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発明の名称 単一縦モード固体レーザー
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−119088(P2001−119088A)
公開日 平成13年4月27日(2001.4.27)
出願番号 特願平11−299209
出願日 平成11年10月21日(1999.10.21)
代理人 【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史 (外1名)
【テーマコード(参考)】
5F072
【Fターム(参考)】
5F072 AB20 JJ05 KK06 KK08 KK12 KK15 KK26 KK30 PP07 QQ02 SS01 TT22 TT29 
発明者 日向 浩彰 / 岡崎 洋二
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 Ndが添加された固体レーザー媒質を用いて1.3μm帯で発振し、共振器内に配置されたファブリー・ペロー型エタロンにより発振モードを単一縦モード化する単一縦モード固体レーザーにおいて、エタロンの共振波長λO から共振器縦モード間隔Δλc分だけずれた波長λ=λO ±Δλcにおけるエタロンの実効反射率をRN 、共振器光軸に対するエタロン光軸の傾きをθとしたとき、0.5%≦RN ≦10.0% かつ 0.2°≦θ≦2.0°の関係を満たすようにエタロン厚さ、エタロン反射率、エタロン傾き、および共振器縦モード間隔が調整されていることを特徴とする単一縦モード固体レーザー。
【請求項2】 前記実効反射率をRN 、共振器光軸に対するエタロン光軸の傾きをθとしたとき、1.0%≦RN ≦6.0% かつ 0.5°≦θ≦ 1.5°の関係を満たすようにエタロン厚さ、エタロン反射率、エタロン傾き、および共振器縦モード間隔が調整されていることを特徴とする請求項1記載の単一縦モード固体レーザー。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は固体レーザーに関し、特に詳細には、共振器内にエタロンを配して発振モードを単一縦モード化する固体レーザーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、Nd:YVO4 、Nd:YAG(Y3 Al5 12 )、Nd:YLF(YLiF4 )、Nd:GdVO4 、Nd:YAlO(YAlO3 )、Nd:glass 等、ネオジウム(Nd)がドープされた固体レーザー媒質を用いて、1.3μm帯(レーザー遷移として3/2 413/2 を利用し、波長は概ね 1.31μm〜 1.39μm程度)で発振する固体レーザーが種々提供されている。この種のレーザーにおいては、例えば特開平5-218556号公報、同6-130328号公報、同7-263785号公報等に示されるように、共振器内にファブリー・ペロー型エタロン(本明細書における「エタロン」は、すべてこのファブリー・ペロー型エタロンを指すものである)を配して発振モードを単一縦モード化することも広く行なわれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このようにエタロンを用いて単一縦モード化を図る従来の単一縦モード固体レーザーにおいては、良好な単一縦モード性が得られるエタロンの条件(すなわちエタロン厚さ、エタロン反射率、エタロン傾き)および共振器の条件(縦モード間隔)が不明であったので、ある共振器内に配されて良好な単一縦モード性を実現するエタロンをそのまま別の共振器に使用しても、不十分な単一縦モード性しか得られない、といった問題が生じていた。
【0004】また、エタロンにより良好な単一縦モード性を得ても、その一方でビームプロファイルが悪化したり、出力が低下することがあり、単一縦モード性、ビームプロファイル、出力の3点を同時に満足させるような、エタロンおよび共振器の条件は明らかになっていなかった。
【0005】本発明者等の研究によると、エタロン厚さ、エタロン反射率、エタロン傾きのそれぞれを大きくすると単一縦モード性は良化するが、ビームプロファイルが悪化し、出力も低下する。反対にエタロン厚さ、エタロン反射率、エタロン傾きのそれぞれを小さくするとビームプロファイル、出力は良化するが、単一縦モード性が悪化する。
