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発明の名称 内視鏡用可撓管の製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2002−34899(P2002−34899A)
公開日 平成14年2月5日(2002.2.5)
出願番号 特願2000−229915(P2000−229915)
出願日 平成12年7月28日(2000.7.28)
代理人 【識別番号】100091292
【弁理士】
【氏名又は名称】増田 達哉 (外1名)
【テーマコード(参考)】
2H040
3H111
4C061
【Fターム(参考)】
2H040 BA00 DA15 DA16 DA17 
3H111 AA02 BA03 BA05 BA12 CA03 CA52 CB03 CB04 CC08 CC19 CC20 DA26 DB21 EA04
4C061 DD03 FF25 FF26 JJ06
発明者 池田 邦利
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 帯状材を螺旋状に巻回して形成された螺旋管の外周に、細線を編組して形成された編組体を被覆して芯材を作製する工程と、前記芯材に外皮を被覆する工程と、前記芯材の端部付近における前記外皮を溶剤により溶解・除去する工程と、前記外皮の除去により前記芯材が露出した部分において、前記螺旋管と前記編組体とをその端部付近でろう接する工程とを有することを特徴とする内視鏡用可撓管の製造方法。
【請求項2】 前記溶剤は、ケトン系溶剤を含むものである請求項1に記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
【請求項3】 前記外皮を溶解・除去する工程は、前記外皮を被覆した前記芯材を前記溶剤に浸漬することにより行われるものである請求項1または2に記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
【請求項4】 前記ろう接工程の前に、前記編組体に被覆した外皮に対して熱処理を施す工程を有する請求項1ないし3のいずれかに内視鏡用可撓管の製造方法。
【請求項5】 前記熱処理は、前記外皮の材料を加硫するものである請求項4に記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
【請求項6】 前記外皮の材料は、フッ素ゴムおよびシリコーンゴムの少なくとも一方を含むものである請求項1ないし5のいずれかに記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
【請求項7】 前記芯材を作製する工程は、前記螺旋管を芯金に巻回した状態で、前記螺旋管の外周に前記編組体を被覆することにより行われ、その後、前記芯金を除去する請求項1ないし6のいずれかに記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
【請求項8】 前記芯金に巻回された状態における前記螺旋管の外径は、自然状態における前記螺旋管の外径より小さい請求項7に記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
【請求項9】 前記外皮を被覆する工程は、前記芯材を長手方向に移動しながら、前記外皮の材料を押し出し口から押し出して、押し出した前記外皮の材料を、その一部を前記芯材の隙間に浸透させつつ、前記芯材の外周に被覆するものである請求項1ないし8のいずれかに記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内視鏡用可撓管の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】内視鏡の挿入部や光源との接続部に用いられる内視鏡用可撓管は、螺旋管の外周を網状管(編組体)で被覆した管状の芯材に、合成樹脂や合成ゴム等で構成された外皮が被覆された構成となっている。
【0003】このような内視鏡用可撓管は、従来、次のように製造されていた。まず、螺旋管の外周に網状管を被覆する。次に、その状態で、螺旋管と網状管とをその両端付近で半田付け(ろう接)して固定する。その後、押出成形等の方法によって、さらに外皮を被覆する。
【0004】ここで、医療用内視鏡は、感染症等を予防するため、使用する都度、消毒・滅菌を行う必要がある。この消毒・滅菌を行う方法に、従来の消毒液等の使用に代わるものとして、オートクレーブ(高圧蒸気滅菌)がある。このオートクレーブでは、内視鏡は、例えば、135℃、2気圧程度の高温高圧の水蒸気に5〜20分程度さらされる。
【0005】したがって、内視鏡をオートクレーブによって滅菌をすることができるものとするためには、内視鏡用可撓管もオートクレーブ時の高温に対する耐熱性が求められる。このため、内視鏡用可撓管の外皮の材料としては、例えばフッ素ゴムやシリコーンゴム等の耐熱性に優れた材料を使用する必要がある。
【0006】フッ素ゴムやシリコーンゴム等を外皮材料とした場合には、外皮を内視鏡用可撓管の芯材に被覆した後、外皮材料に対して熱処理(加硫)を施す必要がある。このような熱処理(加硫)の際の温度は、例えば、250〜300℃程度である。
