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発明の名称 エネルギーフィルタを備えた電子顕微鏡
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−351555(P2001−351555A)
公開日 平成13年12月21日(2001.12.21)
出願番号 特願2000−171389(P2000−171389)
出願日 平成12年6月8日(2000.6.8)
代理人
発明者 津野 勝重 / 成瀬 幹夫 / 金山 俊克
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 対物レンズと像記録系との間にエネルギーフィルタを備えた電子顕微鏡であって、ほぼ平行に並ぶ2本の鏡筒を有し、エネルギーフィルタが前記各鏡筒をつなぐ部分に配置されていることを特徴とするエネルギーフィルタを備えた電子顕微鏡。
【請求項2】 エネルギーフィルタは中心面対称に構成されている請求項1記載のエネルギーフィルタを備えた電子顕微鏡。
【請求項3】 電子が順次通過する4つの均一磁場領域を有する請求項1または請求項2記載のエネルギーフィルタを備えた電子顕微鏡。
【請求項4】 電子が順次通過する4つの磁場領域を有し、そのうちの少なくとも2つは不均一磁場である請求項1または請求項2記載のエネルギーフィルタを備えた電子顕微鏡。
【請求項5】 フィルタを通過した後スリット上にフォーカスするビーム軌道は、フィルタに入射後スリットまでに4回フォーカスする請求項1ないし請求項4記載のエネルギーフィルタを備えた電子顕微鏡。
【請求項6】 4つの磁場領域を作成する電磁石のうち第1の電磁石と第2の電磁石とでは磁界の向きが反対であり、第3の電磁石と第4の電磁石とでは磁界の向きが反対である請求項3または請求項4記載のエネルギーフィルタを備えた電子顕微鏡。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、対物レンズの後段にエネルギーフィルタが設けられた電子顕微鏡に関し、特に、設置高さを抑制することができるエネルギーフィルタを備えた電子顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】鏡筒内で、対物レンズの後段で、結像レンズ系の中の中間レンズと投影レンズの間にオメガフィルタ(Ωフィルタ)やアルファフィルタ(αフィルタ)等のエネルギーフィルタが設けられた透過型電子顕微鏡が広く用いられている。図4は、Ωフィルタが設けられた従来の電子顕微鏡の一例の概略構成を示すブロック図である。図4には、対物レンズ系、Ωフィルタおよび結像レンズ系が示されている。
【0003】図4に示す構成では、試料3が対物レンズ(以下、OLという。)2の内部に設置される。OL2はヨーク21およびコイル22で構成される。電子銃(図示せず)から放射された電子ビームは、コンデンサレンズ(図示せず)によって収束され、さらにOL2によって試料3に照射する。試料3の直下のOL2の後焦点面の位置には試料3の回折像が形成され、電子顕微鏡像も所定の位置に形成される。
【0004】試料3を出射した電子ビームが中間レンズ(以下、ILという。)41,42,43を通過することによって、試料3の回折像および電子顕微鏡像が所定位置に結像される。IL41,42,43を通過した電子ビームは、入射絞り51を介してΩフィルタ5に入射する。そして、特定のエネルギーを有する電子ビームが出射スリット52を介してΩフィルタ5から出射し、結像レンズ61,62,63によって蛍光板や撮影フィルム(図示せず)に拡大されて結像される。
【0005】このような電子顕微鏡を使用すれば、Ωフィルタ5を通過する特定エネルギーを有する電子ビームによる電子顕微鏡像を観察することができる。また、Ωフィルタ5を通過する特定エネルギーを有する電子ビームによる回折像を観察することもできる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】図4に示されたようにエネルギーフィルタが電子顕微鏡の鏡筒の中に挿入されるので、鏡筒の長さは少なくともエネルギーフィルタの高さの分だけ高くなる。また、電子顕微鏡像を観察する場合、倍率変更や像回転等の種々の機能が要求されるが、各機能を実現するには励磁を自由に変更できる結像レンズが少なくとも3個必要である。ところが、初段の結像レンズ61はエネルギーフィルタ中の所定位置を物面とする必要があるので、励磁を自由に変更することができない。
