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発明の名称 半導体レーザ装置およびその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−53390(P2001−53390A)
公開日 平成13年2月23日(2001.2.23)
出願番号 特願平11−222168
出願日 平成11年8月5日(1999.8.5)
代理人 【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史 (外1名)
【テーマコード(参考)】
5F043
5F045
5F073
【Fターム(参考)】
5F043 AA03 AA04 AA20 BB07 BB08 CC20 DD24 FF01 FF03 
5F045 AA04 AB10 AB17 AB18 AF04 BB12 BB16 CA12 DA64 DC62 HA14
5F073 AA13 AA53 AA74 AA83 CA17 CB02 DA05 DA22 EA24 EA29
発明者 福永 敏明
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 第一導電型GaAs基板上に、第一導電型下部クラッド層、下部光導波層、組成比が0<x3≦0.4および0≦y3≦0.1であるInx3Ga1-x3As1-y3y3圧縮歪量子井戸活性層、上部光導波層、第二導電型In0.49Ga0.51P上部第一クラッド層、電流注入窓となるストライプ状の部分が除去された、組成比が0≦x1≦0.3および0≦y1≦0.6であるInx1Ga1-x1As1-y1y1エッチング阻止層、電流注入窓となるストライプ状の部分が除去された、第一導電型In0.49Ga0.51P電流狭窄層がこの順に積層された結晶層の上に、組成比がx4=(0.49±0.01)y4および0.4≦x4≦0.46である第二導電型Inx4Ga1-x4As1-y4y4上部第二クラッド層および第二導電型コンタクト層がこの順に積層されてなり、前記圧縮歪量子井戸活性層の歪量と膜厚の積の絶対値が0.25nm以下であり、前記エッチング阻止層の歪量と膜厚の積の絶対値が0.25nm以下であり、前記圧縮歪量子井戸活性層および前記エッチング阻止層以外の全ての層が、前記第一導電型GaAs基板と格子整合する組成であることを特徴とする半導体レーザ装置。
【請求項2】 前記エッチング阻止層が、第一導電型または第二導電型であることを特徴とする請求項1記載の半導体レーザ装置。
【請求項3】 第一導電型GaAs基板上に、第一導電型下部クラッド層、下部光導波層、組成比が0<x3≦0.4および0≦y3≦0.1であるInx3Ga1-x3As1-y3y3圧縮歪量子井戸活性層、上部光導波層、第二導電型In0.49Ga0.51P上部第一クラッド層、組成比が0≦x1≦0.3および0≦y1≦0.6である第二導電型Inx1Ga1-x1As1-y1y1エッチング阻止層、電流注入窓となるストライプ状の部分が除去された第一導電型In0.49Ga0.51P電流狭窄層がこの順に積層された結晶層の上に、組成比がx4=(0.49±0.01)y4および0.4≦x4≦0.46である第二導電型Inx4Ga1-x4As1-y4Py4上部第二クラッド層および第二導電型コンタクト層がこの順に積層されてなり、前記圧縮歪量子井戸活性層の歪量と膜厚の積の絶対値が0.25nm以下であり、前記エッチング阻止層の歪量と膜厚の積の絶対値が0.25nm以下であり、前記圧縮歪量子井戸活性層および前記エッチング阻止層以外の全ての層が、前記第一導電型GaAs基板と格子整合する組成であることを特徴とする半導体レーザ装置。
【請求項4】 前記圧縮歪量子井戸活性層の上下に、組成比が0≦x5≦0.3および0<y5≦0.6であるInx5Ga1-x5As1-y5y5引張り歪障壁層が形成されており、前記圧縮歪量子井戸活性層の歪量と膜厚の積と、該引張り歪障壁層の歪量と該2つの引張り歪障壁層の合計の膜厚の積の和の絶対値が0.25nm以下であることを特徴とする請求項1、2または3記載の半導体レーザ装置。
