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発明の名称 半導体製造・検査装置用セラミック基板
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−223256(P2001−223256A)
公開日 平成13年8月17日(2001.8.17)
出願番号 特願2000−30895(P2000−30895)
出願日 平成12年2月8日(2000.2.8)
代理人 【識別番号】100086586
【弁理士】
【氏名又は名称】安富 康男 (外2名)
【テーマコード(参考)】
3K034
3K092
4M106
5F031
【Fターム(参考)】
3K034 AA02 AA06 AA08 AA12 AA21 AA22 AA34 BB04 BB06 BB14 BC04 BC12 CA02 CA15 CA39 EA16 HA01 HA10 JA02 
3K092 PP09 PP20 QA05 QB02 QB18 QB26 QB33 QB44 QB45 QB73 QB76 QC18 QC37 QC62 RF03 RF11 RF17 RF22 VV25 VV40
4M106 AA01 BA01 BA14 CA39 DJ02
5F031 CA02 HA02 HA17 HA37 MA28 MA30 MA33
発明者 平松 靖二 / 伊藤 康隆
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 セラミック基板の内部または表面に導電体を有する半導体製造・検査用セラミック基板において、前記セラミック基板は、カーボンを含有し、かつ、前記カーボンの濃度がセラミック基板の内部で不均一であることを特徴とする半導体製造・検査用セラミック基板。
【請求項2】 セラミック基板内に導電体として電極を有し、前記電極間および/または前記電極より上のセラミック層中のカーボン濃度は、前記電極より下のセラミック層中のカーボン濃度よりも低い請求項1記載の半導体製造・検査用セラミック基板。
【請求項3】 セラミック基板内に導電体として電極を有し、前記電極間および/または前記電極より上のセラミック層中のカーボン濃度は、前記電極より下のセラミック層中のカーボン濃度よりも高い請求項1記載の半導体製造・検査用セラミック基板。
【請求項4】 セラミック基板内には、導電体として抵抗発熱体が形成され、前記抵抗発熱体間のセラミック層のカーボン濃度は、その他の部分のカーボン濃度よりも低い請求項1、2または3記載の半導体製造・検査用セラミック基板。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に、ホットプレート(セラミックヒータ)、静電チャック、ウエハプローバなど、半導体の製造用や検査用の装置として用いられるセラミック基板に関する。
【0002】
【従来の技術】エッチング装置や、化学的気相成長装置等を含む半導体製造、検査装置等においては、従来、ステンレス鋼やアルミニウム合金などの金属製基材を用いたヒータや、ウエハプローバ等が用いられてきた。しかしながら、金属製のヒータでは温度制御特性が悪く、また厚みも厚くなるため重く嵩張るという問題があり、腐食性ガスに対する耐蝕性も悪いという問題を抱えていた。
【0003】これに対し、特開平11−40330号公報等では、金属製のものに代えて、窒化アルミニウムなどのセラミックを使用したヒータが開示されている。ところが、このヒータを構成する基材の窒化アルミニウム自体は、一般に白色または灰白色であることから、ヒータやサセプタとしては好ましくない。むしろ、黒色の方が輻射熱量が大きいため、この種の用途には適しており、また電極パターンの隠蔽性が高いため、ウエハプローバや静電チャックには特に好適であった。さらに、ヒータの表面温度の測定は、サーモビュア(表面温度計)で行われるが、白色や灰白色の場合、反射熱も測定されてしまうため、正確な温度測定が不可能であった。
【0004】このような求めに応じて開発された従来の発明では、半導体製造装置用の窒化アルミニウム基板中に結晶質のカーボンを含有するものが提案されている(特開平9−48668号公報)。この窒化アルミニウム基板には、カーボンが均一な濃度で含有されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この半導体製造装置用の窒化アルミニウム基板には、各部分によって、焼結性、隠蔽性、熱伝導率、体積抵抗値等、要求される特性が異なり、カーボンをセラミック基板中に均一に含有させたのでは、上記要求特性を充分に満足させることができず、静電チャック等の半導体製造装置やウエハプローバの半導体検査装置としての機能が低下してしまう場合がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、例えば、静電電極やRF電極より下の部分と、静電電極やRF電極より上の部分とで、カーボン濃度を変化させることにより、上記した要求特性を満足させ得る半導体製造・検査用セラミック基板を製造することができることを見い出し、本発明を完成するに至った。また、抵抗発熱体間のカーボン濃度とそれ以外の部分のカーボン濃度を変化させることにより、諸要求特性を満足させ得る半導体製造・検査用セラミック基板を製造することができることを見い出した。
【0007】すなわち、本発明の半導体製造・検査装置用セラミック基板は、セラミック基板の内部または表面に導電体を有する半導体製造・検査用セラミック基板において、上記セラミック基板は、カーボンを含有し、かつ、上記カーボンの濃度がセラミック基板の内部で不均一であることを特徴とする。
【0008】また、本発明の半導体製造・検査装置用セラミック基板は、セラミック基板内に導電体として電極を有し、上記電極間および/または上記電極より上のセラミック層中のカーボン濃度は、上記電極より下のセラミック層中のカーボン濃度よりも低いことが望ましい。つまり、本発明の半導体製造・検査装置用セラミック基板では、「電極間のセラミック層中のカーボン濃度が電極より下のセラミック層中のカーボン濃度よりも低い」「電極より上のセラミック層中のカーボン濃度が電極より下のセラミック層中のカーボン濃度よりも低い」「電極間および電極より上のセラミック層中のカーボン濃度が電極より下のセラミック層中のカーボン濃度よりも低い」のいずれかの構成であることが望ましい。
【0009】また、上記半導体製造・検査装置用セラミック基板は、セラミック基板内に導電体として電極を有し、上記電極間および/または上記電極より上のセラミック層中のカーボン濃度は、上記電極より下のセラミック層中のカーボン濃度よりも高いことが望ましい。つまり、本発明の半導体製造・検査装置用セラミック基板では、「電極間のセラミック層中のカーボン濃度が電極より下のセラミック層中のカーボン濃度よりも高い」「電極より上のセラミック層中のカーボン濃度が電極より下のセラミック層中のカーボン濃度よりも高い」「電極間および電極より上のセラミック層中のカーボン濃度が電極より下のセラミック層中のカーボン濃度よりも高い」のいずれかの構成であることが望ましい。