【0006】他方、共振器長を大きくする(つまり共振器縦モード間隔を小さくする)と単一縦モード性は悪化し、反対に共振器長を短くすると単一縦モード性は良化するが、ビームプロファイルおよび出力はさほど共振器長の影響を受けない。
【0007】本発明者は、特開平8-186316号公報に示されるように、固体レーザー媒質として特にNd:YAGを用いて 0.9μm帯で発振する固体レーザーについては、良好で安定した単一縦モード性、良好なビームプロファイル、高出力の3点が全て得られるエタロンの条件を既に見出している。また、特願平11-123819号明細書に示されるように、1μm帯で発振する固体レーザーについても同様である。しかし、前述のように1.3μm帯で発振する固体レーザーについては、そのようなエタロンの条件は未だ解明されていない。なお、Ndが添加された固体レーザー媒質を用いて、1.3μm帯の発振を得る際に利用するレーザー遷移は、 43/2 413/2 である。
【0008】本発明は上記の事情に鑑みて、良好で安定した単一縦モード性、良好なビームプロファイル、高出力の3点が全て得られる1.3μm帯の単一縦モード固体レーザーを提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明による単一縦モード固体レーザーは、前述したようにNdが添加された固体レーザー媒質を用いて1.3μm帯で発振し、共振器内に配置されたファブリー・ペロー型エタロンにより発振モードを単一縦モード化する単一縦モード固体レーザーにおいて、エタロンの共振波長λO から共振器縦モード間隔Δλc分だけずれた波長λ=λO ±Δλcにおけるエタロンの実効反射率をRN 、共振器光軸に対するエタロン光軸の傾きをθとしたとき、0.5%≦RN ≦10.0% かつ 0.2°≦θ≦2.0°の関係を満たすようにエタロン厚さ、エタロン反射率、エタロン傾き、および共振器縦モード間隔が調整されていることを特徴とするものである。
【0010】なおこれらのエタロン厚さ、エタロン反射率、エタロン傾き、および共振器縦モード間隔は、1.0%≦RN ≦6.0% かつ 0.5°≦θ≦ 1.5°の関係を満たすように調整されるとさらに好ましい。
【0011】
【発明の効果】ファブリー・ペロー型エタロンは、光の多重干渉を利用した波長選択素子であり、その実効反射率Reff の波長特性は、図3に曲線aで示すようなものとなる。図示の通りこの実効反射率Reff は周期的に変化し、波長間隔Δλe(FSR:Free Spectral Range )毎にReff =0となるところにエタロン縦モードが存在することになる。
【0012】一方、同図に曲線bで示すのは固体レーザー媒質のゲインスペクトルである。一般に共振器縦モードは、このゲインスペクトル中の発振可能な波長幅W内に複数存在するので、エタロンが用いられなければレーザーは多重縦モード発振する。それに対して共振器内にエタロンが挿入されると、エタロンの実効反射率Reff により、共振器の各縦モードが感じる損失が変調を受け、上記波長幅W内に存在する複数の共振器縦モードのうち、最も損失が低いものだけが発振する。
【0013】以上のようにしてエタロンにより単一縦モード化がなされるが、従来は、エタロンの実効反射率Reff による損失変調や、エタロンの傾きをどのようにすれば、良好で安定した単一縦モード性、良好なビームプロファイル、高出力の3点が全て満足されるのか不明であった。
【0014】本発明者等は、この点を明らかにすべく鋭意研究した結果、エタロンの共振波長λO から共振器縦モード間隔Δλc分だけずれた波長λ=λO ±Δλcにおけるエタロンの実効反射率RN (図3参照)をある特定の範囲に収めることにより適度な損失変調を与え、またエタロンの傾きθもある特定の範囲に収めることにより、上記3点の要求が全て満足されることを見出した。この実効反射率RN とエタロン光軸の傾きθの特定の範囲は、1.3μm帯の単一縦モード固体レーザーにおいては、前述した通り 0.5%≦RN ≦10.0%(より好ましくは 1.0%≦RN≦6.0%)、0.2°≦θ≦2.0°(より好ましくは 0.5°≦θ≦ 1.5°)である。
【0015】ここで、上記エタロンの実効反射率RN の求め方を説明する。まず、一般にエタロンの実効反射率Reff は、エアリーの公式(Airy’s Formulae )より、【0016】
【数1】