【0007】しかし、外皮を熱処理する際のこのような温度は、多くの半田(軟ろう)の融点よりも高いため、次のような問題があった。それは、外皮を熱処理するために内視鏡用可撓管を加熱すると、螺旋管と網状管とを固定していた半田が溶融し、螺旋管と網状管との固定が損なわれるという問題である。
【0008】このため、従来、外皮の熱処理を行う場合には、螺旋管と網状管との固定に溶接(融接)等の他の方法を用いる必要があった。このため、製造効率の低下、製造コストの増大を招いていた。
【0009】また、熱処理後に、螺旋管と網状管との半田付け(ろう接)を行うこともできるが、この場合、半田付けに先立ち、芯材の両端付近に密着した外皮を除去する必要がある。しかし、外皮の一部は、網状管の網目等に入り込んでいるため、芯材に密着した外皮を完全に除去するのは困難であった。また、芯材に密着した外皮の除去が不十分な状態で半田付け(ろう接)を行うと、残存した外皮材料によって、螺旋管と網状管との密着性が十分に得られない場合があった。したがって、このような方法で内視鏡用可撓管を製造した場合、製造効率の低下、製造コストの増大、螺旋管と網状管との密着性の低下等の問題を招いていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、比較的簡単な製造工程で、螺旋管と編組体と外皮との密着性(結合力)に優れた内視鏡用可撓管を得ることができる内視鏡用可撓管の製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記(1)〜(9)の本発明により達成される。
【0012】(1) 帯状材を螺旋状に巻回して形成された螺旋管の外周に、細線を編組して形成された編組体を被覆して芯材を作製する工程と、前記芯材に外皮を被覆する工程と、前記芯材の端部付近における前記外皮を溶剤により溶解・除去する工程と、前記外皮の除去により前記芯材が露出した部分において、前記螺旋管と前記編組体とをその端部付近でろう接する工程とを有することを特徴とする内視鏡用可撓管の製造方法。
【0013】これにより、比較的簡単な製造工程で、螺旋管と編組体と外皮との密着性(結合力)に優れた内視鏡用可撓管を製造することができる。
【0014】(2) 前記溶剤は、ケトン系溶剤を含むものである上記(1)に記載の内視鏡用可撓管の製造方法。これにより、生産性良く内視鏡用可撓管を製造することができる。
【0015】(3) 前記外皮を溶解・除去する工程は、前記外皮を被覆した前記芯材を前記溶剤に浸漬することにより行われるものである上記(1)または(2)に記載の内視鏡用可撓管の製造方法。これにより、生産性良く内視鏡用可撓管を製造することができる。
【0016】(4) 前記ろう接工程の前に、前記編組体に被覆した外皮に対して熱処理を施す工程を有する上記(1)ないし(3)のいずれかに内視鏡用可撓管の製造方法。
【0017】これにより、熱処理を必要とする外皮材料を利用して内視鏡用可撓管を製造することができる。
【0018】(5) 前記熱処理は、前記外皮の材料を加硫するものである上記(4)に記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
【0019】これにより、加硫を必要とする外皮材料を利用して内視鏡用可撓管を製造することができる。
【0020】(6) 前記外皮の材料は、フッ素ゴムおよびシリコーンゴムの少なくとも一方を含むものである上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の内視鏡用可撓管の製造方法。これにより、耐熱性に優れた内視鏡用可撓管を製造することができる。
【0021】(7) 前記芯材を作製する工程は、前記螺旋管を芯金に巻回した状態で、前記螺旋管の外周に前記編組体を被覆することにより行われ、その後、前記芯金を除去する上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
【0022】これにより、螺旋管と編組体との密着性(結合力)がさらに優れた内視鏡用可撓管を製造することができる。
【0023】(8) 前記芯金に巻回された状態における前記螺旋管の外径は、自然状態における前記螺旋管の外径より小さい上記(7)に記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
【0024】これにより、螺旋管と編組体との密着性(結合力)が特に優れた内視鏡用可撓管を製造することができる。
【0025】(9) 前記外皮を被覆する工程は、前記芯材を長手方向に移動しながら、前記外皮の材料を押し出し口から押し出して、押し出した前記外皮の材料を、その一部を前記芯材の隙間に浸透させつつ、前記芯材の外周に被覆するものである上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
【0026】これにより、芯材と外皮との密着性がさらに優れた内視鏡用可撓管を生産性良く製造することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の内視鏡用可撓管の製造方法の好適な実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
