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発明の名称 ウエハプローバ及びそれに用いられる検査用ステージ
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−223248(P2001−223248A)
公開日 平成13年8月17日(2001.8.17)
出願番号 特願2000−358391(P2000−358391)
出願日 平成12年11月24日(2000.11.24)
代理人 【識別番号】100095669
【弁理士】
【氏名又は名称】上野 登
発明者 伊藤 淳 / 平松 靖二 / 伊藤 康隆
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 被検査半導体ウエハを載置する検査用ステージの表面には、チャックトップ導体層を形成し、前記検査用ステージの内部には、導電体を設けるとともに、前記検査用ステージには、前記導電体を露出する袋孔を形成し、当該袋孔の壁面の少なくとも一部を導電体化したことを特徴とするウエハプローバ。
【請求項2】 被検査半導体ウエハを載置する検査用ステージの表面には、チャックトップ導体層を形成し、前記検査用ステージの内部には、導電体と、前記チャックトップ導体層又は内部の導電体と外部端子とを電気的に接続するスルーホールと、前記外部端子が挿入される袋孔とを形成し、当該袋孔の壁面の少なくとも一部を導電化したことを特徴とするウエハプローバ。
【請求項3】 前記導電体は、電極を含み、当該電極は、ガード電極及び/又はグランド電極であることを特徴とする請求項1又は2に記載のウエハプローバ。
【請求項4】 前記導電体は、発熱体であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のウエハプローバ。
【請求項5】 前記検査用ステージは、窒化物セラミック、炭化物セラミック及び酸化物セラミックに属するセラミック材料から選ばれる少なくとも一種のセラミック材料により形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のウエハプローバ。
【請求項6】 前記チャックトップ導体層は、銅、チタン、クロム、ニッケル、金、銀、白金、タングステン及びモリブデンから選ばれる少なくとも一種の金属材料により形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のウエハプローバ。
【請求項7】 前記発熱体は、銅、チタン、クロム、ニッケル、金、銀、白金、タングステン、モリブデン、タングステンの炭化物及びモリブデンの炭化物から選ばれる少なくとも一種の金属材料及び/又は導電性セラミック材料により形成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のウエハプローバ。
【請求項8】 被検査半導体ウエハを載置する検査用ステージであって、表面にはチャックトップ導体層を有し、前記検査用ステージの内部には、導電体を設けるとともに、前記導電体を露出する袋孔を形成し、当該袋孔の壁面の少なくとも一部を導電体化したことを特徴とする検査用ステージ。
【請求項9】 被検査半導体ウエハを載置する検査用ステージであって、表面にはチャックトップ導体層を有し、前記検査用ステージの内部には、導電体を設けるとともに、前記チャックトップ導体層又は内部の導電体と外部端子とを電気的に接続するスルーホールと、前記外部端子が挿入される袋孔を形成し、当該袋孔の壁面の少なくとも一部を導電体化したことを特徴とする検査用ステージ。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、集積回路の導通検査用のウエハプローバに関するものであり、更に詳しくは、セラミックス材料からなる検査用ステージの導電構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般的に、半導体チップは、シリコン単結晶を所定の厚さにスライスして半導体ウエハを作製した後、この半導体ウエハに種々の集積回路等を形成することにより製造される。そして、半導体ウエハの段階で各集積回路が設計通りに動作するか否かがチェックされる。このチェック工程においては、ウエハプローバは、図9に示したように、半導体ウエハWを検査用ステージ501に載置した状態で、テスタピンを配置したプローブ・カード601を接触させて使用され、半導体ウエハの良否は、集積回路へ入力されたテストパターン入力信号に対して出力されたテストパターン出力信号により判定される。
