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発明の名称 2色成形品および腕時計バンド
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−24343(P2001−24343A)
公開日 平成13年1月26日(2001.1.26)
出願番号 特願平11−198475
出願日 平成11年7月13日(1999.7.13)
代理人 【識別番号】100074985
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 次郎
【テーマコード(参考)】
4E360
【Fターム(参考)】
4E360 AD03 GB81 GC08 
発明者 南 俊二 / 園田 博行
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】第1樹脂層と第2樹脂層とからなる2色成形品において、前記第1樹脂層と前記第2樹脂層とのうち、少なくとも一方の樹脂層に他方の樹脂層の材料成分と同じ材料成分を混入させたことを特徴とする2色成形品。
【請求項2】第1樹脂層と第2樹脂層とを2色成形してなる腕時計バンドにおいて、前記第1樹脂層と前記第2樹脂層とのうち、少なくとも一方の樹脂層に他方の樹脂層の材料成分と同じ材料成分を混入させたことを特徴とする腕時計バンド。
【請求項3】第1樹脂層と第2樹脂層とからなる2色成形品において、前記第2樹脂層は、発光性を有する蓄光層からなり、前記第1樹脂層内にその外表面に露出した状態で埋め込まれて形成されていることを特徴とする2色成形品。
【請求項4】第1樹脂層と第2樹脂層とを2色成形してなる腕時計バンドにおいて、前記第2樹脂層は、発光性を有する蓄光層からなり、前記第1樹脂層内にその外表面に露出した状態で埋め込まれて形成されていることを特徴とする腕時計バンド。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、2色成形品および腕時計バンドに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、腕時計バンドにおいては、合成樹脂製のものが知られており、特に、機能性および装飾性などを考慮して、2種類の合成樹脂を2色成形したもの、あるいは合成樹脂製のバンド本体の表面に蓄光層を設けたものなどが広く知られている。前者の腕時計バンドとしては、例えば、第1樹脂層に強度の安定したエーテル系ウレタンなどを用い、第2樹脂層に安価で加飾性に優れたカプロラクトン系ウレタンなどを用い、これらをインサート成形により2色成形した構造になっている。また、後者の腕時計バンドとしては、例えば、バンド本体を合成樹脂で形成し、その表面に発光性を有する蓄光層を印刷装置や塗布装置などで膜状に形成し、夜間などの暗い場所で蓄光層が発光する構造になっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の腕時計バンドでは、第1樹脂層と第2樹脂層との材質が互いに異なっているため、インサート成形により2色成形した際、第1樹脂層と第2樹脂層との互いに接触する面同士が密着するだけで、両者の面同士が完全に融合せず、剥がれやすいという問題がある。なお、このような問題を防ぐために、2色成形品に複数の穴部を設け、これら複数の穴部に別の樹脂を埋め込んで第1樹脂層と第2樹脂層とが剥がれないように接合することが考えられているが、このようにすると、構造が複雑となり、製造工程数も多くなり、製造コストが高くなるなどの問題が生じる。また、後者の腕時計バンドでは、合成樹脂製のバンド本体の表面に蓄光層を印刷装置や塗布装置などで膜状に形成した構造であるから、バンド本体に対する蓄光層の定着力が弱く、蓄光層が剥がれやすいばかりか、汗などによる影響を受けやすいなどの問題がある。
【0004】この発明の課題は、2色成形により材質の異なる2種類の樹脂層同士を強固に固着させることができ、耐久性に優れたものを得ることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、第1樹脂層と第2樹脂層とからなる2色成形品において、前記第1樹脂層と前記第2樹脂層とのうち、少なくとも一方の樹脂層に他方の樹脂層の材料成分と同じ材料成分を混入させたことを特徴とする。この発明によれば、少なくとも一方の樹脂層に他方の樹脂層の材料成分と同じ材料成分を混入させたので、第1樹脂層と第2樹脂層とを2色成形したときに、第1樹脂層と第2樹脂層との両者に共通の材料成分により、第1樹脂層と第2樹脂層との接合面同士が融合し合い、これにより第1樹脂層と第2樹脂層との接合強度を高めることができ、材質の異なる2種類の樹脂層同士を強固に固着することができ、耐久性に優れた2色成形品を得ることができる。
