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発明の名称 半導体製造装置用部品及び半導体製造装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−203192(P2001−203192A)
公開日 平成13年7月27日(2001.7.27)
出願番号 特願2000−13146(P2000−13146)
出願日 平成12年1月21日(2000.1.21)
代理人 【識別番号】100079142
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 祥泰 (外1名)
【テーマコード(参考)】
4K030
5F004
5F031
【Fターム(参考)】
4K030 AA03 AA17 BA37 CA05 CA12 CA14 FA10 GA02 JA01 JA05 
5F004 AA16 BB29
5F031 CA02 DA13 EA01 FA01 MA28 MA32 PA26
発明者 野呂 匡志 / 高木 俊 / 阪下 敬一
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 プラズマを利用した半導体製造装置に使用される半導体製造装置用部品において,該半導体製造装置用部品は,炭化珪素焼結体よりなる基材と,該基材の表面にCVD法により形成された炭化珪素よりなる皮膜とからなることを特徴とする半導体製造装置用部品。
【請求項2】 請求項1において,上記皮膜は,膜厚が80μm以上であることを特徴とする半導体製造装置用部品。
【請求項3】 請求項1又は2において,上記基材における不純物の含有量は1〜50ppmであることを特徴とする半導体製造装置用部品。
【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項において,上記皮膜における不純物の含有量は10ppm以下であることを特徴とする半導体製造装置用部品。
【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一項において,上記皮膜に不純物として含まれるホウ素,リン,鉄の量は,それぞれ1ppm以下であることを特徴とする半導体製造装置用部品。
【請求項6】 請求項1〜5のいずれか一項において,上記半導体製造装置用部品は,上記半導体製造装置においてシリコンウェハの外周に配置されるダミーリングであることを特徴とする半導体製造装置用部品。
【請求項7】 請求項1〜6のいずれか一項に記載の半導体製造装置用部品を用いたことを特徴とする半導体製造装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【技術分野】本発明は,プラズマを利用した半導体製造装置に使用される部品に関する。
【0002】
【従来技術】半導体の製造工程においては,プラズマを利用した半導体製造装置が用いられる。例えば,プラズマエッチング装置は,露光・現像工程を経たシリコンウェハをガスプラズマにさらすことにより,感光膜における感光領域のみを選択的に除去してシリコン面を露出させる処理を行う。プラズマエッチング装置は,後述する図3に示すごとく,そのチャンバ51内に配設された上下一対の電極52,53を備えてなり,上部電極52から下部電極53へ向けてガスプラズマが供給されるよう構成されている。そして,下部電極53の上面に被処理材としてのシリコンウェハ8を載置してガスプラズマの照射を行うことにより,上記のシリコン面の露出処理を行うことができる。
【0003】シリコンウェハ8の外周部の周りには,ダミーリングを配置する必要がある。このダミーリングは,ガスプラズマがシリコンウェハの外周部においても均一に照射されるようにし,シリコンウェハのプラズマによる削れ量の面内バラツキを抑え均一なエッチングを行えるようにするためのものである。
【0004】
【解決しようとする課題】ところで,従来のダミーリングをはじめとして,半導体製造装置用部品は,プラズマ処理時にプラズマの照射を受けることにより,徐々に劣化していく。具体的には,プラズマが照射された部分が例えば粉状に分離されて飛散したり,ガス化し,徐々に消耗していく。また,反応生成物や飛散した粒子は,パーティクルとしてシリコンウェハに付着し,これを不良にしてしまう場合がある。
