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発明の名称 スロット型シャドウマスク及びその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−68019(P2001−68019A)
公開日 平成13年3月16日(2001.3.16)
出願番号 特願平11−237479
出願日 平成11年8月24日(1999.8.24)
代理人
発明者 深川 弘隆 / 野儀 紀彦 / 中原 教志
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】金属薄板の一方の面に金属薄板を露出する複数の矩形状の大孔用開口部を所定の配置に従って穿設した大孔側レジスト膜を、金属薄板の他方の面に前記大孔用開口部と対となる複数の小孔用開口部を穿設した小孔側レジスト膜を形成する工程と、エッチング液を金属薄板に接触させ前記レジスト膜から露出した金属薄板部位をエッチングする工程と、前記レジスト膜を剥膜する工程とを少なくとも有する、複数の貫通孔が形成された表示面を有するスロット型シャドウマスクを製造する方法であって、前記小孔側レジスト膜に形成する小孔用開口部の形状を矩形状パターンの四隅に斜めにセリフパターンを付加した略糸巻状とし、かつ、表示面の中央を原点、前記矩形状パターンの短辺方向をX軸方向、長辺方向をY軸方向とした場合、小孔用開口部の穿設位置がX軸方向の表示面周辺に向かうにつれ、X軸方向の表示面周辺寄りに付加する2個のセリフパターンの高さを高くしていくことを特徴とするスロット型シャドウマスクの製造方法。
【請求項2】上記請求項1に記載のスロット型シャドウマスクの製造方法で得られるスロット型シャドウマスクであって、シャドウマスクに入射する電子線の入射方向から見た貫通孔の形状を表示面周辺領域で略矩形状としたことを特徴とするスロット型シャドウマスク。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属薄板を素材とし複数の貫通孔を穿設したシャドウマスクおよびシャドウマスクの製造方法に係わり、中でも特に、貫通孔の形状を略矩形状としたスロット型シャドウマスク及び、その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、カラー受像管等に用いられるシャドウマスクは、金属薄板を素材とし、フォトエッチング法を用いて製造されている。以下に、フォトエッチング法を用いたシャドウマスクの製造方法の例につき説明する。金属薄板(シャドウマスク材1)として例えば板厚 0.1mm〜0.25mm程度の低炭素鋼板を用い、その両面を脱脂、整面、洗浄処理した後、その両面にカゼイン、ゼラチンまたは、ポリビニルアルコールと重クロム酸アンモニウムからなる水溶性感光液を塗布乾燥して、フォトレジスト膜2を形成する。次いで、パターン露光用マスクを介して、シャドウマスク材1の一方の面に小孔像のネガパターンを、他方の面に大孔像のネガパターンを露光する。その後、温水にて、未露光未硬化のフォトレジスト膜を溶解する現像処理を行なえば、図10(a)に示すように、小孔用開口部7aよりシャドウマスク材1を露出する小孔側レジスト膜2aと大孔用開口部7bよりシャドウマスク材1を露出する大孔側レジスト膜2bとを表裏に有するシャドウマスク材1が得られる。
【0003】その後、レジスト膜2に対して硬膜処理およびバーニング処理等を施した後、エッチングをシャドウマスク材1の表裏両面から行なう。なお、エッチング液には塩化第二鉄液を用い、スプレーエッチングで行なうのが一般的である。エッチングにより小孔用開口部7aおよび大孔用開口部7bより露出したシャドウマスク材1部位に凹部(凹部3aおよび凹部3b)が形成され、両面から形成される凹部3が拡大貫通し図10(b)に示すように貫通孔5が形成される。
【0004】次いで、エッチング終了後、レジスト膜2を剥膜除去する剥膜工程等を行った後に、不要部の断裁等を行い図10(c)に示す貫通孔5を有するシャドウマスク6を得るものである。