【0007】よって、エネルギーフィルタを挿入した場合、電子顕微鏡に求められる各機能を実現するためには4個の結像レンズを備える必要がある。同様の理由から、ILについても少なくとも3個備えられていることが望ましい。すなわち、エネルギーフィルタを備えた電子顕微鏡において、通常の電子顕微鏡と同様に各機能を実現するにはエネルギーフィルタの前後にレンズを追加する必要があ。そのことは、鏡筒高さをさらに高くする要因になる。
【0008】また、近年の電子顕微鏡の高性能化に伴って、対物レンズの球面収差補正装置や電子銃が作る電子ビームを単色化するためのモノクロメータ等が追加されることが多く、電子顕微鏡の鏡筒高さはより高くなる傾向にある。
【0009】ところが、電子顕微鏡が設置される実験室等の天井の高さは例えば3m〜3.5m程度の決まった高さであるから、その高さよりも鏡筒高さが高くなる場合には、設置部屋を新たに作らなくてはならない。すると、電子顕微鏡の導入コストが飛躍的に大きくなってしまう。
【0010】鏡筒の高さ増大を抑制する方法として、エネルギーフィルタを鏡筒の中間に挿入するのではなく、電子顕微鏡の最後尾に導入し、鉛直方向ではなく水平方向にエネルギーフィルタおよび結像レンズ系を配置する方法がある。この方法には、鏡筒高さを高くしないという利点の他に、既存の電子顕微鏡に取り付け可能である等の利点もある。しかし、フィルタの作る収差が大きくなるので、限られた用途にしか用いることができない。それに対して、エネルギーフィルタを鏡筒の中間に挿入する方式では、電子ビームの軌道を中心面に対して鏡面対称にすることによって幾何収差の2次収差の大部分をキャンセルすることができ、歪みやぼけのない像を実現することができる。
【0011】そこで、本発明は、エネルギーフィルタを備えた電子顕微鏡において、フィルタの中心面対称性(中心面に対する鏡面対称性)を維持しつつ、鏡筒の高さの増大を抑制することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明による対物レンズと結像レンズ系との間にエネルギーフィルタを備えた電子顕微鏡は、ほぼ平行に並ぶ2本の鏡筒を有し、エネルギーフィルタが各鏡筒をつなぐ部分に配置されていることを特徴とする。
【0013】エネルギーフィルタは、中心面対称に構成されていることが好ましい。中心面対称に構成されていれば、電子ビームの軌道を中心面に対して面対称にすることによって幾何収差の2次収差の大部分をキャンセルすることができる。
【0014】エネルギーフィルタは、4つの均一磁場領域を有するものとして構成することができる。その場合、例えば、4つの均一時間電磁石によって実現できるので、エネルギーフィルタの作製は容易である。
【0015】また、4つの磁場を有し、そのうちの少なくとも2つが不均一磁場であるように構成することができる。その場合には、電子ビームの回転半径を小さくしても電子ビームの分散を大きくすることができるので、エネルギーフィルタの設置場所が大きくとれないような場合に有用である。
【0016】出射スリットにフォーカスするビーム軌道が、出射スリットまでに4回フォーカスするように構成することができる。フォーカス数が比較的多いので、電子ビームの分散をより大きくすることができる。
【0017】そして、エネルギーフィルタは、4つの磁場領域を作成する場合に、第1〜第4の電磁石のうち第1の電磁石と第2の電磁石とでは磁界の向きが反対であり、第3の電磁石と第4の電磁石とでは磁界の向きが反対であるように構成される。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明による電子顕微鏡の概略構成例を示すブロック図である。図1には、対物レンズ系、エネルギーフィルタ、結像レンズ系および像記録系が示されている。図1に示す構成では、電子銃(図示せず)から放射された電子ビームは、コンデンサレンズ(図示せず)によって収束され、さらに、ヨーク21およびコイル22で構成されるOL2によって試料3に照射する。
【0019】試料3を出射した電子ビームが4個のIL41,42,43,44を通過することによって、試料3の回折像および電子顕微鏡像が所定位置に結像される。IL41,42,43,44を通過した電子ビームは、入射絞り51を介してエネルギーフィルタ1に入射する。そして、特定のエネルギーを有する電子ビームが出射スリット52を介してエネルギーフィルタ1から出射し、結像レンズ61,62,63によって蛍光板や撮影フィルムあるいはCCDカメラなどの像記録系64に拡大されて結像される。
【0020】この実施の形態では、図1に示すように、エネルギーフィルタ1は、電子顕微鏡を設置するためのテーブル10の下部に設置されている。エネルギーフィルタ1は、入射ビームとほぼ平行に位置をずらせて出射ビームが出射するように電子ビームの軌道を制御するようなエネルギーフィルタである。
