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発明の名称 多層プリント配線板
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−210957(P2001−210957A)
公開日 平成13年8月3日(2001.8.3)
出願番号 特願2000−13505(P2000−13505)
出願日 平成12年1月21日(2000.1.21)
代理人 【識別番号】100086586
【弁理士】
【氏名又は名称】安富 康男 (外2名)
【テーマコード(参考)】
5E314
5E346
【Fターム(参考)】
5E314 AA27 AA32 AA42 BB12 CC02 CC15 FF05 GG11 GG26 
5E346 AA12 AA15 AA17 BB01 BB16 CC09 CC16 CC31 CC37 CC38 CC40 CC52 CC58 DD02 DD22 EE33 EE38 FF02 FF04 FF18 GG02 GG15 GG17 GG25 GG27 HH16
発明者 鍾 暉 / 島田 憲一 / 豊田 幸彦
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 基板上に導体回路と樹脂絶縁層とが順次形成され、最外層にソルダーレジスト層が形成された多層プリント配線板であって、前記ソルダーレジスト層は、ハロゲン化エポキシ樹脂を含むことを特徴とする多層プリント配線板。
【請求項2】 前記ハロゲン化エポキシ樹脂は、臭素化エポキシ樹脂である請求項1記載の多層プリント配線板。
【請求項3】 前記臭素化エポキシ樹脂は、両末端エポキシ基タイプの樹脂である請求項2記載の多層プリント配線板。
【請求項4】 前記臭素化エポキシ樹脂は、エポキシ基の部分封止タイプの樹脂である請求項2記載の多層プリント配線板。
【請求項5】 前記ソルダーレジスト層は、無機フィラーとして、金属酸化物を含有している請求項1〜4のいずれか1に記載の多層プリント配線板。
【請求項6】 前記無機フィラーは、酸化アンチモンである請求項5記載の多層プリント配線板。
【請求項7】 前記無機フィラーは、その粒径が0.5μm以下である請求項5または6記載の多層プリント配線板。
【請求項8】 前記無機フィラーの含有量は、0.1〜15重量%である請求項5、6または7記載の多層プリント配線板。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多層プリント配線板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ビルドアップ多層プリント配線板は、例えば、特開平4−55555号公報等に開示された方法により製造されている。すなわち、まず、銅箔が貼り付けられた銅張積層板に貫通孔を形成し、続いて無電解銅めっき処理を施すことによりスルーホールを形成する。続いて、基板の表面を導体パターン状にエッチング処理して導体回路を形成し、この導体回路の表面に粗化面を形成する。そして、この粗化面を有する導体回路上に樹脂絶縁層を形成した後、バイアホール用開口を形成し、その後、UV硬化、本硬化を経て層間樹脂絶縁層を形成する。
【0003】さらに、層間樹脂絶縁層に粗化処理を施した後、薄膜導体層を形成し、この薄膜導体層上にめっきレジストを形成し、電気めっきにより厚付けを行い、めっきレジスト剥離後、めっきレジスト下に存在している薄膜導体層をエッチング液により除去し、独立した導体回路を形成する。この工程を繰り返して、導体回路と層間樹脂絶縁層とを順次積層した後、ソルダーレジスト組成物を塗布することにより導体回路を保護するためのソルダーレジスト層を最外層に形成し、ICチップ等との接続のために開口を形成し、露出した導体回路にめっき等を施し、半田ペーストを印刷して半田バンプを形成することにより、ビルドアップ多層プリント配線板の製造を完了する。
【0004】このような多層プリント配線板の製造において、ソルダーレジスト組成物としては、例えば、ノボラック型エポキシ樹脂の(メタ)アクリレート、イミダゾール硬化剤、2官能性(メタ)アクリル酸エステルモノマー、分子量500〜5000程度の(メタ)アクリル酸エステルの重合体、ビスフェノール型エポキシ樹脂等からなる熱硬化性樹脂、多価アクリル系モノマー等の感光性モノマー、グリコールエーテル系溶剤などを含むペースト状の流動体が用いられていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような多層プリント配線板は、ICチップ等の電子部品を搭載して使用される。そのため、種々の原因によりICチップ等が発火した場合に、それに耐えられるものが望まれている。具体的には、UL試験規格におけるUL94の判定基準に合格するものが望まれており、特に、94V−0における燃焼時間の判定基準に合格するものが望まれている。
【0006】また、多層プリント配線板は、上記した難燃性の基準を満足するとともに、樹脂絶縁層にバイアホール用開口や半田パッド用開口を形成する際に、既存の多層プリント配線板の樹脂絶縁層と比較してその開口性が低下しないことが望まれており、また、樹脂絶縁層と導体回路との密着性が低下しないことも望まれている。更には、信頼性試験を行った際に、その性能が低下しないものであることも望まれている。
【0007】しかしながら、従来のソルダーレジスト組成物を用いて形成されたソルダーレジスト層を有する多層プリント配線板は、難燃性の点で満足のいくものではなかった。
【0008】本発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、難燃性に優れ、導体回路との密着性が高く、露光、現像処理により容易に開口を形成することができるソルダーレジスト層が形成された多層プリント配線板を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的の実現に向け鋭意研究した結果、ハロゲン化エポキシ樹脂を含むソルダーレジスト層が形成された多層プリント配線板は、表層部分の難燃性に優れた多層プリント配線板であり、ソルダーレジスト層と導体回路との密着性が高く、また、上記ソルダーレジスト層は、多層プリント配線板製造時に露光、現像処理により容易に開口を形成することができるため、前述の問題を解決することができるものであることを見いだし、以下に示す内容を要旨構成とする発明に到達した。
【0010】即ち、本発明の多層プリント配線板は、基板上に導体回路と樹脂絶縁層とが順次形成され、最外層にソルダーレジスト層が形成された多層プリント配線板であって、前記ソルダーレジスト層は、ハロゲン化エポキシ樹脂を含むことを特徴とする。
【0011】上記多層プリント配線板において、上記ハロゲン化エポキシ樹脂は、臭素化エポキシ樹脂であることが望ましい。また、上記臭素化エポキシ樹脂は、両末端エポキシ基タイプの樹脂、または、エポキシ基の部分封止タイプの樹脂であることが望ましい。
【0012】上記多層プリント配線板において、上記ソルダーレジスト組成物は、無機フィラーとして、金属酸化物を含有していることが望ましい。また、上記無機フィラーは、酸化アンチモンであることが望ましい。また、上記無機フィラーは、その粒径が0.5μm以下であることが望ましい。また、上記無機フィラーは、ソルダーレジスト層中に0.1〜15重量%存在していることが望ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の多層プリント配線板は、基板上に導体回路と樹脂絶縁層とが順次形成され、最外層にソルダーレジスト層が形成された多層プリント配線板であって、前記ソルダーレジスト層は、ハロゲン化エポキシ樹脂を含むことを特徴とする。
【0014】上記多層プリント配線板によれば、ソルダーレジスト層がバロゲン化エポキシ樹脂を含んでおり、樹脂中のハロゲン原子の存在に起因して難燃性に優れ、また、密着性に優れるエポキシ樹脂を使用しているため、ソルダーレジスト層と導体回路との密着性が高い。さらに、上記ハロゲン化エポキシ樹脂以外は通常用いられているものと同様のものを用いることにより、多層プリント配線板製造時の露光、現像処理により従来と変わらない容易さでソルダーレジスト層に開口を形成することができる。
【0015】本発明の多層プリント配線板において、ソルダーレジスト層はハロゲン化エポキシ樹脂を含んでいる。上記ハロゲン化エポキシ樹脂としては、エポキシ樹脂中の水素がハロゲン原子(F、Cl、Br、IまたはAt)で置換されたものであれば特に限定されないが、これらのなかでは、塩素化エポキシ樹脂および臭素化エポキシ樹脂が望ましい。
【0016】上記ハロゲン化エポキシ樹脂におけるハロゲン化率としては、特に限定されないが、75%以上が望ましい。上記ハロゲン化率が75%未満では、多層プリント配線板が充分な難燃性を有さない場合がある。