【0005】なお、上述した説明では、エッチングを一段階とした製造方法につき説明したが、ニス法を用いエッチングを二段階に分けて行う製造方法もある。すなわち、第一エッチングにてシャドウマスク材1の少なくとも片面にシャドウマスク材1を貫通しない程度の凹部を形成する。次いで、一方の面の凹部にニス層を塗布、充填する。次いで、ニス層を塗布、充填した面と反対面側に第二エッチングを行い第二エッチング側の凹部を拡大し貫通孔を形成する方法である。
【0006】ここで、シャドウマスク6の種類として、図9に示すように、所定の配列に従って複数の略矩形状の貫通孔5が穿設されたスロット型シャドウマスク6が知られている。なお図9中の例に示すスカート部11は、組み込まれるカラー受像管の形状に合わせて所定の形状に成形される部位である。スロット型シャドウマスク6の製造においては、レジスト膜に形成する開口部の形状を矩形状としている。すなわち、図8(a)に示すように、シャドウマスク材1の一方の面に矩形状とした小孔用開口部7aを、他方の面側に小孔用開口部7aと対になる矩形状とした大孔用開口部7bとを形成した後エッチングを行うもので、シャドウマスク材1に形成する貫通孔5の形状を略矩形状としようとするものである。
【0007】通常、カラー受像管にシャドウマスクを組み込んだ時、シャドウマスク6の表示面4(図9に示す、複数の貫通孔5が所定の配置に従って穿設された、通常は平面視で長方形状の領域)の中心線上にシャドウマスク面と略直角に電子銃が配置される。このため、電子銃から発せられた電子ビームはシャドウマスクの表示面4の中央部近傍では略垂直にシャドウマスク6面に入射するが、表示面の中央から周辺領域に向かうにつれ、シャドウマスク6面に斜めに入射するようになる。
【0008】表示面4の中央では図8(a)に示すように小孔用開口部7aの中心と大孔用開口部7bの中心とを一致させるが、表示面4の周辺領域で斜め入射する電子ビームを貫通孔より通過させるため、表示面の中央から周辺領域に向かうにつれ図8(b)に示すように、レジスト膜に形成する小孔用開口部7aの中心と大孔用開口部7bの中心とをズラして形成する(いわゆるオフセットをつけて開口部7を形成する)ことが行われている。これにより、エッチングの際、中心がズレた凹部が得られ、図7に示すように周辺領域で斜め入射する電子ビーム9の通過を可能としている。なお、オフセットは、小孔用開口部7aを中央寄りにズラすことが一般的といえる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】シャドウマスクでは、表示面4の中央から周辺領域に向うにつれ電子ビーム9の入射角度が大きくなるのに合わせ、大孔用開口部7bと小孔用開口部7aとのオフセット量を逐次大きくしている。しかるに、表示面4の周辺領域に近づき開口部同志のオフセット量が大きくなると、貫通孔5の形状は角部にR状に丸みがつく傾向がある。この傾向は表示面の周辺にいくほど著しくなり、特に、略矩形状の貫通孔の短手方向の表示面周辺領域で著しくなるといえる。
【0010】カラー受像管に組み込まれた際に電子銃より発せられた電子ビームを正しく蛍光面に導くシャドウマスクの機能上、貫通孔5の形状は電子ビームの入射方向から見た形状が重要となる。すなわち、表示面の周辺領域にあっては貫通孔5に電子ビームが斜め方向より入射するため、シャドウマスク面の斜め方向から見た貫通孔5の形状が重要となる。
【0011】上述したように貫通孔の角部に丸みがつく従来のスロット型シャドウマスクにおいては、表示面の周辺領域での貫通孔の形状、特に電子ビームの入射方向である斜め方向から見た貫通孔5の形状は、図5に示すように周辺寄りの角部がR状(図10中の点線内の部位)となった、いわゆる「柿の種状」となっていたものである。
【0012】ここで、カラー受像管に組み込まれたシャドウマスクは振動するといえる。すなわち、カラー受像管を構成するスピーカーが作動し音声を発する際に出す振動、もしくはカラー受像管の置かれた周辺環境で生じる振動等の外力がシャドウマスクに伝わりシャドウマスクが振動するものである。通常、シャドウマスクの振動を防止するため、カラー受像管内部ではシャドウマスクの外周をシャドウマスク固定用スプリング等の固定手段にて固定することが行われている。
