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発明の名称 回路基板のプラズマクリーニング方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−168498(P2001−168498A)
公開日 平成13年6月22日(2001.6.22)
出願番号 特願平11−348408
出願日 平成11年12月8日(1999.12.8)
代理人 【識別番号】100080687
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 順三 (外1名)
【テーマコード(参考)】
5E343
【Fターム(参考)】
5E343 AA15 AA16 AA17 BB24 BB67 EE08 EE36 
発明者 苅谷 隆
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 樹脂絶縁材の一面に貼付けられた金属導体を有し、かつ樹脂絶縁材の他の面から金属導体に達する開口が形成された回路基板を、反応ガスが封入されたチャンバー内の第1および第2の電極間に高周波電流を印加して形成されたプラズマ雰囲気に晒すことによって、回路基板の開口内に残留する樹脂残滓を除去する方法において、少なくとも以下の■および■の工程、すなわち■前記回路基板を、その開口が前記第1の電極に対向する状態で、前記第2の電極上に載置する工程、■前記第2の電極を冷却しながら、第1電極と第2電極との間に高周波電流を印加して前記チャンバー内にプラズマ雰囲気を形成し、前記開口内および第2電極を含んだプラズマ雰囲気の温度を、前記回路基板の樹脂絶縁材に貼付けられる樹脂接着剤および保護樹脂フィルムの軟化温度よりも低い温度に維持して、前記開口内の樹脂残滓を除去する工程、とを含むことを特徴とする回路基板のプラズマクリーニング方法。
【請求項2】 前記開口内および第2電極を含んだプラズマ雰囲気の温度が、60℃未満となるように、前記第2電極を冷却する工程を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の回路基板のプラズマクリーニング方法。
【請求項3】 前記回路基板を、熱伝導性シートを介して前記第2の電極上に載置する工程を含んでいることを特徴とする請求項1または2に記載の回路基板のプラズマクリーニング方法。
【請求項4】 前記熱伝導性シートは、シリコン樹脂から形成されることを特徴とする請求項3に記載の回路基板のプラズマクリーニング方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回路基板等の樹脂材料に形成された開口内の樹脂残滓を除去するに好適なプラズマクリーニング方法を提案する。
【0002】
【従来の技術】近年、IVH構造を有する高密度多層プリント配線板の提案が製造に好適で、上下に隣接するビアホール間の電気的接続を確実に行うことができる優れた層間接続信頼性を有する片面回路基板が提案されている。たとえば、絶縁性基材の一方の面に導体回路を有し、この絶縁性基材の他方の面から導体回路に達する開口が形成され、その開口には導電性物質が充填されてなる片面回路基板がそれである。
【0003】このような片面回路基板を用いて多層プリント配線板を製造する場合には、絶縁性基材上に樹脂接着剤によって貼付けられた銅箔面にエッチング処理等を施して導体回路を形成し、その反対側の基材表面から導体回路に達する開口をレーザ照射によって形成し、さらに、その開口内に導電性物質を充填してビアホールを形成したものを基本単位として、これらの複数枚を樹脂接着剤層を介して積層した後、一括して加熱プレスすることによってIVH構造を有する多層プリント配線板が製造される。このような多層プリント配線板およびその製造方法は、たとえば、本願と同じ出願人によって提案された特開平10−13028号公報に記載されている。
【0004】上記多層プリント配線板用回路基板の製造に際して、絶縁性基材の表面から導体回路に達するようなビアホール形成用の開口は、適切なレーザ照射条件の下で、非常に正確にしかも短時間で形成することができる。このようなレーザ加工によって開口を形成する場合には、開口の内部壁にスミア(残滓)が残ってしまうので、開口形成後に、過マンガン酸カリウム、クロム酸等の酸化剤や他の化学薬品によるウエット処理や、プラズマ装置やUVオゾン装置を用いたドライ処理等によってスミア除去を行うことが必要である。
