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発明の名称 スルーホールの充填方法および多層プリント配線板の製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−177254(P2001−177254A)
公開日 平成13年6月29日(2001.6.29)
出願番号 特願平11−362884
出願日 平成11年12月21日(1999.12.21)
代理人 【識別番号】100086586
【弁理士】
【氏名又は名称】安富 康男 (外2名)
【テーマコード(参考)】
5E317
5E346
【Fターム(参考)】
5E317 AA24 BB02 BB03 BB12 CC32 CD01 CD11 CD25 CD27 CD32 GG03 GG05 
5E346 AA06 AA12 AA15 AA32 AA43 BB16 CC04 CC09 CC10 CC14 CC32 DD03 DD23 DD32 DD44 EE31 EE33 EE35 FF07 FF13 GG15 GG17 GG18 GG19 GG22 GG23 GG27 HH11
発明者 川村 洋一郎
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 複数のスルーホールが列をなして形成された絶縁性基板の前記スルーホールに、スキージを用いて樹脂充填材を充填するスルーホールの充填方法であって、前記スルーホールの配列方向とは異なる方向に前記スキージを移動させることにより、前記スキージが保持する樹脂充填材をスルーホール内に充填することを特徴とするスルーホールの充填方法。
【請求項2】 絶縁性基板のスルーホールに相当する部分に開口が形成されたマスクを前記絶縁性基板上に載置した後、スキージを用いて樹脂充填材をスルーホール内に充填する請求項1に記載のスルーホールの充填方法。
【請求項3】 少なくとも下記した(a)〜(c)の工程を経て、絶縁性基板上に導体回路および樹脂絶縁層が順次積層形成され、これらの導体回路がバイアホールにより接続されたプリント配線板を製造することを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。
(a)絶縁性基板にスルーホール用貫通孔を形成する工程、(b)スルーホール用貫通孔が形成された前記絶縁性基板に、下層導体回路およびスルーホールを形成する工程、および、(c)形成された前記スルーホール内に、請求項1または2に記載の方法により樹脂充填材を充填する工程。
【請求項4】 少なくとも下記した(a)〜(e)の工程を経て、絶縁性基板上に導体回路および樹脂絶縁層が順次積層形成され、これらの導体回路がバイアホールにより接続されたプリント配線板を製造することを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。
(a)絶縁性基板に下層導体回路を形成する工程、(b)下層導体回路が形成された前記絶縁性基板上に層間樹脂絶縁層を形成し、前記層間樹脂絶縁層にバイアホール用開口を形成する工程、(c)下層導体回路および層間樹脂絶縁層が形成された前記絶縁性基板にスルーホール用貫通孔を形成する工程、(d)スルーホール用貫通孔が形成された前記絶縁性基板に、薄膜導体層およびスルーホールを形成する工程、および、(e)形成されたスルーホール内に、請求項1または2に記載の方法により樹脂充填材を充填する工程。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、絶縁性基板に形成された多数のスルーホールに樹脂充填材を充填する方法、および、該方法を用いた多層プリント配線板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】いわゆる多層ビルドアップ配線基板と呼ばれる多層プリント配線板は、セミアディティブ法等により製造されており、コアと呼ばれる0.5〜1.5mm程度のガラスクロス等で補強された樹脂基板の上に、銅等による導体回路と層間樹脂絶縁層とを交互に積層することにより作製される。この多層プリント配線板の層間樹脂絶縁層を介した導体回路間の接続は、バイアホールにより行われている。
【0003】従来、ビルドアップ多層プリント配線板は、例えば、特開平9−130050号公報等に開示された方法により製造されている。すなわち、まず、銅箔が貼り付けられた銅貼積層板に貫通孔を形成し、続いて無電解銅めっき処理を施すことによりスルーホールを形成する。このスルーホールをそのまま残しておくと、層間樹脂絶縁層や導体回路を形成しにくくなり、欠陥が発生する原因となるため、樹脂充填材を充填してスルーホールを塞ぐ。続いて、絶縁性基板の表面をフォトリソグラフィーの手法を用いて導体パターン状にエッチング処理して下層導体回路を形成する。下層導体回路を形成した後、貫通孔を形成し、貫通孔をスルーホールとしてもよい。なお、下層導体回路とは、絶縁性基板上に最初に形成された最下層の導体回路をいい、その上に形成する導体回路は、いずれも上層導体回路ということとする。また、単に導体回路という場合は、下層導体回路と上層導体回路の両方を含む。
【0004】次に、形成された下層導体回路の表面に、無電解めっきやエッチング等により粗化面を形成し、その粗化面を有する下層導体回路上に絶縁樹脂の層を形成した後、露光、現像処理を行ってバイアホール用開口を形成し、その後、UV硬化、本硬化を経て層間樹脂絶縁層を形成する。さらに、層間樹脂絶縁層に酸や酸化剤などにより粗化処理を施した後、薄い無電解めっき膜を形成し、この無電解めっき膜上にめっきレジストを形成した後、電解めっきにより厚付けを行い、めっきレジスト剥離後にエッチングを行って上層導体回路を形成する。これを繰り返すことにより、ビルドアップ多層プリント配線板が得られる。
【0005】このような多層プリント配線板の製造方法において、従来では、図12に示したように、スルーホール9が形成された絶縁性基板1上で、樹脂充填材21を保持したスキージ22をスルーホール9が配列された方向に移動させるか、または、図示はしないが、絶縁性基板1上にスルーホール9に相当する位置に開口が形成されたマスクを載置し、このマスクの上で、樹脂充填材を保持したスキージ22をスルーホール9の配列方向と同じ方向に移動させることにより、樹脂充填材21をスルーホール9に充填しており、このような方法により、良好に樹脂充填材21をスルーホール9に充填することができた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、最近では、形成する導体回路のパターンが微細化したため、導体回路間の距離が短くなると共に、導体回路の幅も狭くなってきており、それに伴って、スルーホール9間の距離が短くなってきている。
【0007】そのために、上記した従来の方法によりスキージ22を移動させて樹脂充填材21をスルーホール9に充填しようとすると、スキージ22は短時間のうちに多数のスルーホール9上を通過する。従って、スルーホール9上を通過するスキージ22前方の樹脂充填材が存在するAの部分では、例えば、一列目のスルーホール9で樹脂充填材21が吸収された後、直ぐに二列目のスルーホール9上に移動し、樹脂充填材21が吸収されるという工程が繰り返される。
【0008】そのため、Aの部分では周囲からの樹脂充填材21の移動が間に合わず、その量が少なくなり、樹脂充填材21が完全に充填されないスルーホール9が発生するという問題があった。