【請求項5】 前記ストライプの幅が1μm以上であることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の半導体レーザ装置。
【請求項6】 前記圧縮歪量子井戸活性層が、複数の量子井戸から構成されていることを特徴とする請求項1から5いずれか1項記載の半導体レーザ装置。
【請求項7】 第一導電型GaAs基板上に、第一導電型下部クラッド層、下部光導波層、組成比が0<x3≦0.4および0≦y3≦0.1であるInx3Ga1-x3As1-y3y3圧縮歪量子井戸活性層、上部光導波層、第二導電型In0.49Ga0.51P上部第一クラッド層、組成比が0≦x1≦0.3および0≦y1≦0.6であるInx1Ga1-x1As1-y1y1エッチング阻止層、第一導電型In0.49Ga0.51P電流狭窄層GaAsキャップ層をこの順に積層し、前記GaAsキャップ層の電流注入窓となる部分をストライプ状に除去し、次に、前記第一導電型In0.49Ga0.51P電流狭窄層の電流注入窓となる部分をストライプ状に除去し、次に、該電流注入窓となる部分がストライプ状に除去されたGaAsキャップ層およびInx1Ga1-x1As1-y1y1エッチング阻止層の電流注入窓となるストライプ状の部分を同時に除去した後、前記第一導電型In0.49Ga0.51P電流狭窄層上に前記電流注入窓を覆うようにして、組成比がx4=(0.49±0.01)y4および0.4≦x4≦0.46である第二導電型Inx4Ga1-x4As1-y4y4上部第二クラッド層および第二導電型コンタクト層をこの順に積層し、前記圧縮歪量子井戸活性層の歪量と膜厚の積の絶対値を0.25nm以下とし、 前記エッチング阻止層の歪量と膜厚の積の絶対値を0.25nm以下とし、前記圧縮歪量子井戸活性層および前記エッチング阻止層以外の全ての層を、前記第一導電型GaAs基板と格子整合させることを特徴とする半導体レーザ装置の製造方法。
【請求項8】 前記エッチング阻止層が、第一導電型または第二導電型であることを特徴とする請求項7記載の半導体レーザ装置の製造方法。
【請求項9】 前記GaAsキャップ層が、第一導電型または第二導電型であることを特徴とする請求項7または8記載の半導体レーザ装置の製造方法。
【請求項10】 前記圧縮歪量子井戸活性層の上下に、組成比が0≦x5≦0.3および0<y5≦0.6であるInx5Ga1-x5As1-y5y5引張り歪障壁層を積層し、前記圧縮歪量子井戸活性層の歪量と膜厚の積と、該引張り歪障壁層の歪量と該2つの引張り歪障壁層の合計の膜厚の積の和の絶対値を0.25nm以下とすることを特徴とする請求項7、8または9記載の半導体レーザ装置の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体レーザ装置およびその製造方法に関し、特に、内部に電流狭窄構造と屈折率導波機構を備えた半導体レーザ装置およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、発振波長が0.9μmから1.1μmの半導体レーザ装置において、基本横モードを得るために、結晶層の内部に電流狭窄層と屈折率導波機構を設けることが広くなされている。例えば、0.98μm帯の半導体レーザ装置として、1995年発行のIEEE Journal of selected Topics in Quantum Electronics,Vol.1,No.2 pp.102において、n−GaAs基板上にn−Al0.48Ga0.52As下部クラッド層、アンドープAl0.2Ga0.8As光導波路、Al0.2Ga0.8As/In0.2Ga0.8As二重量子井戸活性層、アンドープAl0.2Ga0.8As光導波層、p−AlGaAs上部第一クラッド層、p−Al0.67Ga0.33Asエッチング阻止層、p−Al0.48Ga0.52As上部第二クラッド層、p−GaAsキャップ層、絶縁膜を積層し、通常のフォトリソグラフィにより、選択エッチングを利用して、p−Al0.67Ga0.33Asエッチング阻止層までの狭ストライプのリッジ構造を形成し、そのリッジ構造の両サイドをClガスのアシストによる選択MOCVD成長によりn−Al0.7Ga0.3Asとn−GaAsを埋め込み、絶縁膜を除去した後、p−GaAsを積層した電流狭窄と屈折率導波機構を作り付けたことを特徴とする基本横モード発振する半導体レーザ装置が報告されている。この装置においては、酸化されやすいAl組成の高い上部第一クラッド層の上に選択成長の困難なAlGaAs上部第二クラッド層を再成長するということが非常に難しいという問題がある。
