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発明の名称 保護リレーシステム
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−69660(P2001−69660A)
公開日 平成13年3月16日(2001.3.16)
出願番号 特願平11−245464
出願日 平成11年8月31日(1999.8.31)
代理人 【識別番号】100066474
【弁理士】
【氏名又は名称】田澤 博昭 (外1名)
【テーマコード(参考)】
5B045
【Fターム(参考)】
5B045 AA05 BB13 BB14 BB31 CC09 GG06 
発明者 戸津 ユリ / 伊藤 健司 / 中山 日出男 / 井上 和茂 / 嶋野 真司
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 電力系統の状態量を示す系統情報を入力して、その系統情報をLANに出力する一方、そのLANからトリップ信号を入力して、遮断器のトリップ回路にトリップ信号を出力する入出力処理用計算機と、上記入出力処理用計算機がLANに系統情報を出力すると、そのLANから系統情報を入力してリレー演算を実行し、電力系統の遮断器を開放する必要がある場合にはトリップ信号をLANに出力する保護リレー演算用計算機とを備えた保護リレーシステムにおいて、上記入出力処理用計算機及び保護リレー演算用計算機が取り扱う時刻の同期を図る時刻同期手段を設けるとともに、上記入出力処理用計算機と保護リレー演算用計算機間のデータ通信方式として、順番性でデータ通信を行う送信権方式を採用することを特徴とする保護リレーシステム。
【請求項2】 入出力処理用計算機が接続されているLANと、保護リレー演算用計算機が接続されているLANとを連係する連係LANを設けたことを特徴とする請求項1記載の保護リレーシステム。
【請求項3】 時刻同期手段は、時刻の同期を図る対象計算機を入出力処理用計算機に限定し、その対象計算機から保護リレー演算用計算機を除外することを特徴とする請求項1または請求項2記載の保護リレーシステム。
【請求項4】 入出力処理用計算機が保護リレー演算用計算機のリレー演算機能を兼ねることを特徴とする請求項1記載の保護リレーシステム。
【請求項5】 入出力処理用計算機に搭載されるアナログ・ディジタル変換器のサンプリングクロックを使用して、サンプリングの開始指令を上記アナログ・ディジタル変換器に与えることを特徴とする請求項4記載の保護リレーシステム。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電力系統、配電系統等の送配電系統における電力保護システムに係り、特に、技術革新が進んでいる汎用技術を使用して、大容量処理が可能で、低価格な保護リレーシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図15は従来の保護リレーシステムを示す構成図であり、図において、21は送電線の情報量3,4を入力して事故判定の演算処理を実施し、その演算結果に基づいて送電線に繋がる遮断器にトリップ指令を出力する送電線保護盤、22は変圧器の情報量5,9を入力して事故判定の演算処理を実施し、その演算結果に基づいて変圧器に繋がる遮断器にトリップ指令を出力する変圧器保護盤、23は変圧器の情報量6,10を入力して事故判定の演算処理を実施し、その演算結果に基づいて変圧器に繋がる遮断器にトリップ指令を出力する変圧器保護盤、24は母線の情報量1,2,7,8を入力して事故判定の演算処理を実施し、その演算結果に基づいて母線に繋がる遮断器にトリップ指令を出力する母線保護盤、25は配電線の情報量11,12を入力して事故判定の演算処理を実施し、その演算結果に基づいて配電線に繋がる遮断器にトリップ指令を出力する配電線保護盤である。
【0003】次に動作について説明する。計器用変流器(以下、CTという)が送電線の情報量3,4を送電線保護盤21に供給できるレベルに変成すると、その送電線の情報量3,4を送電線保護盤21に供給する。送電線保護盤21は、送電線の情報量3,4を受けると、予め定められた判定基準に従って事故判定の演算処理を実施し、その送電線に繋がる遮断器を開放する必要がある場合には、その遮断器にトリップ指令を出力する。
【0004】また、CTが変圧器の情報量5,9を変圧器保護盤22に供給できるレベルに変成すると、その変圧器の情報量5,9を変圧器保護盤22に供給する。変圧器保護盤22は、変圧器の情報量5,9を受けると、予め定められた判定基準に従って事故判定の演算処理を実施し、その変圧器に繋がる遮断器を開放する必要がある場合には、その遮断器にトリップ指令を出力する。
