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発明の名称 多層プリント配線板の製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−196744(P2001−196744A)
公開日 平成13年7月19日(2001.7.19)
出願番号 特願2000−1964(P2000−1964)
出願日 平成12年1月7日(2000.1.7)
代理人 【識別番号】100086586
【弁理士】
【氏名又は名称】安富 康男 (外2名)
【テーマコード(参考)】
5E343
5E346
【Fターム(参考)】
5E343 AA15 AA17 AA37 BB24 BB71 CC62 DD43 DD46 DD47 DD48 EE53 ER16 ER18 FF16 GG03 
5E346 AA42 CC08 CC09 CC32 CC33 CC37 CC52 CC57 DD17 DD24 DD44 EE13 EE19 GG15 GG17 GG18 GG27 GG28 HH08 HH31
発明者 稲垣 靖 / 市川 慎一郎
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 1)薄膜導体層が形成された層間樹脂絶縁層上に感光性ドライフィルムを貼り付ける工程、2)前記感光性ドライフィルムに露光、現像処理を施すことによりめっきレジストを形成する工程、および、3)めっきレジスト非形成部に導体回路を形成する工程を含む多層プリント配線板の製造方法であって、前記1)の工程において、前記薄膜導体層上に被覆層を形成した後、感光性ドライフィルムを貼り付けることを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。
【請求項2】 前記被覆層は、酸化膜である請求項1に記載の多層プリント配線板の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多層プリント配線板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】いわゆる多層ビルドアップ配線基板と呼ばれる多層プリント配線板は、セミアディティブ法等により製造されており、コアと呼ばれる0.1〜2.0mm程度のガラスクロス等で補強された樹脂基板の上に、銅等による導体回路と層間樹脂絶縁層とを交互に積層することにより作製される。この多層プリント配線板の層間樹脂絶縁層を介した導体回路間の接続は、バイアホールにより行われている。
【0003】従来、ビルドアップ多層プリント配線板は、例えば、特開平9−130050号公報等に開示された方法により製造されている。すなわち、まず、銅箔が貼り付けられた銅張積層板に貫通孔を形成し、続いて無電解銅めっき処理を施すことによりスルーホールを形成する。続いて、基板の表面を導体パターン状にエッチング処理して導体回路を形成し、この導体回路の表面に無電解めっきやエッチング等により粗化面を形成し、その粗化面を有する導体回路上に層間樹脂絶縁層を形成した後、露光、現像処理を行うか、レーザ処理によりバイアホール用開口を形成し、その後、UV硬化、本硬化を経て層間樹脂絶縁層を形成する。
【0004】さらに、層間樹脂絶縁層に粗化形成処理を施した後、形成された粗化面に薄い無電解めっき膜を形成し、この無電解めっき膜上にめっきレジストを形成した後、電気めっきにより厚付けを行い、めっきレジスト剥離後にエッチングを行って、下層の導体回路とバイアホールにより接続された導体回路を形成する。
【0005】これを繰り返した後、最外層として導体回路を保護するためのソルダーレジスト層を形成し、ソルダーレジスト層に開口を形成し、開口部分の導体層にめっき等を施してパッドとした後、半田バンプを形成することにより、ビルドアップ多層プリント配線板を製造する。
【0006】このような多層プリント配線板の製造方法において、めっきレジストは、薄い無電解めっき膜等の薄膜導体層上に直接感光性ドライフィルムを貼り付け、該感光性ドライフィルムに露光、現像処理を施すことにより形成していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように、表面に薄膜導体層を有する層間樹脂絶縁層上に直接感光性ドライフィルムを貼り付け、露光処理を施すと、図12に示すように、光源22から照射した光が、薄膜導体層112表面で乱反射するため、めっきレジスト非形成部の一部も露光され(図12(a)参照)、続いて、現像処理を施すと、形成されるめっきレジスト103の形状が裾引き形状103aとなってしまう(図12(b)参照)。そのため、次の工程で、電気めっきを行うことにより、めっきレジスト非形成部19に電気めっき層113を形成した後(図12(c)参照)、めっきレジスト103の剥離と薄膜導体層112のエッチングを行うことより、電気めっき層113と薄膜導体層112とからなる導体回路105を形成すると、導体回路105の断面の形状が、アンダーカット形状となってしまう(図12(d)参照)。図12中で、18は感光性ドライフィルムであり、21はマスクであり、102は層間樹脂絶縁層である。
【0008】そのため、導体回路と該導体回路を被覆する層間樹脂絶縁層との間で剥離が発生しやすかった。特に、この現象は、めっきレジスト同士の間隔の狭い部分、すなわち、幅の狭いめっきレジスト非成形部において、顕著にみられた。
【0009】また、図13に示すように、露光処理時に薄膜導体層112表面で反射する光の量を減少させるために、光源22から照射する光量を減らすと(図13(a)参照)、めっきレジスト103の形状は裾引き形状にはならないものの、めっきレジスト103の形状がアンダーカット形状になる場合がある(図13(b)参照)。この場合、めっきレジスト非形成部19に形成した電気めっき層113が底部の広がった台形状となり(図13(c)参照)、この後、めっきレジスト103の剥離と薄膜導体層112のエッチングを行うことより、電気めっき層113と薄膜導体層112とからなる導体回路105を形成すると、導体回路105の断面の形状が、底部の広がった台形状となってしまう(図13(d)参照)。そのため、隣接する導体回路同士の底部の間隔が狭くなり、隣接する導体回路間で短絡が発生しやすいという問題点があった。特に、L/S=35/35のような幅の狭い導体回路間では、上記のような問題が起こり易かった。なお、上記L/Sとは、導体配線の幅と導体配線間の距離との比のことであり、これを本明細書においては、以下、単にL/Sという。