【0003】また、0.98−1.02μm帯の半導体レーザ装置として、1993年発行のIEEE Journal of Quantum Electronics Vol.29,No.6 pp.1936において、n−GaAs基板上にn−Al0.4Ga0.6As下部クラッド層、アンドープAl0.2Ga0.8As光導波層、GaAs/InGaAs二重量子井戸活性層、アンドープAl0.2Ga0.8As光導波層、p−Al0.4Ga0.6As上部クラッド層、p−GaAsキャップ層、絶縁膜を積層し、通常のフォトリソグラフィにより選択エッチングを利用して、p−Al0.4Ga0.6As上部クラッド層の途中まで狭ストライプのリッジ構造を形成し、そのリッジ構造の両サイドを選択MOCVD成長により、n−In0.5Ga0.5Pとn−GaAsで埋め込み、絶縁膜を除去した後電極を形成した、電流狭窄と屈折率導波機構を作り付けたことを特徴とする基本横モード発振する半導体レーザ装置が報告されている。この装置においては、酸化されやすいAl組成の高い上部クラッド層の上にV族組成の違うInGaPを再成長するということが非常に難しいという問題がある。
【0004】さらに、0.98μm帯のオールAlフリー半導体レーザ装置として、1995年発行のIEEE Journal of selected Topics in Quantum Electronics,Vol.1,No.2pp.189において、n−GaAs基板上に、n−InGaPクラッド層、アンドープInGaAsP光導波層、InGaAsP引っ張り歪み障壁層、InGaAs二重量子井戸活性層、InGaAsP引っ張り歪み障壁層、アンドープInGaAsP光導波層、p−InGaP上部第一クラッド層、p−GaAs光導波層、p−InGaP上部第二クラッド層、p−GaAsキャップ層、絶縁膜を積層し、通常のフォトリソグラフィにより選択エッチングを利用してp−InGaP上部第一クラッド層の上部までの狭ストライプのリッジ構造を形成し、そのリッジ構造の両サイドを選択MOCVD成長により、n−In0.5Ga0.5Pで埋め込み、絶縁膜を除去したp−GaAsコンタクト層を形成した、電流狭窄層と屈折率導波機構を作り付けたことを特徴とする基本横モード発振する半導体レーザが報告されている。この装置においては、活性層の歪みを補償することにより、良好な信頼性が得られている。しかし、リッジ幅の制御性が悪いためにキンクレベルが150mW程度と低い。
【0005】一方、0.8μmの半導体レーザ装置として、1993年発行のIEEE Journal ofquantum Electronics,Vol.29,No6 pp1889において、n−GaAs基板に、n−AlGaAs下部クラッド層、AlGaAs/GaAs三重量子井戸活性層、p−AlGaAs上部第一クラッド層、n−AlGaAs電流狭窄層、n−AlGaAs保護層を積層し、通常のフォトリソグラフィにより選択エッチングを利用して、n−AlGaAs電流狭窄層を突き抜けるまでの狭ストライプの溝を形成し、その上にp−AlGaAs上部第二クラッド層と、p−GaAsコンタクト層を形成したことを特徴とする基本横モード発振する内部ストライプ構造の半導体レーザ装置が報告されている。この装置においては、溝幅の制御性が高く、n−Al、溝幅の制御性が高く、n−AlGaAs電流狭窄層とp−AlGaAs上部第二クラッド層との屈折率差により高い光出力まで基本横モード発振が得られているが、製造方法において、酸化されやすいAlGaAs上へのAlGaAsの再成長が難しいという欠点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、発振波長が0.9−1.1μmで内部電流狭窄構造と屈折率導波機構を有する半導体レーザ装置においては、高出力でかつ基本横モードを得るための層構成が、特性上または信頼性上最適ではなかった。