【0009】このような樹脂充填材が未充填のスルーホールがあると、その上に層間樹脂絶縁層等を形成し、多層プリント配線板を製造した際、ボイドが発生したり、層間樹脂絶縁層や導体回路に剥離が発生し、欠陥のある多層プリント配線板が製造されてしまう。
【0010】本発明は、このような従来の問題点を解決するためになされたものであり、充填対象となるスルーホールの配列間隔が狭い場合であっても、これらのスルーホールの全てに、樹脂充填材を完全に充填することができるスルーホールの充填方法、および、この方法を用いた多層プリント配線板の製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】第一の本発明は、複数のスルーホールが列をなして形成された絶縁性基板の上記スルーホールに、スキージを用いて樹脂充填材を充填するスルーホールの充填方法であって、上記スルーホールの配列方向とは異なる方向に上記スキージを移動させることにより、上記スキージが保持する樹脂充填材をスルーホール内に充填することを特徴とするスルーホールの充填方法である。
【0012】第二の本発明は、少なくとも下記した(a)〜(c)の工程を経て、絶縁性基板上に導体回路および樹脂絶縁層が順次積層形成され、これらの導体回路がバイアホールにより接続されたプリント配線板を製造することを特徴とする多層プリント配線板の製造方法である。
(a)絶縁性基板にスルーホール用貫通孔を形成する工程、(b)スルーホール用貫通孔が形成された上記絶縁性基板に、下層導体回路およびスルーホールを形成する工程、および、(c)形成された上記スルーホール内に、請求項1または2に記載の方法により樹脂充填材を充填する工程。
【0013】第三の本発明は、少なくとも下記した(a)〜(e)の工程を経て、絶縁性基板上に導体回路および樹脂絶縁層が順次積層形成され、これらの導体回路がバイアホールにより接続されたプリント配線板を製造することを特徴とする多層プリント配線板の製造方法である。
(a)絶縁性基板に下層導体回路を形成する工程、(b)下層導体回路が形成された上記絶縁性基板上に層間樹脂絶縁層を形成し、上記層間樹脂絶縁層にバイアホール用開口を形成する工程、(c)下層導体回路および層間樹脂絶縁層が形成された上記絶縁性基板にスルーホール用貫通孔を形成する工程、(d)スルーホール用貫通孔が形成された上記絶縁性基板に、薄膜導体層およびスルーホールを形成する工程、および、(e)形成されたスルーホール内に、請求項1または2に記載の方法により樹脂充填材を充填する工程。
【0014】上記第一の本発明のスルーホールの充填方法においては、絶縁性基板のスルーホールに相当する部分に開口が形成されたマスクを上記絶縁性基板上に載置した後、スキージを用いて樹脂充填材をスルーホール内に充填することが望ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】第一の本発明は、複数のスルーホールが列をなして形成された絶縁性基板の上記スルーホールに、スキージを用いて樹脂充填材を充填するスルーホールの充填方法であって、上記スルーホールの配列方向とは異なる方向に上記スキージを移動させることにより、上記スキージが保持する樹脂充填材をスルーホール内に充填することを特徴とするスルーホールの充填方法である。
【0016】上記スルーホールの充填方法によれば、上記スキージをスルーホールの配列方向とは異なる方向に移動させるので、例えば、スキージ前方の樹脂充填材の保持部分において、一列目と2列目とのスルーホールで、異なる部分がスルーホールの上を通過することになり、その後に別のスルーホールが同じ部分を通過する場合であっても、それまでにある程度の時間が確保される。従って、スルーホールに吸収される部分には、常に充分な量の樹脂充填材が存在し、スルーホール内に充分な量の樹脂充填材を充填することができるため、スルーホールに樹脂充填材の未充填が発生するのを防止することができる。
【0017】図1は、本発明のスルーホールの充填方法を模式的に示した平面図である。図1に示したように、樹脂充填材21の保持部分におけるBの部分に注目すると、Bの部分は、1列目のスルーホール9の真上を通過し、スルーホール9内に樹脂充填材21が吸収される。しかし、2列目や3列目のスルーホール9では、Bの部分は、スルーホール9の真上を通過せず、隣のCやDの部分がスルーホールの上を通過するため、次にスルーホールの真上を通過する四列目では、周囲より樹脂充填材21がBの部分に移動しており、そのため充分にスルーホール内に樹脂充填材を充填することができる。
【0018】上記第一の本発明では、絶縁性基板1のスルーホール9に相当する部分に開口が形成されたマスクを上記絶縁性基板上に載置した後、スキージを用いて樹脂充填材をスルーホール内に充填することが望ましい。
【0019】これは、上記絶縁性基板上に直接樹脂充填材を載置した後、マスクを使用せず、スキージを用いて充填を行うと、絶縁性基板表面、特に導体回路表面に付着した樹脂充填材を完全に除去するのが難しいからである。ただし、絶縁性基板表面の導体回路非形成部に樹脂充填材の層を形成する場合には、マスクを介さずにスルーホールの充填を行ってもよい。この場合、導体回路上に形成された樹脂充填材の層は、研磨等により取り除く。また、この場合、絶縁性基板表面の樹脂充填材を充填する部分およびスルーホールを形成する部分に開口が形成されたマスクを介して樹脂充填材を充填してもよい。
【0020】上記絶縁性基板としては、樹脂基板が好ましく、具体的には、例えば、ガラスエポキシ基板、ポリイミド基板、ビスマレイミド−トリアジン樹脂基板、フッ素樹脂基板、セラミック基板、銅貼積層板などが挙げられる。上記絶縁性基板を構成する絶縁層の厚みは、通常、0.5〜1.5mmが好ましい。
【0021】樹脂充填材をスルーホールに充填するためのスキージの材質は特に限定されず、例えば、ゴム;鉄、ステンレスなどの金属;セラミックなど一般にプリント配線板の印刷に用いられる材質が挙げられるが、スキージとマスクとの角度の調整のしやすさやスキージの再生性等を考慮すると、ゴムやエラストマー等の弾性を有するものが好ましく、45〜90°の硬度を有するポリウレタンが特に好ましい。なお、上記硬度とは、JIS K 6301に規定するA型硬度計で測定したときの硬度をいう。
【0022】上記樹脂充填材は、樹脂成分、硬化成分および他の添加成分から構成されていることが望ましい。また、この樹脂充填材は、23±1℃における粘度が20〜100Pa・s程度になるように調整しておくことが好ましい。上記樹脂成分としては、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂の原料モノマーが挙げられる。
【0023】上記硬化成分としては、イミダゾ−ル硬化剤が望ましい。イミダゾ−ル硬化剤としては、例えば、2−メチルイミダゾ−ル、4−メチル−2−エチルイミダゾ−ル、2−フェニルイミダゾ−ル、4−メチル−2−フェニルイミダゾ−ル、1−ベンジル−2−メチルイミダゾ−ル、2−メチルイミダゾ−ル、2−イソプロピルイミダゾ−ル、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾ−ル、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾ−ルなどが挙げられる。
