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発明の名称 電子内視鏡装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2002−51969(P2002−51969A)
公開日 平成14年2月19日(2002.2.19)
出願番号 特願2000−239924(P2000−239924)
出願日 平成12年8月8日(2000.8.8)
代理人 【識別番号】100098235
【弁理士】
【氏名又は名称】金井 英幸
【テーマコード(参考)】
4C061
【Fターム(参考)】
4C061 AA00 BB01 BB08 CC06 DD00 GG01 HH54 LL02 MM03 NN01 QQ04 RR14 RR18 WW08 WW17 
発明者 宇津井 哲也 / 古澤 宏一
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】被検体を照明する照明光学系と、可視光,及び,生体組織自体からの蛍光を励起する励起光を発するとともに、これら可視光と励起光とを交互に切り換えて繰り返し前記照明光学系へ導く光源装置と、前記被検体表面からの光のうちの励起光以外の成分を収束させて、この被検体表面の像を形成する対物光学系と、前記対物光学系によって形成された被検体表面の像を撮像して画像信号に変換する撮像素子と、前記撮像素子により取得された画像信号のうち、前記照明光学系に可視光が導かれている期間に対応する部分に基づいて動画表示用の通常画像データを生成し、前記照明光学系に励起光が導かれている期間に対応する部分に基づいて動画表示用の蛍光画像データを生成する画像処理部とを備えたことを特徴とする電子内視鏡装置。
【請求項2】前記光源装置は、可視光を発する可視光源部と、励起光を発する励起光源部と、前記可視光源部から発せられた可視光と前記励起光源部から発せられた励起光とを交互に切り換えて繰り返し前記照明光学系へ導く光源切換部とを、有することを特徴とする請求項1記載の電子内視鏡装置。
【請求項3】前記光源切換部は、前記可視光源部から発せられた可視光を遮光可能な第1の遮光板と、前記励起光源部から発せられた励起光を遮光可能な第2の遮光板と、前記第1の遮光板により可視光を遮光しているときには、前記第2の遮光板を励起光の光路から退避させ、前記第2の遮光板により励起光を遮光しているときには、前記第1の遮光板を可視光の光路から退避させる切換駆動機構とを、有することを特徴とする請求項2記載の電子内視鏡装置。
【請求項4】前記可視光源部及び励起光源部は、これら各光源部から発せられた光が所定の交差位置において互いに交差するように、夫々配置され、前記照明光学系は、これら各光源部の一方から発せられた光の光路上における前記交差位置以降の位置に配置され、前記光源切換部は、前記交差位置に挿入されて前記各光源部のうちの一方から発せられた光を遮断するとともに、他方から発せられた光を反射して前記照明光学系へ導くことができる反射部材と、該反射部材を前記交差位置に対して繰り返し挿入又は退避させる切換駆動機構とを、有することを特徴とする請求項2記載の電子内視鏡装置。
【請求項5】前記光源切換部における反射部材は、円板の周縁部近傍が一部切り欠かれた形状の光路切換ホイールであり、前記切換駆動機構は、前記光路切換ホイールの周縁部近傍における切り欠かれた形状の部分と切り欠かれていない形状の部分とが、交互に、前記交差位置に挿入されるように、当該光路切換ホイールを回転させることを特徴とする請求項4記載の電子内視鏡装置。
【請求項6】前記光源切換部における反射部材は、前記各光源部の一方から発せられた光を透過させる透明部分,及び,これら各光源部の他方から発せられた光を反射させる反射部分によりなる円板状の光路切換ホイールであり、前記切換駆動機構は、前記光路切換ホイールの透明部分と反射部分とが、交互に、前記交差位置に挿入されるように、当該光路切換ホイールを回転させることを特徴とする請求項4記載の電子内視鏡装置。
【請求項7】前記画像処理部は、前記蛍光画像データのうちの輝度値が所定範囲内である特定領域を抽出して、この特定領域を示す診断用画像データを生成することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の電子内視鏡装置。
【請求項8】前記画像処理部は、前記蛍光画像データのうちの輝度値が所定範囲内である特定領域を抽出し、前記通常画像データにおける前記特定領域に相当する部分を所定の色で示してなる診断用画像データを生成することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の電子内視鏡装置。
【請求項9】前記画像処理部は、前記通常画像データから参照画像データを抽出し、この参照画像データのうちの輝度値が所定の第1閾値以上の領域を、所定領域として抽出し、前記蛍光画像データにおける前記所定領域に対応する領域のうち、輝度値が前記第1閾値より大きい所定の第2閾値未満の領域を、特定領域として抽出し、前記通常画像データにおける前記特定領域に相当する部分を所定の色で示してなる診断用画像データを生成することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の電子内視鏡装置。
【請求項10】前記参照画像データは、モノクロ画像データであることを特徴とする請求項9記載の電子内視鏡装置。
【請求項11】前記光源装置の可視光源部は、白色光を射出する白色光源部であり、この光源装置は、円板状に形成されるとともに、青色光のみを透過させるBフィルタ,緑色光のみを透過させるGフィルタ,赤色光のみを透過させるRフィルタ,及び,少なくとも励起光を透過させる透明部材が、その周方向に沿って夫々配列されたホイールと、前記光源切換部から白色光が射出されている期間中には、前記ホイールの各フィルタが、順次、前記光源切換部及び前記照明光学系間の光路中に挿入されるとともに、前記光源切換部から励起光が射出されている期間中には、前記ホイールの透明部材が、前記光源切換部及び前記照明光学系間の光路中に挿入されるように、当該ホイールを回転させる回転駆動部を、さらに有することを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の電子内視鏡装置。
【請求項12】前記画像処理部は、前記ホイールのBフィルタが光路中に挿入されている際に、前記撮像素子から得られる画像信号,前記ホイールのGフィルタが光路中に挿入されている際に、前記撮像素子から得られる画像信号,及び,前記ホイールのRフィルタが光路中に挿入されている際に、前記撮像素子から得られる画像信号に基づき、カラー動画表示用の通常画像データを生成することを特徴とする請求項11記載の電子内視鏡装置。