【0006】請求項2記載の発明は、第1樹脂層と第2樹脂層とを2色成形してなる腕時計バンドにおいて、前記第1樹脂層と前記第2樹脂層とのうち、少なくとも一方の樹脂層に他方の樹脂層の材料成分と同じ材料成分を混入させたことを特徴とする。この発明によれば、少なくとも一方の樹脂層に他方の樹脂層の材料成分と同じ材料成分を混入させたので、請求項1記載の発明と同様、第1樹脂層と第2樹脂層とを2色成形したときに、第1樹脂層と第2樹脂層との両者に共通の材料成分により、第1樹脂層と第2樹脂層との接合面同士が融合し合い、これにより第1樹脂層と第2樹脂層との接合強度を高めることができ、材質の異なる2種類の樹脂層同士を強固に固着することができ、耐久性に優れた腕時計バンドを得ることができる。
【0007】請求項3記載の発明は、第1樹脂層と第2樹脂層とからなる2色成形品において、前記第2樹脂層は、発光性を有する蓄光層からなり、前記第1樹脂層内にその外表面に露出した状態で埋め込まれて形成されていることを特徴とする。この発明によれば、蓄光層からなる第2樹脂層を第1樹脂層内にその外表面に露出させた状態で埋め込んで形成したので、従来のように印刷装置や塗布装置などで膜状に形成した場合に比べて、第2樹脂層の蓄光層を第1樹脂層に強固に固定することができるとともに、汗などによる影響を受けにくくすることができ、これにより耐久性に優れた2色成形品を得ることができる。
【0008】請求項4記載の発明は、第1樹脂層と第2樹脂層とを2色成形してなる腕時計バンドにおいて、前記第2樹脂層は、発光性を有する蓄光層からなり、前記第1樹脂層内にその外表面に露出した状態で埋め込まれて形成されていることを特徴とする。この発明によれば、蓄光層からなる第2樹脂層を第1樹脂層の外表面に露出させた状態で第1樹脂層に埋め込んで形成したので、請求項3記載の発明と同様、従来のように印刷装置や塗布装置などで膜状に形成した場合に比べて、第2樹脂層の蓄光層を第1樹脂層に強固に固定することができるとともに、汗などによる影響を受けにくくすることができ、これにより耐久性に優れた腕時計バンドを得ることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】[第1実施形態]以下、図1〜図3を参照して、この発明の2色成形品を腕時計バンドに適用した第1実施形態について説明する。図1は腕時計バンドの正面図、図2はそのA−A矢視における断面図、図3は図2の要部の拡大断面図である。この腕時計バンド1は、図1および図2に示すように、第1バンド2と第2バンド3とを備え、第1バンド2が腕時計ケース4の6時側(図1では右側)に設けられたバンド取付部5aに取り付けられ、第2バンド3が腕時計ケース4の12時側(図1では左側)に設けられたバンド取付部5bに取り付けられた構成になっている。この場合、左側の第2バンド3の左端部には、ツク棒6aを有する尾錠6が取付ピン6bにより取り付けられている。また、右側の第1バンド2には、尾錠6のツク棒6aが挿入する係止孔7が第2バンド5の長手方向に沿って等間隔に複数個設けられている。
【0010】この腕時計バンド1は、図1および図2に示すように、第1バンド2および第2バンド3の両者とも、第1樹脂層8と第2樹脂層9とで構成されている。第1樹脂層8は、図3に示すように、ベース層であり、経時的に強度の安定した合成樹脂、例えばエーテル系ウレタンで形成されている。第2樹脂層9は、装飾層であり、安価で加飾性に優れた合成樹脂で、かつ第1樹脂層8と同じ材料成分を数%程度混入し合成樹脂、例えばエステル系ウレタンのうちのカプロラクトン系ウレタンをベースとし、その中にエーテル系ウレタンを数%程度混入させた樹脂で形成されている。この第2樹脂層9は、ベース層である第1樹脂層8内に埋め込まれてその上面に露出した状態で形成されている。すなわち、この腕時計バンド1は、第2樹脂層9を成形用金型内に配置した状態で第1樹脂層8を成形するインサート成形により2色成形されている。