【0024】なかでも、25℃で液状のイミダゾ−ル硬化剤を用いることが望ましい。このような硬化剤としては、例えば、1−ベンジル−2−メチルイミダゾ−ル、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾ−ル、4−メチル−2−エチルイミダゾ−ルなどが挙げられる。上記イミダゾ−ル硬化剤の樹脂充填材中の含有量は、1〜10重量%であることが望ましい。
【0025】上記他の添加成分としては、シリカ、アルミナ、ムライト、ジルコニアなどの無機粒子およびレベリング剤などが挙げられる。上記無機粒子の平均粒子径は、0.1〜5.0μmであることが望ましく、その配合量は、ビスフェノ−ル型エポキシ樹脂に対して、重量比で1.0〜2.0倍程度であることが望ましい。上記レベリング剤としては、例えば、サンノプコ製のペレノールS4などが挙げられる。
【0026】次に、第二の本発明の多層プリント配線板の製造方法について説明する。第二の本発明の多層プリント配線板の製造方法は、少なくとも下記した(a)〜(c)の工程を経て、絶縁性基板上に導体回路および樹脂絶縁層が順次積層形成され、これらの導体回路がバイアホールにより接続されたプリント配線板を製造することを特徴とする。
(a)絶縁性基板にスルーホール用貫通孔を形成する工程、(b)スルーホール用貫通孔が形成された上記絶縁性基板に、下層導体回路およびスルーホールを形成する工程、および、(c)形成された上記スルーホール内に、上記本発明のスルーホールの充填方法により樹脂充填材を充填する工程。
【0027】(1) 第二の本発明では、まず、レーザの照射により、または、ドリル等を用いて絶縁性基板に貫通孔を設ける((a)工程)。レーザとしては、炭酸ガスレーザ、UVレーザ、エキシマレーザ等を用いることができる。このときに形成するスルーホールの径は、通常、50〜350μmであり、スルーホール間の距離は、200〜800μmである。なお、上記絶縁性基板には、通常、銅箔が貼り付けられるか、絶縁性基板の主面全体に導体層が形成されているため、この銅箔等を含めて貫通孔を形成する。
【0028】(2) 次に、スルーホール用貫通孔が形成された上記絶縁性基板に粗化処理を施した後に無電解めっきを施し、該貫通孔の壁面および銅箔等の表面に表面導電膜およびスルーホールを形成する。無電解めっきとしては銅めっきが好ましい。その後、無電解めっきが施された絶縁性基板上に下層導体回路等の形状のエッチングレジストを形成し、エッチングを行うことにより下層導体回路等を形成する((b)工程)。
【0029】(3) この無電解めっきの後、通常、スルーホール内壁および電解めっき膜表面の粗化処理を行う。粗化処理方法としては、例えば、黒化(酸化)−還元処理、有機酸と第二銅錯体の混合水溶液によるスプレー処理、Cu−Ni−P針状合金めっきによる処理などが挙げられる。
【0030】(4) 上記工程の後、上記した本発明のスルーホールの充填方法を用いてスルーホールの充填を行う((c)工程)。また、必要によっては、絶縁性基板表面の下層導体回路が形成されていない凹部に樹脂充填材を充填し、その後、研磨等を行って絶縁性基板表面を平坦化してもよい。
【0031】(5) 次に、スルーホール内に充填された樹脂充填材を、例えば、100℃/20分の条件で乾燥させた後、硬化させる。硬化は、温度50〜250℃の間で行うのが望ましい。その硬化条件の一例としては、100℃で1時間加熱した後、150℃で1時間加熱する方法が挙げられる。必要に応じて、順次低い温度から高い温度と温度を変化させて硬化させるステップ硬化を行ってもよい。
【0032】研磨を行って導体層の表面を平坦化した場合には、もう一度、下層導体回路の粗化処理を行う。粗化処理方法としては、例えば、黒化(酸化)−還元処理、有機酸と第二銅錯体の混合水溶液によるスプレー処理、Cu−Ni−P合金めっきによる処理などが挙げられる。
【0033】(6) この後、粗化処理が施された下層導体回路上に層間樹脂絶縁層を設ける。層間樹脂絶縁層の材料としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の一部を感光化した樹脂またはこれらの複合樹脂を使用することができる。層間樹脂絶縁層は、未硬化の樹脂を塗布して形成してもよく、また、未硬化の樹脂フィルムを熱圧着して形成してもよい。さらに、未硬化の樹脂フィルムの片面に銅箔などの金属層が形成された樹脂フィルムを貼付してもよい。このような樹脂フィルムを使用する場合は、バイアホール形成部分の金属層をエッチングした後、レーザ光を照射して開口を設ける。金属層が形成された樹脂フィルムとしては、樹脂付き銅箔などを使用することができる。
【0034】上記層間樹脂絶縁層の材料としては、酸または酸化剤に可溶性の粒子(以下、可溶性粒子という)が酸または酸化剤に難溶性の樹脂(以下、難溶性樹脂という)中に分散したものが好ましい。なお、本明細書では、同一の酸または酸化剤からなる溶液に樹脂または粒子を同一時間浸漬した場合に、相対的に溶解速度の早いものを便宜上「可溶性」といい、相対的に溶解速度の遅いものを便宜上「難溶性」ということとしている。
【0035】上記可溶性粒子としては、例えば、酸または酸化剤に可溶性の樹脂粒子(以下、可溶性樹脂粒子という)、酸または酸化剤に可溶性の無機粒子(以下、可溶性無機粒子という)、酸または酸化剤に可溶性の金属粒子(以下、可溶性金属粒子という)等が挙げられる。これらの可溶性粒子は、単独で用いても良いし、2種以上併用してもよい。
【0036】上記可溶性粒子の形状は特に限定されず、球状、破砕状等が挙げられる。また、上記可溶性粒子の形状は、一様な形状であることが望ましい。均一な粗さの凹凸を有する粗化面を形成することができるからである。
【0037】上記可溶性粒子の平均粒径としては、0.1〜10μmが望ましい。この粒径の範囲であれば、2種類以上の異なる粒径のものを含有してもよい。すなわち、平均粒径が0.1〜0.5μmの可溶性粒子と平均粒径が1〜3μmの可溶性粒子とを含有する等である。これにより、より複雑な粗化面を形成することができ、導体回路との密着性にも優れる。なお、本発明において、可溶性粒子の粒径とは、可溶性粒子の一番長い部分の長さである。
【0038】上記可溶性樹脂粒子としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等からなるものが挙げられ、酸あるいは酸化剤からなる溶液に浸漬した場合に、上記難溶性樹脂よりも溶解速度が速いものであれば特に限定されない。上記可溶性樹脂粒子の具体例としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂等からなるものが挙げられ、これらの樹脂の一種からなるものであってもよいし、2種以上の樹脂の混合物からなるものであってもよい。
【0039】また、上記可溶性樹脂粒子としては、ゴムからなる樹脂粒子を用いることもできる。上記ゴムとしては、例えば、ポリブタジエンゴム、エポキシ変性、ウレタン変性、(メタ)アクリロニトリル変性等の各種変性ポリブタジエンゴム、カルボキシル基を含有した(メタ)アクリロニトリル・ブタジエンゴム等が挙げられる。これらのゴムを使用することにより、可溶性樹脂粒子が酸あるいは酸化剤に溶解しやすくなる。つまり、酸を用いて可溶性樹脂粒子を溶解する際には、強酸以外の酸でも溶解することができ、酸化剤を用いて可溶性樹脂粒子を溶解する際には、比較的酸化力の弱い過マンガン酸でも溶解することができる。また、クロム酸を用いた場合でも、低濃度で溶解することができる。そのため、酸や酸化剤が樹脂表面に残留することがなく、後述するように、粗化面形成後、塩化パラジウム等の触媒を付与する際に、触媒が付与されなたかったり、触媒が酸化されたりすることがない。