【0028】まず、本発明の方法により製造される内視鏡用可撓管を有する内視鏡の全体構成の一例について説明する。
【0029】図1は、本発明の方法により製造される内視鏡用可撓管を有するファイバー内視鏡(ファイバースコープ)を示す全体図である。以下、図1中の上側を「基端」、下側を「先端」として説明する。
【0030】図1に示すファイバー内視鏡1は、可撓性(柔軟性)を有する挿入部可撓管11と、挿入部可撓管11の先端部に設けられた湾曲管12と、挿入部可撓管11の基端部に設けられ、術者が把持してファイバー内視鏡1全体を操作する操作部13と、操作部13の基端部に設けられ、被写体の像を直接観察する接眼部14と、操作部13に接続されたライトガイド可撓管15と、ライトガイド可撓管15の先端側に設けられた光源差込部16とで構成されている。
【0031】本発明の内視鏡用可撓管の製造方法は、挿入部可撓管11やライトガイド可撓管15の製造に使用することができるものである。
【0032】挿入部可撓管11は、生体の管腔内に挿入して使用される。また、操作部13には、操作レバー17が設置されている。この操作レバー17を操作すると、挿入部可撓管11内に配設されたワイヤー(図示せず)が牽引されて、湾曲管12が2方向に湾曲し、その湾曲方向を変えることができる。
【0033】光源差込部16の先端部には、光源用コネクタ18が設置され、この光源用コネクタ18が光源装置(図示せず)に接続されている。光源装置から発せられた光は、光源用コネクタ18、および、光源差込部16内、ライトガイド可撓管15内、操作部13内、挿入部可撓管11内および湾曲管12内に連続して配設された光ファイバー束によるライトガイド(図示せず)を通り、湾曲管12の先端部より観察部位に照射され、照明する。
【0034】前記照明光により照明された観察部位からの反射光(被写体像)は、挿入部可撓管11内および操作部13内に連続して配設された光ファイバー束によるイメージガイド(図示せず)を通り、接眼部14へ伝達される。
【0035】接眼部14の内部には、接眼レンズ(図示せず)が設置され、イメージガイド内を通って到達した反射光がこの接眼レンズを通して観察される。
【0036】以上、ファイバー内視鏡1の全体構成について説明したが、本発明の内視鏡用可撓管の製造方法は、ファイバー内視鏡に限らず、電子内視鏡の内視鏡用可撓管の製造にも使用することができることは、言うまでもない。
【0037】次に、本発明の内視鏡用可撓管の製造方法を図2〜図13に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。本発明の内視鏡用可撓管の製造方法は、次のような各工程を有する。
【0038】[1]芯材3を作製する工程まず、芯材3を作製する。
【0039】図2は、芯材の部分縦断面図である。図2に示すように、芯材3は、螺旋管31と、網状管32(編組体)とで構成されている。螺旋管31は、帯状材を均一な径で螺旋状に間隔を開けて巻回して形成されたものである。帯状材を構成する材料としては、例えば、ステンレス鋼、銅系合金等が好ましく用いられる。また、網状管32は、金属製または非金属製の細線321を複数並べたものを編組して形成されたものである。細線321を構成する材料としては、例えば、ステンレス鋼、銅系合金等が好ましく用いられる。
【0040】芯材3は、螺旋管31の外周に網状管32(編組体)を被覆することにより作製される。
【0041】螺旋管31の外周への網状管32(編組体)の被覆は、いかなる方法で行われてもよいが、螺旋管31を芯金8に巻回した状態で行われるのが好ましい。これにより、螺旋管31の形状が安定し、網状管(編組体)32の被覆を容易に行うことができる。また、芯金8に巻回された状態における螺旋管31の外径D' は、自然状態(外力が作用していない状態)における螺旋管31の外径Dより小さくなっているのが好ましい。
【0042】以下、芯金8を用いた芯材3の作製方法について説明する。図3は、螺旋管の自然状態を示す正面図、図4は、螺旋管を芯金に仮止めした状態を示す正面図、図5は、螺旋管を芯金に仮止めした状態を示す側面図、図6は、芯金に仮止めした螺旋管の外周に網状管を被覆した状態を示す正面図である。以下の説明では、図3、図4中の左側を「先端」、右側を「基端」として説明する。
【0043】図3に示すような自然状態(外径D)の螺旋管31を用意する。この螺旋管31の先端部を内周側に折り曲げて、図4および図5に示すように、折り曲げ部311を形成しておく。このような螺旋管31に芯金8を挿通する。芯金8の両端付近には、溝81、82が形成されており、折り曲げ部311を芯金8の先端側の溝81に通して、螺旋管31の先端が芯金8に対して回転しないようにする。そして、螺旋管31の基端を帯状材の巻回方向に捩じっていく。そうすると、螺旋管31は、その外径D' が次第に縮小するように変形する。