【請求項13】前記画像処理部は、前記ホイールのRフィルタが光路中に挿入されている際に、前記撮像素子から得られる画像信号に基づき、参照画像データを生成し、この参照画像データのうちの輝度値が所定の第1閾値以上の領域を、所定領域として抽出し、前記蛍光画像データにおける前記所定領域に対応する領域のうち、輝度値が前記第1閾値より大きい所定の第2閾値未満の領域を、特定領域として抽出し、前記カラー動画表示用の通常画像データにおける前記特定領域に相当する部分を所定の色で示してなる診断用画像データを生成することを特徴とする請求項12記載の電子内視鏡装置。
【請求項14】前記画像処理部から出力された画像データを動画表示するモニタを、さらに備えたことを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の電子内視鏡装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、生体から発せられる自家蛍光に基づいて体腔内を撮像して、生体が正常であるか異常であるかの診断に供される画像データを取得する電子内視鏡装置に、関する。
【0002】
【従来の技術】従来、体腔その他の生体内部を観察するための電子内視鏡装置が知られている。この電子内視鏡装置は、生体を照明する照明光学系,被写体としての生体の像を形成する対物光学系,形成された像を撮像する撮像素子を、備えている。そして、照明光学系が生体に対して可視光を照射した状態で、対物光学系は、この生体表面により反射された光を撮像素子の撮像面近傍に結像させる。すると、撮像素子からは、生体表面の画像(通常画像)を示す画像信号が出力されるのである。そして、この通常画像はモニタに動画として表示される。
【0003】このため、術者は、モニタに表示された通常画像を見ることにより、生体内部を観察することができる。仮に、生体に形態上の異状が生じていれば、術者は、この通常画像により、当該異状を発見することができる。しかし、形態上の変化が僅かであると、たとえ、生体組織に異状が生じていたとしても、術者は、この通常画像からその異状を発見することは困難である。
【0004】そこで、所定条件下の生体組織から発せられる蛍光(自家蛍光)を利用して生体組織に生じた異状を検出する蛍光診断用の電子内視鏡装置が、開発されてきている。この自家蛍光とは、励起光の照射下で、生体組織自体から発せられるものである。なお、この自家蛍光の緑光領域の強度は生体の異常部位(腫瘍,癌)の方が正常部位よりも低いことが知られている。
【0005】この蛍光診断用の電子内視鏡装置は、可視光と励起光とを発するとともに、そのうちのいずれかを照明光学系へ導く光源装置を、備えている。そして、この光源装置は、通常の状態において可視光を発しているが、術者が外部スイッチ等を押下した時には可視光の代わりに励起光を発する。この励起光が生体に照射されると、この生体からは自家蛍光が発せられる。すると、対物光学系が、この自家蛍光による生体の像を結ぶので、撮像素子からは、蛍光画像を示す画像信号が取得される。
【0006】このため、この電子内視鏡装置は、通常の状態において、被検体の通常画像を動画として取得するとともに、外部スイッチが押下された時には、被検体の蛍光画像を静止画として取得することができる。従って、術者は、動画として表示される通常画像,及び,静止画として表示される蛍光画像を観察することができる。
【0007】このような電子内視鏡装置を利用して、術者は、まず、動画として表示される通常画像を見ながら、生体内部を観察してゆく。そして、術者は、腫瘍や異状の疑いのある箇所を見つけた場合に、外部スイッチを押下して、蛍光画像を静止画として取得する。取得された蛍光画像中において、病変の生じた組織は、正常な組織に比べて暗くなっているので、術者は、この病変部分を発見することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このような電子内視鏡装置では、通常画像は動画として表示されるものの、蛍光画像は静止画としてのみ表示される。このため、術者は、通常動画を観察しつつ、電子内視鏡装置の撮像範囲を移動させてゆくことにより、生体内部を広範囲に亘って通常観察することができる。一方、蛍光画像は動画として表示されないので、術者は、通常観察により病変の疑いのある箇所を見つけた後に、当該箇所に対して静止画による蛍光観察を行っている。このため、通常観察で見落とされてしまった箇所に対しては、蛍光観察が行われない。
【0009】そこで、通常画像を動画として取得するだけでなく、蛍光画像を動画として取得し、生体内部の広範囲に亘って通常観察及び蛍光観察可能な電子内視鏡装置を提供することを、本発明の課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解決するために、以下の構成を採用した。
【0011】即ち、被検体を照明する照明光学系と、可視光,及び,生体組織自体からの蛍光を励起する励起光を発するとともに、これら可視光と励起光とを交互に切り換えて繰り返し前記照明光学系へ導く光源装置と、前記被検体表面からの光のうちの励起光以外の成分を収束させて、この被検体表面の像を形成する対物光学系と、前記対物光学系によって形成された被検体表面の像を撮像して画像信号に変換する撮像素子と、前記撮像素子により取得された画像信号のうち、前記照明光学系に可視光が導かれている期間に対応する部分に基づいて動画表示用の通常画像データを生成し、前記照明光学系に励起光が導かれている期間に対応する部分に基づいて動画表示用の蛍光画像データを生成する画像処理部とを、備えたことを特徴とする。
【0012】このように構成されると、光源装置から可視光が発せられているときには、被検体は、この可視光により照明される。この可視光は、被検体表面で反射されて、対物光学系により収束されることにより、被検体の可視光による像を形成する。この可視光による像は、撮像素子により画像信号として取得され、画像処理部は、この画像信号に基づいて動画表示用の通常画像データを生成する。一方、光源装置から励起光が発せられているときには、被検体は、この励起光により照明される。すると、生体は、この励起光により照明されることにより、自家蛍光を発する。この自家蛍光,及び被検体表面において反射された励起光は、対物光学系へ入射する。この対物光学系は、励起光を遮断するとともに、自家蛍光を収束させることにより、被検体の自家蛍光による像を形成する。この自家蛍光による像は、撮像素子により画像信号として取得され、画像処理部は、この画像信号に基づいて動画表示用の蛍光画像データを生成する。これら通常画像データ及び蛍光画像データは、夫々、モニタ上に動画として表示されてもよい。