【0003】従来のウエハプローバとして、例えば、特許第2587289号公報、特公平3-40947号公報、特開平11-31724号公報等に開示されているように、アルミニウム合金やステンレス鋼等の金属製検査用ステージを備えたものが周知である。これら従来のウエハプローバは、その検査用ステージの金属板の厚みが薄いと、テスタピンの押圧により検査用ステージに反りや歪みが発生し、更にこの反りや歪みにより半導体ウエハの破損や変形を招くことから厚め(15mm程度)である。もっとも、検査用ステージの厚さを厚くしても、ウエハプローバ全体の重量が増し、かさばるほか、熱伝導率が高い金属を使用しても昇温降温特性が悪くなり、高温で半導体ウエハを吸引固定すると温度制御ができなくなるという問題が生じる。
【0004】そこで、発明者等は、金属製の検査用ステージに代えてセラミック材料を用いた検査用ステージを備えたウエハプローバを特願平11-201789号で提案している。セラミック材料による検査用ステージは、次のような製造工程を経たものである。まず、セラミック粉体をバインダや溶剤と混合してグリーンシートを作製し、該当するグリーンシートに導電性ペースト(ガード電極及びグランド電極となる)をスクリーン印刷により印刷するとともに、該当する部位に孔を空けておき、そこに更に導電性ペーストを充填してスルーホール100を形成させる(図10参照)。このスルーホール100により、電極102と外部端子との電気的接続は、確保される。検査用ステージは、数十枚のグリーンシートを積層して焼結することにより作製される。その後いくつかの工程を経た後、外部端子104を挿入する袋孔が形成され、ろう材により外部端子が取り付けられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このようなセラミックス材料による検査用ステージを備えたウエハプローバは、スルーホールと外部端子との接合界面が非接触状態になると、電極と外部端子との電気的接続が確保されなくなる。
【0006】従って、検査用ステージを支持台へ装着したり、検査用ステージを支持台からはずしたりする作業を行ったり、昇温、降温を繰り返してヒートサイクル条件下におかれると、外部端子とスルーホールとの接合が剥がれ、電極と外部端子との導電状態を確保することができなくなる場合が見られた。
【0007】本発明は、外部端子と、検査用ステージの表面又は内部に形成される電極等の間に設けられるスルーホールとの電気的接続の信頼性を向上させたウエハプローバを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る請求項1に記載のウエハプローバは、被検査半導体ウエハを載置する検査用ステージの表面には、チャックトップ導体層を形成し、前記検査用ステージの内部には、導電体を設けるとともに、前記検査用ステージには、前記導電体を露出する袋孔を形成し、当該袋孔の壁面の少なくとも一部を導電体化したことを要旨とするものである。
【0009】また、本発明に係る請求項2に記載のウエハプローバは、被検査半導体ウエハを載置する検査用ステージの表面には、チャックトップ導体層を形成し、前記検査用ステージの内部には、導電体と、前記チャックトップ導体層又は内部の導電体と外部端子とを電気的に接続するスルーホールと、前記外部端子が挿入される袋孔とを形成し、当該袋孔の壁面の少なくとも一部を導電化したことを要旨とするものである。
【0010】請求項1又は2に記載される場合に請求項3に記載されるように、前記導電体は、ガード電極及び/又はグランド電極であればよい。また、請求項4に記載されるように、前記導電体は発熱体であるとよく、かかる場合、前記発熱体は前記検査用ステージの内部に設けられる。
【0011】この場合に請求項5に記載されるように、前記検査用ステージは、窒化物セラミック、炭化物セラミック及び酸化物セラミックに属するセラミック材料から選ばれる少なくとも一種のセラミック材料により形成するとよい。セラミック材料は、剛性が高いため、この表面にチャックトップ導体層を薄めに形成しても、このチャックトップ導体層に反りや歪みが発生することはない。
【0012】この場合に請求項6に記載されるように、前記チャックトップ導体層は、タングステン、モリブデン及び白金から選ばれる少なくとも一種の金属材料により形成するとよい。また、前記チャックトップ導体層は、リン及び/又はホウ素を含有させるとよい。リンを含有させると検査用ステージの耐久特性を向上させることができ、ホウ素を含有させると検査用ステージの昇温降温特性を向上させることができるからである。
