米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 電気素子 -> イビデン株式会社

発明の名称 ホットプレート及び導体ペースト
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−203066(P2001−203066A)
公開日 平成13年7月27日(2001.7.27)
出願番号 特願2000−126786(P2000−126786)
出願日 平成12年4月27日(2000.4.27)
代理人 【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣 (外1名)
【テーマコード(参考)】
3K034
3K092
5E033
5F046
5G301
【Fターム(参考)】
3K034 AA02 AA03 AA04 AA05 AA08 AA10 AA20 AA21 AA34 BB06 BB14 BC12 BC29 CA02 CA03 CA05 CA14 CA22 HA01 HA10 JA02 
3K092 QA05 QB02 QB03 QB04 QB20 QB76 QC02 QC07 RF03 RF11 RF22
5E033 AA18 AA23 AA25 AA27
5F046 KA04 KA10
5G301 DA03 DA05 DA11 DA12 DA33 DA34 DA37 DD01 DE01
発明者 周 延伶
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】導体パターンを備えるセラミック基板を使用したホットプレートにおいて、前記導体パターンは、酸化ルテニウム、ガラスフリット及び貴金属粒子からなることを特徴とするホットプレート。
【請求項2】前記導体パターンは、酸化ルテニウム、ビスマスまたはその酸化物、ガラスフリット及び貴金属粒子からなることを特徴とする請求項1に記載のホットプレート。
【請求項3】前記セラミック基板は窒化物セラミック基板または炭化物セラミック基板であることを特徴とする請求項1または2に記載のホットプレート。
【請求項4】前記ガラスフリットは、ほう珪酸亜鉛を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のホットプレート。
【請求項5】前記貴金属粒子は、金粒子、銀粒子、白金粒子及びパラジウム粒子のうちから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のホットプレート。
【請求項6】酸化ルテニウム、ガラスフリット及び貴金属粒子からなることを特徴とする導体ペースト。
【請求項7】酸化ルテニウム、ビスマスまたはその酸化物、ガラスフリット及び貴金属粒子からなることを特徴とする導体ペースト。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セラミック基板を使用したホットプレート及び導体ペーストに関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体製造プロセスにおいて、例えば感光性樹脂塗布工程を経たシリコンウェハを加熱乾燥させる場合、通常、ホットプレートと呼ばれる加熱装置が用いられる。
【0003】ホットプレートの形成材料としては、近年、アルミナ等のセラミック製基板がよく用いられる。アルミナ基板の片側面には、導体層としての抵抗体が所定パターン状に形成され、その抵抗体の一部には端子接続用パッドが形成される。なお、このような導体層は、アルミナ基板用の銀ペーストを基板に印刷塗布した後、加熱して焼き付けることにより形成される。その後、パッドには端子ピンがはんだ付けされ、その端子ピンには配線を介して電源が接続される。そして、ホットプレートの上面側に被加熱物であるシリコンウェハを載置し、この状態で抵抗体に通電することにより、シリコンウェハが100℃以上に加熱されるようになっている。
【0004】なお、導体パターン形成のための導体ペーストとしては、銀粒子60重量%〜80重量%と、ほう珪酸鉛をベースとするガラスフリット1重量%〜10重量%と、バインダ1重量%〜10重量%と、溶剤10重量%〜30重量%とを含んだものが通常よく用いられている(特開平4−300249号公報参照)。特に、副成分であるガラスフリットは、導体パターンに好適な密着性を確保するうえで必要とされる。