【0021】なお、OL2およびIL41,42,43,44は第1の鏡筒に収納され、結像レンズ61,62,63は、第2の鏡筒に収納される。また、図1には3つの結像レンズ61,62,63が示されているが、結像レンズも4つ設けられていることが好ましい。
【0022】次に、図2および図3を参照してエネルギーフィルタ1の作用を説明する。図2は、エネルギーフィルタ1の概略構成および電子ビームの軌道を示す説明図である。図2に示すように、入射絞りを介してエネルギーフィルタ1に入射した入射ビームは、4個の湾曲形状の電磁石によって、回転しながら出射スリットの出射位置に戻ってくる。図2において、符号11,12,13,14は電磁石(正しくは磁極片)を示す。各電磁石11〜14は、磁極面のいずれな場所でも磁極面に対して磁界が垂直である均一磁界電磁石である。従って、エネルギーフィルタ1は、4個の均一磁場領域を有する。
【0023】また、電磁石11の湾曲方向と電磁石12の湾曲方向は逆であって、電磁石11による磁界の向きと電磁石12による磁界の向きは反転している。そして、電磁石12の磁界を抜けた電子ビームは、フィルタの中心面に対してほぼ垂直に入射し、電磁石13の磁界に入射する。電磁石13の湾曲方向と電磁石14の湾曲方向は逆であって、電磁石13による磁界の向きと電磁石14による磁界の向きは反転している。
【0024】電子ビーム入射の前段には鏡筒があり、電子ビーム出射の後段にも結像レンズ系が備えられた鏡筒があり、それらは平行またはほぼ平行に設置されているので、電子ビームの入射窓と出射窓との間は、鏡筒の直径よりも大きくしなければならない。図2に示す例では、両者の間が300mm離れている。図2に示すA点およびB点をクロスオーバーとすれば、その位置を電子顕微鏡のテーブル面とし、エネルギーフィルタ1をテーブル10の下に納めることができる。
【0025】図3は、エネルギーフィルタ1の中での電子ビームの4つの基本軌道を示す説明図であり、光軸を直線で表した模式的な図である。(A)に示すα軌道は、図2に示すゼロロスビームの磁極面に平行な方向の像を作るビーム軌道を示し、(B)に示すβ軌道は、ゼロロスビームの磁極面に垂直な方向の像を作るビーム軌道を示す。(C)に示すγ軌道は、入射窓および出射窓でフォーカスしているビームの磁極面に平行な方向のビーム軌道を示し、(D)に示すδ軌道は、入射窓および出射窓でフォーカスしているビームの磁極面に垂直な方向のビーム軌道を示す。(C)には、図2に示す分散ビームの軌道であるχ軌道も示されている。
【0026】図3に示すように、α軌道およびβ軌道は、エネルギーフィルタ1における中心面に対して対称である。γ軌道およびδ軌道は、中心面に対して反対称である。また、γ軌道およびδ軌道は、出射スリット面までの間に4回のフォーカスを行うので(図3における■〜■参照)、分散がより大きくなる。
【0027】以上に説明したエネルギーフィルタ1は、電子顕微鏡の最後尾の例えばテーブル10の下部に設置可能であるから、フィルタの大きさを大きくしても電子顕微鏡の鏡筒高さをさほど高くしない。すなわち、フィルタの大きさに関する制約から開放され、大きな分散を得ることができる。この例では、電子ビームの回転半径を150mmと大きくとることができ、200kVの電子顕微鏡の場合、8μmという大きな分散を実現できる。なお、分散は、フィルタを出るときに消滅する。フィルタを出た後に大きな分散を有し、フィルタ後方にスリットを配置する方法もある。
【0028】また、エネルギーフィルタ1は、Ωフィルタ等と同様に中心面対称の構成であるから、電子ビームの軌道を中心面に対して面対称にすることによって2次収差の大部分をキャンセルすることができる。
【0029】上記の実施の形態では、フィルタの大きさを比較的大きくできることから特に不均一磁界を用いなくても、電子ビームの回転半径を大きくすることによって大きな分散を得ることができる。しかし、何らかの理由で回転半径を大きくとることができない場合には、少なくとも電磁石12,13を不均一磁界を生ずる不均一磁界電磁石として分散を大きくするようにしてもよい。
【0030】
【発明の効果】以上にように、本発明によれば、対物レンズと結像レンズ系との間にエネルギーフィルタを備えた電子顕微鏡において、エネルギーフィルタがほぼ平行に並ぶ2本の鏡筒をつなぐ部分に配置されているので、フィルタの中心面対称性を維持して2次収差をキャンセルしつつ、鏡筒の高さの増大を抑制することができる効果がある。




 

 


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