【0017】となる。ここでR :エタロンのコート反射率ne :エタロンの屈折率le :エタロンの厚さλ :光の波長である。
【0018】またこのエタロンの縦モード間隔Δλeは、発振波長をλO とすると、Δλe=λO 2 /(2ne le ) ……(2)である。
【0019】次に共振器縦モード間隔Δλcを求める。共振器内に屈折率n1 、n2 、n3n4 、……の媒質(空気も含む)が並んでいて、それらの厚さがそれぞれl1、l2 、l3 、l4 、……であるとすると、共振器光路長Lopt は、【0020】
【数2】

【0021】となり、共振器縦モード間隔Δλcは、Δλc=λO 2 /2Lopt ……(4)となる。
【0022】以上の(1) 、(2) および(4) 式より、エタロンの共振波長λO から共振器縦モード間隔Δλc分だけずれた波長λ=λO ±Δλcにおけるエタロンの実効反射率RN は、一部近似を適用して、【0023】
【数3】

【0024】となる。
【0025】次に、上に記した実効反射率RN とエタロン光軸の傾きθの数値範囲の根拠について詳しく説明する。
【0026】(a)単一縦モード性ファブリー・ペロー型エタロンにより単一縦モード化を図る固体レーザーにおいて、共振器温度を連続的に10°C変化させ、そのうち単一縦モード発振する温度領域の割合を%で表示し、これを単一縦モード性の指標とする。この指標は、エタロンの実効反射率RN と傾きθに応じて、基本的に図4のように変化する。
【0027】(b)出力AR(無反射)コートを施したエタロン(RN =0)をθ≒0°で共振器内に挿入したときのレーザー出力を100 %とし、それに対してエタロンの実効反射率RN と傾きθを種々に変えた際のレーザー出力の比を調べた。このレーザー出力の変化の様子を図5に示す。なおこの特性は、共振器長を一定とした場合のものである。
【0028】(c)ビーム品質ビーム品質をM2 値で示すと、その値はエタロンの実効反射率RN と傾きθに応じて、基本的に図6のように変化する。なおこの特性も、共振器長を一定とした場合のものである。
【0029】上の図4、5および6の特性から、単一縦モード性、出力およびビーム品質に関する任意の仕様に対して、エタロンの実効反射率RN と傾きθをどのような範囲内に設定すれば良いかが分かる。例えば、単一縦モード性≧80%出力≧30%M2 ≦1.2のように比較的緩い仕様は、図7の斜線部の範囲にエタロンの実効反射率RN および傾きθを設定すれば達成され、この場合は 0.5%≦RN ≦10.0%でかつ0.2°≦θ≦2.0°である。
【0030】他方、例えば、単一縦モード性≧100 %出力≧50%M2 ≦1.05のように比較的厳しい仕様は、図8の斜線部の範囲にエタロンの実効反射率RNと傾きθを設定すれば達成され、この場合は 1.0%≦RN ≦6.0%でかつ0.5°≦θ≦ 1.5°である。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、図面に示す実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施形態による単一縦モード固体レーザーを示すものである。この単一縦モード固体レーザーは一例として半導体レーザー励起固体レーザーであり、励起光としてのレーザービーム10を発する半導体レーザー11と、発散光である上記レーザービーム10を収束させる集光レンズ12と、ネオジウム(Nd)がドープされた固体レーザー媒質であるYVO4 結晶(Nd:YVO4 結晶)13と、このNd:YVO4 結晶13の前方側(図中右方側)に配された共振器ミラー14とを有している。
【0032】また上記共振器ミラー14とNd:YVO4 結晶13との間には、Nd:YVO4結晶13側から順に光波長変換素子15、偏光制御素子16およびエタロン17が配設されている。
【0033】本例では、後述するようにNd:YVO4 結晶13および共振器ミラー14によって固体レーザーの共振器が構成されており、それらと、共振器内に配された各要素15、16および17は、例えば銅からなる共通の共振器ホルダー18に保持されている。そしてこの共振器ホルダー18はペルチェ素子19の上に固定され、該ペルチェ素子19と図示外の温度調節回路とによって、共振器内の温度が所定値に制御される。
【0034】またペルチェ素子19の上には、APC(Automatic Power Control )ユニット20が固定されている。このAPCユニット20は、後述のようにして発生する波長670nmの第2高調波31を一部分岐させるビームスプリッタ21と、この分岐された第2高調波31を検出するフォトダイオード等からなる光検出器22とを有している。
【0035】上記ペルチェ素子19は、その歪みを抑制する補強板として作用する金属板24を介して、密閉型のパッケージ25内に固定されている。このパッケージ25には、それぞれ透明部材が嵌め込まれた励起光入射窓26および第2高調波出射窓27が形成されている。
【0036】一方光波長変換素子15は、非線形光学材料である、MgOがドープされたLiNbO3 結晶に周期ドメイン反転構造が形成されてなるものである。また偏光制御素子16は、ブリュースター角に配されたノンコート石英ガラス板からなる。エタロン17は、両端面にコートが施された石英ガラス板からなる。また共振器ミラー(出力ミラー)14は、一端面が凹面研磨され、両端面にコートが施された石英ガラス板からなる。
【0037】半導体レーザー11としては、波長 809nmのレーザービーム10を発するものが用いられている。Nd:YVO4 結晶13は入射したレーザービーム10によってネオジウムイオンが励起されることにより、波長1340nmの光を発する。そして後述のようにNd:YVO4 結晶13および共振器ミラー14で構成された共振器によりレーザー発振が引き起こされて、波長1340nmの固体レーザービーム30が得られる。この固体レーザービーム30は光波長変換素子15に入射して、波長が1/2つまり 670nmの第2高調波31に変換される。
【0038】なお本実施形態では、APCユニット20のビームスプリッタ21で一部分岐された第2高調波31の光出力が光検出器22によって検出され、該光検出器22の出力信号Sが図示外の半導体レーザー駆動回路に入力される。そしてこの半導体レーザー駆動回路が、上記出力信号Sが一定になるように半導体レーザー11の駆動電流を制御することにより、第2高調波31の出力が一定に保たれる。
【0039】ここで図2には、Nd:YVO4 結晶13から共振器ミラー14までの間の構成を拡大して示す。ここに示されるNd:YVO4 結晶13の両端面13aおよび13b、光波長変換素子15の両端面15aおよび15b、エタロン17の両端面17aおよび17b、そして共振器ミラー14の両端面14aおよび14bの上記波長 809nm、1340nm、 670nmに対する反射率あるいは透過率は、適宜のコートを施すことにより、下記の(表1)の通りに調整されている。偏光制御素子16は両端面ともコート無しである。
【0040】なおこの(表1)中、%表示の数値は反射率を示している。またARは無反射コート、HRは高反射コートを示し、−はコート無しを示している。
【0041】
【表1】

