボールペンチップ及びその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2002−254878(P2002−254878A)
公開日 平成14年9月11日(2002.9.11)
出願番号 特願2001−55358(P2001−55358)
出願日 平成13年2月28日(2001.2.28)
代理人
発明者 高橋 裕一
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 筆記部材としてのボールと、このボールを先端開口部より一部突出してボール抱持室に抱持するボールホルダーとからなり、ボールホルダーが有する中心孔とこれに連通する放射状溝とにてインキタンク内のインキをボール抱持室内に連通させてなるボールペンチップにおいて、前記ボールホルダーの内壁であって、前記ボールが最も後退した状態にあるときに、ボールの最後端位置より先端側に向かってボール直径の2/5の位置よりも先端開口部側に周状の凹部を形成すると共に、この凹部と前記放射状溝とを連通する複数のインキ流通溝を形成したことを特徴とするボールペンチップ。
【請求項2】 前記インキ流通溝間に形成される肉部分に相当するボール抱持室の内半径がボール半径に対して100%〜105%であることを特徴とする請求項1記載のボールペンチップ。
【請求項3】 前記ボール保持室と前記周状の凹部とを一体の切削加工刃物で一度に形成し、その後にかしめ加工を施すことによってボールを抱持することを特徴とした請求項1または請求項2に記載のボールペンチップの製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、筆記部材としてのボールと、このボールを先端開口部より一部突出してボール抱持室に抱持するボールホルダーとからなり、ボールホルダーが有する中心孔とこれに連通する放射状溝とにてインキタンク内のインキをボール抱持室内に連通させてなるボールペンチップに関する。
【0002】
【従来の技術】筆記部材としてボールを使用した筆記具であるボールペンは、ボールの回転によって紙などの被筆記面にインキを塗布転写するものであり、回転するボールによって滑らかな筆記感が得られることから広く使用されている。その筆記の仕組は、インキタンクに収容されているインキを、前記ボールの配置されているボール抱持室にまで連通させ、ボールにインキを付着させると共にボール抱持室内にインキを存在させ、筆記に際してボールを被筆記面に押し付けることによってボールを後退させ、ボールホルダーの先端開口部にインキの吐出する隙間を形成してインキを流出させると共にボール表面に付着しているインキを被筆記面に転写させるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらボールペンが、ボールに付着したインキを被筆記面に転写するものであることから問題点が発生する。即ち、ボールに付着したインキのうち、被筆記面に転写されるものは一部であり、ボールに付着したインキの被筆記面に移動しなかったものはボールの回転に伴って再びボール抱時室内に戻されることになる。しかし、通常の筆記では被筆記面に対して筆記具が傾斜されて保持されているため、ボールの後退した状態もボール抱持室内にて多少片寄った状態となる。つまり、傾斜されたボールペンチップのボールの下側に相当する先端開口部側の隙間は広く、これに対してボールの上側に相当する先端開口部側の隙間は狭く形成される。この狭くなった隙間では、前述のボールに付着したインキのうち、被筆記面に転写されなかったインキを全てボール抱持室内に回収することができない場合が発生し、ボールホルダーの先端開口部外側壁にインキが付着堆積することになる。この堆積したインキが重力に負けて筆記の途中で被筆記面に落ちる現象が所謂筆記ボテであり、JIS S 6039 に記載されているような筆跡の部分的な太幅部分として形成されてしまう。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、筆記部材としてのボールと、このボールを先端開口部より一部突出してボール抱持室に抱持するボールホルダーとからなり、ボールホルダーが有する中心孔とこれに連通する放射状溝とにてインキタンク内のインキをボール抱持室内に連通させてなるボールペンチップにおいて、前記ボールホルダーの内壁であって、前記ボールが最も後退した状態にあるときに、ボールの最後端位置より先端側に向かってボール直径の2/5の位置よりも先端開口部側に周状の凹部を形成すると共に、この凹部と前記放射状溝とを連通する複数のインキ流通溝を形成したことを特徴とするボールペンチップを要旨とするものである。また、このようなボールペンチップを得るために、前記インキ流通溝と前記放射状溝とを一体の切削加工刃物で一度に形成し、その後にかしめ加工を施すことによってボールを抱持することを特徴としたボールペンチップの製造方法をその要旨とするものである。