【0013】この場合に請求項7に記載されるように、前記発熱体は、銅、チタン、クロム、ニッケル、金、銀、白金、タングステン、モリブデン、タングステンの炭化物及びモリブデンの炭化物から選ばれる少なくとも一種の金属材料及び/又は導電性セラミック材料により形成するとよい。これらは、電流や電圧値の変化に対してその抵抗値が迅速に変化するため、微妙な温度制御をしやすいからである。また、前記発熱体は線状体の形態をとるようにするとよい。
【0014】上記構成を備えた本発明に係るウエハプローバによれば、袋孔の壁面の少なくとも一部が導電化されるから、内部の導電体と外部端子あるいはスルーホールと外部端子とが非接触状態になって、電気的接続が確保されなくなっても、導電体と外部端子あるいはスルーホールと外部端子とは導電化された壁面を介して電気的接続が確保される。従って、本発明に係るウエハプローバは、導電体と外部端子との電気的接続の信頼性を向上させることができる。本発明に係る請求項8に記載の検査用ステージは、被検査半導体ウエハを載置する検査用ステージであって、表面にはチャックトップ導体層を有し、前記検査用ステージの内部には、導電体を設けるとともに、前記導電体を露出する袋孔を形成し、当該袋孔の壁面の少なくとも一部を導電体化したことを要旨とするものである。また、請求項9に記載の検査用ステージは、被検査半導体ウエハを載置する検査用ステージであって、表面にはチャックトップ導体層を有し、前記検査用ステージの内部には、導電体を設けるとともに、前記チャックトップ導体層又は内部の導電体と外部端子とを電気的に接続するスルーホールと、前記外部端子が挿入される袋孔を形成し、当該袋孔の壁面の少なくとも一部を導電体化したことを要旨とするものである。請求項8及び/又は請求項9に記載の検査用ステージは、窒化物セラミック、炭化物セラミック及び酸化物セラミックに属するセラミック材料から選ばれる少なくとも一種のセラミック材料により形成されていることが望ましく、そのチャックトップ導体層が、銅、チタン、クロム、ニッケル、金、銀、白金、タングステン及びモリブデンから選ばれる少なくとも一種の金属材料により形成されていることが望ましく、その導電体が、電極を含み、当該電極が、ガード電極及び/又はグランド電極であって、当該発熱体が銅、チタン、クロム、ニッケル、金、銀、白金、タングステン、モリブデン、タングステンの炭化物及びモリブデンの炭化物から選ばれる少なくとも一種の金属材料及び/又は導電性セラミック材料により形成されていることが望ましい。かかる検査用ステージは、請求項1乃至7に記載のウエハプローバに用いて好適なものである。上記構成を備えた本発明に係る検査用ステージによれば、袋孔の壁面の少なくとも一部が導電化されるから、内部の導電体と外部端子あるいはスルーホールと外部端子とが非接触状態になって、電気的接続が確保されなくなっても、導電体と外部端子あるいはスルーホールと外部端子とは導電化された壁面を介して電気的接続が確保される。従って、本発明に係る検査用ステージは、導電体と外部端子との電気的接続の信頼性を向上させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に本発明の好適な実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明に係る一実施形態であるウエハプローバの概略構成を示した断面図であり、図2は、図1に示したウエハプローバのA-A線断面図であり、図3は、図1に示したウエハプローバの底面図であり、図4は、袋孔を形成した部位を拡大して示した図であり、図5は、図1に示したウエハプローバの平面図である。
【0016】これらの図において、ウエハプローバ10は、半導体ウエハ上に形成された集積回路の導通検査に用いられる。ウエハプローバ10は、検査対象である半導体ウエハを載置するものであって、窒化アルミニウムを主材料として作製された厚さ1〜10mm程度のセラミックステージ12を備える。セラミックステージ12は、検査対象となる半導体ウエハを吸引してこれを当該ステージの表面に吸着固定して、これを150〜200℃に加熱するヒータとして機能する。セラミックステージ12の内部には、ウエハ載置面側から順にガード電極14及びグランド電極16が形成される。
【0017】ガード電極14及びグランド電極16は、タングステン、モリブデン、白金、ニッケル、タングステンの炭化物、モリブデンの炭化物から選ばれる少なくとも一種の金属粒子及び/又は導電性セラミック粒子を混合した導電性ペーストAを印刷・焼結して形成されたものであり、ストレイキャパシタやノイズを除去するためものものである。これらの材料を用いたのは、耐酸化性があり熱伝導率の低下の防止が図れるからである。これらの電極は、平面視格子状に形成される(図2参照)。