【0010】また、上記半導体製造・検査装置用セラミック基板においては、セラミック基板内には、導電体として抵抗発熱体が形成され、上記抵抗発熱体間のセラミック層のカーボン濃度は、その他の部分のカーボン濃度よりも低いことが望ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の半導体製造・検査装置用セラミック基板は、セラミック基板の内部または表面に導電体を有する半導体製造・検査用セラミック基板において、上記セラミック基板は、カーボンを含有し、かつ、上記カーボンの濃度がセラミック基板の内部で不均一であることを特徴とする。
【0012】本発明の半導体製造・検査装置用セラミック基板(以下、半導体装置用セラミック基板という)では、上記セラミック基板がカーボンを含有し、かつ、上記カーボンの濃度は、セラミック基板内部のそれぞれの部分において、それぞれの部分で要求される諸特性、すなわち焼結性、隠蔽性、熱伝導性、体積抵抗率等を満足できるような濃度に設定されているので、ホットプレート(セラミックヒータ)、ウエハプローバや静電チャック等として要求される機能を充分に発揮することができる。
【0013】すなわち、例えば、本発明の半導体製造装置用セラミック基板の1種であるセラミック基板内にチャック力を誘起するための電極(以下、静電電極という)が形成された静電チャックにおいて、上記静電電極間および/または静電電極より上のセラミック層(以下、セラミック誘電体膜という)中のカーボン濃度を、上記静電電極より下のセラミック層(以下、下層セラミック層という)中のカーボン濃度よりも低く設定することにより、上記セラミック誘電体膜の高温における体積抵抗の低下を抑制してその耐電圧を高く保つことができ、静電チャックとしての使用中に上記セラミック誘電体膜が絶縁破壊されるのを防止することができる。また、上記静電電極より下のセラミック層中のカーボン濃度を上げることにより、高温での熱伝導率の低下を抑制してヒータの昇温を迅速に行うことができる。
【0014】また、プラズマエッチング装置に静電チャックを組み込む場合は、静電電極下に高周波電極(以下、RF電極という)を配設しておく必要があるが、この際、セラミック基板内に埋設されたRF電極間またはRF電極より上のセラミック層(セラミック誘電体膜と下層セラミック層の一部)中のカーボン濃度を、上記RF電極より下のセラミック層(下層セラミック層のうちRF電極や抵抗発熱体が形成された領域を除く部分)中のカーボン濃度よりも低く設定することにより、上記セラミック誘電体膜の高温における体積抵抗の低下を抑制してその耐電圧を高く保つことができる。
【0015】また、静電チャックにおいて、上記セラミック誘電体膜中のカーボン濃度を、下層セラミック層中のカーボン濃度よりも高く設定することにより、上記セラミック誘電体膜の高温での熱伝導率の低下を防止することができ、上記静電チャック上に載置するシリコンウエハの加熱、冷却等を迅速に行うことができる。また、カーボンを添加することにより、上記セラミック誘電体膜を黒化することができるため、上記セラミック誘電体膜の下に存在する静電電極を隠蔽することができる。
【0016】なお、カーボン量の比較は、電極間および/または電極より上のセラミック層の任意の5点の平均カーボン量と、電極が形成されている部分から遠い側の主面を基準面として、その基準面から厚み方向50%までの領域の任意の5点の平均カーボン量とを測定して比較する。また、電極は静電電極、RF電極に限らず、ウエハプローバにおけるガード電極、グランド電極でも同様である。
【0017】本発明半導体装置用セラミック基板では、相対的にカーボン量の多い領域/相対的にカーボン量の少ない領域の比率は、1/1を超え1000/1以下が望ましく、特に1.2/1〜500/1が望ましい。1000/1より大きな差を調整することは現実的には困難だからである。
【0018】また、セラミック基板内に抵抗発熱体を有する場合、抵抗発熱体間のセラミック層(以下、発熱体層という)のカーボン濃度を、その他の部分のカーボン濃度よりも低く設定することにより、低温での熱伝導率を向上させて低温での昇温特性を確保することができるようにし、昇温初期の表面温度のバラツキの発生を防止できるようにした。
【0019】図8(a)、(b)は、抵抗発熱体の一例を示す部分拡大模式図である。抵抗発熱体間というのは、図8の(a)に示すようならせん状の抵抗発熱線85の場合には、らせん内部(A)、すなわち抵抗発熱体85の外縁を結ぶことにより形成される管状の空間の内部をいい、一方、らせん状の発熱線85が複数個形成されている場合には、管状体の最上部同士および最下部同士を結ぶことにより形成される空間の内部(B)をいう。また、図8の(b)に示すような扁平状の抵抗発熱体86の場合には、2個の抵抗発熱体86の最上部同士および最下部同士を結ぶことにより形成される空間の内部(B′)をいう。抵抗発熱体が上下の複数層にわたって形成された場合には、最上層と最下層との間に形成された空間をも、抵抗発熱体間という。この定義は、電極の場合においても同様である。また、カーボン量は、上記抵抗発熱体間の任意の5点の平均カーボン量と抵抗発熱体形成領域からセラミック基板の表裏主面方向にかけての領域の任意の5点の平均カーボン量とを測定して比較する。
【0020】本発明の半導体装置用セラミック基板に抵抗発熱体が形成されている場合、相対的にカーボン量の多い領域/相対的にカーボン量の少ない領域の比率は、1/1を超え1000/1以下が望ましく、特に1.2/1〜500/1が望ましい。1000/1より大きな差を調整することは現実的には困難だからである。
【0021】上記セラミック基板中にカーボンを含有させる際、高温(約200℃以上)における熱伝導率を低下させたくない場合には、結晶性のカーボンを添加することが望ましく、高温における体積抵抗率を低下させたくない場合には、非晶質のカーボンを添加することが望ましい。従って、場合によっては、その両方を添加することにより、体積抵抗率と熱伝導率との両方を適切に調整することができる。カーボンの結晶性は、ラマンスペクトルを測定した際の1550cm-1付近と1333cm-1付近のピークの大きさにより判断することができる。1333cm-1付近のピークの大きさが大きいほど、結晶性が低い。
【0022】セラミック基板にカーボンを含有させる場合、その含有量は、5〜5000ppmが好ましい。カーボンの含有量が5ppm未満であると、輻射熱が低くなるとともに、電極を隠蔽することが困難となり、一方、カーボンの含有量が5000ppmを超えると、緻密化や体積抵抗率の低下を抑制することが困難となる。