【0007】本発明は上記事情に鑑みて、高出力下においても基本横モード発振する信頼性の高い半導体レーザ装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体レーザ装置は、第一導電型GaAs基板上に、第一導電型下部クラッド層、下部光導波層、組成比が0<x3≦0.4および0≦y3≦0.1であるInx3Ga1-x3As1-y3y3圧縮歪量子井戸活性層、上部光導波層、第二導電型In0.49Ga0.51P上部第一クラッド層、電流注入窓となるストライプ状の部分が除去された、組成比が0≦x1≦0.3および0≦y1≦0.6であるInx1Ga1-x1As1-y1y1エッチング阻止層、電流注入窓となるストライプ状の部分が除去された、第一導電型In0.49Ga0.51P電流狭窄層がこの順に積層された結晶層の上に、組成比がx4=(0.49±0.01)y4および0.4≦x4≦0.46である第二導電型Inx4Ga1-x4As1-y4y4上部第二クラッド層および第二導電型コンタクト層がこの順に積層されてなり、圧縮歪量子井戸活性層の歪量と膜厚の積の絶対値が0.25nm以下であり、エッチング阻止層の歪量と膜厚の積の絶対値が0.25nm以下であり、圧縮歪量子井戸活性層およびエッチング阻止層以外の全ての層が、前記第一導電型GaAs基板と格子整合する組成であることを特徴とするものである。
【0009】ここで、量子井戸活性層の歪量とは、GaAs基板の格子定数をcsとし、活性層の格子定数をcaとすると、(ca−cs)/csで表される値である。
【0010】また、エッチング阻止層の歪量とは、GaAs基板の格子定数をcsとし、エッチング阻止層の格子定数をceとすると、(ce−cs)/csで表される値である。
【0011】また、上記格子整合するとは、GaAs基板の格子定数をcsとし、成長層の格子定数をcとすると(c-cs)/csで表される値が0.003以下であることを示す。
【0012】ここで、前記エッチング阻止層は、第一導電型または第二導電型であってもよい。
【0013】本発明の別の半導体レーザ装置は、第一導電型GaAs基板上に、第一導電型下部クラッド層、下部光導波層、組成比が0<x3≦0.4および0≦y3≦0.1であるInx3Ga1-x3As1-y3y3圧縮歪量子井戸活性層、上部光導波層、第二導電型In0.49Ga0.51P上部第一クラッド層、組成比が0≦x1≦0.3および0≦x1≦0.6である第二導電型Inx1Ga1-x1As1-y1y1エッチング阻止層、電流注入窓となるストライプ状の部分が除去された第一導電型In0.49Ga0.51P電流狭窄層がこの順に積層された結晶層の上に、組成比がx4=(0.49±0.01)y4および0.4≦x4≦0.46である第二導電型Inx4Ga1-x4As1-y4y4上部第二クラッド層および第二導電型コンタクト層がこの順に積層されてなり、圧縮歪量子井戸活性層の歪量と膜厚の積の絶対値が0.25nm以下であり、エッチング阻止層の歪量と膜厚の積の絶対値が0.25nm以下であり、圧縮歪量子井戸活性層およびエッチング阻止層以外の全ての層が、前記第一導電型GaAs基板と格子整合する組成であることを特徴とするものである。
【0014】上記構成による本発明の半導体レーザ装置は、前記圧縮歪量子井戸活性層の上下に、組成比が0≦x5≦0.3および0<y5≦0.6であるInx5Ga1-x5As1-y5y5引張り歪障壁層が形成されていてもよく、その場合、圧縮歪量子井戸活性層の歪量と膜厚の積と、該引張り歪障壁層の歪量と該2つの引張り歪障壁層の合計の膜厚の積の和の絶対値が0.25nm以下であることが望ましい。
【0015】ここで、上記引張り歪障壁層の歪量は、GaAs基板の格子定数をcsとし、障壁層の格子定数をcbとすると、(cb−cs)/csで表される値である。
【0016】また、ストライプの幅は1μm以上であってもよい。
【0017】また、圧縮歪量子井戸活性層は複数の量子井戸から構成されていてもよい。
