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発明の名称 空気電池
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−313093(P2001−313093A)
公開日 平成13年11月9日(2001.11.9)
出願番号 特願2000−133306(P2000−133306)
出願日 平成12年5月2日(2000.5.2)
代理人 【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也 (外3名)
【テーマコード(参考)】
5H032
5H050
【Fターム(参考)】
5H032 AA02 AS01 AS12 EE01 HH04 
5H050 AA07 BA20 CA12 CB11 CB13 DA03 DA09 EA08 EA09 EA10 HA07
発明者 山本 一富 / 小林 智浩
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 正極活物質に空気中の酸素、負極に800m2 /g以上の比表面積を有する炭素材料、電解液にアルカリ水酸化物を使用することを特徴とする空気電池。
【請求項2】 炭素材料として活性炭、カーボンナノチューブ、もしくはグラファイトナノファイバーを使用することを特徴とする請求項1記載の空気電池。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、充電が可能な空気電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】空気電池は、一般的に正極活物質として空気中の酸素、負極活物質として金属を用いる電池を総称するものであって、空気中の酸素を電池内に取り込むための空気極には触媒作用を有する多孔質炭素材料、多孔質金属材料、もしくは両者の複合材料が使用され、負極には亜鉛、鉄あるいはアルミニウム、そして電解液には30%前後の水酸化カリウム水溶液、塩化アンモニウム溶液もしくは塩化亜鉛溶液が使用される電池である。これらは、その構成によりそれぞれ空気−亜鉛電池、空気−鉄電池、空気−アルミニウム電池と呼ばれている。
【0003】空気電池の特徴は、正極活物質として空気中の酸素を使用するため電池内に正極活物質を充填しておく必要がなく、したがって電池セルへの負極活物質の充填量を多くして大容量の電池を作成することができる点である。放電では、空気中のO2 が空気極の触媒作用でOH- となり負極活物質と反応する。現在市販されている空気電池は、空気−亜鉛電池のみであるが、すべてコイン型の一次電池であり、補聴器用やポケットベル(登録商標)用として利用されている。
【0004】1970年代には、電気自動車用電源への利用を目的として、空気電池の二次電池化が研究されたが実用には至らなかった。空気−亜鉛電池で二次電池化が困難だった理由は、負極に使用している亜鉛が充電時にデンドライト成長を起こすため短絡を生じたり、充放電効率が悪く、さらに空気極に使用している炭素材料が酸化消耗してしまうなど解決すべき課題が多かったためである。
【0005】負極の亜鉛デンドライト防止に関しては、機械式充電と呼ばれるような放電終了後亜鉛極を新しいものと交換する電極交換型の二次電池が開発されている。さらに亜鉛粉末を電解液とともに循環し、放電生成物の充電を外部で行い、再び電池内に戻す方式も検討されている。一方、空気極の酸化消耗の防止に関しては、三電極方式と呼ばれる技術が開発されている。これは、放電では多孔質炭素材料が使用され、充電では非酸化性の多孔質金属材料などを自動で切り替えて使用する方式である。
【0006】さらに空気極へWC、Coなど酸素過電圧を低下させする物質を添加したり、La0.5 Sr0.5 CoO3 のような耐酸化性のある触媒を添加する方法も開発されている。しかし、いずれにおいても電極固定式かつ電解液固定式の二次電池を目指した解決手段ではない。
【0007】なお、空気−鉄電池および空気−アルミニウム電池の二次電池も試作されたが、以下に記述する理由から実用に至っていない。空気−鉄電池は、亜鉛のようにデンドライト発生の問題がなく、エネルギー密度が大きい反面、寿命が短く、電解液の定期交換が必要とされる。空気−アルミニウム電池は、水溶液系電解液では充電不可能なために基本的に機械式充電以外に二次電池化が困難である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】近年、環境に対する配慮からクリーンな電気エネルギーが求められている。空気電池が電極固定式かつ電解液固定式で二次電池化されることは、電気自動車のみならず携帯用電子機器の電源としても非常に好ましい。急速充電が可能ならば、用途はより一層広がるものと考えられるが、負極活物質の化学的性質が不安定なため実用レベルのサイクル安定性を示す空気電池は未だ完成していない。
【0009】本発明は、空気電池の二次電池化における上記課題を解決するものであって、電極固定式かつ電解液固定式で、サイクル安定性に優れ、急速充電が可能な空気電池を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の空気電池は、正極活物質に空気中の酸素、負極に800m2 /g以上の比表面積を有する炭素材料、電解液にアルカリ水酸化物を使用することにより上記課題を解決している。空気電池の放電では、空気極で大気中のO2 がOH- に還元され、電解液中でOH- が負極の金属と反応して金属水酸化物になる。
