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発明の名称 プリント配線板の製造方法、フラッタニング用治具
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−203468(P2001−203468A)
公開日 平成13年7月27日(2001.7.27)
出願番号 特願2000−13469(P2000−13469)
出願日 平成12年1月21日(2000.1.21)
代理人 【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣 (外1名)
【テーマコード(参考)】
5E319
5E346
【Fターム(参考)】
5E319 BB04 BB05 CC33 GG11 
5E346 CC04 CC08 CC09 CC16 CC40 CC52 EE02 FF24 FF34 FF37 GG25 GG26 GG28 HH31
発明者 山田 和仁 / 浅井 元雄
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】導体回路を備える基板上に複数の開口部を有するソルダーレジスト層を形成し、次いで前記基板のチップ搭載面側における前記開口部内にはんだペーストを充填してリフローすることにより複数のはんだバンプを形成した後、一対の治具を用いて前記基板の厚さ方向に押圧力を加えることにより、前記はんだバンプの頂部を平坦化して均一な高さにするフラッタニング処理を行うプリント配線板の製造方法において、前記基板のチップ非搭載面側に電子部品が実装されている場合、チップ非搭載面側を押圧する治具の基板当接面と、前記電子部品及び前記チップ非搭載面のうちの少なくともいずれかとの間に弾性体を介在させた状態で、前記フラッタニング処理を行うことを特徴とするプリント配線板の製造方法。
【請求項2】前記弾性体は前記治具の基板当接面に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項3】前記治具は硬質かつ耐圧性の材料からなることを特徴とする請求項1または2に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項4】前記弾性体は、前記基板当接面に接着されたゴムシートであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項5】前記弾性体の厚さは、前記電子部品の高さよりも大きいことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項6】基板の厚さ方向に押圧力を加えることにより、はんだバンプの頂部を平坦化して均一な高さにするフラッタニング処理に用いられるチップ非搭載面側の治具であって、その基板当接面に弾性体が設けられたフラッタニング用治具。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリント配線板の製造方法、及びプリント配線板の製造時に用いられるフラッタニング用治具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、プリント配線板を構成する基板のチップ搭載側面の表層には、導体回路を保護するためにソルダーレジスト層が形成されている。ソルダーレジスト層における複数の箇所には開口部が形成されていて、そこには導体回路の一部であるパッドが配置されている。パッド上には半球状のはんだバンプが設けられる。通常、上記のはんだバンプは、パッド上にニッケルめっき層や金めっき層等を設けた後、さらにはんだペーストを印刷・充填してリフローすることにより形成される。そして、このようなバンプを用いてICチップをプリント配線板上に搭載することにより、ICチップ側とプリント配線板側とが電気的に接続されるようになっている。
【0003】しかしながら、微小なはんだバンプを多数形成しようとすると、頂部の高さ位置がばらつきやすくなる。従って、頂部が低くなったはんだバンプについてはICチップ側の端子との接触が不十分になり、結果としてICチップ側とプリント配線板側との間に高い接続信頼性を確保することが困難になる。
【0004】そこで、リフローを行ってはんだバンプを形成した後、チップ搭載面におけるバンプ形成エリアを治具を用いて基板厚さ方向に押圧する、という対策が提案されている。そして、このようなフラッタニング処理を行えば、はんだバンプの頂部が平坦化されて、頂部が全て均一な高さに揃うものと考えられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、仮に基板101の下面(チップ非搭載面)102側の中央部を全く支持・固定せずに1つの治具103でフラッタニング処理を行うと、押圧力によって基板中央部が撓んでしまうおそれがある(図13参照)。従って、はんだバンプ104の頂部を均一な高さに揃えることが困難になり、フラッタニングの精度も低下してしまう。
【0006】この問題を解消するためには、例えば図14に示されるように、基板101のチップ非搭載面102の中央部を別の治具105を用いて支持・固定し、この状態で両面側から押圧力を付与すればよいと考えられる。しかし、チップ非搭載面102においてバンプ形成エリアのちょうど反対側の位置に、コンデンサ等の小さな電子部品106が実装されていることがある。この場合、治具105には基板101ではなく電子部品106が当接する。ここで、電子部品106の構成材料はある程度の硬さを有するため、たとえ大きな押圧力が付加しても電子部品106自身が破壊する可能性はそれほど大きくない。その一方で、基板101における絶縁層等には、通常、電子部品用材料よりも相対的に脆弱な樹脂材料が用いられている。ゆえに、フラッタニング処理を行うと、治具105のもたらす押圧力が電子部品106を介して絶縁層等の特定部位に集中し、結果として絶縁層等にクラックが入りやすくなるという問題がある。
【0007】本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、基板におけるクラックの発生を回避しつつ精度の高いフラッタニング処理を行うことができるプリント配線板の製造方法、フラッタニング用治具を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、導体回路を備える基板上に複数の開口部を有するソルダーレジスト層を形成し、次いで前記基板のチップ搭載面側における前記開口部内にはんだペーストを充填してリフローすることにより複数のはんだバンプを形成した後、一対の治具を用いて前記基板の厚さ方向に押圧力を加えることにより、前記はんだバンプの頂部を平坦化して均一な高さにするフラッタニング処理を行うプリント配線板の製造方法において、前記基板のチップ非搭載面側に電子部品が実装されている場合、チップ非搭載面側を押圧する治具の基板当接面と、前記電子部品及び前記チップ非搭載面のうちの少なくともいずれかとの間に弾性体を介在させた状態で、前記フラッタニング処理を行うことを特徴とするプリント配線板の製造方法をその要旨とする。
【0009】請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記弾性体は前記治具の基板当接面に設けられているとした。請求項3に記載の発明は、請求項1または2において、前記治具は硬質かつ耐圧性の材料からなるとした。
【0010】請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項において、前記弾性体は、前記基板当接面に接着されたゴムシートであるとした。請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項において、前記弾性体の厚さは、前記電子部品の高さよりも大きいとした。
【0011】請求項6に記載の発明では、基板の厚さ方向に押圧力を加えることにより、はんだバンプの頂部を平坦化して均一な高さにするフラッタニング処理に用いられるチップ非搭載面側の治具であって、その基板当接面に弾性体が設けられたフラッタニング用治具をその要旨とする。