【0040】上記可溶性無機粒子としては、例えば、アルミニウム化合物、カルシウム化合物、カリウム化合物、マグネシウム化合物およびケイ素化合物からなる群より選択される少なくとも一種からなる粒子等が挙げられる。
【0041】上記アルミニウム化合物としては、例えば、アルミナ、水酸化アルミニウム等が挙げられ、上記カルシウム化合物としては、例えば、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム等が挙げられ、上記カリウム化合物としては、炭酸カリウム等が挙げられ、上記マグネシウム化合物としては、マグネシア、ドロマイト、塩基性炭酸マグネシウム等が挙げられ、上記ケイ素化合物としては、シリカ、ゼオライト等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上併用してもよい。
【0042】上記可溶性金属粒子としては、例えば、銅、ニッケル、鉄、亜鉛、鉛、金、銀、アルミニウム、マグネシウム、カルシウムおよびケイ素からなる群より選択される少なくとも一種からなる粒子等が挙げられる。また、これらの可溶性金属粒子は、絶縁性を確保するために、表層が樹脂等により被覆されていてもよい。
【0043】上記可溶性粒子を、2種以上混合して用いる場合、混合する2種の可溶性粒子の組み合わせとしては、樹脂粒子と無機粒子との組み合わせが望ましい。両者とも導電性が低くいため樹脂フィルムの絶縁性を確保することができるとともに、難溶性樹脂との間で熱膨張の調整が図りやすく、樹脂フィルムからなる層間樹脂絶縁層にクラックが発生せず、層間樹脂絶縁層と導体回路との間で剥離が発生しないからである。
【0044】上記難溶性樹脂としては、層間樹脂絶縁層に酸または酸化剤を用いて粗化面を形成する際に、粗化面の形状を保持できるものであれば特に限定されず、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、これらの複合体等が挙げられる。また、これらの樹脂に感光性を付与した感光性樹脂であってもよい。感光性樹脂を用いることにより、層間樹脂絶縁層に露光、現像処理を用いてバイアホール用開口を形成することできる。これらのなかでは、熱硬化性樹脂を含有しているものが望ましい。それにより、めっき液あるいは種々の加熱処理によっても粗化面の形状を保持することができるからである。
【0045】上記難溶性樹脂の具体例としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。さらには、1分子中に、2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂がより望ましい。前述の粗化面を形成することができるばかりでなく、耐熱性等にも優れてるため、ヒートサイクル条件下においても、金属層に応力の集中が発生せず、金属層の剥離などが起きにくいからである。
【0046】上記エポキシ樹脂としては、例えば、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、アルキルフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェノールF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フェノール類とフェノール性水酸基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物のエポキシ化物、トリグリシジルイソシアヌレート、脂環式エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。それにより、耐熱性等に優れるものとなる。
【0047】上記可溶性粒子は、上記難溶性樹脂中にほぼ均一に分散されていることが望ましい。均一な粗さの凹凸を有する粗化面を形成することができ、樹脂フィルムにバイアホールやスルーホールを形成しても、その上に形成する導体回路の金属層の密着性を確保することができるからである。また、粗化面を形成する表層部だけに可溶性粒子を含有する樹脂を用いてもよい。樹脂フィルムの表層部以外は酸または酸化剤にさらされることがないため、層間樹脂絶縁層を介した導体回路間の絶縁性が確実に保たれるからである。
【0048】上記難溶性樹脂中に分散している可溶性粒子の配合量は、3〜40重量%が望ましい。可溶性粒子の配合量が3重量%未満では、所望の凹凸を有する粗化面を形成することができない場合があり、40重量%を超えると、酸または酸化剤を用いて可溶性粒子を溶解した際に、樹脂フィルムの深部まで溶解してしまい、樹脂フィルムからなる層間樹脂絶縁層を介した導体回路間の絶縁性を維持することができず、短絡の原因となる場合がある。
【0049】上記層間樹脂絶縁層は、上記可溶性粒子、上記難溶性樹脂以外に、硬化剤、その他の成分等を含有していることが望ましい。上記硬化剤としては、例えば、イミダゾール系硬化剤、アミン系硬化剤、グアニジン系硬化剤、これらの硬化剤のエポキシアダクトやこれらの硬化剤をマイクロカプセル化したもの、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスフォニウム・テトラフェニルボレート等の有機ホスフィン系化合物等が挙げられる。
【0050】上記硬化剤の含有量は、0.05〜10重量%であることが望ましい。0.05重量%未満では、層間樹脂絶縁層の硬化が不充分となるため、酸や酸化剤が樹脂フィルムに侵入する度合いが大きくなり、樹脂フィルムの絶縁性が損なわれることがある。一方、10重量%を超えると、過剰な硬化剤成分が樹脂の組成を変性させることがあり、信頼性の低下を招いたりしてしまうことがある。
【0051】上記その他の成分としては、例えば、粗化面の形成に影響しない無機化合物あるいは樹脂等のフィラーが挙げられる。上記無機化合物としては、例えば、シリカ、アルミナ、ドロマイト等が挙げられ、上記樹脂としては、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリフェニレン樹脂、メラニン樹脂、オレフィン系樹脂等が挙げられる。これらのフィラーを含有させることによって、熱膨脹係数の整合や耐熱性、耐薬品性の向上などを図りプリント配線板の性能を向上させることができる。
【0052】また、上記層間樹脂絶縁層は、溶剤を含有していてもよい。上記溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテートやトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上併用してもよい。
【0053】(7) 次に、層間絶縁樹脂層を必要により硬化させ、この層間樹脂絶縁層にバイアホール形成用の開口を設ける。層間絶縁樹脂層の開口は、無電解めっき用接着剤の樹脂マトリックスが熱硬化樹脂である場合は、レーザー光や酸素プラズマ等を用いて行い、感光性樹脂である場合には、露光現像処理にて行う。なお、露光現像処理は、バイアホール形成のための円パターンが描画されたフォトマスク(ガラス基板が好ましい)を、円パターン側を感光性の層間樹脂絶縁層の上に密着させて載置した後、露光し、現像処理液に浸漬するか、現像処理液をスプレーすることにより行う。