【0023】セラミック誘電体膜中にカーボンを添加するためには、原料粉末と樹脂等と溶剤とを混合して成形体を製造する際に、加熱した場合においても炭化しやすい樹脂や炭水化物等を添加し、酸素の少ない雰囲気または非酸化性の雰囲気で成形体の脱脂を行えばよい。また、ショ糖やアクリル系バインダの焼成等により炭化しやすい炭水化物や樹脂を加熱することにより、カーボンを製造し、それを添加してもよい。さらに、結晶質のカーボンブラックや、グラファイトを粉砕して粉末化したものを使用してもよい。
【0024】アクリル系樹脂バインダは酸価によって分解しやすさが異なるため、酸価をグリーンシート毎に変更することでカーボン量の調整が可能である。例えば、酸価が0.3〜1.0KOHmg/gのアクリル系樹脂バインダは分解しやすく、5〜17KOHmg/gの酸価のアクリル系樹脂バインダは分解しにくい。また、カーボン量の調整は、グリーンシート内のカーボンやバインダの量をグリーンシート毎に変更することにより行うか、あるいは、導電体をMoやWなどの高融点金属で構成し、常圧下、1500〜2000℃、不活性雰囲気で加熱することにより、MoやWをカーボンと反応させてカーボン量を調整することにより行ってもよい。
【0025】本発明の半導体装置用セラミック基板を構成するセラミック材料は特に限定されるものではなく、例えば、窒化物セラミック、炭化物セラミック、酸化物セラミック等が挙げられる。
【0026】上記窒化物セラミックとしては、金属窒化物セラミック、例えば、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化チタン等が挙げられる。また、上記炭化物セラミックとしては、金属炭化物セラミック、例えば、炭化ケイ素、炭化ジルコニウム、炭化チタン、炭化タンタル、炭化タングステン等が挙げられる。
【0027】上記酸化物セラミックとしては、金属酸化物セラミック、例えば、アルミナ、ジルコニア、コージェライト、ムライト等が挙げられる。これらのセラミックは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0028】これらのセラミックの中では、窒化物セラミック、炭化物セラミックの方が酸化物セラミックに比べて望ましい。熱伝導率が高いからである。また、窒化物セラミックの中では窒化アルミニウムが最も好適である。熱伝導率が180W/m・Kと最も高いからである。
【0029】本発明においては、マトリックスを構成する焼結体中に、焼結助剤を含有することが望ましい。その焼結助剤としては、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、希土類酸化物を使用することができ、これらの焼結助剤のなかでは、特にCaO、Y23 、Na2 O、Li2 O、Rb23 が好ましい。これらの含有量としては、0.1〜10重量%が望ましい。また、アルミナを使用してもよい。
【0030】また、本発明に係る半導体装置用セラミック基板において、カーボンの濃度を高くする部分では、その明度がJIS Z 8721の規定に基づく値でN4以下となるようにカーボンを含有させることが望ましい。この程度の明度を有するものが輻射熱量、隠蔽性に優れるからである。
【0031】ここで、明度のNは、理想的な黒の明度を0とし、理想的な白の明度を10とし、これらの黒の明度と白の明度との間で、その色の明るさの知覚が等歩度となるように各色を10分割し、N0〜N10の記号で表示したものである。そして、実際の測定は、N0〜N10に対応する色票と比較して行う。この場合の小数点1位は0または5とする。
【0032】本発明の半導体装置用セラミック基板では、気孔が全く存在しないか、気孔が存在する場合はその最大気孔の気孔径は50μm以下であることが望ましい。気孔が存在しない場合は、高温での耐電圧が特に高くなり、逆に気孔が存在する場合は、破壊靱性値が高くなる。このためどちらの設計にするかは、要求特性を考慮して決定すればよい。気孔の存在によって破壊靱性値が高くなる理由が明確ではないが、クラックの伸展が気孔によって止められるからであると推定している。
【0033】また、上記半導体装置用セラミック基板では、最大の気孔径が50μm以下であることが望ましい。気孔径が50μmを超えると高温、特に200℃以上での耐電圧特性を確保することができなくなるからである。最大の気孔径は10μm以下が望ましい。200℃以上での反り量が小さくなるからである。
【0034】また、上記半導体装置用セラミック基板の気孔率は、5%以下であることが望ましい。気孔率が5%を超えると、気孔数が増え、また、気孔径が大きくなりすぎ、その結果、気孔同士が連通しやすくなり、耐電圧が低下してしまうからである。
【0035】気孔率や最大気孔の気孔径は、焼結時の加圧時間、圧力、温度、SiCやBNなどの添加物で調整する。SiCやBNは焼結を阻害するため、気孔を導入させることができる。
【0036】最大気孔の気孔径の測定は、試料を5個用意し、その表面を鏡面研磨し、2000から5000倍の倍率で表面を電子顕微鏡で10箇所撮影することにより行う。そして、撮影された写真で最大の気孔径を選び、50ショットの平均を最大気孔径とする。
【0037】気孔率は、アルキメデス法により測定する。焼結体を粉砕して有機溶媒中あるいは水銀中に粉砕物を入れて体積を測定し、粉砕物の重量と体積から真比重を求め、真比重と見かけの比重から気孔率を計算するのである。
【0038】上記半導体装置用セラミック基板の厚さは、50mm以下、特に25mm以下が望ましい。特に半導体装置用セラミック基板の厚さが25mmを超えると、セラミック基板の熱容量が大きくなり、特に、温度制御手段を設けて加熱、冷却すると、熱容量の大きさに起因して温度追従性が低下してしまう。また、気孔の存在に起因する反りの問題は、厚さが25mmを越えるような厚いセラミック基板では発生しにくいからである。特に5mm以下が最適である。なお、厚みは、1mm以上が望ましい。
【0039】上記セラミック基板は、0.1〜5重量%の酸素を含有していることが望ましい。0.1重量%未満では、耐電圧を確保することができず、逆に5重量%を超えると酸化物の高温耐電圧特性の低下により、耐電圧はやはり低下してしまうからである。また、酸素量が5重量%を超えると熱伝導率が低下して昇温降温特性が低下するからである。
【0040】なお、本発明の半導体装置用セラミック基板では、シリコンウエハをセラミック基板のウエハ載置面に接触させた状態で載置するほか、シリコンウエハを支持ピンなどで支持し、セラミックス基板との間に一定の間隔を保って保持する場合もある。従って、セラミック基板の貫通孔に支持ピンを挿通してシリコンウエハを保持し、支持ピンを上下することにより、搬送機からシリコンウエハを受け取ったり、シリコンウエハをセラミック基板上に載置したり、シリコンウエハを支持したまま加熱したりできる。また、セラミック基板の底面には、発熱体が形成され、その発熱体の表面には金属被覆層が設けられていてもよい。また、有底孔が設けられている場合は、ここには熱電対を挿入する。シリコンウエハは、ウエハ加熱面側で加熱される。