【0017】上記臭素化エポキシ樹脂としては、例えば、両末端エポキシ基タイプの樹脂、エポキシ基の部分封止タイプの樹脂、両末端エポキシ基封止タイプの樹脂、ポリマータイプの樹脂等が挙げられ、これらのなかでは、両末端エポキシ基タイプの樹脂およびエポキシ基の部分封止タイプの樹脂が望ましい。
【0018】上記両末端エポキシ基タイプの樹脂は、エポキシ基が両末端に存在するものであれば特に限定されないが、下記一般式(1)
【0019】
【化1】

【0020】(式中、nは0〜5の整数を表す。)で表される両末端エポキシ基タイプの樹脂がより望ましく、上記一般式(1)において、n≒0である両末端エポキシ基タイプの樹脂が特に望ましい。ただし、上記臭素化エポキシ樹脂において、Brの数および位置は、異なっていてもよい。
【0021】上記一般式(1)で表される両末端エポキシ基タイプの臭素化エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、東都化成社製のYDB−400、YDB−406、YDB−408、YDB−412、YDB−420等が挙げられる。
【0022】上記エポキシ基の部分封止タイプの樹脂は、片末端にエポキシ基が存在し、他の片末端に少なくとも1つの水素が臭素で置換または無置換のフェニル基が存在するものであれば特に限定されないが、下記一般式(2)
【0023】
【化2】

【0024】(式中、mは0〜5の整数を表す。)で表されるエポキシ基の部分封止タイプの樹脂がより望ましく、上記一般式(2)において、n≒0であるエポキシ基の部分封止タイプの樹脂が特に望ましい。ただし、上記臭素化エポキシ樹脂において、Brの数および位置は、異なっていてもよい。
【0025】上記一般式(2)で表されるエポキシ基の部分封止タイプの臭素化エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、東都化成社製のYDB−416、YDB−472等が挙げられる。
【0026】上記ソルダーレジスト層は、ハロゲン化エポキシ樹脂以外に、無機フィラーとして金属酸化物を含有していることが望ましい。金属酸化物がソルダーレジスト層中に含有されていると、多層プリント配線板の難燃性がより向上する。さらに、金属酸化物を含有するソルダーレジスト層では、ソルダーレジスト層に発生した応力が緩和されやすく、その結果、ソルダーレジスト層にクラックが発生したり、導体回路との間で剥離が発生したりすることがより起こりにくくなる。
【0027】上記金属酸化物としては、例えば、Sb23 、Sb25 等の酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化ビスマス等が挙げられる。これらのなかでは、酸化アンチモンが望ましい。
【0028】上記無機フィラーの粒径は、0.5μm以下が望ましい。上記粒径が0.5μmを超えると、ソルダーレジスト層の感光性が阻害されてしまい、露光、現像処理時の開口性や、硬化性に悪影響を及ぼすことがある。
【0029】また、上記無機フィラーの形状としては特に限定されず、例えば、球状、楕円球状、破砕状、多面体状等が挙げられる。これらのなかでは、ソルダーレジスト層に発生した応力を緩和しやすく、ソルダーレジスト層表面の突起物となりにくい点から、球状が望ましい。
【0030】上記ソルダーレジスト層中の無機フィラーの含有量は、0.1〜15重量%が望ましい。上記含有量が0.1重量%未満では、ソルダーレジスト層の難燃性を向上させる効果が乏しく、15重量%を超えると、ソルダーレジスト層の感光性が阻害されてしまい、露光、現像処理時の開口性や、硬化性に悪影響を及ぼすことがある。
【0031】本発明の多層プリント配線板を構成するソルダーレジスト層は、上記ハロゲン化エポキシ樹脂や無機フィラー以外に、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との複合体等を含有していてもよい。具体的には、例えば、ノボラックエポキシ樹脂の(メタ)アクリレート、2官能性(メタ)アクリル酸エステルモノマー、分子量500〜5000程度の(メタ)アクリル酸エステルの重合体、ビスフェノール型エポキシ樹脂等からなる熱硬化性樹脂、多価アクリル系モノマー等の感光性モノマー等からなる組成物を重合、硬化させたもの等が挙げられる。
【0032】上記2官能性(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては特に限定されず、例えば、各種ジオール類のアクリル酸またはメタクリル酸のエステル等が挙げられ、市販品としては、日本化薬社製のR−604、PM2、PM21等が挙げられる。
【0033】上記ノボラックエポキシ樹脂の(メタ)アクリレートとしては、例えば、フェノールノボラックやクレゾールノボラックのグリシジルエーテルを、アクリル酸やメタクリル酸等と反応させたエポキシ樹脂等が挙げられる。また、ハロゲン化されたフェノールノボラックやクレゾールノボラックのグリシジルエーテルを、アクリル酸やメタクリル酸等と反応させたハロゲン化エポキシ樹脂であってもよい。
【0034】このようなソルダーレジスト層を形成する方法としては、上記ハロゲン化エポキシ樹脂等を含む未硬化のソルダーレジスト組成物を調製し、これをロールコータ法等により塗布したり、未硬化のソルダーレジスト組成物からなる樹脂フィルムを作製した後、この樹脂フィルムを熱圧着したりする方法が挙げられる。
【0035】また、上記金属酸化物をソルダーレジスト層に含有させる場合、上記ソルダーレジスト組成物を調製する際に、上記金属酸化物をメチルエチルケトン等の溶媒に分散させた後、添加することが望ましい。金属酸化物を凝集させることなく、ソルダーレジスト層中に均一に分散させることができるからである。
【0036】上記ソルダーレジスト組成物は、上記ハロゲン化エポキシ樹脂や無機フィラー以外に、上記ノボラックエポキシ樹脂の(メタ)アクリレート、イミダゾール硬化剤、2官能性(メタ)アクリル酸エステルモノマー、分子量500〜5000程度の(メタ)アクリル酸エステルの重合体、ビスフェノール型エポキシ樹脂等からなる熱硬化性樹脂、多価アクリル系モノマー等の感光性モノマー、グリコールエーテル系溶剤等を含むペースト状の流動体であることが望ましい。また、その粘度は、25℃で1〜10Pa・sに調整されていることが望ましい。
【0037】上記イミダゾール硬化剤としては特に限定されるものではないが、25℃で液状であるイミダゾール硬化剤を用いることが望ましい。粉末では均一混練が難しく、液状のほうが均一に混練できるからである。このような液状イミダゾール硬化剤としては、例えば、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール(四国化成社製、1B2MZ)、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール(四国化成社製、2E4MZ−CN)、4−メチル−2−エチルイミダゾール(四国化成社製、2E4MZ)等が挙げられる。
【0038】上記グリコールエーテル系溶剤としては、例えば、下記一般式(3)に示す化学構造を有するものが望ましく、具体的には、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)およびトリエチレングリコールジメチルエーテル(DMTG)から選ばれる少なくとも一種を用いることがより望ましい。これらの溶剤は、30〜50℃程度の加温により重合開始剤であるベンゾフェノン、ミヒラーケトン、エチルアミノベンゾフェノンを完全に溶解させることができるからである。
CH3 O−(CH2 CH2 O)n −CH3 ・・・(3)
(式中、nは、1〜5の整数を表す。)
【0039】このような構成からなるソルダーレジスト層は、ハロゲン化エポキシ樹脂を含んでいるため難燃性に優れ、該ソルダーレジスト層の形成された多層プリント配線板は、UL試験規格におけるUL94(高分子材料の難燃性試験)の判定基準をクリアするものであり、そのなかでも、94V−0の判定基準をクリアするものである。
【0040】次に、本発明の多層プリント配線板の製造方法について、工程順に説明する。
(1) 本発明のプリント配線板の製造方法においては、まず、絶縁性基板の表面に導体回路が形成された基板を作製する。
【0041】上記絶縁性基板としては、樹脂基板が望ましく、具体的には、例えば、ガラスエポキシ基板、ポリエステル基板、ポリイミド基板、ビスマレイミド−トリアジン樹脂基板、熱硬化性ポリフェニレンエーテル基板、フッ素樹脂基板、セラミック基板、銅張積層板、RCC基板などが挙げられる。このとき、この絶縁性基板に貫通孔を設けてもよい。この場合、貫通孔は直径100〜300μmのドリル、レーザ光等を用いて形成することが望ましい。
【0042】(2) 次に、無電解めっきを施した後、基板上に導体回路形状のエッチングレジストを形成し、エッチングを行うことにより導体回路を形成する。無電解めっきとしては銅めっきが望ましい。また、絶縁性基板にスルーホール用貫通孔を設けた場合には、該スルーホール用貫通孔の壁面にも同時に無電解めっきを施してスルーホールを形成することにより、基板の両面の導体回路間を電気的に接続してもよい。