【0011】このような腕時計バンド1では、第1樹脂層8と第2樹脂層9とをインサート成形により2色成形した際、第2樹脂層9に第1樹脂層8の材料成分と同じ材料成分であるエーテル系ウレタンが数%程度混入されているので、第1樹脂層8と第2樹脂層9との両者にエーテル系ウレタンが共通の材料成分として存在し、この共通の材料成分により、エーテル系ウレタンからなる第1樹脂層8と、カプロラクトン系ウレタンをベースとする第2樹脂層9とがその接合面で融合し合う。このため、第1樹脂層8と第2樹脂層9との接合強度を高めることができ、材質の異なる2種類の樹脂層8、9を強固に固着させることができ、耐久性に優れた腕時計バンド1を得ることができる。
【0012】なお、上記第1実施形態では、第1樹脂層8としてエーテル系ウレタンを用い、第2樹脂層9として、カプロラクトン系ウレタンをベースにし、これにエーテル系ウレタンを数%程度混入させた樹脂を用いたが、これに限らず、例えば、第1樹脂層8と第2樹脂層9との各材料成分は、下記の表1に示すような組み合わせであっても良い。
表1 例1 第1樹脂層 第2樹脂層 1A エーテルウレタン ジペートウレタンエーテルウレタン数%混入 1B ロラクトンウレタン ジペートウレタンロラクトンウレタン数%混入 1C ジペートウレタン ロラクトンウレタンジペートウレタン数%混入 1D ジペートウレタン エーテルウレタンジペートウレタン数%混入 1E ロラクトンウレタン エーテルウレタンロラクトンウレタン数%混入この表1のように、第1樹脂層8と第2樹脂層9との材料成分を組み合わせても、第1実施形態と同様の作用効果があるほか、特に、各樹脂が有する特性、例えば強度、吸水性、加飾性、耐候性などを生かした腕時計バンドを得ることができる。
【0013】[第2実施形態]次に、図4を参照して、この発明の2色成形品を腕時計バンドに適用した第2実施形態について説明する。なお、図1〜図3に示された第1実施形態と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。この腕時計バンド10は、第1樹脂層11と第2樹脂層12との材料成分が第1実施形態と異なり、これ以外は第1実施形態と同じ構成になている。すなわち、第2樹脂層12は、装飾層であり、安価で加飾性に優れた合成樹脂、例えばカプロラクトン系ウレタンで形成されている。また、第1樹脂層11は、ベース層であり、経時的に強度の安定した合成樹脂で、かつ第2樹脂層12と同じ材料成分を数%程度混入した合成樹脂、例えばエーテル系ウレタンをベースとし、その中にカプロラクトン系ウレタンを数%程度混入させた樹脂で形成されている。なお、この第2樹脂層12も、第1実施形態と同様、ベース層である第1樹脂層11内に埋め込まれてその上面に露出した状態で形成されている。
【0014】このような腕時計バンド10では、第1樹脂層11と第2樹脂層12とをインサート成形により2色成形した際、第1樹脂層11に第2樹脂層12の材料成分と同じ材料成分であるカプロラクトン系ウレタンが数%程度混入されているので、第1樹脂層11と第2樹脂層12との両者にカプロラクトン系ウレタンが共通の材料成分として存在し、この共通の材料成分により、カプロラクトン系ウレタンからなる第2樹脂層12と、エーテル系ウレタンをベースとする第1樹脂層11とがその接合面で融合し合うことになる。このため、第1実施形態と同様、第1樹脂層11と第2樹脂層12との接合強度を高めることができ、これによっても材質の異なる2種類の樹脂層11、12を強固に固着させることができ、耐久性に優れた腕時計バンド10を得ることができる。
【0015】なお、上記第2実施形態では、第1樹脂層11として、エーテル系ウレタンをベースにし、これにカプロラクトン系ウレタンを数%程度混入させた樹脂を用い、第2樹脂層12としてカプロラクトン系ウレタンを用いたが、これに限らず、例えば、第1樹脂層11と第2樹脂層12との各材料成分は、下記の表2に示すような組み合わせであっても良い。
表2 例2 第1樹脂層 第2樹脂層 10A エーテルウレタンジペートウレタン数%混入 ジペートウレタン 10B ロラクトンウレタンジペートウレタン数%混入 ジペートウレタン 10C ジペートウレタンロラクトンウレタン数%混入 ロラクトンウレタン 10D ジペートウレタンエーテルウレタン数%混入 エーテルウレタン 10E ロラクトンウレタンエーテルウレタン数%混入 エーテルウレタンこの表2のように、第1樹脂層11と第2樹脂層12との材料成分を組み合わせても、第2実施形態と同様の作用効果があるほか、特に、各樹脂が有する特性、例えば強度、吸水性、加飾性、耐候性などを生かした腕時計バンドを得ることができる。