【0012】以下、本発明の「作用」について説明する。請求項1,6に記載の発明によると、基板両面側から押圧力が加わることになるため、基板が撓みにくくなり、精度の高いフラッタニング処理を行うことができる。また、フラッタニング処理の際に弾性体が弾性変形することにより、基板に働く押圧力が分散されかつ均等化される。このため、押圧力が電子部品を介して絶縁層等の特定部位に集中することが回避され、基板にクラックが発生しにくくなる。
【0013】請求項2に記載の発明によると、すでに基板当接面に弾性体が設けられている治具を用いてフラッタニング処理を行えば、電子部品等との間に弾性体を介在させる工程を省略することができ、生産性の向上につながる。
【0014】請求項3に記載の発明によると、硬質かつ耐圧性の材料からなる治具であれば、フラッタニング処理時の押圧力によって、自身が変形したり破壊したりするようなことがない。従って、より高い精度でフラッタニング処理を行うことができる。
【0015】請求項4に記載の発明によると、ゴムは好適な弾性を有するため、基板に働く押圧力を確実に分散・均等化させることができる。また、ゴムシートを弾性体として用いれば、治具を比較的安価にかつ簡単に製造することができる。
【0016】請求項5に記載の発明によると、弾性体の厚さを電子部品の高さよりも大きくしたことにより、基板に働く押圧力を確実に分散・均等化させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施形態のセミアディティブ法によるプリント配線板の製造方法を説明する。
【0018】まず、基板の表面に導体回路を備えるプリント配線板が形成される。基板としては、ガラスエポキシ基板、ポリイミド基板、ビスマレイミド−トリアジン樹脂(BT樹脂)基板等の樹脂基板、セラミック基板、金属基板等を用いることができる。この基板には無電解めっき用接着剤層が形成される。この接着剤層の表面は粗化され、さらに粗化面全体に薄付け無電解めっきが施される。続いて、樹脂絶縁層の粗化面上には、めっきレジストが形成される。めっきレジストの非形成部分には厚付け電解めっきが施される。次に、不要となっためっきレジストを除去した後、エッチング処理が行われ、電解めっき膜と無電解めっき膜とからなる導体回路が形成される。導体回路の形成には銅が用いられることがよい。
【0019】導体回路が形成された基板には、表裏の導体回路を導通するためのめっきスルーホールが形成される。めっきスルーホールは樹脂充填剤によって穴埋めされるとともに、めっきスルーホールの開口から露出する樹脂充填剤の不要部分は乾燥後に研削して除去される。
【0020】次いで、基板の表面において露出している導体回路には粗化面が設けられる。粗化面は、銅からなる導体回路の表面をエッチング処理、研磨処理、酸化処理または酸化還元処理することにより形成されることが好ましい。なお、導体回路の表面にめっき皮膜を設けることにより粗化面を形成してもよい。
【0021】本実施形態で使用される無電解めっき用接着剤としては、硬化処理された酸あるいは酸化剤に可溶性の耐熱性樹脂粒子が、酸あるいは酸化剤に難溶性の未硬化の耐熱性樹脂中に分散されてなるものが最適である。その理由は、上記接着剤を用いた場合、酸、酸化剤で処理することにより耐熱性樹脂粒子が溶解除去されて、蛸つぼ状のアンカーを備える粗化面を容易に得ることができるからである。
【0022】上記無電解めっき用接着剤において、特に硬化処理された前記耐熱性樹脂粒子としては、(1)平均粒径が10μm以下の耐熱性樹脂粉末、(2)平均粒径が2μm以下の耐熱性樹脂粉末を凝集させた凝集粒子、(3)平均粒径が2〜10μmの耐熱性樹脂粉末と平均粒径が2μm以下の対熱性樹脂粉末との混合物、(4)平均粒径が2〜10μmの耐熱性樹脂粉末の表面に平均粒径が2μm以下の耐熱性樹脂粉末または無機粉末のいずれか少なくとも1種を付着させてなる疑似粒子、(5)平均粒径が0.1〜0.8μmの耐熱性樹脂粉末と、平均粒径が0.8μmを越え、2μm未満の耐熱性樹脂粉末との混合物、(6)平均粒径が0.1〜1.0μmの耐熱性樹脂粉末、のうちの少なくともいずれかを用いることが望ましい。これらのものを用いれば、より複雑な形状のアンカーを形成することができるからである。
【0023】前記酸あるいは、酸化剤に難溶性の耐熱性樹脂としては、「熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂からなる樹脂複合体」または「感光性樹脂及び熱可塑性樹脂からなる樹脂複合体」を用いることが望ましい。前者の利点は、他のものに比べて耐熱性に優れることである。後者の利点は、フォトリソグラフィによってバイアホール形成用穴を高精度で形成することができることである。
【0024】前記熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂などを使用することができる。また、前記樹脂に感光性を付与したい場合、メタクリル酸やアクリル酸などと、熱硬化基とをアクリル化反応させる。この場合、エポキシ樹脂のアクリレートを用いることが特に望ましい。
【0025】エポキシ樹脂としては、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型などのノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変成した脂環式エポキシ樹脂などを使用することができる。
【0026】熱可塑性樹脂としては、ポリエーテルスルフォン(PES)、フェノキシ樹脂、ポリスルホォン(PSF)、ポリフェニレンスルフォン(PPS)、ポリフェニレンサルファイド(PPES)、ポリフェニルエーテル(PPE)、ポリエーテルイミド(PI)などを使用することができる。
【0027】熱硬化性樹脂(感光性樹脂)と熱可塑性樹脂との混合割合は、熱硬化性樹脂(感光性樹脂)/熱可塑性樹脂=95/5〜50/50の範囲内に設定されることがよい。この範囲内であれば、耐熱性を損なうことなく、高い靱性値を確保することができるからである。
【0028】前記耐熱性樹脂粒子の混合比は、耐熱性樹脂マトリックスの固形分に対して5重量%〜50重量%、望ましくは10重量%〜40重量%であることがよい。前記耐熱性粒子としては、アミノ樹脂(メラミン樹脂、尿素樹脂、グアナミン樹脂)、エポキシ樹脂などを用いることがよい。
【0029】なお、接着剤は、組成の異なる2層により構成されていてもよい。次に、硬化処理を行った後、無電解めっき用接着剤に由来する樹脂絶縁層には、バイアホール形成用の穴が穿孔される。
【0030】無電解めっき用接着剤の樹脂マトリックスが熱硬化性樹脂である場合、前記穴はレーザー光や酸素プラズマ等を用いて穿孔される。無電解めっき用接着剤の樹脂マトリックスが感光性樹脂である場合、前記穴は露光現像処理により穿孔される。露光現像処理においては、円パターンが描画されたガラス基板製のフォトマスクを感光性の樹脂絶縁層上に密着させた状態で、露光・現像が行われる。
【0031】次に、バイアホール形成用の穴を設けた樹脂絶縁層(無電解めっき用接着剤層)の表面が粗化される。特に本実施形態では、無電解めっき用接着剤層の表面に存在する耐熱性樹脂粒子を酸または酸化剤で溶解除去することにより、接着剤層表面を粗化処理している。
【0032】前記酸処理では、塩酸や硫酸等のような無機酸を用いることができるほか、蟻酸や酢酸等のような有機酸を用いることもできる。特には有機酸が用いられることが望ましい。その理由は、粗化処理したときにバイアホールから露出する金属導体層を腐食させにくいからである。
【0033】前記酸化処理では、クロム酸、過マンガン酸塩(過マンガン酸カリウム等)を用いることが望ましい。粗化処理によって得られる粗化面の最大粗度(Rmax)は0.1μm〜20μmであることがよい。最大粗度が大きすぎると、粗化面自体が損傷したり剥離しやすくなる。逆に、最大粗度が小さすぎると、密着性が低下してしまう。特に、本実施形態のようなセミアディティブ法では、最大粗度は0.1μm〜5μm程度に設定されることがよい。その理由は、この範囲であれば、密着性を確保しつつ無電解めっき膜を除去することができるからである。
【0034】次に、前記粗化面に触媒核を付与した後、樹脂絶縁層の全面に薄付け無電解めっき膜を形成する。この無電解めっき膜は、無電解銅めっきによって形成されることがよい。また、無電解銅めっき膜の厚さは1μm〜5μmであることがよく、特には2μm〜3μmであることがよい。無電解銅めっき浴としては、一般的な液組成のものを使用することができる。