【0005】同様に、CTが送電線の情報量6,10を変圧器保護盤23に供給できるレベルに変成すると、その変圧器の情報量6,10を変圧器保護盤23に供給する。変圧器保護盤23は、変圧器の情報量6,10を受けると、予め定められた判定基準に従って事故判定の演算処理を実施し、その変圧器に繋がる遮断器を開放する必要がある場合には、その遮断器にトリップ指令を出力する。
【0006】さらに、CTが母線の情報量1,2,7,8を母線保護盤24に供給できるレベルに変成すると、その母線の情報量1,2,7,8を母線保護盤24に供給する。母線保護盤24は、母線の情報量1,2,7,8を受けると、予め定められた判定基準に従って事故判定の演算処理を実施し、その母線に繋がる遮断器を開放する必要がある場合には、その遮断器にトリップ指令を出力する。
【0007】また、CTが配電線の情報量11,12を配電線保護盤25に供給できるレベルに変成すると、その配電線の情報量11,12を配電線保護盤25に供給する。配電線保護盤25は、配電線の情報量11,12を受けると、予め定められた判定基準に従って事故判定の演算処理を実施し、その母線に繋がる遮断器を開放する必要がある場合には、その遮断器にトリップ指令を出力する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の保護リレーシステムは以上のように構成されているので、専用のハードウエア及び専用のソフトウエアを用いて各種の保護盤を製作すれば、電力系統を保護できるが、専用のハードウエアや専用のソフトウエアを用いて製作する必要があるため情報産業に代表される技術革新に遅れを取りがちである。その結果、演算処理能力の向上が限られ、しかも各メーカが独自に開発する関係上、開発コストが嵩む課題があった。なお、各メーカが専用ハードウエアや専用ソフトウエアを用いて製作するため互換性がなく、運用保守の習得に多くの時間を費やす必要がある課題もあった。
【0009】この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、技術革新が進む汎用技術を適用して、開発コストを低減することができる保護リレーシステムを得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明に係る保護リレーシステムは、系統情報の入力処理とトリップ信号の出力処理を実施する装置を汎用の計算機を用いて構成するとともに、リレー演算を実行する装置を汎用の計算機を用いて構成し、LANを介して各汎用の計算機間を接続するようにしたものである。また、各計算機が取り扱う時刻の同期を図る時刻同期手段を設けるとともに、各計算機間のデータ通信方式として、順番性でデータ通信を行う送信権方式を採用するようにしたものである。
【0011】この発明に係る保護リレーシステムは、入出力処理用計算機が接続されているLANと、保護リレー演算用計算機が接続されているLANとを連係する連係LANを設けたものである。
【0012】この発明に係る保護リレーシステムは、時刻の同期を図る対象計算機を入出力処理用計算機に限定し、その対象計算機から保護リレー演算用計算機を除外するようにしたものである。
【0013】この発明に係る保護リレーシステムは、入出力処理用計算機が保護リレー演算用計算機のリレー演算機能を兼ねるようにしたものである。
【0014】この発明に係る保護リレーシステムは、入出力処理用計算機に搭載されるアナログ・ディジタル変換器のサンプリングクロックを使用して、サンプリングの開始指令をアナログ・ディジタル変換器に与えるようにしたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1による保護リレーシステムを示す構成図であり、図において、30は電力系統の状態を示す系統情報を入力して、その系統情報をLAN50に出力する一方、そのLAN50からトリップ信号を入力して、遮断器のトリップ回路にトリップ信号を出力する汎用の入出力処理用計算機であり、取り込む電力系統情報を保護対象に関係なく集約したものである。40は例えば送電線保護用入出力処理端末である入出力処理用計算機30がLAN50に系統情報を出力すると、そのLAN50から系統情報を入力してリレー演算を実行し、電力系統の遮断器を開放する必要がある場合にはトリップ信号をLAN50に出力する汎用の保護リレー演算用計算機であり、複数の保護対象を集約したものである。50は各種の計算機を相互に接続する汎用のLANであり、イーサネットとUDP/IPを用いてブロードキャスト送信を実施し、全端末一斉送信を行うものである。
【0016】図2は入出力処理用計算機30及び保護リレー演算用計算機40の詳細構成を示す構成図であり、図において、61は入力変換器、62はアナログフィルター、63はA/D変換部(アナログ・ディジタル変換器)、64は伝送制御部、65はタイマLSI、66は割込LSI、67はデジタル入出力部、68はバス、69は伝送制御部、70はリレー演算部、71はタイマLSI、72は割込LSI、73はバス、74はトリップ回路である。なお、複数の系統情報を入力対象とする保護リレー演算では、電力系統の各情報量のサンプリングタイミングが同じタイミングである必要があるので、各計算機の伝送制御部64,69が時刻同期手段を構成して、各計算機間の時刻同期制御をソフトウエア処理にて実施する。また、確実なデータの送受信を行うため、データの送信タイミングをソフトウエア処理にて制御する。