【0005】ところで、上記従来の鉛系のペーストをそのまま窒化アルミニウム基板や炭化珪素基板のようなセラミック基板に適用した場合、以下のような不都合が生じる。即ち、ペースト焼き付け時の熱によって、窒化アルミニウムにペースト中の酸化物が作用し、アルミナ及び窒素ガスを多量に発生させる反応が起こってしまう。これをもたらす主な原因は、ガラスフリット中の酸化物、特に酸化鉛が多く含まれることによるものと考えられている。この場合、ペースト焼き付け時に発生した高圧の窒素ガスは、銀粒子の粒界を通り抜けて、むりやり外部に出ようとする。その結果、導体パターンにふくれが起こりやすくなり、パターンの形成精度が悪化する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一方、ホットプレートの用途によっては、現状のものよりも導体パターンの比抵抗を大きくしておきたいことがある。この場合、ペースト中の銀粒子量を相対的に少なくしてガラスフリット量を相対的に多くすれば、導体パターンに占める導電成分の比率が小さくなり、結果として比抵抗が増大する。
【0007】しかしながら、単純にこのような手法を採ったのでは、ペースト焼き付け時に窒素ガスの発生量が増加することが予想され、導体パターンのふくれにつながる可能性が高い。
【0008】本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ふくれが少なく、密着性に優れ、かつ比抵抗の大きい導体パターンを備えたホットプレート及び、その製造に好適な導体ペーストを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するために、以下の1〜7を提案する。
1.導体パターンを備えるセラミック基板を使用したホットプレートにおいて、前記導体パターンは、酸化ルテニウム、ガラスフリット及び貴金属粒子からなることを特徴とするホットプレート。
【0010】2.前記導体パターンは、酸化ルテニウム、ビスマスまたはその酸化物、ガラスフリット及び貴金属粒子からなることを特徴とする請求項1に記載のホットプレート。
【0011】3.前記セラミック基板は窒化物セラミック基板または炭化物セラミック基板であることを特徴とする請求項1または2に記載のホットプレート。
4.前記ガラスフリットは、ほう珪酸亜鉛を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のホットプレート。
【0012】5.前記貴金属粒子は、金粒子、銀粒子、白金粒子及びパラジウム粒子のうちから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のホットプレート。
【0013】6.酸化ルテニウム、ガラスフリット及び貴金属粒子からなることを特徴とする導体ペースト。
7.酸化ルテニウム、ビスマスまたはその酸化物、ガラスフリット及び貴金属粒子からなることを特徴とする導体ペースト。
【0014】以下、本発明の「作用」について説明する。請求項1,6に記載の発明によると、導体パターンには酸化ルテニウムが含まれている。このため、比抵抗の増大を目的としてガラスフリットの添加量を多め(貴金属に対して10重量%以上)に設定した場合であっても、ガラスフリットとセラミック基板との反応を抑制し、導体パターンのふくれの発生を防止できる。従って、ふくれが少なく、比抵抗の大きい導体パターンとなる。また、酸化ルテニウム自体も比抵抗を上げる機能を有していると考えられる。
【0015】また、請求項2,7に記載のようにビスマスまたはその酸化物を添加することにより、ガラスフリットとセラミック基板との反応がさらに抑制されるため、密着性に優れた導体パターンとなる。
【0016】請求項3に記載の発明によると、窒化物セラミック基板や炭化物セラミック基板を使用しているため、熱伝導率及び高温耐熱性に優れたものとなる。特に耐熱性に優れかつ熱伝導率が高い窒化アルミニウム基板を用いることにより、高温での使用にも耐えうる実用的なホットプレートを得ることができる。