【0018】本発明の半導体レーザ装置の製造方法は、第一導電型GaAs基板上に、第一導電型下部クラッド層、下部光導波層、組成比が0<x3≦0.4および0≦y3≦0.1であるInx3Ga1-x3As1-y3y3圧縮歪量子井戸活性層、上部光導波層、第二導電型In0.49Ga0.51P上部第一クラッド層、組成比が0≦x1≦0.3および0≦y1≦0.6であるInx1Ga1-x1As1-y1y1エッチング阻止層、第一導電型In0.49Ga0.51P電流狭窄層、GaAsキャップ層をこの順に積層し、GaAsキャップ層の電流注入窓となる部分をストライプ状に除去し、次に、第一導電型In0.49Ga0.51P電流狭窄層の電流注入窓となる部分をストライプ状に除去し、次に、該電流注入窓となる部分がストライプ状に除去されたGaAsキャップ層およびInx1Ga1-x1As1-y1y1エッチング阻止層の電流注入窓となるストライプ状の部分を同時に除去した後、前記第一導電型In0.49Ga0.51P電流狭窄層上に前記電流注入窓を覆うように、組成比がx4=(0.49±0.01)y4および0.4≦x4≦0.46である第二導電型Inx4Ga1-x4As1-y4y4上部第二クラッド層および第二導電型コンタクト層をこの順に積層し、圧縮歪量子井戸活性層の歪量と膜厚の積の絶対値を0.25nm以下とし、エッチング阻止層の歪量と膜厚の積の絶対値を0.25nm以下とし、圧縮歪量子井戸活性層およびエッチング阻止層以外の全ての層を、前記第一導電型GaAs基板と格子整合させることを特徴とするものである。
【0019】エッチング阻止層は、第一導電型または第二導電型であってもよい。
【0020】また、GaAsキャップ層は第一導電型または第一導電型であってもよい。
【0021】また、圧縮歪量子井戸活性層の上下に、組成比が0≦x5≦0.3および0<y5≦0.6であるInx5Ga1-x5As1-y5y5引張り歪障壁層を積層してもよく、その場合、圧縮歪量子井戸活性層の歪量と膜厚の積と、該引張り歪障壁層の歪量と該2つの引張り歪障壁層の合計の膜厚の積の和の絶対値を0.25nm以下することが望ましい。
【0022】なお、上記第一導電型および第二導電型とは、例えば第一導電型がn型半導体であれば、第二導電型は第一導電型と逆極性であるp型半導体を示すものである。
【0023】
【発明の効果】本発明の半導体レーザ装置によると、特に、電流狭窄層をIn0.49Ga0.51Pとし、第二クラッド層をInx4Ga1-x4As1-y4y4としているため、電流狭窄層と第二クラッド層との屈折率の差によって生じる等価屈折率段差を1.5〜7×10-3程度に精度良く作りつけることができ、高次モード発振のカットオフが容易に実現できる。このことにより、高い光出力まで、基本横モード発振を実現することができる。
【0024】また、第二上部クラッド層を成長する界面の層の組成にAlを含んでいると、Alが酸化され、特性上よくないという欠点があったが、本発明では再成長界面の層の組成にAlを含まないため、容易に第二上部クラッド層を成長させることができ、また、Alの酸化による結晶欠陥が生じないため、特性の劣化がなく、信頼性を向上させることができる。
【0025】また、内部に電流狭窄層を設けているので、電極とコンタクト層の接触面積を大きくとることができ、コンタクト抵抗を低減することができる。
【0026】さらに、エッチング阻止層にInGaAsPを用いているため、ウェットエッチングによるストライプ幅の制御性を高めることできる。
【0027】本発明の別の半導体レーザ装置は、InGaAsPエッチング阻止層において、電流を注入する部分が除去されていなくてもよく、上記と同様の効果を得ることができる。
【0028】また、圧縮歪量子井戸活性層の上下に、組成比が0≦x5≦0.3および0<y5≦0.6であるInx5Ga1-x5As1-y5y5引張り歪障壁層を形成した場合、しきい値電流の低減等、種々の特性および信頼性を向上させることができる。
【0029】また、ストライプ幅が1μm以上の半導体レーザ装置において、上記構成による本発明を適用することはより効果的であり、マルチモードであっても、低雑音で高出力発振する半導体レーザを得ることができる。
【0030】また、本発明の半導体レーザ装置の製造方法によれば、特に、InGaP電流狭窄層の上にGaAsキャップ層を形成することにより、InGaP電流狭窄層の上に自然酸化膜が形成されたり、直接レジスト層が形成されて起こる層の変成等を防止できる。また、第二クラッド層を再成長する前にそのGaAsキャップ層を除去することにより、再成長界面に残る残さを除去でき、結晶欠陥の発生を防止することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面を用いて詳細に説明する。