【0017】図3はLAN50にイーサネットとUDP/IPを採用した場合のソフトウエアのメイン処理を示すフローチャートとメイン処理に割り込むIR0割込ハンドラの処理を示すフローチャートである。
【0018】次に動作について説明する。最初に、保護リレーシステム全体の動作を総括的に説明する。CTが電力系統の情報量1〜12のレベル変換を実行すると、電力系統の情報量1〜12は、入力変換器61によって入出力処理用計算機30に適した信号レベルに変換され、アナログフィルター62に入力される。
【0019】アナログフィルター62は、入力変換器61が情報量の信号レベルを変換すると、その情報量から不要な高調波成分を除去してA/D変換部63に出力する。A/D変換部63は、アナログフィルター62によって処理された情報量(アナログ信号)を所定のサンプリング周期毎にサンプリングして、そのアナログ信号をデジタル信号に変換する。
【0020】伝送制御部64は、A/D変換部63によりA/D変換された電力系統の瞬時値データ(デジタルの情報量)を所定の伝送フォーマットに加工してLAN50に出力する。LAN50は、入出力処理用計算機30の伝送制御部64が電力系統の瞬時値データを出力すると、その瞬時値データを全端末一斉送信する。
【0021】保護リレー演算用計算機40の伝送制御部69は、入出力処理用計算機30から伝送された電力系統の瞬時値データを取り込み、その瞬時値データのうち演算に必要なデータをリレー演算部70に出力する。リレー演算部70は、デジタルフィルター処理、リレー単体演算処理、シーケンス処理などの所定のリレー演算アルゴリズムに従ってリレー動作判定を実施する。その判定の結果、電力系統の遮断器を開放する必要がある場合には、トリップ信号を伝送制御部69に出力する。
【0022】そして、伝送制御部69は、リレー演算部70からトリップ信号を受け取ると、そのトリップ信号を所定の伝送フォーマットに加工してLAN50に出力する。LAN50は、保護リレー演算用計算機40の伝送制御部69がトリップ信号を出力すると、全端末一斉送信する。
【0023】入出力処理用計算機30の伝送制御部64は、保護リレー演算用計算機40から伝送されたトリップ信号を取り込み、そのトリップ信号のうち対象とする遮断器に関するトリップ信号のみをデジタル入出力部67に出力する。デジタル入出力部67は、伝送制御部64からトリップ信号を受けると、そのトリップ信号をトリップ回路74に出力する。
【0024】そして、トリップ回路74は、入出力処理用計算機30のデジタル入出力部67からトリップ信号を受けると、ハードウエア処理を実行して、電力系統における当該遮断器を開放する。
【0025】以上が保護リレーシステム全体の総括的な動作である。次に、イーサネットとUDP/IPを使用したデータ伝送(伝送制御部のメイン処理)について説明する。まず、入出力処理用計算機30及び保護リレー演算用計算機40の伝送制御部64,69は、タイマLSI65,71のスピーカ用カウンタであるカウンタ(2)を時間計測用に用いるため初期化する(ステップST1)。
【0026】次に、入出力処理用計算機30の伝送制御部64は、各入出力処理用計算機30内のA/D変換部63のサンプリングタイミング等を合わせるため、A/D変換部63の初期化を実施する(ステップST2,ST3)。そして、伝送制御部64,69は、電力系統の各情報量のサンプリングタイミングを合わせるため、初期同期制御処理を実施し、全計算機の時刻を合わせる(ステップST4)。初期同期制御処理の詳細は後述する。
【0027】次に、伝送制御部64,69は、割込LSI66,72を初期化して(ステップST5)、その後、割込LSI66,72の割込カウンタに変化があるか否かを判定する(ステップST6)。割込LSI66の割込カウンタに変化がある場合は、入出力処理用計算機30のA/D変換部63は、例えば、電気角30度(1389μ秒)毎にサンプリングして、電力系統のアナログの情報量をデジタルの情報量に変換する(ステップST7,ST8)。また、入出力処理用計算機30のデジタル入出力部67は、保護リレー演算用計算機40からトリップ信号を受けると、そのトリップ信号をトリップ回路74に出力する(ステップST9)。
【0028】割込LSI72の割込カウンタに変化がある場合は、保護リレー演算用計算機40のリレー演算部70がデジタルフィルター処理、リレー単体演算処理、シーケンス処理などの所定のリレー演算アルゴリズムに従ってリレーの動作判定を実施し、必要に応じてトリップ信号を入出力処理用計算機30に出力する(ステップST7,ST10)。