【0042】上記の構成においては、波長1340nmのレーザービーム30がNd:YVO4 結晶13の端面13aと共振器ミラー14のミラー面14aとの間で共振し、そして先に詳しく説明した通りのエタロン17の作用により単一縦モード化される。したがって第2高調波31も単一縦モード化され、ほぼこの第2高調波31のみが共振器ミラー14の光出射端面14bから出射する。
【0043】本例において、共振器内に位置するNd:YVO4 結晶13、光波長変換素子15、偏光制御素子16およびエタロン17の屈折率と厚さは、以下の(表2)の通りである。また共振器長つまりNd:YVO4 結晶13の端面13aと共振器ミラー14のミラー面14aとの間の距離は 10.78mmである。
【0044】
【表2】

【0045】また、共振器内にある空気の屈折率を1とすると、共振器光路長Lopt は前述の(3) 式よりLopt =16.75mmとなり、これを基に共振器縦モード間隔Δλcは(4) 式よりΔλc=0.054 nmとなる。またエタロン縦モード間隔Δλeは(2) 式よりΔλe=2.78 nmとなる。
【0046】上記の各数値に基づくと、エタロン17の共振波長λO (=1340nm)から共振器縦モード間隔Δλc(=0.054 nm)分だけずれた波長λ=λO ±Δλcにおけるエタロン17の実効反射率RN は、先の(5) 式よりRN =5.67%となる。一方エタロン17は、その光軸が共振器光軸に対してθ=1.0 °傾くように配設されている。以上の通り本実施形態では、前述した 0.5%≦RN ≦10.0%かつ0.2°≦θ≦2.0°の関係が満足されており、さらにはより好ましい 1.0%≦RN ≦6.0%かつ0.5°≦θ≦ 1.5°の関係も満足されている。
【0047】以上の構成を有するこの単一縦モード固体レーザーにおいては、半導体レーザー11の出力が2Wのとき、安定に単一縦モード発振した出力 300mWの第2高調波31が得られた。またこの第2高調波31はTEM00モードで、かつほぼ理想的なガウスビームであった。
【0048】次に、図9に示す本発明の第2の実施形態による単一縦モード固体レーザーについて説明する。なおこの図9において、図1中の要素と同等の要素には同番号を付してあり、それらについての説明は省略する(以下、同様)。
【0049】この第2の実施形態の単一縦モード固体レーザーも一例として半導体レーザー励起固体レーザーであり、図示の通りこの半導体レーザー励起固体レーザーは、図1の装置と比較すると基本的に、偏光制御素子16が省かれている点のみが異なる。
【0050】ここで図10には、Nd:YVO4 結晶13から共振器ミラー14までの間の構成を拡大して示す。ここに示されるNd:YVO4 結晶13の両端面13aおよび13b、光波長変換素子15の両端面15aおよび15b、エタロン17の両端面17aおよび17b、そして共振器ミラー14の両端面14aおよび14bの上記波長 809nm、1340nm、 670nmに対する反射率あるいは透過率は、適宜のコートを施すことにより、前述した(表1)の通り、つまり第1実施形態におけるのと同様に調整されている。
【0051】上記の構成においては、波長1340nmのレーザービーム30がNd:YVO4 結晶13の端面13aと共振器ミラー14のミラー面14aとの間で共振し、そして先に詳しく説明した通りのエタロン17の作用により単一縦モード化される。したがって第2高調波31も単一縦モード化され、ほぼこの第2高調波31のみが共振器ミラー14の光出射端面14bから出射する。
【0052】本例において、共振器内に位置するNd:YVO4 結晶13、光波長変換素子15およびエタロン17の屈折率と厚さは、以下の(表3)の通りである。また共振器長つまりNd:YVO4 結晶13の端面13aと共振器ミラー14のミラー面14aとの間の距離は 6.70mmである。
【0053】
【表3】