【0013】また、前記光源装置は、可視光を発する可視光源部と、励起光を発する励起光源部と、前記可視光源部から発せられた可視光と前記励起光源部から発せられた励起光とを交互に切り換えて繰り返し前記照明光学系へ導く光源切換部とを、有していてもよい。この光源切換部が、所定のタイミングで可視光と励起光とを切り換えることにより、通常画像と蛍光画像とがともに動画として得られる。
【0014】この光源切換部は、可視光及び励起光を個別に遮光可能な一対の遮光板を利用した構成により、実現することができる。また、可視光及び励起光の位置に挿入される回転ホイールにより実現することができる。この回転ホイールは、その一部分において、可視光又は励起光のうちの一方のみを照明光学系へ導き、その他の部分において、可視光又は励起光のうちの他方のみを照明光学系へ導く。そして、この回転ホイールが回転すると、可視光と励起光とが、順次、繰り返して照明光学系へ入射する。
【0015】また、前記画像処理部は、前記蛍光画像データのうちの輝度値が所定範囲内である特定領域を抽出して、この特定領域を示す診断用画像データを生成してもよい。さらに、この診断用画像データは、その特定領域に相当する部分が所定の色で示されるように、生成されてもよい。この場合には、術者は、モニタに表示された診断用画像データにおいて所定の色で示された特定領域を、容易かつ正確に認識することができる。なお、この特定領域は、境界となる輝度値を含む閉集合であってもよく、境界となる輝度値を含まない開集合であってもよい。
【0016】さらに、前記光源装置の可視光源部は、白色光を射出する白色光源部であり、この光源装置は、円板状に形成されるとともに、青色光のみを透過させるBフィルタ,緑色光のみを透過させるGフィルタ,赤色光のみを透過させるRフィルタ,及び,少なくとも励起光を透過させる透明部材が、その周方向に沿って夫々配列されたホイールと、前記光源切換部から白色光が射出されている期間中には、前記ホイールの各フィルタが、順次、前記光源切換部及び前記照明光学系間の光路中に挿入されるとともに、前記光源切換部から励起光が射出されている期間中には、前記ホイールの透明部材が、前記光源切換部及び前記照明光学系間の光路中に挿入されるように、当該ホイールを回転させる回転駆動部を、さらに有していてもよい。
【0017】このように構成されると、この光源装置からは、単一のホイールが回転することにより、青色光,緑色光,赤色光,及び励起光が、順に、繰り返し射出される。このため、簡単な構成により、カラー通常画像及び蛍光画像を取得するための照明光が得られる。
【0018】さらに、前記画像処理部は、前記ホイールのRフィルタが光路中に挿入されている際に、前記撮像素子から得られる画像信号に基づき、参照画像データを生成し、この参照画像データのうちの輝度値が所定の第1閾値以上の領域を、所定領域として抽出し、前記蛍光画像データにおける前記所定領域に対応する領域のうち、輝度値が前記第1閾値より大きい所定の第2閾値未満の領域を、特定領域として抽出し、前記カラー動画表示用の通常画像データにおける前記特定領域に相当する部分を所定の色で示してなる診断用画像データを生成してもよい。
【0019】このように構成されると、生体組織や血液等による影響の少ない赤色光を、参照光として利用することができる。また、カラー通常画像データ用の信号から参照画像データを抽出しているので、ホイールにおける透明部材の領域を広くとることができる。このため、撮像素子における自家蛍光による電荷の蓄積時間を長くすることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0021】<第1実施形態>図1は、本実施形態による電子内視鏡装置の概略構成図である。この図1に示されるように、電子内視鏡装置は、電子内視鏡1,光源装置2,ビデオプロセッサ3,パーソナルコンピュータ(PC)4,及びモニタ5を、備えている。なお、ビデオプロセッサ3及びPC4は、画像処理部に相当する。
【0022】まず、電子内視鏡(以下、内視鏡と略記)1について説明する。この内視鏡1は、生体内に挿入される可撓管状の挿入部を、有している。但し、図1には、この内視鏡1の詳細な形状は、図示されていない。この挿入部の先端には湾曲部が連結されており、この湾曲部の先端には、硬質部材製の先端部が固定されている。また、挿入部の基端には操作部が連結されている。この操作部には、湾曲部を湾曲操作するためのダイヤル及び各種操作スイッチが、設けられている。
【0023】この内視鏡1の先端部には、少なくとも2つの貫通孔が穿たれており、これら2つの貫通孔は、配光レンズ11及び対物レンズ12が夫々填め込まれることにより、封止されている。さらに、内視鏡1は、ライトガイド13を、有している。このライトガイド13は、マルチモード光ファイバが多数束ねられてなるファイババンドルである。そして、このライトガイド13は、その先端面を配光レンズ11に対向させるとともに、当該内視鏡1内を引き通され、基端側において光源装置2と接続されている。なお、これら配光レンズ11及びライトガイド13は、照明光学系に相当する。
【0024】さらに、内視鏡1は、励起光カットフィルタ14,及び撮像素子15を、有している。この撮像素子15は、例えば、CCDにより構成されている。そして、この撮像素子15における撮像面は、内視鏡1の先端部が被検体に対向配置された状態において、対物レンズ12が当該被検体像を結ぶ位置に、配置されている。励起光カットフィルタ14は、後述する励起光を遮断するフィルタである。この励起光カットフィルタ14は、対物レンズ12から撮像素子15に至る光路中に挿入配置されている。なお、これら対物レンズ12及び励起光カットフィルタ14は、対物光学系に相当する。
【0025】次に、光源装置2について説明する。この光源装置2は、白色光を射出する白色光源部21,及び,励起光を射出する励起光源部22を、有する。なお、励起光とは、紫外光やその他の波長帯域の光であり、生体組織の自家蛍光を励起させるためのものである。
【0026】白色光源部21は、白色光を発するランプと、このランプから発せられた白色光を集光して平行光として射出するリフレクタを有する。さらに、この白色光源部21は、赤外カットフィルタ21aを有する。この赤外カットフィルタ21aは、リフレクタにより反射された白色光中の赤外帯域の成分を遮断するとともに可視帯域の成分を透過させる。