【0005】従って,この種の装置に用いられる部品については,近年,パーティクル等が発生しやすいアルミニウムやカーボン等の材料からパーティクルが発生しにくい別の材料への転換が図られつつある。
【0006】このような新たな材料としては,高純度炭化珪素焼結体やシリコン材料等が提案されている。しかしながら,これらの材料は,アルミニウムやカーボン材料に比べると確かにパーティクルの発生は少ないが,長期にわたり使用していると,ガスプラズマの照射によって表層の結晶粒子が脱落し,それがパーティクルの発生原因となる。
【0007】以上のように,従来の半導体製造装置用部品は,長期にわたって安定して使用することができなかった。本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので,シリコンウェハを汚染することなく長期にわたって安定して使用することができる半導体製造装置用部品及びこれを用いた半導体製造装置を提供しようとするものである。
【0008】
【課題の解決手段】請求項1の発明は,プラズマを利用した半導体製造装置に使用される半導体製造装置用部品において,該半導体製造装置用部品は,炭化珪素焼結体よりなる基材と,該基材の表面にCVD法により形成された炭化珪素よりなる皮膜とからなることを特徴とする半導体製造装置用部品にある。
【0009】上記基材としての炭化珪素焼結体は,炭化珪素粉末とバインダー成分を混合し,顆粒化したものを金型中に充填して加圧することにより生成形体を作製し,その生成形体を不活性ガス雰囲気中で1000℃以上の高温下で処理し,焼結により作製した炭化珪素(以下,焼結SiCという)である。
【0010】一方,上記皮膜は,上記のごとくCVD法により形成した炭化珪素(以下,CVD−SiCという)を用いる。この皮膜は,上記基材の表面に直接CVD法により成膜して得ることができる。また,上記皮膜は,上記基材表面の全面に設けてもよいが,プラズマが照射される部分に部分的に設けても勿論よい。
【0011】次に,本発明の作用につき説明する。本発明の半導体製造装置用部品は,上記基材とその表面に設けた皮膜とよりなる。そのため,上記半導体製造装置用部品の耐久性は,上記皮膜の耐久性により左右される。ここで,本発明では,上記皮膜として,CVD法により形成した炭化珪素(以下,CVD−SiCという)を用いている。このCVD−SiCは,従来用いられていた高純度炭化珪素焼結体よりなる皮膜と比べると,高純度化,緻密性の点で優れたSiCとすることができる。そのため,このCVD−SiCよりなる皮膜は,プラズマが照射された際の結晶粒子の脱落を従来よりも抑制することができ,パーティクルの発生を従来よりも低減することができる。また,このように皮膜の消耗による劣化が従来よりも抑制されるので,この優れた皮膜を備えた半導体製造装置用部品全体の耐久性を向上させることができる。
【0012】さらに,本発明では,上記基材を上記の焼結SiCにより構成してある。そのため,万一上記皮膜が消耗して基材が露出した場合においても,例えば基材をカーボン材料により構成した場合よりも消耗の抑制およびパーティクル発生の抑制を図ることができる。
【0013】次に,請求項2の発明のように,上記皮膜は,膜厚が80μm以上であることが好ましい。これにより,上記皮膜の消耗劣化による基材が露出するまでの期間を十分に確保することができ,半導体製造装置用部品の交換頻度を低減させることができる。
【0014】また,請求項3の発明のように,上記基材における不純物の含有量は1〜50ppmであることが好ましい。上記基材における不純物の含有量が50ppmを超える場合には,上記CVD−SiCよりなる皮膜を基材の表面に形成する際に,皮膜の純度を上記不純物により低下させ,ガスプラズマの照射によって不純物が飛散し,シリコンウェハを汚染したり,不純物濃度が増大し,耐久性を悪化させるおそれがある。一方,最も好ましくは不純物は全く無い方がよいが,現状の基材製造技術においては,不純物の含有量を1ppm未満とすることが困難である。
【0015】また,請求項4の発明のように,上記皮膜における不純物の含有量は10ppm以下であることが好ましい。上記皮膜における不純物の含有量が10ppmを超える場合には,ガスプラズマの照射によって不純物が飛散し,シリコンウェハを汚染し,所望の耐久性が得られないおそれがある。