【0041】上記セラミック基板の直径は200mm以上が望ましい。特に12インチ(300mm)以上であることが望ましい。次世代の半導体ウエハの主流となるからである。また、気孔の存在に起因する反りの問題は、直径が200mm以下のセラミック基板では発生しにくいからである。本発明の半導体装置用セラミック基板は、半導体の製造や半導体の検査を行うための装置に用いられるセラミック基板であり、具体的な装置としては、例えば、静電チャック、ウエハプローバ、ホットプレート(セラミックヒータ)、サセプタ等が挙げられる。
【0042】図1は、本発明の半導体装置用セラミック基板の一実施形態である静電チャックの一実施形態を模式的に示した縦断面図であり、図2は、図1に示した静電チャックにおけるA−A線断面図であり、図3は、図1に示した静電チャックにおけるB−B線断面図である。
【0043】この静電チャック101では、平面視円形状のセラミック基板1の内部に、チャック正極静電層2とチャック負極静電層3とからなる静電電極層が埋設されている。この静電電極層の上側のセラミック誘電体膜4と呼ばれるセラミック層は、50〜1500μmと薄い。この静電チャック101上に、シリコンウエハ9が載置され、接地される。
【0044】図2に示したように、チャック正極静電層2は、半円弧状部2aと櫛歯部2bとからなり、チャック負極静電層3も、同じく半円弧状部3aと櫛歯部3bとからなり、これらのチャック正極静電層2とチャック負極静電層3とは、櫛歯部2b、3bを交差するように対向して配置されており、このチャック正極静電層2およびチャック負極静電層3には、それぞれ直流電源の+側と−側とが接続され、直流電圧V2 が印加されるようになっている。
【0045】一方、セラミック基板1の内部には、シリコンウエハ9の温度をコントロールするために、図3に示したような平面視同心円形状の抵抗発熱体5が設けられており、抵抗発熱体5の両端には、外部端子ピン6が接続、固定され、電圧V1 が印加されるようになっている。また、図1、2には示していないが、このセラミック基板1には、図3に示したように、測温素子を挿入するための有底孔11とシリコンウエハ9を支持して上下させる支持ピン(図示せず)を挿通するための貫通孔12が形成されている。なお、抵抗発熱体5は、セラミック基板の底面に形成されていてもよい。
【0046】この静電チャック101を機能させる際には、チャック正極静電層2とチャック負極静電層3とに直流電圧V2 を印加する。これにより、シリコンウエハ9は、チャック正極静電層2とチャック負極静電層3との静電的な作用によりこれらの電極にセラミック誘電体膜4を介して吸着され、固定されることとなる。このようにしてシリコンウエハ9を静電チャック101上に固定させた後、このシリコンウエハ9に、CVD等の種々の処理を施す。
【0047】上記静電チャックは、静電電極層と抵抗発熱体とを備えており、例えば、図1〜3に示したような構成を有するものである。以下においては、上記静電チャックを構成する各部材で、上記半導体装置用セラミック基板の説明で記載していないものについて、説明していくことにする。
【0048】上記静電チャックを構成するセラミック誘電体膜は、静電チャック用セラミック基板と同じ材料からなるが、目的とする機能を発揮させるために、上述したように、カーボンの濃度を他の部分と異なるものとする。すなわち、上記セラミック誘電体膜の高温における体積抵抗率の低下を抑制し、その耐電圧を高く保ち、上記セラミック誘電体膜の厚さを通常より薄くしても、静電チャックとしての使用中に絶縁破壊されるのを防止したい場合には、セラミック誘電体膜中のカーボン濃度を、上記静電電極より下のセラミック層中のカーボン濃度よりも低く設定することが望ましい。
【0049】また、上記セラミック誘電体膜の高温での熱伝導率の低下を防止し、静電電極を隠蔽するためには、上記セラミック誘電体膜中のカーボン濃度を、上記静電電極より下のセラミック層中のカーボン濃度よりも高く設定することが望ましい。つまり、要求特性によってカーボン量を適宜調整するのである。
【0050】上記セラミック誘電体膜の厚さは、50〜5000μmであることが望ましい。上記セラミック誘電体膜の厚さが50μm未満であると、膜厚が薄すぎるために充分な耐電圧が得られず、シリコンウエハを載置し、吸着した際にセラミック誘電体膜が絶縁破壊する場合があり、一方、上記セラミック誘電体膜の厚さが5000μmを超えると、シリコンウエハと静電電極との距離が遠くなるため、シリコンウエハを吸着する能力が低くなってしまうからである。セラミック誘電体膜の厚さは、100〜1500μmがより好ましい。
【0051】セラミック基板内に形成される静電電極としては、例えば、金属または導電性セラミックの焼結体、金属箔等が挙げられる。金属焼結体としては、タングステン、モリブデンから選ばれる少なくとも1種からなるものが好ましい。金属箔も、金属焼結体と同じ材質からなることが望ましい。これらの金属は比較的酸化しにくく、電極として充分な導電性を有するからである。また、導電性セラミックとしては、タングステン、モリブデンの炭化物から選ばれる少なくとも1種を使用することができる。
【0052】図4および図5は、他の静電チャックにおける静電電極を模式的に示した水平断面図であり、図4に示す静電チャック20では、セラミック基板1の内部に半円形状のチャック正極静電層22とチャック負極静電層23が形成されており、図5に示す静電チャックでは、セラミック基板1の内部に円を4分割した形状のチャック正極静電層32a、32bとチャック負極静電層33a、33bが形成されている。また、2枚の正極静電層22a、22bおよび2枚のチャック負極静電層33a、33bは、それぞれ交差するように形成されている。なお、円形等の電極が分割された形態の電極を形成する場合、その分割数は特に限定されず、5分割以上であってもよく、その形状も扇形に限定されない。
【0053】抵抗発熱体は、図1に示したように、セラミック基板の内部に設けてもよく、セラミック基板の底面に設けてもよい。抵抗発熱体を設ける場合は、静電チャックを嵌め込む支持容器に、冷却手段としてエアー等の冷媒の吹きつけ口などを設けてもよい。
【0054】抵抗発熱体としては、例えば、金属または導電性セラミックの焼結体、金属箔、金属線等が挙げられる。金属焼結体としては、タングステン、モリブデンから選ばれる少なくとも1種が好ましい。これらの金属は比較的酸化しにくく、発熱するに充分な抵抗値を有するからである。
【0055】また、導電性セラミックとしては、タングステン、モリブデンの炭化物から選ばれる少なくとも1種を使用することができる。さらに、セラミック基板の底面に抵抗発熱体を形成する場合には、金属焼結体としては、貴金属(金、銀、パラジウム、白金)、ニッケルを使用することが望ましい。具体的には銀、銀−パラジウムなどを使用することができる。上記金属焼結体に使用される金属粒子は、球状、リン片状、もしくは球状とリン片状の混合物を使用することができる。