【0029】次に、伝送制御部のメイン処理に割り込むIR0割込ハンドラの処理を説明する。まず、入出力処理用計算機30及び保護リレー演算用計算機40の伝送制御部64,69は、処理フラグの値が“0”であるか否かを判定する(ステップST11)。
【0030】伝送制御部64,69は、処理フラグの値が“0”である場合には、割込LSI66,72の割込カウンタをインクリメント、即ち、カウンタ値を1増やす処理を実行する(ステップST12)。これにより、先のステップST6において、割込カウンタの変化が検出され、ステップST7の処理に移行することになる。
【0031】伝送制御部64,69は、割込カウンタをインクリメントすると、入出力処理用計算機30及び保護リレー演算用計算機40の起動と共に、時間計測を開始する(ステップST13)。そして、伝送制御部64,69は、後述するステップST20のオンライン同期制御処理を確保する時間200μ秒を考慮して、次回の割込時間を現時刻から200μ秒後に設定する(ステップST14)。
【0032】次に、伝送制御部64,69は、ステップST25の送信権通信制御処理に備えるため、処理フラグに“1”を代入する(ステップST15)。そして、入出力処理用計算機30の伝送制御部64は、A/D変換部63に対してサンプリング開始指令を出力する(ステップST16,ST17)。
【0033】次に、伝送制御部64,69は、割込終了を通知して(ステップST18)、割込禁止を解除する(ステップST19)。そして、伝送制御部64,69は、システム運用中に各計算機の時刻同期が外れないようにするため、オンライン同期制御処理を実施する(ステップST20)。オンライン同期制御処理の詳細は後述する。
【0034】伝送制御部64,69は、処理フラグの値が“0”でない場合には、起動周期がサンプリング周期の電気角30度(1389μ秒)に相当することと、オンライン同期制御処理を確保する時間が200μ秒であることを考慮して、次回の割込時間を現時刻から1189μ秒(1389−200μ秒)後に設定する(ステップST21)。
【0035】次に、伝送制御部64,69は、ステップST20における次周期のオンライン同期制御処理に備えるため、処理フラグに“0”を代入する(ステップST22)。そして、伝送制御部64,69は、割込終了を通知して(ステップST23)、割込禁止を解除する(ステップST24)。
【0036】次に、伝送制御部64,69は、送信権通信制御処理を実施し、データが衝突しないよう順番性で送信する(ステップST25)。送信権通信制御処理の詳細は後述する。
【0037】図3のステップST4における初期同期制御処理の処理内容を説明する。図4は初期同期制御処理の概念を示す概念図であり、図において、100は親端末、200は子端末である。ここで、親端末とは、全ての入出力処理用計算機30と全ての保護リレー演算用計算機40の中で、任意に設定された1台の計算機をいい、子端末とは、親端末以外の全ての計算機をいうものとする。なお、説明の便宜上、以下、単に「親端末」というときは親端末の伝送制御部を示し、単に「子端末」というときは子端末の伝送制御部を示すものとする。
【0038】まず、親端末100と子端末200間の伝送遅延時間を測定するために、親端末100から各子端末200に対して、複数回通信時間計測用のデータ送信して、その応答データを受信することにより、片道通信時間の平均値biを計測し、その片道通信時間の平均値biを各子端末200に送信する。
【0039】データ通信には必ず通信時間のばらつきが生じるが、複数回の通信時間を平均化することにより、同期制御にばらつきの影響がでないようにする。LANの長さ等により各端末間の通信時間が異なるため、子端末200の数だけ通信時間の測定を実施する。通信時間の測定が終了すると、親端末100は基準時間Cの計測を開始するとともに、同期タイミングデータを全部の子端末200にブロードキャスト送信する。
【0040】子端末200は同期タイミングデータの受信と同時に、(基準時間C−片道通信時間の平均値bi)の時間計測を実施する。親端末100は基準時間Cの経過後直ちに、マザーボードのシステム時間を初期化し、子端末200は同期タイミングデータ受信からの経過時間がC−bi以上になると、マザーボードのシステム時間を初期化する。
【0041】次に、初期同期制御処理を具体的に説明する。図5及び図6は初期同期制御処理の処理内容を示すフローチャートである。最初に親端末の処理内容を説明する。まず、親端末は、ポート番号8000のソケット接続のみを実施し、ブロードキャストのアドレス設定を実施する(ステップST31)。
【0042】次に、親端末は、システム時間を取得して(ステップST32)、変数iに“0”を代入し(ステップST33)、さらに、変数iを“1”だけインクリメントする(ステップST34)。そして、親端末は、第i端末用のデータ、即ち、通信時間計測用のデータを作成する(ステップST35)。