【0016】また,請求項5の発明のように,上記皮膜に不純物として含まれるホウ素,リン,鉄の量は,それぞれ1ppm以下であることが好ましい。これらの不純物の含有量が1ppmを超える場合には,全体の不純物含有量にかかわらず,ガスプラズマの照射によって不純物が飛散し,シリコンウェハを不良にしたり,所望の耐久性を得ることが困難となるという問題がある。
【0017】また,請求項6の発明のように,上記半導体製造装置用部品は,上記半導体製造装置においてシリコンウェハの外周に配置されるダミーリングとすることができる。この場合には,シリコンウェハを汚染することなく,非常に耐久性に優れたダミーリングを得ることができ,これを用いることにより,品質に優れたシリコンウェハを製造することができる。
【0018】また,請求項7の発明は,請求項1〜6のいずれか一項に記載の半導体製造装置用部品を用いたことを特徴とする半導体製造装置にある。本発明の半導体製造装置は,上記の優れた半導体製造装置用部品を用いているので,品質に優れたシリコンウェハを長期間安定して作製することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】実施形態例1本発明の実施形態例にかかる半導体製造装置用部品につき,図1〜図3を用いて説明する。本例では,図3に示すごとく,半導体の製造工程において,露光・現像工程を経たシリコンウェハ8をガスプラズマにさらすことにより,感光膜における感光領域のみを選択的に除去してシリコン面を露出させる処理を行うためのプラズマエッチング装置5に用いる半導体製造装置用部品であるダミーリング1の例を示す。
【0020】本例のダミーリング1は,図1,図2に示すごとく,炭化珪素焼結体(焼結SiC)よりなる基材11と,基材11の表面にCVD法により形成された炭化珪素(CVD−SiC)よりなる皮膜12とからなる。全体形状は,リング形状を有していると共に,その内周部上面にシリコンウェハ8を保持するための凹部19を有ている。そして,本例のダミーリング1は,上記基材11の外表面全体を上記CVD−SiCの皮膜12により被覆してある。
【0021】このダミーリング1を製造するに当たっては,まず,α型結晶の炭化珪素粉末とβ型結晶の炭化珪素粉末とを50重量%ずつ混合したものを原料粉末とした。これの100重量部に対し,ポリビニルアルコール5重量部,水300重量部を配合した後,ボールミル中にて5時間以上混合することにより均一な混合物を得た。この混合物を所定時間乾燥して水分をある程度除去した後,その乾燥混合物を適量採取し,かつ顆粒化した。そして,得られた混合物の顆粒を金型中に充填して加圧することにより,円盤状の生成形体を作製した。
【0022】この生成形体をアルゴンガス雰囲気中にて最高温度である2000℃まで加熱し,その後は,その温度で所定時間保持した。その結果,円盤状の高純度炭化珪素焼結体を得た。
【0023】そして,円盤状の高純度炭化珪素焼結体を,外径φ250mm,内径φ190mm,厚み3mmに旋盤加工し,焼結SiCよりなる基材11を作製した。この基材11の表面にCVD法によりCVD−SiCよりなる皮膜12を直接形成する。
【0024】具体的には,上記基材11を図示しないCVD装置内にセットし,温度1350℃,真空度150Torrの条件下,反応ガスとしてメチルクロロシラン,キャリアガスとして水素を供給し,熱分解させることにより皮膜12を形成した。これにより,膜厚が200μmの皮膜12が基材11の表面に均一に形成された。
【0025】なお,本例で得られたダミーリング1の各部の純度はいずれも高純度となった。具体的には,基材11は,GDMS法により測定した結果,不純物含有量が30ppm以下の高純度であった。また,皮膜2は,不純物含有量が5ppm以下であり,かつ不純物として含まれるホウ素,リン,鉄の量がいずれも1ppm以下であった。
【0026】次に,このダミーリング1を用いるプラズマエッチング装置5につき,図3を用いて簡単に説明する。本例のプラズマエッチング装置5は,同図に示すごとく,円筒状のチャンバ51内に配設された上下一対の電極52,53を備えてなり,上部電極52から下部電極53へ向けてガスプラズマが供給されるよう構成されている。また,チャンバー51の側面には,内部を真空引きするための排気口514を設けてある。