【0013】しかるに、カラー受像管の大画面化の要求により、例えば28インチ程度と大画面化したカラー受像管においては、シャドウマスクも大面積化し振動を生じる面が広くなっており、シャドウマスク固定用スプリング等の従来の振動防止手段では充分な振動効果を得られなくなってきている。
【0014】このため大画面化したカラー受像管においては、表示画面の周辺部で画面に輝度差を生じフリッカー状に画面が揺れる等、表示品位が低下するという問題が生じていた。すなわち、シャドウマスクの周辺領域で電子ビームの入射方向から見て「柿の種状」となった貫通孔が振動した際、R状に丸みを帯びた部位が電子ビーム入射領域に掛かる毎に、R状の丸み部で電子ビームの遮断が行われるためである。図6はこれを模式的に示したもので、図6中の貫通孔5(破線で示す)が振動で、貫通孔5’(実線で示す)の位置に来たとき、貫通孔5’のR状の丸み部で電子ビームの遮断が行われる。
【0015】本発明は上記の問題点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、カラー受像管に組み込まれ振動を生じても、カラー受像管の表示画面に輝度差を生じフリッカー状に画面が揺れる等の表示品位の低下を防止できるスロット型シャドウマスクおよびその製造方法を提供しようとするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は上記課題を解決するためになされたもので、本発明の請求項1においては、金属薄板の一方の面に金属薄板を露出する複数の矩形状の大孔用開口部を所定の配置に従って穿設した大孔側レジスト膜を、金属薄板の他方の面に前記大孔用開口部と対となる複数の小孔用開口部を穿設した小孔側レジスト膜を形成する工程と、エッチング液を金属薄板に接触させ前記レジスト膜から露出した金属薄板部位をエッチングする工程と、前記レジスト膜を剥膜する工程とを少なくとも有し、前記小孔側レジスト膜に形成する小孔用開口部の形状を矩形状パターンの四隅に斜めにセリフパターンを付加した略糸巻状とし、かつ、表示面の中央を原点、前記矩形状パターンの短辺方向をX軸方向、長辺方向をY軸方向とした場合、小孔用開口部の穿設位置がX軸方向の表示面周辺に向かうにつれ、X軸方向の表示面周辺寄りに付加する2個のセリフパターンの高さを高くしていくことを特徴とするスロット型シャドウマスクの製造方法としたものである。
【0017】また、請求項2においては、上記請求項1に記載のスロット型シャドウマスクの製造方法で得られるスロット型シャドウマスクであって、シャドウマスクに入射する電子線の入射方向から見た貫通孔の形状を表示面周辺領域で略矩形状としたことを特徴とするスロット型シャドウマスクとしたものである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に説明図を用い、本発明の実施の形態の一例につき説明を行う。図2は、フォトエッチング法を用い金属薄板よりスロット型シャドウマスクを製造するのに際し、金属薄板(シャドウマスク材)の片面に形成する小孔側レジスト膜2aに穿設する小孔用開口部7aの形状を模式的に示す平面図である。図2に示すように本発明の特徴として、小孔用開口部7aの形状を、従来より小孔側レジスト膜2aに形成していた矩形10に加えて四隅に斜めにセリフ(Serif)パターン8(図2中に示す8a〜8d)を付加した、略糸巻状としている。次いで本発明では、上記付加したセリフパターン8の形状を、小孔用開口部7aが穿設される表示面4上の位置に応じて変化させるもので、以下に説明を行う。
【0019】図1に示すように、仮に、表示面4の中央を原点、表示面4に穿設する矩形状パターンの短手方向をX軸方向、長手方向をY軸方向とする。ここで、原点上(中央)に位置する小孔用開口部7aにおいては、小孔用開口部7aを構成する矩形10の四隅に付加するセリフパターン8は各々同一の形状および大きさとする。また、正および負のY軸上に位置する小孔用開口部7aの四隅に付加したセリフパターン8は原点上で付加したセリフパターン8と略同一の形状および大きさとしている。なお、付加するセリフタパーン8の形状としては、台形状、三角形状、矩形状等が考えられ、エッチング条件、レジスト膜の材質、レジスト膜の解像度、金属板厚等に応じて適宜形状を選択して構わない。