【0054】(8) 次に、バイアホール用開口を設けた層間樹脂絶縁層(無電解めっき用接着剤層)の表面を粗化する。通常、粗化は、無電解めっき用接着剤層の表面に存在する耐熱性樹脂粒子を酸または酸化剤で溶解除去することにより行う。上記酸処理を行う際には、リン酸、塩酸、硫酸、または蟻酸や酢酸などの有機酸を用いることができ、特に有機酸を用いるのが望ましい。粗化処理した場合に、バイアホールから露出する金属導体層を腐食させにくいからである。上記酸化処理は、クロム酸、過マンガン酸塩(過マンガン酸カリウム等)を用いることが望ましい。
【0055】(9) 次に、粗化した層間絶縁樹脂上の全面に薄付けの無電解めっき膜を形成する。この無電解めっき膜は、無電解銅めっきが好ましく、その厚みは、1〜5μmが望ましく、2〜3μmがより望ましい。粗化した層間絶縁樹脂上の全面に、スパッタリングにより薄膜導体層を設けた後、その上に無電解めっき膜を設けてもよい。
【0056】(10)さらに、この上にめっきレジストを配設する。めっきレジストとしては、市販の感光性ドライフィルムや液状レジストを使用することができる。そして、感光性ドライフィルムを貼り付けたり、液状レジストを塗布した後、紫外線露光処理を行い、アルカリ水溶液で現像処理する。
【0057】(11)ついで、上記処理を行った絶縁性基板を電気めっき液に浸漬した後、無電解めっき層をカソードとし、めっき被着金属をアノードとして直流電気めっきを行い、バイアホール用開口をめっき充填するとともに、上層導体回路を形成する。
【0058】(12)ついで、めっきレジストを強アリカリ水溶液で剥離した後にエッチングを行い、無電解めっき層を除去することにより、上層導体回路およびバイアホールを独立パターンとする。上記エッチング液としては、硫酸/過酸化水素水溶液、塩化第二鉄、塩化第二銅、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩の水溶液が使用される。
【0059】(13)この後、必要により、(5) に記載した方法と同様の方法で導体回路の粗化処理を行った後、(6) 〜(12)の工程を繰り返し、最後にソルダーレジスト層およびハンダバンプ等を形成することにより、多層プリント配線板の製造を終了する。なお、以上の方法は、セミアディティブ法によるものであるが、フルアディティブ法を採用してもよい。
【0060】次に、第三の本発明の多層プリント配線板の製造方法について説明する。第三の本発明の多層プリント配線板の製造方法は、少なくとも下記した(a)〜(e)の工程を経て、絶縁性基板上に導体回路および樹脂絶縁層が順次積層形成され、これらの導体回路がバイアホールにより接続されたプリント配線板を製造することを特徴とする。
(a)絶縁性基板に下層導体回路を形成する工程、(b)下層導体回路が形成された上記絶縁性基板上に層間樹脂絶縁層を形成し、上記層間樹脂絶縁層にバイアホール用開口を形成する工程、(c)下層導体回路および層間樹脂絶縁層が形成された上記絶縁性基板にスルーホール用貫通孔を形成する工程、(d)スルーホール用貫通孔が形成された上記絶縁性基板に、薄膜導体層およびスルーホールを形成する工程、および、(e)形成されたスルーホール内に、上記した本発明のスルーホールの充填方法により樹脂充填材を充填する工程。
【0061】(1) すなわち、第三の本発明では、まず初めに、銅箔が貼り付けられ、または、主面全体に導体層が形成された絶縁性基板に、スルーホール用貫通孔を形成することなく、下層導体回路を形成する((a)工程)。下層導体回路の形成方法は、上記第二の本発明の(2) に記載した方法と同様である。この後、上記第二の本発明の説明の(5) に記載した方法と同様の方法により、下層導体回路に粗化処理を施す。
【0062】(2) 次に、下層導体回路が形成された上記絶縁性基板上に層間樹脂絶縁層を形成し、上記層間樹脂絶縁層にバイアホール用開口を形成する((b)工程)。層間樹脂絶縁層の形成方法およびバイアホール用開口の形成方法は、上記第二の本発明の説明の(6) 、(7) に記載した方法と同様である。
【0063】(3) 次に、下層導体回路およびその上に層間樹脂絶縁層が形成された絶縁性基板にスルーホール用貫通孔を形成する((c)工程)。スルーホール用貫通孔の形成方法は、上記第二の本発明の(1) に記載した方法と同様である。
【0064】(4) 次に、スルーホール用貫通孔が形成された絶縁性基板に粗化処理を施してスルーホール用貫通孔の内部および層間樹脂絶縁層の表面を粗化した後、無電解めっき処理を施して層間樹脂絶縁層表面に薄膜導体層を形成するとともに、スルーホールを形成する((d)工程)。これにより、下層導体回路とその上に形成した上層導体回路とを接続するバイアホールを兼ねたスルーホールを形成することができる。
【0065】(5) 次に、形成されたスルーホール内に、上記第一の本発明のスルーホールの充填方法により樹脂充填材を充填する((e)工程)。この後、無電解めっき処理を施し、スルーホール充填層表面の樹脂部分を含めた全面に薄膜導体層を形成する。これにより、スルーホール充填層表面の部分には、蓋めっきが施されたことになる。
【0066】この後は、第二の本発明の(10)〜(13)の記載と同様にして、上層導体回路や層間樹脂絶縁層を設け、最後にソルダーレジスト層およびハンダバンプ等を形成することにより、多層プリント配線板の製造を終了する。このような方法で製造した多層プリント配線板では、スルーホールの直上にも、バイアホールを形成することができ、高密度の多層配線基板を効率よく製造することができる。
【0067】
【実施例】以下、本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1)
A.層間樹脂絶縁層用の樹脂フィルムの作製ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量469、油化シェルエポキシ社製エピコート1001)30重量部、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量215、大日本インキ化学工業社製 エピクロンN−673)40重量部、トリアジン構造含有フェノールノボラック樹脂(フェノール性水酸基当量120、大日本インキ化学工業社製 フェノライトKA−7052)30重量部をエチルジグリコールアセテート20重量部、ソルベントナフサ20重量部に攪拌しながら加熱溶解させ、そこへ末端エポキシ化ポリブタジエンゴム(ナガセ化成工業社製 デナレックスR−45EPT)15重量部と2−フェニル−4、5−ビス(ヒドロキシメチル)イミダゾール粉砕品1.5重量部、微粉砕シリカ2重量部、シリコン系消泡剤0.5重量部を添加しエポキシ樹脂組成物を調製した。得られたエポキシ樹脂組成物を厚さ38μmのPETフィルム上に乾燥後の厚さが50μmとなるようにロールコーターを用いて塗布した後、80〜120℃で10分間乾燥させることにより、層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを作製した。
【0068】B.樹脂充填剤の調製1)ビスフェノールF型エポキシモノマー(油化シェル社製、分子量:310、YL983U)100重量部、表面にシランカップリング剤がコーティングされた平均粒径が1.6μmで、最大粒子の直径が15μm以下のSiO2 球状粒子(アドテック社製、CRS 1101−CE)170重量部およびレベリング剤(サンノプコ社製 ペレノールS4)1.5重量部を容器にとり、攪拌混合することにより、その粘度が23±1℃で45〜49Pa・sの樹脂充填剤を調製した。なお、硬化剤として、イミダゾール硬化剤(四国化成社製、2E4MZ−CN)6.5重量部を用いた。