【0018】発熱体18は、セラミックステージ12全体を加熱するほか、セラミックステージ12内を伝導する熱を利用して半導体ウエハの全体を加熱するものである。発熱体18は、断面長方形状の幅1〜5.0mm、厚さ1〜10μmの金属粒子及び/又は導電性セラミック粒子からなる導電性ペーストBをセラミックステージ12の裏側に平面視同心円形状に印刷して焼結することにより形成される(図3参照)。金属粒子としては、金、銀、パラジウム、白金、鉛、銀−パラジウム及びニッケルから選ばれる金属粒子が望ましく、その形状は、球状、鱗片状、球状と鱗片状との混合であればよい。導電性セラミック粒子としては、タングステン、モリブデンの炭化物から選ばれる導電性セラミック粒子が望ましい。金属焼結体には、金属酸化物(酸化鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホウ素、アルミナ、イットリ、チタニア等)を金属粒子に対して0.1重量%以上10重量%未満の割合で含有させるとよい。発熱体18と外部端子19との接合には、半田ペーストが用いられる。
【0019】スルーホール20,22は、直径0.1〜10mmの円柱形をしており、導電性ペーストA'を充填して焼結して形成される。スルーホール20,22は、各々、電極14,16と外部端子24,26との電気的接続を確保するためのものである。導電性ペーストA'は、導電性ペーストAに配合した金属粒子やセラミック粒子からなるものであればよく、その配合割合は、導電性ペーストAと同じでなくてもよい。
【0020】袋孔28,30は、スルーホール20,22用に形成した孔の表面の一部を切り拡げて凹部(図4参照)を形成し、この凹部に導電性ペーストA'を充填して焼結して形成されるものである。従って、袋孔28,30は、その全体部分が導電化されるため、セラミックステージ12は、この袋孔28,30を介して電極14,16と外部端子24,26との電気的接続が確保されるようになっている。袋孔28,30の形状は、図示されるように3点で支持されるような構造であるとよい。また、袋孔の形状は、図示されるような楕円の一部のようなもののほか、多角形状のものや、周囲を取り囲むようなものでもよい。
【0021】溝32は、セラミックステージ12の表面に平面視同心円形状に形成されている(図5参照)。吸引孔34は、溝32に連通して設けられ、セラミックステージ12の軸方向に貫通して形成されている。即ち、セラミックステージ12は、半導体ウエハを溝32を介して吸引孔34から吸引固定するように構成される。
【0022】チャックトップ導体層36は、ニッケルからなるものであり、セラミックステージ12と同心円形状にその加熱面側表面に、1〜10μm程度の厚さで形成され、その表面には、更に貴金属層(金、銀、白金、パラジウム)が0.01〜15μmの厚さで設けられて、セラミックステージ12と一体となって溝32を形成する(図5参照)。ニッケルには、リン及び/又はホウ素を各々0.01重量%〜1重量%、0.01重量%〜5重量%の組成で含有させてもよい。
【0023】有底孔38は、半導体ウエハの加熱面の反対側から加熱面に向けて設けられ、セラミックステージ12の温度を測定する測温素子40(熱電対、白金測温抵抗体、サーミスタ等)が挿入される。熱電対としては、例えば、JIS-C-1602(1980)に挙げられたK型、R型、B型、S型、E型、J型、T型が使用できる。測温素子40により測定されたセラミックステージ12の温度に基づいて、制御部42は、装置各部に制御信号を送出してセラミックステージ12の加熱制御や温度制御を行う。
【0024】次に、本発明の一実施形態に係るウエハプローバの製造方法の一例を図6及び図7を参照して説明する。
(1) 窒化アルミニウムの粉体をバインダ及び溶剤と混合してペーストを得る。バインダとしては、アクリル系バインダ、エチルセルロース、ブチルセルソルブ、ポリビニラールから選ばれる少なくとも一種、溶媒としては、α−テルピオーネ、グリコールから選ばれる少なくとも一種が使用できる。この際に、必要に応じてイットリア等の焼結助剤を加える。これらを混合したペーストをドクターブレード法でシート状に成形してグリーンシート50を作製する(図6(a)参照)。
【0025】次に、スルーホール20,22となる部位にパンチングにて孔を空ける。また、袋孔28,30となる部位にパンチングにて孔を空ける。袋孔28,30となる部位の孔は、図4に示したように花弁のように放射状に広がった形状にするとよい。