【0027】この赤外カットフィルタ21aを透過した白色光の光路上には、順に、第1の遮光板23,プリズム24,絞り25,集光レンズ26,及び回転ホイール27が、配置されている。
【0028】第1の遮光板23は、第1の遮光板駆動部23aに連結されている。この遮光板駆動部23aは、ソレノイド等によりなり、遮光板23を、赤外カットフィルタ21aを透過した白色光を遮断する遮断位置,又は,この白色光の光路から退避した退避位置へ、移動させることができる。
【0029】この遮光板23が退避位置にある場合に、赤外カットフィルタ21aを透過した白色光は、さらに、プリズム24を透過して絞り25へ向う。この絞り25は、絞り調節部25aに連結されている。この絞り調節部25aは、絞り25の絞り量を変化させることができる。この絞り25により光量調節された光は、集光レンズ26へ向う。この集光レンズ26は、入射した平行光を集光して、ライトガイド13の基端面に収束させる。
【0030】これら集光レンズ26及びライトガイド13間の光路中には、ホイール27が挿入されている。このホイール27は、モータ27aに連結されており、このモータ27aに駆動されて回転する。なお、このホイール27の構成については、後述する。
【0031】一方、励起光源部22は、励起光として利用可能な特定波長を含んだ所定帯域の光を発するランプと、このランプから発せられた光を集光して平行光として射出するリフレクタを有する。さらに、この励起光源部22は、励起光フィルタ22aを有する。この励起光フィルタ22aは、当該励起光源部22のリフレクタにより反射された光のうちの励起光として利用可能な特定波長の成分のみを、透過させる。
【0032】この励起光22aを透過した励起光の光路上には、第2の遮光板28が配置されている。この第2の遮光板28は、第2の遮光板駆動部28aに連結されている。この遮光板駆動部28aは、ソレノイド等によりなり、遮光板28を、励起光フィルタ22aを透過した励起光を遮断する遮断位置,又は,この励起光の光路から退避した退避位置へ、移動させることができる。
【0033】この遮光板28が退避位置にある場合に、励起光フィルタ22aを透過した励起光は、プリズム24により反射されて絞り25へ向う。そして、この絞り25へ向った励起光は、上記の白色光と同様に、当該絞り25により光量調節されて、集光レンズ26によりライトガイド13の基端面に収束される。なお、プリズム24及び各遮光板23,28は、光源切換部に相当する。
【0034】さらに、光源装置2は、PC4に接続された光源制御部29を有している。この光源制御部29は、各遮光板駆動部23a,28a,絞り調節機構25a,及びモータ27aに、夫々接続されている。そして、この光源制御部29は、各遮光板駆動部23a,28aを制御して、両遮光板23,28のいずれか一方を遮光位置へ移動させるとともに、他方を退避位置へ移動させる。さらに、光源制御部29は、絞り調節部25aを制御して、絞り25の絞り量を調節することにより、光量調節を行うことができる。
【0035】また、光源制御部29は、モータ27aを制御することにより、略円板状の外形を有するホイール27を等速回転させる。図2は、このホイール27の構成を示す概略図である。このホイール27には、4つの開口が形成されている。これら各開口は、ホイール27の外周円よりもやや小さい第1の同心円の円弧,及びこの同心円よりもさらに小さい第2の同心円の円弧,並びに,この第1の同心円の一対の半径により区切られた形状を、有している。なお、各開口は、互いに、その周方向に沿った長さが異なっているため、その大きさが異なっている。即ち、図2における左側の開口が最も大きく、図2の時計廻り順に小さくなっている。
【0036】そして、これら各開口には、大きいものから順に、透明部材270,Bフィルタ271,Gフィルタ272,及びRフィルタ273が、夫々填め込まれている。Bフィルタ271は、青色帯域の光のみを透過させるフィルタであり、Gフィルタ272は、緑色帯域の光のみを透過させるフィルタであり、Rフィルタ273は、赤色帯域の光のみを透過させるフィルタである。なお、透明部材270は、少なくとも励起光を透過させる光学部材によりなる。
【0037】このホイール27は、モータ27aに駆動されることにより、その中心軸を中心として回転する。なお、このホイール27は、回転した状態において、その各フィルタ271,272,273,及び透明部材270が、集光レンズ26から射出された光の光路中に順次挿入されるように、配置されている。
【0038】そして、光源制御部29は、PC4から入力される同期信号に従い、モータ27aを制御してホイール27を等速回転させるとともに、各遮光板駆動部23a,28aを制御して、各遮光版23,28を移動させる。即ち、光源制御部29は、ホイール27の各フィルタ271,272,273が光路中に挿入されている時には、第1の遮光板23を退避位置へ移動させるとともに第2の遮光板28を遮光位置へ移動させ、透明部材270が光路中に挿入されている時には、第1の遮光板23を遮光位置へ移動させるとともに第2の遮光板28を退避位置へ移動させるように、各遮光板駆動部23a,28aを制御する。これら光源制御部29及び各遮光板駆動部23a,28aは、切換駆動機構に相当する。
【0039】このように制御されると、ホイール27の各フィルタ271,272,273が光路中に挿入されている時には、白色光のみがプリズム24以降の光路を進む。即ち、平行光としてプリズム24を透過した白色光は、絞り25により光量調節され、集光レンズ26により集光されてホイール27に達する。そして、このホイール27に達した白色光は、各フィルタ271,272,273により、順次、青色光(B光),緑色光(G光),赤色光(R光)に変換されて、ライトガイド13の基端面に収束される。
【0040】また、透明部材270が光路中に挿入されている時には、励起光のみがプリズム24以降の光路を進む。即ち、平行光としてプリズム24に反射された励起光は、絞り25により光量調節され、集光レンズ26により集光されてホイール27に達する。そして、このホイール27に達した励起光は、透明部材270を透過して、ライトガイド13の基端面に収束される。
【0041】従って、ライトガイド13には、その基端面から、B光,G光,R光,及び励起光が、この順で繰り返し入射する。入射したこれらの光は、ライトガイド13に導かれてその先端面から射出され、配光レンズ11により拡散される。即ち、配光レンズ11からは、B光,G光,R光,及び励起光が、順次射出されることになる。