【0044】このようにして、螺旋管31を縮径状態にした後、螺旋管31の基端に先端と同様の折り曲げ部312を形成する。そして、この折り曲げ部312を芯金8の基端側の溝82に通し、螺旋管31が元の形状に復元しないように仮止めする。芯金8は、少なくともその外表面付近が外皮8の構成材料との密着性の低い材料(フッ素樹脂等)で構成されているのが好ましい。これにより、後述する外皮5を被覆する工程において、外皮5の構成材料と芯金8とが密着するのを防止することができ、その後の芯金8の除去を容易に行うことができる。なお、螺旋管31を芯金に仮止めする方法は、前述したような折り曲げ部311、312と溝81、82とによる方法によらず、いかなる方法でもよい。
【0045】芯金8に巻回した螺旋管31の外周に、さらに網状管32を被覆することにより、図6に示すような芯金8に巻回された芯材3が得られる。螺旋管31の外周に網状管32を被覆する方法としては、例えば、以下のような方法が挙げられる。
【0046】筒状の網状管32を用意し、この網状管32内に、芯金8に巻回した螺旋管31を挿通する。その後、芯金8の両端付近で、網状管32を針金6で緊縛することにより、螺旋管31と網状管32とがずれないように固定する。このとき、螺旋管31は、その外周のほぼ全面が網状管32の内周と密着しているのが好ましい。これにより、螺旋管31と網状管32との密着性に優れた内視鏡用可撓管2を得ることができる。
【0047】螺旋管の外周に網状管を被覆する方法は、前述したような方法に限定されず、例えば、芯金に巻回された螺旋管の外周に、シート状の編組体を巻着するような方法であってもよい。
【0048】なお、芯金8は、少なくとも網状管32が被覆された後に除去されればよいが、本実施形態では、後述する外皮5の被覆工程の後に除去されるものとして説明する。
【0049】[2]芯材3の外周に外皮5を被覆する工程次に、芯材3の外周に外皮5を被覆する。
【0050】このとき、外皮5は、芯材3(網状管32および螺旋管31)の少なくとも一部を埋め込むように被覆されるのが好ましい。これにより、次のような効果が得られる。
【0051】・外皮5と芯材3との間の結合力が強くなり、外皮5が芯材3から剥離(分離)しにくいものとなる。
・外皮5の耐久性が向上し、亀裂等を生じにくいものとなる。
【0052】・芯材3(網状管32および螺旋管31)の材質、網状管32の編組の密度等の選択、埋め込み部分の厚さ等を調整することにより、外皮5の可撓性(弾力性)を所望に調節することができる。
【0053】外皮5を構成する材料としては、特に限定されないが、芯材3に被覆した後に熱処理(加硫)を必要とするものであるのが好ましく、例えば、フッ素ゴム、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、フッ化ビニリデン系ゴム、エチレン−アクリルゴム、エチレン−酢酸ビニルゴム、四フッ化エチレン−プロピレンゴムよりなる群から選択される少なくとも1種を含むものであるのが好ましい。後述するように、本発明によれば、外皮5に対して熱処理を施す場合であっても、螺旋管31と網状管32とをろう接によって簡便に固定することができるため、熱処理を必要とする外皮材料51を使用した場合に本発明の優位性がより大きいものとなる。
【0054】特に、外皮5の材料をフッ素ゴムおよびシリコーンゴムの少なくとも一方を含むものとした場合には、外皮5が耐熱性に優れたものとなる。これにより、オートクレーブ(高圧蒸気滅菌)によって滅菌を行うことができる内視鏡用可撓管2を製造することができる。
【0055】外皮5の厚さは、特に限定されないが、0.1〜2mmであるのが好ましく、0.2〜1mmであるのがより好ましい。
【0056】外皮5の厚さが前記下限値未満であると、外皮5の機械的強度が低下するため、内視鏡用可撓管の耐久性が低下し、繰り返し使用することにより、その内部に体液等の液体が侵入する可能性がある。
【0057】一方、外皮5の厚さが前記上限値を超えると、挿入部可撓管1の十分な細径化が図れず、また挿入部可撓管1の可撓性が低下する場合がある。また、後述する外皮5を溶解・除去する工程で、溶解すべき外皮5の量が多くなるため、内視鏡用可撓管2の生産性が低下する。
【0058】外皮5を芯材3に被覆する方法としては、特に限定されないが、次に説明するような押出成形により容易に被覆することができる。
【0059】図7は、押出成形により、剥離部材で被覆された芯材に外皮を被覆している押出成形機のダイスヘッドの部分の縦断面図である。以下の説明では、図7中の左側を「先端」、右側を「基端」として説明する。
【0060】ダイスヘッド7は、ダイス71とニップル72とを有している。ダイスヘッド7には、基端から先端に貫通する円形断面の通路73が形成されている。
【0061】芯金8に巻回した芯材3を、通路73内に同心的に挿通し、図示しない移送手段により、基端から先端に向かって長手方向(図7中の矢印A方向)に移動する。
【0062】ダイスヘッド7の内部には、ダイス71とニップル72とによって、外皮材料通路74が形成されている。外皮材料通路74の先端は、通路73内に周状に開口しており、押し出し口75を形成している。
【0063】外皮材料通路74には、ホッパー(図示せず)に投入された外皮材料51が、シリンダ(図示せず)内のスクリュー(図示せず)によって順次送り込まれる(図7中の矢印B部)。送り込まれた外皮材料51は、外皮材料通路74を通って、押し出し口75から押し出され、長手方向に移動する芯材3の外周に順次被覆される。