【0005】
【作用】ボール抱持室内壁に形成した周状の凹部は、ボール抱持室内においてインキ溜まり部となり、豊潤なインキを蓄えることが可能な部分となる。よって、高速筆記などを予定した過剰なインキ吐出とするためにボール抱持室内を広くする必要が無く、筆記の際のボールの片寄りを抑制させることができ、先端開口部の狭い隙間が形成され難く、筆記ボテの原因となる様なボールホルダーの先端開口部外側壁へのインキの付着堆積を極力抑制することができる。また、放射状溝と連通するインキ流通溝にて吐出されるインキ量を減少させずにボール抱持室の内径、即ちボールの径方向の移動可能範囲を小さくすることができ、先端開口部に形成される隙間を大きく設計してもボールの片寄りによる狭い隙間の形成が抑制されて、前述と同様に筆記ボテの原因となる様なボールホルダーの先端開口部外側壁へのインキの付着堆積を極力抑制することができる。更に、ボール保持室と周状の凹部とを一体の切削加工刃物で一度に形成することによってボールの配置される部分の同軸性や加工精度を確保でき、かしめ加工に際しても前記周状の凹部は周状の薄肉部となっているために変形され易く、ボール抱持室内径が変化しにくいために先端開口部に形成される隙間を大きく設計してもボールの径方向の移動可能範囲を小さくすることができるものである。
【0006】
【実施例】以下、図面に基づき一例について説明する。図1に示したものは、本発明のボールペンチップの要部を拡大した縦断面図であり、筆記部材としての超硬材やセラミックスなどによるボール1を回転自在にステンレス製のボールホルダー2が抱持している。ボールホルダー2は、インキの通り路として貫通する中心孔を有しており、その最先端部分が前記ボール1を抱持するボール抱持室2aとなっている。ボール抱持室2aはかしめ加工によって縮径化された先端開口部2bと内部の内方凸部2cにてボール1の移動し得る範囲を区画しているが、この内方凸部2cには中孔2dとこれに連通した複数の放射状溝2eが開口している。放射状溝2eはその最も外側に位置する部分がボール1と内方凸部2cとが接触する部分よりも外にて開口しており、筆記時に筆圧をうけてボール1が後退して内方凸部2cと接触したときにもボール1によって隠されず、ボール抱持室2a内にインキを供給する部分となっている。
【0007】図1のI部拡大図である図2にも示す通り、ボール抱持室2aの比較的先端開口部に近い内壁部分、即ち、ボール1を最後退させた状態で、ボール1先端からボール径の3/5よりも先端側に周状の凹部3が形成されている。この凹部3は、前述のかしめ加工を施す前を示す図2相当図である図3に示すように、ボール抱持室2aの開口部に大径部3aを形成しておき、ボール1を配置し、かしめ加工にて大径部を内側に倒れこませることによって形成している。尚、ボテ防止の効果を考慮すると凹部3はボールの中心位置、即ちボール1の先端から1/2の位置より前に周状の凹部3が配置されていることが望ましい。ここで、かしめ加工により、縮径化された先端開口部2bを形成する工程を示す図4に示す通り、大径部3aは、材料としての肉厚が他部分に比して肉薄となっている部分であり、加工機の圧接体4を材料の周囲を回転(公転)させながら押し付けていくかしめ加工にて積極的に変形を受ける部分となる。よって、ボール抱持室2aの他の部分を前記かしめ加工機の圧接体に付与される押圧力にて極力変形させないことができ、ボール抱持室2aの寸法管理を容易にならしめるものである。
【0008】また、ボール抱持室2aの内壁には、前述の放射状溝2eと連通して、前記周状の凹部3に達する複数のインキ流通溝5が形成されている。各隣り合ったインキ流通溝5の間はボール抱持室2a内に突出した部分となっており、実質的にボール抱持室2aの径方向の範囲であるボールの横移動範囲を制限し、ボール1の横移動を極力抑えた上で、十分なインキ流通路を確保することになる。