【0017】請求項4に記載の発明によると、ほう珪酸亜鉛を含むガラスフリットは、ほう珪酸鉛を含む従来品とは異なり、セラミック基板における窒化物と反応して窒素ガス等を発生させる酸化物が少なく、従って、これを成分とする材料を用いて導体パターンを形成したとしても、窒素ガスを多量に発生させるには至らず、導体パターンにふくれが起こりにくくなる。
【0018】請求項5に記載の発明によると、高温に晒されても比較的酸化しにくく、しかも充分大きな抵抗値を示す金属粒子を用いているため、発熱のための抵抗体として好適な導体パターンを容易に得ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施形態のホットプレートユニット1を図1,図2に基づき詳細に説明する。
【0020】図1に示されるホットプレートユニット1は、ケーシング2及びホットプレート3を主要な構成要素として備えている。ケーシング2は有底状の金属製部材であって、断面円形状の開口部4をその上部側に備えている。なお、ケーシング2は有底状のものに限定されず、底無し状のものであってもよい。当該開口部4には環状のシールリング14を介してホットプレート3が取り付けられる。ケーシング2の底部2aの外周部には電流供給用のリード線6を挿通するためのリード線引出用孔7が形成され、各リード線6はそこからケーシング2の外部に引き出されている。
【0021】セラミック基板9からなる本実施形態のホットプレート3は、感光性樹脂が塗布されたシリコンウェハW1を50℃〜800℃にて乾燥させたり、スパッタリング用の加熱を行うためのホットプレート3である。
【0022】前記セラミック基板9としては、耐熱性に優れかつ熱伝導率が高いという性質を有する窒化物セラミック基板あるいは炭化物セラミックを選択することがよく、具体的には窒化アルミニウム基板、窒化珪素基板、窒化ホウ素基板、窒化チタン基板、炭化珪素、炭化硼素、炭化チタン等を選択することがよい。これらの中でも、特に窒化アルミニウム基板を選択することが望ましく、次いで窒化珪素基板を選択することが望ましい。その理由は、これらのものは、上記の窒化物セラミックのなかでも熱伝導率が高い部類に属するからである。
【0023】このセラミック基板9は、円盤状をした厚さ約1mm〜100mm程度の板状物であって、ケーシング2の外形寸法より若干小径となるように設計されている。
【0024】図1,図2に示されるように、セラミック基板9の下面側には、導体パターンとしての配線抵抗10が同心円状ないし渦巻き状に形成されている。配線抵抗10の端部にはパッド10aが形成されている。なお、配線抵抗10及びパッド10aは、セラミック基板9の表面に導体ペースト(貴金属ペースト)P1を印刷した後、それを加熱して焼き付けたものである。なお、本実施形態のホットプレート3では、導体パターン形成層の反対側、即ち上面側をシリコンウェハW1の加熱面としている。このような構成の利点は、ホットプレート3に温度ムラが生じにくくなり、シリコンウェハW1を均一に加熱できるようになることである。
【0025】貴金属ペーストP1に由来する本実施形態の配線抵抗10及びパッド10aは、貴金属粒子を主成分として含み、さらにガラスフリット等の副成分を含んでいる。本実施形態において使用される貴金属粒子は、好ましくは平均粒径が6μm以下かつ鱗片状の貴金属粒子であることがよい。
【0026】鱗片状の貴金属粒子は、金粒子(Au粒子)、銀粒子(Ag粒子)、白金粒子(Pt粒子)及びパラジウム粒子(Pd粒子)のうちから選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。これらの貴金属は高温に晒されても比較的酸化しにくく、通電により発熱させるにあたって充分大きな抵抗値を示すからである。
【0027】図1,図2に示されるように、前記各パッド10aには、導電性材料からなる端子ピン12の基端部がはんだ付けされている。その結果、各端子ピン12と配線抵抗10との電気的な導通が図られている。各端子ピン12の先端部には、リード線6の先端部にあるソケット6aが嵌着されている。従って、リード線6及び端子ピン12を介して配線抵抗10に電流を供給すると、配線抵抗10の温度が上昇し、ホットプレート3全体が加熱される。