【0043】次に、親端末は、時間計測の回数を示す変数jに“0”を代入して(ステップST36)、時間計測を開始する準備を行う(ステップST37)。そして、親端末は、ステップST35において作成した第i端末用のデータを第i端末(子端末)に送信し、親端末と第i端末間のデータ通信時間の計測を開始する(ステップST38)。
【0044】そして、第i端末から送信される第i端末データの受信待ちを実施し(ステップST39)、第i端末データを受信すると、親端末と第i端末間通信の1往復時間の計測を終了し(ステップST40)、親端末と第i端末間通信のj回の往復時間の合計値を算出する(ステップST41)。なお、j回の往復時間の合計値を算出するため、ステップST42で変数jをインクリメントし、ステップST43で変数jが予め定めたテスト回数に到達したか否かを判定し、変数jが予め定めたテスト回数に満たない場合、再度、ステップST37〜ステップST42の処理を繰り返すものとする。
【0045】親端末は、j回の往復時間の合計値を算出すると、その合計値を変数jで除算して、1往復に要する通信時間の平均値を算出するとともに(ステップST44)、1往復時間の平均値を2で除算して片道の通信時間bを算出する(ステップST45)。このようにして、片道の通信時間bを算出すると、親端末は、親端末のシステム時間と片道の通信時間bを第i端末に送信する(ステップST46)。そして、変数iが子端末台数以上であるか否かを判定し(ステップST47)、子端末台数以上であれば、ステップST48に進み、子端末台数未満であれば、ステップST34に戻る。
【0046】次に、親端末は、子端末が受信待ちとなる程度の一定時間を待機し(ステップST48)、その後、基準時間の時間計測を開始する(ステップST49)。そして、親端末は、同期タイミングデータを子端末に送信し(ステップST50)、時間計測の開始からの経過時間を取得する(ステップST51)。
【0047】親端末は、予め定めた基準時間Cと経過時間を比較し(ステップST52)、その経過時間が基準時間Cを超えると、システム時間の設定を行う(ステップST53)。なお、システム時間の設定は、子端末においても実施し(ステップST73)、親端末と子端末の設定タイミングは同時である。これにより、マザーボードのシステム時間が全端末同一のデータに書き換えられる。
【0048】次に、子端末の処理内容を説明する。まず、子端末は、子端末がポート番号8000のソケット接続のみを実施し、ブロードキャストのアドレス設定を実施する(ステップST61)。
【0049】次に、子端末は、親端末の呼びかけに応答する応答データを作成し(ステップST62)、親端末から送信されるデータの受信待ちを行う(ステップST63)。そして、親端末からデータが送信されると、そのデータが自端末のデータであるか否かを判定し(ステップST64)、自端末のデータであれば、そのデータが通信時間計測用のデータであるか否かを判定する(ステップST65)。
【0050】子端末は、親端末から受信したデータが通信時間計測用のデータである場合、ステップST62で作成した応答データを親端末に送信する(ステップST66)。一方、子端末は、親端末から受信したデータが親端末のシステム時間と片道の通信時間bであれば、そのシステム時間と片道の通信時間bを取得して(ステップST67)、親端末から送信される同期タイミングデータの受信待ちを行う(ステップST68)。
【0051】そして、子端末は、親端末から同期タイミングデータを受信すると(ステップST69)、親端末と時刻を合わせるための時間計測を開始し(ステップST70)、時間計測開始からの経過時間を取得する(ステップST71)。
【0052】子端末は、予め定めた基準時間Cから片道通信時間bを引いた時間と経過時間を比較し(ステップST72)、その経過時間がその引いた時間を超えると、システム時間の設定を行う(ステップST73)。なお、システム時間の設定は、親端末と同時に実施するため、マザーボードのシステム時間が全端末同一のデータに書き換えられる。
【0053】図3のステップST20におけるオンライン同期制御処理の処理内容を説明する。図7はオンライン同期制御処理の概念を示すタイムチャートであり、図において、301は親端末の起動から送信までの処理を示し、302は親端末と時刻同期が取れている子端末の起動から受信までの処理を示し、303は親端末より遅れている子端末の起動から受信までの処理を示し、304は親端末より進んでいる子端末の起動から受信までの処理を示している。
【0054】親端末は起動から送信処理までの時間データaを各子端末にブロードキャスト送信する。各子端末は起動から受信までの時間xiを計測する。同期制御は、a,bi,xiの関係式を以下の3パターンに分けて行う。・x≒a+biのとき、同期制御は実施しない。・x<a+biのとき、子端末の起動が遅れていると判断し、起動を進めるよう、例えば、15μ秒進める等の微調整をする。・x>a+biのとき、子端末の起動が進んでいると判断し、例えば、次回割込時間設定を200μ秒から(a+bi)を引いた時間に再設定する。