【0026】次に、グリーンシート50に電極14,16を形成させるため導電性ペーストAを印刷する。また、スルーホールとなる部位の孔及び袋孔となる部位の孔に導電性ペーストA'を充填する。導電性ペーストA,A'としては、その平均粒子径が0.1〜5μmである金属粒子(タングステン、モリブデン等)又は導電性セラミック粒子(タングステン炭化物又はモリブデン炭化物)85〜97重量部、アクリル系、エチルセルロース、ブチルセロソルブ及びポリビニラールから選ばれる少なくとも一種のバインダ1.5〜10重量部、α−テルピオーネ、グリコール、エチルアルコール及びブタノールから選ばれる少なくとも一種の溶媒を1.5〜10重量部混合して調整したものを用いることができる。
【0027】次に、図6(a)に示したように、グリーンシート50,52を所定の順で積層する。グリーンシート52に孔を空けていないのは、焼成時の酸化防止のためである。
【0028】(2) 次に、図6(b)に示したように、積層体の加熱及び加圧を行い、グリーンシート50,52及び導電性ペーストA,A'を焼結させる。加熱温度は、1000〜2000℃、加圧力は、100〜200kg/cm2である。加熱及び加圧は、アルゴン、窒素等の不活性ガス雰囲気下で行う。この工程で電極14,16、スルーホール20,22、袋孔28,30が形成される。
【0029】(3) 次に、図6(c)に示したように、焼結体の表面に溝32及び有底孔38をドリル、サンドブラスト等により形成する。
【0030】(4) 次に、図6(d)に示したように、焼結体の底面に導電性ペーストBを印刷してこれを焼成し、発熱体18を作製する。
(5) 次に、図7(e)に示したように、半導体ウエハ載置面(溝形成面)に、リン及び/又はホウ素を各々0.01〜1重量%、0.01〜5重量%含有させたチタン、モリブデン、ニッケル等をスパッタリングした後、リン及び/又はホウ素を各々0.01〜1重量%、0.01〜5重量%含有させた無電解ニッケルめっき等を施す。これにより、チャックトップ導体層36を形成する。
【0031】(6) 次に、図7(f)に示したように、溝32から裏面にかけて貫通する吸引孔34を設け、袋孔28,30の下部分に、スルーホール20,22と同じ形状で孔を空け、袋孔28,30の導電化された壁面を露出させる。
(7) 最後に、図7(g)に示したように、袋孔28,30に更にNi-Au合金(JIS Z3266 DAu-4)からなる金ろうを充填して700℃で加熱リフローしてコバール製の外部端子19を接続する。また、発熱体18の表面に半田ペースト(銀−鉛、鉛−スズ、ビスマス−スズ等の半田ペースト)を印刷して200〜500℃で加熱リフローしてコバール製の外部端子24,26を接続する。有底孔38には、測温素子40として熱電対を埋め込み固定する。なお、本発明では、スルーホールを介さず、内部の導電体と外部端子をろう材などにて直接接続させてもよい(図8参照)。この場合、袋孔の導体化された壁面は、内部の導電体と電気的に接続しており、もし内部の導電体と外部端子が電気的に絶縁しても、袋孔の壁面が外部端子と内部の導電体の両方に電気的に接続しているため、電気的導通を確保できるのである。
【0032】以下、本発明を更に詳細に説明する。
(実施例1)ウエハプローバの製造(1) 窒化アルミニウム粉末(トクヤマ製、平均粒径1.1μm)100重量部、イットリア(平均粒径0.4μm)4重量部、アクリルバインダ11.5重量部、分散剤0.5重量部及び1−ブタノールとエタノールとからなるアルコール53重量部を混合した組成物を用いて、ドクターブレード法により成形し、厚さ0.47mmのグリーンシートを得た。
【0033】このグリーンシートを80℃で5時間乾燥させた後、パンチングにて電極と外部端子とを電気的に接続するスルーホール用の貫通孔を設けた。また、同様にして電極と外部端子とを電気的に接続する袋孔用の孔を設けた。
【0034】平均粒子径1μmのタングステンカーバイド粒子100重量部、アクリル系バインダ3.0重量部、α−テルピオーネ溶媒3.5重量部及び分散剤0.3重量部を混合して導電性ペーストAとした。また、平均粒子径3μmのタングステン粒子100重量部、アクリル系バインダ1.9重量部、α−テルピオーネ溶媒3.7重量部及び分散剤0.2重量部を混合して導電性ペーストA'とした。