【0028】次に、このホットプレート3を製造する手順の一例を簡単に説明する。セラミックの粉体に、必要に応じてイットリアなどの焼結助剤やバインダー等を添加してなる混合物を作製し、これを3本ロール等により均一に混練する。この混練物を材料として、厚さ1〜100mm程度の板状生成形体をプレス成形により作製する。
【0029】作製された生成形体に対してパンチングまたはドリリングによる穴あけを行い、図示しないピン挿通孔を形成する。次いで、穴あけ工程を経た生成形体を乾燥、仮焼成及び本焼成して完全に焼結させることにより、セラミック焼結体製の基板9を作製する。焼成工程はホットプレス装置によって行われることがよく、その温度は1500℃〜2000℃程度に設定されることがよい。この後、セラミック基板9を所定径(本実施形態では230mmφ)にかつ円形状に切り出し、これをバフ研磨装置等を用いて表面研削加工する。
【0030】上記工程を経た後、あらかじめ調製しておいた貴金属ペーストP1を、セラミック基板9の下面側にスクリーン印刷等により均一に塗布する。ここで使用される貴金属ペーストP1は、貴金属粒子のほかに、酸化ルテニウム、ガラスフリット、樹脂バインダ、溶剤を含んでいる。同貴金属ペーストP1は、さらにビスマスまたは酸化ビスマスを含んでいることがよい。
【0031】貴金属粒子は、貴金属ペーストP1中において40重量%〜60重量%含まれていることがよく、ガラスフリットは10重量%〜30重量%(但し貴金属に対して10重量%以上)含まれていることがよい。
【0032】貴金属粒子の量が多すぎると、配線抵抗10等における導電成分の占める比率の増加によって、比抵抗が小さくなってしまうからである。逆に、貴金属粒子の量が少なすぎると、比抵抗の増大という点からは好ましい反面、ガラスフリット量が相対的に多くなることで、ふくれが起こりやすくなるからである。ガラスフリットの量が多すぎる場合についても、同様に配線抵抗10等にふくれが起こりやすくなる。逆に、ガラスフリットの量が少なすぎると、ふくれが起こりにくくなる反面、密着性の向上が図れなくなる。
【0033】貴金属ペーストP1中には、上記のごとくビスマス(Bi)または酸化ビスマス(Bi23)が含まれていることが望ましい。即ち、これらの物質を添加しておくと、ガラスフリットの添加量が多くても(貴金属に対して10重量%以上であっても)、ふくれの発生が抑制されるとともに、配線抵抗10等の密着性も改善される、という試験結果を得ているからである。
【0034】なお、これらの物質は他の酸化物に比べて比較的容易に酸化・還元される性質があり、この性質がふくれ発生の抑制及び密着性の改善に何らかのかたちで寄与しているものと、現時点では推測されている。
【0035】ここで、基板材料として例えば窒化アルミニウムを選択した場合、酸化ビスマスは、ペースト焼き付け時に窒化アルミニウムと反応してアルミナ及び窒素ガスを発生させる、いわば窒化アルミニウムに対する酸化剤として作用する。また、ビスマスは空気に晒されることで簡単に酸化されて酸化ビスマスとなる。
【0036】また、基板材料として例えば窒化珪素を選択した場合、酸化ビスマスは、ペースト焼き付け時に窒化珪素と反応してシリカ及び窒素ガスを発生させる、いわば窒化珪素に対する酸化剤として作用する。同様にビスマスも間接的には窒化珪素に対する酸化剤になると把握できる。
【0037】ビスマスまたは酸化ビスマスは、貴金属ペーストP1中に1重量%〜10重量%程度含まれていることがよく、さらには5重量%〜10重量%程度含まれていることがよく、特には7重量%〜8重量%程度含まれていることがよい。ビスマスまたは酸化ビスマスの含有量が少なすぎると、添加による効果を充分に期待することができず、ふくれの防止及び密着性の顕著な改善につながらないからである。逆に、ビスマスまたは酸化ビスマスの含有量があまりに多すぎると、貴金属とビスマスまたは酸化ビスマスが混合せず、抵抗値にばらつきが発生する。
【0038】さらに、貴金属ペーストP1中には、酸化ルテニウム(RuO2)が含まれている必要がある。この場合、酸化ルテニウムは、ビスマスまたは酸化ビスマスとともにガラスフリットと窒化アルミニウムなどのセラミック基板との反応を適度に抑制することにより、反応ガスの発生を防止するものと考えられる。