【0016】[第3実施形態]次に、図5を参照して、この発明の2色成形品を腕時計バンドに適用した第3実施形態について説明する。この場合にも、図1〜図3に示された第1実施形態と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。この腕時計バンド15は、第1樹脂層16と第2樹脂層17との材料成分が第1実施形態と異なり、これ以外は第1実施形態と同じ構成になている。すなわち、第1樹脂層16は、ベース層であり、経時的に強度の安定した合成樹脂で、かつ第2樹脂層17の材料成分と同じ材料成分を数%程度混入した合成樹脂、例えばエーテル系ウレタンをベースとし、その中にカプロラクトン系ウレタンを数%程度混入させた樹脂で形成されている。また、第2樹脂層17は、装飾層であり、安価で加飾性に優れた合成樹脂で、かつ第1樹脂層16の材料成分と同じ材料成分を数%程度混入した合成樹脂、例えば、カプロラクトン系ウレタンをベースとし、その中にエーテル系ウレタンを数%程度混入させた樹脂で形成されている。なお、この第2樹脂層17も、第1実施形態と同様、ベース層である第1樹脂層16内に埋め込まれてその上面に露出した状態で形成されている。
【0017】このような腕時計バンド15では、第1樹脂層16と第2樹脂層17とをインサート成形により2色成形した際、第1樹脂層16に第2樹脂層17のベース成分と同じ材料成分であるカプロラクトン系ウレタンが数%程度混入されており、また第2樹脂層17には第1樹脂層16のベース成分と同じ材料成分であるエーテル系ウレタンが数%程度混入されているので、第1樹脂層16と第2樹脂層17との両者にカプロラクトン系ウレタンとエーテル系ウレタンとが共通の材料成分として存在し、これら共通の材料成分により、エーテル系ウレタンをベースとする第1樹脂層11と、カプロラクトン系ウレタンをベースとする第2樹脂層12とがその接合面で融合し合うことになる。このため、第1、第2実施形態のものよりも、第1樹脂層16と第2樹脂層17との接合強度を更に高めることができ、これにより材質の異なる2種類の樹脂層16、17を確実かつ強固に固着させることができ、より一層、耐久性に優れた腕時計バンド15を得ることができる。
【0018】なお、上記第3実施形態では、第1樹脂層16として、エーテル系ウレタンをベースにし、これにカプロラクトン系ウレタンを数%程度混入させた樹脂を用い、第2樹脂層17として、カプロラクトン系ウレタンをベースにし、エーテル系ウレタンを数%程度混入させた樹脂を用いたが、これに限らず、例えば、第1樹脂層16と第2樹脂層17との各材料成分は、下記の表3に示すような組み合わせであっても良い。
表3例3 第1樹脂層 第2樹脂層15A エーテルウレタンジペートウレタン数%混入 ジペートウレタンエーテルウレタン数%混入15B ロラクトンウレタンジペートウレタン数%混入 ジペートウレタンロラクトンウレタン数%混入15C ジペートウレタンロラクトンウレタン数%混入 ロラクトンウレタンジペートウレタン数%混入15D ジペートウレタンエーテルウレタン数%混入 エーテルウレタンジペートウレタン数%混入15E ロラクトンウレタンエーテルウレタン数%混入 エーテルウレタンロラクトンウレタン数%混入この表3のように、第1樹脂層16と第2樹脂層17との材料成分を組み合わせても、第3実施形態と同様の作用効果があるほか、特に、各樹脂が有する特性、例えば強度、吸水性、加飾性、耐候性などを生かした腕時計バンドを得ることができる。
【0019】[第4実施形態]次に、図6を参照して、この発明の2色成形品を腕時計ケースに適用した第4実施形態について説明する。この腕時計ケース20は、合成樹脂製のものであり、図6に示すように、その上部には、時計ガラス21がパッキン22を介して装着されており、この腕時計ケース20の内部には、時計モジュール23が内装カバー24aおよび緩衝ゴム24bを介して収納されており、その下部には、裏蓋25が防水パッキン26を介して装着されている。なお、裏蓋25の周縁部には、カバー部材27が装着されている。