【0010】さらに、上記薄膜導体層は、その表面の一部が酸化されている等により変性している場合があり、この場合、薄膜導体層表面の物性は均一ではなく、そのため、薄膜導体層上に直接感光性ドライフィルムを貼り付けた際に、該感光性ドライフィルムに膨れ等が発生し易かった。そのため、めっきレジストを形成した際に、この膨れに起因して該めっきレジストの表面が波状となって、その底部に空隙が形成される場合があり、この後、電気めっき等を施すことにより形成する導体回路は、この空隙部分にも形成されてしまうため、底部が広がった形状となることがあった。このような形状の導体回路では、多層プリント配線板のインピーダンスの整合が図りにくく、信号遅延や信号エラーが発生することがあった。
【0011】本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、アンダーカットがなく、表面が平坦なめっきレジストを形成することができるため、隣接する導体回路間で短絡の発生するおそれがなく、信号遅延や信号エラーが発生せず、導体回路と層間樹脂絶縁層やソルダーレジスト層との密着性が充分であり、ヒートサイクル条件下や高温高湿下において、層間樹脂絶縁層やソルダーレジスト層にクラックが発生しにくく、導体回路の剥離が発生しにくい接続信頼性に優れる多層プリント配線板を製造する方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的の実現に向け鋭意研究した結果、薄膜導体層上に被覆層を形成することにより、露光時に発生する薄膜導体層の表面での光の反射を防止することができ、膨れ等のないめっきレジストを形成できることを見いだし、以下に示す内容を要旨構成とする本発明に想到した。
【0013】すなわち、本発明の多層プリント配線板の製造方法は、1)薄膜導体層が形成された層間樹脂絶縁層上に感光性ドライフィルムを貼り付ける工程、2)上記感光性ドライフィルムに露光、現像処理を施すことによりめっきレジストを形成する工程、および、3)めっきレジスト非形成部に導体回路を形成する工程を含む多層プリント配線板の製造方法であって、上記1)の工程において、上記薄膜導体層上に被覆層を形成した後、感光性ドライフィルムを貼り付けることを特徴とする。
【0014】上記多層プリント配線板の製造方法において、上記被覆膜としては、酸化膜が望ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の多層プリント配線板の製造方法は、1)薄膜導体層が形成された層間樹脂絶縁層上に感光性ドライフィルムを貼り付ける工程、2)上記感光性ドライフィルムに露光、現像処理を施すことによりめっきレジストを形成する工程、および、3)めっきレジスト非形成部に導体回路を形成する工程を含む多層プリント配線板の製造方法であって、上記1)の工程において、上記薄膜導体層上に被覆層を形成した後、感光性ドライフィルムを貼り付けることを特徴とする。
【0016】このような本発明の多層プリント配線板の製造方法によれば、薄膜導体層上に被覆層を形成した後、感光性ドライフィルムを貼り付け、露光、現像処理を施すため、めっきレジストの形状がアンダーカット形状にならない充分な光量で露光処理を施しても、薄膜導体層の表面で光が反射せず、めっきレジストの形状が裾引き形状になることがなく、所望の形状のめっきレジストを形成することができる。
【0017】そのため、めっきレジストを形成した後、めっきレジスト非形成部に導体回路を形成すると、その断面が矩形状の導体回路を形成することができ、導体回路と層間樹脂絶縁層やソルダーレジスト層との密着性を充分に確保することができ、ヒートサイクル条件下や高温高湿下において、層間樹脂絶縁層やソルダーレジスト層にクラックが発生しにくく、導体回路の剥離が発生しにくい接続信頼性に優れる多層プリント配線板を製造することができる。
【0018】また、薄膜導体層の表面の一部が酸化されていること等により、該薄膜導体層表面の物性が均一でない場合であっても、薄膜導体層表面に均一な物性を有する被覆層が形成されているため、薄膜導体層上に感光性ドライフィルムを貼り付けた際に、該感光性ドライフィルムに膨れ等が発生することがない。そのため、めっきレジストを形成した際に、該めっきレジストの表面が平坦となり、電気めっき等を施すことにより形成する導体回路の断面が矩形状となり、信号遅延や信号エラーの発生を防止することができる。
【0019】本発明の製造方法では、薄膜導体層が形成された層間樹脂絶縁層上に感光性ドライフィルムを貼り付ける工程において、上記薄膜導体層上に被覆層を形成した後、感光性ドライフィルムを貼り付ける。
【0020】上記被覆層としては、薄膜導体層表面の光沢度を低下させ、露光処理時に光の乱反射を防止することができるものであれば特に限定されず、例えば、金属、薬剤、フィルム等からなるものが挙げられる。また、薄膜導体層表面に黒化−還元処理を施すことにより形成される酸化膜等の化学処理を施すことにより形成されるものでもよい。
【0021】上記金属としては、Sn、Pdが望ましい。これらの金属は、電気めっき時に用いる前処理液や、薄膜導体層を除去する際に用いるエッチング液により、除去することができるからである。これらの金属からなる被覆層を形成する方法としては、例えば、めっき、蒸着等の方法が挙げられる。
【0022】上記薬剤としては、例えば、シリコーン樹脂塗料、艶消し用コーティング剤、トリチオール系防錆剤等が挙げられる。上記フィルムとしては、例えば、上記艶消し用コーティング剤を硬化させフィルム状に成形したもの等が挙げられる。
【0023】これらのなかでは、酸やアルカリにより溶解除去できるものが望ましく、めっきレジスト形成時に用いる現像液や硫酸により溶解除去することができるものがより望ましい。具体的には、黒化−還元処理を施すことにより形成される酸化膜が望ましい。これは、現像液や硫酸により溶解除去することができるうえ、簡単に、物性の均一な被覆層を形成できるからである。
【0024】上記被覆層は電気めっき等を行うことにより導体回路を形成する前に除去しておくことが望ましい。これは、被覆層を除去することにより、薄膜導体層と被覆層と電気めっき層との電気特性の違いに起因する接続信頼性の低下を回避することができ、特に、ヒートサイクル条件下における接続信頼性の低下を回避することができるからである。また、電気めっきにより導体回路を形成する場合には、めっきリードが必要であるため、上記被覆層を絶縁性材料で形成した場合には、電気めっきを行う前に、被覆層を除去しておく必要がある。