【0055】次に、オンライン同期制御処理を具体的に説明する。図8はオンライン同期制御処理の処理内容を示すフローチャートである。最初に親端末の処理内容を説明する。まず、親端末は、図3のステップST13において開始した経過時間の計測を終了して、その計測時間を時間データaとする(ステップST81)。ここで、時間データaは親端末が起動してからデータの送信処理を行うまでの時間を示すものである。そして、親端末は、その時間データaを子端末に送信する(ステップST82)。
【0056】次に、子端末の処理内容を説明する。まず、子端末は、親端末から送信される時間データaの受信待ちを実施し(ステップST91)、その時間データaを受信すると、図3のステップST13において開始した経過時間の計測を終了して、その計測時間を時間データxとする(ステップST92)。ここで、時間データxは子端末が起動してから親端末が送信したデータの受信処理が完了するまでの時間を示すものである。
【0057】次に、子端末は、ステップST91で受信された時間データaを取得して(ステップST93)、その時間データaと、図5のステップST46で親端末から送信された片道通信時間bとを足し合わせて、その累計値を算出する(ステップST94)。
【0058】また、子端末は、ステップST92で取得した時間データxの累計値を算出し(ステップST95)、累計回数のインクリメントを行う(ステップST96)。そして、子端末は、累計回数が予め設定された回数である32回に到達したか否かを判定する(ステップST97)。
【0059】子端末は、累計回数が32回である場合、a+bの累計値からa+bの平均値を算出するとともに(ステップST98)、xの累計値からxの平均値を算出する(ステップST99)。ここで、a+bの平均値をAとし、xの平均値をXとする。
【0060】次に、子端末は、上記の平均値Aから平均値Xを引いた値(A−X)が、例えば、10μ秒よりも大きいか否かを判断する(ステップST100)。子端末は、(A−X)が10μ秒よりも大きい場合、子端末の起動が親端末の起動よりも遅れているため、子端末の起動を例えば15μ秒進めることとし、次回の割込時間を図3のステップST14で設定した時間から(A+15)μ秒差し引いた時間に再設定し(ステップST101)、上記の累計値を全てクリアする(ステップST102)。即ち、次回の割込時間を現時刻から(200−(A+15))μ秒後に再設定する。
【0061】子端末は、(A−X)が10μ秒よりも大きくない場合、上記の平均値Aから平均値Xを引いた値(A−X)が、例えば、−10μ秒よりも小さいか否かを判断する(ステップST103)。子端末は、(A−X)が−10μ秒よりも小さい場合、子端末の起動が親端末の起動よりも進んでいるため、子端末の起動を親端末の起動に合わせることとし、次回の割込時間を図3のステップST14で設定した時間からAμ秒差し引いた時間に再設定し(ステップST104)、上記の累計値を全てクリアする(ステップST102)。即ち、次回の割込時間を現時刻から(200−A)μ秒後に再設定する。
【0062】図9は図3のステップST25における送信権通信制御処理の処理内容を示すフローチャートである。まず、伝送制御部64,69は、送信権通信制御処理を実施するに際し、端末の番号を意味する変数iに0を代入する(ステップST111)。
【0063】伝送制御部64,69は、自端末の番号が変数iと一致するか否かを判断する(ステップST112)。伝送制御部64,69は、自端末の番号が変数iと一致しない場合、他端末から送信されるデータの受信待ちを実施し(ステップST113)、他端末からデータを受信すると、変数iをインクリメントする(ステップST114)。
【0064】一方、自端末の番号が変数iと一致する場合、自端末にデータの送信権があるので、他端末に系統情報等のデータをブロードキャスト送信し(ステップST116)、変数iをインクリメントする(ステップST114)。そして、伝送制御部64,69は、変数iが全端末台数と一致するか否かを判断し、一致すれば、RETURNを返す(ステップST115)。
【0065】以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、系統情報の入力処理とトリップ信号の出力処理を実施する装置を汎用の計算機を用いて構成するとともに、リレー演算を実行する装置を汎用の計算機を用いて構成し、LAN50を介して各汎用の計算機間を接続するので、技術革新が進む汎用技術を適用して、開発コストを低減することができる効果を奏する。また、入出力処理用計算機30は電力系統の現場機器近傍に設置し、保護リレー演算用計算機40はLAN50を経由して配電盤室に設置する場合には、現場機器から入出力用計算機30までの距離が短くなるため、制御ケーブルの大幅な削減につながり、トータルコストの低減を図ることができる効果を奏する。