【0035】具体的にいうとは、例えば、硫酸銅:29g/l、炭酸ナトリウム:25g/l、EDTA:140g/l、水酸化ナトリウム:40g/l、37%ホルムアルデヒド:150ml(PH=11.5)からなる液組成のものを用いることがよい。
【0036】次に、このように形成した無電解めっき膜上には、感光性樹脂フィルム(ドライフィルム)がラミネートされる。この感光性樹脂フィルム上には、さらにめっきレジストパターンが描画されたフォトマスクが密着した状態で配置される。この状態で露光・現像処理をすることにより、所定パターンのめっきレジストが形成される。
【0037】次に、無電解銅めっき膜上におけるレジスト非形成部分に電解めっき膜を形成することにより、導体回路及びバイアホールとなる導体部が設けられる。電解めっきとしては電解銅めっきが望ましい。また、無電解銅めっき膜の厚さは10μm〜20μmに設定されることがよい。
【0038】次に、不要となっためっきレジストを除去した後、めっきレジスト下に位置していた無電解めっき膜がエッチングにより除去される。その結果、無電解めっき膜及び電解めっき膜からなる2層構造の独立した導体回路と、同じく2層構造のバイアホールとが得られる。前記エッチングにおいては、硫酸と過酸化水素の混合液、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、塩化第二鉄、塩化第二銅等のエッチング液が用いられる。なお、粗化面上に付与されていたパラジウム触媒核は、クロム酸や硫酸過水等により溶解除去される。
【0039】次いで、導体回路の表層には粗化面が形成される。前記粗化面は、銅からなる導体回路をエッチング処理、研磨処理、酸化処理、酸化還元処理することにより、またはめっきにより形成されたものであることが望ましい。
【0040】次いで、前記導体回路上にはソルダーレジスト層が形成される。本実施形態におけるソルダーレジスト層の厚さは5μm〜40μmであることがよい。ソルダーレジスト層が薄すぎると、はんだの流動を阻止するダムとしての役割を果たさなくなるおそれがある。逆に、ソルダーレジストが厚すぎると、開口部の形成が困難になることに加え、はんだとの接触によってはんだ側にクラックを発生させやすくなる。
【0041】ソルダーレジスト層の形成には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂のアクリレート、ノボラック型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂のアクリレートをアミン系硬化剤やイミダゾール硬化剤などで硬化させた樹脂等を使用することができる。
【0042】特に、ソルダーレジスト層に設けられた開口部にはんだバンプを形成する場合、「ノボラック型エポキシ樹脂もしくはノボラック型エポキシ樹脂のアクリレート」からなり「イミダゾール硬化剤」を硬化剤として含むものの使用が好ましい。その理由は、このような構成のソルダーレジスト層は、鉛のマイグレーション(鉛イオンがソルダーレジスト層内を拡散する現象)が少ないという利点を持つからである。しかも、このような構成のソルダーレジスト層は、ノボラック型エポキシ樹脂のアクリレートをイミダゾール硬化剤で硬化した樹脂層であるため、耐熱性、耐アルカリ性に優れている。さらに、前記ソルダーレジスト層は、はんだが溶融する温度(200℃前後)でも劣化せず、ニッケルめっきや金めっきのような強塩基性のめっき液により分解することもない。
【0043】このようなソルダーレジスト層は、剛直骨格を持つ樹脂によって構成されているため剥離が生じやすい。しかし、導体回路の表層に形成された粗化面の存在によって、かかる剥離の発生が防止される。
【0044】ここで、上記ノボラック型エポキシ樹脂のアクリレートとしては、フェノールノボラックやクレゾールノボラックのグリシジルエーテルを、アクリル酸やメタクリル酸等と反応させたエポキシ樹脂などを用いることができる。
【0045】また、上記イミダゾール硬化剤は25℃において液状であることが望ましい。その理由は、液状であれば均一に混合することができるからである。このような液状イミダゾール硬化剤としては、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール(商品名:1B2MZ)、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール(商品名:2E4MZ−CN)、4−メチル−2−エチルイミダゾール(商品名:2E4MZ)を用いることができる。
【0046】このイミダゾール硬化剤の添加量は、上記ソルダーレジスト層組成物の総固形分に対して1重量%〜10重量%であることが望ましい。その理由は、添加量がこの範囲内にあれば均一に混合しやすいからである。
【0047】上記ソルダーレジスト層の硬化前組成物のための溶媒としては、グリコールエーテル系溶媒を使用することが望ましい。その理由は、遊離酸素を発生させにくいソルダーレジスト層となり、銅からなるパッドの表面を酸化させにくくなるからである。
【0048】このようなグリコールエーテル系溶媒としては、下記の構造式(1)のものが望ましく、さらにはジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)及びトリエチレングリコールジメチルエーテル(DMTG)から選ばれる少なくとも1種のものが特に望ましい。
【0049】
CH3O−(CH2CH2O)n−CH3(n=1〜5) ・・・(1)
その理由は、30℃〜50℃に加温することにより、これらの溶媒に、反応開始剤であるベンゾフェノンやミヒラーケトンを完全に溶解させることができるからである。なお、前記グリコールエーテル系溶媒の分量は、ソルダーレジスト組成物の全重量に対して10重量%〜40重量%であることがよい。
【0050】以上説明したようなソルダーレジスト層組成物には、その他に、各種消泡剤、レベリング剤、耐熱性や耐塩基性の改善及び可撓性付与のための熱硬化性樹脂、解像度改善のための感光性モノマーなどを添加することができる。
【0051】例えば、レベリング剤としては、アクリル酸エステルの重合体からなるものがよい。また、開始剤としてはチバガイギー社製の「イルガキュアI907(商品名)」、光増感剤としては日本化薬社製の「DETX−S(商品名)」がよい。さらに、ソルダーレジスト層組成物には色素や顔料が添加されてもよい。その理由は、着色することにより配線パターンが目立たなくなるからである。このような色素としては、フタロシアニングリーンを用いることが望ましい。
【0052】添加成分である上記熱硬化製樹脂としては、A型またはF型のビスフェノール型エポキシ樹脂を用いることができる。耐塩基性を重視する場合には前者を選択することがよく、低粘度化が要求される場合(塗布性を重視する場合)には後者を選択することがよい。
【0053】添加成分である上記感光性モノマーとしては、多価アクリル系モノマーを用いることができる。その理由は、多価アクリル系モノマーの添加により、解像度を向上させることができるからである。具体的には、日本化薬社製「DPE−6A(商品名)」や、共栄社化学社製「R−604(商品名)」のような構造の多価アクリル系モノマー等を用いることが望ましい。
【0054】また、これらのソルダーレジスト層組成物の粘度は、25℃において0.5Pa・s 〜10Pa・s、より望ましくは1Pa・s 〜10Pa・sに設定されることがよい。その理由は、このように設定するとロールコータで塗布しやすい粘度になるからである。
【0055】上記のようなソルダーレジスト層を形成した後には、露光・現像によって所定箇所に開口部が形成される。次いで、ソルダーレジスト層の開口部に位置する導体回路には、無電解めっきによりニッケルめっき層が形成される。ニッケルめっき液としては、例えば、硫酸ニッケル4.5g/l、次亜リン酸ナトリウム25g/l、クエン酸ナトリウム40g/l、ホウ酸12g/l、チオ尿素0.1g/l(PH=11)からなる組成のものが使用される。
【0056】次に、ソルダーレジスト層の開口部の内壁面は、脱脂液で処理することによって洗浄される。この後、開口部にて露出する導体部分には、パラジウムなどの触媒が付与される。さらに、前記触媒を活性化させた後、基板をめっき液に浸漬することにより、導体部分にニッケルめっき層が形成される。
【0057】ニッケルめっき層の厚さは、0.5μm〜20μmであることがよく、特には3μm〜10μmであることがよい。0.5μm未満であると、はんだバンプとニッケルめっき層との接続を図ることが困難になる。逆に、20μmを超えると、はんだバンプが開口部内に完全に収まらず、はんだバンプが剥離しやすくなるおそれがある。