【0042】このため、内視鏡1先端に対向配置された被検体は、配光レンズ11から射出されたB光,G光,R光,及び励起光により、順次照射される。B光,G光,及びR光の照射時には、これら各B光,G光,及びR光は、順次、被検体により反射されて、対物レンズ12に入射する。この対物レンズ12に入射したB光,G光,及びR光は、順次、励起光カットフィルタ14を透過し、撮像素子15の撮像面上に結像して被検体像を形成する。この撮像素子15は、形成された被検体像を画像信号に変換して、信号線15aを介してビデオプロセッサ3へ送信する。
【0043】一方、励起光の照射時には、この励起光により照射された生体からは、自家蛍光が発せられる。従って、この自家蛍光,及び生体表面で反射された励起光が、対物レンズ12に入射する。そして、励起光カットフィルタ14は、この対物レンズ12に入射した自家蛍光及び励起光のうち、自家蛍光のみを透過させる。透過した自家蛍光は、撮像素子15の撮像面上に結像して被検体像を形成する。この撮像素子15は、形成された被検体像を画像信号に変換して、信号線15aを介してビデオプロセッサ3へ送信する。
【0044】なお、図2に示されるように、ホイール27における透明部材270,及び各フィルタ271,272,273のうち、透明部材270は、ホイール27の周方向における半周に近い領域を占めている。このため、順次、繰り返して射出されるB光,G光,R光,及び励起光のうち、励起光が、最も長時間射出される。これは、生体の自家蛍光が微弱であるため、撮像素子15が、この自家蛍光により生じる電荷を長時間蓄積できるように、設計されたものである。
【0045】一方、ホイール27の周方向における透明部材270以外の部分が、各フィルタ271,272,273に、割り当てられている。なお、ホイール27の周方向の長さが長いものから順に、Bフィルタ271,Gフィルタ272,Rフィルタ273になっている。これは、撮像素子15の感度がRGBの順で次第に低くなってゆくので、この撮像素子15における電荷蓄積時間が、長いものから順にB光,G光,R光となるように、設計されたものである。
【0046】図3は、各照明光及び各遮光板23,28のタイミングチャートである。この図3では、図示の都合上、各照射時間が等しくとられているが、実際には、照射時間の長いものから順に、励起光,B光,G光,R光になっている。
【0047】この図3において、まず、第1の遮光板23が退避位置(図3のチャートの上側)へ移動するとともに、第2の遮光板28が遮光位置(図3のチャートの下側)へ移動した状態で、内視鏡1の配光レンズ11からB光が射出される。このB光射出期間は、撮像素子15における「B露光」期間に対応している。この「B露光」期間終了直後、撮像素子15に蓄積された電荷は、一定の転送時間をかけて転送される。この転送期間が「B転送」期間である。
【0048】この「B転送」期間終了直後、配光レンズ11からG光が射出される。このG光射出期間は、撮像素子15における「G露光」期間に対応している。この「G露光」期間終了直後、撮像素子15に蓄積された電荷は、上記転送時間をかけて転送される。この転送期間が「G転送」期間である。
【0049】この「G転送」期間終了直後、配光レンズ11からR光が射出される。このR光射出期間は、撮像素子15における「R露光」期間に対応している。この「R露光」期間終了直後、撮像素子15に蓄積された電荷は、上記転送時間をかけて転送される。この転送期間が「R転送」期間である。なお、この「R露光」期間終了と同時に、第1の遮光板23が遮光位置(図3のチャートの下側)へ移動するとともに、第2の遮光板28が退避位置(図3のチャートの上側)へ移動してゆく。そして、これら各遮光板23,28の移動は、「R転送」期間中に完了する。
【0050】この「R転送」期間終了直後、配光レンズ11から励起光が射出される。この励起光が照射されることにより、被検体としての生体は、自家蛍光を発する。この自家蛍光による像は、撮像素子15により撮像される。この励起光射出期間は、撮像素子15における「F露光」期間に対応している。この「F露光」期間終了直後、撮像素子15に蓄積された電荷は、上記転送時間をかけて転送される。この転送期間が「F転送」期間である。
【0051】なお、この「F露光」期間終了と同時に、第1の遮光板23が退避位置(図3のチャートの上側)へ移動するとともに、第2の遮光板28が遮光位置(図3のチャートの下側)へ移動してゆく。そして、これら各遮光板23,28の移動は、「F転送」期間中に完了する。以降、同様に、上記の「B露光」期間が開始される。
【0052】次に、ビデオプロセッサ3について説明する。図1に示されるように、このビデオプロセッサ3は、信号線15aに接続されたアンプ31,及びこのアンプ31に接続されたA/Dコンバータ32を、有している。そして、信号線15aを介して送信された画像信号は、アンプ31により増幅され、A/Dコンバータ32によりデジタル信号に変換される。
【0053】さらに、ビデオプロセッサ3は、Rメモリ33R,Gメモリ33G,Bメモリ33B,及びFメモリ33F,並びに,スキャンコンバータ34を、有している。これら各メモリ33R,33G,33B,33Fは、夫々、その入力端子がA/Dコンバータ32に接続されているとともに、その出力端子がスキャンコンバータ34に接続されている。
【0054】また、ビデオプロセッサ3は、マイクロコンピュータ(MIC)35を有している。このMIC35は、アンプ31,各メモリ33R,33G,33B,33F,及びスキャンコンバータ34に、夫々接続されている。さらに、このMIC35は、内視鏡1の操作部に設けられた外部スイッチ16,及び,PC4に、夫々接続されている。
【0055】そして、このMIC35は、PC4から入力される同期信号に従って、アンプ31の増幅率を変化させる。即ち、アンプ31の増幅率は、図3の「B転送」期間開始時から「R転送」期間終了時までに相当する期間には、所定の通常時増幅率に設定され、図3の「F転送」期間に相当する期間には、この通常時増幅率よりも大きい所定の蛍光時増幅率に、設定される。
【0056】このアンプ31により増幅された信号は、A/Dコンバータ32によりデジタル信号に変換される。そして、MIC35は、PC4から入力される同期信号に従って、A/Dコンバータ32から出力されたデジタル信号を、各メモリ33B,33G,33R,33Fに、順次格納する。
【0057】より具体的には、図3の「B転送」期間に、信号線15aを介してアンプ31へ送信された信号は、このアンプ31により、通常時増幅率にて増幅される。増幅された信号は、A/Dコンバータ32によりデジタル信号に変換され、Bメモリ33Bに格納される。