【0020】次いで、原点および正、負のY軸上から離れた表示面4領域にも、カラー受像管の仕様に応じて所定の配列に従い、複数の小孔用開口部7aを穿設するが、その小孔用開口部7aの穿設位置が正、負のX軸方向の表示面周辺部に向かうにつれ(すなわち、図1の例では小孔用開口部7aが辺Aおよび辺B寄りに穿設されるにつれ)、正、負のX軸方向の表示面周辺寄りの2個のセリフパターン(例えば辺A寄りの8e、8f、辺B寄りの8m、8k)の高さを逐次高くしていく。その際、残りのY軸寄りの2個のセリフパターン(例えば8h、8g、8i、8j)は、原点で付加したセリフパターンの形状および大きさと略同等とする。
【0021】なお、小孔用開口部7aと対となる金属薄板の他方の面に形成する大孔側レジスト膜2bに穿設する大孔用開口部7bは、従来の製造方法と同様に矩形状とするものであり、その配置、大きさもカラー受像管の仕様に応じ従来と同様の配置および大きさとして構わない。また、形成すべき貫通孔5の位置に応じて開口部7にかけるオフセットも従来と同様のオフセット量をかけることで構わない。
【0022】かかる形状とした開口部7を有するレジスト膜2を形成した後、金属薄板(シャドウマスク材1)にエッチングを行えば、表示面4の周辺領域に位置する貫通孔5であっても電子ビームの入射方向から見て矩形状となった貫通孔とすることができる。
【0023】すなわち、前述したように貫通孔5を電子ビームの入射方向から見て「柿の種」状とするR状の丸みは、表示面周辺寄りの2箇所の角部で顕著となるものであり、この丸みはX軸方向の表示面周辺に向かうほど大きくなる。本発明の製造方法では、従来の製造方法で表示面周辺に向かうほどR状が丸みが大きくなる部位に対応した小孔側レジスト膜2b部位にセリフパターン8を追加、形成し、かつ、丸みが大きくなるのに対応させてセリフパターン8の高さを高くしていくものである。追加したセリフパターン8により開口部が広がったことになり、エッチングの際、従来R状の丸みとなっていた部位が削られることで、得られる貫通孔5の形状は略矩形状になる。また、本発明では小孔用開口部7aのY軸寄りの2箇所の角部にも各々セリフパターン8を追加しているが、これによりエッチング形成される貫通孔のY軸寄り(中央寄り)の角部も直角に近づけることができる。このため、表示面の中央から離れた貫通孔であっても、その電子線の入射方向から見た孔の形状は、矩形状に近づけることが可能となる。
【0024】本発明の製造方法で得られたスロット型シャドウマスクは、表示面の中央から離れた貫通孔であっても、その孔の形状を電子線の入射方向から見て矩形状とすることができる。このため、従来のスロット型シャドウマスクで生じていた、カラー受像管に組み込んだ際、スピーカー、もしくは周辺環境等からの振動により画面表示品位が低下した問題を解決できる。特に、従来のスロット型シャドウマスクでは、表示面の周辺部に向かうほど貫通孔の形状が「柿の種」状となり、このためカラー受像管の表示画面の周辺部で輝度差を生じフリッカー状に画面が揺れる等の問題が生じていたが、本発明で得られたスロット型シャドウマスクではこの問題を解決している。すなわち、シャドウマスクが振動し貫通孔の角部が電子線入射領域に掛かっても、従来電子線を遮断していた表示面周辺寄りのR状の丸み部を無くしたため、シャドウマスクが振動してもR状の丸み部が電子線の通過を妨げることが無くなることになり、輝度差を生じフリッカー状に画面が揺れる問題が生じにくくなる。
【0025】
【実施例】以下に実施例を説明する。本実施例ではシャドウマスク材1として、板厚0.1mmのアンバー材を用い、以下に記す工程により545mm×309mmの表示面(複数の貫通孔を形成した長方形状の領域面)を有するスロット型シャドウマスク6を得た。