【0066】さらに、複数の系統情報を入力対象とする保護リレー演算では、電力系統の各情報量のサンプリングタイミングが同じタイミングである必要があるが、各計算機間の時刻同期制御をLAN50経由で実施するので、保護リレーの演算精度を高めることができる効果を奏する。また、各計算機間の時刻同期制御を実施するに際し、GPS等の外部信号を用いることなく実施できるので、装置構成を簡略化することもできる。また、一定の周期で処理を行っている保護リレーシステムにイーサネットを適用する場合、データの衝突による応答時間の不確定さが問題となるが、一定の周期で各計算機の起動をかけて、送信権制御により順番性でデータ通信を実施するので、データの衝突が発生せず、時間的な正確さを確保することができる効果を奏する。また、UDP/IPを用いたブロードキャスト送信を実施することにより、全端末一斉送信を実施できるため伝送効率が向上する効果も奏する。
【0067】因みに、従来の保護リレーシステムの開発コストは、ハードウエア費用が占める割合が極めて高いが、この実施の形態1では、市販の計算機及びLANを使用するため、ハードウエア費用が割安になる。ソフトウエア費用として、LAN制御用ソフトの開発費が発生するが、ソフトウエアはハードウエアと異なり、数が出ればコピー効果により価格が低下するため、ハードウエア費用減少分以下の価格に押さえることができる。したがって、従来の保護リレーシステムよりも安く構築することができる。
【0068】実施の形態2.上記実施の形態1では、1つのLAN50に入出力処理用計算機30と保護リレー演算用計算機40が接続されているものについて示したが、図10に示すように、入出力処理用計算機30及び保護リレー演算用計算機40をLAN51又はLAN52に接続し、連係端末81,82及び連係LAN53を介してLAN51とLAN52を連係するようにしてもよい。
【0069】図11は連係端末のソフトウエアのメイン処理を示すフローチャートであり、図において、図3と同一符号は同一または相当部分を示している。連係端末81,82は、自己が管理する計算機(連係端末81であれば、LAN51に接続されている計算機、連係端末82であれば、LAN52に接続されている計算機)に対して送信権通信制御処理を実施すると(ステップST25)、連係フラグに“1”を代入する(ステップST124)。なお、この送信権通信制御処理は、連係端末81,82が他方の連係端末82,81から送信されたデータを自己が管理する計算機に送信するものである。
【0070】そして、連係端末81,82は、割込カウンタが変化すると、連係フラグが“1”であるか否かを判定し(ステップST121)、連係フラグが“1”である場合には、他方の連係端末82,81に対して送信権通信制御処理を実施し(ステップST122)、連係フラグに“0”を代入する(ステップST123)。なお、この送信権通信制御処理は、自己が管理する計算機から送信されたデータを他方の連係端末82,81に送信するものである。
【0071】これにより、1つのLAN50では送信権通信制御処理の制約上、端末台数が限られる場合でも、LANを増設して連係LAN53で繋ぐことにより、端末台数を増やすことができるため、大規模変電所であっても、1システムで対応することができる効果を奏する。また、保護リレーシステムに限らず、監視制御システム等との連係も可能になる。
【0072】実施の形態3.上記実施の形態1,2では、入出力処理用計算機30及び保護リレー演算用計算機40の双方が時刻同期処理を実施するものについて示したが、系統情報のサンプリングを行う入出力処理用計算機30のみが時刻同期処理を実施するようにしてもよい。
【0073】図12は入出力処理用計算機30のみが時刻同期を実施するときの保護リレー演算用計算機40のソフトウエア処理を示すフローチャートである。保護リレー演算用計算機40は、図5のステップST31と同様のソケット接続を実施し、ブロードキャストのアドレス設定を実施する(ステップST131)。そして、保護リレー演算用計算機40は、図3のステップST25と同様の送信権通信制御処理を実施し(ステップST132)、ステップST10と同様の保護リレー演算を実施する(ステップST133)。
【0074】これにより、保護リレー演算用計算機40には、ステップST4の初期同期制御処理及びステップST20のオンライン同期制御処理が不要となり、同期制御処理に要する時間分を保護リレー演算用の時間として稼ぐことができる。
【0075】実施の形態4.上記実施の形態1では、LAN50に入出力処理用計算機30及び保護リレー演算用計算機40が接続されているものについて示したが、入出力処理用計算機30が保護リレー演算用計算機40のリレー演算機能を兼ねて、入出力処理用計算機30が入出力の処理と保護リレー演算の処理を実施するようにしてもよい。