【0005】上記ドライ処理は、ウエット処理に比べると、強力な酸化剤を使用する必要がなく環境にやさしい処理であること、設備スペースが小さくて済むこと、製造量に従って設備をスケールアップし易く、投資効率が良いこと等の長所があるので、デスミア処理技術として多用されはじめている。
【0006】しかしながら、上記回路基板の製造プロセスにおいて、プラズマクリーニング装置を用いてデスミア処理を行う場合には、高温のプラズマ雰囲気内で基板が加熱されるので、絶縁基材に銅箔を貼り付ける接着剤、たとえばBステージエポキシ接着剤が軟化して開口形状が歪んだり、レーザ加工の際に絶縁基材表面に貼り付けたPETフィルムの粘着剤が軟化して基材から剥離してしまうという問題があった。
【0007】本発明の主たる目的は、多層プリント配線板用回路基板の製造プロセスにおいて使用される耐熱温度が比較的低いBステージエポキシ接着剤やPETフィルムなどに熱的損傷を与えることなく、効果的にデスミア処理を行うことができるプラズマクリーニング方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上掲の目的を実現するために鋭意研究した結果、回路基板が載置される電極近傍のプラズマ雰囲気の温度を、電極を冷却することによって、樹脂接着剤や保護フィルム等の軟化温度未満に維持することができることを知見し、以下の内容を要旨構成とする本発明に想到した。
【0009】すなわち、本発明にかかるプラズマクリーニング方法は、樹脂絶縁材の一面に貼付けられた金属導体を有し、かつ樹脂絶縁材の他の面から金属導体に達する開口が形成された回路基板を、反応ガスが封入されたチャンバー内の第1および第2の電極間に高周波電流を印加して形成されたプラズマ雰囲気に晒すことによって、回路基板の開口内に残留する樹脂残滓を除去する方法において、少なくとも以下の■および■の工程、すなわち■前記回路基板を、その開口が前記第1の電極に対向するような状態で、前記第2の電極上に載置する工程、■前記第2の電極を冷却しながら、第1電極と第2電極との間に高周波電流を印加して前記チャンバー内にプラズマ雰囲気を形成し、前記開口内および第2電極を含んだプラズマ雰囲気の温度を、前記回路基板の樹脂絶縁材に貼付けられる樹脂接着剤および保護樹脂フィルムの軟化温度よりも低い温度に維持して、前記開口内の樹脂残滓を除去する工程、とを含んでいることを特徴とする。
【0010】このような工程を含んでなる本発明のプラズマクリーニング方法によれば、第2電極上に載置された回路基板の温度、すなわち、金属導体を樹脂絶縁材に貼付けている樹脂接着剤およびレーザ加工の際に樹脂絶縁材上に貼付けられる保護フィルムの温度が、それらの軟化温度よりも低い温度に維持され、樹脂残滓がプラズマクリーニングされるので、樹脂接着剤の軟化に起因する開口の位置ずれや保護フィルムの剥離を効果的に防止することができる。
【0011】上記■の工程において、第2電極の冷却は、開口内および第2電極を含んだプラズマ雰囲気の温度が、60℃未満となるように行われるのが望ましく、それによって、第2電極に載置される回路基板の金属導体を樹脂絶縁材に貼付けているBステージエポキシ樹脂や、レーザ加工の際に回路基板の樹脂絶縁材表面に貼付けられるPETフィルムの粘着剤が軟化することがなく、開口の位置ずれや保護フィルムの剥離を効果的に防止することができる。
【0012】さらに、上記■の工程において、冷却効果を上げるため、回路基板を熱伝導性シートを介して第2の電極上に密着させるのが望ましい。このように、回路基板を熱伝導率の高い材料によって、直接冷却されている第2電極に密着させることで、回路基板が受けた熱を効率良く放熱させることができる。特に、回路基板を構成する樹脂絶縁材が、比較的薄い材質、たとえば、厚さ30〜100μmのガラスエポキシ樹脂基材であるような場合に、このような熱伝導性シートを介して第2電極に密着させることは効果的である。