【0025】上記被覆層を除去する方法としては、例えば、上述した現像液や硫酸による除去以外に、例えば、塩酸、硝酸等を用いて除去する方法等が挙げられる。これらのなかでは、現像液や硫酸による除去が望ましい。これは、銅からなる薄膜導体層の上に形成されている被覆層を溶解除去する場合に、銅のスマットが発生するおそれがないからである。
【0026】上記被覆層の厚さとしては特に限定されず、露光処理時に薄膜導体層表面での光の乱反射が起こらず、現像処理時または現像処理終了後に溶解除去し易い厚さを適宜選択すれば良い。通常、0.01〜0.5μmが望ましい。
【0027】図1(a)〜(b)は、本発明の製造方法に用いた多層プリント配線板の製造工程の一部を示す断面図である。このような本発明の多層プリント配線板の製造方法では、図1に示すように、薄膜導体層112上に、被覆層23を形成し、さらにその上に感光性ドライフィルム18を貼り付けているため、露光処理を施す際に、光源22からめっきレジスト103の形状がアンダーカット形状にならない充分な光量の光を照射しても、照射した光は、薄膜導体層112表面で反射しない(図1(a)参照)。そのため、続いて、現像処理を施すことにより、アンダーカット形状でも、裾引き形状でもないめっきレジスト103を形成することができる(図1(b)参照)。従って、この後、電気めっきを施すと、薄膜導体層との密着性に優れ、断面が矩形状の電気めっき層113を形成することができ(図1(c)参照)、さらに、めっきレジスト103を剥離し、エッチング処理により薄膜導体層を除去することにより、隣接する導体回路間で短絡の発生するおそれがなく、層間樹脂絶縁層やソルダーレジスト層との密着性に優れる導体回路105を形成することができる(図1(d)参照)。
【0028】また、図1に示すように、現像処理時にめっきレジスト非形成部19に存在する被覆層を除去した場合には、より接続信頼性に優れる導体回路105を形成することができる。
【0029】次に、このような本発明の多層プリント配線板の製造方法について、工程順に簡単に説明する。
【0030】(1) まず、樹脂基板の表面に下層導体回路を有する配線基板を作製する。樹脂基板としては、無機繊維を有する樹脂基板が望ましく、具体的には、例えば、ガラス布エポキシ基板、ガラス布ポリイミド基板、ガラス布ビスマレイミド−トリアジン樹脂基板、ガラス布フッ素樹脂基板等が挙げられる。また、上記樹脂基板の両面に銅箔を貼った銅張積層板を用いてもよい。
【0031】通常、この樹脂基板にドリルで貫通孔を設け、該貫通孔の壁面および銅箔表面に無電解めっきを施してスルーホールを形成する。無電解めっきとしては銅めっきが好ましい。さらに、銅箔の厚付けのために電気めっきを行ってもよい。この電気めっきとしては銅めっきが好ましい。この後、スルーホール内壁等に粗化処理を施し、スルーホールを樹脂ペースト等で充填し、その表面を覆う導電層を無電解めっきもしくは電気めっきにて形成してもよい。
【0032】上記粗化処理の方法としては、例えば、黒化(酸化)−還元処理、有機酸と第二銅錯体の混合水溶液によるスプレー処理、Cu−Ni−P針状合金めっきによる処理等が挙げられる。上記工程を経て、基板上の全面に形成された銅のベタパターン上にフォトリソグラフィーの手法を用いてエッチングレジストを形成し、続いて、エッチングを行うことにより、下層導体回路を形成する。この後、必要に応じて、導体回路の形成により、エッチングされ、凹部となった部分に樹脂等を充填してもよい。
【0033】(2) 次に、形成された下層導体回路に、必要により粗化処理を施す。粗化処理の方法としては、上記した方法、すなわち、黒化(酸化)−還元処理、有機酸と第二銅錯体の混合水溶液によるスプレー処理、Cu−Ni−P針状合金めっきによる処理等が挙げられる。また、下層導体回路に粗化処理を施さず、下層導体回路が形成された基板を樹脂成分を溶解した溶液に浸漬することにより、下層導体回路の表面に樹脂からなる層を形成し、その上に形成する層間樹脂絶縁層との密着性を確保してもよい。
【0034】(3) 次に、上記(2) で作製した下層導体回路を有する配線基板の両面に、層間樹脂絶縁層を形成する。上記層間樹脂絶縁層の材料としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の一部を感光化した樹脂またはこれらの複合樹脂を使用することができる。層間樹脂絶縁層は、未硬化の樹脂を塗布して形成してもよく、また、未硬化の樹脂フィルムを熱圧着して形成してもよい。さらに、未硬化の樹脂フィルムの片面に銅箔などの金属層が形成された樹脂フィルムを貼付してもよい。このような樹脂フィルムを使用する場合は、バイアホール形成部分の金属層をエッチングした後、レーザ光を照射して開口を設ける。金属層が形成された樹脂フィルムとしては、樹脂付き銅箔などを使用することができる。
【0035】これらの層間樹脂絶縁層を形成する材料の具体例としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリフェニレン系樹脂(PPE、PPO等)、フッ素系樹脂等が挙げられる。上記ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、上記ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、これらの樹脂の共重合体等が挙げられ、上記フッ素系樹脂としては、例えば、エチル/テトラフルオロエチレン共重合樹脂(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)等が挙げられる。
【0036】また、上記材料以外に、例えば、無電解めっき用接着剤層も使用することができる。この無電解めっき用接着剤は、硬化処理された酸あるいは酸化剤に可溶性の耐熱性樹脂粒子が、酸あるいは酸化剤に難溶性の未硬化の耐熱性樹脂中に分散されてなるものが最適である。酸、酸化剤で処理することにより、耐熱性樹脂粒子が溶解除去されて、表面に蛸つぼ状のアンカーからなる粗化面を形成できるからである。
【0037】上記無電解めっき用接着剤において、特に硬化処理された上記耐熱性樹脂粒子としては、(a) 平均粒径が10μm以下の耐熱性樹脂粉末、(b) 平均粒径が2μm以下の耐熱性樹脂粉末を凝集させた凝集粒子、(c) 平均粒径が2〜10μmの耐熱性樹脂粉末と平均粒径が2μm以下の耐熱性樹脂粉末との混合物、(d) 平均粒径が2〜10μmの耐熱性樹脂粉末の表面に平均粒径が2μm以下の耐熱性樹脂粉末または無機粉末のいずれか少なくとも1種を付着させてなる疑似粒子、(e)平均粒径が0.1〜0.8μmの耐熱性粉末樹脂粉末と平均粒径が0.8μmを超え、2μm未満の耐熱性樹脂粉末との混合物、(f) 平均粒径が0.1〜1.0μmの耐熱性粉末樹脂粉末を用いることが望ましい。これらは、より複雑なアンカーを形成することができるからである。