【0043】さらに、この無電解めっきの後、通常、無電解めっき層表面とスルーホールを形成した場合にはスルーホール内壁との粗化形成処理を行う。粗化形成処理方法としては、例えば、黒化(酸化)−還元処理、有機酸と第二銅錯体の混合水溶液によるスプレー処理、Cu−Ni−P針状合金めっきによる処理等が挙げられる。
【0044】上記黒化(酸化)−還元処理の具体的な方法としては、NaOH(10g/l)、NaClO2 (40g/l)、Na3 PO4 (6g/l)を含む水溶液を黒化浴(酸化浴)とする黒化処理、および、NaOH(10g/l)、NaBH4 (6g/l)を含む水溶液を還元浴とする還元処理を行う方法等が挙げられる。
【0045】上記スプレー処理に用いる有機酸と第二銅錯体の混合水溶液において、上記有機酸としては、例えば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、アクリル酸、クロトン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、マレイン酸、安息香酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、スルファミン酸等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。上記混合溶液において、上記有機酸の含有量は、0.1〜30重量%が望ましい。酸化された銅の溶解性を維持し、かつ、触媒安定性を確保することができるからである。
【0046】上記第二銅錯体としては、アゾール類の第二銅錯体が望ましい。このアゾール類の第二銅錯体は、金属銅等を酸化する酸化剤として作用する。アゾール類としては、例えば、ジアゾール、トリアゾール、テトラゾール等が挙げられる。これらのなかでも、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾールが望ましい。上記エッチング液において、上記第二銅錯体の含有量は、1〜15重量%が望ましい。溶解性および安定性に優れ、また、触媒核を構成するPd等の貴金属をも溶解させることができるからである。
【0047】上記めっき処理の具体的な方法としては、硫酸銅(1〜40g/l)、硫酸ニッケル(0.1〜6.0g/l)、クエン酸(10〜20g/l)、次亜リン酸ナトリウム(10〜100g/l)、ホウ酸(10〜40g/l)および界面活性剤(日信化学工業社製、サーフィノール465)(0.01〜10g/l)を含むPH=9の無電解めっき浴にて無電解めっきを施す方法等が挙げられる。
【0048】(3) 次に、この導体回路が形成された基板上に層間樹脂絶縁層を形成する。上記層間樹脂絶縁層の材料としては、粗化面形成用樹脂組成物、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、熱可塑性エラストマー等が挙げられる。上記層間樹脂絶縁層は、未硬化の樹脂を塗布して成形してもよく、また、未硬化の樹脂フィルムを熱圧着して形成してもよい。さらに、未硬化の樹脂フィルムの片面に銅箔等の金属層が形成された樹脂フィルムを貼付してもよい。
【0049】上記粗化面形成用樹脂組成物としては、例えば、酸または酸化剤に可溶性の粒子(以下、可溶性粒子という)が酸または酸化剤に難溶性の樹脂(以下、難溶性樹脂という)中に分散したものが挙げられる。なお、上記「難溶性」および「可溶性」という語は、同一の粗化液に同一時間浸漬した場合に、相対的に溶解速度の早いものを便宜上「可溶性」といい、相対的に溶解速度の遅いものを便宜上「難溶性」と呼ぶ。
【0050】上記可溶性粒子としては、例えば、酸または酸化剤に可溶性の樹脂粒子(以下、可溶性樹脂粒子)、酸または酸化剤に可溶性の無機粒子(以下、可溶性無機粒子)、酸または酸化剤に可溶性の金属粒子(以下、可溶性金属粒子)等が挙げられる。これらの可溶性粒子は、単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
【0051】上記可溶性粒子の形状(粒径等)としては特に限定されないが、(a)平均粒径が10μm以下の可溶性粒子、(b)平均粒径が2μm以下の可溶性粒子を凝集させた凝集粒子、(c)平均粒径が2〜10μmの可溶性粒子と平均粒径が2μm以下の可溶性粒子との混合物、(d)平均粒径が2〜10μmの可溶性粒子の表面に平均粒径が2μm以下の耐熱性樹脂粉末または無機粉末のいずれか少なくとも1種を付着させてなる疑似粒子、(e)平均粒径が0.1〜0.8μmの可溶性粒子と平均粒径が0.8μmを超え、2μm未満の可溶性粒子との混合物、(f)平均粒径が0.1〜1.0μmの可溶性粒子を用いることが望ましい。これらは、より複雑なアンカーを形成することができるからである。
【0052】上記可溶性樹脂粒子としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等からなるものが挙げられ、酸あるいは酸化剤からなる溶液に浸漬した場合に、上記難溶性樹脂よりも溶解速度が速いものであれば特に限定されない。上記可溶性樹脂粒子の具体例としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、アミノ樹脂(メラミン樹脂、尿素樹脂、グアナミン樹脂)等からなるものが挙げられ、これらの樹脂の一種からなるものであってもよいし、2種以上の樹脂の混合物からなるものであってもよい。
【0053】また、上記可溶性樹脂粒子としては、ゴムからなる樹脂粒子を用いることもできる。上記ゴムとしては、例えば、ポリブタジエンゴム、エポキシ変性、ウレタン変性、(メタ)アクリロニトリル変性等の各種変性ポリブタジエンゴム、カルボキシル基を含有した(メタ)アクリロニトリル・ブタジエンゴム等が挙げられる。これらのゴムを使用することにより、可溶性樹脂粒子が酸あるいは酸化剤に溶解しやすくなる。つまり、酸を用いて可溶性樹脂粒子を溶解する際には、強酸以外の酸でも溶解することができ、酸化剤を用いて可溶性樹脂粒子を溶解する際には、比較的酸化力の弱い過マンガン酸でも溶解することができる。また、クロム酸を用いた場合でも、低濃度で溶解することができる。そのため、酸や酸化剤が樹脂表面に残留することがなく、後述するように、粗化面形成後、塩化パラジウム等の触媒を付与する際に、触媒が付与されなかったり、触媒が酸化されたりすることがない。
【0054】上記可溶性無機粒子としては、例えば、アルミニウム化合物、カルシウム化合物、カリウム化合物、マグネシウム化合物およびケイ素化合物からなる群より選択される少なくとも一種からなる粒子等が挙げられる。
【0055】上記アルミニウム化合物としては、例えば、アルミナ、水酸化アルミニウム等が挙げられ、上記カルシウム化合物としては、例えば、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム等が挙げられ、上記カリウム化合物としては、例えば、炭酸カリウム等が挙げられ、上記マグネシウム化合物としては、例えば、マグネシア、ドロマイト、塩基性炭酸マグネシウム等が挙げられ、上記ケイ素化合物としては、例えば、シリカ、ゼオライト等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
【0056】上記可溶性金属粒子としては、例えば、銅、ニッケル、鉄、亜鉛、鉛、金、銀、アルミニウム、マグネシウム、カルシウムおよびケイ素からなる群より選択される少なくとも一種からなる粒子等が挙げられる。また、これらの可溶性金属粒子は、絶縁性を確保するために、表層が樹脂等により被覆されていてもよい。
【0057】上記可溶性粒子を、2種以上混合して用いる場合、混合する2種の可溶性粒子の組み合わせとしては、樹脂粒子と無機粒子との組み合わせが望ましい。両者とも導電性が低くいため樹脂フィルムの絶縁性を確保することができるとともに、難溶性樹脂との間で熱膨張の調整が図りやすく、樹脂フィルムからなる層間樹脂絶縁層にクラックが発生せず、層間樹脂絶縁層と導体回路との間で剥離が発生しないからである。
【0058】上記難溶性樹脂としては、層間樹脂絶縁層に酸または酸化剤を用いて粗化面を形成する際に、粗化面の形状を保持できるものであれば特に限定されず、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、これらの複合体等が挙げられる。また、これらの樹脂に感光性を付与した感光性樹脂であってもよい。これらのなかでは、熱硬化性樹脂を含有しているものが望ましい。それにより、めっき液または種々の加熱処理によっても粗化面の形状を保持することができるからである。
【0059】上記熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げられる。また、感光化した樹脂としては、例えば、メタクリル酸やアクリル酸等と熱硬化基とをアクリル化反応させたものが挙げられる。特に、エポキシ樹脂をアクリレート化したものが望ましい。これらのなかでは、1分子中に、2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂がより望ましい。上述の粗化面を形成することができるばかりでなく、耐熱性等にも優れてるため、ヒートサイクル条件下においても、金属層に応力の集中が発生せず、金属層の剥離などが起きにくいからである。
