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発明の名称 筆記具
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2002−127673(P2002−127673A)
公開日 平成14年5月8日(2002.5.8)
出願番号 特願2000−323786(P2000−323786)
出願日 平成12年10月24日(2000.10.24)
代理人
発明者 外山 武志
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 インキを貯蔵するインキ室と、先端部に設けられたペン体と、前記インキ室と前記ペン体を連絡するインキ通路とからなる筆記具において、前記インキ室のペン先側先端部及び/又は前記インキ通路内に、気体を封入した衝撃吸収体を配置したことを特徴とする筆記具。
【請求項2】 前記衝撃吸収体が、弾性中空体であることを特徴とする請求項1に記載の筆記具。
【請求項3】 前記弾性中空体が、独立気泡発泡体であることを特徴とする請求項2に記載の筆記具。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インキ組成物や修正液組成物、化粧料組成物等を収容するマーキングペンやサインペン、ボールペンなどの筆記具や塗布具など、インキを貯蔵するインキ室と、先端部に設けられたペン体と、前記インキ室と前記ペン体を連絡するインキ通路とからなる筆記具に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、比較的高粘度のインキを用いた筆記具のインキ室としては、油性ボールペンに見られるような、ペン先に直接取り付けた管構造のものが知られている。このようなものは、部品点数が少なく組立ても容易で、外部からインキの消費量を容易に視認できる、という利点を有しているので、近年低粘度のインキ、化粧料、修正液等を吐出する筆記具の構造として採用する例が増えている。そのインキ導出機構は、ペン先からインキが紙面に吐出した際に生じるインキの負圧によってインキ室内のインキがペン先側に吸引されて移動し、連続したインキの吐出が実現されるというものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】油性ボールペンインキのようにインキの粘度範囲が数千〜数万cpsである比較的高粘度インキの場合は、誤って床等の上に落下した際でも、インキ室である管の内壁面とインキとの摩擦抵抗が大きいために、落下時の衝撃がペン先まで伝搬する間に減衰し、筆記具のペン先を固定しているペン先保持部材が脱落したり、ボールペンの場合には先端のボールが脱落するといった不具合が発生することはまれであった。
【0004】しかし粘度範囲が数〜数千cpsである比較的低粘度の、インキ、修正液、化粧料等の場合、インキとインキタンク内面の摩擦が小さい為に落下の際のインキ重量が水撃として作用し、ペン先保持部が外れたり、ボールペンの場合にはボールが外れたりする、という不具合を呈していた。尚、水撃(ウォーターハンマー)とは、配管中を流れている流体を弁等で短時間で止めたときに流体の慣性により配管内に圧力上昇が生じる現象であり、生インキ式筆記具を落下した際に内部に加わる衝撃を意味している。本発明は筆記具の落下等による内容液体の水撃に伴う構成部品の破壊を緩和、防止することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、インキを貯蔵するインキ室と、先端部に設けられたペン体と、前記インキ室と前記ペン体を連絡するインキ通路とからなる筆記具において、前記インキ室のペン先側先端部及び/又は前記インキ通路内に、気体を封入した衝撃吸収体を配置したことを特徴とする筆記具を要旨とする。
【0006】衝撃吸収体は、液体に衝撃が加わって液体を圧縮する圧力が加わった際にその圧力を吸収する機構又は部材であれば良く、内部に空気を封入したシリンダとピストンを組み合わせた機械的ダンパー構造や、内容液と相溶性がなく弾性変形する材料の内部に空気を閉じこめた弾性中空体等が選択できる。機械的ダンパー構造を構成する部品としては、熱可塑性樹脂成型品や、金属材料又は合成樹脂材料を切削加工や塑性加工して形成したピストンやシリンダを用いることができる。弾性中空体を構成する弾性変形する材料としてはポリウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂、シリコ−ン樹脂、合成ゴム等が使用できる。
【0007】弾性中空体の中空部の総容積は10mm3以上のものが好適である。容積が10mm3以下では、衝撃を受けた際の収縮量が小さいために自身が収縮することによる内容物の水撃波を吸収する能力が弱く、ペン先を固定する部材の脱落やボールペンチップのボール外れ等の防止に役立たない可能性がある。
【0008】弾性中空体を得るには、例えば、熱可塑性樹脂のフィルムを、半球状の型の内面に減圧による吸引にて密着させた金型2個を一対とし、合わさって全球になるように固定した状態で、フィルムの接合部分を、超音波溶着、熱溶着等で融着した後、バリ等の球体以外の部分を打ち抜き等で除去することで得られる。