【0064】押し出された外皮材料51の一部は、芯材3の隙間33に浸透させる。これにより、外皮5が芯材3から極めて剥離しにくいものとなる。また、芯材3が外皮5に埋め込まれることにより、強度等の性能を維持しつつ、内視鏡用可撓管2の外径を細径化(または、内径を拡大化)することができる。押出成形を終えた後、芯金8を抜き取る。
【0065】図8は、外皮で被覆された芯材から芯金を抜き取った状態を示す縦断面図である。図8中、D'' は、芯材3から芯金8を抜き取った状態における螺旋管31の外径を示す。
【0066】芯金8の抜き取りは、例えば、以下のようにして行うことができる。針金6および折り曲げ部311、312が除去されるように、芯材3の両端付近を切断する。折り曲げ部311、312を除去することにより、螺旋管31は、芯金8に対する固定から解除される。これにより、螺旋管31は、縮径状態(外径D' )から元の外径(自然状態)に復元しようとして、網状管32および外皮5に対して、外周方向に押し広げるような力を及ぼし続ける。このため、螺旋管31の外径は、幾分拡大し(D'' <D' )、それに伴い、螺旋管31の内径も拡大する。その結果、螺旋管31と芯金8との間に隙間が生じ、芯金8を芯材3から容易に抜き取ることが可能となる。
【0067】また、螺旋管31の外径が拡大することにより、螺旋管31と網状管32と外皮5との密着性がさらに向上する。その結果、内視鏡用可撓管を繰り返し使用した場合であっても、螺旋管31と網状管32と外皮5とが、ずれにくいものとなる。
【0068】このように、螺旋管31の外周面が網状管32および外皮5の内周面に常に押し付けられているため、螺旋管31と網状管32と外皮5との密着性(結合力)が強い。これにより、内視鏡用可撓管2が弾力性に特に優れたものとなる。その理由について、次に説明する。
【0069】内視鏡用可撓管2を曲げたときに、その曲げた部分では、外皮5は、芯材3の曲がりに沿って外側では伸長し、内側では収縮する。一方、外皮5が芯材3に対して確実に固定されているので、内視鏡用可撓管2の真っ直ぐな部分では、外皮5は伸縮しない。このため、外皮5は、内視鏡用可撓管2の曲がった部分で集中して伸縮するため、その単位長さ当たりの伸縮割合が大きい。したがって、内視鏡用可撓管2の曲がった部分において、外皮5に発生する局部的な復元力が大きいので、曲がった内視鏡用可撓管2の復元が確実になされる。これにより、内視鏡用可撓管2が弾力性に優れたものとなる。
【0070】これに対し、従来のように外皮5の芯材5に対する固定が不十分であると、外皮5が芯材3に対してずれ易くなる。このような場合には、内視鏡用可撓管2を曲げたとき、外皮5は、その曲げた部分だけでなく、真っ直ぐな部分も含めた全長に渡る部分で伸縮を吸収することとなる。このため、外皮5の単位長さ当たりの伸縮の割合が小さくなって、外皮5に発生する復元力は小さい。このため、曲がった内視鏡用可撓管2の復元が確実になされない。
【0071】図9は、図8に示す縦断面の一部を拡大して示す縦断面図である。図9に示すように、螺旋管31を形成する帯状材は、その片面にかえり313(バリ)が形成されている。このかえり313は、板材からせん断加工により帯状材を切り出した際に形成されるものである。螺旋管31は、このような帯状材のかえり313を外周側に向けて巻回して形成したものであるのが好ましい。これにより、かえり313が網状管32および外皮5に対してアンカー効果を生じ、螺旋管31と網状管32との密着性(結合力)、螺旋管31と外皮5との密着性(結合力)は、さらに優れたものとなる。このように、かえり313を外周側に向けることによるアンカー効果は、前述の芯材3を埋め込むように外皮5を被覆することによる効果と相乗的に作用し、その結果、螺旋管31と網状管32と外皮5との固定は、より確実なものとなる。また、螺旋管31の内周面がかえり313のない平滑なものとなるため、内視鏡用可撓管2の内部に挿通される光ファイバー、ケーブル、チューブ類等の内蔵物を傷つけることがない。
【0072】なお、芯材3の外周に外皮5を被覆する方法は、前述したような押出成形に限定されず、いかなる方法でもよい。また、芯金8を芯材3から抜き取る方法は、前述したような方法に限定されず、いかなる方法でもよい。
【0073】[3]芯材3の端部付近の外皮5を溶解・除去する工程次に、芯材3の端部付近の外皮5を除去する。
【0074】図10は、芯材の端部付近の外皮を除去した後の状態を示す図である。外皮5の除去は、溶剤4を用いて外皮5を溶解することにより行う。外皮5の溶解に用いる溶剤4は、外皮5を構成する材料の溶解性、溶解度に優れるものが好ましい。