【0026】まず、シャドウマスク材1の両面を脱脂、整面、洗浄処理した後、その両面にポリビニルアルコールと重クロム酸アンモニウムからなる水溶性感光液を塗布乾燥して、フォトレジスト膜を形成した。次いで、パターン露光用マスクを介して、シャドウマスク材1の一方の面に小孔像のネガパターンを、他方の面に大孔像のネガパターンを露光した(露光量1000〜2000mJ/cm2 )。その後、温水にて未露光未硬化のフォトレジスト膜を溶解する現像処理を行った後、硬膜処理等を行ない、図10(a)に示す、小孔用開口部7aを有する小孔側レジスト膜2a(膜厚7〜10μm)と大孔用開口部7bを有する大孔側レジスト膜2b(膜厚7〜10μm)とを表裏に有するシャドウマスク材1を得た。
【0027】本実施例において大孔側レジスト膜2bに形成した大孔用開口部7bの形状は、従来と同様の矩形状とし、大孔用開口部7bの大きさは表示面4の中央(原点)から離れるにつれ逐次相似形状に大きくしていった(本実施例では表示面の中央(原点)での大孔用開口部7bの形状は、短辺を200〜300μm、長辺を350〜450μmの矩形状とした)。
【0028】次いで、大孔用開口部7bと対となる小孔側レジスト膜2aに形成する小孔用開口部7aの形状は、従来通りの矩形10の四隅にセリフパターン8を追加した略糸巻状とした(図2参照)。なお、本実施例ではセリフパターンの形状は台形状とした。また、図2中の+印は矩形10の中心を示す。小孔用開口部7aの形状を構成する矩形10は、表示面4の中央(原点)で短辺100〜200μm、長辺350〜450μmの矩形状とし、表示面4の中央から離れるにつれ対向する大孔用開口部7bと同様に逐次相似形状に大きくしていった。
【0029】小孔用開口部7bを構成するため本実施例で矩形10に付加したセリフパターン8の説明を、以下に図面に基づき行う。
【0030】図1に示すように、シャドウマスクの表示面4の中央を原点、矩形10の短手方向をX軸、長手方向をY軸とした場合、原点上の矩形10(中心+が原点上の矩形)に付加するセリフパターン8a〜8dは各々同一形状としたもので、その付加の形態を図1中のセリフパターン8a部を拡大した図である図3をもとに説明する。
【0031】図3中の点線は「製品狙い目形状」と呼称される、必要とされるシャドウマスクの仕様に基づいて最終的にシャドウマスク材1に形成しなければならない平面視での貫通孔5の形状を示す。なお、表示面4の各部位における「製品狙い目形状」はシャドウマスクの仕様に基づいて予め決定されている。また、図3中に実線で示す矩形10は従来小孔側レジスト膜2aに形成していた小孔用開口部であり、矩形10の大きさ及び位置は所望する「製品狙い目形状」を得るため、レジスト膜の材質、膜厚、エッチング条件、シャドウマスク材の板厚等の製造条件に従って予め決定される。ここで図3中の一点鎖線は、「製品狙い目形状」と矩形10の各角部を結ぶ線であり、台形状としたセリフパターン8aの上底は一点鎖線と直交し、かつ、一点鎖線により2分されるように設定した。なお、表示面4上の各部位で付加する各セリフパターン8の上底の長さは、原点上で設定された台形状のセリフパターン8aの上底の長さ(例えば20〜30μm)と同一とした。
【0032】次いで、図3中の矩形10の角部から各々距離K(例えば20〜40μm)、距離L(例えば10〜30μm)の位置にセリフパターン8aの下底を設定した。表示面4上の各部位で付加する全てのセリフパターン8の下底と矩形10の角部との位置関係は、中央(原点)で設定したセリフパターン8aの下底と矩形10の角部との位置関係(図3中の距離K、距離L)と同一とした。本実施例で付加したセリフパターン8は上述した上底および下底を有する台形状とした。なお、上述した説明では矩形10が原点上にある場合のセリフパターン8aにつき記したが、原点上の矩形10に付加する残りのセリフパターン8b〜8dは各々セリフパターン8aとX軸もしくはY軸を基にした対称の関係となるように付加した。
【0033】次いで、所定の配置に従って原点から離れた位置に逐次小孔用開口部7aを穿設した。その際、原点(中央)を(0,0)とし、穿設する矩形10の中心(+)の座標に応じてX軸方向の周辺寄りの2個のセリフパターンの高さ(台形の高さ)を高くしていった(図1参照)。