【0058】次いで、ニッケルめっき層上には、電解金めっきによって厚さ0.03μm程度の金めっき層が形成される。開口部に対する金属めっき層の形成を行った後、チップ搭載面におけるソルダーレジスト層上にはマスク材が配置されるとともに、この状態で複数の開口部内にはんだペーストが印刷充填される。その後、250℃の窒素雰囲気下においてリフローすることにより、はんだバンプが開口部内に固定された状態となる。この時点でははんだバンプは半球状を呈している。
【0059】はんだバンプの形成のためのはんだペーストとしては、プリント配線板に一般的に使用されているものを用いることができ、具体的にはPb:Snが9:1〜4:6の範囲内にあるものを用いることが望ましい。
【0060】はんだペーストの融点は280℃未満であることが望ましい。融点が280℃を超えると、樹脂絶縁層やソルダーレジスト層に使用される樹脂が溶解して、樹脂絶縁層や導体回路の剥離、導体回路の断線などを生じるおそれがある。また、加熱に要する時間がかかるため、作業性が悪くなる。
【0061】はんだペーストの粘度は50Pa・s 〜500Pa・sに設定されることが好ましい。粘度が低すぎると、はんだバンプを所望の形状に保持することができなくなるからである。逆に、粘度が高すぎると、はんだペーストを開口部内へ効率よく充填できなくなるからである。
【0062】また、基板のチップ非搭載面においてバンプ形成エリアのちょうど反対側の位置には、上述しためっき等の手法により電子部品接続用のパッドがいくつか形成されている。そして、これらのパッドには、チップコンデンサ、チップ抵抗、チップトランジスタ、チップダイオード等のような小さな電子部品がはんだ層を介して接合されるようになっている。また、電子部品接続用のパッドが形成されているエリアのさらに外周側には、上述しためっき等の手法により端子ピン接続用のパッドが多数形成されている。そして、これらのパッドには、端子ピンがはんだ層を介して接合されるようになっている。
【0063】続いて、下記のような一対の治具(下治具11及び上治具12)を用いてフラッタニング処理を行う。図1に示されるように、プリント配線板10の下面(チップ非搭載面)10a側を押圧するための治具である下治具11は、ステンレス等のように硬質かつ耐圧性の金属材料からなることが好ましい。金属材料の利点は、比較的安価であって、かつ加工性に優れることである。もっとも、硬質かつ耐圧性のものであれば、例えば窒化珪素等のようなセラミックス材料を用いることもできる。
【0064】下治具11は弾性体としてのゴムシート17を備えている。本実施形態においては、前記ゴムシート17は、下治具11の上面(即ち基板当接面)11aの全域にわたって、均一厚かつ層状に設けられている。図1(b)のゴムシート17には、押圧力の付加によって弾性変形が生じている状態が示されている。このようなゴムシート17は、例えば図示しない接着剤を介して基板当接面11aに接着される。
【0065】ここで、弾性体であるゴムシート17の厚さは、電子部品14の高さよりも大きく、具体的には1mm〜5mmほど大きく設定されていることがよい。これが薄すぎると、必要な弾性変形量が得られず、十分に押圧力を分散・均等化することができないおそれがある。逆に、これが厚すぎると、十分な弾性変形量が得られることについては特に問題はない反面、下治具11の熱伝導性が悪くなるおそれがある。
【0066】下治具11のゴムシート17上には、プリント配線板10が水平に載置されるようになっている。このとき、下治具11の基板当接面11aと電子部品14の下面との間にゴムシート17が介在した状態となる。即ち、下治具11における硬質な部分(ステンレスからなる部分)は、電子部品14に直接当接することにはならない。
【0067】一方、プリント配線板10の上面(チップ搭載面)10b側を押圧するための治具である上治具12も、下治具11と同じく、ステンレス等のように硬質かつ耐圧性の金属材料からなることが好ましい。このような上治具12は、プリント配線板10の中心部上方に配置される。上治具12の外形寸法は、チップ搭載面10bにあるバンプ形成エリアと同程度またはそれよりも大きめに設定されている。上治具12の下面(即ち基板当接面12a)には、特に弾性体は設けられていない。なお、前記治具11,12の基板当接面11a,12aには、はんだペーストの付着を防止するための離型剤がコーティングされていてもよい。
【0068】前記治具11,12は、図示しない駆動装置によって垂直方向に駆動される。この場合、下治具11のみを駆動させてもよく、上治具12のみを駆動させてもよく、または両者11,12の双方を駆動させてもよい。
【0069】そして、フラッタニング処理においては、これらの治具11,12を用いて基板の厚さ方向に押圧力を加えることにより、はんだバンプ76の頂部を平坦化して均一な高さにする。
【0070】フラッタニング処理は、常温下で行われてもよいが、加熱下で行われることが望ましい。その理由は、加熱下であるとはんだが軟化するため、それほど大きくない押圧力でも、はんだバンプ76の頂部を容易に平坦化することができるからである。なお、加熱下でフラッタニング処理を行う場合、一方または両方の治具11,12は、電熱ヒータ等のような加熱手段を備えるものであることが望ましい。加熱手段は治具11,12自体に設けられてもよいほか、治具11,12の近傍に設けられてもよい。また、加熱下でフラッタニング処理を行う場合、前記ゴムシート17を構成するゴム材料は、少なくともそのときの温度に耐えうるもの(即ち耐熱ゴム)であることが望ましい。
【0071】フラッタニング処理の際の温度は、60℃〜使用するはんだの融点より10℃低い温度(液相線・固相線がある場合、液相線よりも10℃低い温度)に設定されることがよい。60℃未満であると、はんだバンプ76が十分に軟化しないので、大きな押圧力を付加する必要が生じ、はんだバンプ76の破損につながるおそれがある。一方、融点を超えると、はんだバンプ76が溶融してしまい、はんだバンプ76としての好適な形状が損なわれるおそれがある。また、溶融したはんだバンプ76間にブリッジが生じるおそれもある。なお、共晶はんだ(Sn:Pb=63:37)を選択した場合には、前記温度は100℃〜160℃に設定されることが望ましい。
【0072】フラッタニング処理の際の押圧力は10kgf/cm2〜150kgf/cm2の範囲内で設定されることがよい。上記の範囲内であれば、はんだバンプ76の頂部を最も効率よく平坦化することができるからである。押圧力が10kgf/cm2未満であると、はんだバンプ76の頂部を確実に平坦化することができないからである。逆に、押圧力が150kgf/cm2より高いと、はんだバンプ76が破損するおそれがある。なお、押圧力は30kgf/cm2〜100kgf/cm2の範囲内で設定されることがより望ましい。
【0073】治具11,12によって加圧される時間は2分以内に設定されることがよく、好ましくは1分以内に設定されることがよい。加圧時間が2分を超えると、生産性が低下することに加え、熱が伝わりすぎてはんだバンプ76の破損につながるおそれがある。
【0074】フラッタニング処理を経た時点でのはんだバンプ76の頂部の高さ(具体的にはソルダーレジスト層から露出した導体回路を基準としたときの頂部の高さt1)は、5μm〜100μmであることが望ましく、特には10μm〜50μmであることが望ましい。
【0075】なお、頂部の好適な高さt1は、ソルダーレジスト層の厚さによっても若干異なる。例えばソルダーレジスト層の厚さが20μmである場合、高さの均一性や接続の確実性を向上させるためには、頂部の高さは20μm〜70μmに設定されることが望ましい。つまり、はんだバンプ76においてソルダーレジスト層から突出している量は0μm〜50μmに設定されることが望ましい。この突出量が0μm未満であると、はんだバンプ76とICチップ側の端子とが未接続になりやすくなる。逆に、この突出量が50μmを超えると、はんだバンプ76の頂部の高さt1を均一にしにくくなる。しかも、はんだバンプ76自体を大きくしなければならず、加熱後に短絡が起きやすくなるおそれがある。
【0076】そして、以上のようなフラッタニング処理の後、さらに個片分割工程、プラズマ処理工程、配線の短絡・断線を検査するチェック工程を経て、所望のプリント配線板を得ることができる。