【0060】上記エポキシ樹脂としては、例えば、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、アルキルフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェノールF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フェノール類とフェノール性水酸基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物のエポキシ化物、トリグリシジルイソシアヌレート、脂環式エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。それにより、耐熱性等に優れるものとなる。また、上記エポキシ樹脂は、臭素化エポキシ樹脂等のハロゲン化エポキシ樹脂が望ましい。ハロゲン化エポキシ樹脂を用いることにより、得られる多層プリント配線板の難燃性をより向上させることができる。
【0061】上記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリスルフォン(PSF)、ポリフェニレンスルフォン(PPS)、ポリフェニレンサルファイド(PPES)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリエーテルイミド(PI)、フェノキシ樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。
【0062】上記熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との混合割合は、熱硬化性樹脂/熱可塑性樹脂=95/5〜50/50が望ましい。耐熱性を損なうことなく、高い靱性値を確保できるからである。
【0063】上記可溶性粒子の混合重量比は、難溶性樹脂の固形分に対して5〜50重量%が望ましく、10〜40重量%がさらに望ましい。
【0064】上記層間樹脂絶縁層を未硬化の樹脂フィルムを用いて形成する場合、該樹脂フィルムにおいて、上記可溶性粒子は、上記難溶性樹脂中にほぼ均一に分散されていることが望ましい。均一な粗さの凹凸を有する粗化面を形成することができ、樹脂フィルムにバイアホールやスルーホールを形成しても、その上に形成する導体回路の金属層の密着性を確保することができるからである。また、粗化面を形成する表層部だけに可溶性粒子を含有する樹脂フィルムを用いてもよい。それによって、樹脂フィルムの表層部以外は酸または酸化剤にさらされることがないため、層間樹脂絶縁層を介した導体回路間の絶縁性が確実に保たれる。
【0065】上記樹脂フィルムにおいて、難溶性樹脂中に分散している可溶性粒子の配合量は、樹脂フィルムに対して、3〜40重量%が望ましい。可溶性粒子の配合量が3重量%未満では、所望の凹凸を有する粗化面を形成することができない場合があり、40重量%を超えると、酸または酸化剤を用いて可溶性粒子を溶解した際に、樹脂フィルムの深部まで溶解してしまい、樹脂フィルムからなる層間樹脂絶縁層を介した導体回路間の絶縁性を維持できず、短絡の原因となる場合がある。
【0066】上記樹脂フィルムは、上記可溶性粒子および難溶性樹脂以外に、必要に応じて、硬化剤、溶剤、その他の成分等を含有していてもよい。
【0067】上記ポリフェニレンエーテル樹脂としては特に限定されず、例えば、PPO、PPE等が挙げられる。上記ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、シクロオレフィン系樹脂、これらの樹脂の共重合体等が挙げられる。これらのなかでは、誘電率および誘電正接が低く、GHz帯域の高周波信号を用いた場合でも信号遅延や信号エラーが発生しにくく、さらには、剛性等の機械的特性にも優れている点からシクロオレフィン系樹脂が望ましい。
【0068】上記シクロオレフィン系樹脂としては、2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネンまたはこれらの誘導体からなる単量体の単独重合体または共重合体等が望ましい。上記誘導体としては、上記2−ノルボルネン等のシクロオレフィンに、架橋を形成するためのアミノ基や無水マレイン酸残基あるいはマレイン酸変性したもの等が結合したもの等が挙げられる。上記共重合体を合成する場合の単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン等が挙げられる。
【0069】上記シクロオレフィン系樹脂は、上記した樹脂の2種以上の混合物であってもよく、シクロオレフィン系樹脂以外の樹脂を含むものであってもよい。また、上記シクロオレフィン系樹脂が共重合体である場合には、ブロック共重合体であってもよく、ランダム共重合体であってもよい。
【0070】また、上記シクロオレフィン系樹脂は、熱硬化性シクロオレフィン系樹脂であることが望ましい。加熱を行って架橋を形成させることにより、より剛性が高くなり、機械的特性が向上するからである。上記シクロオレフィン系樹脂のガラス転移温度(Tg)は、130〜200℃であることが望ましい。
【0071】上記シクロオレフィン系樹脂は、既に樹脂シート(フィルム)として成形されたものを使用してもよく、単量体もしくは一定の分子量を有する低分子量の重合体が、キシレン、シクロヘキサン等の溶剤に分散した未硬化溶液の状態であってもよい。また、樹脂シートの場合には、いわゆるRCC(RESIN COATED COPPER:樹脂付銅箔)を用いてもよい。
【0072】上記シクロオレフィン系樹脂は、フィラー等を含まないものであってもよく、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、リン酸エステル等の難燃剤を含むものであってもよい。
【0073】上記フッ素樹脂としては、例えば、エチル/テトラフルオロエチレン共重合樹脂(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)等が挙げられる。
【0074】上記熱可塑性エラストマー樹脂としては特に限定されず、例えば、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、1,2−ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー、塩ビ系熱可塑性エラストマー、フッ素系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。これらのなかでは、電気特性に優れる点からオレフィン系熱可塑性エラストマーやフッ素系熱可塑性エラストマーが望ましい。
【0075】上記樹脂フィルムを貼り付けることにより層間樹脂絶縁層を形成する場合、該層間樹脂絶縁層の形成は、真空ラミネーター等の装置を用い、減圧下または真空下において、2.0〜10kgf/cm2 の圧力、60〜120℃の温度で圧着し、その後、樹脂フィルムを熱硬化することにより行うことが望ましい。なお、上記熱硬化は、後述するバイアホール用開口および貫通孔を形成した後に行ってもよい。
【0076】(4) 次に、層間樹脂絶縁層を形成した基板に、バイアホール用開口と必要に応じて貫通孔とを形成する。上記バイアホール用開口は、レーザ処理等により形成する。また、感光性樹脂からなる層間樹脂絶縁層を形成した場合には、露光、現像処理を行うことにより、バイアホール用開口を設けてもよい。このとき、使用されるレーザ光としては、例えば、炭酸ガス(CO2 )レーザ、紫外線レーザ、エキシマレーザ等が挙げられるが、これらのなかでは、エキシマレーザや短パルスの炭酸ガスレーザが望ましい。
【0077】エキシマレーザは、後述するように、バイヤホール用開口を形成する部分に貫通孔が形成されたマスク等を用いることにより、一度に多数のバイヤホール用開口を形成することができ、また、短パルスの炭酸ガスレーザは、開口内の樹脂残りが少なく、開口周縁の樹脂に対するダメージが小さいからである。
【0078】また、エキシマレーザのなかでも、ホログラム方式のエキシマレーザを用いることが望ましい。ホログラム方式とは、レーザ光をホログラム、集光レンズ、レーザマスク、転写レンズ等を介して目的物に照射する方式であり、この方式を用いることにより、一度の照射で層間樹脂絶縁層に多数の開口を効率的に形成することができる。
【0079】また、炭酸ガスレーザを用いる場合、そのパルス間隔は、10-4〜10-8秒であることが望ましい。また、開口を形成するためのレーザを照射する時間は、10〜500μ秒であることが望ましい。また、バイアホール用開口を形成する部分に貫通孔が形成されたマスクの貫通孔は、レーザ光のスポット形状を真円にするために、真円である必要があり、上記貫通孔の径は、0.1〜2mm程度が望ましい。