【0038】上記酸あるいは酸化剤に難溶性の耐熱性樹脂としては、「熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂からなる樹脂複合体」または「感光性樹脂および熱可塑性樹脂からなる樹脂複合体」などが望ましい。前者については耐熱性が高く、後者についてはバイアホール用開口をフォトリソグラフィーにより形成できるからである。
【0039】上記熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂などを使用することができる。また、感光化した樹脂としては、メタクリル酸やアクリル酸などと熱硬化基をアクリル化反応させたものが挙げられる。特にエポキシ樹脂をアクリレート化したものが最適である。エポキシ樹脂としては、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型、などのノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変成した脂環式エポキシ樹脂などを使用することができる。
【0040】熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリスルフォン(PSF)、ポリフェニレンスルフォン(PPS)、ポリフェニレンサルファイド(PPES)、ポリフェニルエーテル(PPE)、ポリエーテルイミド(PI)、フッ素樹脂などを使用することができる。熱硬化性樹脂(感光性樹脂)と熱可塑性樹脂の混合割合は、熱硬化性樹脂(感光性樹脂)/熱可塑性樹脂=95/5〜50/50が望ましい。耐熱性を損なうことなく、高い靱性値を確保できるからである。
【0041】上記耐熱性樹脂粒子の混合重量比は、耐熱性樹脂マトリックスの固形分に対して5〜50重量%が望ましく、10〜40重量%がさらに望ましい。耐熱性樹脂粒子は、アミノ樹脂(メラミン樹脂、尿素樹脂、グアナミン樹脂)、エポキシ樹脂などが望ましい。
【0042】(4) 次に、層間樹脂絶縁層を硬化する一方で、その層間樹脂絶縁層に露光および現像処理、もしくは、レーザ処理を行うことによりバイアホール用開口を形成する。層間樹脂絶縁層の開口は、無電解めっき用接着剤の樹脂マトリックスが熱硬化樹脂、ポリオレフィン系樹脂、シクロオレフィン系樹脂等の場合は、レーザー光や酸素プラズマ等を用いて行い、感光性樹脂である場合には、露光現像処理にて行う。なお、露光現像処理は、バイアホール用開口形成のための円パターンが描画されたフォトマスク(ガラス基板がよい)を、円パターン側を感光性の層間樹脂絶縁層の上に密着させて載置した後、露光し、現像処理液に浸漬するか、現像処理液をスプレーすることにより行う。充分な凹凸形状の粗化面を有する導体回路上に形成された層間樹脂絶縁層を硬化させることにより、導体回路との密着性に優れた層間樹脂絶縁層を形成することができる。
【0043】上記レーザ光を用いて、バイアホール用開口を設ける場合、使用するレーザ光としては、例えば、炭酸ガス(CO2 )レーザ、紫外線レーザ、エキシマレーザ、YAGレーザ等が挙げられる。これらのなかでは、エキシマレーザや短パルスの炭酸ガスレーザが好ましい。
【0044】エキシマレーザは、後述するように、バイヤホール用開口を形成する部分に貫通光が形成されたマスク等を用いることにより、一度に多数のバイヤホール用開口を形成することができ、また、短パルスの炭酸ガスレーザは、開口内の樹脂残りが少なく、開口周縁の樹脂に対するダメージが小さいからである。
【0045】また、エキシマレーザのなかでも、ホログラム方式のエキシマレーザを用いることが望ましい。ホログラム方式とは、レーザ光をホログラム、集光レンズ、レーザマスク、転写レンズ等を介して目的物に照射する方式であり、この方式を用いることにより、一度の照射で層間樹脂絶縁層に多数の開口を効率的に形成することができる。
【0046】また、炭酸ガスレーザを用いる場合、そのパルス間隔は、10-3〜10-10 秒であることが望ましい。また、開口を形成するためのレーザを照射する時間は、10〜500μ秒であることが望ましい。バイアホール用開孔を形成する部分に貫通孔が形成されたマスクの貫通孔は、レーザ光のスポット形状を真円にするために、真円である必要があり、上記貫通孔の径は、0.05〜0.4mm程度が望ましい。
【0047】レーザ光にて開口を形成した場合、特に炭酸ガスレーザを用いた場合には、デスミア処理を行うことが望ましい。上記デスミア処理は、クロム酸、過マンガン酸塩等の水溶液からなる酸化剤を使用して行うことができる。また、酸素プラズマ、CF4 と酸素の混合プラズマやコロナ放電等で処理してもよい。また、低圧水銀ランプを用いて紫外線を照射することにより、表面改質することもできる。
【0048】(5) 次に、必要により、バイアホール用開口を設けた層間樹脂絶縁層の表面を粗化する。無電解めっき用接着剤を用いて層間樹脂絶縁層を形成した場合、層間樹脂絶縁層の粗化は、無電解めっき用接着剤層の表面に存在する耐熱性樹脂粒子を酸または酸化剤で溶解除去することにより行う。酸処理等により形成する粗化面の高さは、Rmax=0.01〜20μmが望ましい。導体回路との密着性を確保するためである。特にセミアディティブ法では、0.1〜5μmが望ましい。密着性を確保しつつ、金属層を除去することができるからである。
【0049】上記酸処理を行う際には、リン酸、塩酸、硫酸、または、蟻酸や酢酸などの有機酸を用いることができ、特に有機酸を用いるのが望ましい。粗化形成処理した場合に、バイアホールから露出する金属導体層を腐食させにくいからである。上記酸化処理は、クロム酸、過マンガン酸塩(過マンガン酸カリウム等)を用いることが望ましい。
【0050】(6) 次に、層間樹脂絶縁層およびバイアホールの開口部の表面にCu、Ni、P、Pd、CoおよびW等の金属からなる薄膜導体層を形成する。上記薄膜導体層は単独の金属からなるものであってもよいし、2種以上の金属からなるものであってもよい。また、上記薄膜導体層は、1層であってもよいし、2層以上であってもよい。この薄膜導体層の厚さは、0.1〜5μmが望ましく、0.5〜2μmがより望ましい。また、上記薄膜導体層は、スパッタリング、めっき、もしくは、スパッタリングおよびめっきを行うことにより形成することが望ましい。特に、スパッタリングにより薄膜導体層を形成する場合は、その膜厚は0.5〜2μmであることが望ましい。