このような溶剤4としては、例えば、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルイソプロピルケトン(MIPK)、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール(DEG)、グリセリン等のアルコール系溶剤、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、テトラヒドロピラン(THP)、アニソール、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグリム)等のエーテル系溶剤、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、フェニルセロソルブ等のセロソルブ系溶剤、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤、トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、ピリジン、ピラジン、フラン、ピロール、チオフェン等の芳香族複素環化合物系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)等のアミド系溶剤、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化合物系溶剤、酢酸エチル、酢酸メチル、ギ酸エチル等のエステル系溶剤、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン等の硫黄化合物系溶剤、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶剤等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を混合して用いることができる。その中でも特に、ケトン系溶剤を含有するものが好ましく、ケトン系溶剤を主とするものがより好ましい。ケトン系溶剤は、前述した外皮5の構成材料の溶解性、溶解度に優れる。また、ケトン系溶剤は適度な揮発性を有するため、外皮5を溶解した後に芯材3の外表面等に付着した溶剤4を容易に除去することができる。
【0075】また、溶剤4中には、必要に応じて安定剤等の各種添加剤が配合されていてもよい。
【0076】以下、溶剤4を用いて外皮5を溶解・除去する方法の一例について説明する。図11は、溶剤に、外皮を被覆した芯材を浸漬することにより外皮を除去する方法を示す図である。
【0077】容器10に入った溶剤4に、外皮5を被覆した芯材3の端部付近を所定深さだけ浸漬する。これにより、この部位の外皮5が溶解する。
【0078】外皮5を被覆した芯材3を溶剤4に浸漬する時間(浸漬時間)は、溶剤4に対する外皮5の構成材料の溶解性等により異なるが、30秒〜24時間程度であるのが好ましく、2〜60分程度であるのがより好ましい。
【0079】浸漬時間が前記下限値未満であると、外皮5の溶解・除去が不十分であり、芯材3の端部付近に外皮5が残存する場合がある。
【0080】一方、浸漬時間が前記上限値を超えると、溶剤4の揮発等により端部付近以外の部位の外皮5(除去すべき部位以外の部位の外皮5)が軟化、溶解する可能性がある。
【0081】溶剤4の温度は、溶剤4の種類等により若干異なるが、10〜60℃であるのが好ましく、15〜50℃であるのがより好ましい。
【0082】溶剤4の温度が前記下限値未満であると、溶剤4に対する外皮5の溶解性が不十分である場合がある。
【0083】一方、溶剤4の温度が前記上限値を超えると、溶剤4の揮発量が多くなり、端部付近以外の部位の外皮5が軟化、溶解する可能性がある。また、溶剤4の揮発量が多くなるため、外皮5の溶解に必要な溶剤4の量が多くなり、生産コストが高くなる場合がある。
【0084】また、外皮5の除去は、例えば、容器10の内部や底部などに設けられた図示しない超音波発生装置により、超音波振動を与えながら行ってもよい。これにより、外皮5の構成材料の溶剤4に対する溶解性が向上し、内視鏡用可撓管2の生産性が向上する。
【0085】また、溶剤4への浸漬に先立ち、外皮5の端部となるべき部位54や、それより端部側(除去される部分)等に切り込みを入れてもよい。これにより、外皮5の除去を確実に行うことができる。
【0086】外皮5を除去した後、芯材3の外表面等に付着している溶剤4を除去する。付着している溶剤4は、例えば、揮発させたり、拭き取ることにより除去することができる。このとき、溶剤4の除去を十分に行わないと(芯材5の外表面等に溶剤4が残存していると)、後述する螺旋管31と網状管32とのろう接を確実に行うことができない場合がある。
【0087】ところで、溶剤4の揮発性(蒸気圧)が比較的低いものであると、付着した溶剤4を完全に除去することが困難であり、芯材3の外表面上等に溶剤4が残存する場合がある。このような場合、例えば、溶剤4より揮発性の高い溶剤を用いて芯材3等を洗浄すること等により、付着している溶剤4を容易に除去することができる。なお、洗浄に用いた溶剤は、その後、揮発させたり、拭き取ることにより、容易に除去することができる。
【0088】また、容器10は、開口部101付近の内径が他の部位の内径に比べて小さくなっている。このように容器10の形状は、溶剤4の揮発を抑制するようなものであるのが好ましい。これにより、用いる溶剤4の量を少なくすることができる。また、揮発した溶剤4により、端部付近以外の部位の外皮5が軟化、溶解するのを防止できる。
【0089】以上、外皮5を被覆した芯材3を溶剤4に浸漬する方法について説明したが、外皮5の除去の方法は、これに限定されない。例えば、外皮5に溶剤4を噴霧する方法や、塗布する方法等により、外皮5を除去してもよい。
【0090】[4]外皮5に対して熱処理を施す工程芯材3に外皮5を被覆した後、必要に応じて熱処理を施す。これにより、外皮5の性質を改善して、内視鏡用可撓管に、例えば、耐熱性向上、耐薬品性向上等の効果を与えることができる。熱処理の目的としては、外皮材料51の加硫が挙げられるが、これに限定されない。