【0020】この腕時計ケース20は、内面側の第1樹脂層28と外面側の第2樹脂層29とからなり、これらがインサート成形により2色成形された構造になっている。すなわち、第1樹脂層28は、ベース層であり、第1実施形態と同様、経時的に強度の安定した合成樹脂、例えばエーテル系ウレタンで形成されている。第2樹脂層29は、装飾層であり、第1実施形態と同様、安価で加飾性に優れた合成樹脂で、かつ第1樹脂層28と同じ材料成分を数%程度混入した合成樹脂、例えばカプロラクトン系ウレタンをベースとし、その中にエーテル系ウレタンを数%程度混入させた樹脂で形成されている。この第2樹脂層29は、第1樹脂層28内に埋め込まれてその外表面に露出した状態で形成されている。
【0021】このような腕時計ケース20では、第1樹脂層28と第2樹脂層29とをインサート成形により2色成形した際、第2樹脂層29に第1樹脂層28の材料成分と同じ材料成分であるエーテル系ウレタンが数%程度混入されているので、第1実施形態と同様、第1樹脂層28と第2樹脂層29との両者にエーテル系ウレタンが共通の材料成分として存在し、この共通の材料成分により、エーテル系ウレタンからなる第1樹脂層28と、カプロラクトン系ウレタンをベースとする第2樹脂層29とがその接合面で融合し合うことになる。このため、第1樹脂層28と第2樹脂層29との接合強度を高めることができ、これにより材質の異なる2種類の樹脂層28、29を強固に固着させることができ、耐久性に優れた腕時計ケース20を得ることができる。
【0022】なお、上記第4実施形態の腕時計ケース20では、第1樹脂層28としてエーテル系ウレタンを用い、第2樹脂層29として、カプロラクトン系ウレタンをベースにし、これにエーテル系ウレタンを数%程度混入させた樹脂を用いたが、これに限らず、例えば、第1実施形態の変形例で述べた表1のように、第1樹脂層28と第2樹脂層29との各材料成分を組み合わせた構成でも良い。このように構成しても、第4実施形態と同様の作用効果があるほか、特に、各樹脂が有する特性、例えば強度、吸水性、加飾性、耐候性などを生かした腕時計ケースを得ることができる。
【0023】また、腕時計ケース20は、上記第4実施形態に限らず、第2実施形態で述べたように、第2樹脂層29として、例えばカプロラクトン系ウレタンを用い、第1樹脂層28として、例えばエーテル系ウレタンをベースとし、その中に第2樹脂層29と同じ材料成分であるカプロラクトン系ウレタンを数%程度混入させた樹脂を用いた構成でも良い。また、これら材料成分の組み合わせについては、第2実施形態の変形例で述べた表2に示すような組み合わせでも良い。このようにしても、第4実施形態と同様の作用効果があるほか、特に、各樹脂が有する特性、例えば強度、吸水性、加飾性、耐候性などを生かした腕時計ケースを得ることができる。
【0024】さらに、腕時計ケース20は、上記第4実施形態およびその各変形例に限らず、第3実施形態で述べたように、第1樹脂層28として、例えばエーテル系ウレタンをベースとし、その中に第2樹脂層29の材料成分と同じ材料成分のカプロラクトン系ウレタンを数%程度混入させた樹脂を用い、第2樹脂層29として、例えばカプロラクトン系ウレタンをベースとし、その中に第1樹脂層28の材料成分と同じ材料成分のエーテル系ウレタンを数%程度混入させた樹脂を用いた構成でも良い。また、その材料成分の組み合わせについては、第3実施形態の変形例で述べた表3に示すような組み合わせでも良い。このようにすれば、第4実施形態およびその各変形例よりも、第1樹脂層28と第2樹脂層29とをより一層強固に固着させることができるほか、特に、各樹脂が有する特性、例えば強度、吸水性、加飾性、耐候性などを生かした腕時計ケースを得ることができる。
【0025】[第5実施形態]次に、図7を参照して、この発明の2色成形品を腕時計ケースのベゼルに適用した第5実施形態について説明する。この場合には、図6に示された第4実施形態と同一部分に同一符号を付し、その説明は省略する。このベゼル30は、腕時計ケース20の上面に装着されるリング形状のものであり、図7に示すように、その下部が腕時計ケース20の上面に設けられた装着溝31に緩衝ゴム32を介して装着され、その上部が腕時計ケース20の上面から突出して時計ガラス21の周縁部の上面を覆うように構成されている。