【0080】また、光学系レンズとマスクとを介してレーザ光を照射することにより、一度に多数のバイアホール用開口を形成することができる。光学系レンズとマスクとを介することにより、同一強度で、かつ、照射強度が同一のレーザ光を複数の部分に同時に照射することができるからである。
【0081】レーザ光にて開口を形成した場合、特に炭酸ガスレーザを用いた場合には、デスミア処理を行うことが望ましい。上記デスミア処理は、クロム酸、過マンガン酸塩等の水溶液からなる酸化剤を使用して行うことができる。また、酸素プラズマ、CF4 と酸素の混合プラズマやコロナ放電等で処理してもよい。また、低圧水銀ランプを用いて紫外線を照射することにより、表面改質することもできる。また、層間樹脂絶縁層を形成した基板に、貫通孔を形成する場合には、直径50〜300μmのドリル、レーザ光等を用いて貫通孔を形成する。
【0082】(5) 次に、バイアホール用開口の内壁を含む層間樹脂絶縁層の表面と上記工程で貫通孔を形成した場合には貫通孔の内壁とに、酸または酸化剤を用いて粗化面を形成する。上記酸としては、硫酸、硝酸、塩酸、リン酸、蟻酸等が挙げられ、上記酸化剤としては、クロム酸、クロム硫酸、過マンガン酸ナトリウム等の過マンガン酸塩等が挙げられる。
【0083】その後、酸を用いて粗化面を形成した場合はアルカリ等の水溶液を用い、酸化剤を用いて粗化面を形成した場合は中和液を用いて、バイアホール用開口内や貫通孔内を中和する。この操作により酸や酸化剤を除去し、次工程に影響を与えないようにする。なお、この工程で形成する粗化面の平均粗度Rzは、0.1〜5μmが望ましい。
【0084】(6) 次に、形成された粗化面に、必要により、触媒を付与する。上記触媒としては、例えば、塩化パラジウム等が挙げられる。このとき、触媒を確実に付与するために、酸素、窒素等のプラズマ処理やコロナ処理等のドライ処理を施すことにより、酸または酸化剤の残渣を除去するとともに層間樹脂絶縁層の表面を改質することにより、触媒を確実に付与し、無電解めっき時の金属の析出、および、無電解めっき層の層間樹脂絶縁層への密着性を向上させることができ、特に、バイアホール用開口の底面において、大きな効果が得られる。
【0085】(7) ついで、形成された層間樹脂絶縁層上に、必要により、スズ、亜鉛、銅、ニッケル、コバルト、タリウム、鉛等からなる薄膜導体層を無電解めっき、スパッタリング等により形成する。上記薄膜導体層は、単層であってもよいし、2層以上からなるものであってもよい。これらのなかでは、電気特性、経済性等を考慮すると銅や銅およびニッケルからなる薄膜導体層が望ましい。また、上記(4) の工程で貫通孔を形成した場合は、この工程で貫通孔の内壁面にも金属からなる薄膜導体層を形成することにより、スルーホールとしてもよい。
【0086】上記(7) の工程で、スルーホールを形成した場合には、以下のような処理工程を行うことが望ましい。すなわち、無電解めっき層表面とスルーホール内壁とを黒化(酸化)−還元処理、有機酸と第二銅錯体の混合水溶液によるスプレー処理、Cu−Ni−P針状合金めっきによる処理等を用いて粗化形成処理を行う。この後、さらに、樹脂充填剤等を用いてスルーホール内を充填し、ついで、樹脂充填剤の表層部と無電解めっき層表面とをバフ研磨等の研磨処理方法を用いて、平坦化する。さらに、無電解めっきを行い、既に形成した金属からなる薄膜導体層と樹脂充填剤の表層部とに無電解めっき層を形成することにより、スルーホールの上に蓋めっき層を形成する。
【0087】(8) 次に、上記層間樹脂絶縁層上の一部にドライフィルムを用いてめっきレジストを形成し、その後、上記薄膜導体層をめっきリードとして電気めっきを行い、上記めっきレジスト非形成部に上記めっきレジストの厚さよりも厚い電気めっき層を形成する。上記電気めっきとしては、銅めっきを用いることが望ましい。この時、バイアホール用開口を電気めっきで充填してフィールドビア構造としてもよく、バイアホール用開口に導電性ペースト等を充填した後、その上に蓋めっき層を形成してフィールドビア構造としてもよい。フィールドビア構造を形成することにより、バイアホールの直上にバイアホールを設けることができる。
【0088】(9) 電気めっき層を形成した後、めっきレジストを剥離し、めっきレジストの下に存在していた金属からなる薄膜導体層をエッチングにより除去し、独立した導体回路とする。上記電気めっきとしては、銅めっきを用いることか望ましい。エッチング液として、例えば、硫酸−過酸化水素水溶液、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩水溶液、塩化第二鉄、塩化第二銅等の水溶液、塩酸、硝酸、熱希硫酸等が挙げられる。また、上述した第二銅錯体と有機酸とを含有するエッチング液を用いて、導体回路間のエッチングと同時に粗化面を形成してもよい。さらに、必要により、酸または酸化剤を用いて層間樹脂絶縁層上の触媒を除去してもよい。触媒を除去することにより、触媒に用いたパラジウム等の金属がなくなるため、電気特性の低減を防止することができる。
【0089】(10)この後、必要により、(3) 〜(9) の工程を繰り返し、その後、最外層の導体回路に粗化面を形成する必要がある場合には、上述した粗化面形成処理方法を用いて、粗化面を有する導体回路を形成する。
【0090】(11)次に、最外層の導体回路を含む基板面に上記したソルダーレジスト層を形成する。上記ソルダーレジスト層は、上述したように、上記ソルダーレジスト組成物をロールコータ法等により塗布したり、上記ソルダーレジスト組成物の樹脂フィルムを形成した後、該樹脂フィルムを熱圧着したりした後、露光、現像処理、レーザ処理等による開口処理を行い、さらに、硬化処理等を行うことにより形成する。
【0091】(12)次に、ソルダーレジスト層の開口部分にNi、Au等からなる耐食金属層をめっき、スパッタリングまたは蒸着等により形成し、その後、ICチップ接続面には、半田ペーストを印刷することにより半田バンプを形成し、外部基板接続面には、半田ボールやピン等を配設することによりプリント配線板の製造を終了する。なお、上記半田ボールやピン等を配設する方法としては、従来公知の方法を用いることができる。
【0092】なお、製品認識文字などを形成するための文字印刷工程やソルダーレジスト層の改質のために、酸素や四塩化炭素などのプラズマ処理を適時行ってもよい。以上の方法は、セミアディティブ法によるものであるが、フルアディティブ法を採用してもよい。
【0093】
【実施例】以下、本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1)
A.上層の粗化面形成用樹脂組成物の調製1)クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬社製、分子量:2500)の25%アクリル化物を80重量%の濃度でジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)に溶解させた樹脂液400重量部、感光性モノマー(東亜合成社製、アロニックスM325)60重量部、消泡剤(サンノプコ社製 S−65)5重量部およびN−メチルピロリドン(NMP)35重量部を容器にとり、攪拌混合することにより混合組成物を調製した。
【0094】2)ポリエーテルスルフォン(PES)80重量部、エポキシ樹脂粒子(三洋化成社製、ポリマーポール)の平均粒径1.0μmのもの72重量部および平均粒径0.5μmのもの31重量部を別の容器にとり、攪拌混合した後、さらにNMP257重量部を添加し、ビーズミルで攪拌混合し、別の混合組成物を調製した。
【0095】3)イミダゾール硬化剤(四国化成社製、2E4MZ−CN)20重量部、光重合開始剤(ベンゾフェノン)20重量部、光増感剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、EAB)4重量部およびNMP16重量部をさらに別の容器にとり、攪拌混合することにより混合組成物を調製した。そして、1)、2)および3)で調製した混合組成物を混合することにより粗化面形成用樹脂組成物を得た。
【0096】B.下層の粗化面形成用樹脂組成物の調製1)クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬社製、分子量:2500)の25%アクリル化物を80重量%の濃度でジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)に溶解させた樹脂液400重量部、感光性モノマー(東亜合成社製、アロニックスM325)60重量部、消泡剤(サンノプコ社製 S−65)5重量部およびN−メチルピロリドン(NMP)35重量部を容器にとり、攪拌混合することにより混合組成物を調製した。