【0009】次いで、加工方法の一例を説明する。ボールホルダー2の、ボール抱持室2aとなる部分および中孔2dとなる部分であるインキの通り路として貫通する中心孔は、ドリルや半月エンドミル等の切削刃物にて形成する。先ず、ドリルにて中孔2dとなる貫通孔を形成し、次いで自転によって側面の刃部分により材料を切削する半月エンドミルにてボール抱持室2aとなる部分を形成する。この際、半月エンドミルの刃部分の形状に段を形成して、刃が部分的に自転半径の異なる部分を有することによって、切削形成される材料の形状を小径部分と大径部分とを有するものとすることができ、前述の周状の凹部3となる大径部3aとボール抱持室2aの他部分とを一度の加工で形成することができる。尚、加工刃物の形状等を工夫することによって、前記ドリルにより形成される中孔2dをも一度の工程で形成させることもできる。このように、インキの通り路としての中心孔を極力一度の工程にて形成することは、各部分における同軸性(中心の一致)を得ることになり、インキの流通に偏りが生じ難い。これはボールペンの品質としては筆記する方向によるインキ吐出量の偏りがないものとすることができ好ましい。
【0010】中心孔を形成した材料に放射状溝2e及びインキ流通溝5を形成する。本例のものでは、放射状溝2eとインキ流通溝5がほぼ同じ幅で、一対一に対応し、同位置に形成されているので、剪断加工具によって一度の加工にて形成することができる。図5に示した状態は、剪断加工具6によって、放射状溝2eとインキ流通溝5を一度に形成して、剪断加工具6を抜き取った時点のものである。
【0011】図6に変形例を示す。ボール1を設置する前の状態のボールホルダー2を縦に割った状態を斜視図として示してある。インキ流通溝5の形状を工夫したもので、放射状溝2eの幅に対してインキ流通溝5の幅を広くしたもので、大量のインキを吐出させることを狙ったものと言える。即ち、図示はしないが、前述の剪断加工具において、放射状溝を形成する部分とインキ流通溝を形成する部分との幅を異ならせるだけで放射状溝2eとインキ流通溝5との間に段部が形成された形状を簡単に得ることができる。この際、前記刃部分の段形状を鈍角に傾斜したものとせずに直角以下の鋭角状に結ばれるようにすることによって、インキ流通溝5を材料に塑性変形を極力付与せずに剪断力によって形成することができ、加工の力が不用意な部分にまで及ぼされることを極力抑制することができる。但し、目的とする形状によっては多少の塑性変形が付与されることを妨げるものではなく、放射状溝2eからインキ流通溝5にかけての全体を次第に幅が拡大する傾斜状のものとすることなどもできる。尚、剪断加工具の放射状溝2eを形成する部分とインキ流通溝5を形成する部分の数を異ならせるなどして、放射状溝2eとインキ流通溝5の全てが連通していないものとすることもできるし、複数の放射状溝が一つのインキ流通溝に連通するようになすなど適宜である。
【0012】次にボール1を設置して、主に大径部3aの外側部分に塑性変形によるかしめ加工を施し、縮径された先端開口部2bを形成し、ボール1の抜け止めをする。前述の通り、予め大径に形成された大径部3aによって凹部3が形成される。かしめ加工の前工程でも後工程でも良いが、必要があればボール1を先端側からハンマーリングする事によって、内方凸部2cのボール1と接触する面にボール1と略同一の曲率の面を形成しても良く、インキの種類によってはインキ膜を積極的に形成することでインキの潤滑性が期待でき、筆記感触の滑らかさを得ることが出来る。
【0013】以上の他にも本発明の要旨を逸脱しない限りで種々なせるものである。一例を挙げると、使用するインキなどによっては、ボール抱持室2aの内部のインキが乾燥したり、ボール1の重みだけでは完全に栓されずにペン先を下向きにした状態でインキが洩れることがあるので、コイルスプリングなど弾撥部材によってボール1をボールホルダー2の先端開口部2b内縁に押し付けるようになすものとすることもできるし、その際に、予めかしめ加工時に先端開口部2b内縁にボール1を押し付けて該部にボールの曲率を転写すると、ボール1と先端開口部2b内縁との密着性が得られ好ましい。また、特に説明はしなかったが、内方凸部2cの後側には、インキタンクと直接接続される後孔7が形成されており、前記放射状溝2eを中孔4の後側の後孔7にまで連通したものとすることもできる。
【0014】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に係るボールペンチップは、筆記に際して瑞々しいインキ吐出と滑らかな筆記感を損なうことなく、筆跡ボテを極力抑制し得るものである。




 

 


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