【0051】(7) 次に、上記薄膜導体層上に、被覆層を形成する。上記被覆層は、Sn、Pd等の金属をめっきやスパッタリングしたり、黒化−還元処理により酸化膜を形成することにより形成する。
【0052】(8) 続いて、上記(7) で形成した被覆層上にめっきレジストを形成する。このめっきレジストは、感光性ドライフィルムを薄膜導体層上にラミネートした後、露光、現像処理を施すことにより形成される。上記現像処理時に用いる現像液によって、現像処理と同時に被覆層を除去することが最も望ましいが、現像液により被覆層を除去できなかった場合には、硫酸、塩酸、硝酸等を用いて被覆層を除去することが望ましい。
【0053】(9) 次に、層間樹脂絶縁層上に形成した薄膜導体層または薄膜導体層上の被覆層をめっきリードとして電気めっきを行い、導体回路を厚付けする。電気めっき膜の膜厚は、5〜30μmが好ましい。上記電気めっきとしては、銅めっきを用いることが望ましい。この時、バイアホール用開口を電気めっきで充填してフィルドビア構造としてもよい。
【0054】(10)電気めっき膜を形成した後、めっきレジストを剥離し、めっきレジストの下に存在していた被覆層および薄膜導体層をエッチングにより除去し、独立した導体回路とする。エッチング液としては、例えば、硫酸−過酸化水素水溶液、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩水溶液、塩化第二鉄、塩化第二銅の水溶液、塩酸、硝酸、熱希硫酸等が挙げられる。また、前述した第二銅錯体と有機酸とを含有するエッチング液を用いて、導体回路間のエッチングと同時に粗化面を形成してもよい。
【0055】(11)必要により、(3) 〜(9) の工程を繰り返し、さらに、必要により、最上層の導体回路に上記(3) の工程と同様の条件で無電解めっきやエッチング等を施し、最上層の導体回路上に粗化層または粗化面を形成する。
【0056】次に、最上層の導体回路を含む基板面にロールコータ法等によりソルダーレジスト樹脂組成物を塗布し、レーザ処理、露光、現像処理等による開口処理を行い、硬化処理等を行うことにより、ソルダーレジスト層を形成する。そしてこの後、ソルダーレジスト層の開口部分に半田バンプを形成することによりプリント配線板の製造を終了する。
【0057】また、この工程で、製品認識文字などを形成するための文字印刷工程やソルダーレジスト層の改質のために、酸素や四塩化炭素などのプラズマ処理を適時行ってもよい。以上の方法は、セミアディティブ法によるものであるが、フルアディティブ法を採用してもよい。
【0058】
【実施例】以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0059】(実施例1)
A.ポリオレフィン系樹脂組成物からなる樹脂フィルムの作製(i) 500mlのn−ヘプタン中に、スチレン104gおよびブチルリチウム10.8gを溶解させ、70℃で3時間加熱した。
(ii)上記処理を行った溶液中に、エチレン:ブタジエンの容量比が3:1の混合ガスを吹き込みながら、70℃で5時間放置した。
【0060】(iii) この後、さらにI2 を添加し、100℃で1時間放置することにより、n−ヘプタンを除去した。
(iv) 残った生成物をアセトンにて洗浄し、未反応物およびLiIを除去した。その後、粒径が0.1μmで球状のメラニンと粒径が0.05μmの球状のメラニンを2:1の割合で配合し、凝集せずに分散するように混合した。
【0061】(v) (iv)の工程で得られた混合物のうち、50gを再度500mlのn−ヘプタンに溶解させ、さらに1gの過酸化ベンゾイルを溶かした後、この溶液をポリエチレンテレフタレートフィルム上に薄く広げ、このフィルム状物を50℃まで加熱した後、さらに1℃/分でゆっくりと加熱し、100℃に達した後、30分放置することにより溶剤を除去した。このようにして、40μmの厚さの半硬化状態のポリオレフィンオリゴマーからなる樹脂フィルムが得られた。
【0062】B.樹脂充填材の調製(i) ビスフェノールF型エポキシモノマー(油化シェル社製、分子量:310、YL983U)100重量部、表面にシランカップリング剤がコーティングされた平均粒径が1.6μmで、最大粒子の直径が15μm以下のSiO2 球状粒子(アドマテックス社製、CRS 1101−CE)170重量部およびレベリング剤(サンノプコ社製 ペレノールS4)1.5重量部を容器にとり、攪拌混合することにより、その粘度が23±1℃で40〜50Pa・sの樹脂充填材を調製した。なお、硬化剤として、イミダゾール硬化剤(四国化成社製、2E4MZ−CN)6.5重量部を用いた。
【0063】C.プリント配線板の製造方法(1) 厚さ1mmのガラスエポキシ樹脂またはBT(ビスマレイミドトリアジン)樹脂からなる基板1の両面に18μmの銅箔8がラミネートされている銅張積層板を出発材料とした(図2(a)参照)。まず、この銅張積層板をドリル削孔し、無電解めっき処理を施し、パターン状にエッチングすることにより、基板1の両面に下層導体回路4とスルーホール9を形成した。
【0064】(2) スルーホール9および下層導体回路4を形成した基板を水洗いし、乾燥した後、NaOH(10g/l)、NaClO2 (40g/l)、Na3 PO4 (6g/l)を含む水溶液を黒化浴(酸化浴)とする黒化処理、および、NaOH(10g/l)、NaBH4 (6g/l)を含む水溶液を還元浴とする還元処理を行い、そのスルーホール9を含む下層導体回路4の全表面に粗化面4a、9aを形成した(図2(b)参照)。
【0065】(3) 上記Bに記載した樹脂充填材を調製した後、下記の方法により調製後24時間以内にスルホール9内、および、基板1の片面の導体回路非成形部と導体回路4の外縁部とに樹脂充填材10の層を形成した。すなわち、まず、スキージを用いてスルーホール内に樹脂充填材を押しこんだ後、100℃、20分の条件で乾燥させた。次に、導体回路非形成部に相当する部分が開口したマスクを基板上に載置し、スキージを用いて、凹部となっている導体回路非形成部に樹脂充填材10の層を形成し、100℃、20分の条件で乾燥させた(図2(c)参照)。