【0058】同様に、図3の「G転送」期間に、信号線15aを介してアンプ31へ送信された信号は、このアンプ31により、通常時増幅率にて増幅される。増幅された信号は、A/Dコンバータ32によりデジタル信号に変換され、Gメモリ33Gに格納される。
【0059】同様に、図3の「R転送」期間に、信号線15aを介してアンプ31へ送信された信号は、このアンプ31により、通常時増幅率にて増幅される。増幅された信号は、A/Dコンバータ32によりデジタル信号に変換され、Rメモリ33Rに格納される。
【0060】そして、図3の「F転送」期間に、信号線15aを介してアンプ31へ送信された信号は、このアンプ31により、蛍光時増幅率にて増幅される。増幅された信号は、A/Dコンバータ32によりデジタル信号に変換され、Fメモリ33Fに格納される。
【0061】スキャンコンバータ34は、PC4から入力される同期信号に従って、Rメモリ33R,Gメモリ33G,Bメモリ33B,及びFメモリ33Fに格納されたR,G,B,Fの各信号を読み出し、同期をとってPC4へ向けて出力する。
【0062】なお、ビデオプロセッサ3は、PC4及びモニタ5に夫々接続されたD/Aコンバータ36を、有している。このD/Aコンバータ36については、後述する。
【0063】次に、図4を参照して、PC4の構成について説明する。この図4に示されるように、PC4は、CPU41,ビデオキャプチャ42,メモリ部43,及びVRAM44を、有する。CPU41は、ビデオキャプチャ42,メモリ部43,及びVRAM44に、夫々接続されている。さらに、CPU41は、光源装置2における光源制御部29,並びに,ビデオプロセッサ3におけるMIC35及びD/Aコンバータ36に、夫々接続されている。
【0064】ビデオキャプチャ42は、ビデオプロセッサ3のスキャンコンバータ34から出力されるR,G,B,Fの各画像信号を一旦蓄積し、CPU41からの指示に従ってメモリ部43内に画像データとして格納する。
【0065】このメモリ部43は、ビデオキャプチャ42から出力されたRGBの各画像信号(通常画像データ)を格納するメモリM1(mem_RGB)の領域,ビデオキャプチャ42から出力されたF画像信号(蛍光画像データ)を格納するメモリMF(mem_FL)の領域,後述する診断用画像データの作成処理に使用されるメモリM2(mem_RGB2)の領域を有するRAMである。
【0066】VRAM44は、CPU41から出力されたモニタ5表示用の画像データ(RGB画像信号)を保持し、CPU41からの指示に従って、保持しているRGB画像信号をD/Aコンバータ36へ出力する。
【0067】CPU41は、図示せぬROMに格納された制御プログラムを実行することによって、光源制御部29,MIC35,ビデオキャプチャー42,メモリ部43及びVRAM44の動作を制御する。このCPU41による処理の流れを、図5のフローチャートを参照して説明する。
【0068】この図5に示された処理は、光源装置2,ビデオプロセッサ3,及びPC4の主電源が夫々投入されることをトリガに、スタートする。なお、光源装置2の電源が投入されると、各光源部21,22のランプは、夫々点灯する。また、光源制御部29は、電源投入後、モータ27aを制御してホイール27を等速回転させるとともに、各遮光板駆動部23a,28aを夫々制御して各遮光板23,28を動作させる。そして、光源制御部29は、ホイール27の同期信号を、CPU41へ伝達する。
【0069】この状態において、内視鏡1の配光レンズ11からは、B光,G光,R光,励起光が、順次射出される。このため、内視鏡1の挿入部が生体内に挿入されていると、体腔壁等の被検体は、B光,G光,R光,励起光により、順次照射される。そして、撮像素子15からは、B,G,R,Fの各画像信号が、順次出力される。この撮像素子15により取得されたB,G,R,Fの各画像信号は、アンプ31により増幅され、A/Dコンバータ32によりデジタル信号に変換され、各メモリ33R,33G,33B,33Fの入力端子に入力される。
【0070】図5のフローチャートのスタート後、CPU41は、光源制御部29から取得した同期信号を、MIC35及びスキャンコンバータ34に与える(S1)。MIC35は、この同期信号に基づいて、各メモリ33B,33G,33R,33Fの制御端子に対して、順番に制御信号を入力する。
【0071】この制御信号が入力されると、各メモリ33B,33G,33R,33Fは、その時点でA/Dコンバータ32から出力されている画像信号を取り込み、次の制御信号が入力されるまでその画像信号を保持し続ける。従って、B画像信号はBメモリ33Bに格納され、G画像信号はGメモリ33Gに格納され、R画像信号はRメモリ33Rに格納され、F画像信号は、Fメモリ33Fに格納される。
【0072】このようにして、各メモリ33B,33G,33R,33Fには、夫々、B,G,R,Fの各画像信号が1画面分記憶される。すると、スキャンコンバータ34が、各メモリ33B,33G,33R,33FからB,G,R,Fの各画像信号を読み出し、同期をとってPC4のビデオキャプチャ42へ送信する。このビデオキャプチャ42は、B,G,R,Fの各画像信号を蓄積する。
【0073】そして、CPU41は、ビデオキャプチャ42を制御して、このビデオキャプチャ42に蓄積された画像信号のうちのB,G,Rの各画像信号を、順次、メモリ部43のメモリM1に格納する(S2)。その結果、メモリM1上では、夫々8ビットの輝度値であるR画像信号,G画像信号及びB画像信号から各画素が構成される24ビットRGB画像信号(通常画像データ)が、合成される。
【0074】さらに、CPU41は、ビデオキャプチャ42を制御して、このビデオキャプチャ42に蓄積された画像信号のうちのF画像信号を、メモリ部43のメモリMFに格納する(S3)。その結果、メモリMF上では、8ビットの輝度値であるF画像信号(蛍光画像データ)が、形成される。
【0075】続いて、CPU41は、この時点でメモリM1に格納されているR画像信号における各画素の輝度値を、メモリM2に格納する(S4)。その結果、メモリM2に格納された画像データは、図6及び図7に示されるように、管空部Taの輝度が低く、腫瘍部位Tcを含む管壁部Tbの輝度が高いものとなる。なお、この時点で、当該メモリM2に格納された画像データは、R光によるモノクロ画像データであり、参照画像データに相当している。