【0039】貴金属ペーストP1中において酸化ルテニウムは0.5重量%〜5重量%程度、特には1重量%〜2重量%程度含まれていることがよい。酸化ルテニウムの量が少なすぎると、ビスマスまたは酸化ビスマスによって引き起こされる反応を確実に抑制することができず、ガラスフリット添加量が多いときにふくれを確実に防止できなくなるおそれがある。逆に、酸化ルテニウムの量が多すぎると、ビスマスまたは酸化ビスマスによって引き起こされる反応が過度に抑制され、ガラスフリット添加量が多いときに密着性の向上を達成できなくなるおそれがある。なお、酸化ルテニウムの含有量は、ビスマスまたは酸化ビスマスの含有量以下であることがよい。
【0040】ガラスフリットとしては、ほう珪酸亜鉛(SiO2:B23:ZnO2)を含むものの使用が好ましく、特には、ほう珪酸亜鉛を主成分として含むものの使用がより好ましい。より具体的にいうと、ほう珪酸亜鉛に対し少量の酸化物を添加したものの使用が望ましい。酸化物の具体例としては、酸化アルミニウム(Al23)、酸化イットリウム(Y23)、酸化鉛(PbO)、酸化カドミウム(CdO)、酸化クロム(Cr23)、酸化銅(CuO)等がある。ここに列挙した酸化物は、ベースであるほう珪酸亜鉛に対して、1種のみ添加されていてもよく、2種以上組み合わせて添加されていてもよい。なお、ペースト焼き付け時においてこれらの酸化物は、基板材料に対する酸化剤として作用するため、自らは還元される。
【0041】先に列挙した各種酸化物の重量比は、ベースであるほう珪酸亜鉛の重量比の1/20倍〜1/5倍程度であることがよい。この重量比が小さすぎると、ガラスフリット中において上記酸化物の存在率が高くなる結果、窒素ガスに起因するふくれを充分に防止できなくなるおそれがある。逆に、この重量比が大きすぎると、ガラスフリット中において上記酸化物の存在率が小さくなる結果、配線抵抗10等の密着性を充分に向上できなくなるおそれがある。
【0042】その他、貴金属ペーストP1中には、有機ビヒクルとしての樹脂バインダが2重量%〜15重量%ほど含まれ、溶剤が10重量%〜30重量%ほど含まれていることがよい。樹脂バインダの例としては、例えばエチルセルロース等のセルロース類などがある。溶剤は印刷性や分散性の向上を目的として添加される成分であって、その具体例としてはアセテート類、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、ブチルカルビトール等のカルビトール類などが挙げられる。ここに列挙した溶剤は、1種のみ用いられてもよく、2種以上混合して用いられてもよい。
【0043】セラミック基板9上に塗布された貴金属ペーストP1を約750℃の温度で所定時間加熱すると、貴金属ペーストP1中の溶剤が揮発し、配線抵抗10及びパッド10aが焼き付けられる。溶融したガラスフリットはセラミック基板9に近づく方向に移動する傾向があり、逆に貴金属粒子はセラミック基板9から離れる方向に移動する傾向がある。
【0044】その後、パッド10aにはんだS1を介して端子ピン12を接合して、ホットプレート3を完成させ、さらにこれをケーシング2の開口部4に取り付ければ、図1に示す所望のホットプレートユニット1が完成する。
【0045】
【実施例及び比較例】[サンプル1〜8の作製]実施例1〜5、比較例1〜3では、窒化アルミニウム粉末(平均粒径1.1μm)100重量部に、Y23(平均粒径0.4μm)4重量部、アクリル系樹脂バインダ(三井化学社製、商品名:SA−545,酸価1.0)8重量部を添加して混合した。このようにして得た混合物を均一に混練してなる混練物をプレス成形用型に入れてプレスすることにより、板状生成形体を作製した。
【0046】次いで、穴あけ加工及び乾燥を行った後、成形体を窒素雰囲気中で350℃、4時間の脱脂を行い、バインダを熱分解させた。さらに、脱脂された成形体を1600℃、3時間の条件でホットプレス焼成し、セラミック基板9としての窒化アルミニウム基板を得た。なお、ホットプレスの圧力は150kg/cm2 に設定した。
【0047】この後、基板切り出し及び表面研削加工を行った後、ペースト塗布工程を行った。同工程では、下記のごとき組成の貴金属ペーストP1を用い、かつ塗布時の厚さを25μm程度に設定し、上記の手順に準拠して8種のサンプルを作製した(表1参照)。
【0048】貴金属粒子としては、鱗片状かつ平均粒径5μmの銀粒子を1種のみ用いた。そして、貴金属ペーストP1としての銀ペースト中における銀粒子の添加量を、サンプル5では45重量%に設定し、サンプル2,4,7では50重量%に設定し、サンプル1,3,6では55重量%に設定し、サンプル8では70重量%に設定した。