【0034】本実施例ではセリフパターン8の高さ(本実施例においては台形の高さ)を、「製品狙い目形状」の角部と上底との距離M(図3中の距離M)より算出したもので以下に説明を行う。矩形10をX軸上およびY軸上を含むX、Yともに正の領域(すなわち第一象限内)に穿設する際、X軸方向の周辺(辺A)寄りのセリフパターン8a及びセリフパターン8bの高さを矩形10の穿設位置により変化させた。例えば図1に示すように、原点上のセリフパターン8aはセリフパターン8eのように変化させ、また、セリフパターン8bはセリフパターン8fのように変化させた。ここで、セリフパターン8eの上底と「製品狙い目形状」の角部との距離をM1、セリフパターン8fの上底と「製品狙い目形状」の角部との距離をM2とする。本実施例では、上述したM1およびM2を以下の(数1)及び(数2)の式で求め、求まった距離M1および距離M2の位置に各々台形状のセリフパターンの上底を設定した。なお、下記(数1)および(数2)の式中、xは矩形10の中心(+印)のX座標(原点からのX方向の距離mm)を示し、同様にyは矩形Aの中心(+印)のY座標(原点からのY方向の距離mm)を示す。また、上述したように各上底の長さは、原点上で設定された台形状のセリフパターン8aの上底の長さと同一とした。さらに、上述したように下底は中央(原点)でのセリフパターン8aで設定した下底と矩形10の角部との位置関係(図3中の距離K及び距離Lの位置)と同一とした。
【0035】
【数1】

【0036】
【数2】

【0037】次いで、第一象限では、Y軸寄りとなるセリフパターン8h及びセリフパターン8gの高さは略同一とした。すなわち、原点上におけるセリフパターン8aの高さと略同一のままとしている。
【0038】すなわち図1に示すように、第一象限では、矩形10がX軸方向の周辺(辺A)寄りに向かうにつれ原点上のセリフパターン8a及びセリフパターン8bを各々高くし(例えば、セリフパターン8e及びセリフパターン8f)、原点上のセリフパターン8d及びセリフパターン8cとセリフパターン8h及びセリフパターン8gは略同一としている。
【0039】以上、第一象限でのセリフパターンの設定につき説明したが、矩形10が負のX座標および正のY座標の領域(すなわち第二象限内)にある時はY軸対称に第一象限でのセリフパターンの設定を移し替えた。すなわち、図1に示すように、第二象限では、矩形10がX軸方向の周辺(辺B)寄りに向かうにつれ原点上のセリフパターン8d及びセリフパターン8cを各々高くし(例えば、セリフパターン8m及びセリフパターン8k)、原点上のセリフパターン8a及びセリフパターン8bとセリフパターン8i及びセリフパターン8jは略同一としている。以下同様に、矩形10が第三象限にある時は第二象限でのセリフパターンの設定をX軸対称に移し替え、また、矩形10が第四象限にある時はY軸対称に第三象限でのセリフパターンの設定を移し替えた。
【0040】なお、小孔側開口部と大孔側開口部とのオフセット量は従来のシャドウマスクと同様に設定したもので、本実施例ではX方向で60〜70μm、Y方向で40〜50μmのオフセットをかけた。
【0041】次いで、上述した開口部7を有するレジスト膜2を形成した後、搬送速度2〜3m/分で搬送されるシャドウマスク材1の両面よりエッチングを行い、図10(b)に示すように、シャドウマスク材1を貫通する貫通孔5を形成した。エッチングは液温55〜60℃、比重1.490〜1.530の塩化第二鉄液をエッチング液としたスプレーエッチングにて行ったもので、スプレー圧は1.0〜3.0Kg/cm2 で設定した。
【0042】次いで、エッチングの終了したシャドウマスク材1にレジスト膜2の剥膜工程等を行った後、シャドウマスク材1の断裁、不要部の除去等を行い、本実施例に係わるスロット型シャドウマスク6を得た。
【0043】本実施例で得られたシャドウマスク6において、表示面の周辺近傍に形成された貫通孔5の形状(電子ビームの入射する斜め方向から見た貫通孔5の形状)を調べたが、図4に示すように四隅が角状となった実用上十分な矩形状となっていた。