【0077】
【実施例及び比較例】以下、本実施形態をより具体化した実施例1のビルドアップ多層プリント配線板10及びその製造方法を、図2〜図10に基づいて説明する。
【0078】まず、本実施例の多層プリント配線板10の構成について述べる。図2に示すように、この多層プリント配線板10を構成する基板30の上面及び下面には、導体回路34が形成されている。これらの導体回路34上にはビルドアップ層80A,80Bがそれぞれ形成されている。ビルドアップ層80A,80Bは、ともに2層の樹脂絶縁層50,91からなる。内層側に位置する樹脂絶縁層50にはバイアホール60が形成されるとともに、同樹脂絶縁層50の上面には導体回路58が形成されている。外層側に位置する樹脂絶縁層91にはバイアホール93が形成されるとともに、同樹脂絶縁層91の上面には導体回路92が形成されている。
【0079】バイアホール93及び導体回路92の外層には、さらにソルダーレジスト層70,71が形成されている。ソルダーレジスト層70,71の所定箇所には、複数の開口部70a,71aがそれぞれ形成されている。上面側の開口部70aの底面に位置する導体回路92またはバイアホール93上には、はんだバンプ76が形成されている。一方、下面側の開口部71aの底面に位置する導体回路92またはバイアホール93上には、はんだ層が形成されている。
【0080】多層プリント配線板10における上面、即ちチップ搭載面10b側にあるはんだバンプ76の頂部には、平坦面77が形成されている。そして、これらのはんだバンプ76を介して、前記パッドとICチップ16の端子(図示略)が接合される。また、多層プリント配線板10における下面、即ちチップ非搭載面10a側にあるはんだ層78のうち、基板中央部に位置するものには、チップコンデンサ等のような電子部品14が接合されている。前記はんだ層78のうち、基板外周部に位置するものには、T型の端子ピン15が接合されている。なお、これらの端子ピン15は、図示しないドータボード側のソケットに対して接続されるようになっている。また、この多層プリント配線板10の上面側の全てのはんだバンプ76は、フラッタニング処理により頂部が平坦化されている。その結果、頂部の高さt1が20μmに揃えられている。従って、基板30に対してICチップ16を水平な状態に保持しつつ、ICチップ16の端子とはんだバンプ76とが確実に接合されている。
【0081】続いて、本実施例の多層プリント配線板10の製造方法を、図4〜図10に基づいて工程順に説明する。ここでは、まず、実施例の多層プリント配線板10の製造方法に用いる、A.無電解めっき用接着剤、B.層間樹脂絶縁剤、C.樹脂充填剤、D.ソルダーレジスト層の原料組成物の組成について説明する。
A.無電解めっき用接着剤調整用の原料組成物(上層用接着剤)
[樹脂組成物(1)]クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬社製、分子量2500)の25%アクリル化物を80重量%の濃度でDMDGに溶解させた樹脂液を35重量部、感光性モノマー(東亜合成社製、商品名:アロニックスM315)3.15重量部、消泡剤(サンノプコ社製、商品名:S−65)0.5重量部、NMP3.6重量部を攪拌混合して、樹脂組成物(1)を得た。
【0082】[樹脂組成物(2)]ポリエーテルスルフォン(PES)12重量部、エポキシ樹脂粒子(三洋化成社製 商品名:ポリマーポール)の平均粒径1.0μmのものを7.2重量部、平均粒径0.5μmのものを3.09重量部を混合した後、さらにNMP30重量部を添加し、ピーズミルで攪拌混合して、樹脂組成物(2)を得た。
【0083】[硬化剤組成物(3)]イミダゾール硬化剤(四国化成社製、商品名2E4MZ−CN)2重量部、光開始剤(チバガイギー社製、商品名:イルガキュア I−907)2重量部、光増感剤(日本化薬社製、商品名:DETX−S)0.2重量部、NMP1.5重量部を攪拌混合して、硬化剤組成物(3)を得た。
B.層間樹脂絶縁剤調整用の原料組成物(下層用接着剤)
[樹脂組成物(1)]クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬社製、分子量2500)の25%アクリル化物を80重量%の濃度でDMDGに溶解させた樹脂液を35重量部、感光性モノマー(東亜合成社製、商品名:アロニックスM315)4重量部、消泡剤(サンノプコ社製、商品名:S−65)0.5重量部、NMP3.6重量部を攪拌混合して、樹脂組成物(1)を得た。
【0084】[樹脂組成物(2)]ポリエーテルスルフォン(PES)12重量部と、エポキシ樹脂粒子(三洋化成社製、商品名:ポリマーポール)の平均粒径0.5μmのもの14.49重量部とを混合した後、さらにNMP30重量部を添加し、ピーズミルで攪拌混合して、樹脂組成物(2)を得た。
【0085】[硬化剤組成物(3)]イミダゾール硬化剤(四国化成社製、商品名:2E4MZ−CN)2重量部、光開始剤(チバガイギー社製、商品名:イルガキュア I−907)2重量部、光増感剤(日本化薬社製、商品名:DETX−S)0.2重量部、NMP1.5重量部を攪拌混合して、硬化剤組成物(3)を得た。
C.樹脂充填剤調整用の原料組成物[樹脂組成物(1)]ビスフェノールF型エポキシモノマー(油化シェル社製、分子量310、商品名:YL983U)100重量部、表面にシランカップリング剤がコーティングされた平均粒径1.6μmのSiO2 の球状粒子(アドマテック社製、商品名:CRS 1101−CE、ここで、最大粒子の大きさは後述する内層銅パターンの厚さ(15μm)以下とする)170重量部、レベリング剤(サンノプコ社製、商品名:ペレノールS4)1.5重量部を攪拌混合した。得られた混合物の粘度を23±1℃で45,000cps 〜49,000cpsに調整して、樹脂組成物(1)を得た。
【0086】[硬化剤組成物(2)]硬化剤組成物(2)として、イミダゾール硬化剤(四国化成社製、商品名:2E4MZ−CN)6.5重量部を用いた。
D.ソルダーレジスト層の原料組成物DMDGに溶解させた60重量%のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬社製)のエポキシ基50%をアクリル化した感光性付与のオリゴマー(分子量4000)を46.67g、メチルエチルケトンに溶解させた80重量%のビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル社製、商品名:エピコート1001)15.0g、イミダゾール硬化剤(四国化成社製、商品名:2E4MZ−CN)1.6g、感光性モノマーである多価アクリルモノマー(日本化薬社製、商品名:R604)3g、同じく多価アクリルモノマー(共栄社化学社製、商品名:DPE6A)1.5g、分散系消泡剤(サンノプコ社製、商品名:S−65)0.71gを混合した。そして、さらにこの混合物に対して光開始剤としてのベンゾフェノン(関東化学社製)を2g、光増感剤としてのミヒラーケトン(関東化学社製)を0.2g加えて、粘度を2.0Pa・s(25℃)に調整し、ソルダーレジスト組成物を得た。
【0087】なお、粘度の測定は、B型粘度計(東京計器社製、DVL−B型)を用いて行った。この場合、60rpmにおいてローターNo.4を使用し、6rpmにおいてローターNo.3を使用した。
【0088】続いて、上記組成物を用いて多層プリント配線板10を製造する。
(1)まず、出発材料として、図3(a)に示されるような銅張積層板30Aを用意した。本実施形態の銅張積層板30Aは、厚さ1mmのガラスエポキシ樹脂またはBT(ビスマレイミド−トリアジン)樹脂からなる基板30の両面に、18μmの銅箔32がラミネートされたものである。この銅張積層板30Aをドリルで削孔し、スルーホール形成用孔を形成した。この後、無電解銅めっき処理を施した後、銅箔32及び銅めっき層をパターン状にエッチングした。その結果、図3(b)に示されるように、基板30の上下両面に内層の導体回路(具体的には内層銅パターン)34を形成するとともに、それら導体回路34を導通するめっきスルーホール36を形成した。
【0089】(2)導体回路34等が形成された基板30を水洗いし、乾燥した。その後、酸化浴(黒化浴)として、NaOH(10g/l)・NaClO2(40g/l)・Na3PO4(6g/l)、還元浴として、NaOH(10g/l)・NaBH4(6g/l)を用いた酸化−還元処理を行った。その結果、図3(c)に示されるように、導体回路34及びめっきスルーホール36の表面に粗化面38を設けた。