【0069】C.多層プリント配線板の製造方法(1) 厚さ0.8mmのガラスエポキシ樹脂またはBT(ビスマレイミドトリアジン)樹脂からなる絶縁性基板1の両面に18μmの銅箔8がラミネートされている銅張積層板を出発材料とした(図2(a)参照)。まず、この銅貼積層板をドリル削孔し、無電解めっき処理を施し、パターン状にエッチングすることにより、基板の両面に下層導体回路4とスルーホール9を形成した。形成したスルーホールの径は、300μmであり、スルーホール間の距離は、500〜800μmであった。
【0070】(2) スルーホール9および下層導体回路4を形成した基板を水洗いし、乾燥した後、NaOH(10g/l)、NaClO2 (40g/l)、Na3 PO4 (6g/l)を含む水溶液を黒化浴(酸化浴)とする黒化処理、および、NaOH(10g/l)、NaBH4 (6g/l)を含む水溶液を還元浴とする還元処理を行い、そのスルーホール9を含む下層導体回路4の全表面に粗化面4a、9aを形成した(図2(b)参照)。
【0071】(3) 上記Bに記載した樹脂充填剤を調製した後、調製後24時間以内に、上記実施の形態で説明した方法により、スルーホール9内に樹脂充填材を充填し、続いて、基板の片面の導体回路非形成部に樹脂充填剤10の層を形成し、100℃、20分の条件で乾燥させた(図2(c)参照)。
【0072】(4) 上記(3) の処理を終えた基板の片面を、#600のベルト研磨紙(三共理化学製)を用いたベルトサンダー研磨により、内層銅パターン4の表面やスルーホール9のランド表面に樹脂充填剤10が残らないように研磨し、次いで、上記ベルトサンダー研磨による傷を取り除くためのバフ研磨を行った。このような一連の研磨を基板の他方の面についても同様に行った。次いで、100℃で1時間、150℃で1時間の加熱処理を行って樹脂充填剤10を硬化した。
【0073】このようにして、スルーホール9や導体回路非形成部に形成された樹脂充填材10の表層部および下層導体回路4の表面を平坦化し、樹脂充填材10と下層導体回路4の側面4aとが粗化面を介して強固に密着し、またスルーホール9の内壁面9aと樹脂充填材10とが粗化面を介して強固に密着した基板を得た(図2(d)参照)。すなわち、この工程により、樹脂充填剤10の表面と下層導体回路4の表面とが同一平面となる。
【0074】(5) 上記基板を水洗、酸性脱脂した後、ソフトエッチングし、次いで、エッチング液を基板の両面にスプレイで吹きつけて、下層導体回路4の表面とスルーホール9のランド表面と内壁とをエッチングすることにより、下層導体回路4の全表面に粗化面4a、9aを形成した(図3(a)参照)。エッチング液としては、イミダゾール銅(II)錯体10重量部、グリコール酸7重量部、塩化カリウム5重量部からなるエッチング液(メック社製、メックエッチボンド)を使用した。
【0075】(6) 基板の両面に、Aで作製した基板より少し大きめの層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを基板上に載置し、圧力4kgf/cm2 、温度80℃、圧着時間10秒の条件で仮圧着して裁断した後、さらに、以下の方法により真空ラミネーター装置を用いて貼り付けることにより層間樹脂絶縁層を形成した(図3(b)参照)。すなわち、層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを基板上に、真空度0.5Torr、圧力4kgf/cm2 、温度80℃、圧着時間60秒の条件で本圧着し、その後、170℃で30分間熱硬化させた。
【0076】(7) 次に、層間樹脂絶縁層2上に、厚さ1.2mmの貫通孔が形成されたマスクを介して、波長10.4μmのCO2 ガスレーザにて、ビーム径4.0mm、トップハットモード、パルス幅8.0μ秒、マスクの貫通孔の径1.0mm、1ショットの条件で層間樹脂絶縁層2に、直径80μmのバイアホール用開口6を形成した(図3(c)参照)。
【0077】(8) バイアホール用開口6を形成した基板を、60g/lの過マンガン酸を含む80℃の溶液に10分間浸漬し、層間樹脂絶縁層2の表面に存在するエポキシ樹脂粒子を溶解除去することにより、バイアホール用開口6の内壁を含む層間樹脂絶縁層2の表面を粗面とした(図3(d)参照)。
【0078】(9) 次に、上記処理を終えた基板を、中和溶液(シプレイ社製)に浸漬してから水洗いした。さらに、粗面化処理(粗化深さ3μm)した該基板の表面に、パラジウム触媒を付与することにより、層間樹脂絶縁層2の表面およびバイアホール用開口6の内壁面に触媒核を付着させた。
【0079】(10)次に、以下の組成の無電解銅めっき水溶液中に基板を浸漬して、粗面全体に厚さ0.6〜3.0μmの無電解銅めっき膜12を形成した(図4(a)参照)。
〔無電解めっき水溶液〕
NiSO4 0.003 mol/l酒石酸 0.200 mol/l硫酸銅 0.030 mol/lHCHO 0.050 mol/lNaOH 0.100 mol/lα、α′−ビピリジル 40 mg/lポリエチレングリコール(PEG) 0.10 g/l〔無電解めっき条件〕35℃の液温度で40分【0080】(11)市販の感光性ドライフィルムを無電解銅めっき膜12に貼り付け、マスクを載置して、100mJ/cm2 で露光し、0.8%炭酸ナトリウム水溶液で現像処理することにより、厚さ30μmのめっきレジスト3を設けた(図4(b)参照)。
【0081】(12)ついで、基板を50℃の水で洗浄して脱脂し、25℃の水で水洗後、さらに硫酸で洗浄してから、以下の条件で電解銅めっきを施し、厚さ20μmの電解銅めっき膜13を形成した(図4(c)参照)。
〔電解めっき水溶液〕
硫酸 2.24 mol/l硫酸銅 0.26 mol/l添加剤 19.5 ml/l(アトテックジャパン社製、カパラシドHL)
〔電解めっき条件〕
電流密度 1 A/dm2時間 65 分温度 22±2 ℃【0082】(13)めっきレジスト3を5%NaOHで剥離除去した後、そのめっきレジスト3下の無電解めっき膜12を硫酸と過酸化水素の混合液でエッチング処理して溶解除去し、無電解銅めっき膜12と電解銅めっき膜13からなる厚さ18μmの導体回路(バイアホール7を含む)5を形成した(図4(d)参照)。
【0083】(14)(5) と同様の処理を行い、第二銅錯体と有機酸とを含有するエッチング液によって、粗化面を形成した(図5(a)参照)。
【0084】(15)上記 (6)〜(14)の工程を繰り返すことにより、さらに上層の導体回路を形成し、多層配線板を得た(図5(b)〜図6(b)参照)。
【0085】(16)次に、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)に60重量%の濃度になるように溶解させた、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬社製)のエポキシ基50%をアクリル化した感光性付与のオリゴマー(分子量:4000)46.67重量部、メチルエチルケトンに溶解させた80重量%のビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル社製、商品名:エピコート1001)15.0重量部、イミダゾール硬化剤(四国化成社製、商品名:2E4MZ−CN)1.6重量部、感光性モノマーである2官能アクリルモノマー(日本化薬社製、商品名:R604)4.5重量部、同じく多価アクリルモノマー(共栄化学社製、商品名:DPE6A)1.5重量部、分散系消泡剤(サンノプコ社製、S−65)0.71重量部を容器にとり、攪拌、混合して混合組成物を調製し、この混合組成物に対して光重合開始剤としてベンゾフェノン(関東化学社製)2.0重量部、光増感剤としてのミヒラーケトン(関東化学社製)0.2重量部、を加えることにより、粘度を25℃で2.0Pa・sに調整したソルダーレジスト組成物を得た。なお、粘度測定は、B型粘度計(東京計器社製、DVL−B型)で60rpmの場合はローターNo.4、6rpmの場合はローターNo.3によった。