【0044】(比較例)次いで、上記(実施例)との比較のため、以下の工程にてシャドウマスクを製造した。すなわち、シャドウマスク材1として、板厚0.1mmのアンバー材を用い、上記(実施例)と同様に545mm×309mmの表示面(複数の貫通孔を形成した長方形状の領域面)を有するスロット型シャドウマスクを得た。
【0045】シャドウマスク材1の両面を脱脂、整面、洗浄処理した後、その両面にポリビニルアルコールと重クロム酸アンモニウムからなる水溶性感光液を塗布乾燥して、フォトレジスト膜を形成した。次いで、パターン露光用マスクを介して、シャドウマスク材1の一方の面に小孔像のネガパターンを、他方の面に大孔像のネガパターンを露光した(露光量1000〜2000mJ/cm2 )。その後、温水にて、未露光未硬化のフォトレジスト膜を溶解する現像処理を行った後、硬膜処理等を行い、図10(a)に示す、小孔用開口部7aを有する小孔側レジスト膜2a(膜厚7〜10μm)と大孔用開口部7bを有する大孔側レジスト膜2b(膜厚7〜10μm)とを表裏に有するシャドウマスク材1を得た。
【0046】本比較例においては大孔側レジスト膜2bに形成した大孔用開口部7bの形状は、上記(実施例)と同様の形状、大きさ、配置とした。また、大孔用開口部7bと対となる小孔側レジスト膜2aに形成する小孔用開口部7aの形状は、四隅にセリフパターンを付加しない単なる矩形としたもので、矩形は上記(実施例)の矩形10と同様の形状、大きさ、配置とした。また、開口7に掛けるオフセットも上記(実施例)と同様とした。
【0047】次いで、上述した開口部7を有するレジスト膜2を形成した後、上記(実施例)と同様の製造工程、製造条件にて、図10(b)に示すように、シャドウマスク材1を貫通する貫通孔5を形成した。
【0048】次いで、エッチングの終了したシャドウマスク材1にレジスト膜2の剥膜工程等を行った後、シャドウマスク材1の断裁、不要部の除去等を行い、本比較例に係わるスロット型シャドウマスク6を得た。
【0049】本比較例で得られたシャドウマスクにおいて、上記(実施例)で調べた貫通孔と同一となる部位に形成した貫通孔の形状(上記実施例と同じ方向から見た貫通孔の形状)を調べたが、図5に示すように周辺寄りの角部がR状の丸みを帯び、また、中央寄りの角部も丸みを帯びた「柿の種」状となっていた。
【0050】以上、本発明の実施例につき説明したが、本発明の実施の形態は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形を行っても構わないことはいうまでもない。例えば、セリフパターンの大きさ、形状、高さの算出の式、矩形状の開口部の形状、エッチング条件等は、使用するシャドウマスク材の板厚、最終的なシャドウマスクの仕様、レジスト膜の解像度等に応じて適宜設定して構わない。また、必要により大孔用開口部7bにもセリフパターンを付加しても構わず、さらには、エッチングもニス法を用いた二段階エッチングとしても構わない。
【0051】
【発明の効果】本発明の製造方法で得られたスロット型シャドウマスクは、表示面の中央から離れた貫通孔であっても、その孔の形状を電子線の入射方向から見て矩形状とすることができる。このため、従来のスロット型シャドウマスクで生じていた、カラー受像管に組み込んだ際、スピーカー、もしくは周辺環境等からの振動により画面表示品位が低下した問題を解決できる。特に、従来のスロット型シャドウマスクでは、表示面の周辺部に向かうほど貫通孔の形状が「柿の種」状となり、このためカラー受像管の表示画面の周辺部で輝度差を生じフリッカー状に画面が揺れる等の問題が生じていたが、本発明で得られたスロット型シャドウマスクではこの問題を解決している。すなわち、シャドウマスクが振動し貫通孔の角部が電子線入射領域に掛かっても、従来電子線を遮断していた表示面周辺寄りのR状の丸み部を無くしたため、シャドウマスクが振動してもR状の丸み部が電子線の通過を妨げることが無くなることになり、輝度差を生じフリッカー状に画面が揺れる問題が生じにくくなり、画面表示品位の良いカラー受像管を得ることができる。
【0052】




 

 


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