【0026】このベゼル30は、第1樹脂層33と第2樹脂層34とからなり、これらがインサート成形により2色成形された構造になっている。すなわち、第1樹脂層33は、ベゼル本体であり、経時的に強度の安定した合成樹脂、例えばエーテル系ウレタンで形成されている。第2樹脂層34は、腕時計ケース20の上面に突出した第1樹脂層33の表面に設けられる装飾層であり、安価で加飾性に優れた合成樹脂で、かつ第1樹脂層33と同じ材料成分を数%程度混入した合成樹脂、例えばカプロラクトン系ウレタンをベースとし、その中にエーテル系ウレタンを数%程度混入させた樹脂で形成されている。なお、この第2樹脂層34は、腕時計ケース20の上面に突出した第1樹脂層33内に埋め込まれてその上面側に露出した状態で形成されている。
【0027】このようなベゼル30では、第1樹脂層33と第2樹脂層34とをインサート成形により2色成形した際、第2樹脂層34に第1樹脂層33の材料成分と同じ材料成分であるエーテル系ウレタンが数%程度混入されているので、第1実施形態と同様、第1樹脂層33と第2樹脂層34との両者にエーテル系ウレタンが共通の材料成分として存在し、この共通の材料成分により、エーテル系ウレタンからなる第1樹脂層33と、カプロラクトン系ウレタンをベースとする第2樹脂層34とがその接合面で融合し合うことになる。このため、第1樹脂層33と第2樹脂層34との接合強度を高めることができ、材質の異なる2種類の樹脂層33、34を強固に固着させることができ、耐久性に優れたベゼル30を得ることができる。
【0028】なお、上記第5実施形態のベゼル30では、第1樹脂層33としてエーテル系ウレタンを用い、第2樹脂層34として、カプロラクトン系ウレタンをベースにし、これにエーテル系ウレタンを数%程度混入させた樹脂を用いたが、これに限らず、例えば、第1実施形態の変形例で述べた表1のように、第1樹脂層33と第2樹脂層34との各材料成分を組み合わせた構成でも良い。このようにしても、第5実施形態と同様の作用効果があるほか、特に、各樹脂が有する特性、例えば強度、吸水性、加飾性、耐候性などを生かしたベゼルを得ることができる。
【0029】また、ベゼル30は、上記第5実施形態に限らず、第2実施形態で述べたように、第2樹脂層34として、例えばカプロラクトン系ウレタンを用い、第1樹脂層33として、例えばエーテル系ウレタンをベースとし、その中に第2樹脂層34と同じ材料成分のカプロラクトン系ウレタンを数%程度混入させた樹脂を用いた構成でも良い。また、これら材料成分の組み合わせについては、第2実施形態の変形例で述べた表2に示すような組み合わせでも良い。このようにしても、第5実施形態と同様の作用効果があるほか、特に、各樹脂が有する特性、例えば強度、吸水性、加飾性、耐候性などを生かしたベゼルを得ることができる。
【0030】さらに、ベゼル30は、上記第5実施形態およびその各変形例に限らず、第3実施形態で述べたように、第1樹脂層33として、例えばエーテル系ウレタンをベースとし、その中に第2樹脂層34の材料成分と同じ材料成分のカプロラクトン系ウレタンを数%程度混入させた樹脂を用い、第2樹脂層34として、例えばカプロラクトン系ウレタンをベースとし、その中に第1樹脂層33の材料成分と同じ材料成分のエーテル系ウレタンを数%程度混入させた樹脂を用いた構成でも良い。また、これら材料成分の組み合わせについては、第3実施形態の変形例で述べた表3に示すような組み合わせでも良い。このようにすれば、第5実施形態およびその各変形例よりも、第1樹脂層33と第2樹脂層34とをより一層強固に固着させることができるほか、特に、各樹脂が有する特性、例えば強度、吸水性、加飾性、耐候性などを生かしたベゼルを得ることができる。
【0031】[第6実施形態]次に、図8を参照して、この発明の2色成形品を腕時計バンドに適用した第6実施形態について説明する。この場合、図8は第1実施形態の図3に示された第1バンド2に相当する箇所の拡大断面図であり、図1〜図3に示された第1実施形態と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。この腕時計バンド40は、第1樹脂層41と第2樹脂層42とが第1実施形態と異なり、これ以外は第1実施形態と同じ構成になている。すなわち、この腕時計バンド40は、腕に触れる部分と、腕に触れない部分とからなり、腕に触れる部分がベース層である第1樹脂層41に相当し、腕に触れない部分が装飾層である第2樹脂層42に相当する構成になっている。