【0027】上電極52は,導電性のSiC,シリコン,アルミニウム,カーボン等の材料よりなり構成されており,上方から供給されるガスを電極間に導くための貫通穴521を多数設けてなる。また,上電極52は,チャンバー51から内方へ突出させた支持リング512に係合させて配置してある。
【0028】下電極53は,ステージ54の上方に配設されており,中央に凸部531を設け,その周囲に上記ダミーリング1を配置するための窪み部532をリング状に設けてある。そして,上記ダミーリング1は,上記凸部531を囲うように上記窪み部532にセットして使用する。また,シリコンウェハ8は,図2,図3に示すごとく,ダミーリング1の凹部19に保持される。
【0029】次に,上記プラズマエッチング装置5を用いて,実際にシリコンウェハ8を処理し,ダミーリング1の耐久性および得られたシリコンウェハ8の品質について評価した。その結果,従来と同様の条件でプラズマエッチング処理を行ったところ,ダミーリング1の消耗の進行は遅く,優れた耐久性を示し,かつ,得られるシリコンウェハ8の品質も,パーティクルや汚染等のない優れたものであった。
【0030】実施形態例2本例では,実施形態例1におけるダミーリング1(実施例E1とする)の優れた効果を定量的に評価すべく,比較のためのダミーリングを3種類(従来例C1,比較例C2,C3)を準備して,上記実施例E1と共にテストを行った。
【0031】(従来例C1)従来例C1は,実施形態例1におけるダミーリング1の基材11と同様の方法で作製した焼結SiCを機械加工して作製した従来品のダミーリングである。
【0032】(比較例C2)比較例C2は,実施形態例1におけるダミーリング1の基材11と皮膜12の純度を低下させた例である。即ち,比較例C2の基材は,実施形態例1におけるダミーリング1と同様の方法で作製した焼結SiCよりなる基材であるが,GDMS法により測定した不純物含有量が200ppmのものである。また,この基材の表面に実施形態1と同様の方法にて形成した膜厚200μmの皮膜は,不純物含有量を50ppmとした。
【0033】(比較例C3)比較例C3は,実施形態例1におけるダミーリング1の皮膜12における特定の元素の不純物量だけを増加させた例である。即ち,比較例C3の基材は,実施形態例1の基材11と同様の方法で作製した焼結SiCよりなる基材である。この基材は,GDMS法により測定した結果不純物含有量が30ppm以下の高純度であった。この基材の表面に実施形態1と同様の方法にて均一に形成した膜厚300μmの皮膜は,全体の不純物含有量が5ppm以下であり,不純物として含まれるホウ素及びリンは1ppm以下である。しかし,この皮膜に含まれる鉄は,1.5ppmである。
【0034】次に,テストは,上記プラズマエッチング装置5を用いて,減圧下,1500Wの出力,ガスとしてC48,Ar,O2,COを所定条件で導入し,所定時間毎にシリコンウェハを交換し,50時間の連続プラズマエッチング評価を実施した。そして,ダミーリングの消耗量を測定すると共にシリコンウェハの品質にて比較した。
【0035】消耗量測定結果を図4に示す。同図は,横軸にダミーリングの種類を,縦軸に消耗量(μm)をとったものである。シリコンウェハの品質についてシリコンウェハの処理枚数に対する不良発生枚数から不良率を算出したものを図5に示す。同図は,横軸にダミーリングの種類を,縦軸に不良率(%)をとったものである。
【0036】図4,図5から知られるごとく,本発明品であるCVD−SiCの皮膜12を有するダミーリング1(実施例E1)は,従来例C1と比較して消耗する速度が遅く,また,比較例C2,C3と比べてシリコンウェハの不良率も少なく,得られるシリコンウェハの品質も優れていることがわかる。
【0037】
【発明の効果】上述のごとく,本発明によれば,シリコンウェハを汚染することなく長期にわたって安定して使用することができる半導体製造装置用部品及びこれを用いた半導体製造装置を提供することができる。




 

 


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