【0011】このときの空気極と負極における反応式は、次の通りである。
空気極:O2 +2H2 O+4e- →4OH- ・・・・・・(1)
負 極:2M+4OH- →2M(OH)2 +4e- ・・・(2)
(Mは2価金属を示す)
上記反応式に関して、視点を負極に置いた時には、負極の金属が水で酸化されてH+ が発生し、H+ が空気極で生成したOH- と反応して減極されると考えることができる。
【0012】すなわち反応式は次の通りである。
空気極:2 +2H2 O+4H+ +4e- →4OH- +4H+ →4H2 O・・(3)
負 極: 2M+4H2 O→2M(OH)2 +4H+ +4e- ・・・・・・・・(4)
空気電池を二次電池化するために、負極はH+ 吸蔵性もしくは吸着性を有し、なおかつアルカリ水酸化物水溶液と化学反応を起こさない物質が最適である。
【0013】これらの条件を満たす物質は、活性炭、カーボンナノチューブ、もしくはグラファイトナノファイバー等の炭素材料である。そして、これら炭素材料は、比表面積が800m2 /g以上でなければならない。比表面積が800m2 /gより小さい場合にはH+ の吸着量が小さすぎ、実用的な放電容量が得られない。比表面積は一般的に大きいほど好ましい。
【0014】本発明の空気電池は、基本的にO2 のレドックス反応に対して触媒作用を有する空気極、比表面積が800m2 /g以上の炭素材料の負極、空気極と負極を分けるセパレータ、そしてアルカリ水酸化物水溶液で調製された電解液で構成する。まず電池は組み上げた後、最初に充電を行う。
【0015】充電では負に分極した炭素材料表面に水の分解によって生成したH+ が吸着し、炭素材料表面と電解液との固液界面に形成される電気二重層に電荷が蓄積される。このとき、空気極からはO2 が発生する。一方、放電ではH+ が炭素表面から離脱し、空気極で生成したOH- と反応し水が生成する。このとき、電気二重層に蓄積されていた電荷は放出される。
【0016】この反応は次の反応式に示すように水の分解、生成反応である。
+ +OH- ⇔H2 O・・・・(5)
活性炭は、炭素質を水蒸気や二酸化炭素と反応させることにより賦活し、微細孔が発達した構造となっているが、原料および賦活条件によって比表面積、細孔分布、表面性状が大きく変化するので、電池性能が向上する品質のものを適宜選択する。一般にフェノール樹脂を原料として調製した活性炭は高い比表面積を有する。形状は、繊維状、球状、粒状のいずれでも良い。充電でH+ は微細孔内に吸着され、電気二重層に電荷が蓄積する。
【0017】カーボンナノチューブは、アーク放電やSiCの真空加熱によって生成され、炭素網面一枚が筒状になった単層チューブ形状となっている。チューブは直径1.2nm位であり、比表面積は3000m2 /g以上になる。充電でH+ はチューブ内外面に吸着され、電気二重層に電荷が蓄積する。グラファイトナノファイバーは、エチレンなどを金属触媒上で熱分解したとき生成する直径100nm程度の繊維状炭素で、黒鉛結晶端面が非常に多く表面に露出した構造である。H+ は黒鉛結晶層間に吸着され、電気二重層に電荷が蓄積する。
【0018】炭素材料はH+ の吸着、放出の際に化学変化を伴わない。したがって、高電流密度充電が可能であり、高いサイクル安定性を有する電池となる。空気極は、耐酸化性とガス透過性が維持されていれば高電流密度充電には何ら支障を与えない。空気極には、触媒を担持したカーボンを使用するのが良い。触媒を担持することで反応式(1)で表される4電子還元が進行し、カーボンの酸化消耗も防止できる。電極構造は、電解液が大気中の炭酸ガスを吸着しないように配慮し、また酸化還元に対して分極抵抗の小さなものとすることが、高電流密度放電を可能にするため必要である。
【0019】触媒には、白金の他、銀、二酸化マンガン、ニッケル−コバルト複合酸化物、フタロシアニン系化合物、WC、Co、FeWO、NiS、Co(OH)2 、La0.5 Sr0.5 CoO3 、Pr0.2 Ca0.8 Mn0.1 Fe0.9 La0.8 Rb0.2MnO3 などが知られており、これらを単独もしくは組み合わせて使用できるが、これらに限るものではない。またカーボンは、カーボンブラック、活性炭などが適当である。ただしカーボンブラックは製法によって性質が異なり、例えば疎水性が強いアセチレンブラックは空気極のガス供給部分、疎水性が弱いカーボンブラックは酸化還元反応部分に使用すると良い。
【0020】アルカリ水酸化物水溶液は、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムの水溶液の中から選択するのが好ましく、濃度は30〜40%が適当である。ただし電気伝導度、化学的安定性を考慮し、電池が最も良好な特性を示す濃度を任意に決定する。アルカリ水酸化物水溶液以外の塩化アンモニウム、塩化亜鉛などの弱酸性電解液は炭酸ガス吸収の影響がないという特徴があるが、強負荷特性で劣り、充電時に塩素ガスを発生するので使用に適さない。