【0097】2)ポリエーテルスルフォン(PES)80量部、および、エポキシ樹脂粒子(三洋化成社製、ポリマーポール)の平均粒径0.5μmのもの145重量部を別の容器にとり、攪拌混合した後、さらにNMP285重量部を添加し、ビーズミルで攪拌混合し、別の混合組成物を調製した。
【0098】3)イミダゾール硬化剤(四国化成社製、2E4MZ−CN)20重量部、光重合開始剤(ベンゾフェノン)20重量部、光増感剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、EAB)4重量部およびNMP16重量部をさらに別の容器にとり、攪拌混合することにより混合組成物を調製した。そして、1)、2)および3)で調製した混合組成物を混合することにより無電解めっき用接着剤を得た。
【0099】C.樹脂充填剤の調製1)ビスフェノールF型エポキシモノマー(油化シェル社製、分子量:310、YL983U)100重量部、表面にシランカップリング剤がコーティングされた平均粒径が1.6μmで、最大粒子の直径が15μm以下のSiO2 球状粒子(アドテック社製、CRS 1101−CE)170重量部およびレベリング剤(サンノプコ社製 ペレノールS4)1.5重量部を容器にとり、攪拌混合することにより、その粘度が23±1℃で45〜49Pa・sの樹脂充填剤を調製した。なお、硬化剤として、イミダゾール硬化剤(四国化成社製、2E4MZ−CN)6.5重量部を用いた。
【0100】D.プリント配線板の製造方法(1) 厚さ0.8mmのガラスエポキシ樹脂またはBT(ビスマレイミドトリアジン)樹脂からなる基板1の両面に18μmの銅箔8がラミネートされている銅張積層板を出発材料とした(図1(a)参照)。まず、この銅張積層板をドリル削孔し、無電解めっき処理を施し、パターン状にエッチングすることにより、基板1の両面に下層導体回路4とスルーホール9を形成した。
【0101】(2) スルーホール9および下層導体回路4を形成した基板を水洗いし、乾燥した後、NaOH(10g/l)、NaClO2 (40g/l)、Na3 PO4 (16g/l)を含む水溶液を黒化浴(酸化浴)とする黒化処理、および、NaOH(19g/l)、NaBH4 (5g/l)を含む水溶液を還元浴とする還元処理を行い、そのスルーホール9を含む下層導体回路4の全表面に粗化面4a、9aを形成した(図1(b)参照)。
【0102】(3) 上記Dに記載した樹脂充填剤を調製した後、下記の方法により調製後24時間以内に、スルーホール9内、および、基板1の片面の導体回路非形成部と導体回路4の外縁部とに樹脂充填剤10の層を形成した。すなわち、まず、スキージを用いてスルーホール内に樹脂充填剤を押し込んだ後、100℃、20分の条件で乾燥させた。次に、導体回路非形成部に相当する部分が開口したマスクを基板上に載置し、スキージを用いて凹部となっている導体回路非形成部に樹脂充填剤10の層を形成し、100℃、20分の条件で乾燥させた(図1(c)参照)。
【0103】(4) 上記(3) の処理を終えた基板の片面を、#600のベルト研磨紙(三共理化学製)を用いたベルトサンダー研磨により、内層銅パターン4の表面やスルーホール9のランド表面に樹脂充填剤10が残らないように研磨し、次いで、上記ベルトサンダー研磨による傷を取り除くためのバフ研磨を行った。このような一連の研磨を基板の他方の面についても同様に行った。次いで、100℃で1時間、120℃で3時間、150℃で1時間、180℃で7時間の加熱処理を行って樹脂充填剤10を硬化した。
【0104】このようにして、スルーホール9や導体回路非形成部に形成された樹脂充填材10の表層部および下層導体回路4の表面を平坦化し、樹脂充填材10と下層導体回路4の側面4aとが粗化面を介して強固に密着し、またスルーホール9の内壁面9aと樹脂充填材10とが粗化面を介して強固に密着した絶縁性基板を得た(図1(d)参照)。この工程により、樹脂充填剤10の表面と下層導体回路4の表面が同一平面となる。
【0105】(5) 上記基板を水洗、酸性脱脂した後、ソフトエッチングし、次いで、エッチング液を基板の両面にスプレイで吹きつけて、下層導体回路4の表面とスルーホール9のランド表面と内壁とをエッチングすることにより、下層導体回路4の全表面に粗化面4a、9aを形成した(図2(a)参照)。エッチング液として、イミダゾール銅(II)錯体10重量部、グリコール酸7重量部、塩化カリウム5重量部からなるエッチング液(メック社製、メックエッチボンド)を使用した。
【0106】(6) 基板の両面に、上記Bの粗化面形成用樹脂組成物(粘度:1.5Pa・s)をロールコータで塗布し、水平状態で20分間放置してから、60℃で30分の乾燥を行い、粗化面形成用樹脂層2aを形成した。さらにこの粗化面形成用樹脂層2aの上に上記Aの粗化面形成用樹脂組成物(粘度:7Pa・s)をロールコータを用いて塗布し、水平状態で20分間放置してから、60℃で30分の乾燥を行い、粗化面形成用樹脂層2bを形成し、厚さ35μmの粗化面形成用樹脂層を形成した(図2(b)参照)。
【0107】(7) 上記(6) で粗化面形成用樹脂層を形成した基板1の両面に、直径85μmの黒円が印刷されたフォトマスクフィルムを密着させ、超高圧水銀灯により500mJ/cm2 強度で露光した後、DMDG溶液でスプレー現像した。この後、さらに、この基板を超高圧水銀灯により3000mJ/cm2 強度で露光し、100℃で1時間、120℃で1時間、150℃で3時間の加熱処理を施し、フォトマスクフィルムに相当する寸法精度に優れた直径85μmのバイアホール用開口6を有する厚さ35μmの層間樹脂絶縁層2を形成した(図2(c)参照)。
【0108】(8) バイアホール用開口6を形成した基板を、800g/lのクロム酸を含む70℃の溶液に19分間浸漬し、層間樹脂絶縁層2の表面に存在するエポキシ樹脂粒子を溶解除去することにより、層間樹脂絶縁層2の表面を粗面(深さ3μm)とした(図2(d)参照)。
【0109】(9) 次に、上記処理を終えた基板を、中和溶液(シプレイ社製)に浸漬してから水洗いした。さらに、粗面化処理した該基板の表面に、パラジウム触媒(アトテック製)を付与することにより、層間樹脂絶縁層2の表面およびバイアホール用開口6の内壁面に触媒核を付着させた。
【0110】(10)次に、以下の組成の無電解銅めっき水溶液中に基板を浸漬して、粗面全体に厚さ0.8μmの無電解銅めっき層12を形成した(図3(a)参照)。
〔無電解めっき水溶液〕
NiSO4 0.003 mol/l酒石酸 0.200 mol/l硫酸銅 0.030 mol/lHCHO 0.050 mol/lNaOH 0.100 mol/lα、α′−ビピリジル 40 mg/lポリエチレングリコール(PEG) 0.10 g/l〔無電解めっき条件〕
35℃の液温度で40分【0111】(11)次に、市販の感光性ドライフィルムを無電解銅めっき層12に貼り付け、マスクを載置して、100mJ/cm2 で露光し、0.8%炭酸ナトリウム水溶液で現像処理することにより、厚さ25μmのめっきレジスト3を設けた(図3(b)参照)。
【0112】(12)ついで、基板を50℃の水で洗浄して脱脂し、25℃の水で水洗後、さらに硫酸で洗浄してから、以下の条件で電解銅めっきを施し、電解銅めっき層13を形成した(図4(c)参照)。
〔電解めっき水溶液〕
硫酸 2.24 mol/l硫酸銅 0.26 mol/l添加剤 19.5 ml/l(アトテックジャパン社製、カパラシドGL)
〔電解めっき条件〕
電流密度 1 A/dm2時間 65 分温度 22±2 度【0113】(13)さらに、めっきレジスト3を5%KOHで剥離除去した後、そのめっきレジスト3下の無電解めっき層12を硫酸と過酸化水素の混合液でエッチング処理して溶解除去し、独立の導体回路5(バイアホール7を含む)とした(図3(d)参照)。
【0114】(14)上記 (5)〜(13)の工程を繰り返すことにより、さらに上層の導体回路を形成し、多層配線板を得た(図4(a)〜図5(b)参照)。
【0115】(15)次に、塩素化エポキシ樹脂を含むソルダーレジスト組成物を以下の方法により調製した。ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)に60重量%の濃度になるように溶解させた、塩素化クレゾールノボラック型エポキシ樹脂のエポキシ基50%をアクリル化した感光性付与のオリゴマー(分子量:4000)46.67重量部、メチルエチルケトンに溶解させた80重量%の塩素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂6.67重量部、イミダゾール硬化剤(四国化成社製、2E4MZ−CN)1.6重量部、感光性モノマーである2官能アクリルモノマー(日本化薬社製、R604)4.5重量部、同じく多価アクリルモノマー(共栄化学社製、DPE6A)1.5重量部、アクリル酸エステル重合物からなるレベリング剤(共栄化学社製、ポリフローNo.75)0.36重量部を容器にとり、攪拌、混合して混合組成物を調製し、この混合組成物に対して光重合開始剤としてベンゾフェノン(関東化学社製)2.0重量部、光増感剤としてミヒラーケトン(関東化学社製)0.2重量部、DMDG0.6重量部を加えることにより、粘度を25℃で1.4±0.3Pa・sに調整したソルダーレジスト組成物を調製した。なお、粘度測定は、B型粘度計(東京計器社製、DVL−B型)で60rpmの場合はローターNo.4、6rpmの場合はローターNo.3によった。