【0086】(17)次に、多層配線基板の両面に、上記ソルダーレジスト組成物を20μmの厚さで塗布し、70℃で20分間、70℃で30分間の条件で乾燥処理を行った後、ソルダーレジスト開口部のパターンが描画された厚さ5mmのフォトマスクをソルダーレジスト層に密着させて1000mJ/cm2 の紫外線で露光し、DMTG溶液で現像処理し、200μmの直径の開口を形成した。そして、さらに、80℃で1時間、100℃で1時間、120℃で1時間、150℃で3時間の条件でそれぞれ加熱処理を行ってソルダーレジスト層を硬化させ、開口を有し、その厚さが20μmのソルダーレジストパターン層14を形成した。上記ソルダーレジスト組成物としては、市販のソルダーレジスト組成物を使用することもできる。
【0087】(18)次に、ソルダーレジスト層14を形成した基板を、塩化ニッケル(2.3×10-1mol/l)、次亜リン酸ナトリウム(2.8×10-1mol/l)、クエン酸ナトリウム(1.6×10-1mol/l)を含むpH=4.5の無電解ニッケルめっき液に20分間浸漬して、開口部に厚さ5μmのニッケルめっき層15を形成した。さらに、その基板をシアン化金カリウム(7.6×10-3mol/l)、塩化アンモニウム(1.9×10-1mol/l)、クエン酸ナトリウム(1.2×10-1mol/l)、次亜リン酸ナトリウム(1.7×10-1mol/l)を含む無電解金めっき液に80℃の条件で7.5分間浸漬して、ニッケルめっき層15上に、厚さ0.03μmの金めっき層16を形成した。
【0088】(19)この後、基板のICチップを載置する面のソルダーレジスト層14の開口に、スズ−鉛を含有するはんだペーストを印刷し、さらに他方の面のソルダーレジスト層14の開口にスズ−アンチモンを含有するはんだペーストを印刷した後、200℃でリフローすることによりはんだバンプ(はんだ体)17を形成し、はんだバンプ17を有する多層配線プリント基板を製造した(図6(c)参照)。
【0089】(実施例2)
A.実施例1と同様にして、層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを作製、および、樹脂充填剤の調製を行った。
【0090】B.多層プリント配線板の製造方法(1) 厚さ1.0mmのガラスエポキシ樹脂またはBT(ビスマレイミドトリアジン)樹脂からなる絶縁性基板1の両面に18μmの銅箔8がラミネートされている銅張積層板を出発材料とした(図7(a)参照)。まず、この銅貼積層板をパターン状にエッチングすることにより、基板1の両面に下層導体回路4を形成した。
【0091】(2) 上記基板を水洗、酸性脱脂した後、ソフトエッチングし、次いで、エッチング液を基板の両面にスプレイで吹きつけ、搬送ロールで基板表面にエッチング液を搬送し、下層導体回路4の表面をエッチングすることにより、下層導体回路4の全表面に粗化面4aを形成した(図7(b)参照)。エッチング液としては、イミダゾール銅(II)錯体10重量部、グリコール酸7重量部、塩化カリウム5重量部からなるエッチング液(メック社製、メックエッチボンド)を使用した。
【0092】(3) 基板の両面に、Aで作製した基板より少し大きめの層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを基板上に載置し、圧力4kgf/cm2 、温度80℃、圧着時間10秒で仮圧着して裁断した後、さらに、以下の条件で真空ラミネーター装置を用いて貼り付けることにより層間樹脂絶縁層2を形成した(図7(c)参照)。すなわち、層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを基板上に載置し、真空度0.5Torr、圧力4kgf/cm2 、温度80℃、圧着時間60秒で本圧着し、その後、170℃で30分間熱硬化させた。
【0093】(4) 次に、層間樹脂絶縁層2上に、厚さ1.2mmの貫通孔が形成されたマスクを介して、波長10.4μmのCO2 ガスレーザにて、ビーム径4.0mm、トップハットモード、パルス幅8.0μ秒、マスクの貫通孔の径1.0mm、1ショットの条件で層間樹脂絶縁層2に、直径80μmのバイアホール用開口6を形成した。さらに、この層間樹脂絶縁層2の形成された基板をドリル削孔し、貫通孔18を形成した(図7(d)参照)。
【0094】(5) バイアホール用開口6、および、貫通孔18を形成した基板を、60g/lの過マンガン酸を含む80℃の溶液に10分間浸漬し、層間樹脂絶縁層2の表面に存在するエポキシ樹脂粒子を溶解除去することにより、層間樹脂絶縁層2の表面を粗面とした(図8(a)参照)。さらに、粗面化処理(粗化深さ6μm)した該基板の表面にパラジウム触媒(アトテック社製)を付与することにより、層間樹脂絶縁層2および貫通孔18の表面、並びに、バイアホール用開口の内壁面6に触媒核を付着させた。
【0095】(6) 次に、以下の組成の無電解銅めっき水溶液中に基板を浸漬して、粗面全体に厚さ0.6〜3.0μmの無電解銅めっき膜12aを形成し、これによりスルーホール29を形成した(図8(b)参照)。形成したスルーホールの径は、300μmであり、スルーホール間の距離は、600〜800μmであった。
〔無電解めっき水溶液〕
NiSO4 0.003 mol/l酒石酸 0.200 mol/l硫酸銅 0.030 mol/lHCHO 0.050 mol/lNaOH 0.100 mol/lα、α’−ビピリジル 40 mg/lポリエチレングリコール(PEG) 0.10 g/l〔無電解めっき条件〕35℃の液温度で40分【0096】(7) 無電解めっき膜12aを形成した基板を水洗いし、乾燥した後、NaOH(10g/l)、NaClO2 (40g/l)、Na3 PO4 (6g/l)を含む水溶液を黒化浴(酸化浴)とする黒化処理、および、NaOH(10g/l)、NaBH4 (6g/l)を含む水溶液を還元浴とする還元処理を行い、無電解めっき膜12aの全表面に粗化面を形成した。
【0097】(8) 上記Bに記載した樹脂充填剤を調製した後、調製後24時間以内に上記した実施の形態の方法により、スルーホール29内に樹脂充填剤10を充填し、100℃、20分の条件で乾燥させた。乾燥終了後、バフ研磨を施すことにより、無電解めっき膜12aの表面および樹脂充填剤の表層部10aを平坦化した。次いで、100℃で1時間、120℃で3時間、150℃で1時間、180℃で7時間の加熱処理を行って樹脂充填剤10を硬化した(図8(c)参照)。
【0098】(9) 次に、樹脂充填剤の表層部10aにパラジウム触媒(アトテック社製)を付与することにより、樹脂充填剤の表層部10aに触媒核を付着させた。さらに、上記(6) と同様の条件で無電解めっきを行い、上記(6) で形成した無電解めっき膜12aと樹脂充填剤の表層部10aとの上に、さらに厚さ0.6〜3.0μmの無電解めっき膜12bを形成した(図8(d)参照)。この工程により、スルーホール29の上に蓋めっき層を形成することができた。