【0035】次に、グリーンシートにこの導電性ペーストAをスクリーン印刷により格子状に印刷した。また、スルーホールを形成する孔と袋孔を形成する孔とに導電性ペーストA'を充填した。このようにして作製された種々のグリーンシートを所定の順番で50枚積層して130℃、80kg/cm2の圧力で一体化することにより積層体を作製した(図6(a)参照)。
【0036】(2) 次に、この積層体を窒素ガス中で600℃で5時間脱脂し、1890℃、圧力150kg/cm2で3時間ホットプレスし、厚さ4mmの窒化アルミニウム板状体を得た。得られた板状体を、直径230mmの円形状に切り出してセラミック製の板状体とした(図6(b)参照)。スルーホールの大きさは、直径3.0mm、深さ3.0mm程度であった。また、ガード電極及びグランド電極の厚さは10μm、ガード電極の形成位置は半導体ウエハ載置面から1.2mm、グランド電極の形成位置は半導体ウエハ載置面から3.0mmのところであった。
【0037】(3) 次に、上記(2)で得た窒化アルミニウム板状体をダイアモンド砥石で研磨した後、マスクを載置し炭化ケイ素によるブラスト処理で半導体ウエハ吸着用の溝(幅0.5mm、深さ0.5mm)を設けた。また、同様の処理によって熱電対用の有底孔を設けた(図6(c)参照)。
【0038】(4-1) 次に、半導体ウエハ載置面に対向する面に発熱体を印刷した(図6(d)参照)。印刷には、プリント配線板のスルーホール形成に使用されている徳力化学研究所製のソルベストPS603Dを導電性ペーストBとして使用した。この導電性ペーストBは、銀−鉛ペーストであり、酸化鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホウ素、アルミナからなる金属酸化物(それぞれの重量比率は、5/55/10/25/5)を銀100重量部に対して7.5重量部含むものであった。銀の形状は、平均粒径で4.5μmで鱗片状のものであった。
【0039】(4-2) 上記(4-1)で得られたセラミックステージを780℃で加熱焼成して、導電性ペーストB中の銀、鉛を焼結させるとともにセラミックステージに焼き付けた。更に、硫酸ニッケル30g/l、硼酸30g/l、塩化アンモニウム30g/l及びロッシェル塩60g/lを含む水溶液からなる無電解ニッケルめっき浴にセラミックステージを浸漬して、銀の焼結体の表面に厚さ1μm、ホウ素の含有量が1重量%以下のニッケル層を析出させた。この後、セラミックステージは120℃で3時間アニーリング処理を施した。銀の焼結体からなる発熱体は、厚さが5μm、幅2.4mmであり、面積抵抗率が7.7mΩ/□であった(図6(d)参照)。
【0040】(5-1) 溝が形成された面に、スパッタリング法により、順次、チタン層、モリブデン層、ニッケル層を形成した。使用した装置は、日本真空技術株式会社製のSV-4540である。スパッタリングの条件は、気圧0.6Pa、温度100℃、電力200Wであり、スパッタリング時間は、30秒から1分の範囲内で各金属によって調整した。得られた膜厚は、蛍光X線分析計の画像からチタン層が0.3μm、モリブデン層が2μm、ニッケル層が1μmであった(図7(e)参照)。
【0041】(5-2) 硫酸ニッケル30g/l、ほう酸30g/l、塩化アンモニウム30g/l、及びロッシェル塩60g/lを含む水溶液からなる無電解ニッケルめっき浴、及び硫酸ニッケル250〜350g/l、塩化ニッケル40〜70g/l、ホウ酸30〜50g/lを含み、硫酸でpH2.4〜4.5に調整した電解ニッケルめっき浴を用いて、上記(5-1)で得られたセラミック板を浸漬し、スパッタリングにより形成された金属層の表面に厚さ7μm、ホウ素の含有量が1重量%以下のニッケル層を析出させ、120℃で3時間アニーリングした(図7(e)参照)。
【0042】(5-3) 更に、表面にシアン化金カリウム2g/l、塩化アンモニウム75g/l、クエン酸ナトリウム50g/l及び次亜リン酸ナトリウム10g/lを含む無電解金めっき液に、93℃の条件で1分間浸漬し、上記(5-2)で得られたニッケルめっき層上に厚さ1μmの金めっき層を形成した(図7(e)参照)。
【0043】(6) 次に、溝から裏面に抜ける空気吸引孔をドリル加工により形成し、更に、袋孔を空けて袋孔の導電化された壁面を露出させた(図7(f)参照)。
(7) この袋孔にNi-Au合金(Au81.5重量%、Ni18.4重量%、不純物0.1重量%)からなる金ろうを用い、970℃で加熱リフローしてコバール製の外部端子を接合した(図7(g)参照)。また、発熱体に半田ペースト(スズ9/鉛1)を用い、200〜500℃で加熱リフローしてコバール製の外部端子を接合した。更に、複数熱電対を有底孔に埋め込み、ろう材等で固定し、熱電対や外部端子を制御部に接続した。