【0032】本発明の第1の実施の形態による半導体レーザ素子について、その製造方法と併せて説明する。図1に作成過程の光出射方向に対しての断面図を示す。
【0033】図1aに示すように、n型GaAs基板11上に有機金属気相成長法によりn−In0.49Ga0.51P下部クラッド層12、nあるいはi−Inx2Ga1-x2As1-y2y2光導波層13(x2=(0.49±0.01)y2、0≦x2≦0.3)、Inx3Ga1-x3As1-y3y3圧縮歪量子井戸活性層14(0<x3≦0.4、0≦y3≦0.1)、pあるいはi−Inx2Ga1-x2As1-y2y2光導波層15(x2=(0.49±0.01)y2、0≦x2≦0.3)、p−In0.49Ga0.51P上部第一クラッド層16、厚さが例えば20nmのnあるいはp−Inx1Ga1-x1As1-y1y1エッチング阻止層17(0≦x1≦0.3、0≦y1≦0.6)、厚さが例えば1μmのn−In0.49Ga0.51P電流狭窄層18、厚さが例えば10nmのn−GaAsキャップ層19を積層する。この上にSiO2膜20を形成し、〈011〉方向に通常のリソグラフィにより3μm程度の幅のストライプ領域のSiO2膜20を除去する。
【0034】次に、図1bに示すように、SiO2膜20をマスクとして、硫酸系エッチャントでGaAsキャップ層19をエッチングし、引き続き塩酸系エッチャントでn−In0.49Ga0.51P電流狭窄層18をエッチングすることにより、Inx1Ga1-x1As1-y1y1エッチング阻止層17を露出させる。
【0035】次に、図1cに示すように、SiO2膜20をフッ酸系のエッチャントで除去し、引き続き硫酸系のエッチャントで、n−GaAsキャップ層と溝の底面のInx1Ga1-x1As1-y1y1エッチング阻止層17を除去する。
【0036】その後、図1dに示すように、p−Inx4Ga1-x4As1-y4y4(x4=(0.49±0.01)y4、0.4≦x4≦0.46)上部第二クラッド層21、p−GaAsコンタクト層22を形成する。その上にp側電極23を形成し、基板の研磨を行いn側電極24を形成する。その後、試料を劈開して形成した共振器に高反射率コート、低反射率コートを行い、チップ化して半導体レーザ素子を完成させる。p−InGaP上部第一クラッド層16の厚みさは基本横モード発振が高出力まで維持できる厚さとする。
【0037】本実施の形態においては、上部第二クラッド層をInx4Ga1-x4As1-y4y4とし、電流狭窄層をIn0.49Ga0.51Pとして内部電流狭窄構造と実屈折率構造を形成しており、屈折率段差を1.5〜7×10-3程度にできるため、高い出力まで基本横モード発振を実現できる。
【0038】次に、本発明の第2の実施の形態による半導体レーザ素子についてその製造方法と併せて説明し、その作成過程の光出射方向に対しての断面図を図2に示す。
【0039】図2aに示すように、有機金属気相成長法により、n−GaAs基板31上に、n−In0.49Ga0.51P下部クラッド層32、nあるいはi−Inx2Ga1-x2As1-y2y2光導波層33(x2=(0.49±0.01)y2、0≦x2≦0.3)、Inx5Ga1-x5As1-y5y5引張り歪障壁層34(0≦x5≦0.3、0<y5≦0.6)、Inx3Ga1-x3As1-y3y3圧縮歪量子井戸活性層35(0<x3≦0.4、0≦y3≦0.1)、Inx5Ga1-x5As1-y5y5引張り歪障壁層36(0≦x5≦0.3、0<y5≦0.6)、pあるいはi−Inx2Ga1-x2As1-y2y2光導波層37(x2=(0.49±0.01)y2、0≦x2≦0.3)、p−In0.49Ga0.51P上部第一クラッド層38、厚さが例えば20nmのnあるいはp−Inx1Ga1-x1As1-y1y1エッチング阻止層39(0≦x1≦0.3、0≦y1≦0.6)、厚さが例えば1μmのn−In0.49Ga0.51P電流狭窄層40、n−GaAsキャップ層41を積層する。この上にSiO2膜42を形成し、(011)方向に通常のリソグラフィにより3μm程度の幅のストライプ領域のSiO2膜42を除去する。