【0066】(4) 上記(3) の処理を終えた基板の片面を、#600のベルト研磨紙(三共理化学社製)を用いたベルトサンダー研磨により、導体回路外縁部に形成された樹脂充填材10の層や導体回路非形成部に形成された樹脂充填材10の層の上部を研磨し、ついで、上記ベルトサンダー研磨による傷を取り除くためのバフ研磨を行った。このような一連の研磨を基板の他方の面についても同様に行った。なお、必要に応じて、研摩の前後にエッチングを行い、スルーホール9のランド9aおよび下層導体回路4に形成された粗化面4aを平坦化してもよい。この後、100℃で1時間、150℃で1時間の加熱処理を行い、樹脂充填材の層を完全に硬化させた。
【0067】このようにして、スルーホール9や導体回路非形成部に形成された樹脂充填材10の表層部および下層導体回路4の表面を平坦化し、樹脂充填材10と下層導体回路4の側面4aとが粗化面を介して強固に密着し、またスルーホール9の内壁面9aと樹脂充填材10とが粗化面を介して強固に密着した絶縁性基板を得た(図2(d)参照)。
【0068】(5) 次に、上記(4) の処理を終えた基板の両面に、上記(2) で用いたエッチング液と同じエッチング液をスプレーで吹きつけ、一旦平坦化された下層導体回路4の表面とスルーホール9のランド表面とをエッチングすることにより、下層導体回路4の全表面に粗化面4a、9aを形成した(図3(a)参照)。
【0069】(6) 次に、基板の両面に、上記Aにおいて作製した厚さ40μmのポリオレフィン系樹脂組成物からなるフィルムを温度160℃、圧力10kg/cm2 で圧着、積層し、上記ポリオレフィン系樹脂組成物からなる層間樹脂絶縁層2を形成した(図3(b)参照)。形成された層間樹脂絶縁層の厚さは、30μmであった。
【0070】(7) 次に、波長0.248μmのエキシマレーザにて、ポリオレフィン系樹脂組成物からなる層間樹脂絶縁層2に直径80μmのバイアホール用開口6を設けた(図3(c)参照)。この後、酸素プラズマを用いてデスミア処理を行った。
【0071】(8) 次に、日本真空技術株式会社製のSV−4540を用い、Niをターゲットにしたスパッタリングを、気圧0.6Pa、温度80℃、電力200W、時間5分間の条件で行い、Ni金属層12aを層間樹脂絶縁層2の表面に形成した(図3(d)参照)。このとき、形成されたNi金属層12aの厚さは0.1μmであった。
【0072】(9) 次に、上記SV−4540を用いて、Cuをターゲットにしたスパッタリングを、気圧0.8Pa、温度80℃、電力4500W、時間2分間の条件で行い、Ni金属層12aの表面に厚さ0.2μmのCu金属層12bを形成した。(図4(a)参照)。
【0073】(10) 続いて、Cu金属層12bに以下の方法を用いて黒化−還元処理を施すことにより、Cu金属層12bの表面に厚さ0.1μmの酸化膜(図示せず)を形成した。すなわち、NaOH(10g/l)、NaClO2 (40g/l)、Na3 PO4 (6g/l)を含む水溶液を黒化浴(酸化浴)とする黒化処理、および、NaOH(10g/l)、NaBH4 (6g/l)を含む水溶液を還元浴とする還元処理を行い、Cu金属層12bの表面に酸化膜を形成した。
【0074】(11)市販の感光性ドライフィルムを酸化膜の表面に貼り付け、マスクを載置して、100mJ/cm2 で露光し、0.8%炭酸ナトリウム水溶液で現像処理を行うことより、厚さ15μmのめっきレジスト3を設けた(図4(b)参照)。また、この現像処理の後、10体積%の硫酸溶液を用いた酸処理を行うことにより、上記(10) で形成した酸化膜のうちめっきレジスト非形成部の酸化膜を溶解除去した。
【0075】(12)ついで、レジスト非形成部に以下の条件で電気銅めっきを施し、厚さ15μmの電気銅めっき膜13を形成した(図4(c)参照)。
〔電気めっき水溶液〕
硫酸 2.24 mol/l硫酸銅 0.26 mol/l添加剤 19.5 ml/l(アトテックジャパン社製、カパラシドHL)
〔電気めっき条件〕
電流密度 1 A/dm2時間 65 分温度 22±2 ℃【0076】(13)さらにめっきレジストを5%KOH水溶液で剥離除去した後、そのめっきレジスト下の酸化膜および無電解めっき膜を硫酸と過酸化水素の混合液でエッチング処理して溶解除去し、独立の上層導体回路5(バイアホール7を含む)とした(図4(d)参照)。
【0077】(14)続いて、上記(5) 〜(13)の工程を繰り返すことにより、さらに上層の導体回路を形成した(図5(a)〜図6(a)参照)。さらに、上記した工程(5) で用いたエッチング液と同様のエッチング液を用いて、導体回路(バイアホール7を含む)5の表面をエッチングすることにより導体回路(バイアホール7を含む)5の表面に粗化面を形成した(図6(b)参照)。
【0078】(15)次に、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)に60重量%の濃度になるように溶解させた、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬社製)のエポキシ基50%をアクリル化した感光性付与のオリゴマー(分子量:4000)46.67重量部、メチルエチルケトンに溶解させた80重量%のビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル社製、商品名:エピコート1001)15重量部、イミダゾール硬化剤(四国化成社製、商品名:2E4MZ−CN)1.6重量部、感光性モノマーである多官能アクリルモノマー(日本化薬社製、商品名:R604)3重量部、同じく多価アクリルモノマー(共栄化学社製、商品名:DPE6A)1.5重量部、分散系消泡剤(サンノプコ社製、商品名:S−65)0.71重量部を容器にとり、攪拌、混合して混合組成物を調製し、この混合組成物に対して光重合開始剤としてベンゾフェノン(関東化学社製)2.0重量部、光増感剤としてのミヒラーケトン(関東化学社製)0.2重量部を加えて、粘度を25℃で2.0Pa・sに調整したソルダーレジスト樹脂組成物を得た。なお、粘度測定は、B型粘度計(東京計器社製、DVL−B型)で60rpmの場合はローターNo.4、6rpmの場合はローターNo.3によった。
【0079】(16)次に、多層配線基板の両面に、上記ソルダーレジスト組成物を20μmの厚さで塗布し、70℃で20分間、70℃で30分間の条件で乾燥処理を行った後、ソルダーレジスト開口部のパターンが描画された厚さ5mmのフォトマスクをソルダーレジスト層に密着させて1000mJ/cm2 の紫外線で露光し、DMTG溶液で現像処理し、200μmの直径の開口を形成した。そして、さらに、80℃で1時間、100℃で1時間、120℃で1時間、150℃で3時間の条件でそれぞれ加熱処理を行ってソルダーレジスト層を硬化させ、半田パッド部分が開口した、その厚さが20μmのソルダーレジスト層(有機層間樹脂絶縁層)14を形成した。