【0044】(比較例)図4に示した袋孔を設けないで図10に示すウエハプローバを作製した。その他の構造については、実施例1と同様であるので省略する。
【0045】評価方法実施例1及び比較例について、200℃まで昇温し、更に室温まで降温するヒートサイクル試験を1000回実施した後、端子部分にソケットをはめたり、抜いたりする着脱試験を1000回実施した。これらの試験により、導通不良の発生率を調べたところ、実施例では0であったが、比較例では10%の導通不良が発生した。
【0046】以上本発明の一実施の形態について説明したが、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではない。例えば、セラミックステージの材料は、窒化アルミニウムに限定されるものではなく、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化チタンその他の窒化物セラミック、炭化ケイ素、炭化ジルコニウム、炭化チタン、炭化タンタル、炭化タンステンその他の炭化物セラミック及びアルミナ、ジルコニア、コージェライト、ムライトその他の酸化物セラミックであってもよい。こららは、単独でも二種以上を併用してもよい。
【0047】また、発熱体の形状は、断面長方形状のものに限定されるものではなく、楕円形状や、半円形状、多角形状のものであってもよい。その平面視形状も、略同心円形状であればよく、従って、屈曲形状や波形形状のものであってもよい。
【0048】更に、発熱体は、セラミックステージ12の外側だけでなく、内部に形成してもよい。この場合には、発熱体としては、金属粒子又は導電性セラミック粒子の焼結体のほか、金属箔、金属線等も好適である。金属粒子としては、タングステン、モリブデンから選ばれる金属粒子が望ましく、導電性セラミック粒子としては、タングステン、モリブデンの炭化物から選ばれる導電性セラミック粒子が望ましい。この場合にも、上述の金属酸化物を含有させるとよい。金属箔や金属線としては、タングステンやモリブデンによるものが好適である。
【0049】尚、発熱体をセラミックステージの内部に形成する場合の製造にあたっては、グリーンシートの段階で、発熱体を形成する導電性ペーストをグリーンシートに印刷し、焼結するとともに、発熱体と外部端子とを電気的に接続するためのスルーホール及び袋孔を上述した電極14,16について設けたものと同様にして形成すればよい。
【0050】また、チャックトップ導体層の材料は、ニッケルに限定されるものではなく、銅、チタン、クロム、金、銀、白金、タングステン及びモリブデンその他の金属材料であってもよい。これらは、単独でも二種以上を併用してもよい。更に、チャックトップ導体層の構成は、例えば、チタン、モリブデン、ニッケルをこの順序でスパッタリングし、更にその上にニッケルをリン及び/又はホウ素を含有する無電解めっき若しくは電解めっきで析出させたものでもよい。尚、チタン、クロムの厚みは、0.1〜0.5μm、モリブデンの厚みは、0.5〜7.0μm、ニッケルの厚みは、0.4〜2.5μmが望ましい。
【0051】
【発明の効果】本発明に係るウエハプローバは、袋孔の壁面の少なくとも一部が導電化されるから、外部端子と、検査用ステージの表面又は内部に形成される電極その他の導電体との間に設けられるスルーホールとの電気的接続の信頼性を向上させることができる。従って、使用中に何らかの衝撃でスルーホールと外部端子とが非接触状態になってスルーホールを介しての導電体と外部端子との電気的接続が確保されなくなっても、導電体と外部端子とは導電化された壁面を介して電気的接続が確保されるから、そのまま導通検査を継続することができる。従って、半導体ウエハの導通検査の測定ミスが回避され、導通検査の信頼性を維持することができる。本発明に係る検査用ステージは、袋孔の壁面の少なくとも一部が導電化されるから、外部端子と、検査用ステージの表面又は内部に形成される電極その他の導電体との間に設けられるスルーホールとの電気的接続の信頼性を向上させることができる。従って、使用中に何らかの衝撃でスルーホールと外部端子とが非接触状態になってスルーホールを介しての導電体と外部端子との電気的接続が確保されなくなっても、導電体と外部端子とは導電化された壁面を介して電気的接続が確保されるから、そのまま導通検査を継続することができる。従って、半導体ウエハの導通検査の測定ミスが回避され、導通検査の信頼性を維持することができる。




 

 


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