【0099】(10)市販の感光性ドライフィルムを無電解銅めっき膜12bに貼り付け、マスクを載置して、100mJ/cm2 で露光し、0.8%炭酸ナトリウム水溶液で現像処理することにより、厚さ30μmのめっきレジスト3を設けた(図9(a)参照)。
【0100】(11)ついで、基板を50℃の水で洗浄して脱脂し、25℃の水で水洗後、さらに硫酸で洗浄してから、以下の条件で電解銅めっきを施し、厚さ20μmの電解銅めっき膜13を形成した(図9(b)参照)。
〔電解めっき水溶液〕
硫酸 2.24 mol/l硫酸銅 0.26 mol/l添加剤 19.5 ml/l(アトテックジャパン社製、カパラシドHL)
〔電解めっき条件〕
電流密度 1 A/dm2時間 65 分温度 22±2 ℃【0101】(12)めっきレジスト3を5%NaOHで剥離除去した後、そのめっきレジスト3下の無電解めっき膜12a、12bを硫酸と過酸化水素の混合液でエッチング処理して溶解除去し、無電解銅めっき膜12と電解銅めっき膜13からなる厚さ18μmの導体回路(バイアホール7を含む)5を形成した(図9(c)参照)。
【0102】(13)(5) と同様の処理を行い、第二銅錯体と有機酸とを含有するエッチング液によって、粗化面を形成した(図9(d)参照)。
【0103】(14)上記 (6)〜(13)の工程を繰り返すことにより、さらに上層の導体回路を形成し、多層配線板を得た(図10(a)〜図11(a)参照)。
【0104】(15)次に、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)に60重量%の濃度になるように溶解させた、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬社製)のエポキシ基50%をアクリル化した感光性付与のオリゴマー(分子量:4000)46.67重量部、メチルエチルケトンに溶解させた80重量%のビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル社製、商品名:エピコート1001)15.0重量部、イミダゾール硬化剤(四国化成社製、商品名:2E4MZ−CN)1.6重量部、感光性モノマーである2官能アクリルモノマー(日本化薬社製、商品名:R604)4.5重量部、同じく多価アクリルモノマー(共栄化学社製、商品名:DPE6A)1.5重量部、分散系消泡剤(サンノプコ社製、S−65)0.71重量部を容器にとり、攪拌、混合して混合組成物を調製し、この混合組成物に対して光重合開始剤としてベンゾフェノン(関東化学社製)2.0重量部、光増感剤としてのミヒラーケトン(関東化学社製)0.2重量部、を加えることにより、粘度を25℃で2.0Pa・sに調整したソルダーレジスト組成物を得た。なお、粘度測定は、B型粘度計(東京計器社製、DVL−B型)で60rpmの場合はローターNo.4、6rpmの場合はローターNo.3によった。
【0105】(16)次に、多層配線基板の両面に、上記ソルダーレジスト組成物を20μmの厚さで塗布し、70℃で20分間、70℃で30分間の条件で乾燥処理を行った後、ソルダーレジスト開口部のパターンが描画された厚さ5mmのフォトマスクをソルダーレジスト層に密着させて1000mJ/cm2 の紫外線で露光し、DMTG溶液で現像処理し、200μmの直径の開口を形成した。そして、さらに、80℃で1時間、100℃で1時間、120℃で1時間、150℃で3時間の条件でそれぞれ加熱処理を行ってソルダーレジスト層を硬化させ、開口を有し、その厚さが20μmのソルダーレジストパターン層14を形成した。上記ソルダーレジスト組成物としては、市販のソルダーレジスト組成物を使用することもできる。
【0106】(17)次に、ソルダーレジスト層14を形成した基板を、塩化ニッケル(2.3×10-1mol/l)、次亜リン酸ナトリウム(2.8×10-1mol/l)、クエン酸ナトリウム(1.6×10-1mol/l)を含むpH=4.5の無電解ニッケルめっき液に20分間浸漬して、開口部に厚さ5μmのニッケルめっき層15を形成した。さらに、その基板をシアン化金カリウム(7.6×10-3mol/l)、塩化アンモニウム(1.9×10-1mol/l)、クエン酸ナトリウム(1.2×10-1mol/l)、次亜リン酸ナトリウム(1.7×10-1mol/l)を含む無電解金めっき液に80℃の条件で7.5分間浸漬して、ニッケルめっき層15上に、厚さ0.03μmの金めっき層16を形成した。
【0107】(18)この後、基板のICチップを載置する面のソルダーレジスト層14の開口に、スズ−鉛を含有するはんだペーストを印刷し、さらに他方の面のソルダーレジスト層14の開口にスズ−アンチモンを含有するはんだペーストを印刷し、該はんだペースト上に通常のピングリッドアレイ(PGA)の製造方法の同様の方法を用いて外部接続ピンを載置した後、200℃でリフローを行った。この方法により、ICチップを載置する面に半田バンプ(はんだ体)17が形成され、他方の面には、外部接続ピンが設けられた多層配線プリント基板(PGA)が製造された(図12(b)参照)。
【0108】(比較例1)図12に示したような従来の方法を用い、基板に形成されたスルーホールに樹脂充填材を充填したほかは、実施例1と同様にして多層プリント配線板を製造した。
【0109】(比較例2)図12に示したような従来の方法を用い、基板に形成されたスルーホールに樹脂充填材を充填したほかは、実施例2と同様にして多層プリント配線板を製造した。
【0110】以上、実施例1〜2および比較例1〜2で得られた多層プリント配線板について、スルーホールを含むように縦に切断し、切断面を顕微鏡により観察した。また、多層プリント配線板を125℃で3分間保持した後、−55℃で3分間保持するヒートサイクルを1サイクルとし、このヒートサイクルを合計1000回繰り返すヒートサイクル試験を行い、、その後、多層プリント配線板を縦に切断して切断面を顕微鏡により観察し、層間樹脂絶縁層の剥離の有無について評価を行った。
【0111】その結果、実施例1、2に係る多層プリント配線板では、スルーホール部分に樹脂充填材の未充填は観察されなかったのに対し、比較例1、2に係る多層プリント配線板では、スルーホール部分に樹脂充填材が充填されていない部分が観察された。
【0112】また、ヒートサイクル試験後、実施例1、2に係る多層プリント配線板では、下層導体回路と層間樹脂絶縁層との間で層間樹脂絶縁層の剥離は観察されなかったのに対し、比較例1、2に係る多層プリント配線板では、スルーホールの未充填部分の空気層の膨張収縮に起因すると見られるボイド、層間樹脂絶縁層の剥離、上層導体回路と下層導体回路との間の剥離等が観察された。
【0113】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明のスルーホールの充填方法を用いることにより、充填対象となるスルーホールの配列間隔が狭い場合であっても、これらのスルーホールの全てに、樹脂充填材を完全に充填することができる。従って、上記スルーホールの充填方法を用いて多層プリント配線板を製造することにより、スルーホール内の樹脂充填材の未充填を防止して、全てのスルーホールに樹脂充填材が充分に充填された多層プリント配線板を製造することができ、層間樹脂絶縁層や導体回路の剥離がなく、導体回路の接続性、信頼性に優れた多層プリント配線板を製造することができる。




 

 


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