【0116】(16)次に、多層配線基板の両面に、上記ソルダーレジスト組成物を塗布し、70℃で20分間、70℃で20分間の条件で乾燥処理を行った後、ソルダーレジスト開口部のパターンが描画された厚さ5mmのフォトマスクをソルダーレジスト層に密着させて900mJ/cm2 の紫外線で露光し、純水現像処理し、直径125μmの開口を形成した。そして、さらに、3000mJ/cm2 の条件でUVキュアし、80℃で1時間、100℃で1時間、120℃で1時間、150℃で3時間の条件でそれぞれ加熱処理を行ってソルダーレジスト層を硬化させ、開口を有し、その厚さが25μmのソルダーレジスト層14を形成した。
【0117】(17)次に、ソルダーレジスト層14を形成した基板を、塩化ニッケル(30g/l)、次亜リン酸ナトリウム(10g/l)、クエン酸ナトリウム(10g/l)を含むpH=5の無電解ニッケルめっき液に20分間浸漬して、開口部に厚さ5μmのニッケルめっき層15を形成した。さらに、その基板をシアン化金カリウム(2g/l)、塩化アンモニウム(75g/l)、クエン酸ナトリウム(50g/l)、次亜リン酸ナトリウム(10g/l)を含む無電解めっき液に93℃の条件で23秒間浸漬して、ニッケルめっき層15上に、厚さ0.03μmの金めっき層16を形成した。
【0118】(18)この後、ソルダーレジスト層14の開口にはんだペーストを印刷して、200℃でリフローすることによりはんだバンプ(はんだ体)17を形成し、はんだバンプ17を有する多層配線プリント基板を製造した(図6(c)参照)。
【0119】(実施例2)
A.層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムの作製ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量469、油化シェルエポキシ社製 エピコート1001)30重量部、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量215、大日本インキ化学工業社製 エピクロンN−673)40重量部、トリアジン構造含有フェノールノボラック樹脂(フェノール性水酸基当量120、大日本インキ化学工業社製 フェノライトKA−7052)30重量部をエチレングリコールアセテート20重量部、ソルベントナフサ20重量部に攪拌しながら加熱溶解させ、そこへ末端エポキシ化ポリブタジエンゴム(ナガセ化成工業社製 デナレックスR−45EPT)15重量部と2−フェニル−4、5−ビス(ヒドロキシメチル)イミダゾール粉砕品1.5重量部、微粉砕シリカ2重量部、シリコン系消泡剤0.5重量部を添加しエポキシ樹脂組成物を調製した。得られたエポキシ樹脂組成物を厚さ38μmのPETフィルム上に乾燥後の厚さが50μmとなるようにロールコーターを用いて塗布した後、80〜120℃で10分間乾燥させることにより、層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを作製した。
【0120】B.プリント配線板の製造方法(1) 厚さ1.0mmのガラスエポキシ樹脂またはBT(ビスマレイミドトリアジン)樹脂からなる基板1の両面に18μmの銅箔8がラミネートされている銅張積層板を出発材料とした(図6(a)参照)。まず、この銅貼積層板をパターン状にエッチングすることにより、基板1の両面に下層導体回路4を形成した。
【0121】(2) 上記基板を水洗、酸性脱脂した後、ソフトエッチングし、次いで、エッチング液を基板の両面にスプレイで吹きつけ、搬送ロールで基板表面にエッチング液を搬送し、下層導体回路4の表面をエッチングすることにより、下層導体回路4の全表面に粗化面4aを形成した(図6(b)参照)。エッチング液としては、イミダゾール銅(II)錯体10重量部、グリコール酸7重量部、塩化カリウム5重量部からなるエッチング液(メック社製、メックエッチボンド)を使用した。
【0122】(3) 基板の両面に、Aで作製した基板より少し大きめの層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを基板上に載置し、圧力4kgf/cm2 、温度80℃、圧着時間10秒で仮圧着して裁断した後、さらに、以下の条件で真空ラミネーター装置を用いて貼り付けることにより層間樹脂絶縁層2を形成した(図6(c)参照)。すなわち、層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを基板上に載置し、真空度0.5Torr、圧力4kgf/cm2 、温度80℃、圧着時間60秒で本圧着し、その後、170℃で30分間熱硬化させた。
【0123】(4) 次に、層間樹脂絶縁層2上に、厚さ1.2mmの貫通孔が形成されたマスクを介して、波長10.4μmのCO2 ガスレーザにて、ビーム径4.0mm、トップハットモード、パルス幅8.0μ秒、マスクの貫通孔の径1.0mm、1ショットの条件で層間樹脂絶縁層2に、直径80μmのバイアホール用開口6を形成した。さらに、この層間樹脂絶縁層2の形成された基板をドリル削孔し、貫通孔18を形成した(図6(d)参照)。
【0124】(5) バイアホール用開口6、および、貫通孔18を形成した基板を、60g/lの過マンガン酸を含む80℃の溶液に10分間浸漬し、層間樹脂絶縁層2の表面に存在するエポキシ樹脂粒子を溶解除去することにより、層間樹脂絶縁層2の表面を粗面とした(図7(a)参照)。さらに、粗面化処理(粗化深さ6μm)した該基板の表面にパラジウム触媒(アトテック社製)を付与することにより、層間樹脂絶縁層2および貫通孔18の表面、並びに、バイアホール用開口の内壁面6に触媒核を付着させた。
【0125】(6) 次に、以下の組成の無電解銅めっき水溶液中に基板を浸漬して、粗面全体に厚さ0.6〜3.0μmの無電解銅めっき膜12aを形成した(図7(b)参照)。
〔無電解めっき水溶液〕
NiSO4 0.003 mol/l酒石酸 0.200 mol/l硫酸銅 0.030 mol/lHCHO 0.050 mol/lNaOH 0.100 mol/lα、α′−ビピリジル 40 mg/lポリエチレングリコール(PEG) 0.10 g/l〔無電解めっき条件〕
35℃の液温度で40分【0126】(7) 無電解めっき膜12aを形成した基板を水洗いし、乾燥した後、NaOH(10g/l)、NaClO2 (40g/l)、Na3 PO4 (6g/l)を含む水溶液を黒化浴(酸化浴)とする黒化処理、および、NaOH(10g/l)、NaBH4 (6g/l)を含む水溶液を還元浴とする還元処理を行い、無電解めっき膜12aの全表面に粗化面を形成した。
【0127】(8) 上記Bに記載した樹脂充填剤を調製した後、下記の方法により調製後24時間以内に、スルーホール29内に樹脂充填剤10を充填した。すなわち、スキージを用いてスルーホール29内に樹脂充填剤を押し込んだ後、100℃、20分の条件で乾燥させた。乾燥終了後、バフ研磨を施すことにより、無電解めっき膜12aの表面および樹脂充填剤の表層部10aを平坦化した。次いで、100℃で1時間、120℃で3時間、150℃で1時間、180℃で7時間の加熱処理を行って樹脂充填剤10を硬化した(図7(c)参照)。
【0128】(9) 次に、樹脂充填剤の表層部10aにパラジウム触媒(アトテック社製)を付与することにより、樹脂充填剤の表層部10aに触媒核を付着させた。さらに、上記(6) と同様の条件で無電解めっきを行い、上記(6) で形成した無電解めっき膜12aと樹脂充填剤の表層部10aとの上に、さらに厚さ0.6〜3.0μmの無電解めっき膜12bを形成した(図7(d)参照)。この工程により、スルーホール29の上に蓋めっき層を形成することができた。
【0129】(10)市販の感光性ドライフィルムを無電解銅めっき膜12bに貼り付け、マスクを載置して、100mJ/cm2 で露光し、0.8%炭酸ナトリウム水溶液で現像処理することにより、厚さ30μmのめっきレジスト3を設けた(図8(a)参照)。
【0130】(11)ついで、基板を50℃の水で洗浄して脱脂し、25℃の水で水洗後、さらに硫酸で洗浄してから、以下の条件で電解銅めっきを施し、厚さ20μmの電解銅めっき膜13を形成した(図8(b)参照)。
〔電解めっき水溶液〕
硫酸 2.24 mol/l硫酸銅 0.26 mol/l添加剤 19.5 ml/l(アトテックジャパン社製、カパラシドHL)
〔電解めっき条件〕
電流密度 1 A/dm2時間 65 分温度 22±2 ℃【0131】(12)めっきレジスト3を5%NaOHで剥離除去した後、そのめっきレジスト3下の無電解めっき膜12a、12bを硫酸と過酸化水素の混合液でエッチング処理して溶解除去し、無電解銅めっき膜12と電解銅めっき膜13からなる厚さ18μmの導体回路(バイアホール7を含む)5を形成した(図8(c)参照)。