【0032】第1樹脂層41は、ウレタン系樹脂で形成されている。第2樹脂層42は、蓄光性蛍光体からなる蓄光層であり、第1樹脂層41内にその上面のみに露出した状態で埋め込めれている。この第2樹脂層42である蓄光層の主要素材は、MAl24で表される化合物であり、Mは、カルシウム、ストロンチウム、バリウムからなる群から選ばれる少なくとも一種類以上の金属元素からなる。この第2樹脂層42である蓄光層は、上記化合物を母結晶とする粉体を有機バインダと混合して塗布、乾燥させたものである。この蓄光性蛍光体は、それ以前のものよりも高輝度残光特性を示し、しかも化学的安定性に優れている。特に、上記の少なくとも一種類以上の金属元素にマグネシウムを添加した複数の金属元素からなる母結晶を用いると、輝度を向上させることができる。
【0033】この場合、賦活剤として、ユウロビウムをMで表す金属元素に対するモル%で0.001%以上10%以下添加することにより、残光時間を長くすることができる。また、共賦活剤として、ランタン、セリウム、ブラセオジウム、ネオジウム、サマリウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウム、マンガン、スズ、ビスマスからなる群の少なくとも一種類以上の元素を、Mで表す金属元素に対するモル%で0.001%以上10%以下添加することにより、長い残光時間を保持したままさらに輝度を向上させることができる。
【0034】また、蓄光層の有機バインダとしては、種々の有機樹脂を用いることができるが、特に、透明樹脂、例えばエポキシ系樹脂が好ましい。有機バインダの量を多くすると外観が滑らかになる反面、蓄光層の輝度が低下する。蓄光性蛍光体と有機バインダの配合比率としては、体積比で10:6〜10:10程度が良好な外観と適度な輝度が得られる範囲である。特に、10:7程度の比率が望ましい。蓄光層の厚さは、種々可能であるが、十分な発光輝度を得るためには50〜300μm程度であることが好ましい。なお、この腕時計バンド40は、蓄光層である第2樹脂層42を成形用金型内に配置した状態でベース層である第1樹脂層41を成形するインサート成形により2色成形され、これにより第1樹脂層41内に埋め込めれてその上面のみを露出させた状態で形成されている。
【0035】このような腕時計バンド40では、腕に触れる部分のベース層である第1樹脂層41と、腕に触れない部分の蓄光層である第2樹脂層42とを有し、インサート成形により第2樹脂層42を第1樹脂層41内に埋め込んで、その上面のみを露出させて2色成形したので、従来のように印刷装置や塗布装置などで膜状に形成した場合に比べて、第2樹脂層42の蓄光層を第1樹脂層41に強固に固定することができるとともに、汗などによる影響を受けにくくすることができ、これにより耐久性に優れた腕時計バンド40を得ることができる。この場合、蓄光層である第2樹脂層42をベース層である第1樹脂層41の上面に広い面積で露出させることができるので、夜間などの暗い場所で第2樹脂層42の蓄光層を十分に光らせることができ、これにより暗い場所でも腕時計全体の位置を容易に視認することができる。
【0036】[第7実施形態]次に、図9を参照して、この発明の2色成形品を腕時計バンドに適用した第7実施形態について説明する。この場合には、図8に示された第6実施形態と同一部分に同一符号を付し、その説明は省略する。この腕時計バンド43は、蓄光層である第2樹脂層44が第6実施形態と異なり、これ以外は第6実施形態と同じ構成になている。すなわち、第2樹脂層44は、第4実施形態と同じ蓄光層中に白の顔料を主体とする光を反射する粉末44aを混入した構成になっている。このような腕時計バンド43では、第2樹脂層44の蓄光層中に混入された白の顔料を主体とする光を反射する粉末44aにより、第2樹脂層44の蓄光層中で発光した光を反射して外部に散乱させることができ、このため第2樹脂層44の蓄光層を第6実施形態のものよりも効率良く光らせることができる。
【0037】なお、上記第7実施形態では、第2樹脂層44の蓄光層中に光を反射する粉末44aを混入させて蓄光層を効率良く光らせるようにしたが、これに限らず、例えば、図10〜図13にそれぞれ示すように構成しても良い。すなわち、図10に示された第1変形例の腕時計バンド45は、光を反射する粉末44aを混入させない蓄光層の第2樹脂層42を用い、ベース層の第1樹脂層46を白色の反射材料で形成した構成になっている。また、図11に示された第2変形例の腕時計バンド47は、蓄光層である第2樹脂層42の下面に凹凸形状の反射部48を設け、この反射部48が設けられた第2樹脂層42と第1樹脂層41とをインサート成形により2色成形した構成になっている。