【0091】ところで、溶剤4に対する外皮5の溶解性、溶解度等は、熱処理を行う前のほうが高いことがある。したがって、前述した外皮5の溶解は、熱処理の前に行うのが好ましい。
【0092】また、この熱処理は、後述する螺旋管31と網状管32とをろう接する工程の前に行われるものであるのが好ましい。
【0093】[5]螺旋管31と網状管32とをろう接する工程前記[3]で外皮5が除去され、芯材3が露出した部分において、螺旋管31と網状管32とをろう接(半田付け)して固定し、内視鏡用可撓管2を得る。このろう接は、芯材3の外側(例えば、図10中の矢印Aで示す部分)に施されるものであってもよいし、芯材3の内側(例えば、図10中の矢印Bで示す部分)に施されるものであってもよい。
【0094】本発明では、外皮5の熱処理(加硫等)をろう接の前に行うことができるので、熱処理を行った際に、網状管32と螺旋管31とを固定している半田が溶融して、この固定が損なわれるという問題が生じない。これにより、外皮5の熱処理を行う場合にも、網状管32と螺旋管31との固定に溶接(融接)等の他の方法を使用する必要がなく、低コストで簡便なろう接を使用することができる。また、芯材3の端部付近の外皮5が溶剤4により溶解・除去されているので、網状管32と螺旋管31とのろう接を簡便かつ確実に行うことができる。
【0095】このようにして製造された内視鏡用可撓管2は、端部に口金91を装着して、操作部13や光源差込部16に接続される。次に説明するように、口金91を内視鏡用可撓管2の端部に固定するろう接と、網状管32と螺旋管31とのろう接を一度に行っても良い。
【0096】図12は、内視鏡用可撓管が操作部に接続されている部分の縦断面図である。以下の説明では、図12中の左側を「先端」、右側を「基端」として説明する。
【0097】図12に示すように、内視鏡用可撓管2は、口金91を介して操作部13に接続されている。
【0098】口金91の先端部には、筒状をなす外挿部92が形成されている。外挿部92の内径は、芯材3の端部における外径とほぼ同じ大きさになっている。そして、この外挿部92が芯材3の基端に外挿されている。外挿部92には、ろう接用孔93が形成されている。口金91の外側から、このろう接用孔93が形成されている部分をろう接する。これにより、網状管32と螺旋管31とが固定されるとともに、口金91が内視鏡用可撓管2に固定される。
【0099】内視鏡用可撓管2と口金91との接続部分の外周には、熱収縮チューブ94を被覆して、水密性を高めることとしても良い。また、内視鏡用可撓管2と口金91との隙間に接着剤(図示せず)を充填することにより、水密性を高めることとしても良い。
【0100】口金91は、操作部13に固定用ビス95で固定される。また、内視鏡用可撓管2と操作部13との接続部分の全体は、おさえゴム96で覆われている。口金91および操作部13とおさえゴム96との間には、Oリング97が設置され、水密性が確保されている。内視鏡用可撓管2の外周面21には、例えばパリレンのような潤滑剤をコーティングしても良い。
【0101】図13は、本発明の方法により製造した内視鏡用可撓管の他の一例を示す拡大縦断面図である。
【0102】図13に示す内視鏡用可撓管2は、外皮5が内層52と外層53との2層の積層体で構成されている。そして、芯材3は、内層52に埋め込まれている。
【0103】このように、外皮5は、2層または3層以上の積層体であってもよい。このような外皮5の各層は、互いに物理的特性または化学的特性が異なる材料で構成することができる。これにより、外皮5の各層の特性の組み合わせによって、内視鏡用可撓管2に必要とされる各種の性能を同時に優れたものとすることができる。
【0104】例えば、内層52に芯材3との密着性に優れた材料を使用することにより、外皮5を芯材3により確実に固定することができる。
【0105】また、内層52に弾力性の優れた材料を使用することにより、内層52が外層53と螺旋管31との間のクッションとして作用し、内視鏡用可撓管2の弾力性をより優れたものとすることができる。
【0106】また、外層53に耐薬品性に優れた材料を使用することにより、消毒液の使用に対する耐久性に優れたものとすることができる。
【0107】外皮5は、その全長に渡ってこのような積層体で構成してもよく、長手方向の一部についてこのような積層体で構成してもよい。
【0108】このような複数の積層体で構成された外皮5を芯材3に被覆する方法は、特に限定されず、例えば、複数の押し出し口75を備えた押出成形機によって複数の層を同時に押し出して、その積層体を芯材3に被覆することができる。
【0109】また、内層52、外層53は、同時に除去されてもよいし、別々に除去されてもよい。すなわち、内層52の構成材料および外層53の構成材料の溶解性、溶解度に優れる溶剤4を用いて、内層52および外層53を同時に溶解してもよいし、内層52の構成材料の溶解性、溶解度に優れる溶剤と、外層53の構成材料の溶解性、溶解度に優れる溶剤とを用いて、内層52、外層53を別々に除去してもよい。