【0056】金属焼結体中には、金属酸化物を添加してもよい。上記金属酸化物を使用するのは、セラミック基板と金属粒子を密着させるためである。上記金属酸化物により、セラミック基板と金属粒子との密着性が改善される理由は明確ではないが、金属粒子の表面はわずかに酸化膜が形成されており、セラミック基板は、酸化物の場合は勿論、非酸化物セラミックである場合にも、その表面には酸化膜が形成されている。従って、この酸化膜が金属酸化物を介してセラミック基板表面で焼結して一体化し、金属粒子とセラミック基板とが密着するのではないかと考えられる。
【0057】上記金属酸化物としては、例えば、酸化鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホウ素(B23 )、アルミナ、イットリア、チタニアから選ばれる少なくとも1種が好ましい。これらの酸化物は、抵抗発熱体の抵抗値を大きくすることなく、金属粒子とセラミック基板との密着性を改善できるからである。
【0058】上記金属酸化物は、金属粒子100重量部に対して0.1重量部以上10重量部未満であることが望ましい。この範囲で金属酸化物を用いることにより、抵抗値が大きくなりすぎず、金属粒子とセラミック基板との密着性を改善することができるからである。
【0059】また、酸化鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホウ素(B23 )、アルミナ、イットリア、チタニアの割合は、金属酸化物の全量を100重量部とした場合に、酸化鉛が1〜10重量部、シリカが1〜30重量部、酸化ホウ素が5〜50重量部、酸化亜鉛が20〜70重量部、アルミナが1〜10重量部、イットリアが1〜50重量部、チタニアが1〜50重量部が好ましい。但し、これらの合計が100重量部を超えない範囲で調整されることが望ましい。これらの範囲が特にセラミック基板との密着性を改善できる範囲だからである。
【0060】抵抗発熱体をセラミック基板の底面に設ける場合は、抵抗発熱体15の表面は、金属層150で被覆されていることが望ましい。抵抗発熱体15は、金属粒子の焼結体であり、露出していると酸化しやすく、この酸化により抵抗値が変化してしまう。そこで、表面を金属層150で被覆することにより、酸化を防止することができるのである。
【0061】金属層150の厚さは、0.1〜10μmが望ましい。抵抗発熱体の抵抗値を変化させることなく、抵抗発熱体の酸化を防止することができる範囲だからである。被覆に使用される金属は、非酸化性の金属であればよい。具体的には、金、銀、パラジウム、白金、ニッケルから選ばれる少なくとも1種以上が好ましい。なかでもニッケルがさらに好ましい。抵抗発熱体には電源と接続するための端子が必要であり、この端子は、半田を介して抵抗発熱体に取り付けるが、ニッケルは半田の熱拡散を防止するからである。接続端子しては、コバール製の端子ピンを使用することができる。
【0062】なお、抵抗発熱体をヒータ板内部に形成する場合は、抵抗発熱体表面が酸化されることがないため、被覆は不要である。抵抗発熱体をヒータ板内部に形成する場合、抵抗発熱体の表面の一部が露出していてもよい。
【0063】抵抗発熱体として使用する金属箔としては、ニッケル箔、ステンレス箔をエッチング等でパターン形成して抵抗発熱体としたものが望ましい。パターン化した金属箔は、樹脂フィルム等ではり合わせてもよい。金属線としては、例えば、タングステン線、モリブデン線等が挙げられる。
【0064】本発明の半導体装置用セラミック基板の表面および内部に導電体が配設され、上記内部の導電体が、ガード電極またはグランド電極のいずれか少なくとも一方である場合には、上記半導体装置用セラミック基板は、ウエハプローバとして機能する。
【0065】図6は、本発明の半導体装置用セラミック基板の一実施例形態であるウエハプローバを模式的に示した断面図である。
【0066】このウエハプローバ201では、平面視円形状のセラミック基板43の表面に同心円形状の溝47が形成されるとともに、溝47の一部にシリコンウエハを吸引するための複数の吸引孔48が設けられており、溝47を含むセラミック基板43の大部分にシリコンウエハの電極と接続するためのチャックトップ導体層42が円形状に形成されている。
【0067】一方、セラミック基板43の底面には、シリコンウエハの温度をコントロールするために、図3に示したような平面視同心円形状の発熱体49が設けられており、発熱体49の両端には、外部端子ピン(図示せず)が接続、固定されている。また、セラミック基板43の内部には、ストレイキャパシタやノイズを除去するために平面視格子形状のガード電極45とグランド電極46とが設けられている。ガード電極45とグランド電極46の材質は、静電電極と同様のものでよい。
【0068】上記チャックトップ導体層42の厚さは、1〜20μmが望ましい。1μm未満では抵抗値が高くなりすぎて電極として働かず、一方、20μmを超えると導体の持つ応力によって剥離しやすくなってしまうからである。
【0069】チャックトップ導体層42としては、例えば、銅、チタン、クロム、ニッケル、貴金属(金、銀、白金等)、タングステン、モリブデンなどの高融点金属から選ばれる少なくとも1種の金属を使用することができる。
【0070】このような構成のウエハプローバでは、その上に集積回路が形成されたシリコンウエハを載置した後、このシリコンウエハにテスタピンを持つプローブカードを押しつけ、加熱、冷却しながら電圧を印加して導通テストを行うことができる。
【0071】次に、本発明の半導体装置用セラミック基板の製造方法に関し、静電チャックの製造方法を一例として、図7(a)〜(d)に示した断面図に基づき説明する。
(1)次に、酸化物セラミック、窒化物セラミック、炭化物セラミックなどのセラミックの粉体をアクリル系樹脂バインダ(三井化学製SA−545シリーズ酸価0.5、共栄社製 商品名KC−600シリーズ 酸価17など)および溶剤と混合してグリーンシート50を得る。目的とする特性に応じて、上記アクリル系バインダ量を調節する。前述したセラミック粉体としては、例えば、窒化アルミニウム、炭化ケイ素などを使用することができ、必要に応じて、イットリアなどの焼結助剤などを加えてもよい。
【0072】なお、後述する静電電極層印刷体51が形成されたグリーンシートの上に積層する数枚または1枚のグリーンシート55は、セラミック誘電体膜4となる層であるので、目的に応じて、添加するカーボン粉末やアクリル系バインダの量を選択する。まず先にセラミック基板を製造しておき、その上に静電電極層を形成し、さらにその上にセラミック誘電体膜を形成することもできる。
【0073】また、バインダとしては、アクリル系バインダ、エチルセルロース、ブチルセロソルブ、ポリビニルアルコールから選ばれる少なくとも1種が望ましい。さらに、溶媒としては、α−テルピネオール、グリコールから選ばれる少なくとも1種が望ましい。これらを混合して得られるペーストをドクターブレード法でシート状に成形してグリーンシート50を作製する。