【0076】次に、CPU41は、メモリM2に格納されている画像データの各画素の輝度値を所定の第1閾値(図7の破線)と比較して、二値化する(S5)。即ち、CPU41は、第1閾値より輝度値が低い画素における当該輝度値を表す8個のビットを全て“0”に書き換える。他方、第1閾値以上の輝度値の画素における当該輝度値を表す8個のビットを全て“1”に書き換える。これによって、図8及び図9に示されるように、管空部Taと管壁部Tbとが区分けされ、管壁部Tbに対応する画素のみが輝度値“11111111”を有するようになる。(当該画素によりなる領域が、所定領域に相当し、この所定領域から後述の如く特定領域が抽出される。)ところで、メモリMFには、図10に示されるような輝度値(8ビットで表される2進値)の分布を有するF画像信号が、格納されている。そこで、CPU41は、メモリM2に格納された各画素の輝度値を構成する各ビットの値とメモリMFに格納された各画素の輝度値を構成する各ビットの値とについて論理積(AND)演算を行い、その演算結果をメモリMFに上書きする(S6)。これによって、図11及び図12に示されるように、F画像信号のうち管空部Taに対応する部分がマスクされ、残りの管壁部Tb(腫瘍部位Tcを含む)に対応する部分のみが元の状態のままとなっている画像信号が、メモリMFに保持されるようになる。なお、図12に示されるように、このメモリMFに格納された画像信号のうち正常な管壁部Tbに対応する部分の輝度値は、腫瘍部位Tcに対応する部分の輝度値よりも高くなっている。
【0077】次に、CPU41は、メモリMFに格納された画像信号の各画素の輝度値を所定の第2閾値(図12に示されるように第1閾値よりも大きい値)と比較して、二値化する(S7)。なお、この図12のグラフにおいて、第2閾値以上の領域がα領域であり、第1閾値以上第2閾値未満の領域がβ領域であり、第1閾値未満の領域がγ領域である。このS7において、CPU41は、輝度値がβ領域又はγ領域の画素における当該輝度値を表す8個のビットを全て“0”に書き換える。他方、輝度値がα領域の画素における、当該輝度値を表す8個のビットを全て“1”に書き換える。これによって、腫瘍部位Tcが除かれた正常な管壁部Tbのみが抽出され、抽出された当該正常部位のみが輝度値“11111111”を有するようになる。
【0078】次に、CPU41は、メモリM2に格納された各画素の輝度値を構成する各ビットの値とメモリMFに格納された各画素の輝度値を構成する各ビットの値とについて排他OR演算を行い、その演算結果をメモリM2に上書きする(S8)。これによって、図13及び図14に示されるように、腫瘍部位Tcの形状及び位置を示す画像信号が、メモリM2に保持されるようになる。この時点で、メモリM2に保持された画像データにおける輝度値“11111111”の部分が、特定領域である。
【0079】続いて、CPU41は、メモリM1に格納されている通常画像データをVRAM44内に格納する(S9)。なお、この通常画像データは、VRAM44に対応する画面における左側の領域に、書き込まれる。
【0080】次に、CPU41は、通常画像中に特定領域が青色でスーパーインポーズされた画像を、生成する。即ち、CPU41は、メモリM2に格納されている画像データ中の輝度値が“11111111”である画素(腫瘍部位Tcを示す画素)をメモリM1にマッピングし、メモリM1上において、マッピングされた画素のカラーを例えばB(青)に設定する(S10)。これにより、メモリM1上では、通常画像データのうちの腫瘍部位Tc(異常部位)に対応する領域が青で示された診断用画像データが、生成される。
【0081】そして、CPU41は、メモリM1に格納された診断用画像データをVRAM44内に格納する(S11)。なお、この診断用画像データは、VRAM44に対応する画面における右側の領域に、書き込まれる。
【0082】このVRAM44内に、通常画像データ及び診断用画像データが格納された状態において、CPU41は、VRAM41の格納内容(モニタ5表示用の画像データ)を、D/Aコンバータ36へ向けて出力する(S12)。すると、VRAM44の格納内容は、D/Aコンバータ36を経てモニタ5に供給される。すると、図15に示されるように、モニタ5の左側の表示領域には、通常画像データによる通常画像がカラー表示される。一方、モニタ5の右側の表示領域には、診断用画像データによる蛍光診断用画像が表示される。この蛍光診断用画像は、通常画像上に特定領域が青で重ね合わされた画像である。この図15において、左側の通常画像中には、腫瘍部位Tcが明瞭には表示されていないが、右側の蛍光診断用画像中には、腫瘍部位Tcが青で着色された状態で、明瞭に表示されている。
【0083】そして、CPU41は、処理をS1に戻し、上記の処理を繰り返す。なお、本実施形態では、VRAM44からは、例えば1/30秒毎に1画面分のRGB画像信号が出力され、この画像信号に基づく画像がモニタ5に表示されるようになっている。このため、モニタ5上には、これら通常画像及び診断用画像が、いずれも動画で表示される。
【0084】このため、術者は、内視鏡1を移動させながら、被検体を広範囲に亘って観察することができる。そして、内視鏡1を移動させている間にも、モニタ5には、常に、診断用画像が表示されているので、術者は、確実かつ容易に腫瘍等の病変の疑いのある部位を特定することができる。
【0085】<第2実施形態>本実施形態の電子内視鏡装置は、第1実施形態の電子内視鏡装置の構成において、上記光源装置2の代わりに光源装置6を設けた点を、特徴としている。図16は、この光源装置6の構成図である。この光源装置6において、白色光源部21,励起光源部22,絞り25,絞り調節部25a,集光レンズ26,回転ホイール27,及びモータ27aの構成は、第1実施形態の光源装置2内の構成と同様である。
【0086】しかし、この光源装置6には、第1実施形態の各遮光板23,28,各遮光板駆動部23a,28a,プリズム24,及び光源制御部29の代わりに、光路切換ホイール61,第2のモータ62,本実施形態の光源制御部63が、設けられている。なお、光路切換ホイール61は、第1実施形態においてプリズム24が配置されていた位置に対応させて、配置されている。
【0087】この光路切換ホイール61は、図17に示されるように、円板の半周に亘って、切り欠きが形成されたのと同等の形状に、形成されている。即ち、この光路切換ホイール61は、大径の半円部分及び小径の半円部分が一体に接合されたのと同等の形状に、形成されている。なお、この光路切換ホイール61は、反射部材に相当し、白色光を遮断するとともに励起光を反射する。