【0049】ガラスフリットとしては、ほう珪酸亜鉛をベースとして含むもの(即ち亜鉛系のもの)を用いた。各サンプルにおけるガラスフリットの添加量は表1に示され、その詳細な組成は表1の下欄に示されている。各サンプルごとのビスマスの添加量及び酸化ルテニウムの添加量についても、表1に示すとおりである。
【0050】樹脂バインダとしてはエチルセルロースを選択し、溶剤としてはブチルカルビトールを選択した。サンプル6,7,8については、ビスマスが添加されている反面、酸化ルテニウムが添加されていない。この点で、サンプル6,7,8は本実施形態における好適な条件を満たさないものとなっている。しかも、サンプル8については、銀粒子量に比べてガラスフリット量が少なめに設定されている。この点に関しても、サンプル8は本実施形態における好適な条件を満たさないものとなっている。以上のことから、サンプル1〜5を実施例1〜5として位置づけ、サンプル6〜8を比較例1〜3として位置づけた。
[比較試験及びその結果]得られた8種のサンプルの各々を用いて、セラミック基板9に対するペースト印刷及び焼き付けを行い、2mm角のテスト用パターンを複数箇所に形成した。そして、肉眼及び光学顕微鏡の両方で観察を行なうことにより、テスト用パターンにおけるふくれの有無を調査した。ふくれのなかったテスト用パターンについては、さらに引っ張り強度試験を実施し、測定値の平均(kgf/2mm□)を算出した。同時にマルチメータで抵抗値を測定するとともに、測定長及びパターン断面積に基づいてパターンの比抵抗(μΩ・cm)を算出した。比抵抗については、目的値を10μΩ・cmとした。これらの試験の結果を表1に示す。
【0051】
【表1】

表1から明らかなように、各実施例1〜5では、ふくれが全く認められず、充分な引っ張り強度が確保されるばかりでなく、比抵抗が目的値よりも大きくなることが確認された。一方、比較例1,2ではふくれが認められ、パターン形成精度に劣るものとなっていた。比較例3では、ふくれが認められず、充分な引っ張り強度が確保される反面、目的値よりも大きな比抵抗を達成することができなかった。
[サンプル9の作製]実施例6では、窒化珪素粉末(平均粒径1.1μm)45重量部に、Y23(平均粒径0.4μm)20重量部、Al23(平均粒径0.5μm)15重量部、SiO2(平均粒径0.5μm)20重量部、アクリル系樹脂バインダ(三井化学社製、商品名:SA−545,酸値1.0)8重量部を混合した。
【0052】このようにして得た混合物を均一に混練してなる混練物をプレス成形用型に入れてプレスすることにより、板状生成形体を作製した。次いで、穴あけ加工及び乾燥を行った後、成形体を窒素雰囲気中で350℃、4時間の脱脂を行い、バインダを熱分解させた。さらに、脱脂された成形体を1600℃、3時間の条件でホットプレス焼成し、セラミック基板9として窒化珪素基板を得た。なお、ホットプレスの圧力は150kg/cm2に設定した。
【0053】この後、基板切り出し及び表面研削加工を行った後、ペースト塗布工程を行った。ここでは貴金属ペーストP1として、下記のごとき組成のものを用い、かつ塗布時の厚さを25μm程度に設定してサンプル9を作製した。なお、ここではビスマスに代えて酸化ビスマスを使用した。
【0054】・貴金属粒子: パラジウム粒子(昭栄化学工業製 Pd−730)が100重量部、・ガラスフリット: SiO2が2.0重量部、B23が5.0重量部、ZnOが10.0重量部、PbOが1.2重量部、・Bi23: 1.1重量部、・RuO2: 1.0重量部、・樹脂バインダ: 3.4重量部、・溶剤としてのブチルカルビトール: 17.9重量部。
【0055】そして、塗布された貴金属ペーストP1を約750℃の温度で所定時間加熱することにより、配線抵抗10及びパッド10aを焼き付け、実施例6のホットプレート3であるサンプル9を完成させた。
[比較試験及びその結果]得られた前記サンプル9について、実施例1〜5及び比較例1〜3について行なったのと同様の比較試験を行なった。その結果、配線抵抗10等にふくれは認められなかった。また、引っ張り強度は11.5kgf/2mm□であり、前記実施例1〜5よりもさらに高い値を示した。そして、パターンの比抵抗も110μΩ・cmであり、目的値よりもかなり大きくなることが確認された。