【0110】以上、本発明の内視鏡用可撓管の製造方法を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
【0111】また、本実施形態では、自然状態における螺旋管31の外径D、縮径状態における螺旋管31の外径D' 、および芯材3から芯金8を抜き取った状態における螺旋管31の外径D'' は、それぞれ、全長に渡ってほぼ一定となっているが、これらの値は、長手方向に沿って変化するものであってもよい。
【0112】
【実施例】次に、本発明の具体的実施例について説明する。
【0113】(実施例1)まず、芯材を作製した。ステンレス製の板材を用意し、これを旋断加工することにより幅3mmのステンレス製の帯状材を得た。かえり(バリ)が外周側を向くように、この帯状材を巻回して、外径9.9mm、内径9.6mmの螺旋管を作製した。外表面付近がフッ素樹脂で構成された芯金を、螺旋管の内部に挿通した後、図4および図5に示すように、螺旋管を縮径状態(内径9mm)となるように変形し、芯金に仮止めした。次に、直径0.1mmのステンレス製の細線を10本ずつ並べたものを編組みした網状管を作製した。この網状管の内部に螺旋管を挿通し、芯材の両端付近を針金で緊縛することにより、螺旋管と網状管とを固定し、芯材を得た。
【0114】この芯材の外周に、押出成形により、フッ素ゴムで構成される外皮を被覆した。この押出成形は、外皮材料の一部が芯材の隙間に浸透するようにして行った。なお、外皮の厚さは、0.7mmであった。
【0115】次に、折り曲げ部が除去されるように芯材の両端付近を切断した。これにより、螺旋管の外径は、9.2mmに拡大し、螺旋管と芯金の間に隙間が生じた。その後、芯材の内部から芯金を除去した。
【0116】次に、芯材の端部付近の外皮を除去した。外皮の除去は、図11に示すように、容器内のメチルエチルケトン(ケトン系溶剤)に芯材の端部付近を浸漬し、外皮を溶解することにより行った。このとき、溶剤の温度は、25℃、浸漬時間は、40分であった。
【0117】芯材の外表面等に付着した溶剤を揮発させた後、外皮に対して熱処理を施した。この熱処理は、300℃×5分間の条件で行った。
【0118】その後、芯材の端部付近の螺旋管と網状管とをろう接することにより、内視鏡用可撓管を得た。このろう接は、図12に示すように、芯材の端部に口金を外挿した状態で行った。口金の外側からろう接用孔が形成されている部分をろう接することにより、螺旋管と網状管と口金とを固定した。
【0119】(実施例2)芯材の外周に被覆した外皮が内層と外層とからなる2層の積層体となるようにした以外は、実施例1と同様にして内視鏡用可撓管を製造した。外皮の被覆は、2つの押し出し口を備えた押出成形機を用いて、内層の構成材料と外層の構成材料とを同時に押し出すことにより行った。内層、外層の構成材料として、それぞれシリコーンゴム、フッ素ゴムを用いた。また、内層、外層の厚さは、それぞれ0.4mm、0.3mmであった。
【0120】(実施例3)溶剤の入った容器の底部に超音波発生装置を設置し、超音波振動を与えながら外皮の除去を行い、溶剤への浸漬時間を30分とした以外は、実施例2と同様にして内視鏡用可撓管の製造を行った。
【0121】(実施例4)溶剤に浸漬するに先立ち、外皮の端部となるべき部位の外周全周に切り込みを入れ、それより端部側の外皮(溶解される部位の外皮)に長手方向の複数本の切り込みを入れ、さらに溶剤への浸漬時間を20分とした以外は、実施例3と同様にして内視鏡用可撓管を製造した。
【0122】実施例1〜実施例4で得られた内視鏡用可撓管は、いずれも網状管と螺旋管と外皮との密着性に優れていた。また、これらの内視鏡用可撓管の両端付近を支持して90°折り曲げる操作を300回繰り返し行い、弾力性、耐久性について評価した。その結果、いずれの内視鏡用可撓管も弾力性、耐久性に優れたものであった。
【0123】また、実施例3、実施例4では、外皮の溶解に要する時間が実施例1、2に比べて短かった。特に、実施例4では、20分という短時間で外皮を溶解することができた。
【0124】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、網状管と螺旋管とのろう接を容易かつ確実に行うことができる。このため、比較的簡単な製造工程で、網状管と螺旋管と外皮との密着性に優れた内視鏡用可撓管を製造することができる。特に、外皮に対して熱処理を施す必要がある場合においても、螺旋管と網状管との固定にろう接を使用することができる。
【0125】また、芯材の端部付近には、外皮の残存がないので口金等の取り付けも容易に行うことができる。
【0126】また、螺旋管の外径が自然状態における螺旋管の外径より小さくなった状態で、螺旋管の外周に網状管を被覆することにより、螺旋管と網状管との密着性(結合力)、螺旋管と外皮との密着性を向上することができる。
【0127】また、芯材の外周に外皮を被覆する工程を、外皮材料の一部が芯材の隙間に浸透するように行うことにより、螺旋管と編組体と外皮との密着性が向上する。
【0128】これらの効果を組み合わせることにより、特に優れた弾力性、耐久性を有する内視鏡用可撓管を製造することができる。




 

 


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