【0009】弾性中空体として、独立気泡発泡体を使用する場合は独立気泡の容積は5×10-4mm3以上のものが好適である。5×10-4mm3以下の材料では衝撃を受けた際の収縮応答性が低いために自身が収縮することで内容物の水撃波を収集する能力が弱く、ペン先を固定する部材の脱落やボールペンチップのボール外れ等の防止に役立たない可能性がある。
【0010】独立気泡発泡体は、例えば、熱可塑性樹脂と発泡剤を混合した発泡用材料を射出成形金型中で成型と同時に発泡させる方法で得られる。
【0011】
【作用】筆記具が落下して床面等に衝突した際のインキの慣性による水撃はインキタンク内全域で発生するが、衝撃吸収体に伝搬すると、衝撃吸収体が変形して、その内容積が収縮することによって減衰される。衝撃吸収体は内部に空気を封入して変形可能な部材で構成されているため、外部の圧力変化に応答して自身が収縮し、水撃エネルギーを減衰させる。衝撃吸収体の衝撃発生に対する応答速度は衝撃吸収体に含まれる空気を保持する構造によって左右されるが、空気を取り囲む部材の弾性的強度(変形し易さ)、インキとの接触面積、空気の体積、等によってその性能が決められる。
【0012】
【実施例】以下図面に基づき一例について説明する。図1は繊維収束体製のペン先を用いた筆記具の一例である。軸筒1の先端小径部には、ペン先保持部材2が固定され、その内孔にペン先3が固定されている。軸筒1は、前記ペン先保持部材2が接続される小径部とそれよりも後方の大径部とからなっており、その大径部はインキ4を収容するインキ室5となっている。このインキ室5の先端部分である小径部内孔に、シリンダ6aとピストン6bとからなる衝撃吸収体6が配置されている。シリンダ6aは、合成樹脂製の有底円筒であり、底部をペン先側にした状態で圧入固定している。ピストン6bは、前記シリンダ6aの内孔部に配置され、合成樹脂製の円柱状部材であり、外壁をシリンダ6aの内壁に液密・気密となるように、前後摺動可能に遊嵌してある。軸筒1の後端には通気孔7aを有する尾栓7が圧入してあり、前記インキ4の界面には、この界面と接触して逆流防止体組成物8及び逆流防止体組成物8に浸漬したフロート9が配置されている。また、軸筒1の先端には、ペン先3を機械的に保護するキャップ10が軸筒1に対して着脱自在に嵌合可能となしてあり、ペン先からのインキの蒸発を防ぐためにキャップ10と軸筒1とは、キャップ10の内壁に形成した周状の空気密閉部10aにてキャップ内空間を外気と遮断し得る。
【0013】シリンダ6aの外表面には、底部外表面にて放射状に交差するインキ流通溝11を形成してペン先へのインキ流通路としている。また、シリンダ6a内部に配置されたピストン6bが摺動する面にはピストン6bを液密・気密を維持しながら円滑に摺動させるためにシリコングリス(図示せず)を塗布してある。
【0014】このような筆記具をペン先側から落下させた際など、インキ4に衝撃が付与されると、インキの慣性により水撃が生じ圧力上昇を引き起こす。この圧力上昇は圧力波となって軸筒内部を進行するが、ピストン6aに達するとピストン6aがペン先側に移動してシリンダ内部の空気が収縮することで減衰され、ペン先保持部材2およびペン先3の後端部に達するときにはこれらを軸筒1から脱落させない程度の圧力上昇に弱められる。
【0015】図2に他の一例を示す。本例のものでは衝撃吸収部材として、インキ室5とペン先3との間にポリエチレン製の独立気泡発泡体12を配してある。この独立気泡発泡体12及びその取付構造以外は、上述の一例と同様であり、説明を省略する。この独立気泡発泡体12は、一組の固定部材13にて挟持固定される。固定部材13は、中心部にインキ流通孔13aを有し、独立気泡発泡体12側の面に放射状溝13bが形成されており、インキ流通孔13aが塞がれてインキが流通できなくなることを防止している。
【0016】筆記具をペン先から落下させた際などの圧力波の減衰は、独立気泡発泡体に含まれている各独立気泡を収縮させることでなされる。圧力波が独立気泡発泡体の表面に達すると、まず最表面の独立気泡が収縮して圧力を減衰する。圧力波は独立気泡発泡体を構成する壁部材を介して更に内側の独立気泡に伝搬し、次第にその圧力が減衰される。本例の独立気泡発泡体12は熱可塑性樹脂を射出成形金型中で発泡させながら成形できるので寸法精度が良好な単一の部品とすることが可能で、組み付け時の取扱い性が優れているという利点を有している。
【0017】図3に変形例を示す。要部拡大図として衝撃吸収部材の周辺部のみを図示してある。尚、ペン先としては、上述の例とは異なり、所謂ボールペンチップを備えたものとしてある。本例のものでは、衝撃吸収部材として、複数の合成樹脂製弾性体の中空部材14を用いている。中空部材14は、内部に空気を閉じ込めた弾性材料製の筒状容器であり、筒体の前後開口部分を溶着等にて封鎖したものである。このような中空部材14では、最初に圧力波を受ける壁面部材の表面積を大きくすることが出来、更に圧力波に対して連鎖的に収縮してゆく必要が無い為に含まれている全空気容積中衝撃吸収に寄与する割合を高くすることが出来、小型の衝撃吸収部材が得られる。