【0080】(17)次に、ソルダーレジスト層(有機層間樹脂絶縁層)14を形成した基板を、塩化ニッケル(2.3×10-1mol/l)、次亜リン酸ナトリウム(2.8×10-1mol/l)、クエン酸ナトリウム(1.6×10-1mol/l)を含むpH=4.5の無電解ニッケルめっき液に20分間浸漬して、開口部に厚さ5μmのニッケルめっき層15を形成した。さらに、その基板をシアン化金カリウム(7.6×10-3mol/l)、塩化アンモニウム(1.9×10-1mol/l)、クエン酸ナトリウム(1.2×10-1mol/l)、次亜リン酸ナトリウム(1.7×10-1mol/l)を含む無電解めっき液に80℃の条件で7.5分間浸漬して、ニッケルめっき層15上に、厚さ0.03μmの金めっき層16を形成した。
【0081】(18)この後、ソルダーレジスト層14の開口に半田ペーストを印刷して、200℃でリフローすることにより半田バンプ17を形成し、半田バンプ17を有する多層配線プリント基板を製造した(図6(c)参照)。
【0082】(実施例2)
A.ポリオレフィン系樹脂組成物からなる樹脂フィルムの作製、および、樹脂充填材の調製を実施例1と同様に行った。
【0083】B.プリント配線板の製造方法(1) 厚さ1mmのガラスエポキシ樹脂またはBT(ビスマレイミドトリアジン)樹脂からなる基板1の両面に18μmの銅箔8がラミネートされている銅張積層板を出発材料とした(図7(a)参照)。まず、この銅張積層板をドリル削孔し、無電解めっき処理を施し、パターン状にエッチングすることにより、基板1の両面に下層導体回路4とスルーホール9を形成した。
【0084】(2) スルーホール9および下層導体回路4を形成した基板を水洗いし、乾燥した後、NaOH(10g/l)、NaClO2 (40g/l)、Na3 PO4 (6g/l)を含む水溶液を黒化浴(酸化浴)とする黒化処理、および、NaOH(10g/l)、NaBH4 (6g/l)を含む水溶液を還元浴とする還元処理を行い、そのスルーホール9を含む下層導体回路4の全表面に粗化面4a、9aを形成した(図7(b)参照)。
【0085】(3) 上記Bに記載した樹脂充填材を調製した後、下記の方法により調製後24時間以内にスルホール9内、および、基板1の片面の導体回路非成形部と導体回路4の外縁部とに樹脂充填材10の層を形成した。すなわち、まず、スキージを用いてスルーホール内に樹脂充填材を押しこんだ後、100℃、20分の条件で乾燥させた。次に、導体回路非形成部に相当する部分が開口したマスクを基板上に載置し、スキージを用いて、凹部となっている導体回路非形成部に樹脂充填材10の層を形成し、100℃、20分の条件で乾燥させた(図7(c)参照)。
【0086】(4) 上記(3) の処理を終えた基板の片面を、#600のベルト研磨紙(三共理化学社製)を用いたベルトサンダー研磨により、導体回路外縁部に形成された樹脂充填材10の層や導体回路非形成部に形成された樹脂充填材10の層の上部を研磨し、ついで、上記ベルトサンダー研磨による傷を取り除くためのバフ研磨を行った。このような一連の研磨を基板の他方の面についても同様に行った。なお、必要に応じて、研摩の前後にエッチングを行い、スルーホール9のランド9aおよび下層導体回路4に形成された粗化面4aを平坦化してもよい。この後、100℃で1時間、150℃で1時間の加熱処理を行い、樹脂充填材の層を完全に硬化させた。
【0087】このようにして、スルーホール9や導体回路非形成部に形成された樹脂充填材10の表層部および下層導体回路4の表面を平坦化し、樹脂充填材10と下層導体回路4の側面4aとが粗化面を介して強固に密着し、またスルーホール9の内壁面9aと樹脂充填材10とが粗化面を介して強固に密着した絶縁性基板を得た(図7(d)参照)。
【0088】(5) 次に、上記(4) の処理を終えた基板の両面に、上記(2) で用いたエッチング液と同じエッチング液をスプレーで吹きつけ、一旦平坦化された下層導体回路4の表面とスルーホール9のランド表面とをエッチングすることにより、下層導体回路4の全表面に粗化面4a、9aを形成した(図8(a)参照)。
【0089】(6) 次に、基板の両面に、上記Aにおいて作製した厚さ40μmのポリオレフィン系樹脂組成物からなるフィルムを温度160℃、圧力10kg/cm2 で圧着、積層し、上記ポリオレフィン系樹脂組成物からなる層間樹脂絶縁層2を形成した(図8(b)参照)。形成された層間樹脂絶縁層の厚さは、30μmであった。
【0090】(7) 次に、波長0.248μmのエキシマレーザにて、ポリオレフィン系樹脂組成物からなる層間樹脂絶縁層2に直径80μmのバイアホール用開口6を設けた(図8(c)参照)。この後、酸素プラズマを用いてデスミア処理を行った。
【0091】(8) 次に、日本真空技術株式会社製のSV−4540を用い、Niをターゲットにしたスパッタリングを、気圧0.6Pa、温度80℃、電力200W、時間5分間の条件で行い、Ni金属層12aを層間樹脂絶縁層2の表面に形成した(図8(d)参照)。このとき、形成されたNi金属層12aの厚さは0.1μmであった。
【0092】(9) 次に、上記SV−4540を用いて、Cuをターゲットにしたスパッタリングを、気圧0.8Pa、温度80℃、電力4500W、時間2分間の条件で行い、Ni金属層12aの表面に厚さ0.2μmのCu金属層12bを形成した。(図9(a)参照)。
【0093】(10) 続いて、Cu金属層12bに以下の条件で無電解スズめっきを行うことにより、厚さ0.01μmのスズめっき膜(図示せず)を形成した。
〔無電解スズめっき水溶液〕
ホウフッ化スズ 0.50mol/lチオ尿素 0.37mol/lPEG 1.00 g/l次亜リン酸ナトリウム 20.0 g/l〔めっき条件〕
温度 25℃時間 1分【0094】(11)市販の感光性ドライフィルムをスズめっき膜の表面に貼り付け、マスクを載置して、100mJ/cm2 で露光し、0.8%炭酸ナトリウム水溶液で現像処理を行うことより、厚さ25μmのめっきレジスト3を設けた(図9(b)参照)。さらに、現像処理終了後、めっきレジスト非形成部のスズめっき膜を10体積%の過酸化水素−硝酸水溶液で溶解除去した。
【0095】(12)ついで、レジスト非形成部に以下の条件で電気銅めっきを施し、厚さ15μmの電気銅めっき膜13を形成した(図9(c)参照)。