【0054】また、共振器内にある空気の屈折率を1とすると、共振器光路長Lopt は前述の(3) 式よりLopt =12.49mmとなり、これを基に共振器縦モード間隔Δλcは(4) 式よりΔλc=0.072 nmとなる。またエタロン縦モード間隔Δλeは(2) 式よりΔλe=2.78 nmとなる。
【0055】上記の各数値に基づくと、エタロン17の共振波長λO (=1340nm)から共振器縦モード間隔Δλc(=0.072 nm)分だけずれた波長λ=λO ±Δλcにおけるエタロン17の実効反射率RN は、先の(5) 式よりRN =9.74%となる。一方エタロン17は、その光軸が共振器光軸に対してθ=1.0 °傾くように配設されている。以上の通り本実施形態では、前述した 0.5%≦RN ≦10.0%かつ0.2°≦θ≦2.0°の関係が満足されている。
【0056】以上の構成を有するこの単一縦モード固体レーザーにおいては、半導体レーザー11の出力が2Wのとき、安定に単一縦モード発振した出力 300mWの第2高調波31が得られた。またこの第2高調波31はTEM00モードで、かつほぼ理想的なガウスビームであった。
【0057】次に、図11に示す本発明の第3の実施形態による単一縦モード固体レーザーについて説明する。この単一縦モード固体レーザーも一例として半導体レーザー励起固体レーザーであり、励起光としてのレーザービーム50を発する半導体レーザー51と、発散光である上記レーザービーム50を収束させる集光レンズ52と、ネオジウム(Nd)がドープされた固体レーザー媒質であるYLiF4 結晶(Nd:YLF結晶)54と、このNd:YLF結晶54の前方側(図中右方側)に配された共振器ミラー59とを有している。
【0058】Nd:YLF結晶54の後方側および前方側にはそれぞれ、発振モードをツイストモード化させるためのλ/4板53および55が配設されている。また上記共振器ミラー59とNd:YLF結晶54との間には、Nd:YLF結晶54側から順に光波長変換素子56、偏光制御素子57およびエタロン58が配設されている。
【0059】本例では、後述するようにλ/4板53および共振器ミラー59によって固体レーザーの共振器が構成されており、それらと共振器内の各要素は、第1実施形態におけるのと同様にして所定温度に制御される。また同じく第1実施形態のAPCユニット20、パッケージ25とそれぞれ同様のAPCユニット、パッケージが設けられるが、図11ではそれらと上記温度制御に関わる構成は省略してある。
【0060】光波長変換素子56は、非線形光学材料である、MgOがドープされたLiNbO3 結晶に周期ドメイン反転構造が形成されてなるものである。また偏光制御素子57は、ブリュースター角に配されたノンコート石英ガラス板からなる。エタロン58は、両端面にコートが施された石英ガラス板からなる。また共振器ミラー(出力ミラー)59は、一端面が凹面研磨され、両端面にコートが施された石英ガラス板からなる。
【0061】半導体レーザー51としては、波長 797nmのレーザービーム50を発するものが用いられている。Nd:YLF結晶54は入射したレーザービーム50によってネオジウムイオンが励起されることにより、波長1313nmの光を発する。そして後述のようにNd:YLF結晶54および共振器ミラー59で構成された共振器によりレーザー発振が引き起こされて、波長1313nmの固体レーザービーム60が得られる。この固体レーザービーム60は光波長変換素子56に入射して、波長が1/2つまり 657nmの第2高調波61に変換される。
【0062】ここでλ/4板53の両端面53aおよび53b、Nd:YLF結晶54の両端面54aおよび54b、λ/4板55の両端面55aおよび55b、光波長変換素子56の両端面56aおよび56b、エタロン58の両端面58aおよび58b、そして共振器ミラー59の両端面59aおよび59bの上記波長 797nm、1313nm、 657nmに対する反射率あるいは透過率は、適宜のコートを施すことにより、下記の(表4)の通りに調整されている。偏光制御素子57は両端面ともコート無しである。
【0063】なおこの(表4)中、%表示の数値は反射率を示している。またARは無反射コート、HRは高反射コートを示し、−はコート無しを示している。
【0064】
【表4】