【0088】この光路切換ホイール61は、切換駆動機構としての第2のモータ62に連結されており、その中心軸を中心として回転する。なお、この光路切換ホイール61の中心軸は、各光源部21,22のリフレクタの光軸を含む平面内に配置されている。さらに、この光路切換ホイール61は、各光源部21,22から夫々射出された白色光と励起光とが交差する位置に、その大径部分が差し掛かることができるように、配置されている。
【0089】そして、この光路切換ホイール61は、その大径部分が、白色光と励起光とが交差する位置に差し掛かった状態において、白色光を遮断するとともに、励起光を反射させる。なお、この光路切換ホイール61は、白色光と励起光とが交差する位置にその小径部分が近接した場合には、これら白色光又は励起光に干渉しないように、配置されている。
【0090】そして、この光路切換ホイール61の小径部分が白色光と励起光との交差位置に近接した状態において、この光路切換ホイール61に干渉されずに直進した白色光は、絞り25へ向う。しかし、光路切換ホイール61に干渉されずに直進した励起光は、この絞り25へは向わないので、当該絞り25に達するのは、白色光のみである。この白色光は、絞り25により光量調節され、集光レンズ26によりライトガイド13の基端面に収束される。但し、第1実施形態の光源装置2と同様に、集光レンズ26及びライトガイド13の光路中には、ホイール27が挿入されている。
【0091】この光路切換ホイール61の大径部分が白色光と励起光との交差位置に差し掛かった状態において、励起光は、この光路切換ホイール61に反射されて絞り25へ向う。しかし、白色光は、この光路切換ホイール61に遮断されて、絞り25に入射することがない。そして、絞り25により光量調節された励起光は、集光レンズ26によりライトガイド13の基端面に収束される。
【0092】従って、光路切換ホイール61が回転すると、白色光及び励起光は、交互に、集光レンズ26から射出される。なお、モータ62は、光路切換ホイール61を等速回転させる。このため、集光レンズ26から射出される白色光の射出時間及び励起光の射出時間は、互いに等しくなっている。
【0093】図18は、各照明光及び光路切換ホイール61のタイミングチャートである。この図18において、光路切換ホイール61のチャートが上側にある時には、集光レンズ26から白色光が射出されており、下側にある時には、集光レンズ26から励起光が射出されている。この図18では、図示の都合上、白色光及び励起光の射出時間が互いに異なっているが、実際には、両照射時間は互いに等しくなっている。
【0094】なお、光路切換ホイール61が回転しているときには、ホイール27も回転している。そして、集光レンズ26から白色光が射出されている場合に、この白色光は、順次、B光,G光,R光に変換されて、ライトガイド13に入射する。一方、集光レンズ26から励起光が射出されている場合に、この励起光は、ホイール27を透過して、ライトガイド13に入射する。従って、ライトガイド13には、B光,G光,R光,励起光が、順番に繰り返し入射することになる。
【0095】ライトガイド13に入射したB光が配光レンズ11から拡散されて被検体を照射している期間が、撮像素子15における「B露光」期間に相当している。そして、この「B露光」期間終了直後、撮像素子15に蓄積された電荷は、一定の転送時間をかけて転送される。この転送期間が「B転送」期間である。
【0096】同様に、ライトガイド13に入射したG光が配光レンズ11から拡散されて被検体を照射している期間が、撮像素子15における「G露光」期間に相当している。そして、この「G露光」期間終了直後、撮像素子15に蓄積された電荷は、上記転送時間をかけて転送される。この転送期間が「G転送」期間である。
【0097】同様に、ライトガイド13に入射したR光が配光レンズ11から拡散されて被検体を照射している期間が、撮像素子15における「R露光」期間に相当している。そして、この「R露光」期間終了直後、撮像素子15に蓄積された電荷は、上記転送時間をかけて転送される。この転送期間が「R転送」期間である。
【0098】また、ライトガイド13に入射した励起光が配光レンズ11から拡散されて被検体を照射している期間が、撮像素子15における「F露光」期間に相当している。そして、この「F露光」期間終了直後、撮像素子15に蓄積された電荷は、上記転送時間をかけて転送される。この転送期間が「F転送」期間である。
【0099】そして、「B露光」期間開始時から「R露光」期間終了時まで、光路切換ホイール61は、その小径部分を白色光及び励起光の交差位置に近接させている。一方、「F露光」期間において、光路切換ホイール61は、その大径部分を白色光及び励起光の交差位置に差し掛けている。なお、図18において、「B露光」期間開始時から「R露光」期間終了時までと、「F露光」期間とは、互いに異なる長さ(時間)で示されているが、実際には互いに等しくなっている。
【0100】上述のように、本実施形態の光源装置6には、光路切換ホイール61が設けられているので、各遮光板23,28及びプリズム24等を省略することができる。従って、この電子内視鏡装置は、簡単な構成により、通常画像及び診断用画像を得ることができる。
【0101】図19は、光路切換ホイール61’の変形例を示す図である。本実施形態の光源装置6は、図17に示された光路切換ホイール61の代わりに、図19に示された光路切換ホイール61’を、有していてもよい。この光路切換ホイール61’は、円板状に形成されるとともに、開口が形成されている。この開口は、光路切換ホイール61’の外周円よりもやや小さい第1の同心円の円弧,及びこの同心円よりもさらに小さい第2の同心円の円弧,並びに,この第1の同心円の一対の半径により区切られた形状を、有している。さらに、この開口には、少なくとも励起光を透過させる透明部材が、填め込まれていていてもよい。なお、この光路切換ホイール61’における開口が透明部分に相当し、それ以外の部分が反射部分に相当する。
【0102】
【発明の効果】本発明による電子内視鏡装置は、通常画像を動画として取得するだけでなく、蛍光画像を動画として取得することができる。このため、術者は、被検体を広範囲にわたって通常画像及び蛍光画像により観察することができるので、より精密なスクリーニングが可能となる。
【0103】さらに、この電子内視鏡装置の画像処理部が、病変の疑いのある特定領域を示す診断用画像を動画として抽出する場合には、術者は、被検体における病変部分を、より容易かつ確実に発見することが可能になる。




 

 


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