なぜならば、比較的薄い材質からなる回路基板の一部が、一旦第2電極から離れると、基板温度が徐々に上昇し、このような温度上昇によって基板に反りが生じることがあり、そのような反りが生じた場合には、回路基板は更に第2電極から離れる、という具合に、加速的に回路基板が加熱されることになるからである。回路基板の全面が、このような熱伝導性シートを介して常に第2電極に密着して放熱効果を維持できればこのような事は起こらない。上記熱伝導性シートしては、厚みが0.1〜5mm、熱伝導率が1〜5W/m℃のゲル状のシリコン樹脂から形成されることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明にかかる回路基板のプラズマクリーニング方法の特徴は、プラズマクリーニング装置内で回路基板が載置される電極を冷却することによって、回路基板に設けた開口および電極を含んだプラズマ雰囲気の温度を調整することができる点にある。
【0014】かかる構成によれば、電極自体および電極周辺のプラズマ雰囲気の温度を、回路基板の樹脂絶縁材に貼付けられた接着剤や保護フィルムの軟化温度よりも低い温度に維持することができるので、電極の温度上昇の影響を受けることなく、開口内の樹脂残滓を効果的に除去できる。
【0015】本発明にかかるプラズマクリーニング方法によって、効果的にデスミア処理を行うことができる樹脂材料としては、たとえば、ガラス布−エポキシ樹脂基材、ガラス布−ビスマレイミドトリアジン樹脂基材、ガラス布−ポリフェニレンエーテル樹脂基材、アラミド不織布−エポキシ樹脂基材、アラミド不織布−ポリイド樹脂基材等のレーザ加工が可能な硬質樹脂基材からなる絶縁性基材が挙げられ、ガラス布やアラミド不織布を含まない樹脂基材であっても使用可能である。
【0016】上記プラズマクリーニング装置内の電極を冷却する方法としては、電極内または電極に密接して冷却管を配設し、その冷却管に給水ポンプによって冷却水を循環させる方法等がある。
【0017】さらに、上記回路基板が受ける熱を放熱させるための熱伝導性シートとしては、厚みが0.1〜5mm、熱伝導率が1.0〜5.0W/m・℃、であるゲル状シリコン樹脂から形成されるものが好ましい。特に、厚みが30〜100μmの比較的薄い樹脂絶縁材を含んだ回路基板をデスミア処理する際には、上記熱伝導性シートとして、熱伝導率が1.0W/m・℃以上、厚み1mm以下のゲル状シリコン樹脂を用いることが有利である。
【0018】以下、プラズマクリーニング装置を用いて、回路基板に設けた開口内の樹脂残滓を除去する方法について、添付図面を参照にして具体的に説明する。図1は、プラズマクリーニングすべき回路基板を示す概略断面図である。図に示されるように、回路基板を構成する絶縁性基材2の一方の表面には、粘着剤層6を有するPETフィルム5が貼付けられ、他方の表面には、樹脂接着剤4によって銅箔3が貼付けられている。符号7は、PETフィルム5の上方からレーザ照射することによって形成された開口、すなわち、絶縁性基材2の一方の表面から銅箔3に達する非貫通孔である。このようなレーザ加工によって、開口7の壁面、特に、開口底壁には樹脂残滓8が残留することになるが、このような樹脂残滓を除去した後に、この開口内には導電性物質が充填されて、片面回路基板が製造される。
【0019】図2は、図1に示されるような回路基板の開口内に残留する樹脂残滓をデスミア処理するのに用いられるプラズマクリーニング装置の概略断面図である。図において、10は減圧された雰囲気を形成するためのチャバーであり、12はチャンバー10の上部に水平に保持され、かつ電気的に接地される第1電極、14は第1電極12と平行に対面し、高周波電源16により高周波電流が印加される第2電極である。
【0020】また第2電極14の内部には、冷却手段としての水冷管22が配置され、チャンバー10の外側に設置した給水ポンプ(図示を省略)を駆動することによって、図1の矢印で示す方向に冷却水が送られ、水冷管22内を冷却水が循環するようになっている。この実施態様では、管路内に冷却水を循環させて第2電極14の温度を低下させるが、冷却水に限られず、空冷方式でも可能であり、また適切な冷媒を循環させる方式でもよい。
【0021】このような冷却手段によって、第2電極14は常時冷却されるとともに、第2電極14周辺の減圧雰囲気内の温度も低下するようになっており、その結果、シリコンゴム20を介して第2電極14上に載置される基板等の樹脂材料18の温度も、その樹脂材料18に含まれる樹脂接着剤を軟化させるような温度未満の比較的低い温度に保持されるようになっている。