【0056】従って、本実施形態の各実施例によれば以下のような効果を得ることができる。
(1)実施例1〜6のホットプレート3の場合、導体パターン(即ち配線抵抗10及びパッド10a)の比抵抗の増大を目的として、ガラスフリットの添加量が貴金属粒子に対して10重量%以上となるように調整されている。
【0057】従って、配線抵抗10等に占める導電成分の比率が小さく、極めて比抵抗が大きくなっている。よって、発熱性能に優れたホットプレート3を得ることができる。また、このようなホットプレート3は、例えば高温加熱等(200℃以上)の用途に好適なものとなる。
【0058】(2)実施例1〜5のホットプレート3では、酸化ルテニウム、ビスマス、ガラスフリット及び銀粒子からなる配線抵抗10及びパッド10aが形成されている。また、実施例6のホットプレート3では、酸化ルテニウム、酸化ビスマス、ガラスフリット、パラジウム粒子からなる配線抵抗10及びパッド10aが形成されている。
【0059】ゆえに、比抵抗の増大を目的としてガラスフリットの添加量を多めに設定した場合であっても、ビスマスまたはその酸化物及び酸化ルテニウムの相乗作用によって、配線抵抗10等のふくれの発生が確実に防止される。従って、ふくれがなく、比抵抗の大きい(即ち10μΩ・cm以上の)配線抵抗10等となる。また、ビスマスまたはその酸化物を含んでいることから、密着性に優れた配線抵抗10等となる。このため、発熱性能に優れるばかりでなく、パターン形成精度にも優れかつ高信頼性のホットプレート3を得ることができる。
【0060】なお、実施例1〜5において貴金属ペーストP1中のビスマスをほぼ同量の酸化ビスマスに置き換えたり、実施例6において貴金属ペーストP1中の酸化ビスマスをほぼ同量のビスマスに置き換えてもよい。
【0061】(3)実施例1〜5では、とりわけ耐熱性に優れかつ熱伝導率が高い窒化アルミニウム基板をセラミック基板9として用いている。このため、高温での使用にも耐えうる実用的なホットプレート3を得ることができる。
【0062】(4)実施例1〜6では、1重量%〜10重量%という好適量のビスマスまたは酸化ビスマスを含む貴金属ペーストP1を用いている。このため、ふくれの防止、密着性の向上及び比抵抗の増大をより確実に達成することができる。
【0063】(5)実施例1〜6では、0.5重量%〜5重量%という好適量の酸化ルテニウムを含む貴金属ペーストP1を用いている。このため、ふくれの防止、密着性の向上及び比抵抗の増大をより確実に達成することができる。
【0064】なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
・ 鱗片状の貴金属粒子に代えて、球形状の貴金属粒子を用いてもよい。また、貴金属粒子を1種のみ用いることのみに限定されず、必要に応じて2種(例えば鱗片状のもの+球形状のもの)またはそれ以上のものを混合して用いてもよい。
【0065】・ ほう珪酸亜鉛をベースとするガラスフリット中に含まれる酸化物は、前記実施形態の各実施例にて示したもの(Al23)のみに限定されず、別のものに変更されても勿論よい。
【0066】・ セラミック基板9はプレス成形法を経て製造されたもののみに限定されることはなく、例えばドクターブレード装置を利用したシート成形法を経て製造されたものでもよい。シート成形法を採用した場合、例えば積層されたシート間に配線抵抗10を配設することができるので、高温用のホットプレート3を比較的容易に実現することができる。
【0067】・ 導体パターンは実施形態において例示した配線抵抗10やパッド10aのみに限定されることはなく、それ以外のものであってもよい。
・ セラミック基板9に対して貴金属ペーストP1を塗布する方法としては、スクリーン印刷法のみならず、例えば捺印法などのその他の手法もある。
【0068】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、ふくれもなく、セラミック基板との密着性にも優れ、比抵抗も10μΩ・cm以上と大きなホットプレートを得ることができる。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013