【0090】(3)あらかじめ作製しておいた「C.樹脂充填剤調製用の原料組成物」を混合混練して樹脂充填剤40を得た。
(4)そして、調製後24時間以内の前記樹脂充填剤40を基板30に塗布することにより、導体回路34間及びめっきスルーホール36内を樹脂充填剤40で埋めるようにした。
【0091】本実施例では、スキージを用いた印刷法による塗布を行った。1回目の印刷塗布工程では、主にめっきスルーホール36内に樹脂充填剤40を充填した。この後、乾燥炉内の温度を100℃に設定し、塗布された樹脂充填剤40を20分間乾燥させた。
【0092】また、2回目の印刷塗布工程では、主に導体回路である導体回路34間の凹部に樹脂充填剤40を充填した。この後、前述の乾燥条件で樹脂充填剤40を乾燥させた(図3(d)参照)。
【0093】(5)前記(4)の充填工程を終えた基板30の一方の面を、ベルト研磨紙(三共理化学社製、#600)を用いたベルトサンダー研磨により研磨した。このとき、導体回路34の表面やめっきスルーホール36のランド36aの表面に樹脂充填剤40が残らないように留意した。次いで、ベルトサンダー研磨により発生した傷を取り除くためにバフ研磨を行った。このような一連の研磨を、基板30の他方の面についても同様に行った(図4(a)参照)。次いで、100℃で1時間、150℃で1時間、の加熱処理を行って樹脂充填剤40を硬化した。
【0094】以上のように、めっきスルーホール36等に充填された樹脂充填剤40の表層及び導体回路34上面の表層を除去することにより、基板30の両面を平滑化した。即ち、本工程を経ることにより、樹脂充填剤40の表面と導体回路34の表面とが同じ高さになる。
【0095】(6)導体回路34が形成された基板30をアルカリで脱脂した後、同基板30を塩化パラジウムと有機酸とからなる触媒溶液で処理することにより、表面にPd触媒を付与した。この触媒を活性化した後、基板30を無電解銅めっき液に浸漬した。ここで使用しためっき液は、硫酸銅3.9×10―2mol/l、硫酸ニッケル3.8×10―3mol/l、クエン酸ナトリウム7.8×10―3mol/l、次亜りん酸ナトリウム2.3×10―1mol/l、界面活性剤(日信化学工業社製、商品名:サーフィール65)1.1×10―4mol/lという組成(PH=9)からなる。
【0096】浸積してから1分経過してからは、4秒に1回の割合で縦・横方向に振動を加えるようにした。その結果、導体回路34及びめっきスルーホール36のランド36aの表面に、Cu−Ni−Pからなる針状合金の被覆層及び粗化層42を設けた(図4(b)参照)。
【0097】さらに、ホウフッ化スズ0.1mol/l及びチオ尿素1.0mol/lからなる溶液を、温度35℃かつPH=1.2の条件で処理することにより、 銅をスズに置換させた。このようなCu−Sn置換反応の結果、粗化層42の表面に厚さ0.3μmのSn層(図示せず)を設けた。
【0098】(7)あらかじめ作製しておいた「B.層間樹脂絶縁剤調製用の原料組成物」を攪拌混合し、粘度を1.5Pa・sに調整することにより、層間樹脂絶縁剤(下層用)44を得た。
【0099】次いで、同じくあらかじめ作製しておいた「A.無電解めっき用接着剤調製用の原料組成物」を攪拌混合し、粘度を7Pa・sに調整することにより、無電解めっき用接着剤溶液(上層用)46を得た。
【0100】(8)前記(6)工程を経た基板30の両面に、前記(7)で得られた所定粘度の層間樹脂絶縁剤(下層用)44を、調製後24時間以内にロールコータを用いて塗布した。前記基板30を水平状態で20分間放置してから、60℃で30分の乾燥(プリベーク)を行った。次いで、前記(7)で得られた所定粘度の感光性の接着剤溶液(上層用)46を、調製後24時間以内に前記基板30の両面にさらに塗布した。前記基板30を水平状態で20分間放置してから、60℃で30分の乾燥(プリベーク)を行い、最終的に厚さ35μmの接着剤層50αを形成した(図4(c)参照)。
【0101】(9)前記(8)工程において接着剤層50αが形成された基板30の両面に、85μmφの黒円51aが印刷されたフォトマスクフィルム51を密着させた。この状態で、超高圧水銀灯により500mJ/cm2の強度で露光した(図4(d)参照)。これをDMTG溶液を用いてスプレー現像し、さらに当該基板30を超高圧水銀灯により3000mJ/cm2の強度で露光した。次いで、100℃で1時間、120℃で1時間、150℃で3時間の加熱処理(ポストベーク)を行った。このような一連の露光・現像処理により、寸法精度に優れた85μmφのバイアホール形成用穴48を有する厚さ35μmの樹脂絶縁層(2層構造)50を形成した(図5(a)参照)。なお、バイアホール形成用穴48において、スズめっき層(図示せず)を部分的に露出させるようにした。
【0102】(10)前記穴48が形成された基板30をクロム酸に19分間浸漬し、樹脂絶縁層50の表面に存在するエポキシ樹脂粒子を溶解除去した。このような粗化処理の結果、樹脂絶縁層50の表層に多数の凹凸を有する粗化面46aを形成した(図5(b)参照)。その後、基板30を中和溶液(シプレイ社製)に浸漬してから水洗いした。
【0103】さらに、粗化処理を経た基板30の表面に、パラジウム触媒(アトテック社製)を付与することにより、樹脂絶縁層50の粗化面46a及びバイアホール形成用穴48の内壁面に触媒核を付与した。
【0104】(11)以下に示す組成の無電解銅めっき液中に基板30を浸漬することにより、粗化面46a全体に厚さ0.6μm〜1.2μmの無電解銅めっき膜52を形成した(図5(c)参照)。ここでは、めっき液の温度を65℃に設定し、浸漬時間を20分に設定した。
【0105】[無電解めっき液の組成]
EDTA 0.08 mol/l硫酸銅 0.03 mol/lHCHO 0.05 mol/lNaOH 0.05 mol/lα、α’−ビピリジル 80 mg/lPEG 0.10 g/l(12)前記(11)の薄付けめっき工程において形成した無電解銅めっき膜52上に、市販の感光性ドライフィルムを貼り付けた。この状態で、100mJ/cm2の強度で露光した後、さらに0.8%炭酸ナトリウムを用いて現像した。このような露光・現像処理の結果、基板30の表層に厚さ15μmのめっきレジスト54を形成した(図5(d)参照)。
【0106】(13)次いで、レジスト非形成部分に対し、以下の条件で電解銅めっきを施すことにより、厚さ15μmの電解銅めっき膜56を形成した(図6(a)参照)。ここでは、電流密度を1A/dm2に設定し、浸漬時間を65分に設定し、液温を22±2℃に設定した。
【0107】
[電解めっき液の組成]
硫酸 2.24 mol/l 硫酸銅 0.26 mol/l 添加剤(アトテックジャパン社製、商品名:カパラシドHL)
19.5 ml/l(14)めっきレジスト54を5%KOHで剥離除去した後、硫酸と過酸化水素との混合液でエッチングすることにより、めっきレジスト54下にあった無電解めっき膜52を溶解除去した。その結果、無電解めっき52膜及び電解銅めっき膜56からなる厚さ18μm(10〜30μm)の導体回路58及びバイアホール60を得た(図6(b)参照)。
【0108】さらに、70℃に設定された80g/lのクロム酸に基板30を3分間浸漬することにより、導体回路58間にある無電解めっき用接着剤層50の表面を1μmほどエッチングした。その結果、接着剤層50の表面のパラジウム触媒を除去した。
【0109】(15)前記(6)と同様の処理を行うことにより、導体回路58及びバイアホール60の表面にCu−Ni−Pからなる粗化面62を形成し、かつSn置換を行った(図6(c)参照)。
【0110】(16)前記(7)〜(14)の工程を繰り返すことにより、2層めの樹脂絶縁層91、バイアホール93、導体回路92を形成した。さらに、バイアホール93及び導体回路92の表層に粗化面94を形成した(図6(d)参照)。なお、この上層の導体回路92を形成する工程において、Sn置換は行わなかった。
【0111】(17)前記(16)で得られた基板30の両面に、前記「D.ソルダーレジスト層の原料組成物」を20μmの厚さで塗布した(図7(a)参照)。次いで、70℃で20分間、70℃で30分間の乾燥処理を行った後、円形状パターンが描画された厚さ5mmのフォトマスクフィルム(図示せず)を基板30上に密着させた。この状態で1000mJ/cm2の強度の紫外線で露光し、かつDMTGで現像処理した。さらに80℃で1時間、100℃で1時間、120℃で1時間、150℃で3時間の条件で加熱処理した。その結果、パッドに対応する箇所に開口部70a,71a(開口径200μm)を有する厚さ20μmのソルダーレジスト層70,71をそれぞれ形成した(図7(b)参照)。