【0065】上記の構成においては、波長1313nmのレーザービーム60がλ/4板53の端面53aと共振器ミラー59のミラー面59aとの間で共振し、そして先に詳しく説明した通りのエタロン58の作用により単一縦モード化される。したがって第2高調波61も単一縦モード化され、ほぼこの第2高調波61のみが共振器ミラー59の光出射端面59bから出射する。
【0066】本例において、共振器内に位置するλ/4板53、Nd:YLF結晶54、λ/4板55、光波長変換素子56、偏光制御素子57およびエタロン58の屈折率と厚さは、以下の(表5)の通りである。また共振器長つまりλ/4板53の端面53aと共振器ミラー59のミラー面59aとの間の距離は 12.78mmである。
【0067】
【表5】

【0068】また、共振器内にある空気の屈折率を1とすると、共振器光路長Lopt は前述の(3) 式よりLopt =20.22mmとなり、これを基に共振器縦モード間隔Δλcは(4) 式よりΔλc=0.043 nmとなる。またエタロン縦モード間隔Δλeは(2) 式よりΔλe=2.67 nmとなる。
【0069】上記の各数値に基づくと、エタロン58の共振波長λO (=1313nm)から共振器縦モード間隔Δλc(=0.043 nm)分だけずれた波長λ=λO ±Δλcにおけるエタロン58の実効反射率RN は、先の(5) 式よりRN =1.48%となる。一方エタロン58は、その光軸が共振器光軸に対してθ=0.67 °傾くように配設されている。以上の通り本実施形態でも、前述した 0.5%≦RN ≦10.0%かつ0.2°≦θ≦2.0°の関係が満足されており、さらにはより好ましい 1.0%≦RN ≦6.0%かつ0.5°≦θ≦ 1.5°の関係も満足されている。
【0070】以上の構成を有するこの単一縦モード固体レーザーにおいては、半導体レーザー51の出力が2Wのとき、安定に単一縦モード発振した出力 500mWの第2高調波61が得られた。またこの第2高調波61はTEM00モードで、かつほぼ理想的なガウスビームであった。
【0071】以上、固体レーザー媒質としてNd:YVO4 結晶およびNd:YLF結晶が用いられた3つの実施形態について説明したが、本発明はNdが添加されたそれ以外の固体レーザー媒質、例えばNd:YAG(Y3 Al5 12)、Nd:GdVO4 、Nd:YAlO(YAlO3 )、Nd:glass Nd:LaF3 、Nd:CeF3 、Nd:Ca2 2 19 、Nd:Sr2 5 19 、Nd:LiNbO3 、LiNdP4 12 、NaNdP4 12 、Nd:KY(WO4 )、Nd:CaAl4 7 、Nd:CaWO4 等を用いて1.3μm帯で発振する固体レーザーならばいずれに対しても同様に適用可能であり、そして同様の効果を奏するものである。
【0072】また本発明は、発振ビームを光波長変換素子によって第2高調波等に変換することはしない固体レーザーに対しても同様に適用可能である。




 

 


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