【0132】(13)(5) と同様の処理を行い、第二銅錯体と有機酸とを含有するエッチング液によって、粗化面を形成した(図8(d)参照)。
【0133】(14)上記 (6)〜(13)の工程を繰り返すことにより、さらに上層の導体回路を形成し、多層配線板を得た(図9(a)〜図10(a)参照)。
【0134】(15)次に、上記一般式(1)で表される両末端エポキシ基タイプの臭素化エポキシ樹脂を含むソルダーレジスト組成物を以下の方法により調製した。ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)に60重量%の濃度になるように溶解させた、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂のエポキシ基50%をアクリル化した感光性付与のオリゴマー(分子量:4000)46.67重量部、メチルエチルケトンに溶解させた80重量%の臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(東都化成社製、YDB−400)6.67重量部、イミダゾール硬化剤(四国化成社製、2E4MZ−CN)1.6重量部、感光性モノマーである2官能アクリルモノマー(日本化薬社製、R604)4.5重量部、同じく多価アクリルモノマー(共栄化学社製、DPE6A)1.5重量部、アクリル酸エステル重合物からなるレベリング剤(共栄化学社製、ポリフローNo.75)0.36重量部を容器にとり、攪拌、混合して混合組成物を調製し、この混合組成物に対して光重合開始剤としてベンゾフェノン(関東化学社製)2.0重量部、光増感剤としてミヒラーケトン(関東化学社製)0.2重量部、DMDG0.6重量部を加えることにより、粘度を25℃で1.4±0.3Pa・sに調整したソルダーレジスト組成物を調製した。
【0135】(16)次に、多層配線基板の両面に、上記ソルダーレジスト組成物を塗布し、70℃で20分間、70℃で20分間の条件で乾燥処理を行った後、ソルダーレジスト開口部のパターンが描画された厚さ5mmのフォトマスクをソルダーレジスト層に密着させて900mJ/cm2 の紫外線で露光し、純水現像処理し、125μmの直径の開口を形成した。そして、さらに、3000mJ/cm2 の条件でUVキュアし、80℃で1時間、100℃で1時間、120℃で1時間、150℃で3時間の条件でそれぞれ加熱処理を行ってソルダーレジスト層を硬化させ、開口を有し、その厚さが25μmのソルダーレジストパターン層14を形成した。
【0136】(17)次に、ソルダーレジスト層14を形成した基板を、塩化ニッケル(2.3×10-1mol/l)、次亜リン酸ナトリウム(2.8×10-1mol/l)、クエン酸ナトリウム(1.6×10-1mol/l)を含むpH=4.5の無電解ニッケルめっき液に20分間浸漬して、開口部に厚さ5μmのニッケルめっき層15を形成した。さらに、その基板をシアン化金カリウム(7.6×10-3mol/l)、塩化アンモニウム(1.9×10-1mol/l)、クエン酸ナトリウム(1.2×10-1mol/l)、次亜リン酸ナトリウム(1.7×10-1mol/l)を含む無電解金めっき液に80℃の条件で7.5分間浸漬して、ニッケルめっき層15上に、厚さ0.03μmの金めっき層16を形成した。
【0137】(18)この後、基板のICチップを載置する面のソルダーレジスト層14の開口に、スズ−鉛を含有するはんだペーストを印刷し、さらに他方の面のソルダーレジスト層14の開口にスズ−アンチモンを含有するはんだペーストを印刷し、該はんだペーストにピンを載置した後、200℃でリフローすることにより、ICチップを載置する面にはんだバンプ(はんだ体)17を形成し、他方の面にはPGAを形成し、多層配線プリント基板を製造した(図10(b)参照)。
【0138】実施例3実施例1の(15)の工程において、ソルダーレジスト組成物を調製する際に、メチルエチルケトンにSb25 を分散させた分散液を添加してソルダーレジスト組成物を調製した以外は、実施例1と同様にして多層プリント配線板を製造した。
【0139】実施例4実施例2の(15)の工程において、ソルダーレジスト組成物を調製する際に、メチルエチルケトンにSb25 を分散させた分散液を添加してソルダーレジスト組成物を調製した以外は、実施例1と同様にして多層プリント配線板を製造した。
【0140】比較例1ソルダーレジスト組成物として、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)に60重量%の濃度になるように溶解させた、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬社製)のエポキシ基50%をアクリル化した感光性付与のオリゴマー(分子量:4000)46.67重量部、メチルエチルケトンに溶解させた80重量%のビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル社製、エピコート1001)6.67重量部、イミダゾール硬化剤(四国化成社製、2E4MZ−CN)1.6重量部、感光性モノマーである2官能アクリルモノマー(日本化薬社製、R604)4.5重量部、同じく多価アクリルモノマー(共栄化学社製、DPE6A)1.5重量部、アクリル酸エステル重合物からなるレベリング剤(共栄化学社製、ポリフローNo.75)0.36重量部を容器にとり、攪拌、混合して混合組成物を調製し、この混合組成物に対して光重合開始剤としてベンゾフェノン(関東化学社製)2.0重量部、光増感剤としてミヒラーケトン(関東化学社製)0.2重量部、DMDG0.6重量部を加えることにより、粘度を25℃で1.4±0.3Pa・sに調整したソルダーレジスト組成物を調製した以外は、実施例1と同様にして多層プリント配線板を製造した。
【0141】比較例2ソルダーレジスト組成物として、比較例1と同様のソルダーレジスト組成物を調製した以外は、実施例2と同様にして多層プリント配線板を製造した。
【0142】つぎに、実施例1〜4および比較例1〜2で製造した多層プリント配線板について、以下の方法により、難燃性、開口性、ソルダーレジスト層と導体回路間での剥離の発生やソルダーレジスト層でのクラックの発生の有無を評価し、結果を表1に示した。
【0143】評価方法(1)難燃性の評価UL94の規格に準拠して、多層プリント配線板をカットして垂直法により難燃性試験を行い、以下の評価基準で評価する。なお、試験片の寸法は、12.7mm×127mm×指定厚さとした。
評価基準○ 94V−0の判定基準に合格。
× 94V−0の判定基準に不合格。
【0144】(2)開口性の評価実施例1〜4および比較例1〜2で、ソルダーレジスト層に開口を形成し、硬化させた後、開口部にめっき層を形成する前に開口の形状を顕微鏡観察し、さらに、多層プリント配線板の製造終了後、該多層プリント配線板の半田バンプが形成されている部分で切断し、切断した断面を顕微鏡で観察することにより、ソルダーレジスト層に形成した開口の断面の形状を顕微鏡観察し、以下の評価基準で評価する。
【0145】評価基準○ 平面視した開口の形状が所望のものであり、開口から露出した導体回路表面に樹脂残りがない。
× 開口の形状が先細り形状となっており、開口から露出した導体回路表面に樹脂残りがあるか、または、未開口である。
【0146】(3)剥離やクラックの発生の有無の観察上記(2)と同様にして、多層プリント配線板を切断し、その断面を顕微観察することにより、ソルダーレジスト層と導体回路との間で剥離が発生しているか否かを観察し、さらに、ソルダーレジスト層でクラックが発生しているか否かを観察する。また、上記多層プリント配線板について、−65℃の雰囲気下に3分間維持した後、130℃の雰囲気下で3分間維持するサイクルを1000回繰り返すヒートサイクル試験を行い、その後、上記と同様にして、ソルダーレジスト層と導体回路との間で剥離が発生しているか否かを観察し、さらに、ソルダーレジスト層でクラックが発生しているか否かを観察する。
【0147】
【表1】

【0148】表1に示したように、実施例1〜4で製造した多層プリント配線板は、UL94の試験規格における94V−0の判定基準に合格するものである。また、該多層プリント配線板に形成されたソルダーレジスト層は、開口性に優れ、クラックが発生したり、導体回路との間に剥離が発生したりすることがない。これに対して、比較例1〜2で製造した多層プリント配線板は、燃焼時間が長いため、94V−0の判定基準に合格せず、難燃性に劣るものである。
【0149】
【発明の効果】以上説明したように本発明の多層プリント配線板は、難燃性に優れ、ソルダーレジスト層と導体回路との密着性が高く、また、多層プリント配線板製造時の露光、現像処理により従来と変わらない容易さでソルダーレジスト層に開口を形成することができる。




 

 


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