【0112】(18)その後、塩化ニッケル2.3×10―1mol/l、次亜リン酸ナトリウム2.8×10―1mol/l、クエン酸ナトリウム1.6×10―1mol/lからなるpH=4.5の無電解ニッケルめっき液に、基板30を20分間浸漬した。その結果、開口部70a,71aに位置するパッド上に厚さ5μmのニッケルめっき層72を形成した。
【0113】さらに、その基板30を、シアン化金カリウム7.6×10―3mol/l、塩化アンモニウム1.9×10―1mol/l、クエン酸ナトリウム1.2×l0―1mol/l、次亜リン酸ナトリウム1.7×10―1mol/lからなる無電解金めっき液に浸漬した。液温は80℃に設定し、浸漬時間は7.5分間に設定した。その結果、ニッケルめっき層72上に厚さ0.03μmの金めっき層74を形成した(図8(a)参照)。
【0114】(19)次に、基板30の一方側にあるソルダーレジスト層70にマスク材(図示せず)を密着させ、この状態で開口部70a内に位置するパッド等の上に、はんだペースト(共晶はんだ、Sn:Pb=63:37)を印刷した。
【0115】さらに、基板30を反転した後、他方側の面にあるソルダーレジスト層71にマスクを密着させ、この状態で開口部71a内に位置する電子部品接続用のパッド及び端子ピン接続用のパッド上に、はんだペースト(Sn:Sb=95:5)を印刷した。そして、チップマウンタを用いて電子部品14を載置することにより、はんだペーストの粘性を利用して電子部品接続用のパッド上に電子部品14を仮固定した。この後、専用のピン立て用治具を用いて端子ピン15を立てることにより、はんだペーストの粘性を利用して端子ピン接続用のパッド上に端子ピン15の頭部を仮固定した。なお、ここでははんだペーストの粘度を200Pa・sに設定した。
【0116】そして、基板30を260℃でリフローすることにより、開口部70aに半球状のはんだバンプ76を形成した。同時に、開口部71aにおけるパッドに、はんだ層78を介して電子部品14及び端子ピン15を接合した(図8(b)参照)。
【0117】上記のような一括リフローに代え、例えば次のようにしてもよい。1)C4バンプを230℃でリフローしてからフラックス洗浄を行い、電子部品・ピンのはんだ印刷後、260℃で再度リフローする。即ち、リフローを2回行う。2)ICチップアセンブリの際に電子部品・ピンのはんだが溶融しないようにすべく、C4バンプより高融点のはんだを用いて電子部品・ピンを接続する。
【0118】(20)次に、上述した構造を有する一対のステンレス製の治具11,12を用いて、下記の条件でフラッタニング処理を行った。本実施例では、図示しない電熱ヒータを備える治具11,12を選択するとともに、その電熱ヒータへの通電によって両治具11,12を100℃に加熱して用いるようにした。本実施例では、耐熱性に優れるシリコーンゴムを材料として、厚さ3.0mmのゴムシート17を作製した。また、ゴムシート17を下治具11に貼り付けるための接着剤として、シリコーン系接着剤を用いた。
【0119】まず、下治具11の基板当接面11aを上に向けて配置するとともに、上部に位置するゴムシート17上に多層プリント配線板10を水平に載置した(図1(b)参照)。そして、上治具12を鉛直方向に沿って下動させることにより、基板30の厚さ方向に押圧力を加えることにより、はんだバンプ76の頂部を平坦化して均一な高さにした(図1,図9(b)参照)。本実施例では押圧力を50kgf/cm2に設定するとともに、加圧時間を30秒に設定した。
【0120】その結果、前記処理を経て得られたはんだバンプ76の頂部には、図10に示されるような面積約50μm2の平坦面77が形成されていた。また、各はんだバンプ76の頂部の高さt1は、いずれも20μmであって、等しい高さに揃えられていた。
【0121】以上のようなフラッタニング処理の後、さらに個片分割工程、プラズマ処理工程、配線の短絡・断線を検査するチェック工程を経て、所望のビルドアップ多層プリント配線板10を得た。
[実施例2]実施例2では、前記両治具11,12の電熱ヒータに通電することなく、常温下(約25℃)にてフラッタニング処理を行った。それ以外の点については基本的に実施例1に準じて、ビルドアップ多層プリント配線板10を作製した。
[比較例1]比較例1では、実施例1の治具11に代えて、基板当接面がフラットであって弾性体を何ら持たないステンレス製の下治具(図14参照)を用いることとし、実施例1と同じ条件にてフラッタニング処理を行った。それ以外の点については基本的に実施例1に準じて、ビルドアップ多層プリント配線板10を作製した。
[比較例2]比較例2でも、実施例1の治具11に代えて、基板当接面がフラットであって弾性体を何ら持たないステンレス製の下治具(図14参照)を用いることとした。また、フラッタニング処理における押圧力を実施例1よりも相当小さく(5kgf/cm2に)設定した。それ以外の点については基本的に実施例1に準じて、ビルドアップ多層プリント配線板10を作製した。
[比較試験の方法及び結果]実施例1,2及び比較例1,2で得られた多層プリント配線板10について、まず、はんだバンプ76の高さt1(平均値及び公差(μm))を測定した。また、ICチップ16の実装後において、はんだバンプ76とICチップ16側の端子との未接合発生率(%)を調査した。さらに、ヒートサイクルを経た後に導通試験を行って、導通状態の良否を判定した。それらの結果を表1に示す。
【0122】また、基板30のチップ非搭載面10a側を肉眼及び顕微鏡にて観察することにより、ソルダーレジスト層71等のような樹脂部分におけるクラックの発生状況を調査した。
【0123】
【表1】

実施例1,2については、はんだバンプ76の頂部に、ICチップ16の実装に十分な面積を有する平坦面77を形成することができた。しかも、フラッタニング処理を経て、はんだバンプ76の頂部の高さt1が均一に揃えられていた。ゆえに、ICチップ16の端子とはんだバンプ76との間を確実に電気的に接続することができた。しかも、ヒートサイクル後の導通状態も極めて良好であり、多層プリント配線板10に高い信頼性が確保されていることがわかった。また、チップ非搭載面10a側における樹脂部分に、何らクラックは発生していなかった。
【0124】比較例1についても、はんだバンプ76の頂部に、ICチップ16の実装に十分な面積を有する平坦面77を形成することができた。しかも、はんだバンプ76の頂部の高さt1が均一に揃えられ、ヒートサイクル後の導通状態も良好であった。しかしながら、チップ非搭載面10a側における樹脂部分、特に電子部品14の角部近傍において、そこを起点とするクラックの発生が認められた。従って、比較例1の多層プリント配線板10は、信頼性に優れるとは言い難いものであった。
【0125】比較例2については、そもそもフラッタニング処理における押圧力不足のため、樹脂部分におけるクラックは発生していなかった。ただし、押圧力不足であることから、はんだバンプ76の頂部に、ICチップ16の実装に十分な面積を有する平坦面77を形成することができなかった。しかも、はんだバンプ76の頂部の高さt1を均一に揃えることができず、実施例1,2等に比べて公差が大きかった。このため、ヒートサイクル後の導通状態も良くなかった。従って、比較例2の多層プリント配線板10も、信頼性に優れるとは言い難いものであった。
【0126】従って、本実施形態の実施例1,2によれば以下のような効果を得ることができる。
(1)実施例1,2では、基板30の上下両面側から押圧力が加わることになるため、基板30が撓みにくくなる。このため、上治具12のみを用いる場合に比べて、精度の高いフラッタニング処理を行うことができる。つまり、はんだバンプ76の頂部を平坦化して、頂部が全て均一な高さに揃えることができる。従って、この状態ではんだバンプ76による接続を行えば、その部分に高い信頼性を確保することができる。
【0127】また、フラッタニング処理の際、弾性体であるゴムシート17が弾性変形することにより、基板30に働く押圧力が分散されかつ均等化される。このため、押圧力が電子部品14を介して絶縁層等の特定部位に集中するようなことがなくなる。従って、基板30にクラックが発生しにくくなり、信頼性に優れた多層プリント配線板10を得ることができる。