【0022】なお、実際にデスミア処理を行う際には、チャンバー内に反応ガスが供給されると同時に、適切な真空ポンプ(図示を省略する)、たとえば、ロータリーポンプによってチャンバー内を所定の真空度になるまで減圧し、その後プラズマクリーニングを行う。
【0023】次に、このようなプラズマクリーニング装置を用いた回路基板のデスミア処理について説明する。
■まず、デスミアされるべき回路基板18を、ゲル状のシリコン樹脂からなる熱導電性シート20を介して第2電極14の上面に密着配置させる。
【0024】■次いで、チャンバー10を閉鎖して回路基板18を外気から隔離し、給水ポンプを作動させて、冷却管22内に冷却水を循環させて第2電極14を冷却する。
【0025】■さらに、図示を省略した真空ポンプを駆動させて、チャンバー内の真空度を所定値になるまで減圧して、反応ガスを導入する。そして、反応ガスの圧力が設定した値となったところで、高周波電源16を駆動して、第2電極14に所定の高周波電流を所定時間だけ印加する。
【0026】■この高周波電流の印加によって、第1電極12と第2電極14との間にプラズマが発生し、チャンバー10内にプラズマ雰囲気が形成される。このようなプラズマ雰囲気が形成されたチャンバー内の第2の電極14は、冷却水によって冷却されており、回路基板18はその電極14に熱導電性シート20を介して密着しているので、回路基板18に貼付けられた樹脂接着剤4やPETフィルム5の粘着剤6の軟化温度よりも低い温度に維持され、樹脂接着剤4や粘着剤6が軟化することなしに、回路基板18に形成された開口7内に残留する樹脂残滓8が効果的に除去される。
【0027】
【実施例】(実施例1)上記実施形態における■〜■の処理にしたがってデスミア処理を行った。まず、デスミアされる回路基板を構成する樹脂絶縁材としては、基材厚75μm、銅箔厚12μmの片面銅張積層板の樹脂面に、粘着剤層を有する厚さ22μmのPETフィルムを貼付けた後、PETフィルム上からレーザ照射を行って、開口径150μm、深さ75μmの非貫通孔を有する回路基板を形成した。
【0028】この回路基板がプラズマ雰囲気から受ける熱を放熱させるための熱伝導性シートとして、厚さが約1mm、比重が2.5(25℃)、硬さが44、熱伝導率が1.05W/m・℃のゲル状のシリコン樹脂を使用し、チャンバー内の真空度が13.3Paとなった時点で、チャンバー内に、OとCFとの混合ガス(O:CF=70:30)を反応ガスとして導入して真空度を40Paとし、出力1kWの高周波電流を3分間だけ通電して、回路基板の温度を60℃にしてプラズマクリーニングを行った。
【0029】(実施例2)酸素Oを反応ガスとして用い、反応ガス導入後の真空度を40Paとし、高周波出力を3kW、高周波電流の通電時間を3分としたこと以外は、実施例1と同様の方法でプラズマクリーニングを行った。
【0030】(実施例3)混合比が70:30であるOとCFの混合ガスを用い、反応ガス導入後の真空度を40Paとし、高周波出力を3kW、高周波電流の通電時間を1分としたこと以外は、実施例1と同様の方法でプラズマクリーニングを行った。
【0031】実施例1〜3にしたがってデスミア処理した回路基板について、樹脂残滓が開口内に残っているかどうかを走査型電子顕微鏡(SEM)と蛍光顕微鏡(ニコン社製:商品名「ECRIPSE E800」)により検査した結果、すべての開口について樹脂残滓がほとんどないことが確認され、さらに、樹脂接着剤やPETフィルムの軟化による開口の位置ずれやフィルムの剥がれが全くないことも確認された。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の回路基板のプラズマクリーニング方法によれば、デスミアすべき開口を有する回路基板を支持する電極を冷却しながら、プラズマ雰囲気に晒すことによって、耐熱温度が比較的低いBステージエポキシ接着剤やPETフィルムなどに熱的損傷を与えることなく、開口内に残留する樹脂残滓を効果的に除去することができる。




 

 


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