【0040】次に、図2bに示すように、SiO2膜42をマスクとして、硫酸系エッチャントでGaAsキャップ層41をエッチングし、引き続き塩酸系エッチャントでn−In0.49Ga0.51P電流狭窄層40をエッチングすることにより、Inx1Ga1-x1As1-y1y1エッチング阻止層39を露出させる。
【0041】次に、図2cに示すように、SiO2膜42をフッ酸系エッチャントで除去し、引き続き硫酸系のエッチャントでn−GaAsキャップ層41と溝の底面のInx1Ga1-x1As1-y1y1エッチング阻止層39を除去する。
【0042】次に、図2dに示すように、p−Inx4Ga1-x4As1-y4y4(x4=(0.49±0.01)y4、0.4≦x4≦0.46)上部第二クラッド層43、p−GaAsコンタクト層44を形成する。その上にp側電極45を形成し、基板の研磨を行いn側電極を46を形成する。その後、試料を劈開して形成した共振器面に高反射率コート、低反射率コートを行い、チップ化して半導体レーザ素子を完成させる。p−In0.49Ga0.51P上部第一クラッド層38の厚さは基本横モード発振が高出力まで維持できる厚さとする。
【0043】本実施の形態は、Inx3Ga1-x3As1-y3y3圧縮歪量子井戸活性層の上下にInx5Ga1-x5As1-y5y5引張り歪障壁層を導入しているため、第一の実施の形態に比べ、しきい値電流の低下等特性の改善がなされ、信頼性が向上する。
【0044】次に本発明の第3の実施の形態による半導体レーザ素子について、その製造方法と併せて説明し、その作成過程の光出射方向に対しての断面図を図3に示す。
【0045】図3aに示すように、有機金属気相成長法により、n−GaAs基板51上にn−Alz1Ga1-z1As下部クラッド層52(0.35≦z1≦0.7)、nあるいはi−Alz2Ga1-z2As光導波層53(0≦z2≦0.2)、Inx5Ga1-x5As1-y5y5引張り歪障壁層54(0≦x5≦0.3、0<y5≦0.6)、Inx3Ga1-x3As1-y3y3圧縮歪量子井戸活性層55(0<x3≦0.4、0≦y3≦0.1)、Inx5Ga1-x5As1-y5y5引張り歪障壁層56(0≦x5≦0.3、0<y5≦0.6)、pあるいはi−Alz2Ga1-z2As光導波層57(0≦z2≦0.2)、p−In0.49Ga0.51P上部第一クラッド層58、厚さが例えば20nmのnあるいはp−Inx1Ga1-x1As1-y1y1エッチング阻止層59(0≦x1≦0.3、0≦y1≦0.6)、厚さが例えば1μmのn−In0.49Ga0.51P電流狭窄層60、厚さが例えば10nmのn−GaAsキャップ層61を積層する。この上に、SiO2膜62を形成し、(011)方向に通常のリソグラフィにより3μm程度の幅のストライプ領域のSiO2膜62を除去する。
【0046】次に、図3bに示すように、SiO2膜62をマスクとして、硫酸系エッチャントでGaAsキャップ層61をエッチングし、引き続き、塩酸系エッチャントでn−In0.49Ga0.51P電流狭窄層60をエッチングすることにより、Inx1Ga1-x1As1-y1y1エッチング阻止層59を露出させる。
【0047】次に、図3cに示すように、SiO2膜62をフッ酸系のエッチャントで除去し、引き続き、硫酸系のエッチャントでn−GaAsキャップ層61と溝の底面のInx1Ga1-x1As1-y1y1エッチング阻止層59を除去する。
【0048】次に、図3dに示すように、p−Inx4Ga1-x4As1-y4y4(x4=(0.49±0.01)y4、0.4≦x4≦0.46)上部第二クラッド層63、p−GaAsコンタクト層64を形成する。その上にp側電極65を形成し、基板の研磨を行いn側電極66を形成する。その後、試料を劈開して形成した共振器面に高反射率コート、低反射率コートを行い、チップ化して半導体レーザ素子を完成させる。p−In0.49Ga0.51P上部第一クラッド層58の厚さは基本横モード発振が高出力まで維持できる厚さとする。