【0074】グリーンシート50に、必要に応じてシリコンウエハの支持ピンを挿通する貫通孔や熱電対を埋め込む凹部を設けておくことができる。貫通孔や凹部は、パンチングなどで形成することができる。グリーンシート50の厚さは、0.1〜5mm程度が好ましい。
【0075】次に、グリーンシート50に静電電極層や抵抗発熱体となる導体ペーストを印刷する。印刷は、グリーンシート50の収縮率を考慮して所望のアスペクト比が得られるように行い、これにより静電電極層印刷体51、抵抗発熱体層印刷体52を得る。印刷体は、導電性セラミック、金属粒子などを含む導体ペーストを印刷することにより形成する。
【0076】これらの導体ペースト中に含まれる導電性セラミック粒子としては、タングステンまたはモリブデンの炭化物が最適である。酸化しにくく、熱伝導率が低下しにくいからである。また、金属粒子としては、例えば、タングステン、モリブデン、白金、ニッケルなどを使用することができる。
【0077】導電性セラミック粒子、金属粒子の平均粒子径は0.1〜5μmが好ましい。これらの粒子は、大きすぎても小さすぎても導体用ペーストを印刷しにくいからである。
【0078】このようなペーストとしては、金属粒子または導電性セラミック粒子85〜97重量部、アクリル系、エチルセルロース、ブチルセロソルブおよびポリビニルアルコールから選ばれる少なくとも1種のバインダ1.5〜10重量部、α−テルピネオール、グリコール、エチルアルコールおよびブタノールから選ばれる少なくとも1種の溶媒を1.5〜10重量部混合して調製した導体用ぺーストが最適である。さらに、パンチング等で形成した孔に、導体用ペーストを充填してスルーホール印刷体53、54を得る。
【0079】次に、図7(a)に示すように、印刷体51、52、53、54を有するグリーンシート50と、印刷体を有さないグリーンシート50とを積層する。静電電極層印刷体51が形成されたグリーンシート上には、数枚または1枚のグリーンシート55を積層する。抵抗発熱体形成側に印刷体を有さないグリーンシート50を積層するのは、スルーホールの端面が露出して、抵抗発熱体形成の焼成の際に酸化してしまうことを防止するためである。もしスルーホールの端面が露出したまま、抵抗発熱体形成の焼成を行うのであれば、ニッケルなどの酸化しにくい金属をスパッタリングする必要があり、さらに好ましくは、Au−Niの金ろうで被覆してもよい。
【0080】(2)次に、図7(b)に示すように、積層体の加熱および加圧を行い、不活性ガス(窒素、アルゴン等)雰囲気下、300〜600℃で0.5〜15時間加熱してバインダを脱脂、熱分解させる。この条件を調整してカーボン量を調整してもよい。脱脂後、グリーンシートおよび導体ペーストを焼結させる。
【0081】加熱温度は、1000〜2000℃、加圧は100〜200kg/cm2 が好ましく、これらの加熱および加圧は、不活性ガス雰囲気下で行う。不活性ガスとしては、アルゴン、窒素などを使用することができる。この工程で、スルーホール16、17、チャック正極静電層2、チャック負極静電層3、抵抗発熱体5等が形成される。
【0082】(3)次に、図7(c)に示すように、外部端子接続のための袋孔13、14を設ける。袋孔13、14の内壁は、その少なくともその一部が導電化され、導電化された内壁は、チャック正極静電層2、チャック負極静電層3、抵抗発熱体5等と接続されていることが望ましい。
【0083】(4)最後に、図7(d)に示すように、袋孔13、14に金ろうを介して外部端子6、18を設ける。さらに、必要に応じて、有底孔12を設け、その内部に熱電対を埋め込むことができる。
【0084】半田は銀−鉛、鉛−スズ、ビスマス−スズなどの合金を使用することができる。なお、半田層の厚さは、0.1〜50μmが望ましい。半田による接続を確保するに充分な範囲だからである。
【0085】なお、上記説明では静電チャック101(図1参照)を例にしたが、ウエハプローバを製造する場合には、例えば、静電チャックの場合と同様に、初めに抵抗発熱体が埋設されたセラミック基板を製造し、その後、セラミック基板の表面に溝を形成し、その上にスパッタリングおよびめっき等を施して、金属層を形成すればよい。
【0086】
【実施例】以下、本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1)静電チャックの製造(図7参照)
(1)窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製、平均粒径1.1μm)100重量部、イットリア(平均粒径:0.4μm)4重量部、アクリルバインダ(三井化学製SA−545シリーズ 酸価0.5)11.5重量部、分散剤0.5重量部、および1−ブタノールとエタノールとからなるアルコール53重量部を混合したペーストを用い、ドクターブレード法による成形を行って、厚さ0.47mmのグリーンシート50を得た。
【0087】これとは別に、バインダとして、アクリルバインダ(共栄社製 商品名KC−600シリーズ 酸価17)11.5重量部を用いたほかは、上記原料を同じ割合で配合し、上記の場合と同様にドクターブレード法による成形を行って、厚さ0.47mmのグリーンシート55を得た。
【0088】(2)次に、これらのグリーンシート50、55を80℃で5時間乾燥させた後、加工が必要なグリーンシートに対し、パンチングにより直径1.8mm、3.0mm、5.0mmの半導体ウエハ支持ピンを挿通する貫通孔となる部分、外部端子と接続するためのスルーホールとなる部分を設けた。
【0089】(3)平均粒子径1μmのタングステンカーバイト粒子100重量部、アクリル系バインダ3.0重量部、α−テルピネオール溶媒3.5重量部および分散剤0.3重量部を混合して導体ペーストAを調製した。平均粒子径3μmのタングステン粒子100重量部、アクリル系バインダ1.9重量部、α−テルピネオール溶媒3.7重量部および分散剤0.2重量部を混合して導体ペーストBを調製した。この導体ペーストAをグリーンシートにスクリーン印刷で印刷し、導体ペースト層を形成した。印刷パターンは、同心円パターンとした。また、他のグリーンシートに図2に示した形状の静電電極パターンからなる導体ペースト層を形成した。
【0090】さらに、外部端子を接続するためのスルーホール用の貫通孔に導体ペーストBを充填した。抵抗発熱体のパターンが形成されたグリーンシート50に、さらに、タングステンペーストを印刷しないグリーンシート50を上側(加熱面)に34枚、下側に13枚積層し、その上に静電電極パターンからなる導体ペースト層を印刷したグリーンシート50を積層し、さらにその上にタングステンペーストを印刷していないグリーンシート55を2枚積層し、これらを130℃、80kg/cm2 の圧力で圧着して積層体を形成した(図7(a))。