【0076】図13はリレー演算機能を有する入出力処理用計算機30のソフトウエア処理を示すフローチャートであり、図において、図3と同一符号は同一または相当部分を示している。ステップST141では、タイマLSIのカウンタ(0)に、例えば、サンプリング周期である電気角30度(1389μ秒)の周期設定を行う。
【0077】これにより、入出力処理用計算機30の伝送制御部64が不要となり、初期同期制御処理,オンライン同期制御処理及び送信権通信制御処理を実施する必要がなくなる分、保護リレー演算処理の時間を稼げるため、保護範囲が小さい場合には、1端末を効率良く使用することができる効果を奏する。
【0078】実施の形態5.上記実施の形態4では、タイマLSIに割込周期を設定し、割込LSIのIR0割込ハンドラの起動により、A/Dサンプリング開始指令を出力するソフトウェア処理を示したが、A/D変換部63のサンプリングクロックを使用して、サンプリングの開始指令をA/D変換部63に与えるようにしてもよい。
【0079】図14は1端末だけで保護リレーシステムを構築し、サンプリング開始指令としてA/D変換部63のサンプリングクロックを使用するときのソフトウエア処理を示すフローチャートである。ステップST151では、A/D変換部63の初期化と同時に、A/D変換部63のサンプリングクロックを例えばサンプリング周期である電気角30度(1389μ秒)の周期に設定する。ステップST152では、系統情報のサンプリングが完了したか否かを判定し、完了していれば、ステップST8の処理に進むようにしている。
【0080】これにより、A/D変換部63自身のサンプリングクロックにより、サンプリング周期の正確さを確保できるため、OSの安定性及び電気角30度(1389μ秒)近辺の周期性に関する時間的正確さが劣るマルチタスクOSの使用が可能になる。
【0081】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、系統情報の入力処理とトリップ信号の出力処理を実施する装置を汎用の計算機を用いて構成するとともに、リレー演算を実行する装置を汎用の計算機を用いて構成し、LANを介して各汎用の計算機間を接続するように構成したので、技術革新が進む汎用技術を適用して、開発コストを低減することができる効果がある。また、入出力処理用計算機は電力系統の現場機器近傍に設置し、保護リレー演算用計算機はLANを経由して配電盤室に設置する場合には、現場機器から入出力用計算機までの距離が短くなるため、制御ケーブルの大幅な削減につながり、トータルコストの削減を図ることができる効果がある。また、入出力処理用計算機及び保護リレー演算用計算機が取り扱う時刻の同期を図るように構成したので、保護リレーの演算精度を高めることができる効果がある。また、各計算機間の時刻同期制御を実施するに際し、GPS等の外部信号を用いることなく実施できるので、装置構成を簡略化することもできる。さらに、一定の周期で各計算機の起動をかけて、送信権制御により順番性でデータ通信を実施するので、データの衝突が発生せず、時間的な正確さを確保することができる効果がある。
【0082】この発明によれば、入出力処理用計算機が接続されているLANと、保護リレー演算用計算機が接続されているLANとを連係する連係LANを設けるように構成したので、1つのLANでは送信権通信制御処理の制約上、端末台数が限られる場合でも、LANを増設して連係LANで繋ぐことにより、端末台数を増やすことができるため、大規模変電所であっても、1システムで対応することができる効果がある。
【0083】この発明によれば、時刻の同期を図る対象計算機を入出力処理用計算機に限定し、その対象計算機から保護リレー演算用計算機を除外するように構成したので、保護リレー演算用計算機ではオンライン同期制御処理が不要になる分、保護リレー演算時間が増える効果がある。
【0084】この発明によれば、入出力処理用計算機が保護リレー演算用計算機のリレー演算機能を兼ねるように構成したので、入出力処理用計算機の伝送制御部が不要となり、初期同期制御処理,オンライン同期制御処理及び送信権通信制御処理を実施する必要がなくなる分、保護リレー演算処理の時間を稼げるため、保護範囲が小さい場合には、1端末を効率良く使用することができる効果がある。
【0085】この発明によれば、入出力処理用計算機に搭載されるアナログ・ディジタル変換器のサンプリングクロックを使用して、サンプリングの開始指令をアナログ・ディジタル変換器に与えるように構成したので、安定性や定周期性等の時間的正確さが劣るマルチタスクOSも使用することができる効果がある。




 

 


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