【0049】本実施の形態の半導体レーザ装置は、第2の実施の形態同様、Inx3Ga1-x3As1-y3y3圧縮歪量子井戸活性層の上下にInx5Ga1-x5As1-y5y5引張り歪障壁層を導入しているため、しきい値電流の低下等特性の改善がなされる。
【0050】次に本発明の第4の実施の形態による半導体レーザ素子についてその製造方法と併せて説明し、その作成過程の光出射方向に対しての断面図を図4に示す。
【0051】図4aに示すように、有機金属気相成長法により、n−GaAs基板71上に、n−In0.49Ga0.51P下部クラッド層72、nあるいはi−Inx2Ga1-x2As1-y2y2光導波層73(x2=(0.49±0.01)y2、0≦x2≦0.3)、Inx5Ga1-x5As1-y5y5引張り歪み障壁層74(0≦x5≦0.3、0<y5≦0.6)、Inx3Ga1-x3As1-y3y3圧縮歪量子井戸活性層75(0<x3≦0.4、0≦y3≦0.1)、Inx5Ga1-x5As1-y5y5引張り歪障壁層76(0≦x5≦0.3、0<y5≦0.6)、pあるいはi−Inx2Ga1-x2As1-y2y2光導波層77(x2=(0.49±0.01)y2、0≦x2≦0.3)、p−In0.49Ga0.51P上部第一クラッド層78、厚さが例えば20nmのp−Inx1Ga1-x1As1-y1y1エッチング阻止層79(0≦x1≦0.3、0≦y1≦0.6)、厚さが例えば1μmのn−In0.49Ga0.51P電流狭窄層80を積層する。この上に、SiO2膜82を形成し、(011)方向に通常のリソグラフィにより3μm程度の幅のストライプ領域のSiO2膜82を除去する。
【0052】次に、図4bに示すように、SiO2膜82をマスクとして塩酸系エッチャントでn−In0.49Ga0.51P電流狭窄層80をエッチングすることによりInx1Ga1-x1As1-y1y1エッチング阻止層79を露出させる。その後、SiO2膜82をフッ酸系のエッチャントで除去する。
【0053】図4cに示すように、引き続きp−Inx4Ga1-x4As1-y4y4(x4=(0.49±0.01)y4、0.4≦x4≦0.46)上部第二クラッド層83、p−GaAsコンタクト層84を形成する。p側電極85を形成し、その後基板の研磨を行い、n側電極86を形成する。その後、試料を劈開して形成した共振器面に高反射率コート、低反射率コートを行い、その後チップ化して半導体レーザ素子を完成させる。p−In0.49Ga0.51P上部第一クラッド層78の厚さは基本横モード発振が高出力まで維持できる厚さとする。
【0054】本実施の形態では、溝底辺のInx1Ga1-x1As1-y1y1エッチング阻止層79を除去しない方法について述べたが、溝底辺のInx1Ga1-x1As1-y1y1エッチング阻止層79を除去して、その上にp−Inx4Ga1-x4As1-y4y4(x4=(0.49±0.01)y4、0.4≦x4≦0.46)上部第二クラッド層83、p−GaAsコンタクト層84を形成してもよい。
【0055】また、上記4つの実施の形態の半導体レーザ装置において、発振する波長帯λに関しては、圧縮歪Inx3Ga1-x3As1-y3y3活性層(0<x3≦0.4、0≦y3≦0.1)より、900<λ<1200(nm)の範囲までの制御が可能である。
【0056】また、上記4つの実施の形態においては、屈折率導波機構付き半導体レーザ装置についてのみ記載しているが、回折格子付きの半導体レーザ装置や光集積回路の作成にも用いることが可能である。
【0057】また、層構成は、n型導電性のGaAs基板を使用した場合について記述しているが、p型の導電性の基板を用いた層構成でもよく、この場合、上記すべての導電性を反対にすればよい。
【0058】また、上記実施の形態では、量子井戸が単一で光導波層組成が一定のSQW−SCHと呼ばれる構造を示したが、SQWの代わりに量子井戸を複数とする多重量子井戸構造であってもよい。
【0059】また、結晶層の成長法として、固体あるいはガスを原料とする分子線エピタキシャル成長法を用いてもよい。
【0060】また、ストライプ幅は1μm以上であってもよい。




 

 


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