【0091】(4)次に、得られた積層体を窒素ガス中、600℃で5時間脱脂し、1890℃、圧力150kg/cm2 で3時間ホットプレスし、厚さ3mmの窒化アルミニウム板状体を得た。これを230mmの円板状に切り出し、誘電体層の厚さ300μm、内部に厚さ6μm、幅10mmの抵抗発熱体5および厚さ10μmのチャック正極静電層2、チャック負極静電層3を有する窒化アルミニウム製の板状体とした(図7(b))。
【0092】(5)次に、(4)で得られた板状体を、ダイヤモンド砥石で研磨した後、マスクを載置し、SiC等によるブラスト処理で表面に熱電対のための有底孔(直径:1.2mm、深さ:2.0mm)を設けた。
【0093】(6)さらに、スルーホールが形成されている部分をえぐり取って袋孔13、14とし(図7(c))、この袋孔13、14にNi−Auからなる金ろうを用い、700℃で加熱リフローしてコバール製の外部端子6、18を接続させた(図7(d))。なお、外部端子の接続は、タングステンの支持体が3点で支持する構造が望ましい。接続信頼性を確保することができるからである。
【0094】(7)次に、温度制御のための複数の熱電対を有底孔に埋め込み、抵抗発熱体を有する静電チャックの製造を完了した。
【0095】(実施例2)静電チャックの製造(1)窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製、平均粒径1.1μm)100重量部、イットリア(平均粒径:0.4μm)4重量部、アクリルバインダ(共栄社製 商品名KC−600シリーズ 酸価17)11.5重量部、分散剤0.5重量部、および1−ブタノールとエタノールとからなるアルコール53重量部を混合したペーストを用い、ドクターブレード法による成形を行って、厚さ0.47mmのグリーンシート50を得た。
【0096】これとは別に、バインダとして、アクリルバインダ(三井化学製SA−545シリーズ 酸価0.5)11.5重量部を用いたほかは、上記原料を同じ割合で配合し、上記の場合と同様にドクターブレード法による成形を行って、厚さ0.47mmのグリーンシート55を得た。本実施例では、バインダーの構成を実施例1の逆にしてある。
【0097】(2)次に、これらのグリーンシート50、55を80℃で5時間乾燥させた後、加工が必要なグリーンシートに対し、パンチングにより直径1.8mm、3.0mm、5.0mmの半導体ウエハ支持ピンを挿入する貫通孔となる部分、外部端子と接続するためのスルーホールとなる部分を設けた。
【0098】(3)平均粒子径1μmのタングステンカーバイト粒子100重量部、アクリル系バインダ3.0重量部、α−テルピネオール溶媒3.5重量部および分散剤0.3重量部を混合して導体ペーストAを調製した。平均粒子径3μmのタングステン粒子100重量部、アクリル系バインダ1.9重量部、α−テルピネオール溶媒3.7重量部および分散剤0.2重量部を混合して導体ペーストBを調製した。この導体ペーストAをグリーンシートにスクリーン印刷で印刷し、導体ペースト層を形成した。印刷パターンは、同心円パターンとした。また、他のグリーンシートに図2に示した形状の静電電極パターンからなる導体ペースト層を形成した。
【0099】さらに、外部端子を接続するためのスルーホール用の貫通孔に導体ペーストBを充填した。抵抗発熱体のパターンが形成されたグリーンシート50に、さらに、タングステンペーストを印刷しないグリーンシート50を上側(加熱面)に34枚、下側に13枚積層し、その上に静電電極パターンからなる導体ペースト層を印刷したグリーンシート50を積層し、さらにその上にタングステンペーストを印刷していないグリーンシート55を2枚積層し、これらを130℃、80kg/cm2 の圧力で圧着して積層体を形成した(図7(a))。
【0100】(4)次に、得られた積層体を窒素ガス中、600℃で5時間脱脂し、1890℃、圧力150kg/cm2 で3時間ホットプレスし、厚さ3mmの窒化アルミニウム板状体を得た。これを230mmの円板状に切り出し、誘電体層の厚さ300μm、内部に厚さ6μm、幅10mmの抵抗発熱体5および厚さ10μmのチャック正極静電層2、チャック負極静電層3を有する窒化アルミニウム製の板状体とした(図7(b))。
【0101】(5)次に、(4)で得られた板状体を、ダイヤモンド砥石で研磨した後、マスクを載置し、SiC等によるブラスト処理で表面に熱電対のための有底孔(直径:1.2mm、深さ:2.0mm)を設けた。
【0102】(6)さらに、スルーホールが形成されている部分をえぐり取って袋孔13、14とし(図7(c))、この袋孔13、14にNi−Auからなる金ろうを用い、700℃で加熱リフローしてコバール製の外部端子6、18を接続させた(図7(d))。なお、外部端子の接続は、タングステンの支持体が3点で支持する構造が望ましい。接続信頼性を確保することができるからである。
【0103】(7)次に、温度制御のための複数の熱電対を有底孔に埋め込み、抵抗発熱体を有する静電チャックの製造を完了した。
【0104】(実施例3)静電チャック抵抗発熱体と静電電極の間にRF電極を5層設けたほかは、実施例1と同様にして静電チャックを製造した。なお、RF電極は、格子状であり静電電極と同じペーストを印刷することで形成した。
【0105】(実施例4)ホットプレート(1)窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製、平均粒径1.1μm)100重量部、イットリア(平均粒径:0.4μm)4重量部、アクリルバインダ(共栄社製 商品名KC−600シリーズ 酸価17)11.5重量部、分散剤0.5重量部、および1−ブタノールとエタノールとからなるアルコール53重量部を混合したペーストを用い、ドクターブレード法による成形を行って、厚さ0.47mmのグリーンシートを得た。
【0106】(2)次に、これらのグリーンシートを80℃で5時間乾燥させた後、加工が必要なグリーンシートに対し、パンチングにより直径1.8mm、3.0mm、5.0mmの半導体ウエハ支持ピンを挿通する貫通孔となる部分、外部端子と接続するためのスルーホールとなる部分を設けた。
【0107】(3)平均粒子径1μmのタングステンカーバイト粒子100重量部、アクリル系バインダ3.0重量部、α−テルピネオール溶媒3.5重量部および分散剤0.3重量部を混合して導体ペーストAを調製した。この導体ペーストAをグリーンシートにスクリーン印刷で印刷し、導体ペースト層を形成した。印刷パターンは、図2に示した形状の静電電極パターンである。さらに、外部端子を接続するためのスルーホール用の貫通孔に導体ペーストAを充填した。また、表層のグリーンシートには、抵抗発熱体を配設する溝を形成した後、以下に記載した方法により抵抗発熱体を配設し、ホットプレートを製造した。
【0108】図9(a)〜(e)は、本実施例におけるホットプレートの製造工程を模式的に示した断面図である。