【0021】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施の一形態である空気電池の構成図である。この空気電池は、空気孔8を設けたステンレス製の正極容器4に、空気拡散用不織布5、多孔質ポリテトラフルオロエチレン膜6、集電網7を設けた空気極9、セパレーター用不織布10、負極2、負極容器1を重ね合わせ、正極容器4と負極容器1との間をガスケット3で封止した構成となっている。
【0022】負極2には、800m2 /g以上の比表面積を有する活性炭、カーボンナノチューブもしくはグラファイトナノファイバーを使用する。いずれの材料も1t/cm2 以上で所定の形状にプレス成形した後、電解液に1h以上浸漬し、表面を十分濡らしておく。電解液は加圧浸透させても構わない。また形状を維持するために、ポリテトラフルオロエチレンなどの結着剤を使用することに関しては何ら問題はないが、炭素材料表面を完全に被覆する結着剤は放電容量低下を引き起こすので使用できない。ただし活性炭織布の場合は、所定の大きさに切断し、電解液に浸漬した後そのまま使用する。
【0023】空気極9は、木、おがくず、フェノール樹脂などを原料とした炭素材料を水蒸気もしくは空気雰囲気で500〜1000℃で賦活した活性炭に白金、二酸化マンガンなどの触媒を担持した物が最適である。粒径は100μm以下で、比表面積は200〜1000m2 /gが適当であるが、これに限るものではない。白金、二酸化マンガンなどの触媒は、これら塩類をあらかじめ炭素材料に添加し、塩類の分解によって担持を行う。
【0024】触媒を担持した活性炭は、繊維状、球状、粒状のいずれにおいても結着剤としてポリテトラフルオロエチレンを重量比で5〜10%混合した後、150℃で圧延ロールし、100μmのシート状に加工する。結着剤は、ポリテトラフルオロエチレン以外に、ポリフッ化ビニリデンなどの様にアルカリ水酸化物水溶液に対して耐食性があり、電気的に安定な材料なら使用できるが、粒子を完全に覆ってしまうようなものは使用できない。またシートの強度を保つ範囲であれば結着剤の混合比は任意に変えることが可能である。シート状に加工した活性炭は、ニッケル、ステンレスなどの集電網7(目開き150μm)に4.9×104 Pa以上で圧着し空気極9とする。
【0025】この空気極9の集電網7側には多孔質ポリテトラフルオロエチレン膜6を密着させ、大気の出入り制御し、電解液の漏液防止を行う。さらに、多孔質ポリテトラフルオロエチレン膜6の上に触媒層へのO2 の均一拡散を行うためポリプロピレン製の空気拡散用不織布5を重ね合わせる。電解液は、一般に30%KOH溶液を使用する。電池の特性向上が図れるのなら任意に変更可能である。ただし、あまり希薄な溶液は電気伝導度が低下し、急速充放電を不可能にする。
【0026】なお、上記各構成部材は、電池性能を低下させない範囲で変更可能である。
【0027】
【実施例】〔実施例1〕負極2は、フェノール樹脂を原料に使用して調製された比表面積1500m2/gを有する活性炭織布から縦横30mm×30mm、厚さ0.4mmのシートを切り出し、30%KOH水溶液に1h浸漬したものを使用した。
【0028】空気極9は、ヤシガラを原料とした炭素材料を水蒸気を導入しながら900℃で賦活した活性炭で、触媒として白金と二酸化マンガンを担持した物を使用した。触媒を担持した活性炭の平均粒径は90μmで、比表面積は1000m2 /gであった。この活性炭にポリテトラフルオロエチレンを重量比で5%混合した後、150℃で圧延ロールし、100μmの厚みでシート状に加工した。
【0029】シート状に加工した活性炭を縦横30mm×30mmのシートに切断し、ステンレス製集電網7(目開き150μm)に9.8×104 Paで圧着し空気極9とした。この空気極9の集電網7側にはポリテトラフルオロエチレン膜6を密着させ、その上にポリプロピレン製の不織布を重ね合わせた。電解液は、30%KOH溶液を使用した。
【0030】以上の負極2、空気極9、電解液を使用し、図1に示す通り、空気孔8を設けたステンレス製の正極容器4に、空気拡散用不織布5、多孔質ポリテトラフルオロエチレン膜6、集電網7を設けた空気極9、セパレーター用不織布10、負極2、負極容器1の順で重ね合わせ、空気電池を構成した。空気電池は、0〜1.45Vの範囲で充電電流30A、放電電流2mAの充放電を行い、サイクル安定性を調べた。
【0031】図2に放電容量のサイクル変化を示す。初回放電容量は、30mAh/cm3で、50サイクル後の放電容量は初回放電容量の100%を維持していた。
〔実施例2〕負極に使用した活性炭不織布の比表面積が、800m2 /gであること以外、実施例1と同様に空気電池を構成し、同様にサイクル安定性を調べた。
【0032】図2に放電容量のサイクル変化を示す。初回放電容量は、10mAh/cm3で、50サイクル後の放電容量は初回放電容量の100%を維持していた。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、空気電池を、電極固定式かつ電解液固定式で、サイクル安定性に優れ、急速充電が可能な二次電池とすることができ、電気自動車のみならず携帯用電子機器用の電源として環境に対してクリーンな電気エネルギーを供給することが可能となる。




 

 


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