〔電気めっき水溶液〕
硫酸 2.24 mol/l硫酸銅 0.26 mol/l添加剤 19.5 ml/l(アトテックジャパン社製、カパラシドHL)
〔電気めっき条件〕
電流密度 1 A/dm2時間 65 分温度 22±2 ℃【0096】(13)さらにめっきレジストを5%KOH水溶液で剥離除去した後、そのめっきレジスト下の電気パラジウムめっき膜および無電解めっき膜を硫酸と過酸化水素の混合液でエッチング処理して溶解除去し、独立の上層導体回路5(バイアホール7を含む)とした(図9(d)参照)。
(14)続いて、上記(5) 〜(13)の工程を繰り返すことにより、さらに上層の導体回路を形成した(図10(a)〜図11(a)参照)。さらに、上記した工程(5)で用いたエッチング液と同様のエッチング液を用いて、導体回路(バイアホール7を含む)5の表面をエッチングすることにより導体回路(バイアホール7を含む)5の表面に粗化面を形成した(図11(b)参照)。
【0097】(15)次に、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)に60重量%の濃度になるように溶解させた、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬社製)のエポキシ基50%をアクリル化した感光性付与のオリゴマー(分子量:4000)46.67重量部、メチルエチルケトンに溶解させた80重量%のビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル社製、商品名:エピコート1001)15重量部、イミダゾール硬化剤(四国化成社製、商品名:2E4MZ−CN)1.6重量部、感光性モノマーである多官能アクリルモノマー(日本化薬社製、商品名:R604)3重量部、同じく多価アクリルモノマー(共栄化学社製、商品名:DPE6A)1.5重量部、分散系消泡剤(サンノプコ社製、商品名:S−65)0.71重量部を容器にとり、攪拌、混合して混合組成物を調製し、この混合組成物に対して光重合開始剤としてベンゾフェノン(関東化学社製)2.0重量部、光増感剤としてのミヒラーケトン(関東化学社製)0.2重量部を加えて、粘度を25℃で2.0Pa・sに調整したソルダーレジスト樹脂組成物を得た。なお、粘度測定は、B型粘度計(東京計器社製、DVL−B型)で60rpmの場合はローターNo.4、6rpmの場合はローターNo.3によった。
【0098】(16)次に、多層配線基板の両面に、上記ソルダーレジスト組成物を20μmの厚さで塗布し、70℃で20分間、70℃で30分間の条件で乾燥処理を行った後、ソルダーレジスト開口部のパターンが描画された厚さ5mmのフォトマスクをソルダーレジスト層に密着させて1000mJ/cm2 の紫外線で露光し、DMTG溶液で現像処理し、200μmの直径の開口を形成した。そして、さらに、80℃で1時間、100℃で1時間、120℃で1時間、150℃で3時間の条件でそれぞれ加熱処理を行ってソルダーレジスト層を硬化させ、半田パッド部分が開口した、その厚さが20μmのソルダーレジスト層(有機層間樹脂絶縁層)14を形成した。
【0099】(17)次に、ソルダーレジスト層(有機層間樹脂絶縁層)14を形成した基板を、塩化ニッケル(2.3×10-1mol/l)、次亜リン酸ナトリウム(2.8×10-1mol/l)、クエン酸ナトリウム(1.6×10-1mol/l)を含むpH=4.5の無電解ニッケルめっき液に20分間浸漬して、開口部に厚さ5μmのニッケルめっき層15を形成した。さらに、その基板をシアン化金カリウム(7.6×10-3mol/l)、塩化アンモニウム(1.9×10-1mol/l)、クエン酸ナトリウム(1.2×10-1mol/l)、次亜リン酸ナトリウム(1.7×10-1mol/l)を含む無電解めっき液に80℃の条件で7.5分間浸漬して、ニッケルめっき層15上に、厚さ0.03μmの金めっき層16を形成した。
【0100】(18)この後、ソルダーレジスト層14の開口に半田ペーストを印刷して、200℃でリフローすることにより半田バンプ17を形成し、半田バンプ17を有する多層配線プリント基板を製造した(図11(c)参照)。
【0101】(比較例1)上記(10)の工程において、酸化膜を形成しなかった以外は実施例1と同様にして多層プリント配線板を製造した。なお、感光性ドライフィルムを露光、現像処理した後、めっきレジスト3の設けられた基板の断面を顕微鏡で観察したところ、めっきレジストの形状は、裾引き形状であった。
【0102】実施例1、2および比較例1で得られた多層プリント配線板について、該多層プリント配線板をカッターで切断し、その断面を顕微鏡で観察したところ、実施例1、2の多層プリント配線板では、断面がアンダーカット形状の導体回路はみられなかったのに対し、比較例1の多層プリント配線板では、一部に断面がアンダーカット形状の導体回路がみられた。
【0103】さらに、実施例1、2および比較例1で得られた多層プリント配線板について、−55℃で30分間保持した後、125℃で30分間保持するヒートサイクルを1000回繰り返すヒートサイクル試験を実施した後、多層プリント配線板をカッターで切断し、その断面を顕微鏡で観察した。その結果、実施例1、2の多層プリント配線板では、導体回路の剥離はなく、層間樹脂絶縁層にクラックの発生もみられなかったの対し、比較例1の多層プリント配線板では、一部に剥離している導体回路が見られ、また、層間樹脂絶縁層の一部にクラックの発生がみられた。
【0104】さらに、実施例1、2および比較例1で得られた多層プリント配線板について、ヒートサイクル試験を実施した後、導通試験を行ったところ、実施例1、2の多層プリント配線板では、導通不良が発生していなかったのに対し、比較例1の多層プリント配線板では、一部に導通不良が発生していた。
【0105】
【発明の効果】以上説明したように本発明の多層プリント配線板の製造方法によれば、アンダーカット形状や裾引き形状でなく、表面が平坦なめっきレジストを形成することができるため、隣接する導体回路間で短絡の発生するおそれがなく、信号遅延や信号エラーが発生せず、導体回路と層間樹脂絶縁層やソルダーレジスト層との密着性が充分であり、ヒートサイクル条件下や高温高湿下において、層間樹脂絶縁層やソルダーレジスト層にクラックが発生しにくく、導体回路の剥離が発生しにくい接続信頼性に優れる多層プリント配線板を製造することができる。




 

 


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