(4)この溝98が形成されたグリーンシート90を黒鉛製成形型に入れ、さらに溝98にタングステン線95をらせん状(断面直径0.5mm)にしたものをはめ込み(図9(a)(b))、さらにその上から、窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製、平均粒径1.1μm)100重量部、イットリア(平均粒径0.4μm)4重量部およびアクリル系樹脂バインダ(共栄社製 商品名KC−600シリーズ 酸価17)11.5重量部からなる混合物を成形型中に入れ(図9(c))、窒素ガス中、1890℃、圧力150kg/cm2 で加圧した(図9(d))。
【0109】(5)この後、さらに、常圧の窒素中、1800℃、15時間の条件で加熱し、タングステン線とカーボンを反応させて、抵抗発熱体95間のセラミック中のカーボン量を減少させた。このようにして得られた焼結体の両面を研磨し、ホットプレート100とした(図9(e))。
【0110】(比較例1)全てのグリーンシートを、窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製、平均粒径1.1μm)100重量部、イットリア(平均粒径:0.4μm)4重量部、アクリルバインダ(共栄社製 商品名KC−600シリーズ 酸価17)11.5重量部、分散剤0.5重量部および1−ブタノールとエタノールとからなるアルコール53重量部を混合したペーストを用い、ドクターブレード法による成形を行うことにより得た以外は、実施例1と同様にして静電チャックの製造した。なお、グリーンシートの厚さは0.47mmである。
【0111】(比較例2)全てのグリーンシートを、窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製、平均粒径1.1μm)100重量部、イットリア(平均粒径:0.4μm)4重量部、アクリルバインダ(三井化学製SA−545シリーズ 酸価0.5)11.5重量部、分散剤0.5重量部および1−ブタノールとエタノールとからなるアルコール53重量部を混合したペーストを用い、ドクターブレード法による成形を行うことにより得た以外は、実施例1と同様にして静電チャックの製造した。なお、グリーンシートの厚さは0.47mmである。
【0112】(比較例3)実施例4の(5)の工程(即ち、常圧で1800℃の加熱を行う工程)を行わなかった以外は、実施例4と同様にしてホットプレートを製造した。
【0113】このようにして製造した実施例1〜4および比較例1〜3のホットプレートおよび抵抗発熱体、RF電極を有する静電チャックを、電極より上の層と電極より下の層とに分け、下記の方法により、カーボンの含有量、体積抵抗率、熱伝導率、および、リーク電流を測定した。結果を表1に示した。
【0114】評価方法(1)カーボン含有量の測定焼結体を粉砕し、これを500から900℃で加熱して発生するCOxガスを捕集することにより行った。
【0115】(2)体積抵抗率の測定セラミック基板を切削加工することにより、直径10mm、厚さ3mmの形状に切出し、三端子(主電極、対電極、ガード電極)を形成し、直流電圧を加え、1分間充電した後のデジタルエレクトロメーターに流れる電流(I)を読んで、試料の抵抗(R)を求め、抵抗(R)と試料の寸法から体積抵抗率(ρ)を下記の計算式(1)で計算した。
【0116】
【数1】

【0117】上記計算式(1)において、tは試料の厚さ(mm)である。また、Sは、下記の計算式(2)および(3)により与えられる。
【0118】
【数2】

【0119】
【数3】

【0120】なお、上記計算式(2)および(3)において、D1 は主電極の直径、D2 はガード電極の内径(直径)であり、本実施例においては、D1 =1.45cm、D2 =1.60cmである。
【0121】(3)リーク電流の測定本来絶縁されている静電電極間に1kV印加し、400℃でリーク電流を耐圧試験器(菊水電子工業製 TOS−5051)またはウルトラハイレジスター(アドバンテスト社製 R8340)を使用して測定した。
【0122】(4)熱伝導率の測定a.使用機器リガクレーザーフラッシュ法熱定数測定装置LF/TCM−FA8510Bb.試験条件温度・・・25℃、400℃雰囲気・・・真空c.測定方法・比熱測定における温度検出は、試料裏面に銀ペーストで接着した熱電対(プラチネル)により行った。
・常温比熱測定はさらに試料上面に受光板(グラッシーカーボン)をシリコングリースを介して接着した状態で行い、試料の比熱(Cp)は、下記の計算式(4)により求めた。
【0123】
【数4】

【0124】上記計算式(4)において、Δは、入力エネルギー、ΔTは、試料の温度上昇の飽和値、CpG.c は、グラッシーカーボンの比熱、WG.c は、グラッシーカーボンの重量、CpS.G は、シリコングリースの比熱、WS.G は、シリコングリースの重量、Wは、試料の重量である。
【0125】カーボン含有量の比率は、相対的にカーボン量の多い部分/相対的にカーボン量の少ない部分の比率で、実施例1で16/1、実施例2で5.3/1、実施例3で80/1、実施例4で80/1であった。
【126】
【表1】

【0127】実施例1、3では400℃のリーク電流が小さく、実施例2では400℃の高温におけるセラミック誘電体膜の熱伝導率も100W/mKを維持しており、昇温特性に優れる。また、実施例1、3では、セラミック誘電体膜の体積抵抗率を維持して高温での絶縁性を確保しつつ、高温での熱伝導性は下層セラミック層、RF電極間、抵抗発熱体間で確保しているため、200℃以上の高温領域で絶縁性と昇温特性とを両立させることができる。なお、実施例1の誘電体膜と実施例2の下層セラミック層は同じバインダを使用しているが、カーボン量が異なった。この理由は、下層セラミック層は厚いためカーボンが残留しやすいからではないかと推定している。
【0128】実施例4では、低温領域(200℃未満)において、抵抗発熱体形成領域での熱伝導性に優れ、高温領域(200℃以上)では、それ以外の部分で熱伝導性を確保するため、低温から高温まで安定して昇温特性に優れ、表面の温度の均一性を保証できる。比較例1では、リーク電流が比較的大きく、比較例2ではリーク電流は小さいものの、隠蔽性、高温での熱伝導性に問題がある。さらに比較例3では、低温での熱伝導性が悪く、昇温初期に加熱面に温度分布が現れる。
【0129】
【発明の効果】以上説明のように、本願発明のセラミック基板では、上記セラミック基板がカーボンを不均一に含有し、セラミック基板内部のそれぞれの部分におけるカーボンの濃度は、それぞれの部分で要求される諸特性、すなわち隠蔽性、熱伝導性、体積抵抗率等を満足できるような濃度に設定されているので、ホットプレート、ウエハプローバや静電チャック等として要求される機能を充分に発揮することができる。




 

 


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