【0038】また、図12に示された第3変形例の腕時計バンド49は、第2樹脂層42の蓄光層の下面に反射膜50を印刷により形成し、この反射膜50が印刷された第2樹脂層42と第1樹脂層41とをインサート成形により2色成形した構成になっている。さらに、図13に示された第4変形例の腕時計バンド51は、第2樹脂層42の蓄光層の下面に反射層52を形成し、この反射層52が形成された第2樹脂層42と第1樹脂層41とをインサート成形により2色成形した構成になっている。このように構成された第1〜第4変形例の腕時計バンド45、47、49、51においても、第2樹脂層42の蓄光層中で発光した光を外部に向けて反射させることができるので、第7実施形態とほぼ同様、第2樹脂層42の蓄光層を効率良く光らせることができる。
【0039】また、上記第6、第7実施形態、およびその各変形例では、ベース層である第1樹脂層41または46の上面から蓄光層である第2樹脂層42または44を直接露出させたが、これに限らず、例えば、図14に示す第5変形例の腕時計バンド53のように、第1樹脂層41または46の上面に露出した第2樹脂層42または44の上面、および第1樹脂層41または46の上面の全体に透明な保護膜54を形成しても良い。このようにすれば、透明な保護膜54により第2樹脂層42または44の各蓄光層を外部からの水分などに対して保護することができ、より一層、耐久性に優れた腕時計バンド53を得ることができる。
【0040】さらに、上記第6、第7実施形態、およびその各変形例では、腕時計バンドに適用した場合について述べたが、これに限らず、例えば、図6に示された第4実施形態で述べた腕時計ケース20にも適用することができ、また図7に示された第5実施形態で述べた腕時計ケースのベゼル30にも適用することができる。なおまた、上記第1〜第7実施形態、およびその各変形例では、腕時計バンド、腕時計ケース、ベゼルなどの時計用部品に適用した場合について述べたが、これに限らず、携帯電話や電子手帳などの電子機器の外装部品にも適用することができる。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、第1樹脂層と第2樹脂層とからなる2色成形品において、第1樹脂層と第2樹脂層とのうち、少なくとも一方の樹脂層に他方の樹脂層の材料成分と同じ材料成分を混入させたので、第1樹脂層と第2樹脂層とを2色成形したときに、第1樹脂層と第2樹脂層との両者に共通の材料成分により、第1樹脂層と第2樹脂層とが融合し合い、これにより第1樹脂層と第2樹脂層との接合強度を高めることができ、材質の異なる2種類の樹脂層同士を強固に固着することができ、耐久性に優れた2色成形品を得ることができる。
【0042】また、請求項2記載の発明によれば、第1樹脂層と第2樹脂層とを2色成形してなる腕時計バンドにおいて、第1樹脂層と第2樹脂層とのうち、少なくとも一方の樹脂層に他方の樹脂層の材料成分と同じ材料成分を混入させたので、請求項1記載の発明と同様、第1樹脂層と第2樹脂層とを2色成形したときに、第1樹脂層と第2樹脂層との両者に共通の材料成分により、第1樹脂層と第2樹脂層とが融合し合い、これにより第1樹脂層と第2樹脂層との接合強度を高めることができ、材質の異なる2種類の樹脂層同士を強固に固着することができ、耐久性に優れた腕時計バンドを得ることができる。
【0043】また、請求項3記載の発明によれば、第1樹脂層と第2樹脂層とからなる2色成形品において、第2樹脂層が、発光性を有する蓄光層からなり、第1樹脂層内にその外表面に露出した状態で埋め込まれて形成されているので、従来のように印刷装置や塗布装置などで膜状に形成した場合に比べて、第2樹脂層の蓄光層を第1樹脂層に強固に固定することができるとともに、汗などによる影響を受けにくくすることができ、これにより耐久性に優れた2色成形品を得ることができる。
【0044】さらに、請求項4記載の発明によれば、第1樹脂層と第2樹脂層とを2色成形してなる腕時計バンドにおいて、第2樹脂層が、発光性を有する蓄光層からなり、第1樹脂層内にその外表面に露出した状態で埋め込まれて形成されているので、請求項3記載の発明と同様、従来のように印刷装置や塗布装置などで膜状に形成した場合に比べて、第2樹脂層の蓄光層を第1樹脂層に強固に固定することができるとともに、汗などによる影響を受けにくくすることができ、これにより耐久性に優れた腕時計バンドを得ることができる。




 

 


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