【0128】(2)実施例1,2では、すでに基板当接面11aにゴムシート17が設けられている下治具11を用いてフラッタニング処理を行っている。従って、下治具11と別個に形成された弾性体を用いる場合とは異なり、電子部品14との間に弾性体をわざわざ介在させる工程を省略することができる。ゆえに、多層プリント配線板10を製造するにあたり、生産性を向上させることができる。
【0129】(3)実施例1,2では、硬質かつ耐圧性であるステンレス製の治具11,12を用いている。このため、フラッタニング処理時の押圧力によって、治具11,12自身が変形したり破壊したりするようなことがない。従って、より高い精度でフラッタニング処理を行うことができる。
【0130】(4)実施例1,2では、弾性体としてゴムシート17を選択している。ゴムは好適な弾性を有する材料であるため、基板30に働く押圧力を確実に分散・均等化させることができ、より確実にクラックの発生を回避することができる。
【0131】また、このようなゴムシート17を弾性体として用いれば、下治具11を比較的安価にかつ簡単に製造することができ、多層プリント配線板10の高コスト化を防止することができる。
【0132】(5)実施例1,2では、ゴムシート17の厚さを電子部品14の高さよりも数mmほど大きく設定している。従って、基板30に働く押圧力を確実に分散・均等化させることができる。このことも、より高精度でのフラッタニング処理の実現に貢献している。
【0133】なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
・ 弾性体であるゴムシート17は、必ずしも実施形態のように基板当接面11aの全域にわたって設けられていなくてもよく、基板当接面11aの一部に設けられていてもよい。例えば、図11(a),(b)に示される別例の下治具11では、四角枠状のゴムシート17Aが基板当接面11aの外周部に設けられている。従って、この別例によると、フラッタニング処理時においてゴムシート17Aの上面が基板30のチップ非搭載面10aに当接する。言い換えると、基板当接面11aとチップ非搭載面10aとの間に、弾性体であるゴムシート17Aが介在した状態となっている。従って、この別例によると、基板30に働く押圧力が分散されかつ均等化され、クラックの発生が防止される。
【0134】・ ゴムシート17の形成材料は、実施例にて用いた種類のゴムに限定されることはなく、例えば天然ゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、塩素化ポリエチレンゴム等のようなゴムであってもよい。また、ある程度の弾性を有する材料であるならば、ゴム以外のもの、例えば塩化ビニル(半硬化タイプ)、ポリオレフィン系樹脂、フッ素樹脂、エーテル系ポリウレタン樹脂、ポリブテン樹脂、ナイロン等の合成樹脂を、上記弾性体として用いることも可能である。
【0135】・ 弾性体は必ずしも実施形態のように層状(シート状)でなくてもよい。
・ 弾性体は、実施形態のように接着剤を用いた貼り付け法以外の方法、即ち塗布法や吹き付け法などにより設けられることが可能である。
【0136】・ ゴムシート17等のような弾性体は、下治具11に設けられていなくてもよい。例えば、図12(a),(b)に示される別例の下治具11では、ゴムシート17Bが、基板30側に設けられている。より詳細にいうと、ここではゴムシート17Bが、基板30のチップ非搭載面10a側において電子部品14の周囲に設けられている。かかるゴムシート17Bの肉厚は、電子部品14の高さより少なくとも1mm以上大きくなるように設定されている。従って、この別例においても、基板当接面11aとチップ非搭載面10aとの間に、弾性体であるゴムシート17Bが介在した状態となっている。そして、このような構成であっても、基板30に働く押圧力が分散されかつ均等化され、クラックの発生が防止される。
【0137】・ 基板30側にも下治具11側にも弾性体が設けられていない構成を採用することも可能である。即ち、基板30及び下治具11に対して独立して構成された弾性体を用い、フラッタニング処理時においてそのような弾性体を基板30−下治具11間に介在させた状態で押圧力を付加するようにしてもよい。
【0138】・ 多層プリント配線板10は、実施形態のようにセミアディティブ法により作製されてもよいほか、フルアディティブ法により作製されてもよい。また、多層プリント配線板10は、ビルドアップ層80A,80Bを片面のみに備えるものであってもよく、全く備えないものであってもよい。
【0139】・ 上治具12は必ずしも平板状でなくてよく、例えばローラ状などであっても構わない。次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
【0140】(1) 請求項1乃至6において、前記治具は耐圧鋼材製であること。従って、この技術的思想1に記載の発明によれば、フラッタニング処理時でも変形・破壊せず、より高い精度でフラッタニング処理を行うことができる。また、加工性にも優れているため、所定形状に比較的容易かつ安価に作製することができる。
【0141】(2) 請求項2乃至6、技術的思想1のいずれか1つにおいて、前記弾性体は前記基板当接面のほぼ全域にわたって均一厚かつ層状に設けられていること。
(3) 請求項4,5、技術的思想1,2のいずれか1つにおいて、前記ゴムシートは耐熱ゴム製であること。従って、この技術的思想3に記載の発明によれば、加熱条件に設定することにより高精度のフラッタニング処理を行うことができる。
【0142】(4) 請求項4,5、技術的思想1,2,3のいずれか1つにおいて、前記ゴムシートの表面には離型剤が塗布されていること。従って、この技術的思想4に記載の発明によれば、シート表面へのはんだペーストの付着が防止されるため、好適な形状のはんだバンプを得やすくなる。
【0143】(5) 導体回路を備える基板上に複数の開口部を有するソルダーレジスト層を形成し、次いで前記基板のチップ搭載面側における前記開口部内にはんだペーストを充填してリフローすることにより複数のはんだバンプを形成した後、一対の治具を用いて前記基板の厚さ方向に押圧力を加えることにより、前記はんだバンプの頂部を平坦化して均一な高さにするフラッタニング処理を行うプリント配線板の製造方法において、前記基板のチップ非搭載面側に電子部品が実装されている場合、チップ非搭載面側を押圧する治具の基板当接面に弾性体を設けておくことを特徴とするプリント配線板の製造方法。
【0144】(6) 導体回路を備える基板上に複数の開口部を有するソルダーレジスト層を形成し、次いで前記基板のチップ搭載面側における前記開口部内にはんだペーストを充填してリフローすることにより複数のはんだバンプを形成した後、一対の治具を用いて前記基板の厚さ方向に押圧力を加えることにより、前記はんだバンプの頂部を平坦化して均一な高さにするフラッタニング処理を行うことにより製造されるプリント配線板において、前記基板のチップ非搭載面側に電子部品が実装されるとともに、前記チップ非搭載面において前記電子部品の周囲に同電子部品よりも肉厚の弾性体からなる層が配設されていることを特徴とするプリント配線板。
【0145】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1に記載の発明によれば、基板におけるクラックの発生を回避しつつ精度の高いフラッタニング処理を行うことができるプリント配線板の製造方法を提供することができる。
【0146】請求項2に記載の発明によれば、生産性の向上を図ることができる。請求項3に記載の発明によれば、より高い精度でフラッタニング処理を行うことができる。
【0147】請求項4に記載の発明によれば、より確実にクラックの発生を回避することができるとともに、プリント配線板の高コスト化を防止することができる。請求項5に記載の発明によれば、より確実にクラックの発生を回避することができる。
【0148】請求項6に記載の発明によれば、基板におけるクラックの発生を回避しつつ精度の高いフラッタニング処理を行うことができるフラッタニング用治具を提供することができる。




 

 


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