【0018】図4に更に変形例を示す。上述の中空部材14に該当する部材として、複数の中空粒体15を使用した一例である。略球形とすることによってインキとの接触面積が大きく、圧力波に反応して各粒体に分割された気体が同時に収縮するために圧力波に対して空気が収縮する応答時間が短く、含まれている全空気容積中の衝撃吸収に寄与する割合を高くすることが出来、小型の衝撃吸収部材が得られる。
【0019】
【発明の効果】下記に示すような衝撃吸収部材を作製し、筆記具に組み立てて下記に示す試験を行った。衝撃吸収部材の構成を表1に、試験結果を表2に示す。
【0020】衝撃吸収部材1外部にインキ誘導溝を形成したポリオキシメチレン樹脂製の外形5mm、内径3mmの有底円筒(シリンダ)内面にシリコングリスを塗布した状態で合成樹脂製ピストンを遊嵌する事によって、衝撃吸収部材1を得た。
【0021】衝撃吸収部材2(シリコ−ン樹脂発泡体)
室温硬化型シリコーン樹脂(信越化学工業(株)製、KE1404)と硬化剤を混合して容器に入れ、エアポンプにて空気を吹き込みながらプロペラ攪拌機によって高速攪拌し、表面張力によって球状になった気泡が多数分散した液を得た。この液を硬化させることによって得た独立気泡が分散されたシリコ−ン樹脂を直径10mm、長さ10mmに切り出して衝撃吸収部材2を得た。
【0022】衝撃吸収部材3(ポリエチレン樹脂発泡体)
発泡ポリエチレンシートLH−3(千代田インテグレ(株)製)を直径10mm、長さ10mmに切り出して衝撃吸収部材3を得た。
【0023】衝撃吸収部材4(合成ゴム発泡体)
合成ゴムスポンジN09(千代田インテグレ(株)製)よりなるフォームを直径10mm、長さ10mmに切り出し、衝撃吸収部材4を得た。
【0024】衝撃吸収部材5(シリコンゴム中空体)
外形2mm、内径1.4mmのシリコンゴム管を長さ10mmに切断し両端をシリコンゴム充填材で閉塞し、衝撃吸収部材5を得た。
【0025】衝撃吸収部材6(ポリエチレンフィルム中空体)
厚さ0.2mmの軟質ポリエチレンフィルムを、半球状の型の内面に減圧による吸引にて密着させた金型2個を一対とし、合わさって全球になるように固定した状態で、フィルムの接合部分を、超音波溶着、熱溶着等で融着した後、バリ等の球体以外の部分を打ち抜き等で除去し、内径1.6mm、外径2mmの略球状のポリエチレン中空体の衝撃吸収部材6を得た。
【0026】(1)ペン先部材脱落試験繊維ペン先を取り付けた筆記具で、上述の各衝撃吸収部材の例を組み込み試験サンプルとした。キャップを取り付けた各筆記具を、落下高さを漸次大きくして、ペン先を下向きにコンクリート床上に落下し、ペン先取付部材が軸筒から浮き始める落下高さを記録した。
【0027】(2)ボールペンペン先からのボール脱落試験前記ボールペンチップをペン先として取り付けた筆記具で、上述の各衝撃吸収部材の例を組み込み試験サンプルとした。キャップを取り付けた筆記具を落下高さを漸次大きくして、ペン先を下向きにコンクリート床上に落下し、ボールペンチップに抱持されたボールが脱落する落下高さを記録した。
【0028】筆記具のペン先としては、次の2種を用意した。
ボールペンペン先ぺんてる(株)製 合成樹脂チップボールペンB50のチップ、ボール径:0.8mmチップ材質:ポリオキシメチレン樹脂(商品名:デルリン)
【0029】繊維ペン先ぺんてる(株)製サインペンS520のペン先セット筆記具の軸筒1(内径10mm、肉厚0.8mm、材質:ポリプロピレン)のペン先固定部材嵌合部の内径はφ3.00mm、繊維ペン先セットの嵌合部外形はφ3.01mmのものを使用した。
【0030】各試験に用いたインキの組成は以下の通りである。
ウォーター ブラック #108−L(C.I.DIRECT BLACK19の14%水溶液、オリエント化学工業(株)製) 40.0部ケルザン AR(キサンタンガム、剪断減粘樹脂、三晶(株)製) 0.2部エチレングリコール 10.0部グリセリン 10.0部イオン交換水 39.0部ベンゾトリアゾール 0.5部プロクセル GXL (1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、防腐剤、ICI(株)製) 0.3部上記成分中、ケルザンARと水とをラボミキサーにて30分間攪拌して均一に溶解しケルザン水溶液を調整した。これに残りの各成分を加えて、更に2時間混合攪拌して剪断速度10sec-1の時の粘度60mPa・sの黒色インキを得た。このものの、剪断速度380sec-1の時の粘度は25mPasであった。
【0031】
【表1】

【0032】
【表2】

【0033】以上により本発明によれば、インキ組成物や修正液組成物、化粧料組成物等を収容するマーキングペンやサインペン、ボールペンなどの筆記具や塗布具など、内部に液体を収容し該液体を吐出するペン先を持つ筆記具を落下した際に生ずる水撃作用を衝撃吸収部材の収縮によって減衰し、ペン先を保持する部材やボールペンチップのボール等の脱落を極力抑制できるものである。




 

 


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